JPH0749849Y2 - リフレクタアンテナの給電部支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 衛星通信等に用いる受信用リフレクタアンテナの給電部
支持装置にかかわり、特に垂直偏波・水平偏波を切り換
え受信し得る給電部支持装置に関し、 偏波面の切り換え作業が容易な給電部支持装置を提供す
ることを目的とし、 円錐ホーンと円錐ホーンの後部に連結した周波数変換部
とからなるリフレクタアンテナの給電部を、リフレクタ
アンテナの反射鏡の焦点位置に保持するリフレクタアン
テナの給電部支持装置であって、 反射鏡を支持する主アームから枝分かれした分岐アーム
の先端部に、反射鏡に対向するよう設けた固定板と、円
錐ホーンの前部を軸支すべく固定板の中心部に設けた軸
孔と、軸孔の周囲に対称に設けた1/4円周長の一対の円
弧形長孔と、中心部に円錐ホーンに外接する半円孔を有
する前部部材及び円錐ホーンの後部を回動可能に抱持す
る後部部材とが、側面視Ｕ字形に連結されてなる支持金
具と、円弧形長孔の直径に等しい間隔で半円孔を挟んだ
対称の位置に前部部材に配設された一対のねじ孔と、頸
部が摺動可能にそれぞれの円弧形長孔に嵌入し、ねじ部
が対応するねじ孔に螺着するねじとを備え、支持金具
は、前部部材の前端面が固定板の後面に密着した状態
で、ねじにより該固定板に固着される構成とする。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、衛星通信等に用いる受信用リフレクタアンテ
ナの給電部支持装置にかかわり、特に垂直偏波・水平偏
波を切り換え受信し得る給電部支持装置に関する。

人口衛星は必要に応じて、水平偏波或いは垂直偏波の何
れかを発信するように構成されている。

したがって、地上局に設置するリフレクタアンテナは、
水平偏波と垂直偏波を切り換え受信し得ることが要求さ
れる。

〔従来の技術〕

第３図は従来例の側面図であって、リフレクタアンテナ
１は、反射鏡２の俯仰角及び方位角が調整可能に、主ア
ーム3Aの下部をスタンド1A上に取付けてある。

一方、５は、円錐ホーン51と周波数変換部52とが連結し
結合した給電部であって、円錐ホーン51の円形の空洞の
後部に、周波数変換部52の前面の方形の開口が連通して
いる。

このような給電部５は、反射鏡２を支持する主アーム3A
から枝分かれした分岐アームの先端部に設けたアーム先
端基板3B−１上に、反射鏡２の焦点位置に設置される。

ところで、いま水平偏波を受信しているリフレクタアン
テナ１を、垂直偏波を受信し得るように切り換えるため
には、給電部５を90度回転しなければならない。

従来は円錐ホーン51の前部を回動可能に支持する前部部
材と、円錐ホーン51の後部を回動可能に支持する後部部
材とを、側面視Ｕ字形に連結した支持装置６を、アーム
先端基板3B−１に取付け、支持装置６に給電部５を装着
し、給電部を回動しながら受信レベルを測定し、受信レ
ベルが最高の位置（給電部５の周波数変換部52の伝搬モ
ードの指向面が、受信すべき偏波面に一致した位置）
で、給電部５を支持装置６に固定している。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら上記従来のリフレクタアンテナの給電部支
持装置は、受信している垂直偏波を水平偏波に、或いは
受信している水平偏波を垂直偏波にそれぞれ切り換える
には、その都度受信レベルを測定しながら、給電部５を
回転しなければならず、調整に多大の時間を要するとい
う問題点があった。

本考案はこのような点に鑑みて創作されたもので、偏波
面の切り換え作業が容易なリフレクタアンテナの給電部
支持装置を提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、第１図に例示し
たように、円錐ホーン51と円錐ホーン51の後部に連結し
た周波数変換部52とからなるリフレクタアンテナ１の給
電部５を、リフレクタアンテナ１の反射鏡２の焦点位置
に保持するリフレクタアンテナの給電部支持装置であっ
て、 反射鏡２を支持する主アーム3Aから枝分かれした分岐ア
ーム3Bの先端部に、反射鏡２に対向するよう設けた固定
板10と、円錐ホーン51の円筒部の前部を軸支すべく固定
板10の中心部に設けた軸孔12と、軸孔12の周囲に対称に
設けた1/4円周長の一対の円弧形長孔11−1,11−２とを
備える。

また、中心部に円錐ホーン51に外接する半円孔22を有す
る前部部材21と、円錐ホーン51の円筒部の後部を回動可
能に抱持する後部部材25とが、側面視Ｕ字形に連結され
てなる支持金具20と、円弧形長孔の直径に等しい間隔で
半円孔22を挟んだ対称の位置に前部部材21に配設された
一対のねじ孔23と、頸部が摺動可能にそれぞれの円弧形
長孔11−1,11−２に嵌入しねじ部が対応するねじ孔23に
螺着するねじ13とを備える。

そして、支持金具20は、前部部材21の前端面が固定板10
の後面に密着した状態で、ねじ13により固定板10に固着
される構成とする。

〔作用〕

上述のように構成してあるので、第２図に図示したよう
に、一方のねじ13を円弧形長孔11−１の一端A₁に位置
し、他方のねじ13を円弧形長孔11−２の対応する一端A₂
に位置した状態で、支持金具20を固定板10に固着する。
そして後部部材25の抱持を弛めて給電部５を回動し、受
信レベルを最高に調整する。

調整後は、給電部５が回転しないように円錐ホーン51の
後部を後部部材25で抱持・固着して、給電部５と支持金
具20との関係位置を固定する。

次に、受信する電磁波の偏波面を切り換えるには、固定
板10と前部部材21とを固定しているねじ13を弛め、支持
金具20を回転して、一方のねじ13を円弧形長孔11−１の
他端B₁に位置させ、他方のねじ13を円弧形長孔11−２の
対応する他端B₂に位置させる。そしてねじ13を締めつけ
て、支持金具20と固定板10との関係位置を固定する。

このように円弧形長孔の円弧長で回転角度を規制し、軸
孔12を軸にして給電部５を回転することで、給電部５は
正確に90度回転する。即ち、受信する偏波面が切り換わ
る。

〔実施例〕

以下図を参照しながら、本考案を具体的に説明する。な
お、全図を通じて同一符号は同一対象物を示す。

第１図は本考案の実施例の図で、（ａ）は側面図、
（ｂ）は支持装置を分離した形で示す斜視図、第２図
は、本考案の作用を説明する正面図である。

第１図において、受信用リフレクタアンテナ１は、反射
鏡２の俯仰角及び方位角が調整可能に、主アーム3Aの下
部をスタンド1A上に取付けてある。

円錐ホーン51の後部に周波数変換部52の前部が連結固着
されてなる給電部５は、反射鏡２を支持する主アーム3A
から枝分かれした分岐アーム3Bの先端部に設けたアーム
先端基板3B−１で、反射鏡２の焦点位置に設置される。

給電部５は同軸ケーブルを介して受信装置（図示省略）
に接続してある。

なお、給電部５は第２図に示すように、円錐ホーン空洞
51Aの後部に、周波数変換部52の前面の方形の周波数変
換部開口52Aが連通している。

10は、アーム先端基板3B−１上に、反射鏡２に対応して
固着する固定板であって、中心位置に円錐ホーン51の円
筒部の前部の外周を回動可能に軸支する軸孔12を設けて
ある。

また、固定板10には軸孔12の周囲に対称に、一対の円弧
形長孔11−1,11−２を設けてある。

それぞれの円弧形長孔11−1,11−２は、長さが円周の1/
4に等しく、幅がねじ13の頸部が摺動可能にしっくりと
嵌入する寸法である。

したがって、第２図に示すように、円弧形長孔11−１の
一端A₁と他端B₁とのなす中心角αは90度であり、また円
弧形長孔11−２の一端A₂と他端B₂とのなす中心角αも90
度である。

20は、固定板10の後面に密着する前部部材21と、円錐ホ
ーン51の円筒部の後部の外周を回動可能に抱持する後部
部材25とを、連結板24を用いて側面視Ｕ字形に連結した
支持金具である。

前部部材21は、固定板10の後面に密接する正面視がほぼ
馬蹄形の金属板であって、軸孔12に対応して円錐ホーン
51の円筒部に外接する半円孔22を有する。

また、前部部材21には半円孔22を挟んで対称に、円弧形
長孔の半径に等しい位置に、それぞれのねじ13が螺着す
る一対のねじ孔23を設けている。

後部部材25は、円錐ホーン51の外周を支える後部部材本
体と、後部部材本体に嵌着することで円錐ホーン51を締
めつけ抱持する押え板30とで構成されている。

後部部材本体は、円錐ホーン51の外径寸法に等しい内径
を有する半円筒板26と、半円筒板26の上部側縁が外側に
翼状に屈曲してなる一対の鍔とからなり、鍔の中心部に
はそれぞれ、ねじ35が螺着するねじ孔27を有する。

また押え板30は、ほぼ後部部材本体と同形で鍔には、ね
じ35を挿入する孔31を設けてある。

上述のような構成とし、円錐ホーン51を固定板10の軸孔
12に挿入し、その後部を支持金具20の後部部材25で抱持
させる。

その後、前部部材21の前端面を固定板10の後面に密接さ
せ、固定板10の円弧形長孔11−1,11−２のそれぞれにね
じ13を嵌入し、それぞれのねじ13を前部部材21に設けた
対応するねじ孔23に螺着することで、支持金具20を固定
板10に固着させている。

支持金具20は上述のように構成されているので、作用の
項で説明したように、一方のねじ13を円弧形長孔11−１
の一端A₁に位置し、他方のねじ13を円弧形長孔11−２の
対応する一端A₂に位置した状態で、支持金具20を固定板
10に固着し、後部部材25の抱持を弛めて給電部５を回動
し、受信レベルを最高に調整し、円錐ホーン51の後部を
後部部材25で抱持・固着することで、水平偏波或いは垂
直偏波の何れか一方を受信することができる。

また、固定板10と前部部材21とを固定しているねじ13を
弛め、支持金具20を回転して、一方のねじ13を円弧形長
孔11−１の他端B₁に位置させ、他方のねじ13を円弧形長
孔11−２の対応する他端B₂に位置させ、ねじ13を締めつ
けることで、偏波面を切り換えることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、中心角が90度の一対の円
弧形長孔を有する給電部の前部を支持する固定板と、給
電部の後部を抱持する支持金具とで構成したことによ
り、偏波面の切り換え作業が極めて容易であるという実
用上で優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の図で、 （ａ）は側面図、 （ｂ）は支持装置を分離した形で示す斜視図、 第２図は本考案の作用を説明する正面図、 第３図は従来例の側面図である。 図において、 １はリフレクタアンテナ、1Aはスタンド、２は反射鏡、
3Aは主アーム、3Bは分岐アーム、3B−１はアーム先端基
板、５は給電部、51は円錐ホーン、52は周波数変換部、
10は固定板、11−1,11−２は円弧形長孔、12は軸孔、1
3,35はねじ、20は支持金具、21は前部部材、25は後部部
材、30は押え板をそれぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円錐ホーン（51）と該円錐ホーン（51）の
   後部に連結した周波数変換部（52）とからなるリフレク
   タアンテナ（１）の給電部（５）を、該リフレクタアン
   テナ（１）の反射鏡（２）の焦点位置に保持するリフレ
   クタアンテナの給電部支持装置であって、 該反射鏡（２）を支持する主アーム（3A）から枝分かれ
   した分岐アーム（3B）の先端部に、該反射鏡（２）に対
   向するよう設けた固定板（10）と、 該円錐ホーン（51）の円筒部の前部を軸支すべく、該固
   定板（10）の中心部に設けた軸孔（12）と、 該軸孔（12）の周囲に対称に設けた1/4円周長の一対の
   円弧形長孔（11−1,11−２）と、 該円錐ホーン（51）の円筒部に外接する半円孔（22）を
   中心部に設けた前部部材（21）と、該円錐ホーン（51）
   の円筒部の後部を回動可能に抱持する後部部材（25）と
   が、側面視Ｕ字形に連結されてなる支持金具（20）と、 該円弧形長孔の直径に等しい間隔で、該半円孔（22）を
   挟んで対称するよう該前部部材（21）に配設された一対
   のねじ孔（23）と、 頚部が摺動可能にそれぞれの円弧形長孔（11−1,11−
   ２）に嵌入し、ねじ部が対応する該ねじ孔（23）に螺着
   するねじ（13）とを備え、 該支持金具（20）は、該前部部材（21）の前端面が該固
   定板（10）の後面に密着した状態で、該ねじ（13）によ
   り該固定板（10）に固着されるものであることを特徴と
   するリフレクタアンテナの給電部支持装置。