JPH05214081A - ポリエステル共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体の製造方法

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JPH05214081A
JPH05214081A JP4056725A JP5672592A JPH05214081A JP H05214081 A JPH05214081 A JP H05214081A JP 4056725 A JP4056725 A JP 4056725A JP 5672592 A JP5672592 A JP 5672592A JP H05214081 A JPH05214081 A JP H05214081A
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hydroxybutyrate
polyester copolymer
methylene group
producing
culture
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JP4056725A
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Yoshiharu Doi
義治 土肥
Hiroshi Kimura
宏 木村
Yoshitoku Yoshida
良徳 吉田
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を有
するシュードモナス属菌を、培地内にて菌体を増殖させ
る前段培養と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいずれ
か一つを制限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積さ
せる後段培養とにより二段培養させる。この二段培養に
おいて、特に後段培養を(A)1,4- ブタンジオール又は1,
6-ヘキサンジオール及び(B) メタノール以外の奇数個の
炭素原子をもつ第一級アルコールの存在下で行い、3−
ヒドロキシブチレート単位(3HB) 、4−ヒドロキシブチ
レート単位(4HB) 、3−ヒドロキシバレリート単位(3H
V) からなるポリエステル共重合体を製造する。 【効果】 3HBと4HB と 3HVとの共重合体において4HB 成
分の割合が高い共重合体を、pH制御等を容易に効率良く
製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はポリエステル共重合体
の製造方法に係り、その目的は3−ヒドロキシブチレー
ト単位(以下3HBと記す)、4−ヒドロキシブチレー
ト単位(以下4HBと記す)、及び3−ヒドロキシバリ
レート単位(以下3HVと記す)を含有するポリエステ
ル共重合体であって、特に4−ヒドロキシブチレート成
分の含有量が高い共重合体を極めて効率良く製造するこ
とのできるポリエステル共重合体の製造方法の提供にあ
る。
【0002】
【発明の背景】我々の生活に欠かせない合成プラスチッ
クは各種産業、運輸、建設、医療等の分野において幅広
く使用されているが、その多くは自然環境の中で分解さ
れないため、プラスチックの廃棄物処理問題が近年深刻
化されている。このような状況下、廃プラスチックの有
効利用や再資源化の必要性から微生物によって生成され
る「生分解性プラスチック」が非常に注目されてきてい
る。微生物によって生成される代表的なポリ−3−ヒド
ロキシブチレート(PHB)は、熱可塑性の高分子物質
で、エネルギー貯蔵物質として多くの微生物の菌体内に
蓄積されるポリエステルである。この微生物により生成
されるポリエステルは、土中あるいは海洋に生存する微
生物によって他に害を与えることなく、自然環境下で完
全に分解されるので、廃棄物処理や物質循環、環境汚染
等の観点から、バイオポリマーとして非常に注目されて
いる。また、PHBは上記した生分解性に加えて生体適
合性をも示す高分子であることから、手術用縫合糸や骨
折固定材などの医用材料、および農薬や医薬を含有さ
せ、薬物を徐々に放出するというドラッグデリバリーシ
ステムへの応用も期待されている。
【0003】しかしながら、PHBは結晶性が高すぎる
ために耐衝撃性に劣り、硬くて脆い材料であること、及
び生産コストが高いことなどから実用化が見送られてき
た。そこで、このPHBについてさらに研究が進めら
れ、微生物が生成する共重合ポリエステルの3HB、4
HB、3HVの各分率を調製することにより、結晶化度
が低下され、この調製により結晶性の硬いプラスチック
から弾性に富むゴムまで幅広い多用な物性を示す素材が
得られることが見い出されている。すなわち、 A. faec
alis T1 の分解酵素を用いた酵素分解性においては、4
HB含有率の低い(6〜28%)ものはPHBホモポリマ
ーに比べて酵素分解速度が速くなっているが、4HB含
有率が高い(85〜94%)と逆に遅くなることが見い出さ
れてきる。従って、例えばフィルムの分解速度を制御し
たい場合、速く分解させようと思えば4HB含有率の低
いものを、また遅くしたい場合には4HB含有率の高い
ものを適宜使用することによってより幅の広い選択が可
能となることが知られていた。また、加水分解において
は4HB含有率が高くなる程速くなることが見い出さ
れ、徐放性の薬物を作る場合には4HB含有率を高くす
ることによって薬物の放出を速くできることが知られて
きた。このように4HB含有率を適宜調製することによ
り、実用に際してより幅の広い選択が可能となる。
【0004】
【従来の技術】微生物を用いたポリ−3−ヒドロキシブ
チレート(PHB)を製造する手法としては、従来より
ポリエステル生産能を有する微生物を窒素又はりんを制
限して培養する方法が使用されており、特にポリエステ
ルの生成、蓄積を促す培養において、プロピオン酸ある
いはイソ酪酸等の有機酸を炭素源として使用する技術が
特開昭57-150393 号公報「β−ヒドロキシブチレート重
合体およびその製造法」にて開示されている。
【0005】また、特開平1-156320号公報にて3HB成
分に対する共重合成分、すなわち4HB及び3HV成分
の割合が比較的高いポリエステル共重合体を製造する技
術が開示されている。この開示技術はアルカリゲネス属
菌を用い、且つこの菌体の培養において、例えば吉草酸
および4−ヒドロキシ酪酸を炭素源として使用してポリ
エステル共重合体を製造する技術であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た特開昭57-150393 号公報の技術においては3HB成分
が99.9−50 mol%及び3HV成分等他のエステル
部分が0.1−50mo1%含有される共重合体が製造さ
れると開示されているが、実際に実施例においては最高
33 mol%の3HV成分を含む共重合体しか示されてお
らず、3HV成分の割合がこれより多い共重合体につい
ては何ら開示されていなかった。また、共重合体中の3
HV成分が0−33mo1 %まで増大すると、この増大に
伴って融解温度(Tm)が180 ℃から85℃まで急激に低下す
ることが知られており[T.L.Bluhm et al, Macromolecul
es, 19, 2871-2876(1986)]、この点から工業的に同一の
物性を持つ製品を得ることが困難であることが示唆され
る。また、この開示技術においては微生物の培養基質に
有機酸を使用しているために、ポリエステル蓄積段階に
おける培養液中のpHの制御が困難なものとなるという課
題も存在した。
【0007】一方、特開平1-156320号公報にて開示され
ている技術も前記した特開昭57-150393 号公報の開示技
術と同様、培養基質に吉草酸や4−ヒドロキシ酪酸等の
有機酸が使用されているためpHの制御が困難なものとな
る課題が存在した。またこの技術においては、ポリエス
テル共重合体中の各成分の比率が3HB成分10−90mol
%、4HB成分3−60mol %、3HV成分5−87mol %
と開示されているが、4HB成分の含有がこれよりも多
い共重合体については何ら示されていなかった。さら
に、この技術にて使用される吉草酸や4−ヒドロキシ酪
酸等は容易に入手できるものではなく、実用には適して
いないという課題も存在した。
【0008】業界では4HB成分の含有量が高いポリエ
ステル共重合体を極めて効率良く、容易に製造できる方
法の創出が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、ポリ−3−
ヒドロキシブチレート生産能を有するシュードモナス属
菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養と、窒素、リ
ン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制限して菌体内
にポリエステルを生成、蓄積させる後段培養とにより二
段培養させてなるポリエステル共重合体の製造方法であ
って、前記後段の培養を A.1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール 及び B.メタノール以外の奇数個の炭素原子をもつ第一級ア
ルコール の存在下で行い、3−ヒドロキシブチレート単位、4−
ヒドロキシブチレート単位及び3−ヒドロキシバリレー
ト単位からなるポリエステル共重合体を得ることを特徴
とするポリエステル共重合体の製造方法を提供すること
により上記従来の課題を悉く解消する。
【0010】
【発明の構成】以下、この発明に係るポリエステル共重
合体の製造方法の構成について説明する。この発明では
PHB生産能を有する微生物として特定シュードモナス
属菌を使用する。このシュードモナス属菌としては、シ
ュードモナス・テストステロニ(Pseudomonas testoste
roni) 、シュードモナス・デラフィールディ(Pseudomon
as delafieldii) 、シュードモナス・セパシア(Pseudom
onas cepacia) 及びこれらの菌株の突然変異株等が好適
に使用され、特にシュードモナス・アシドボランス(Pse
udomonas acidovorans) がこの実験的知得により最も好
ましく、なかでもシュードモナス・アシドボランスIFO-
13582,ATCC-15668が好ましい。
【0011】これらの微生物は、まず栄養豊富な培地に
おいて菌体を増殖させる前段の培養と、窒素、リンある
いは各種無機栄養素といった菌体の成長の必須成分のう
ちのいずれか一つを制限して菌体内にポリエステルを生
成、蓄積させる後段の培養との2段階にて培養される。
このように窒素等の成長必須成分のいずれか一つを全く
含まないか、若しくは培養中で成長必須成分を枯渇させ
ることにより、菌体の成長が制限され、ポリエステル共
重合体の合成が効率良く行なえる。この培養法として
は、回分式方法あるいは連続培養のいずれを用いてもよ
く、特に限定はされない。前段の培養法については特に
限定はされず常法に従って菌体を増殖させる。この前段
の培養により増殖させた菌体は、濾過あるいは遠心分離
などにより培養液と分離し、後段の培養へと移行され
る。或いは、前段の培養において菌体を増殖する過程
で、培地中の成長に必須の成分のうちの少なくとも1つ
が消費された後に後段へ移行してもよい。この際、成長
の必須成分としてはカリウムやマグネシウムなどの無機
栄養素よりも、窒素若しくはリンを制限した方がポリエ
ステルの生成、蓄積には好適であるがこの発明において
は特に限定はされない。
【0012】培地成分としては、炭素源としてグルコー
ス、フラクトース、マンノースなどの糖類、メタノー
ル、エタノール、酢酸、酪酸などの合成炭素源、酵母エ
キス、ペプトン、肉エキスなどの天然物等が好適な実施
例として例示されるが特に限定はされない。また、窒素
源としてはアンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩などの
無機窒素化合物、ペプトン、酵母エキス、肉エキスなど
の有機窒素化合物等が好適に例示される。リン源として
はリン酸塩が、さらに無機栄養素としてはカリウム、マ
グネシウム、カルシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜
鉛、銅などの無機塩の陽イオンが好適に与えられる。
【0013】この培養条件としては、前段および後段の
いずれもそれぞれ温度 20 〜 40 ℃程度、pH6〜10程度
の範囲内において好気的に培養する。
【0014】菌体内にポリエステルを生成、蓄積させる
後段の培養において、この発明では特に基質として、
(A)1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール及
び(B)メタノール以外の奇数個の炭素原子をもつ第一
級アルコールが使用される。これは、この発明者らがシ
ュードモナス属菌を用い、3HB成分と4HBおよび3
HV成分を含む共重合体の製造法について鋭意検討した
結果、工業的に入手しやすいジオールとアルコールを炭
素源として用いることにより、pH制御が容易に行なえる
とともに、3HB成分と4HBおよび3HV成分を含む
ポリエステル共重合体において、4HB成分の割合(モ
ル比)が大きい共重合体を生成、蓄積できるとの実験的
知得に基づくものである。
【0015】この発明において、奇数個の炭素原子をも
つ第一級アルコールとしては、1−プロパノール、1−
ペンタノール等が好ましく用いられる。
【0016】これらの基質の培養液中の濃度は、ポリエ
ステル共重合体を生成させることができ、且つ微生物の
育成を阻害しない量であれば特に限定されることはない
が、(A)1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオー
ル及び(B)メタノール以外の奇数個の炭素原子をもつ
第一級アルコールを合計した炭素源濃度が、約0.05〜3.
0 %程度とされるのが好ましい。
【0017】これらの基質は、後段の培養中に連続で用
いた方が好ましいが、一部分でも用いられればよく、ま
た数回に分けて与えてもよく、特に限定はされない。ま
た、後段の培養でこれらの基質のみを用いてもよいが、
資化可能な炭素源、好ましくは酸以外の、例えばグルコ
ース、フラクトース、メタノール、エタノール等のpH制
御が容易な炭素源を4HB成分の割合(モル比)を極端
に低下させない程度の量で混合させることもできる。
【0018】培養終了後、濾過あるいは遠心分離などに
より培養液から菌体を分離し、菌体内に蓄積された3H
B、4HBおよび3HVが含有されるポリエステル共重
合体を抽出する。この抽出方法としては特に限定はされ
ず、例えばクロロホルムのような溶剤で抽出し、この抽
出液をヘキサンなどの貧溶媒で沈殿させることによって
容易に得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を挙げてこの発明に係るポリエ
ステル共重合体の製造方法及びその効果をより一層詳細
に説明する。
【0020】(実施例1)シュードモナス・アシドボラ
ンス(Pseudomonas acidovorans) IFO-13582 を用いてポ
リエステル共重合体を製造した。まず、蒸留水1リット
ル中にポリペプトン 10g、酵母抽出物 10g、(NH4)2SO45
g、肉エキス5gを混合して培養液を調製し、この培養液
中で菌体を26℃、48時間培養して菌体を増殖させ、前段
培養を行った。
【0021】前段培養終了後、遠心分離により菌体を分
離した。リン、マグネシウム、微量元素等の無機栄養
素、及び炭素源として1,4-ブタンジオール、1-ペンタノ
ールを用い、下記の処方に従って培養液を調製した。こ
の培養液をpH7.0 に調製した後、分離された菌体をこの
培養液に移行した。この培養液にて26℃で96時間後段培
養を行い、ポリエステル共重合体の菌体内での生成、蓄
積を行った。 (蒸留水1リットル中) K2HPO4 5.8g MgSO4 0.12g K2PO4 3.7g 1,4-ブタンジオール 4.0g ※微量元素 1ml 1-ペンタノール 1.0g ※ 微量元素溶液とは、1N塩酸中に下記の無機栄養素
を含むものである。 FeSO4・7H2O 2.78g CaCl2・2H2O 1.67g MnCl2・4H2O 1.98g CuCl2・2H2O 0.17g CoSO4・7H2O 2.81g ZnSo4・7H2O 0.29g 培養終了後、遠心分離により菌体を培養液から分離し、
水洗いした後クロロホルムで抽出した。抽出液をいった
ん濃縮し、この濃縮液にヘキサンを加えて、得られたポ
リエステル共重合体を沈殿させた。沈殿物を回収し、乾
燥してポリエステル共重合体を得た。
【0022】得られたポリエステル共重合体はプロトン
磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)及び13C−N
MR(125 MHz)分析にそれぞれ供した。1 H−NMR(1
00MHz)分析は JEOL FX-100を用いて室温で測定し、CDCL
3 溶媒、15μs パルス幅(45°パルス角度)、パルス繰
り返し時間:5秒、8K data point の条件にて行った。
尚、標準試薬としてはTMSを用いた。13C−NMR
(125 MHz)分析は JEOL GX-500を用いて27℃にて測定
し、CDCL3溶媒、5.5μs パルス幅(45°パルス角度)、
パルス繰り返し時間:5秒、64K data pointの条件にて
行った。尚、標準試薬としてはTMSを用いた。
【0023】前記1 H−NMR(100MHz)分析のσ値(pp
m)は{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メチレン基),
5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチル基),1.5
0-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2メチレン
基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18(第1メチ
レン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33-2.58 (第
3メチレン基)}であったことからそれぞれ3HB、3
HV、4HBと同定された。この結果を図1に示す。
【0024】13C−NMR(125 MHz)分析のσ値(ppm)
172.61から4HB-4HB が、172.04から4HB-3HV が、171.86
から4HB-3HB が、170.25から3HV-4HB が、170.03から3H
B-4HB が、169.48から3HV-3HV が、169.28から3HV-3HB,
3HB-3HVがそれぞれ同定された。この結果を図2に示
す。
【0025】(実施例2〜5)後段培養における炭素源
として1,4-ブタンジオール、1-ペンタノール及び1-プロ
パノールを表1に示すような混合割合にて調製した以外
は実施例1と同様の実施例2〜5のポリエステル共重合
体を得た。得られたポリエステル共重合体は実施例1と
同様の条件にてそれぞれプロトン磁気共鳴スペクトル1
H−NMR(100MHz)分析に供した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例2では1 H−NMR(100MHz)分析の
σ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メチ
レン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチ
ル基),1.50-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2メ
チレン基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18(第
1メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33-2.
58 (第3メチレン基)}であったことからそれぞれ3H
B、3HV、4HBと同定された。この結果を図3に示
す。
【0028】実施例3では1 H−NMR(100MHz)分析の
σ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基),2.33-2.58 (メチレ
ン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチル
基),1.50-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2メチ
レン基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18(第1
メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33-2.58
(第3メチレン基)}であったことからそれぞれ3HB、
3HV、4HBと同定された。この結果を図4に示す。
【0029】実施例4では1 H−NMR(100MHz)分析の
σ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基),2.33-2.58 (メチレ
ン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチル
基),1.50-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2メチ
レン基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18(第1
メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33-2.58
(第3メチレン基)}であったことからそれぞれ3HB、
3HV、4HBと同定された。この結果を図5に示す。
【0030】実施例5では1 H−NMR(100MHz)分析の
σ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル基), 2.33-2.58 (メチ
レン基), 5.10-5.42 (メチン基)}、{0.82-0.96(メチ
ル基),1.50-1.70(第1メチレン基), 2.33-2.58 (第2メ
チレン基), 5.03-5.34 (メチン基)}、{4.06-4.18(第
1メチレン基), 1.78-2.09 (第2メチレン基), 2.33-2.
58 (第3メチレン基)}であったことからそれぞれ3H
B、3HV、4HBと同定された。この結果を図6に示
す。
【0031】(比較例1)後段培養において、炭素源と
して表1に示すように1,4-ブタンジオールのみを5.0g用
いた以外は実施例1と同様のポリエステル共重合体を得
た。得られたポリエステル共重合体は実施例1と同様の
条件にてプロトン磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100
MHz)分析に供した。このσ値(ppm)が{1.24-1.30(メチ
ル基), 2.33-2.58 (メチレン基), 5.10-5.42 (メチン
基)}、{4.06-4.18(第1メチレン基), 1.78-2.09 (第
2メチレン基), 2.33-2.58 (第3メチレン基)}であっ
たことからそれぞれ3HB、4HBと同定された。この
結果を図7に示す。
【0032】(比較例2)後段培養において、炭素源と
して表1に示すように1-ペンタノールのみを5.0g用いた
以外は実施例1と同様のポリエステル共重合体を得た。
得られたポリエステル共重合体は実施例1と同様の条件
にてプロトン磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)
分析に供した。このこのσ値(ppn)が{1.24-1.30(メチ
ル基), 2.33-2.58 (メチレン基), 5.10-5.42 (メチン
基)}、{0.82-0.96(メチル基),1.50-1.70(第1メチレ
ン基), 2.33-2.58 (第2メチレン基), 5.03-5.34 (メチ
ン基)}であったことからそれぞれ3HB、3HVと同
定された。この結果を図8に示す。
【0033】(比較例3)菌体としてシュードモナス・
アシドボランスのかわりにアルカリゲネス・ユートロフ
ァスATCC 17699を用い、後段培養の炭素源として表1に
示すように4-ヒドロキシ酪酸17g 、吉草酸3g を用いた
以外は実施例1と同様にポリエステル共重合体を得た。
得られたポリエステル共重合体は実施例1と同様の条件
にてプロトン磁気共鳴スペクトル1 H−NMR(100MHz)
分析に供した。このσ値(ppm)が{1.24-1.30(メチル
基), 2.33-2.58 (メチレン基), 5.10-5.42 (メチン
基)}、{0.82-0.96(メチル基),1.50-1.70(第1メチレ
ン基), 2.33-2.58 (第2メチレン基), 5.03-5.34 (メチ
ン基)}、{4.06-4.18(第1メチレン基), 1.78-2.09
(第2メチレン基), 2.33-2.58 (第3メチレン基)}であ
ったことからそれぞれ3HB、3HV、4HBと同定さ
れた。この結果を図9に示す。
【0034】
【試験例】実施例1〜5及び比較例1〜3で得られたポ
リエステル共重合体を用いてプロトン磁気共鳴スペクト
1 H−NMR(100MHz)の積分値から各組成比を計算し
た。 また融点(Tm) をDSC測定により決定した。こ
の結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上詳述した如く、この発明はポリ−3
−ヒドロキシブチレート生産能を有するシュードモナス
属菌を培地内にて菌体を増殖させる前段培養と、窒素、
リン又は無機栄養素のうちいずれか一つを制限して菌体
内にポリエステルを生成、蓄積させる後段培養とにより
二段培養させてなるポリエステル共重合体の製造方法で
あって、前記後段の培養を A.1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール 及び B.メタノール以外の奇数個の炭素原子をもつ第一級ア
ルコール の存在下で行い、3−ヒドロキシブチレート単位、4−
ヒドロキシブチレート単位及び3−ヒドロキシバリレー
ト単位からなるポリエステル共重合体を得ることを特徴
とするポリエステル共重合体の製造方法であるから、3
HBと4HBおよび3HVの共重合体において、産業的
に利用価値の高い4HB成分の割合(モル比)が大きい
共重合体を極めて効率よく、しかもpH等の制御を容易に
製造することがることができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図2】同上、13C−NMR(125 MHz)分析のスペクト
ル図である。
【図3】実施例2にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図4】実施例3にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図5】実施例4にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図6】実施例5にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図7】比較例1にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図8】比較例2にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。
【図9】比較例3にて得られたポリエステル共重合体の
1 H−NMR(100MHz)スペクトル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能
    を有するシュードモナス属菌を培地内にて菌体を増殖さ
    せる前段培養と、窒素、リン又は無機栄養素のうちいず
    れか一つを制限して菌体内にポリエステルを生成、蓄積
    させる後段培養とにより二段培養させてなるポリエステ
    ル共重合体の製造方法であって、前記後段の培養を A.1,4-ブタンジオール又は1,6-ヘキサンジオール 及び B.メタノール以外の奇数個の炭素原子をもつ第一級ア
    ルコール の存在下で行い、3−ヒドロキシブチレート単位、4−
    ヒドロキシブチレート単位及び3−ヒドロキシバリレー
    ト単位からなるポリエステル共重合体を得ることを特徴
    とするポリエステル共重合体の製造方法。
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