JPH0748763Y2 - 水抜弁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主に寒冷地における水
道用配管の底部、いわゆる水溜り部に取り付けてその部
分の水を抜いて凍結を防止するための水抜弁に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】寒冷地においては、通常、不凍給水栓を
操作して冬期間配管内の水抜き操作を行なっているが、
配管の都合上、例えばトラップを形成するなど、水溜り
部が生ずる場合もあり、そのような部分には市販の蛇口
やあるいは第２図に示すような水抜きプラグを用いて水
抜きをすることが多かった。しかし、蛇口では場所をと
りコストも高くなる上、蛇口自体に水残り部が生じるな
どの欠陥があり、また水抜き用プラグでは上記の欠陥は
除去できるが、水残りが多い場合にはねじ部からも水が
でてきて手を濡らすとか、下方向のストッパーがないの
で操作に気を使うとか、排水場所の関係でホースを取り
付けた時には、ホースも一緒に回転してしまうため非常
に操作がしにくいという操作上の欠点があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記点に鑑み本考案に
おいては、小型で構造の簡単な、しかも上述した水抜き
用プラグの有する欠点を全て除去した操作性のよい水抜
弁を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、内部に下向き
の弁座とその下方にシリンダを形成し、シリンダ下端部
にストッパーを装着し、下端部外周に作動用雄ねじを有
する弁箱内に、上記弁座を密封するパッキンと、シリン
ダを摺動する環状パッキンを装着し、内部に下端から上
記パッキン間に開口する連通孔を穿った弁体を上記スト
ッパーにより離脱しないように収容し、上記作動用雄ね
じに螺合するナットのつば部を、上記弁体に設けた段部
とその下方に装着した止めリングにより回転自在にはさ
みこむようにしてなるものである。

【０００５】

【作用】そのため、排水時には手でナットを回すことに
より、環状パッキンの摩擦力が働いて止めリングととも
に弁体は回転することなく下降し、ストッパーに当接し
て下降を停止する。この状態では環状パッキンにより、
管内の水は連通孔からのみ排出される。排水終了後、今
度はナットを逆方向に回転させると、つば部が弁体の段
部に当接して弁体をやはり回転することなく上昇させ、
パッキンが弁座を閉塞することになる。

【０００６】

【実施例】図１に本考案の一実施例を示すが、図中１は
弁箱であり、上部外方にもうけた取付けねじ２により、
チーズ等の継ぎ手を介して配管の底部に取り付けられ
る。内部には中間部に下向きの弁座３を設け、その下方
にシリンダ４を形成する。シリンダ４の下端部に半円状
のリング溝５を設け、Ｏリングを装着して、ストッパー
６とする。外方に下端から作動用雄ねじ７を形成し、つ
ば部８を有するナット９を螺合させる。

【０００７】弁箱１内に収容される弁体１０は上端に上
記弁座３を閉塞する小径のパッキン１１を、その下方に
上記シリンダ４を摺動する大径の環状パッキン１２をそ
れぞれ装着する。環状パッキン１２の下方に、上記ナッ
ト９のつば部８に着座する段部１３を設け、さらにその
下方につば部８をはさむように止めリング１４を装着す
る。止めリング１４は市販のＥリングあるいはＣリング
を使用すれば良い。止めリング１４の下方にホース接続
部１５を形成し、内部には下端から上記パッキン１１、
環状パッキン１２間に開口する連通孔１６を穿つ。

【０００８】図の閉栓状態から排水させる場合には、ま
ず上流側配管内にもうけた不凍給水栓（図面省略）を操
作して排水状態にした後で、ナット９を手で反時計回り
にしてやれば良く、つば部８が止めリング１４に当接
し、その部分の摩擦力よりも環状パッキン１２の摩擦力
が勝るので弁体１０は回転することなく下降を開始す
る。そのためパッキン１１が弁座３から離脱し、管内の
水は連通孔１６を通って排出し始める。そしてストッパ
ー６に当接するまで下降するわけであるが、勿論いずれ
の状態にあっても環状パッキン１２により、他所から水
がリークすることはない。

【０００９】排水が終了すると、今度はナット９を先ほ
どと反対方向、すなわち時計回りに回転させてやればよ
く、つば部８に段部１３が係止されて弁体１０はやはり
回転することなく上昇し、パッキン１１が弁座３に密着
し、次に不凍給水栓を開栓してもそこからの水のリーク
は起こらない。図の実施例においては、パッキン１１に
Ｏリングを使用しているが、これは弁座３の形状を変え
て平パッキンを使用することもでき、またストッパー６
として、着脱の便利さを考慮してやはりＯリングを使用
しているが、これは端部を切り離した金属または樹脂製
の弾性環を使用してもよい。

【００１０】

【本考案の効果】以上のように本考案によれば、操作時
にホースが回転することのない、また、ねじ部から漏水
して手を濡らすとか、弁体が離脱してしまうということ
もない、非常に操作性にすぐれた、小型で構造の簡単な
水抜弁を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】従来の実施例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１ 弁箱 ２ 取付ねじ ３ 弁座 ４ シリンダ ５ リング溝 ６ ストッパー ７ 作動用雄ねじ ８ つば部 ９ ナット １０ 弁体 １１ パッキン １２ 環状パッキン １３ 段部 １４ 止めリング １５ ホース接続部 １６ 連通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部に下向きの弁座とその下方にシリン
   ダ、シリンダ下端部にリング溝をもうけ、下端外周部に
   作動用雄ねじ有する弁箱と、上記リング溝に装着される
   ストッパーと、上記作動用雄ねじに螺合するナットと、
   上記弁座およびシリンダに密着するパッキンを装着し、
   その下方に上記ナットに着座する段部をもうけ、下端に
   ホース接続部を形成して、その上方外周部に止めリング
   を上記段部とでナットを回転自在にはさみこむように装
   着し、内部には下端から上記パッキン間に開口する連通
   孔を穿った弁体とからなる水抜弁。