JPH06284892A - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JPH06284892A
JPH06284892A JP4148686A JP14868692A JPH06284892A JP H06284892 A JPH06284892 A JP H06284892A JP 4148686 A JP4148686 A JP 4148686A JP 14868692 A JP14868692 A JP 14868692A JP H06284892 A JPH06284892 A JP H06284892A
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JP
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polyester
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hydroxybutyrate
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culture
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Yoshiharu Doi
義治 土肥
Yoshitoku Yoshida
良徳 吉田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を有
するシュードモナス属菌を、培地内にて菌体を増殖させ
る前段培養と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいずれ
か一つを制限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積さ
せる後段培養とにより二段培養させる。この二段培養に
おいて、特に後段培養を(A)1- プロパノール又は1-ペン
タノール及び(B)1,3- プロパンジオール又は1,5-ペンタ
ンジオールの存在下で行い、3−ヒドロキシブチレート
単位(3HB) 、3−ヒドロキシバレリート単位(3HV) 、3
−ヒドロキシプロピオネート単位(3HP)の中から選択さ
れた少なくとも一以上の単位からなるポリエステルを製
造する。 【効果】 3HB, 3HV, 3HPの中から選択された少なくとも
一以上の単位からなるポリエステルを選択的且つ容易に
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はポリエステルの製造方
法に係り、その目的は3−ヒドロキシブチレート単位
(以下3HBと記す)、3−ヒドロキシバリレート単位
(以下3HVと記す)、3−ヒドロキシプロピオネート
単位(以下3HPと記す)の中から選択された少なくと
も一以上の単位からなるポリエステル及び3−ヒドロキ
シブチレート単位、4−ヒドロキシブチレート単位(以
下4HBと記す)、3−ヒドロキシプロピオネート単位
の中から選択された少なくとも一以上の単位からなるポ
リエステルといった実用上有用なポリエステルを容易に
製造することのできるポリエステルの製造方法の提供に
ある。
【0002】
【発明の背景】プラスチック廃棄物の処理問題が世界的
な規模で深刻化してきているが、この問題を円滑に解消
できる新素材として、微生物によって生成される「生分
解性プラスチック」が注目されはじめてきている。この
「生分解性プラスチック」は自然界の微生物によって速
やかに完全分解され、生態系の循環サイクルに還元され
るため、廃棄物処理や物質循環、環境汚染等の観点か
ら、バイオポリマーとして非常に注目されている。この
ような「生分解性プラスチック」として最初に見出され
たのは、エネルギー貯蔵物質として多くの微生物の菌体
内に蓄積されているポリ−3−ヒドロキシブチレート
(以下、PHBという)であった。このPHBは3HB
が多数連結して構成される熱可塑性の高分子物質である
が、結晶性が高すぎるために耐衝撃性に劣り、硬くて脆
い材料であること、及び生産コストが高いことなどから
実用化が見送られてきた。
【0003】そこで、このPHBについてさらに研究が
進められ、3HBとともに側鎖に3HVが共重合された
ポリエステルや3HBと4HBとの共重合によるポリエ
ステル、更には3HBと4HB・3HVからなるポリエ
ステルなど、次々と新しい共重合成分からなるポリエス
テルが見出され、醗酵法による工業的な生産が検討され
てくるようになってきた。このようなポリエステルは、
例えば3HBと3HVからなる共重合体では、3HV分
率0〜95%の広い組成範囲にわたり50%以上の高い結
晶性を示し、3HV分率によって70〜178 ℃の融点を示
すことができる。また、3HBと4HBからなる共重合
体では4HB分率を調整することにより結晶化度を低下
させることが可能となることが知られている。あるい
は、 A. faecalis T1 の分解酵素を用いた酵素分解性に
おいては、4HB含有率の低い(6〜28%)ものはPH
Bホモポリマーに比べて酵素分解速度が速くなっている
が、4HB含有率が高い(85〜94%)と逆に遅くなるこ
とも見い出されている。さらに、加水分解においては4
HB含有率が高くなる程速くなることが見い出され、徐
放性の薬物を作る場合には4HB含有率を高くすること
によって薬物の放出を速くできることが知られてきた。
このように3HB、4HB、3HVの各分率を適宜調製
することにより、実用に際してより幅の広い選択が可能
となる。
【0004】
【従来の技術】微生物を用いたポリ−3−ヒドロキシブ
チレート(PHB)を製造する手法としては、従来より
ポリエステル生産能を有する微生物を窒素又はりんを制
限して培養する方法が使用されており、特にポリエステ
ルの生成、蓄積を促す培養において、プロピオン酸ある
いはイソ酪酸等の有機酸を炭素源として使用する技術が
特開昭57-150393 号公報「β−ヒドロキシブチレート重
合体およびその製造法」にて開示されている。
【0005】また、特開平1-156320号公報にて3HB成
分に対する共重合成分、すなわち4HB及び3HV成分
の割合が比較的高いポリエステルを製造する技術が開示
されている。この開示技術はアルカリゲネス属菌を用
い、且つこの菌体の培養において、例えば吉草酸および
4−ヒドロキシ酪酸を炭素源として使用してポリエステ
ルを製造する技術であった。
【0006】しかしながら、前記した特開昭57-150393
号公報の技術では、実際に実施例においては最高33 m
ol%の3HV成分を含む共重合体しか示されておらず、
3HV成分の割合がこれより多い共重合体については何
ら開示されていなかった。また、共重合体中の3HV成
分が0−33mo1 %まで増大すると、この増大に伴って
融解温度(Tm)が180 ℃から85℃まで急激に低下すること
が知られており[T.L.Bluhm et al, Macromolecules, 1
9, 2871-2876(1986)]、この点から工業的に同一の物性
を持つ製品を得ることが困難であることが示唆される。
また、この開示技術においては微生物の培養基質に有機
酸を使用しているために、ポリエステル蓄積段階におけ
る培養液中のpHの制御が困難なものとなるという課題も
存在した。
【0007】一方、特開平1-156320号公報にて開示され
ている技術も前記した特開昭57-150393 号公報の開示技
術と同様、培養基質に吉草酸や4−ヒドロキシ酪酸等の
有機酸が使用されているためpHの制御が困難なものとな
る課題が存在した。またこの技術においては、ポリエス
テル中の各成分の比率が3HB成分10−90mol %、4H
B成分3−60mol %、3HV成分5−87mol %と開示さ
れているが、4HB成分の含有がこれよりも多い共重合
体については何ら示されていなかった。さらに、この技
術にて使用される吉草酸や4−ヒドロキシ酪酸等は容易
に入手できるものではなく、実用には適していないとい
う課題も存在した。
【0008】このような実情に照らし、この出願人らに
よって特願平4-56725号「ポリエステル共重合体の製造
方法」が先に出願されている。この技術は、微生物(シ
ュードモナス属菌)によりポリエステルを生成、蓄積さ
せる培養時に、工業的に入手しやすい特定のジオール
(1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール)と特
定のアルコール(メタノール以外の奇数個の炭素原子を
もつ第一級アルコール)を炭素源として用いる技術であ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したこの出願人ら
による既出願の技術は、pH制御を容易に行うことができ
るとともに、3HB、4HB、3HVとの共重合体にお
いて4HB成分の割合(モル比)が大きい共重合体を生
成させることのできる優れた製造方法であった。しかし
ながら、業界では前記した3HB、4HB、3HVから
なる共重合体の変性共重合体、すなわち新たに3HP成
分が含有された共重合体が、高融点及び分解速度を幅広
く制御でき、工業的により実用的な材料となりうるとい
う点において着目されるようになり、この3HP成分を
含有した共重合体をも容易に製造できる製造方法の創出
がさらに望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明では、ポリ−3
−ヒドロキシブチレート生産能を有するシュードモナス
属菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養と、窒素、
リン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制限して菌体
内にポリエステルを生成、蓄積させる後段培養とにより
二段培養させてなるポリエステルの製造方法であって、
前記後段の培養を次に示すA及びBの群からそれぞれ選
択された基質の存在下で行い、 A.1−プロパノールまたは1−ペンタノール B.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、3−ヒドロキシバリレ
ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
選択された少なくとも一以上の単位からなるポリエステ
ルを得ることを特徴とするポリエステルの製造方法及び
ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を有するシュー
ドモナス属菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養
と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制
限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積させる後段培
養とにより二段培養させてなるポリエステルの製造方法
であって、前記後段の培養を次に示すC及びDの群から
それぞれ選択された基質の存在下で行い、 C.1,4−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジ
オール D.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、4−ヒドロキシブチレ
ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
選択された少なくとも一以上の単位からなるポリエステ
ルを得ることを特徴とするポリエステルの製造方法を提
供することにより前記従来の課題を悉く解消する。
【0011】
【発明の構成】以下、この発明に係るポリエステルの製
造方法の構成について説明する。この発明ではPHB生
産能を有する微生物として特定シュードモナス属菌を使
用する。このシュードモナス属菌としては、シュードモ
ナス・テストステロニ(Pseudomonas testosteroni) 、
シュードモナス・デラフィールディ(Pseudomonas delaf
ieldii) 、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cep
acia) 及びこれらの菌株の突然変異株等が好適に使用さ
れ、特にシュードモナス・アシドボランス(Pseudomonas
acidovorans) が実験的知得により最も好ましく、なか
でもシュードモナス・アシドボランスIFO-13582,ATCC-1
5668がより好ましく使用される。
【0012】これらの微生物は、まず栄養豊富な培地に
おいて菌体を増殖させる前段の培養と、窒素、リンある
いは各種無機栄養素といった菌体の成長の必須成分のう
ちのいずれか一つを制限して菌体内にポリエステルを生
成、蓄積させる後段の培養との2段階にて培養される。
このように窒素等の成長必須成分のいずれか一つを全く
含まないか、若しくは培養中で成長必須成分を枯渇させ
ることにより、菌体の成長が制限され、ポリエステルの
合成が効率良く行なえる。この培養法としては、回分式
方法あるいは連続培養のいずれを用いてもよく、特に限
定はされない。前段の培養法については特に限定はされ
ず常法に従って菌体を増殖させる。この前段の培養によ
り増殖させた菌体は、濾過あるいは遠心分離などにより
培養液と分離し、後段の培養へと移行される。或いは、
前段の培養において菌体を増殖する過程で、培地中の成
長に必須の成分のうちの少なくとも1つが消費された後
に後段へ移行してもよい。この際、成長の必須成分とし
てはカリウムやマグネシウムなどの無機栄養素よりも、
窒素若しくはリンを制限した方がポリエステルの生成、
蓄積には好適であるがこの発明においては特に限定はさ
れない。
【0013】培地成分としては、炭素源としてグルコー
ス、フラクトース、マンノースなどの糖類、メタノー
ル、エタノール、酢酸、酪酸などの合成炭素源、酵母エ
キス、ペプトン、肉エキスなどの天然物等が好適な実施
例として例示されるが特に限定はされない。また、窒素
源としてはアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩などの
無機窒素化合物、ペプトン、酵母エキス、肉エキスなど
の有機窒素化合物等が好適に例示される。リン源として
はリン酸塩が、さらに無機栄養素としてはカリウム、マ
グネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜
鉛、銅などの無機塩の陽イオンが好適に与えられる。
【0014】この培養条件としては、前段および後段の
いずれもそれぞれ温度 20 〜 40 ℃程度、pH6〜10程度
の範囲内において好気的に培養する。
【0015】菌体内にポリエステルを生成、蓄積させる
後段の培養において、この発明では特に基質として、
(A)1−プロパノール又は1−ペンタノール及び
(B)1,3−プロパンジオール又は1,5−ペンタン
ジオールが使用される。これは、この発明者らがシュー
ドモナス属菌を用い、3HB単位、3HV単位、3HP
単位からなるポリエステルの製造法について鋭意検討し
た結果、これら基質を用いることによって、pH制御が容
易に行なえるとともに、3HB単位、3HV単位、3H
P単位の中から選択された少なくとも一以上の単位から
なるポリエステルを選択的に生成、蓄積できるとの実験
的知得に基づくものである。
【0016】あるいは、前記した3HB、3HV、3H
Pの中から選択された一以上の単位からなるポリエステ
ル以外に、3HB、4HB、3HPの中から選択された
一以上の単位からなるポリエステルを生成させる場合に
は、後段の培養において基質として(C)1,4−ブタ
ンジオールまたは1,6−ヘキサンジオール及び(D)
1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタンジオ
ールが使用される。これはこの発明者らの鋭意研究によ
る実験的知得に基づくもので、このような基質を用いる
ことにより、3HB、4HB、3HP単位の中から選択
された少なくとも一以上の単位からなるポリエステルを
選択的に効率良く生成させることができる。
【0017】これらの基質の培養液中の濃度は、ポリエ
ステルを生成させることができ、且つ微生物の育成を阻
害しない量であれば特に限定されることはないが、
(A)1−プロパノール又は1−ペンタノール及び
(B)1,3−プロパンジオール又は1,5−ペンタン
ジオールを合計した炭素源濃度または(C)1,4−ブ
タンジオールまたは1,6−ヘキサンジオール及び
(D)1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタ
ンジオールを合計した炭素源濃度が、約0.05〜3.0 %程
度の範囲内とされるのが好ましい。
【0018】これらの基質は、後段の培養中に連続で用
いた方が好ましいが、一部分でも用いられればよく、ま
た数回に分けて与えてもよく、特に限定はされない。ま
た、後段の培養でこれらの基質のみを用いてもよいが、
資化可能な炭素源、好ましくは酸以外の、例えばグルコ
ース、フラクトース、メタノール、エタノール等のpH制
御が容易な炭素源を混合させることもできる。
【0019】培養終了後、濾過あるいは遠心分離などに
より培養液から菌体を分離し、菌体内に蓄積された3H
B、3HV、3HPの中から選択された少なくとも一以
上の単位からなるポリエステル又は3HB、4HB、3
HPの中から選択された少なくとも一以上の単位からな
るポリエステルを抽出する。この抽出方法としては特に
限定はされず、例えばクロロホルムのような溶剤で抽出
し、この抽出液をヘキサンなどの貧溶媒で沈殿させるこ
とによって容易に得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明に係るポリエ
ステルの製造方法及びその効果をより一層詳細に説明す
る。
【0021】(実施例1)シュードモナス・アシドボラ
ンス(Pseudomonas acidovorans) IFO-13582 を用いてポ
リエステルを製造した。まず、蒸留水1リットル中にポ
リペプトン 10g、酵母抽出物 10g、(NH4)2SO45g、肉エ
キス5gを混合して培養液を調製し、この培養液中で菌体
を26℃、48時間培養して菌体を増殖させ、前段培養を行
った。
【0022】前段培養終了後、遠心分離により菌体を分
離した。リン、マグネシウム、微量元素等の無機栄養
素、及び炭素源として1−ペンタノール、1,5−ペン
タンジオールを用い、下記の処方に従って培養液を調製
した。この培養液をpH7.0 に調製した後、分離された菌
体をこの培養液に移行した。この培養液にて26℃で96時
間後段培養を行い、ポリエステルの菌体内での生成、蓄
積を行った。 (蒸留水1リットル中) K2HPO4 5.8g MgSO4 0.12g KH2PO4 3.7g 1−ペンタノール 1.0g ※微量元素 1ml 1,5−ペンタンジオール 4.
0g ※ 微量元素溶液とは、1N塩酸中に下記の無機栄養素
を含むものである。 FeSO4・7H2O 2.78g CaCl2・2H2O 1.67g MnCl2・4H2O 1.98g CuCl2・2H2O 0.17g CoSO4・7H2O 2.81g ZnSO4・7H2O 0.29g 培養終了後、遠心分離により菌体を培養液から分離し、
水洗いした後クロロホルムで抽出した。抽出液をいった
ん濃縮し、この濃縮液にヘキサンを加えて、得られたポ
リエステルを沈殿させた。沈殿物を回収し、乾燥してポ
リエステルを得た。
【0023】得られたポリエステルはプロトン磁気共鳴
スペクトル1 H−NMR(100MHz)分析に供した。1 H−
NMR(100MHz)分析は JEOL FX-100を用いて室温で測定
し、CDCL3 溶媒、15μs パルス幅(45°パルス角度)、
パルス繰り返し時間:5秒、8K data point の条件にて
行った。尚、標準試薬としてはTMSを用いた。
【0024】前記1 H−NMR(100MHz)分析のσ値(pp
m)は{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メチレン基),
5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチル基),2.3
3-2.58(第1メチレン基), 1.50-1.70 (第2メチレン
基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{2.33-2.58(第1メチ
レン基), 4.27-4.39 (第2メチレン基) }であったこと
からそれぞれ3HB、3HV、3HPと同定された。こ
の結果を図1に示す。
【0025】(実施例2〜5)後段培養における炭素源
として1−ペンタノール及び1,5−ペンタンジオール
を表1に示すような混合割合にて調製した以外は実施例
1と同様の実施例2〜5のポリエステルを得た。
【0026】
【表1】
【0027】(実施例6〜10)後段培養における炭素
源として1,4−ブタンジオール及び1,5−ペンタン
ジオールを表1に示すような混合割合にて調製した以外
は実施例1と同様の実施例6〜10のポリエステルを得
た。実施例6にて得られたポリエステルは、実施例1と
同様の条件にてプロトン磁気共鳴スペクトル1 H−NM
R(100MHz)及び13C−NMR(125 MHz)分析に供した。
13C−NMR(125 MHz)分析は、JEOL GX-100 を用いて2
7℃にて測定し、CDCL3溶媒、5.5μs パルス幅(45°パ
ルス角度) 、パルス繰り返し時間: 5秒、64Kdata poin
tの条件にて行った。尚、標準試薬としてはTMSを用
いた。
【0028】実施例6では1 H−NMR(100MHz)分析の
σ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メチ
レン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{2.33-2.58(第1
メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 4.06-4.18
(第3メチレン基)}、{2.33-2.58(第1メチレン基),
4.27-4.39 (第2メチレン基) }であったことからそれ
ぞれ3HB、4HB、3HPと同定された。この結果を
図2に示す。
【0029】また、13C−NMR(125 MHz)分析のσ値
(ppm) 172.62から4HB*-4HBが、171.85から4HB*-3HBが、
170.04から3HB*-4HBが、169.83から3HP*-3HBが、169.68
から3HB*-3HPが、169.14から3HB*-3HBがそれぞれ同定さ
れた。この結果を図3に示す。
【0030】(比較例1)後段培養において、炭素源と
して前記表1に示すように1−ペンタノールのみを5.0g
用いた以外は実施例1と同様のポリエステルを得た。得
られたポリエステルは実施例1と同様の条件にてプロト
ン磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)分析に供し
た。このσ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.5
8 (メチレン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.9
6(メチル基), 1.50-1.70( 第1メチレン基), 2.33-2.58
(第2メチレン基), 5.03-5.34 (メチン基)}であった
ことからそれぞれ3HB、3HVと同定された。この結
果を図4に示す。
【0031】(比較例2)後段培養において、炭素源と
して表1に示すように1,4−ブタンジオールのみを5.
0g用いた以外は実施例1と同様のポリエステルを得た。
得られたポリエステルは実施例1と同様の条件にてプロ
トン磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)分析に供
した。このこのσ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.
33-2.58 (メチレン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{4.
06-4.18(第1メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン
基), 2.33-2.58 (第3メチレン基)}であったことから
それぞれ3HB、4HBと同定された。この結果を図5
に示す。
【0032】(比較例3)菌体としてシュードモナス・
アシドボランスのかわりにアルカリゲネス・ユートロフ
ァスATCC 17699を用い、後段培養の炭素源として表1に
示すように4-ヒドロキシ酪酸17g 、吉草酸3g を用いた
以外は実施例1と同様にポリエステルを得た。得られた
ポリエステルは実施例1と同様の条件にてプロトン磁気
共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)分析に供した。こ
のσ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メ
チレン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メ
チル基),1.50-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2
メチレン基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18
(第1メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33
-2.58 (第3メチレン基)}であったことからそれぞれ3
HB、3HV、4HBと同定された。この結果を図6に
示す。
【0033】
【試験例】実施例1〜10及び比較例1〜3で得られたポ
リエステルを用いてプロトン磁気共鳴スペクトル1 H−
NMR(100MHz)の積分値から各組成比を計算した。 ま
た融点(Tm) をDSC測定により決定した。この結果を
表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明はポリ−3
−ヒドロキシブチレート生産能を有するシュードモナス
属菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養と、窒素、
リン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制限して菌体
内にポリエステルを生成、蓄積させる後段培養とにより
二段培養させてなるポリエステルの製造方法であって、
前記後段の培養を次に示すA及びBの群からそれぞれ選
択された基質の存在下で行い、 A.1−プロパノールまたは1−ペンタノール B.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、3−ヒドロキシバリレ
ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
選択された少なくとも一以上の単位からなるポリエステ
ルを得ることを特徴とするポリエステルの製造方法及び
ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を有するシュー
ドモナス属菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養
と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制
限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積させる後段培
養とにより二段培養させてなるポリエステルの製造方法
であって、前記後段の培養を次に示すC及びDの群から
それぞれ選択された基質の存在下で行い、 C.1,4−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジ
オール D.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、4−ヒドロキシブチレ
ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
少なくとも一以上の単位からなるポリエステルを得るこ
とを特徴とするポリエステルの製造方法であるから、産
業的に利用価値の高い共重合体をも選択的、且つ極めて
容易に製造することがることができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて得られたポリエステルの1 H−N
MR(100MHz)スペクトル図である。
【図2】実施例6にて得られたポリエステルの1 H−N
MR(100MHz)スペクトル図である。
【図3】同上、13C−NMR(125 MHz)スペクトル図で
ある。
【図4】比較例1にて得られたポリエステルの1 H−N
MR(100MHz)スペクトル図である。
【図5】比較例2にて得られたポリエステルの1 H−N
MR(100MHz)スペクトル図である。
【図6】比較例3にて得られたポリエステルの1 H−N
MR(100MHz)スペクトル図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能
    を有するシュードモナス属菌を培地内にて菌体を増殖さ
    せる前段培養と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいず
    れか一つを制限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積
    させる後段培養とにより二段培養させてなるポリエステ
    ルの製造方法であって、前記後段の培養を次に示すA及
    びBの群からそれぞれ選択された基質の存在下で行い、 A.1−プロパノールまたは1−ペンタノール B.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
    ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、3−ヒドロキシバリレ
    ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
    選択された少なくとも一以上の単位からなるポリエステ
    ルを得ることを特徴とするポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能
    を有するシュードモナス属菌を培地内にて菌体を増殖さ
    せる前段培養と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいず
    れか一つを制限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積
    させる後段培養とにより二段培養させてなるポリエステ
    ルの製造方法であって、前記後段の培養を次に示すC及
    びDの群からそれぞれ選択された基質の存在下で行い、 C.1,4−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジ
    オール D.1,3−プロパンジオールまたは1,5−ペンタン
    ジオール 3−ヒドロキシブチレート単位、4−ヒドロキシブチレ
    ート単位、3−ヒドロキシプロピオネート単位の中から
    選択された少なくとも一以上の単位からなるポリエステ
    ルを得ることを特徴とするポリエステルの製造方法。
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