JPH0747623B2 - ポリβ−ヒドロキシ酪酸エステル共重合体 - Google Patents

ポリβ−ヒドロキシ酪酸エステル共重合体

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JPH0747623B2
JPH0747623B2 JP5218771A JP21877193A JPH0747623B2 JP H0747623 B2 JPH0747623 B2 JP H0747623B2 JP 5218771 A JP5218771 A JP 5218771A JP 21877193 A JP21877193 A JP 21877193A JP H0747623 B2 JPH0747623 B2 JP H0747623B2
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    • C12P7/62Carboxylic acid esters
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】この発明は、ポリβ−ヒドロキシ酪酸(以
下PHBと略記する)に関する。
【0002】PHBは、微生物細胞内部で粒子状のエネ
ルギー貯蔵物質として、種々の微生物、主としてバクテ
リアにより蓄積される。
【0003】このような細胞から抽出したPHBは、次
の繰返し単位の熱可塑性ポリエステルであり、 −O・CH(CH3 )・CH2 ・CO− 急速に比較的高いレベル例えば70%またはそれ以上の
オーダーまで結晶化する。この結晶化挙動は、重合体を
例えば成形用材料として使用するときには、しばしば欠
点となる。
【0004】このPHBの結晶化は、重合体鎖に非類似
単量体の単位を組み入れることで変性できることが判明
した。
【0005】かくして微生物をある種の有機酸の存在下
において特定の条件下で培養することにより小割合の異
なる単位を重合体鎖中へ導入することができる。そのよ
うな酸の一例はプロピオン酸である。
【0006】この発明は以下の理論に何ら拘束されるも
のではないが、そのような重合体をもたらす代謝経路は
下記の如くであると考えられる。下記において、CoA
SHは、未エステル化補酵素Aである。したがってCH
3 COSCoAは補酵素Aのアセチルチオエステルで、
一般にアセチルCoAと称されている。
【0007】NADPは、酸化状態のニコチン酸アミド
アデニンジヌクレオチドホスフェートである。NADP
2 は、還元されたNADPである。
【0008】微生物によるPHBの生合成における第1
工程は、アセチルCoAの合成と考えられる。これは、
例えば補酵素Aと酢酸エステルから、またはピルベート
〔炭水化物のグリコリシス(解糖)生成物であるか、ま
たはオキサロアセテート(トリカルボン酸(TCA)サ
イクルまたはクレブスサイクルの一員である)の脱カル
ボキシル化で生成する〕の脱カルボキシル化により形成
される。
【0009】したがって、アセチルCoA源としての酢
酸エステルで、PHBは次の諸反応を含む代謝経路で産
生される: 従って反応(4)は、生長中のと重合体鎖に一つの−O
・CH(CH3 )・CH2 ・CO−単位を付加する。
【0010】関与する酵素類がプロピオン酸に関して特
異性を欠くので、対応する経路は下記の如くであると考
えられる。
【0011】 すなわち、PHBがペンダント状メチル基を有するのと
対照的にペンダント状エチル基を有する繰返し単位が重
合体鎖中へ導入される。
【0012】3−ヒドロキシ酪酸単位、即ち次の単位 −OCH(CH3 )CH2 CO− および他の単位をその他の単位と共に含むある種の重合
体は、既に文献に記載されている。
【0013】エチレン性不飽和を示すといわれる赤外バ
ンドを示す重合体が、Davisにより「Applie
d Microbiology」12(1964)p.
301〜304に発表されている。Davisによっ
て、3−ヒドロキシ酪酸単位および次の3−ヒドロキシ
−2−ブテン酸単位 −OC(CH3 )=CHCO− を含む共重合体であるとされているこれら重合体は、N
ocardiaをn−ブタンで培養して産生された。
【0014】Wallen外は「Environmen
tal Science andTechnology
(1972)p.161〜164および(197
4)p.576〜579に、活性汚泥から単離し反覆洗
浄後融点97〜100℃で、β−ヒドロキシ酪酸単位お
よび次の3−ヒドロキシバレリアン酸単位 −OCH(C25 )CH2 CO− を1:5の比で含む重合体を発表している。March
essault外は、「IUPAC Macro Fl
orence 1980 International
Symposium on Macromoles
Preprints」(1980)p.272〜27
5に、この重合体の研究を報告し、主として3−ヒドロ
キシバレリアン酸単位を含むことを確認している。
【0015】USP3275610には、ある種の微生
物、特にNocardia salmonicolor
を炭素原子4個を含むカルボン酸で培養することによる
ポリエステルの微生物学的産生法が示されている。その
実施例2および3では、それぞれ3−ブテノン酸および
2−ヒドロキシ酪酸を用い、重合体は示された融点の1
78〜184℃のオーダーからポリ3−ヒドロキシ酪酸
エステルであると見られる。しかし、実施例1では、2
−メチルアクリル酸(すなわちメタクリル酸)を用い、
得られた重合体は同定してないが、融点215〜220
℃を有しかつメチルエチルケトンに可溶性と説明されて
いる。これと対照的に、この発明の主とし3−ヒドロキ
シ酪酸残基を含む共重合体は、融点180℃以下で冷メ
チルエチルケトンに不溶性である。
【0016】PHB蓄積性微生物を、適当な基質、即ち
エネルギーおよび炭素源で好気培養すると、微生物は増
殖のための必須要素の一つまたはそれ以上が消尽される
まで増殖する。以下においてこの微生物の増殖を、“繁
殖”と称する。繁殖必須要素の一つが消尽されたとき、
その後の繁殖は、もしあったとしても極めて限られた程
度であるが、基質が消尽されない限り、PHBは微生物
に蓄積される。
【0017】ある種の微生物では、PHB誘発抑制因子
(例えば1つまたはそれ以上の繁殖必須要素の制限)が
存在しなくても、微生物の繁殖中にPHBは蓄積するで
あろう;しかし、本質的にPHBを産生する微生物の場
合を除き、このように蓄積したPHBの量は一般に少量
で、代表的には得られる細胞の約10wt%以下であ
る。したがって、バッチ式培養で繁殖したとき、構造的
にPHBを産生しない微生物は、1つまたはそれ以上の
繁殖必須要素が消尽されるまでは、殆んどまたは全くP
HBを蓄積せず繁殖し、その後微生物はPHBを合成す
る。
【0018】従って共重合体を産生させるには、3−ヒ
ドロキシ酪酸単位以外のコポリマー単位を与える酸また
はその誘導体を、重合体蓄積期間中に存在する基質の少
なくとも一部として使用することが必要である。3−ヒ
ドロキシ酪酸単位以外のコポリマー単位を与える酸また
はその誘導体を、この明細書では「基質のコモノマー成
分」(または単に「コモノマー成分」)と称することが
ある。
【0019】培養条件が、ポリエステル(例えばPH
B)が顕著には蓄積されないような培養条件であると基
質のコモノマー成分は、しばしば微生物により別の経過
で代謝され、例えばアセチルCoAまたはTCAサイク
ルの一員になり、共重合体は産生されなくなる。したが
って、一例として、何らの繁殖制限なしではプロピオン
酸は微生物により代謝され、プロピオニルCoAを経て
次いで炭酸ガスを取り込みメチルマロニルCoA、次い
でTCAサイクルの一員であるサクシネートになる。
【0020】そのような別の経路による「基質のコモノ
マー成分」の代謝は、PHBを本質的に産生する微生物
を用いる場合にも起こる。従って、構造的PHB蓄積微
生物を用いる場合でさえも、繁殖のためには必須である
がPHB蓄積のためには必須ではない一またはそれ以上
の要素の量が制限された条件下で微生物を培養すること
により重合体を蓄積させるのが好ましい。繁殖のための
必須要素を制限し、かくして重合体が微生物によって蓄
積される条件下で、微生物を培養する場合でさえも、基
質のコモノマー成分の幾分かは、アセチルCoAまたは
TCAサイクルのメンバーをもたらす経路により代謝さ
れることがある。このことにより、コモノマー成分が重
合体蓄積段階中の唯一の基質であるときにさえも、微生
物は、共重合体へ導入されるための3−ヒドロキシ酪酸
単位ならびにそれ以外のコポリマー単位を合成しうるの
である。またプロピオネートからの3−ヒドロキシバレ
レートの産生について上記に示唆した代謝経路によって
示されるように、一つの工程、すなわち反応(2a)で
は、プロピオニルCoAとアセチルCoAとの反応が行
われる。従って、プロピオネートが唯一の基質であると
きには、プロピオネートの幾分かは代謝されてアセチル
CoAとなり、3−ヒドロキシバレリアン酸単位が産生
されうる。
【0021】上記に示した共重合体中に3−ヒドロキシ
バレリアン酸単位をもたらす諸代謝経路に加えて、基質
のコモノマー成分として種々の他の物質を用いることに
より他の反応が起こりうる。
【0022】例えば、その他のヒドロキシ置換カルボン
酸は、(もし例えばアセチルCoAまたはプロピオニル
CoAをもたらす他の経路によって代謝されなければ)
場合によっては、ポリメラーゼによって重合体中へ導入
することも可能であり、例えば、 HO・CR12 ・(CR34 )n・CO・CoA → −O・CR12 (CR34 )n・CO− + CoASH 〔ここにnはゼロまたは整数であり、R1 ,R2 ,R3
およびR4 は同一かまたは相異なっていてよく、炭化水
素基(例:アルキル、アラルキル、アリールまたはアル
カリール基);ハロ−およびヒドロキシ−置換炭化水
素;ヒドロキシ;ハロゲン原子;および水素原子;から
選択される〕。もちろん、n=1およびR2=R3 =R4
=水素である場合、もしR1 がメチル基であるなら
ば、ヒドロキシカルボン酸は、代謝されて直接に3−ヒ
ドロキシ酪酸単位を与える3−ヒドロキシ酪酸である。
【0023】好ましくは、基R1 ,R2 ,R3 およびR
4 のそれぞれは、4より少ない炭素原子を含む。一般に
1 ,R2 ,R3 およびR4 のうちの少なくとも一つは
水素である。nはゼロ、1または2であるのが好まし
い。
【0024】そのようなヒドロキシカルボン酸は、その
ままの状態で基質のコモノマー成分の一部または全部と
して添加されても、あるいはその他のコモノマー成分材
料から微生物によって合成されてもよい。
【0025】アクリル酸、3−クロルプロピオン酸およ
び3−ヒドロキシプロピオン酸のような酸は、3−ヒド
ロキシ酪酸単位とその他の単位を含む重合体を与えうる
ことが判明した。若干の場合に、これらの他の単位のす
べては、3−ヒドロキシバレリアン酸単位であるが、別
の場合には他の単位(すなわち後記定義の単位Aであっ
て、3−ヒドロキシバレリアン酸単位と関連して生じう
るもの)は、就中、下記(i)、(ii)を示すプロト
ンおよび13Cnmrスペクトルによって同定される。
【0026】(i) 4.3ppmにおけるプロトンn
mrトリプレット。
【0027】(ii)59.89および33.83pp
mにおける13Cnmrのピーク(テトラメチルシラン標
準対照)。
【0028】これらのnmrデータから、これらの単位
は3−ヒドロキシプロピオン酸単位(n=1、R1 =R
2 =R3 =R4 =H)であると確信される。
【0029】共重合体は4−ヒドロキシバレリアン酸単
位(n=2、R1 =CH3 、R2 =R3 =R4 =H)を
含むこともある。
【0030】3−ヒドロキシプロピオン酸単位および/
または4−ヒドロキシバレリアン酸単位は、中間体のC
3 ・OH・CH2 ・CO・S・CoAおよびCH3
CHOH・CH2 ・CH2 ・CO・S・CoAから由来
することもありうる。前者は3−ヒドロキシプロピオネ
ートおよびCoA・SHから生成されうる。それ自体で
供給される以外に、3−ヒドロキシプロピオネートはア
クリレートの水和反応 CH2 =CH・COO- +H2 O → CHOH・CH2 ・COO- により、または3−クロルプロピオネートの加水分解 CH2 Cl・CH2 ・COO- +OH- →CHOH・CH2 ・COO- +Cl- により生成されうる。4−ヒドロキシバレリルCoA
は、アセチルCoAとアクリルCoAの縮合、それに続
く還元、すなわち CH3 ・CO・S・CoA+CH2 =CH・CO・S・CoA → CH3 ・CO・CH=CH・CO・S・CoA+CoA・SH CH3 ・CO・CH=CH・CO・S・CoA+2NADPH2 → CH3 ・CHOH・CH2 CH2 ・CO・S・CoA+2NADP によって生成されうる。
【0031】同様に4−ヒドロキシバレリルCoAは、
3−ヒドロキシ−または3−クロル−プロピオネートか
ら、アセチルCoAとの縮合および脱水(3−クロルプ
ロピオネートの場合には中間の加水分解工程を行う)の
反応により生成しうる。
【0032】従って、上記の方法により、3−ヒドロキ
シ酪酸単位 I −O・CH(CH3 )・CH2 ・CO−を下記式
の単位 II −O・CR12 ・(CR34 )n・CO−の
少なくとも1種と共に含む共重合体を得ることが可能で
ある。
【0033】〔上記式においてnはゼロまたは整数であ
り、R1 ,R2 ,R3 およびR4 のそれぞれは、炭化水
素基(例えばアルキル、アラルキル、アリールまたはア
ルカリール基);ハロ(例えばクロロ)置換炭化水素
基;ヒドロキシ置換炭化水素基;ヒドロキシ基;ハロゲ
ン原子(例えば塩素原子);および水素原子;から選択
されるが、nが1でありかつR2 ,R3 およびR4 がそ
れぞれ水素原子であるならばすべての繰返し単位におけ
るR1 はメチル基ではなく、またすべての繰返し単位に
おけるR1 がいずれもエチルとなることはないことを条
件とする〕。好ましくは、R1 ,R2 ,R3 およびR4
のそれぞれは4個より少ない炭素原子を含む。好ましく
はnはゼロ、1または2である。
【0034】共重合体は単位IIの2以上のタイプを含
むことがある。
【0035】好ましくは単位IIの少なくとも幾分かに
おいてn=1、R2 =R3 =R4 −HそしてR1 =エチ
ルである。
【0036】プラスチック材料として実用的であるため
には、重合体は10,000以上の きである。
【0037】共重合体中の繰返し単位IIの割合は、共
重合体の全繰返し単位の0.1ないし50モル%、特に
1ないし50モル%である。場合によっては、微生物に
より得られる重合体は、繰返し単位Iのホモ重合体と繰
返し単位IおよびIIを含む共重合体との混合物であ
る。この場合、重合体中の繰返し単位IIの全体の割合
は、全繰返し単位の0.1ないし50モル%である。最
も好ましくは、繰返し単位IIの割合は、3ないし30
モル%である。
【0038】顕著な割合のコモノマー単位IIを得るに
は、基質のコモノマー成分中の化学結合炭素の量は、微
生物によって重合体が蓄積されつつあるような培養条件
期間中に存在する基質中の全化学結合炭素の少なくとも
2重量%、好ましくは少なくとも10重量%であるべき
である。
【0039】そのような期間中は、コモノマー成分は基
質中に存在するカルボン酸(またはその誘導体)のみで
あるのが好ましいが、場合によってはアセテートが存在
することもある。
【0040】この発明によれば、ポリエステルを蓄積で
きる微生物を、水性培地中において水溶性の資化性炭素
含有基質で培養し、その際に培養の少なくとも一部期間
はその微生物によってポリエステルが蓄積される条件下
で培養を行うことにより、熱可塑性ポリエステルを産生
させる方法において、少なくともポリエステルが蓄積す
る培養期間部分中は、該資化性炭素含有基質は、該ポリ
エステル蓄積条件下で微生物によって代謝されて、−O
・CH(CH3 )・CH2 ・CO−繰返し単位からもっ
ぱら構成されるもの以外のポリエステルとなる有機酸も
しくは有機酸誘導体を含むこと、かつ該酸もしくは酸誘
導体中の化学結合炭素の量は該ポリエステル蓄積期間中
に存在する基質中の全化学結合炭素の少なくとも2重量
%をなすことを特徴とする上記熱可塑性ポリエステルの
微生物学的産生方法が提供される。
【0041】水性培地中のコモノマー成分の濃度は0.
05g/l以上であるべきであり、好ましくは0.1〜
5g/lの濃度であろう。従って、コモノマー成分の水
溶解度は0.05g/l以上であるべきで、また培養温
度において所望のコモノマー成分濃度を与えるのに充分
でなければならないことは明かであろう。
【0042】コモノマー成分は、酸自体であっても、あ
るいは、塩、エステル(ヒドロキシ置換酸の場合、ラク
トン類を含む)、無水物、アミドまたはハライドであっ
てよい。
【0043】前述のように、培養期間の少なくとも一部
は、微生物の増殖にとって必須であるがポリエステルの
蓄積のためには必須でない要素を制限した条件下で培養
を行うのが好ましい。最も便宜な増殖要素の制限は要素
の制限である。この理由のため、窒素制限を採用する場
合、基質は窒素を含まないことが好ましく、従ってアミ
ド類は余り好ましい基質ではない。
【0044】共重合体を生じうる酸は、培養が重合体蓄
積段階にあるときに繰返し単位Iのみを与えない酸であ
るべきである。従ってこの点から望ましくない酸の例と
しては、酢酸、3−ヒドロキシ酪酸、TCAサイクルの
メンバー、ならびに培養が重合体蓄積段階にあるときに
アセチルCoAおよび/またはTCAサイクルのメンバ
ーのみを与える酸類がある。かくして、不適当な酸とし
ては、ホスホグリセリン酸、ピルビン酸、クエン酸、イ
ソクエン酸、α−ケトグルタル酸、サクシン酸、フマル
酸、マレイン酸、リンゴ酸、オキサル酢酸、オキサロサ
クシン酸、アコニチン酸、およびメチルマロン酸があ
る。アミノ酸も同様に不適当である。共重合体を与えな
いことが判明したその他の酸としては、ギ酸、酪酸、フ
ェニル酢酸、安息香酸、クロル酢酸、2−クロルプロピ
オン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2
−クロロ酪酸、2−メチルアクリル酸、2,3−ジメチ
ルアクリル酸、3,3−ジメチルアクリル酸、乳酸、グ
リオキシル酸およびグリコール酸がある。
【0045】共重合体を与えることが判明した酸として
は、プロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、3−
クロロプロピオン酸、3−エトキシプロピオン酸、2−
ヒドロキシ酪酸、イソ酪酸、およびアクリル酸がある。
使用しうるその他の酸としては、奇数の炭素原子を含む
高級飽和カルボン酸、例えばバレリル酸、ヘプタン酸、
ピバリン酸および置換プロペン酸(例:2−および3−
クロロプロペン酸)がある。
【0046】前述の通り、場合によっては、微生物は酸
に別の作用を行うこともある。したがって、イソ酪酸は
n=1、R2 =R3 =R4 =H、R=イソプロピル基の
繰返し単位IIを与える。n=1、R2 =R3 =R4
H、R1 =エチル基の繰返し単位IIは、微生物が共重
合体への代謝経路中で、メチル基を水素で置換すること
を示している。
【0047】共重合体を与えうる好ましい酸は、プロピ
オン酸、イソラク酸およびアクリル酸である。そのよう
な酸の適当な誘導体としては、アルカリ金属塩および低
級アルキルエステル(アルキル基が1〜4個の炭素原子
を含むもの)がある。特に適当なエステルとしては、プ
ロピオン酸のメチル、エチル、イソプロピル、プロピ
ル、ブチルおよびイソブチルエステル類;イソ酪酸のメ
チルおよびエチルエステル類;ならびにアクリル酸のメ
チルおよびエチルエステル類;がある。
【0048】共重合体形成性の酸(または酸誘導体)の
混合物は、基質のコモノマー成分として使用できる。例
えばプロピオン酸とアクリル酸との混合物を用いて興味
ある結果が得られている。
【0049】前述のように、PHBを構造的に産生する
微生物を用いる場合でさえも、ポリエステルが蓄積され
る微生物培養期間を、増殖には必須であるがポリエステ
ル蓄積には必須でない栄養素の制限の条件下に実施する
のが好ましい。
【0050】基質および酸素(これは一般に培養槽の水
性培地に空気を注入して供給される)に加えて、各種の
栄養塩類が微生物が繁殖できるために必要である。した
がって、一般に資化できる形態の次の元素源(普通は水
溶性塩)が必要である:窒素、リン、イオウ、カリ、ナ
トリウム、マグネシウム、カルシウムおよび鉄とともに
微量元素、例えばマンガン、亜鉛および銅。酸素の醗酵
器への供給を制限してポリエステル蓄積を誘導すること
も可能であるが、1種またはそれ以上の栄養塩の量を制
限するのが好ましい。制限するのに最も実用的な元素
は、窒素、リンであり、余り好ましくないのはマグネシ
ウム、イオウまたはカリである。これらの中でも、窒素
(これはアンモニウム塩で供給するのが便利である)の
量を制限するのが最も好ましい。必要とされる資化性窒
素の量は、ポリエステル蓄積の少ない細胞の所望重量の
約8〜15%である。
【0051】醗酵は、水性培地1リットル当りポリエス
テル含有細胞の乾燥重量が少なくとも5gになるように
行うのが好ましい。したがって、もし例えばPHB含有
量40wt%のPHB含有細胞を10g/lで作ろうと
すれば、細胞繁殖量制限のために培養槽に供給される必
須栄養の量は、PHBを含まない細胞6g/lの繁殖を
支持するのに要する量である;したがって、もし窒素を
繁殖制限栄養として用いれば、PHBを含まない細胞の
窒素含有量は約8〜15wt%であるから、必要な資化
性窒素の量は約0.5〜0.9g/lであり、例えばア
ンモニアイオン0.6〜1.2g/lである。
【0052】培養は、例えばpH、温度および曝気の程
度(酸素を制限栄養源としないとき)を当該微生物に対
し常用する条件下で行う。同様に、用いる栄養塩類(そ
の使用量は上記の条件を考慮して決定される繁殖制限栄
養源以外のもの)は、当該微生物の繁殖に通常用いる量
である。
【0053】微生物は、容易に代謝できる基質、例えは
炭水化物で、重合体蓄積段階で制限すべき繁殖に必要な
栄養源の充分な量の存在下に、培養により所望の重量ま
で繁殖させ、次いで重合体蓄積を生じさせる繁殖要素制
限の条件下で培養するのが好ましい。場合により、繁殖
段階の少なくとも一部(また場合によっては全部)につ
いての基質は、重合体蓄積段階で繰返し単位IIになる
酸(またはその誘導体)であってよい。
【0054】培養は、繁殖には必要であるが重合体蓄積
には必要でない栄養源の量が不足ないし消尽したとき
に、重合体蓄積が起こるバッチ式培養で行うことができ
る。別法として、培養は、新鮮な水性培地および基質の
添加速度に対応する速度で、培養槽からバクテリア細胞
を含む水性培地を連続的または間欠的に除去する連続式
培養で行うことができる。培養槽に供給する制限栄養源
の量は、槽から除去した水性培地がこの栄養源を殆んど
含まぬような量であり、そして槽から除去した水性培地
を、次いでバッチ式または好ましくは連続式で操業する
第2培養槽に供給し、コモノマー成分を含む新鮮な基質
の添加で、通気培養を継続して重合体蓄積を起こさせる
のが好ましい。この追加の培養工程で、追加量の基質お
よび栄養塩類を添加してよいが、追加繁殖は一般に好ま
しくないので、繁殖を制限するのに用いる栄養源はさら
に加えるべきではない。
【0055】しかし、第1培養槽から別の1個またはそ
れ以上の培養槽に供給した水性培地に、制限栄養源が若
干の残留量含まれることおよび/またはその少量を添加
することが、効果的な操業に好ましいことは了解されよ
う。
【0056】別法として、培養は一段連続式プロセスと
して実施することもできる。栄養制限によりポリエステ
ル蓄積を達成するには、培養槽における培地の滞留時間
を、微生物が増殖して培養槽に供給された制限栄養を用
い尽し、かつ次いで微生物がポリエステルを蓄積するの
に充分であるように、長くする。
【0057】上記のバッチ式または連続式の何れの場合
も、共重合体繰返し単位IIを与えるのに用いる酸(ま
たはその誘導体)は、繁殖に必要な栄養が消耗したとき
に起きる重合体蓄積段階中の基質の一部または全部とし
て用いられる。この酸は、繰返し単位Iを与える基質
(例えば炭水化物)との混合物で用いるか、または唯一
の基質であることもある;後者の場合、十分なコモノマ
ー成分が、アセチルCoAへの別の経路で代謝されて繰
返し単位Iを与え、例えばもし別の経路が反応(2a)
を含めば、繰返し単位IIを得るのに必要な任意のアセ
チルCoAが用いられる。しかし、コモノマー成分が唯
一の基質であれば、重合体収量は往々にして低下する。
【0058】コモノマー成分は、重合体蓄積段階の一部
のみに存在させることもできる;コモノマー成分が存在
する重合体蓄積段階の部分の前および/または後に起き
る、重合体蓄積段階の残部では、繰返し単位Iのみを与
える基質が、唯一の基質であることがある。
【0059】場合によっては、通常の経路に必要な酵素
をブロックすることおよび/または必要な酵素合成の能
力のない微生物を用いることにより、酸のアセチルCo
Aへの通常の代謝を阻止することも可能である。しか
し、実質的収量の重合体を得るために、繁殖に要する栄
養を制限し、好ましくは消耗した条件下での一定期間の
培養が、一般に好ましい。
【0060】培養は、蓄積ポリエステルの量が、バクテ
リア細胞の約50〜80wt%になるよう行うのが好ま
しい。
【0061】使用できる微生物は、共重合体を製造しよ
うとする酸またはその塩を同化できる任意のポリ(3−
ヒドロキシ酪酸エステル蓄積性微生物である。バクテリ
アAlcaligenes eutrophus(従来
はHydrogenomonas eutrophaと
して知られていた)種、例えばこの種の学術的研究に広
く用いられたH16株、〔ATCC No.1769
9、J GeneralMicrobiology(1
979)115、p.185〜192参照〕およびH1
6株の変異株、例えば11/7B、S301/C5、S
501/C29およびS501/C41(それぞれth
e Natinal Collection of I
ndustrial Bacteria、Torry
Research Station、Aberdee
n、Scotlandに、1980年8月18日に寄託
した、NCIB No.11600、11599、11
597および11598)が特に適している。ATCC
番号は、the American Type Cul
ture Collection,12301 Par
k Lawn Drive, Rockville,M
aryland 20852U.S.A.で与えられた
番号である。上記の通り、繁殖段階中、炭水化物を基質
として用いるのが好ましい。Alcaligenes
eutrophus H16株(ATCC No.17
699)は、グルコースを資化しないが、その変異株例
えば上記の11/7B、S301/C5、S501/C
29およびS501/C41は、グルコースを資化でき
る。炭水化物、特にグルコースは、コストの面および微
生物が効果的に繁殖できるので、繁殖段階での好ましい
基質である。
【0062】ポリエステルは、微生物細胞内部の顆粒と
して産生される。ポリエステルを含有する細胞は、例え
ばUSP3107172に示すように、そのままで成形
材料として用いられるが、一般にポリエステルを、バク
テリア細胞から分離するのが好ましい。これは、細胞を
細胞破壊、次いで適当な溶剤でポリエステルを抽出する
ことで達成される。適当な抽出処理の例は、ヨーロッパ
特許出願第15123号に記載されている。
【0063】上記の通り、共重合体が実用できるために
は、共重合体はゲル滲透クロマトグ 上、特に200,000以上である。
【0064】共重合体は、常にD−立体配置を有し、3
−ヒドロキシ酪酸ホモ重合体よりも低い融点を示す。
【0065】共重合体は、溶融成形品の製造に特に有用
であり、この場合3−ヒドロキシ酪酸ホモ重合体に匹敵
する還元結晶化度が好ましい。
【0066】特に興味深いのは、少量の共重合体の塩化
ビニル系重合体の高分子量加工助剤としての用途であ
る。この応用では、共重合体の量は、塩化ビニル重合体
に対し0.5〜10wt%である。この応用で最良の結
果を得るには、共重合体はランダムでなければならな
い。ランダム共重合体を得るには、コモノマー単位II
を得るのに用いる酸は、少なくとも繁殖要素制限条件下
での微生物の培養期間を通じて唯一の基質として存在す
るのが好ましい。
【0067】共重合体は、溶融押出し後、好ましくは重
合体のガラス転移点(Tg)と融点との間の温度で、一
対またはそれ以上のロールを通過させて、フィルムの厚
さを減少しかつ若干の分子配向を導入するフィルムの製
造にも用いられる。
【0068】この発明を、以下の実施例で説明する。
【0069】
【実施例1】プロピオネートの通常の代謝では、プロピ
オネートはサクシネートに変換し、これはTCAサイク
ルのオキサロ酢酸への酸化、次いで脱カルボキシル化に
よりアセチルCoAになる。オキサロ酢酸の脱カルボキ
シル化では、両方の末端酸基は炭酸ガスとして除去され
る。したがって、もしカルボキシ基に放射性ラベルした
炭素原子を有するプロピオネート、即ち1−14C−プロ
ピオネートを、アセチルCoAへの細胞変換に供給すれ
ば、14CO2 として放射能は失われる。重合体への何ら
かの14Cの組込みは、プロピオニルCoAの3−ヒドロ
キシバレリルCoAへの変換、引き続く重合からもたら
せる。
【0070】Alcaligenes eutroph
us変異株NCIB11599を、3.5g/lの蓄積
ポリエステルを支持するに充分な資化性窒素および基質
としてのグルコースを含む水性培地Aを用いるバッチ式
醗酵器で、好気培養により繁殖させた。水性培地Aは、
脱イオン水1リットル当り次の組成を有していた。
【0071】 (NH42 SO4 2 g MgSO4 ・7H2 O 0.8 g K2 SO4 0.45g H3 PO4 (1.1M) 12 ml FeSO4 ・7H2 O 15 mg 微量元素溶液 24 ml 微量元素溶液は、脱イオン水1リットル当り次の組成を
有していた。
【0072】 CuSO4 ・5H2 O 0.02g ZnSO4 ・6H2 O 0.1 g MnSO4 ・4H2 O 0.1 g CaCl2 ・2H2 O 2.6 g バイオマス濃度が4.5g/lに達したとき、即ち系の
資化性窒素が枯渇した後、1−14C−プロピオネートを
含むプロピオン酸ソーダ1g/lをグルコースとともに
醗酵器に加え、醗酵を5分間継続した。次いで、細胞を
濾過により回収し、重合体をクロロホルムで抽出した。
ラベルした炭素は、殆んど完全にクロロホルム溶液にあ
り、ラベルした末端炭素原子が炭酸ガスとして損失しな
かったことを示した。したがって、少なくとも幾らかの
プロピオネートは、アセチルCoAとして以外に重合体
に組み込まれた。
【0073】
【実施例2(比較例)】Alcaligenes eu
trophus変異株NCIB11599を、脱イオン
水1リットル当り次の組成を有する水性培地B4000
mlを含む5リットルバッチ式醗酵器で、pH6.8、
34℃で好気培養により繁殖させた。
【0074】 (NH42 SO4 4 g MgSO4 ・7H2 O 0.8 g K2 SO4 0.45g H3 PO4 (1.1M) 12 ml FeSO4 ・7H2 O 15 mg 実施例1で用いた微量元素溶液 24 ml グルコースを、8g/hrの割合で醗酵器に供給した。
培地Bの資化性窒素の量は、26gのPHBを含まぬ細
胞を支持するに充分であった。
【0075】40時間後、細胞を遠心分離で回収した。
細胞を凍結乾燥し、重合体をクロロホルムで抽出した。
【0076】
【実施例3】実施例2を繰返したが、細胞重量34gに
達したとき、グルコースの代りにプロピオン酸を2.8
g/hrの割合で醗酵器に供給した。
【0077】
【実施例4】実施例3を繰返したが、プロピオン酸の供
給は細胞重量36gに達したときに開始した。
【0078】
【実施例5】実施例3を繰返したが、プロピオン酸の供
給は、細胞重量56gに達したときに始めた。
【0079】
【実施例6】実施例3を繰返したが、細胞重量48gに
達したとき、プロピオン酸12gを一度に添加した。
【0080】
【実施例7】実施例2を繰返したが、培地Aを用い、グ
ルコースの代りにプロピオン酸を4g/hrの割合で、
醗酵中の全体を通じて供給した。
【0081】
【実施例8】実施例2を繰返したが、細胞重量が38g
になったとき、グルコースの代りに、グルコース5.2
g/hr、プロピオン酸2.8g/hrの割合で、グル
コースおよびプロピオン酸の混合物を醗酵器に供給し
た。
【0082】
【実施例9】実施例8を繰返したが、細胞重量28gに
達したとき、グルコース6.8g/hrおよびプロピオ
ン酸1.2g/hrの割合で、混合物の供給を開始し
た。
【0083】実施例2〜9では、プロピオン酸は400
g/lを含む溶液として添加した。
【0084】
【実施例10】実施例2を繰返したが、細胞重量が28
gに達したとき、グルコースの代りにイソ酪酸を醗酵器
に2g/hrの割合で供給した。イソ酪酸は、150g
/lを含む溶液で添加した。
【0085】実施例3〜6および8〜10では、「醗酵
器に供給した酸の重量」対「細胞重量が26gに達した
後(即ち系の窒素が枯渇したとき)に醗酵器に供給した
グルコースの重量および醗酵器に供給した酸の重量の合
計」の比が、表1に示す値に達するまで、醗酵を継続し
た。
【0086】
【実施例11】実施例2を繰返したが、細胞重量が2
6.4gに達したとき、グルコースの代りに3−クロロ
プロピオン酸を4g/hrの割合で5時間醗酵器に供給
した。
【0087】
【実施例12】実施例11を繰返したが、3−クロロプ
ロピオン酸の供給は、細胞重量34.4gに達したとき
に開始した。
【0088】
【実施例13】実施例12を繰返したが、細胞重量30
gに達したとき、3−クロロプロピオン酸4gを一度に
添加し、次いでグルコースを6.8g/hrの割合で7
時間供給した。
【0089】実施例11〜13では、3−クロロプロピ
オン酸は、50g/lを含む溶液で添加した。
【0090】
【実施例14】実施例2を繰返したが、細胞重量31g
になったとき、グルコースの代りにアクリル酸を4g/
hrの割合で5時間醗酵器に供給した。アクリル酸は、
100g/lを含む溶液の形で添加した。
【0091】
【表1】 実施例2〜14の重合体中の各コモノマー単位の量は、
(a)メタノリシスおよびガスクロマトグラフ法および
(b)13C核磁気共鳴スペクトル法により決定した。
【0092】重合体の分子量は、ゲル滲透過クロマトグ
ラフ法で決定した。
【0093】塩素分析も、実施例2,11,12および
13の重合体について行った。
【0094】結果を表2に示した。
【0095】表2において、3−HVは3−ヒドロキシ
バレリアン酸単位を示し、ま現単位Aは前述の単位で、
3−ヒドロキシプロピオン酸単位と考えられるものであ
る。
【0096】3−クロロプロピオン酸からの塩素は、殆
んど重合体に見出されなかった。したがって、3−クロ
ロプロピオン酸の代謝中に塩素が失なわれて、その結果
の生成物が代謝されて単位Aおよび3−ヒドロキシバレ
リアン酸単位を与えるようである。実施例11〜13の
重合体の塩素含量は、若干の塩素が単位II中に塩素含
有基Rとして存在していることを示し、おそらく、R1
=クロロエチル、R2=R3 =R4 =H、n=1となっ
ているのであろう。
【0097】
【表2】 高分解能13C NMRを用いて、実施例3〜10の共重
合体の単量体配列を調べた。カルボニル基の炭素原子か
ら得られるシグナルは、その環境に応じて、異なる化学
シフトで起きることが判明した。したがって、単位Iお
よびII(n=1、R1 =C25 、R2 =R3 =H)
を含む重合体では、可能な配列は次の通りである。
【0098】A.ブチレート−ブチレート
【化1】 B.バレレート−バレレート
【化2】 C.ブチレート−バレレート
【化3】 実施例2〜10の重合体のNMR試験は、それぞれ16
9.07、169.25および169.44ppmで起
きる3つの共鳴を示した。M.Iida外〔Macro
moles 11(1978)p490〕によれば、1
69.07ppmでの共鳴は、ブチレート−ブチレート
の配列Aであり、169.44ppmはバレレート−バ
レレートの配列Bである。推論によれば、169.25
ppmでのシグナルは、ブチレート−バレレートの配列
Cから生じる。
【0099】実施例10の重合体のNMRの結果の定量
的分析は、次の結果を与えた。
【0100】 配列A(ブチレート−ブチレート) 55% 配列B(バレレート−バレレート) 14% 配列C(ブチレート−バレレート) 31% これらの結果は、実施例10の重合体が単位IおよびI
I(n=1、R1 =C25 、R2 =R3 =R4 =H)
の共重合体を実質的量で含むことを、明らかに示してい
る。しかし、繰返し単位Iのホモ重合体の若干も存在す
る可能性がある。
【0101】実施例2〜14の重合体は、全部D(−)
立体配置を有していた。
【0102】抽出したままの共重合体の溶融挙動は、コ
ンピュータ−データー分析付のジュポン1090システ
ムを用いて、先ず差動走査熱計量法(DSC)で決定し
た。DSC法を、190℃で圧縮成形し、完全に結晶化
した製品を得るために、プレス中に冷却した後の試料で
も実施した。それぞれの場合、見本は空気中で20℃/
分で加熱し、吸熱溶融のスタート(Ts)およびピーク
(Tp)の温度をその面積とともに記録した。アニーリ
ングした試料の加熱を200℃まで継続し、完全に溶融
させるため1分間等温にした後、試料を液体窒素中で急
冷した。非晶領域のガラス転移温度(Tg)を決定する
ために、DSC試験に再び行った。最後に、密度勾配浮
遊法により、アニーリングした共重合体の密度を測定し
た。
【0103】結果を、表3に示す。
【0104】
【表3】 各共重合体の広い融点範囲は、共重合体がむしろ不均質
組成物であることを示している。しかし、溶融吸熱がよ
りシャープになりかつ面積が僅かに減少しているので、
アニーリングしたとき、エステル交換による顕著なラン
ダム化が起きている。このことは、重合体はホモ重合体
の物理的混合物でなく、真正共重合体であることの指標
である。
【0105】多重DSCピークが、実施例3,5,8お
よび10の抽出したままの重合体で観察された。
【0106】溶融吸熱面積は、結晶化度の指標である。
アニーリング後の実施例3〜14の重合体は、全部実施
例2の対照ホモ重合体よりも、著るしく結晶化度は低か
った。
【0107】
【実施例15】Alcaligenes eutrop
hus変異株NCIB11599を、水性培地C(これ
は培地Bと同じであるが、PHBを含まぬ細胞8.5g
/lを支持するのに充分な硫酸アンモニア5.2g/l
であった)4000mlを含む5リットルバッチ式醗酵
器で、pH6.8、34℃で好気培養により繁殖させ
た。
【0108】基質は、5.5g/l/hrの割合で供給
するグルコースであった。細胞濃度が7g/lに達した
とき、グルコースに加えてプロピオン酸を1.58g/
l/hrの割合で供給した。細胞乾燥重量が15g/l
に達したとき、細胞を回収した。細胞懸濁液を噴霧乾燥
し、脂質を乾燥細胞のメタノール還流で抽出し、重合体
をクロロホルム還流で抽出した。クロロホルム溶液をメ
タノール/水混合物に添加する沈殿法により、重合体を
回収した。
【0109】共重合体は、反覆単位II(R=C2
5 、R2 =R3 =R4 =H、n=1)20モル%を含ん
でいた。共重合体は、分子量350,000を有し、冷
メチルエチルケトンに不溶性であった。共重合体2g
を、メチルエチルケトン100mlで1時間還流する
と、全量溶解した。溶液を冷却すると、ゼラチン状マス
を生じた。これに対し、3−ヒドロキシ酪酸エステルホ
モ重合体2gをメチルエチルケトン100mlと還流し
たとき、溶解したホモ重合体は0.1g以下であった。
メチルエチルケトンの代りにエタノールで、溶解度テス
トを反覆すると、1時間還流後、共重合体は約0.7g
が、ホモ重合体は0.04g以下が溶解した。
【0110】これに対し、Wallen外によりEnv
ironmental Science and Te
chnology (1974)p.576〜579
に記載の重合体は、熱エタノールに可溶性とされてい
る。
【0111】
【実施例16】水性培地D,EおよびFを、脱イオン水
1リットル当り次の組成で作った。
【0112】培地D (NH42 SO4 12 g MgSO4 ・7H2 O 1.2 g K2 SO4 1.5 g CaCl2 0.12 g FeSO4 ・7H2 O 0.1 g ZnSO4 ・7H2 O 0.006g MnSO4 ・4H2 O 0.006g CuSO4 ・5H2 O 0.0015g H2 SO4 (濃厚) 1 ml培地E3 PO4 (1.1M) 2.4 ml グルコース 40 g培地F3 PO4 (1.1M) 2.4 ml プロピオン酸 40 g 殺菌した公称容量250リットルバッチ式醗酵器に、培
地DおよびEのほぼ等容量混合物を、130リットルの
マークまで満たした。醗酵器中の培地の少量の試料で、
窒素含有量を分析した。次いで、培養器にAlcali
genes eutrophus変異株NCIB115
99を接種し、醗酵を34℃で、苛性ソーダ溶液の添加
でpHを6.8に自動的にコントロールして好気的に行
った。
【0113】醗酵器に存在した資化性窒素の量は、PH
Bを含まぬ細胞約1.2Kgのみまでの微生物繁殖を行
うのに充分であった。細胞重量が約1.05Kgに達し
たとき、培地Eの供給を、6.5リットル/hrの割合
で開始した。
【0114】細胞重量が約1700gに達したとき、培
地Eの供給を停止し、培地Fの供給を6.5リットル/
hrの割合で開始し、細胞約2.6Kgが産生されるま
で醗酵を継続した。
【0115】次いで、細胞懸濁液を、遠心分離により濃
度約60g/lまで濃縮し、懸濁液1容量を1,2−ジ
クロロエタン(DCE)2容量とシルバーソンミキサー
で20℃で15分間接触させて重合体を抽出した。DC
E相を、細胞の残骸を含む水性相から分離し、濾過し
た。濾過したDCE相1容量を、メタノール/水(4/
1、容量)混合物4容量に加えて、重合体を沈殿させ
た。沈殿重合体を濾別し、メタノールで洗浄してから、
オーブンで100℃で4時間乾燥した。
【0116】重合体は、DSC法で決定して168℃で
溶融吸熱のピークを有し約100〜180℃の溶融範囲
を有していた。
【0117】
【実施例17】実施例16の醗酵処理を反覆したが、培
地Eの供給から培地Fの供給への切換えは、細胞重量が
約3.5Kgに達したときに行った。培地Fは、11.
4リットル/hrの割合で4時間供給してから、3.2
リットル/hrに低下させ、このレベルをさらに9時間
維持し、この段階で細胞重量は約3.9Kgであった。
【0118】この実施例では、醗酵器に存在した資化性
窒素の量は、重合体を含まぬ細胞わずか約1.5Kgに
微生物を繁殖させるに充分であった。
【0119】細胞懸濁物を遠心分離で濃縮し、次いで実
施例15の方法で、重合体を濃縮細胞懸濁液から抽出し
た。
【0120】
【実施例18】実施例16のようにして、250リット
ル醗酵器に装入、接種を行った。資化性窒素の量は、重
合体を含まぬ細胞わずか約1.9Kgに、微生物を繁殖
させるに充分であった。実施例16のようにして、醗酵
を34℃、pH6.8で好気的に行った。
【0121】細胞重量が約1.0Kgに達したとき、培
地Eおよび培地Gをそれぞれ8.7リットル/hrおよ
び4.6リットル/hrの割合で供給を開始し、細胞重
量が3.9Kgになるまで継続した。
【0122】培地Gは、脱イオン水1リットル当り次の
組成を有していた: H3 PO4 (1.1M) 1.2ml プロピオン酸 20 g 細胞懸濁液を遠心分離で濃縮し、実施例15の方法で、
重合体を濃縮細胞懸濁液から抽出した。
【0123】
【実施例19】実施例17の処理を大規模で反覆し、公
称容積1000リットルの醗酵器を用い、ほぼ等容量の
培地DおよびEで500リットルマークまで満たした。
この実施例では、培地Eの供給は細胞重量約4Kgにな
ったときに25リットル/hrの割合で開始し、培地F
の供給は細胞重量約8Kgになったとき37.5リット
ル/hrの割合で開始した。培地EおよびFの供給は、
細胞重量が約10Kgに達するまで継続した。存在する
資化性窒素の量は、重合体を含まぬ細胞約4.1Kgま
で微生物を繁殖させるに充分であった。
【0124】
【実施例20】実施例19を反覆したが、培地Fの供給
割合は25リットル/hrで、醗酵は細胞重量約11K
gになるまで継続した。この場合、資化性窒素の量は、
重合体を含まぬ細胞約4Kgまで微生物が繁殖するに充
分であった。
【0125】実施例16〜20の重合体は、それぞれ3
−ヒドロキシ酪酸(HB)単位およびβ−ヒドロキシバ
レリアン酸(HV)単位を含む共重合体であり、重量平
均分子量は300,000以上であった。共重合体は、
それぞれD(−)立体配置を有していた。
【0126】実施例16〜20の各共重合体および3−
ヒドロキシ酪酸ホモ重合体100重量部を、クロロホル
ム約10重量部およびタルク1重量部でスラリー化し、
家庭用肉ひき機で室温で粒状化した。次いで、組成物を
乾燥してクロロホルムを除去し、190℃で抽出してか
ら、再び粒状化した。得られる粒状物を、185℃で試
験用バーに射出成形し、型温度65℃および冷却時間2
0秒を用いた。引張特性を、ASTM D−638−7
7aにより50mm/分の速度で測定し、衝撃強度をA
STM D256−78によりアイゾット衝撃試験で評
価した。
【0127】結果を、表4に示した。
【0128】
【表4】
【0129】
【実施例21】下記成分を室温で乾式混合し、PVC配
合物を作った: 重量部 (i) 塩化ビニルホモ重合体(K62) 100 (ii) ジ−N−ジチオグリコール酸エステルベースの チオオクチルスズ錯体の安定化剤 1.5 (iii)メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン PVC衝撃改善剤 8 (iv) ワックス(外部油滑剤) 0.8 (v) グリセリルモノエステル(内部油滑剤) 1 (vi) HB重合体(加工助剤) 2 HB重合体加工助剤は、次のものであった: (a) 実施例2で得た3−ヒドロキシ酪酸エステルホ
モ重合体 (b) 実施例7の共重合体(共重合体A) (c) 実施例16の共重合体(共重合体B) 加工助剤は、約10wt%のクロロホルムでスラリー化
し、家庭用肉ひき機で室温で粒状化し、乾燥し、190
℃で溶融押出し、再度粒状化し、PVC乾燥混合物に配
合する前に、粒子寸法150μm以下に粉砕した。
【0130】乾燥混合物を、次のようにして試験した: 1.混合物50gを、5Kgの重錘で負荷した圧力ラム
の下で18rpmで回転し、180℃に維持したBra
bender Plastographの混合ヘッドに
投入した。ゲル化が起きるに要した時間を、記録した。
【0131】2.混合物を冷圧縮してキャンドルにし、
これを170℃に維持し、直径1mmおよびランド長2
0mmの円形オリフィスを有するダイを取付けた押出し
レオメーターに装入した。装入物が170℃に加熱され
た後、速度を増加させながら押出した。押出し物の外観
を記録し、押出し物をダイから引張って溶融伸長性を評
価した。結果を、表5に示す。
【0132】
【表5】 この実施例は、塩化ビニル重合体加工助剤として、共重
合体は、3−ヒドロキシ酪酸ホモ重合体より優れている
ことを示している。よりランダム共重合体Aは、明らか
に共重合体Bより秀れている。
【0133】
【実施例22】 培地Hを、次の組成で作った: (NH42 SO4 1 g KH2 PO4 2 g (Na)2 HPO4 3 g MgSO4 ・7H2 O 0.2 g CaCl2 0.01 g FeSO4 ・7H2 O 0.005g MnSO4 ・4H2 O 0.002g Na2 CO3 ・10H2 O 0.1 g (NH22 CO 1.5 g 脱イオン水 全体で1リットルにする 培地のpHは、7であった。
【0134】予じめメタクリル酸0.5gを溶解した培
地H500mlをそれぞれ含む8個の1リットル振とう
フラスコに、Nocardia salmonicol
or株ATCC19149の種培養物5mlを接種し、
旋回振とう機で32℃で培養した。
【0135】接種後24時間、48時間および72時間
の間隔で、各フラスコにメタクリル酸0.5gづつを添
加し、メタクリル酸0.25gの最終添加を96時間後
に行った。接種後108時間で、各フラスコを検査し
た。どのフラスコでも、微生物の繁殖は殆んどなかっ
た。フラスコ内容物を一緒にし、遠心分離して細胞のペ
レットにして、オーブンで乾燥してから計量した。ペレ
ット重量は、2.81gであった。接種物の細胞含有量
も決定し、69.75g/lであった。したがって、接
種物としてフラスコに添加した細胞の全重量は、2.7
9gであった。
【0136】用いたメタクリル酸濃度では、この菌株
は、メタクリル酸を資化しなかった。
【0137】
【実施例23−45】これらの実施では、ある範囲の酸
および酸誘導体を、共重合体を与えうるか否かについて
スクリーニング試験した。
【0138】使用した方法は下記の通りであった。
【0139】Alcaligenes eutroph
us変異株NCIB11599を、脱イオン水1リット
ル当り下記の組成の水性培地3500〜4000mlを
入れた5リットルのバッチ式醗酵器中でpH6.8およ
び34℃において好気培養した。
【0140】 グルコース 17 g (NH42 SO4 4 g MgSO4 ・7H2 O 0.8g H3 PO4 (1.1M) 12 ml FeSO4 ・7H2 O 15 mg 微量元素溶液(実施例1のもの) 36 ml pHは4M水酸化カリウム溶液および4M水酸化ナトリ
ウムの9:1(容/容)混合物の自動添加により6.8
に制御した。このようなpH制御のためのKOH/Na
OH混合物の添加は、培地にカリウムおよびナトリウム
を供給する機能も果した。
【0141】資化性窒素(上記4g/lの硫酸アンモニ
ウムによって与えられる)の量は、わずかに約6.5g
/lのHB重合体不含有細胞を支持するに足る量であっ
た。約16g/lのグルコースが6.5g/lのHB重
合体不含有細胞を生じさせるのに必要とされるから、存
在したグルコースの量は、少しの炭素過剰を与えるのに
足るものであった。残留グルコース濃度を監視し、また
溶存酸素張力を追跡することにより、系が資化性窒素に
欠乏した時点の明らかな指示が得られた。この段階でコ
モノマー成分(すなわち試験用の酸または酸誘導体)の
供給を開始し、合計で約0.1〜5g/lのコモノマー
成分が添加されるまでその供給を続けた。
【0142】コモノマー成分の添加終了後、細胞を遠心
分離で回収した。遠心分離した細胞の試料を凍結乾燥
し、その重合体をクロロホルムで抽出した。重合体をガ
スクロマトグラフ/質量スペクトル(GCMS)法(こ
れには予備的なエステル交換工程が含まれる)またはn
mrスペクトル法(NMR)によって分析した。
【0143】結果を表6に示す。この表において、NM
Rの結果は、NMR法がエステル交換工程を含まず一層
明確であると考えられるので、可能な場合に表示してあ
る。
【0144】
【表6】 同様な結果は、実施例23−44において窒素が用い尽
された後にグルコースおよびコモノマー成分の混合物を
連続的に添加するように改変した培養を繰返して実施し
たときにも得られた。
【0145】
【実施例46−51】0.085/hrの稀釈率(滞留
時間の逆数)で約4リットルの有効培地液容積を用い
て、5リットルの醗酵器中でpH6.8および34℃に
おいてAlcaligenes eutrophus変
異株NCIB11599を連続好気培養した。使用水性
培地は、脱イオン水1リットル当り下記の組成であっ
た。
【0146】 MgSO4 ・7H2 O 0.8 g K2 SO4 0.45g Na2 SO4 0.05g H3 PO4 (1.1M)溶液 12 ml 微量元素溶液(実施例1のもの) 36 ml また表7に示した各成分も醗酵器に連続的に供給した。
【0147】
【表7】 窒素の量は、わずかに6.5g/lのHB重合体不含有
細胞を支持するに足る量であった。
【0148】pHは、4M水酸化カリウム溶液および4
M水酸化ナトリウム溶液の9:1(容/容)混合物の自
動添加によって6.8に制御した。
【0149】醗酵は唯一の基質としてプロピオン酸を用
いて開始した。定常状態に達してから3日後に、水性細
胞懸濁生成物のサンプルを採取し、次いでアクリル酸
を、次第に増加する量で補助基質として添加した。少な
くとも3日間定常状態下での醗酵を各アクリル酸濃度に
おいて実施し、その後にそれぞれサンプルを採取した。
水性細胞懸濁生成物の各サンプルを遠心分離して細胞を
回収し、次いで凍結乾燥した。重合体を、クロロホルム
で細胞から回収し、次いでNMR法で分析した。結果を
表8に示す。
【0150】
【表8】
【0151】
【実施例52】この実施例では、窒素ではなく燐の制限
下にAlcaligenes eutrophus変異
株NCIB11599を34℃で好気培養した。5リッ
トルの醗酵器に、脱イオン水1リットル当り下記の組成
の水性培地を仕込んだ。
【0152】 (NH42 SO4 6.2g H3 PO4 (1.1M) 1.5g MgSO4 ・7H2 O 0.8g FeSO4 ・7H2 O 15 mg 微量元素溶液(実施例1のもの) 36 ml 醗酵時のpHは、4MのKOHおよび4MのNaOHの
9:1(容/容)混合物の添加により自動的に6.8に
制御した。燐の量は8g/lのHB重合体不含有細胞を
支持するに足るものであった。
【0153】醗酵器に48時間振とうフラスコ培養物を
接種し、次いで5g/lのグルコースを添加した。すべ
てのグルコースが用い尽されたとき(この時点で細胞濃
度は約2.5g/l)、プロピオン酸を(300g/l
の溶液の形で)、0.8g/l/時の速度で54時間添
加した。
【0154】次いで細胞を回収し、重合体をクロロホル
ムで抽出し、GCMS法で分析した。結果は下記の通り
であった。
【0155】 最終細胞濃度 20g/l 重合体含量 60% 3−HVのモル% 40モル%
【0156】
【実施例53−57】これらの実施例ではNocard
ia Salmonicolor種の二つの菌株をグル
コース基質で培養し、次いで種々の酸を用いて重合体蓄
積を誘導した。
【0157】各実施例において、250mlの振とうフ
ラスコに、脱イオン水1リットル当り下記の成分を含む
水性培地を50ml仕込んだ。
【0158】 グルコース 10 g K2 HPO4 1.9 g NaHPO4 1.56 g (NH42 SO4 1.8 g MgSO4 ・7H2 O 0.2 g FeCl3 ・6H2 O 0.001g 微量元素溶液(実施例1のもの) 1 ml この水性培地のpHは7.0であった。フラスコに微生
物(表9)を接種し、回旋振とう法で30℃において2
4時間培養した。得られた懸濁液を次いで遠心分離し、
上澄みの水性培地を捨てた。残留した遠心分離ペレット
状物を上記の水性培地(但し10g/lのグルコースの
代りに1g/lの酸を用いそして1.8g/lの硫酸ア
ンモニウムを省略したもの)の50ml中に再懸濁させ
た。再懸濁した細胞を30℃でさらに24時間振とう
し、次いでその細胞懸濁液を遠心分離した。得られた遠
心分離ペレット状の細胞をメタノールで2回洗浄し、そ
の重合体含量を分析した。重合体はGCMS法で分析し
た。結果を表9に示す。
【0159】
【表9】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レオナード・フレデリック・ライト イギリス国クリーブランド,ストックトン −オン−ティーズ,ノートン,ザ・グリー ン,ノートン・ホール(番地なし)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−立体配置を有し、重量平均分子量が
    10,000以上であり、繰返し単位 I −O・CH(CH3 )・CH2 ・CO− と少なくとも1種の繰返し単位 II −O・CR12 ・(CR34 )n・CO− (但し、nはゼロまたは整数であり、R1 ,R2 ,R3
    およびR4 はそれぞれアルキル基;クロロ−またはヒド
    ロキシ−置換アルキル基;ヒドロキシ基;塩素原子;お
    よび水素原子から選択されるが、nが1でありかつR
    2 ,R3 およびR4がそれぞれ水素原子であるときには
    すべての繰返し単位におけるR1 はメチルでなく、また
    すべての繰返し単位におけるR1 が全部エチルとなるこ
    とはない)を含み、かつ上記繰返し単位IIが繰返し単
    位全体の1〜50モル%を構成していることを特徴とす
    る熱可塑性共重合体。
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