JP2898342B2 - ポリエステル共重合体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体の製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、3−ヒドロキシブチレート単位(以下3HB
成分と記す)と4−ヒドロキシブチレート単位(以下4H
B成分と記す)を含有する共重合体の製造法に関し、更
に詳しくは、ポリエステルを蓄積できる微生物を用いて
製造される3HB成分、4HB成分からなる新規の共重合体ポ
リエステルの製造法に関する。
[従来の技術] ポリ−3−ヒドロキシブチレート(PHB)は、エネル
ギー貯蔵物質として数多くの微生物の菌体内に蓄積さ
れ、優れた生物分解性と生体適合性を示す熱可塑性高分
子であることから、環境を保全する“クリーン”プラス
チックとして注目され、手術糸や骨折固定用材などの医
用材料および医薬や農薬を徐々に放出する徐放性システ
ムなどの多方面への応用が長年にわたり期待されてき
た。特に近年、合成プラスチックが環境汚染や資源循環
の観点から深刻な社会問題となるに至り、PHBは石油に
依存しないバイオポリマーとして注目されている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、PHBは耐衝撃性に劣るとゆう物性上の
問題とともに、生産コストが高いことから工業的生産が
見送られてきた。
近時、3HB成分および3−ヒドロキシバリレート単位
(以下3HV成分と記す)を含有する共重合体およびその
製造法について、研究、開発がなされ、たとえば、特開
昭57−150393号公報および特開昭59−220192号公報にそ
れぞれ記載されている。
しかしながら、共重合体の3HV成分が0から33モル%
まで増大するとこの増大に伴って融解温度(Tm)が180
℃から85℃まで急激に低下することが知られており[T.
L.Bluhm et al,Macromolecules,19,2871(1986)]その
ため、3HV成分含有率の高い共重合体は耐熱性に劣って
いた。
一方、本発明者は、3HB成分および4HB成分を含有する
共重合体およびその製造法について研究、開発を行い、
先に出願した(特開平1−48821、特開平1−222788、
特開平1−304891、特開平2−27992、特願平1−5341
4)。かかる共重合体は4HB成分の共重合成分含有率が高
い場合でも、高い融点を有することから工業的な価値は
高い。しかしながら、この方法では炭素源として高価な
試薬を使う必要があったため、工業的に容易に入手でき
る汎用の炭素源を見い出すことに対する極めて高い要請
があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、以上の点を鑑み、3HB成分および4HB成分
からなる共重合体を工業的に有利にかつ容易に製造すべ
く鋭意検討した結果、後段の窒素もしくはリンを制限す
る培養においてHOCH2 nOH(n=8〜12、偶数)で示
されるジオールの存在下でPHB生産能を有する微生物を
培養すると、この菌体中に所望の共重合体が生成・蓄積
されるとの新知見を得て、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリ−3−ヒドロキシブチレート
生産能を有するアルカリゲネス属菌を前段で菌体を増殖
させ、後段で該菌体を窒素あるいはリンの制限下で培養
して該菌体内にポリエステル共重合体を生成・蓄積させ
るに際して、後段の培養をHOCH2 nOH(n=8〜12、
偶数)で示されるジオールの存在下で行うことを特徴と
する3−ヒドロキシブチレート単位および4−ヒドロキ
シブチレート単位からなるポリエステル共重合体の製造
方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、共重合体に含有される3HB成分およ
び4HB成分はそれぞれ次式であらわされる。
本発明で使用される微生物は、PHB生産能を有する微
生物であれば特に制限はないが、実用上はたとえば、ア
ルカリゲネス フェカリス(Alcaligenes faecalis)、
アルカリゲネスルーランディィ(Alcaligenes ruhlandi
i)、アルカリゲネス ラタス(Alcaligenes latus)、
アルカリゲネス アクアマリヌス(Alcaligenes aquama
rinus)およびアルカリゲネス ユウトロフス(Alcalig
enes eutrophs)等のアルカリゲネス属などがある。
これらの菌種に属する菌株の代表例として、アルカリ
ゲネス フェカリスATCC8750、アルカリゲネス ルーラ
ンディィATCC15749、アルカリゲネス ラタスATCC2971
2、アルカリゲネス アクアマリヌスATCC14400ならびに
アルカリゲネスユウトロフスH−16ATCC17699およびこ
のH−16株の突然変異株であるアルカリゲネス ユウト
ロフスNCIB11597、同NCIB11598、同NIB11599、同NCIB11
600などを挙げることができる。これらのうち、実用
上、アルカリゲネス ユウトロフスH−16ATCC17699お
よびアルカリゲネス ユウトロフスNCIB11599が特に好
ましい。
アルカリゲネス属に属するこれらの微生物の菌学的性
質は、たとえば、“BERGEY'S MANUAL OF DETERMINATIVE
BACTERIOLOGY:Eighth Edition,The Williams & Wilki
ns Company/Baltimore"に、また、アルカリゲネス ユ
ウトロフスH−16の菌学的性質は、たとえば、“J.Gen.
Miclobiol.,115、185〜192(1979)にそれぞれ記載され
ている。
これらの微生物は、従来の方法と同様に、主として菌
体を増殖させる前段の培養と、窒素もしくはりんを制限
して菌体内に共重合体を生成、蓄積させる後段の培養と
の2段で培養される。
前段の培養は、微生物を増殖させる為の通常の培養法
を適用することができる。すなわち、使用する微生物が
増殖し得る培地および培養条件を採用すればよい。
培地成分は、使用する微生物を資化し得る物質であれ
ば特に制限はないが、実用上は、炭素源としては、たと
えば、メタノール、エタノールおよび酢酸などの合成炭
素源、二酸化炭素などの無機炭素源、酵母エキス、糖
蜜、ペプトンおよび肉エキスなどの天然物、アラビノー
ス、グルコース、マンノース、フラクトースおよびガラ
クトースなどの糖類ならびにソルヒトール、マンニトー
ルおよびイソシトールなど、窒素源としては、たとえ
ば、アンモニア、アンモニウム塩、硝酸塩などの無機窒
素化合物および/または、たとえば、尿素、コーン・ス
ティープ・リカー、カゼイン、ペプトン、酵母エキス、
肉エキスなどの有機窒素含有物ならびに無機成分として
は、たとえば、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウ
ム塩、ナトリウム塩、りん酸塩、マンガン塩、亜鉛塩、
鉄塩、銅塩、モリブデン塩、コバルト塩、ニッケル塩、
クロム塩、ほう素化合物およびよう素化合物などからそ
れぞれ選択される。
また、必要に応じて、ビタミン類なども使用すること
ができる。
培養条件としては、温度は、たとえば、20〜40℃程
度、好ましくは25〜35℃程度とされ、また、pHは、たと
えば、6〜10程度、好ましくは6.5〜9.5程度とされる。
このような条件で好気的に培養する。
これらの条件をはずして培養した場合には、微生物の
増殖は比較的悪くなるが、これらの条件をはずして培養
することを妨げない。
培養方式は、回分培養または連続培養のいずれでもよ
い。
前段の培養によって得られた菌体を、さらに窒素およ
び/またはりん制限条件下で培養する。
すなわち、前段の培養で得られた培養液から微生物の
菌体を、過および遠心分離のような通常の固液分離手
段により分離回収し、この菌体を後段の培養に付する
か、または、前段の培養において、窒素および/または
りんを実質的に枯渇させて、菌体を分離回収することな
く、この培養液を後段の培養に移行させることによって
もできる。
この後段の培養においては、培地または培養液に窒素
及び/またはりんを実質的に含有させず、HOCH2 nOH
(n=8〜12、偶数)で示されるジオールを炭素源とし
て含有させること以外は前段の培養と異なるところはな
い。かかるジオールとしては、1、8−オクタンジオー
ル、1、10−デカンジオール、1、12−ドデカンジオー
ルが挙げられる。
尚、培養液にHOCH2 nOH(n=8〜12、偶数)で示
されるジオールを含有させる場合は、培養の初期ないし
後期のどの時点でもよいが、培養の初期が好ましい。
本発明に用いられるHOCH2 nOH(n=8〜12、偶
数)で示されるジオールは、共重合体を生成させること
ができ、かつ微生物の生育を阻害しないような量であれ
ばよく使用した微生物の菌株および所望の共重合割合
(モル比)などによって異なるが、一般的には培地もし
くは培養液1に1〜100g程度が適当である。
この後段の培養においてはHOCH2 nOH(n=8〜1
2、偶数)で示されるジオールを唯一の炭素源としても
よいが、使用した微生物が資化し得る他の炭素源、たと
えば、グルコース、フラクトース、メタノール、エタノ
ール、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、乳酸および吉草
酸などを共存させることもできる。たとえば、グルコー
スを使用する場合には、多くても1.5g/程度とされ
る。
このように培養して得られた培養液から、過および
遠心分離などの通常の固液分離手段によって菌体を分離
回収し、この菌体を洗浄、乾燥して乾燥菌体を得、この
乾燥菌体から、常法により、たとえば、クロロホルムの
ような有機溶剤で生成された共重合体を抽出し、この抽
出液に、たとえば、ヘキサンのような貧溶媒を加えて、
共重合体を沈澱させる。
本発明の製造法によれば、共重合体中の3HB成分、4HB
成分の割合は任意に調節することができる。
[実施例] 本発明を、実施例によりさらに具体的に説明する。な
お、本発明は、これらの実施例に限定されるものではな
い。
実施例1〜2及び比較例1 アルカリゲネス ユウトロフスH16(ATCC17699)を使
用して共重合体を製造した。すなわち、 前段培養: つぎの組成を有する培地で前記の微生物を30℃で24時
間培養し、対数増殖期終期の培養液から遠心分離により
菌体を分離した。
前段培養用培地の組成 酵母エキス 10g ポリペプトン 10g 肉エキス 5g (NH42SO4 5g これらを脱イオン水1に溶解し、pH7.0に調整し
た。
後段培養: 前段培養で得られた菌体を、つぎの組成を有する培地
に、1あたり1〜20gの割合で懸濁させ30℃で48時間
培養し、得られた培養液から遠心分離により菌体を分離
して、菌体を得た。
後段培養用培地の組成 0.5M りん酸水素カリウム水溶液 22.7ml 0.5M りん酸水素二ナトリウム水溶液 110.7ml 20wt/V% 硫酸マグネシウム水溶液 1.0ml 炭素源 ミネラル溶液** 1.0ml 炭素源として後記表1に記した様な種々の化合物
を用いた。(単位g/培地)** ミネラル溶液 CoCl2 119.0mg FeCl3 9.7g CaCl2 7.8g NiCl2 118.0mg CrCl2 62.2mg CaSO4 156.4mg を0.1N−HCl 1に溶解 これらを脱イオン水に溶解して1とし、pH7.5に調
整した。
菌体の処理: 後段培養で得られた菌体を蒸留水で洗浄し、引続きア
セトンで洗浄し、これを減圧乾燥(20℃、0.1mmHg)し
て乾燥菌体を得た。
共重合体の分離回収: このようにして得られた乾燥菌体から熱クロロホルム
で共重合体を抽出し、この抽出液にヘキサンを加えて共
重合体を沈澱させ、この沈澱を取、乾燥して共重合体
を得た。結果を表1に示す。
[発明の効果] 本発明によれば、3HB成分、4HB成分を含有する新規の
ポリエステル共重合体を容易に得ることができる。
さらに本発明で得られた共重合体は、優れた種々の特
性を有しているので、手術糸および骨折固定用材などの
医用材料の原料として極めて好適であり、また除放性シ
ステムへの利用などの多方面への応用が期待される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ−3−ヒドロキシブチレート生産能を
    有するアルカリゲネス属菌を前段で菌体を増殖させ、後
    段で該菌体を窒素あるいはリンの制限下で培養して該菌
    体内にポリエステル共重合体を生成・蓄積させるに際し
    て後段の培養をHOCH2 nOH(n=8〜12、偶数)で示
    されるジオールの存在下で行うことを特徴とする3−ヒ
    ドロキシブチレート単位および4−ヒドロキシブチレー
    ト単位からなるポリエステル共重合体の製造方法。
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