JPH0748774Y2 - シャワーハンガーの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、台所の流し台や洗面ボ
ール、浴室などに設けられる湯水混合栓のシャワーハン
ガーの取付構造の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のシャワーハンガー付の湯水混合栓
として、例えば実開平３−５５０１２号に開示されたも
のがある。このシャワーハンガー付湯水混合栓は、ハン
ドシャワーの吐水位置を任意に設定できるようにするた
めに、そのハンドシャワーを引っ掛けておくシャワーハ
ンガーの基部を湯水混合栓本体の混合水出口に袋ナット
を介して回動自在に取り付けられている。

【０００３】そして、このハンドシャワーをシャワーハ
ンガーに引っ掛けた状態で回動させることによって、普
通の蛇口と同様にそのハンドシャワーの吐水位置を任意
に設定できる構成になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来のシャワーハ
ンガー付湯水混合栓は、シャワーハンガーを湯水混合栓
の下部に取り付けているため、そのシャワーハンガーが
比較的長くなっていた。そのため、ハンドシャワーを引
っ掛けた状態で使用する場合には、そのシャワーハンガ
ーとハンドシャワーおよびホースとによって、シャワー
ハンガーの取付部に大きな荷重が集中的にかかり、シャ
ワーハンガーを操作しにくいことがあった。つまり、シ
ャワーハンガーの操作性に難点があった。

【０００５】また、シャワーハンガーがハンドシャワー
から吐出される湯水の吐水圧力によって首振り状態とな
らないように、シャワーハンガーと取付部との間にシー
ル部材を設けて高摩擦を生じさせるようにしているが、
このシール部材による回転の抑制力は、シール部材を挟
持する力によって左右され、かつ、水の付着や劣化によ
っても変化してしまうという難点があった。あるいは、
袋ナットがシャワーハンガーの回動に伴って緩むような
こともあった。

【０００６】そして、そのシャワーハンガーが、湯水混
合栓本体の下部に直接取り付けられているため、組付性
にも難点があった。

【０００７】本考案はこのような実情に鑑みてなされ、
シャワーハンガーの操作性が向上し、かつ、組立作業が
容易なシャワーハンガーの取付構造を提供することを目
的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】すなわち本考案は、ホー
スを介して湯水混合栓と接続されるハンドシャワーを着
脱自在に支持するためのシャワーハンガーをその湯水混
合栓に取り付けるためのハンドシャワーの取付構造であ
って、前記混合栓本体の底部に突設させた吐出口の外周
に刻設された螺子部には有底筒状の接続部材の上部内周
に刻設された螺子部が螺合締結され、その上部外周に形
成された二面カット部を有する縦目ローレットには、ハ
ンガー支持部材の中間部の上面に開設された上開口の縦
目ローレットが結合され、かつ、その上開口の下方に開
設された下開口から前記接続部材の底部を突出させ、そ
の外周に刻設した周溝にＥリングを被嵌させることによ
って、前記ハンガー支持部材を前記接続部材を介して湯
水混合栓に対して固定するとともに、その接続部材の中
間部に開設された開口を、前記ハンガー支持部材の一端
部に突設したホース取付口と連通させる一方、そのハン
ガー支持部材の他端部には、前記シャワーハンガーの基
部が枢支され、そのシャワーハンガーがその基部を中心
として水平面内に回動自在に支持されていることを特徴
とするシャワーハンガーの取付構造である。

【０００９】

【作用】上記の特徴構成によれば、ハンドシャワーを着
脱自在に支持するためのシャワーハンガーの基部を混合
栓本体に組み付けたハンガー支持部材の端部（他端部）
に回動自在に枢支させていることによって、そのシャワ
ーハンガーの長さを短くすることができ、これにより、
その枢支部にかかる負荷を小さくすることができる。

【００１０】また、そのハンガー支持部材は縦目ローレ
ット同士の結合によって混合栓本体に対する取付角度を
適宜に調整することができる。

【００１１】そして、接続部材を混合栓本体に取り付け
た後、その縦目ローレットにハンガー支持部材の縦目ロ
ーレットを結合させた後Ｅリングを被嵌させることによ
ってそのハンガー支持部材を混合栓本体に容易に組み付
けることができる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図１はシャワーハンガーの取付構造を示す
断面図で、符号１は壁面等に取り付けられた湯水混合栓
で、その混合栓本体２（図２参照）の上部には、湯水の
温度と流量を調整するためのシングルレバー３が、ま
た、その底部には吐出口４が設けられている。

【００１３】その混合栓本体２の吐出口４の外周には、
有底筒状の接続部材５が被嵌螺合され、その上部内周に
刻設された螺子部が、吐出口４の外周に刻設された螺子
部に螺合締結される一方、その上部外周に形成された二
面カット部６，６を有する縦目ローレット７（図３参
照）には、ハンガー支持部材８の中間部の上面に開設さ
れた上開口９に形成された縦目ローレット10が結合さ
れ、かつその上開口９の下方に開設された下開口11から
接続部材５の底部を突出させている。なお、吐出口４に
は蛇口31を取り付けることもでき、その場合には接続部
材５は不要である。

【００１４】その接続部材５の底部の外周には周溝12
（図３参照）が刻設され、その周溝12にＥリング13を被
嵌させることによって、ハンガー支持部材８を接続部材
５を介して混合栓本体２に固定することができ、かつそ
の取付状態で接続部材５の中間部に開設された開口14，
…をハンガー支持部材８の一端部に突設したホース取付
口15と連通させている。

【００１５】上述のような構成により、接続部材５はそ
の二面カット部６，６を挟み付けて混合栓本体２に対し
てパッキン21を介して容易確実に締結固定することがで
きる。そして、その縦目ローレット７に対して任意の角
度でハンガー支持部材８の縦目ローレット10を結合させ
ることができ、しかる後に、ワッシャー22を嵌めてＥリ
ング13を周溝12に嵌装すればそのハンガー支持部材８の
取り付けが完了する。このように、そのハンガー支持部
材８の位置を自由に設定でき、後述のように、ハンドシ
ャワー19の使い勝手をよくすることができる。

【００１６】そのハンガー支持部材８の他端部に突設し
た支軸16にはシャワーハンガー17の基部が枢支され、そ
のシャワーハンガー17がその基部を中心として水平面内
に回動自在に支持され、かつクリック機構18によってそ
のシャワーハンガー17の位置設定ができるようになって
いる（図５参照）。

【００１７】そのクリック機構18は、図４に示すよう
に、シャワーハンガー17の基部に嵌装されたスプリング
23によって下向きに付勢されるボール24が、ハンガー支
持部材８の他端部に立設固定される支軸16の外周に半円
弧状に配列されたボール穴25，…のいずれかに嵌まるこ
とによってシャワーハンガー17がハンガー支持部材８に
対して位置決めされるように構成されている。

【００１８】シャワーハンガー17に着脱自在に支持され
るハンドシャワー19（図２参照）は、ホース20を介して
ハンガー支持部材８のホース取付口15に接続され、その
ハンドシャワー19に、混合栓本体２の吐出口４から湯水
が供給されるようになっている。

【００１９】そのシャワーハンガー17は下開きの円筒状
に形成され、その内面に刻設されたローレット26に、ハ
ンドシャワー19の基部に刻設されたローレット27を結合
させてそのハンドシャワー19をしっかりと支持できるよ
うになっている（図６参照）。

【００２０】以上のような構成により、まず、ハンドシ
ャワー19を着脱自在に支持するシャワーハンガー17の基
部が、混合栓本体２と離れたハンガー支持部材８の他端
部に枢支されていることにより、そのシャワーハンガー
17の長さを短くすることができ、これによりその枢支部
にかかる負荷を小さくすることができ、操作性が向上す
る。

【００２１】また、そのハンガー支持部材８は、縦目ロ
ーレット７，10同士の掛合によって混合栓本体２に対す
る取付角度を適宜に調整することができ、これによって
もハンドシャワー19の操作性を一段と向上させることが
できる。例えば、混合栓本体２が壁ぎわに設置されてい
る場合等においては、そのハンガー支持部材８の他端部
を壁から離れた位置に向けて設定すれば、ハンドシャワ
ー19の取り扱いが容易となる。

【００２２】そして、クリック機構18によって、シャワ
ーハンガー17の位置設定が確実となり、そのシャワーハ
ンガー17にハンドシャワー19を支持させて使用する場合
でも、ハンドシャワー19が首振り状態になるのが防止さ
れ、使い勝手がよい。

【００２３】また、組み付けに際しては、まず、接続部
材５を混合栓本体２の吐出口４に取り付けて、その接続
部材５にハンガー支持部材８を適宜な角度で取り付け
て、Ｅリング13を嵌めることによって、きわめて容易に
組付作業を終了することができる。

【００２４】

【考案の効果】以上説明したように、本考案のシャワー
ハンガー取付構造によれば、混合栓本体に組み付けたハ
ンガー支持部材の端部（他端部）にシャワーハンガーの
基部を枢支させているので、そのシャワーハンガーの長
さを短くすることができ、その枢支部にかかる負荷を小
さくすることができ、操作性が向上する。

【００２５】また、そのハンガー支持部材は縦目ローレ
ット同士の結合によって混合栓本体に対する取付角度を
適宜に調整することができ、これによっても使い勝手を
よくすることができる。

【００２６】そして、接続部材を混合栓本体に取り付け
た後、縦目ローレット同士を結合させた後Ｅリングを被
嵌させることによってハンガー支持部材を混合栓本体に
容易に組み付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のシャワーハンガーの取付構造の一実施
例を示す縦断面図である。

【図２】同全体の分解図である。

【図３】同接続部材とハンガー支持部材の分解図であ
る。

【図４】同クリック機構の分解図である。

【図５】同ハンドシャワーの回動動作を示す平面図であ
る。

【図６】同ハンドシャワーがシャワーハンガーに支持さ
れている状態の断面図である。

【符号の説明】

１…湯水混合栓、２…混合栓本体、４…吐出口、５…接
続部材、７，10…縦目ローレット、８…ハンガー支持部
材、９…上開口、11…下開口、12…周溝、13…Ｅリン
グ、14…開口、15…ホース取付口、17…シャワーハンガ
ー、19…ハンドシャワー、20…ホース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホースを介して湯水混合栓と接続される
   ハンドシャワーを着脱自在に支持するためのシャワーハ
   ンガーをその湯水混合栓に取り付けるためのハンドシャ
   ワーの取付構造であって、前記混合栓本体の底部に突設
   させた吐出口の外周に刻設された螺子部には有底筒状の
   接続部材の上部内周に刻設された螺子部が螺合締結さ
   れ、その上部外周に形成された二面カット部を有する縦
   目ローレットには、ハンガー支持部材の中間部の上面に
   開設された上開口の縦目ローレットが結合され、かつ、
   その上開口の下方に開設された下開口から前記接続部材
   の底部を突出させ、その外周に刻設した周溝にＥリング
   を被嵌させることによって、前記ハンガー支持部材を前
   記接続部材を介して湯水混合栓に対して固定するととも
   に、その接続部材の中間部に開設された開口を、前記ハ
   ンガー支持部材の一端部に突設したホース取付口と連通
   させる一方、そのハンガー支持部材の他端部には、前記
   シャワーハンガーの基部が枢支され、そのシャワーハン
   ガーがその基部を中心として水平面内に回動自在に支持
   されていることを特徴とするシャワーハンガーの取付構
   造。