JPH0747682B2 - エポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

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JPH0747682B2
JPH0747682B2 JP2120630A JP12063090A JPH0747682B2 JP H0747682 B2 JPH0747682 B2 JP H0747682B2 JP 2120630 A JP2120630 A JP 2120630A JP 12063090 A JP12063090 A JP 12063090A JP H0747682 B2 JPH0747682 B2 JP H0747682B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、成形材料、半導体の封止等に好適に用いられ
るエポキシ樹脂組成物及びその硬化物に関する。
従来の技術及び発明が解決しようとする課題 半導体封止用エポキシ樹脂組成物の充填材としては、溶
融シリカ、結晶シリカ等の無機質充填剤が主に使用され
ており、特に高熱電導性が要求される用途には、熱電導
性の良好な結晶シリカが用いられている。
しかしながら、充填剤として結晶シリカを使用し、その
配合量の増加を行なっても、熱伝導率を65cal/cm・℃・
sec程度まで上げるのが限界であり、これ以上の熱伝導
率を得るために結晶シリカの含有率を上げると、組成物
の流動性が悪くなり過ぎ、トランスファー成形ができな
くなるなどの欠点があり、熱膨張率の低減にも限界があ
った。
更に近年、充填剤として熱伝導率が高く、かつ、熱膨張
率の小さいアルミナを使用することで上記問題を解決し
ようという試みがなさている。しかし、このようなアル
ミナを用いても、エポキシ樹脂組成物中への充填剤の充
填率は必然的に80体積%以下に制限される上、同じ充填
剤の充填率でも粒子間空隙の大きいアルミナは良好な流
動性の組成物を与えないため、アルミナの高充填組成物
を得ることは難しい。それ故、上述したアルミナを充填
剤として配合したエポキシ樹脂組成物で半導体装置を樹
脂封止すると、熱膨張率や吸水率が不利になるという欠
点があり、これらの欠点の解決が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性が
高く、しかも、熱膨張率が小さい上、流動性に優れたエ
ポキシ樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的
とする。
課題を解決するための手段及び作用 本発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤を含有するエ
ポキシ樹脂組成物に、該無機質充填剤として平均粒径が
8〜35μmの粗粒アルミナに平均粒径が0.1〜4μmの
微粒の球状アルミナ、球状溶融シリカ及び球状結晶シリ
カから選ばれる1種又は2種以上をこれらの全体の2〜
35重量%混合したものを配合した場合、高熱伝導性であ
る上、熱膨張率が小さく、熱放散性に優れた硬化物を与
え、しかも、前記無機質充填剤を高充填率で配合しても
流動性が良好で成形性に優れ、成形材料、半導体の封止
等に好適に用いることができるエポキシ樹脂組成物が得
られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、 (イ)エポキシ樹脂、 (ロ)硬化剤、 (ハ)(i)平均粒径が8〜35μmの粗粒アルミナに、
(ii)平均粒径が0.1〜4μmの微粒の球状アルミナ、
球状溶融シリカ及び球状結晶シリカから選ばれる1種又
は2種以上を、(i)と(ii)の合計に対して2〜35重
量%混合した無機質充填剤を必須成分として配合してな
ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物及びこれを硬化
することにより得られる硬化物を提供する。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に使用する第1必須成分の
エポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基を有
するものであれば特に制限はなく、例えばビスフェノー
ル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂等が好適に使用されるが、特にクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂を使用することが望ましい。
なお、上記エポキシ樹脂は、組成物の耐湿性の点から加
水分解性塩素の含有量が500ppm以下、遊離のNa,Clイオ
ンが各々2ppm以下、有機酸含有量が100ppm以下のものを
用いることが望ましい。
更に、本発明では、エポキシ樹脂と共に、アルケニル基
含有エポキシ樹脂又はアルケニル基含有フェノール樹脂
のアルケニル基に下記一般式(I) Ha▲R ▼SiO2−(a+b)/2 …(I) (但し、式中R1は非置換もしくは置換の一価炭化水素基
を示し、好ましくはメチル基,エチル基等の炭素数1〜
8のアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜10のアリー
ル基、これらの基の1以上の水素原子をハロゲン原子で
置換したClC3H6−, 等の基、水素原子の一部をアルコキシシリル基で置換し
た−C2H4Si(OCH33,−C3H6Si(OCH33,−C2H4Si(OC
2H53, 等の基であり、a,bは0.01≦a≦1、好ましくは0.03≦
a≦0.5、1≦b≦3、好ましくは1.95≦b≦2.05、1
≦a+b≦4、好ましくは1.8≦a+b≦2.4を満足する
正数である。また、1分子中のけい素原子の数は20〜40
0の整数であり、1分子中のけい素原子に直結した水素
原子の数は1以上、好ましくは1〜5の整数である。) で表される有機けい素化合物のSiH基が付加されてなる
重合体であるシリコーン変性エポキシ樹脂又はシリコー
ン変性フェノール樹脂を用いることが、低線膨張率、低
弾性率、良好な耐湿性を有する組成物を得るために好ま
しい。
この場合、アルケニル基含有エポキシ樹脂又はアルケニ
ル基含有フェノール樹脂としては、より好適には下記式
(II) (但し、式中R2又は水酸基であり、p,qは0≦p≦10,1≦q≦3で示さ
れる整数である。R3は水素原子又はメチル基である。) で示されるアルケニル基含有エポキシ樹脂又はフェノー
ル樹脂が好適に用いられ、これと上記式(I)で表され
る有機けい素化合物との付加重合体が有効である。な
お、この(I)式の有機けい素化合物は、そのSiH基が
(II)式のエポキシ樹脂又はフェノール樹脂のアルケニ
ル基に付加して付加重合体となるものである。
またこの場合、上述のシリコーン変性エポキシ樹脂又は
フェノール樹脂は、加水分解性塩素の含有量が500ppm以
下で、遊離のNa,Clイオンが各々2ppm以下、有機酸含有
量が100ppm以下であることが好ましく、加水分解性塩
素、遊離のNa,Clイオン、有機酸の含有量が上記値を越
えると、封止した半導体装置の耐熱性が悪くなることが
ある。
上記シリコーン変性エポキシ樹脂又はフェノール樹脂は
単独でもあるいは2種以上を混合して配合してもよく、
さらに配合量は、組成物に配合するエポキシ樹脂と硬化
剤との合計量100部(重量部、以下同様)に対して5〜7
0部、特に8〜50部とすることが好ましい。シリコーン
変性エポキシ樹脂又はフェノール樹脂の配合量が5部よ
り少ないと十分な低応力性を得にくく、70部を越えると
成形品の機械的強度が低下する場合がある。
また、第2必須成分の硬化剤はエポキシ樹脂に応じたも
のが使用され、例えば無水トリメリット酸、無水テトラ
ヒドロフタル酸等の酸無水物やフェノールノボラック樹
脂などが用いられるが、中でもフェノールノボラック樹
脂を用いることが最適である。なお、硬化剤として使用
するフェノールノボラック樹脂は、含有する遊離のNa,C
lイオンが各々2ppm以下、モノマーのフェノール量が1
%以下であると共に、製造時に残存する微量のホルムア
ルデヒドのカニツァロ反応で生じる蟻酸等の有機酸が10
0ppm以下であることが好ましく、遊離のNa,Clイオンや
有機酸の含有量が上記量より多いと、組成物で封止した
半導体装置の耐湿性が低下する場合があり、モノマーの
フェノール量が1%より多いと、組成物で作った成形品
にボイド、未充填、ひけ等の欠陥が発生する場合があ
る。さらにフェノールノボラック樹脂の軟化点は50〜12
0℃が好適であり、50℃未満であると組成物の二次転移
温度が低くなって耐熱性が悪くなる場合があり、120℃
を越えると組成物の溶融粘度が高くなり過ぎて作業性に
劣る場合が生じる。
ここで、硬化剤の配合量の配合量は別に制限されない
が、上記エポキシ樹脂のエポキシ基と上記硬化剤のフェ
ノール性水酸基又は酸無水物基とのモル比を0.8〜2、
特に1〜1.5の範囲にすることが好適である。両基のモ
ル比が0.8より小さくなると組成物の硬化特性や成形品
の二次転移温度が低くなって耐熱性が低下する場合があ
り、2より大きくなると成形品の二次転移温度や電気特
性が悪くなることがある。
本発明には、硬化剤に加えて更に硬化促進剤を配合する
ことができる。硬化促進剤としては、窒素系、燐系の種
々の物質を用いることができ、例えばN,N−ジメチルベ
ンジルジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデ
セン−7などの第三アミン化合物、ジシアンジアミド
類、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体、トリフェニ
ルホスフィンなどの第三ホスフィン化合物やR4P+・B-R4
(ここで、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基
あるいはこれらの基の水素原子の一部がトリオルガノシ
リル基で置換されたものなどから選ばれる非置換又は置
換1価炭化水素基)等で示される、リン化合物と硼素化
合物との錯塩などが挙げられる。
なお、硬化促進剤の配合量は別に制限されないが、第1
成分としてのエポキシ樹脂100部に対して0.1〜10部、特
に0.3〜5部が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、上述したエポ
キシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤に加え、無機質充填剤と
して(i)特定粒径の粗粒アルミナに(ii)特定粒径の
微粒の球状アルミナ及び/又は微粒の球状シリカを混合
したものを配合する。
ここで、粗粒アルミナ(i)成分としては、焼結、粉
砕、球状等種々のものを用いることができるが、封止材
料としては特に球状または球状に近い形状のものが充填
性の点から好ましい。
また、アルミナにはα,γ,δ,θ型やこれらの混合体
その他のものがあり、粗粒アルミナとしては任意のもの
を用いることができるが、熱伝導性及び熱的化学的安定
性の点からα型が最も適している。更に、この粗粒アル
ミナには、ボーキサイトからギプサイトなどの水酸化ア
ンモニウムを経て作られるバイヤーアルミナの他、金属
アルミニウムの水中火花放電や空気中での酸化、アルミ
ニウムアラルコラートのゾルゲル法による加水分解を利
用した方法等により製造されたものなどがあるが、これ
らはいずれも好適に用いられる。なお、粗粒アルミナは
次に示す微粒の球状のものを含めていったん1200℃以上
に加熱し、αタイプの比率を高めた後に用いることがよ
り好ましい。
この場合、粗粒アルミナの平均粒径は8〜35μm、好ま
しくは10〜25μmである。粗粒アルミナの平均粒径が8
μm未満であると組成物の流動性が低下し、35μmを越
えるとアルミナが半導体の素子表面を損傷する。
次に、微粒の球状アルミナ及び微粒の球状シリカ(ii)
成分としては、平均粒径が0.1〜4μm、好ましくは0.2
〜2μmのものを使用するもので、中でも粒度分布が単
分散であるものが充填割合の算出の容易さから好適であ
る。微粒の球状アルミナ及びシリカの平均粒径が0.1μ
mより小さいと微粒子間の凝集傾向が増して充填率が低
下し、4μmより大きいと粗粒アルミナによる空隙を埋
められず、やはり流動性が損なわれる。
更に、本発明においてはより、一層の高充填性,高流動
性,高熱伝導率を得るために粗粒アルミナ(平均粒径
R)と微粒の球状アルミナ又はシリカ(平均粒径r)と
が10r<R<50r、好ましくは12r<R<40rの関係にある
ことが有利である。
この場合、微粒の球状アルミナとしては、上述の粗粒ア
ルミナと同様にα型のアルミナが好適であり、また、純
度の良い金属アルミニウム粉を用い、酸素を含む雰囲気
内において金属粉の粉塵雲を形成し、アーク、プラズマ
又は化学炎を用いて爆燃を起こさせて合成したアルミナ
などを用いることもできる。
更に、微粒の球状シリカとしては、溶融シリカ又は結晶
シリカを使用する。
なお、無機質充填剤としては、熱伝導率を損なわない程
度の範囲で上述の微粒の球状シリカと共に粗粒のシリカ
を用いることもでき、この場合、粗粒のシリカは溶融、
結晶等の任意の粒径のものを用い得るが、流動性、熱膨
張率の点から平均粒径が8〜35μmの球状の溶融シリカ
が好ましく、粗粒のシリカの使用量は微粒の球状シリカ
を含めて全フィラー量の40重量%以下であることが望ま
しい。
本発明において、微粒の球状アルミナ及びシリカ(ii)
成分の配合量は、上述した(i)成分としての粗粒アル
ミナとの合計に対して2〜35重量%、好ましくは5〜20
重量%であり、この配合量が2重量%より少ないと量的
に不足となり、35重量%より多いと微粒の球状アルミナ
及びシリカが過剰となってバリ特性等に問題が生じるこ
とになる。
なお、本発明で使用するアルミナ及びシリカは、シラン
カップリング剤等であらかじめ処理することが好まし
い。
この場合、アルミナ及びシリカの処理に用いるシランカ
ップリング剤としては、構造式が下記式 ▲R 4−c▼Si(OR5 で表されるような加水分解性残基含有シラン類が好適に
用いられる。上記式において。R4は水素原子、メチル
基、エチル基、プロピル基、γ−メルカプトプロピル
基、γ−クロロプロピル基等の非置換又は置換のアルキ
ル基、フェニル基などのアリール基や、エポキシ、アミ
ノ、アクリル、アルケニル、カルボキシル官能性である
ような下記に示すものが挙げられる。
H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2− R6R7NCH2C2C2− R6,R7=H又はCdH2d+1(d=1〜4の整数) CH2=C(R8)COO(CH2− R8=H,CH3 n=1〜3の整数 CH2=CH(CH2− m=0〜4の整数 HOCO(CH2− l=2〜18の整数 一方、R5としては、アルキル、アルケニル、アリール、
カルボニルなどが挙げられるが、中でもメチル基、エチ
ル基、イソプロペニル基などが一般的であり、またcは
1〜4であるが、特に3又は4であることがより好まし
い。
なお、上述したシランカップリング剤は単独で使用して
もあるいは2種類以上を併用してもよく、更には、これ
らをあらかじめ一部加水分解したものを用いてもよい。
また、シランカップリング剤の量はアルミナ又はシリカ
100部に対して0.001〜8部、特に0.01〜5部の範囲であ
ることが好ましい。シランカップリング剤が少なすぎる
と処理をした効果があらわれない場合があり、多すぎる
と特にアルミナの特性である高熱伝導性、低熱膨張性が
失われてしまう他、耐湿性を損なう場合がある。
シランカップリング剤による処理方法としては、乾式、
湿式のどちらを用いても良く、乾式法はボールミルやヘ
ンシェルミキサー等で、湿式法は溶剤中でそれぞれアル
ミナ又はシリカにシランカップリング剤を混合,攪拌す
ることによって行なうことができる。この場合、溶剤と
しては、例えばトルエン,キシレンなどの炭化水素系、
メタノール,エタノール,イソプロピルアルコールなど
のアルコール系、アセトン,2−ブタノンなどのケトン
系、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフランなどの
エーテル系等が挙げられ、水および加水分解促進剤とし
ての錫系、チタン系、あるいはアミン化合物を併用する
こともできる。なお、このように処理した後に400〜120
0℃程度の加熱炉で焼結することもよい。
本発明において、無機質充填剤の配合量は、組成物全体
の60〜90体積%、特に65〜80体積%であることが好まし
く、配合量が60体積%未満であると目的とする高熱伝導
性や低熱膨張性が得られない場合があり、また、90体積
%を越えると組成物の溶融粘度が高くなり過ぎ流動性が
実用的でなくなってしまう場合がある。
なお、本発明では、上述したアルミナ及びシリカ以外の
他の無機質充填剤を本発明の効果を妨げない範囲で配合
することができ、他の無機質充填剤としては、具体的に
チッ化ケイ素、チッ化アルミニウム、ボロンナイトライ
ドやガラス繊維等の各種無機繊維、三酸化アンチモン、
ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、クレー、タルク、
酸化チタン、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、その他従来
エポキシ樹脂組成物に配合使用されているものが例示さ
れる。
本発明の組成物には、さらに必要により各種の添加剤を
添加することができ、例えばカルナバワックス等のワッ
クス類、ステアリン酸等の脂肪酸やその金属塩などの離
型剤(なかでも接着性、離型性の面からカルナバワック
スが好適に用いられる)、カーボンブラック,コバルト
ブルー,ベンガラ等の顔料、酸化アンチモン,ハロゲン
化合物等の難燃化剤、老化防止剤、シランカップリング
剤、イオン交換物質などを適宜配合することもできる。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その製造に際
し、上述した成分の所定量を均一に攪拌,混合し、あら
かじめ60〜95℃に加熱してあるニーダー,ロール,エク
ストルーダー等で混練、冷却し、粉砕するなどの方法で
得ることができる。
本発明で得られるエポキシ樹脂組成物は、IC、LSI、ト
ランジスタ、サイリスタ、ダイオード等の半導体の樹脂
封止やプリント回路板の製造などにも有効に使用でき
る。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体装置の樹脂
封止を行なう場合、従来より採用されている成形法、す
なわちトランスファ成形、インジェクション成形、注型
法などを用いて行なうことができる。成形条件は温度15
0〜180℃、ポストキュアは150〜180℃で2〜16時間程度
行なうことが好ましい。
発明の効果 本発明のエポキシ樹脂組成物は、高熱伝導性である上、
低熱膨張率で熱放散性に優れた硬化物を与え、かつ、流
動性が良好で優れた成形性を有するもので、成形材料、
半導体の封止等に好適に利用することができる。
<実施例、比較例> 以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
〔実施例1〕 α−アルミナ(平均粒径24μm)550重量部(以下単に
部と表わす)をボールミルに入れ、0.05重量%の1,8−
ジアザビシクロ−7−ウンデセンを含む2.5部のγ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシランを噴霧し、均一
に分散した。その後、150℃で20時間加熱処理を行なっ
た。このものと、上記アルミナと同様の処理を施した球
状の単分散微粒アルミナ(平均粒径1.5μm)110部、下
記式 で示される化合物と下記式 で示される化合物との付加反応物であるシリコーン変性
エポキシ樹脂(式中の添字は平均値)50部、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量230)13部、
臭素化エポキシ樹脂(エポキシ当量280)5部、フェノ
ールノボラック樹脂(フェノール当量100)32部、カル
ナバワックス1.5部、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン1.5部、カーボンブラック1.2部及び1.22部
のベンジルトリフェニルホスホニウム・テトラフェニル
ボレート、0.15部の1,8−ジアザビシクロ−(5.4.0)ウ
ンデセン−7を70〜80℃の熱ロールに掛けて混練し、冷
却粉砕してエポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例2〕 実施例1におけるα−アルミナ(平均粒径24μm)550
部を球状アルミナ(平均粒径15μm)550部にかえ、同
様に配合でエポキシ樹脂組成物を得た。
〔実施例3〕 実施例1における球状の単分散微粒アルミナ(平均粒径
1.5μm)110部を球状の単分散微粒シリカ(平均粒径1.
0μm)90部にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組成物
を得た。
〔実施例4〕 実施例2における球状の単分散微粒アルミナ(平均粒径
1.5μm)110部を球状の単分散微粒シリカ(平均粒径1.
0μm)90部にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組成物
を得た。
〔実施例5〕 実施例1における原料組成に球状の単分散シリカ(平均
粒径20μm)60部、球状の単分散微粒シリカ(平均粒径
1.0μm)15部を加えて、同様の配合でエポキシ樹脂組
成物を得た。
〔実施例6〕 実施例3におけるα−アルミナ(平均粒径24μm)550
部を580部、球状の単分散微粒シリカ(平均粒径1.0μ
m)90部を130部にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組
成物を得た。
〔比較例1〕 実施例1における球状の単分散微粒アルミナ(平均粒径
1.5μm)110部を溶融破砕シリカ(平均粒径25μm)90
部にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組成物を得た。
〔比較例2〕 実施例1におけるフィラーをα−アルミナ(平均粒径24
μm)670部のみとして他は同様の配合でエポキシ樹脂
組成物を得た。
〔比較例3〕 実施例1におけるフィラーを結晶性シリカ(平均粒径17
μm)550部にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組成物
を得た。
〔比較例4〕 実施例1における球状の単分散微粒アルミナ(平均粒径
1.5μm)110部を90部の日本アエロジル(株)製エロジ
ル200にかえ、同様の配合でエポキシ樹脂組成物を得
た。
〔比較例5〕 比較例4において90部のエロジル200の代りに50部の溶
融破砕シリカ及び40部のエロジル200を用い、同様の配
合でエポキシ樹脂組成物を得た。なお、この例は、エロ
ジル200を約6%含有する。
上記実施例1〜6、比較例1〜5で得られたエポキシ樹
脂組成物について、下記方法でスパイラルフロー値、硬
度、線膨張係数、熱伝導率を測定した。結果を第1表に
示す。
スパイラルフロー値 EMMI規格に準じた金型を使用して、175℃,70kg/cm2の条
件で測定した。
硬 度 トランスファー成形機を用い、175℃/70kg・cm-2で2分
成形した後の熱時硬度をバーコール硬度計935を用いて
測定した。
線膨張係数 4mm×4mm×15mmの試験片を用いて、ディラトメーターに
より毎分5℃の速さで昇温した時の値を測定した。
熱伝導率 昭和電工製Shotherm QTM−D II迅速熱伝導計を使用し、
50mmφ×9mmの大きさの円盤を非定常熱線法によって測
定した。
第1表の結果より、本発明のエポキシ樹脂組成物(実施
例1〜6)は、硬化性、熱伝導率、線膨張係数が極めて
良好であることが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NKX NLD // H01L 23/29 23/31 (72)発明者 片山 誠司 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内 (56)参考文献 特開 昭63−234056(JP,A) 特開 昭62−106953(JP,A) 特開 平1−263131(JP,A) 特開 平1−266152(JP,A) 特開 平1−109753(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)エポキシ樹脂、 (ロ)硬化剤、 (ハ)(i)平均粒径が8〜35μmの粗粒アルミナに、
    (ii)平均粒径が0.1〜4μmの微粒の球状アルミナ、
    球状溶融シリカ及び球状結晶シリカから選ばれる1種又
    は2種以上を、(i)と(ii)の合計に対して2〜35重
    量%混合した無機質充填剤 を必須成分として配合してなることを特徴とするエポキ
    シ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    することにより得られる硬化物。
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