JPH0747500B2 - セメントモルタル・コンクリート硬化体の製造方法 - Google Patents

セメントモルタル・コンクリート硬化体の製造方法

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JPH0747500B2
JPH0747500B2 JP3933691A JP3933691A JPH0747500B2 JP H0747500 B2 JPH0747500 B2 JP H0747500B2 JP 3933691 A JP3933691 A JP 3933691A JP 3933691 A JP3933691 A JP 3933691A JP H0747500 B2 JPH0747500 B2 JP H0747500B2
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Japan
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cement
carbon atoms
chemical formula
cement mortar
concrete
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健 佐藤
孝治 後藤
公▲ぞう▼ 酒井
修久 阿部
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日本セメント株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメントモルタルまたは
コンクリート硬化体を製造するにあたり、その原料に特
殊な有機化合物を特定量添加する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
セメントモルタルおよびコンクリート硬化体(以下、セ
メント組成物と称する。)の重大な欠点の一つとして乾
燥ひび割れが発生し易いことがある。これはセメントの
乾燥収縮が大きいことに起因している。そのためにセメ
ント組成物の乾燥収縮を低減することが望まれている。
【0003】セメント組成物の乾燥収縮の低減を図るた
めには、セメント組成物中にアクリルラテックス、合成
ゴムラテックスなどのラテックスを混入させる方法が行
われているが、この場合、比較的高価なラテックスを多
量(例えば、セメントに対し20〜30重量%程度)に混入
する必要があるので、経済上好ましくないばかりか、セ
メント組成物の強度が大幅に低下するという致命的欠陥
が生ずる。さらに、ラテックスを多量に混入することに
よってセメント組成物の不燃性が損なわれるという重大
な欠陥も生ずる。
【0004】また近年、別の角度から有機添加剤が探究
されている。例えば、その一つは本発明者らが見い出し
た、特定の低級アルコールのアルキレンオキシド付加物
(特公昭56− 51148号) であり、優れたセメントの収縮
低減効果を有している。しかし、該付加物を使用してセ
メント組成物の乾燥ひび割れを防止するためには、その
添加量を若干多くする必要があった。
【0005】また、アセチレングリコールまたはそのア
ルキレンオキシド付加物をセメントに対し0.01〜0.1 重
量%添加して圧縮強度を改善する旨の開示もなされた
が、それは量的に余りに微量であるため、硬化体の乾燥
収縮を改善するまでに至っていない (特開昭53− 81527
号、米国特許第 4,116,706) 。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる状況下で、発明者
らは前述したような欠点を持たない、またより少量の添
加量にてセメント組成物の乾燥ひび割れを防止できるセ
メントに有効な収縮低減剤につき鋭意検討した結果、本
発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、セメントモルタル・
コンクリート用原料を混練し、施工して硬化体を製造す
る方法において、前記混練を行う際、セメントに対し
て、次の化1
【化1】 (式中、R1 は水素または次の化2であり、
【0007】
【化2】 2 、R3 は水素または炭素数1〜8のアルキル基、A
は炭素数2〜3のアルキレン基、nは0〜30の数)で示
される水溶性または自己水分散性のアセチレンアルコ−
ル系化合物を 0.5〜10重量%添加するか、さらにフッソ
系界面活性剤または/およびシリコーン系界面活性剤と
を併用してなるセメントモルタル・コンクリート硬化体
の製造方法である。
【0008】本発明の化1で示される化合物は、アセチ
レンと、ホルムアルデヒドまたは炭素数8以下のアルキ
ル基を有するケトン化合物とをアルカリ存在下に反応さ
せて得られるアセチレンアルコ−ル、アセチレングリコ
ール、またはこれらアルコ−ル類のアルキレンオキシド
付加物である。炭素数9以上のアルキル基を有するアセ
チレンアルコ−ル、アセチレングリコール、またはこれ
らアルコ−ルのアルキレンオキシド付加物の場合には収
縮低減効果が低下し好ましくない。
【0009】本発明に使用されるアセチレンアルコ−ル
の例としては、プロパギルアルコ−ル(CH≡C−CH
2 OH)、メチルブチノール〔CH≡C−C(CH3
(OH)CH3 〕、メチルペンチノール〔CH≡C−C
(CH3 )(OH)C2 5〕、ジメチルヘキシノール
〔CH≡C−C(CH3 )(OH)CH2 CH(C
3 2 〕、メチルヘプチノール〔CH≡C−C(CH
3 )(OH)C4 9 〕、メチルオクチノール〔CH≡
C−C(CH3 )(OH)C5 11〕、メチルノナノー
ル〔CH≡C−C(CH3 )(OH)C6 13〕、メチ
ルデシノール〔CH≡C−C(CH3 )(OH)C7
15〕、メチルウンデシノール〔CH≡C−C(CH3
(OH)C8 17〕、ジメチルデシノール〔CH≡C−
C(CH3 )(OH)CH2 CH(CH3 )C
5 11〕、エチルペンチノール〔CH≡C−C(C2
5 )(OH)C2 5 〕、メチルエチルヘキシノール
〔CH≡C−C(C2 5 )(OH)CH2 CH(CH
3 )CH3 〕、エチルヘプチノール〔CH≡C−C(C
2 5 )(OH)C4 9 〕、エチルオクチノール〔C
H≡C−C(C2 5 )(OH)C5 11〕、エチルノ
ナノール〔CH≡C−C(C2 5)(OH)C
6 13〕、エチルデシノール〔CH≡C−C(C
2 5 )(OH)C7 15〕、エチルウンデシノール
〔CH≡C−C(C2 5 )(OH)C8 17〕、メチ
ルエチルデシノール〔CH≡C−C(C2 5 )(O
H)CH2 CH(CH3 )C5 11〕、プロピルヘキシ
ノール〔CH≡C−C(C3 7 )(OH)C
3 7 〕、メチルプロピルヘキシノール〔CH≡C−C
(C3 7 )(OH)CH2 CH(CH3 )CH3 〕、
プロピルヘプチノール〔CH≡C−C(C3 7 )(O
H)C4 9 〕、プロピルオクチノール〔CH≡C−C
(C3 7)(OH)C5 11〕、プロピルノナノール
〔CH≡C−C(C3 7 )(OH)C6 13〕、プロ
ピルデシノール〔CH≡C−C(C3 7 )(OH)C
7 15〕、プロピルウンデシノール〔CH≡C−C(C
3 7 )(OH)C8 17〕、メチルプロピルデシノー
ル〔CH≡C−C(C3 7 )(OH)CH2 CH(C
3 )C5 11〕、ブチルヘプチノール〔CH≡C−C
(C4 9 )(OH)C4 9 〕、メチルブチルヘキシ
ノール〔CH≡C−C(C4 9 )(OH)CH2 CH
(CH3 )CH3 〕、ブチルオクチノール〔CH≡C−
C(C4 9 )(OH)C5 11〕、ブチルノナノール
〔CH≡C−C(C4 9 )(OH)C6 13〕、ブチ
ルデシノール〔CH≡C−C(C4 9 )(OH)C7
15〕、ブチルウンデシノール〔CH≡C−C(C4
9 )(OH)C8 17〕、メチルブチルデシノール〔C
H≡C−C(C4 9 )(OH)CH2 CH(CH3
5 11〕、ペンチルオクチノール〔CH≡C−C(C
5 11)(OH)C5 11〕、ペンチルノナノール〔C
H≡C−C(C5 11)(OH)C6 13〕、ペンチル
デシノール〔CH≡C−C(C5 11)(OH)C7
15〕、ペンチルウンデシノール〔CH≡C−C(C5
11)(OH)C8 17〕、メチルペンチルデシノール
〔CH≡C−C(C5 11)(OH)CH2 CH(CH
3 )C5 11〕、ヘキシルノナノール〔CH≡C−C
(C6 13)(OH)C6 13〕、ヘキシルデシノール
〔CH≡C−C(C6 13)(OH)C7 15〕、ヘキ
シルウンデシノール〔CH≡C−C(C6 13)(O
H)C8 17〕、メチルヘキシルデシノール〔CH≡C
−C(C6 13)(OH)CH2 CH(CH3 )C5
11〕、ヘプチルデシノール〔CH≡C−C(C7 15
(OH)C7 15〕、ヘプチルウンデシノール〔CH≡
C−C(C7 15)(OH)C8 17〕、メチルヘプチ
ルデシノール〔CH≡C−C(C7 15)(OH)CH
2 CH(CH3 )C5 11〕、オクチルウンデシノール
〔CH≡C−C(C8 17)(OH)C8 17〕、メチ
ルオクチルデシノール〔CH≡C−C(C8 17)(O
H)CH2 CH(CH3 )C5 11〕などが挙げられ
る。
【0010】またアセチレングリコールの例としては、
ブチンジオール(HOCH2 −C≡C−CH2 OH)、
ジメチルヘキシンジオール〔CH3 C(CH3 )(O
H)−C≡C−C(CH3 )(OH)CH3 〕、ジメチ
ルオクチンジオール〔C2 5C(CH3 )(OH)−
C≡C−C(CH3 )(OH)C2 5 〕、ジメチルデ
シンジオール〔C3 7 C(CH3 )(OH)−C≡C
−C(CH3 )(OH)C3 7 〕、ジメチルドデシン
ジオール〔C4 9 C(CH3 )(OH)−C≡C−C
(CH3 )(OH)C4 9 〕、テトラメチルデシンジ
オール〔CH3 CH(CH3 )CH2 C(CH3 )(O
H)−C≡C−C(CH3 )(OH)CH2 CH(CH
3 )CH3 〕、ジメチルテトラデシンジオール〔C5
11C(CH3 )(OH)−C≡C−C(CH3 )(O
H)C5 11〕、ジメチルヘキサデシンジオール〔C6
13C(CH3 )(OH)−C≡C−C(CH3 )(O
H)C6 13〕、ジメチルオクタデシンジオール〔C7
15C(CH3 )(OH)−C≡C−C(CH3 )(O
H)C7 15〕、ジメチルエイコシンジオール〔C8
17C(CH3 )(OH)−C≡C−C(CH3 )(O
H)C8 17〕、テトラメチルオクタデシンジオール
〔C5 11CH(CH3 )CH2 C(CH3 )(OH)
−C≡C−C(CH3 )(OH)CH2 CH(CH3
5 11〕、ジエチルオクチンジオール〔C2 5
(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5 )(O
H)C2 5 〕、ジエチルデシンジオール〔C3 7
(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5 )(O
H)C3 7 〕、ジエチルドデシンジオール〔C4 9
C(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5 )(O
H)C4 9 〕、ジメチルジエチルデシンジオール〔C
3 CH(CH3 )CH2 C(C2 5)(OH)−C
≡C−C(C2 5 )(OH)CH2 CH(CH3 )C
3 〕、ジエチルテトラデシンジオール〔C5 11
(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5 )(O
H)C5 11〕、ジエチルヘキサデシンジオール〔C6
13C(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5
(OH)C6 13〕、ジエチルオクタデシンジオール
〔C7 15C(C2 5 )(OH)−C≡C−C(C2
5 )(OH)C7 15〕、ジエチルエイコシンジオー
ル〔C8 17C(C2 5)(OH)−C≡C−C(C
2 5 )(OH)C8 17〕、ジメチルジエチルオクタ
デシンジオール〔C5 11CH(CH3 )CH2 C(C
2 5 )(OH)−C≡C−C(C2 5 )(OH)C
2 CH(CH3 )C5 11〕、ジプロピルデシンジオ
ール〔C3 7 C(C3 7 )(OH)−C≡C−C
(C3 7 )(OH)C3 7 〕、ジプロピルドデシン
ジオール〔C4 9 C(C3 7 )(OH)−C≡C−
C(C3 7 )(OH)C4 9 〕、ジメチルジプロピ
ルデシンジオール〔CH3 CH(CH3 )CH2 C(C
3 7 )(OH)−C≡C−C(C3 7 )(OH)C
2 CH(CH3 )CH3 〕、ジプロピルテトラデシン
ジオール〔C5 11C(C3 7 )(OH)−C≡C−
C(C3 7 )(OH)C5 11〕、ジプロピルヘキサ
デシンジオール〔C6 13C(C3 7 )(OH)−C
≡C−C(C3 7 )(OH)C6 13〕、ジプロピル
オクタデシンジオール〔C7 15C(C3 7 )(O
H)−C≡C−C(C3 7 )(OH)C7 15〕、ジ
プロピルエイコシンジオール〔C8 17C(C3 7
(OH)−C≡C−C(C3 7 )(OH)C
8 17〕、ジメチルジプロピルオクタデシンジオール
〔C5 11CH(CH3 )CH2 C(C3 7 )(O
H)−C≡C−C(C3 7 )(OH)CH2 CH(C
3 )C5 11〕、ジブチルドデシンジオール〔C4
9 C(C4 9 )(OH)−C≡C−C(C4 9
(OH)C4 9〕、ジメチルジブチルデシンジオール
〔CH3 CH(CH3 )CH2 C(C4 9 )(OH)
−C≡C−C(C4 9 )(OH)CH2 CH(C
3 )CH3 〕、ジブチルテトラデシンジオール〔C5
11C(C4 9 )(OH)−C≡C−C(C4 9
(OH)C5 11〕、ジブチルヘキサデシンジオール
〔C6 13C(C4 9 )(OH)−C≡C−C(C4
9 )(OH)C6 13〕、ジブチルオクタデシンジオ
ール〔C7 15C(C4 9 )(OH)−C≡C−C
(C49 )(OH)C7 15〕、ジブチルエイコシン
ジオール〔C8 17C(C4 9 )(OH)−C≡C−
C(C4 9 )(OH)C8 17〕、ジメチルジブチル
オクタデシンジオール〔C5 11CH(CH3 )CH2
C(C4 9 )(OH)−C≡C−C(C3 7 )(O
H)CH2 CH(CH3 )C5 11〕、ジペンチルテト
ラデシンジオール〔C5 11C(C5 11)(OH)−
C≡C−C(C511)(OH)C5 11〕、ジペンチ
ルヘキサデシンジオール〔C6 13C(C5 11)(O
H)−C≡C−C(C5 11)(OH)C6 13〕、ジ
ペンチルオクタデシンジオール〔C7 15C(C
5 11)(OH)−C≡C−C(C5 11)(OH)C
7 15〕、ジペンチルエイコシンジオール〔C8 17
(C5 11)(OH)−C≡C−C(C5 11)(O
H)C8 17〕、ジメチルジペンチルオクタデシンジオ
ール〔C5 11CH(CH3 )CH2 C(C5 11
(OH)−C≡C−C(C5 11)(OH)CH2 CH
(CH3 )C5 11〕などや、その他メチルブチンジオ
ール〔HOCH2 −C≡C−CH(CH3 )OH〕、メ
チルペンチンジオール〔HOCH2 −C≡C−CH(C
3 2 OH〕、メチルエチルヘプチンジオール〔CH
3 C(C2 5 )(OH)−C≡C−C(CH3 )(O
H)CH3 〕、トリメチルオクチンジオール〔CH3
H(CH3 )CH2C(CH3 )(OH)−C≡C−C
(CH3 )(OH)CH3 〕など種々のものを挙げるこ
とができる。
【0011】アセチレングリコールの場合、R1 中のR
2 、R3 基はアセチレン基に対して対称である必要はな
く、アルキル基R2 、R3 の炭素数の範囲内で異なるア
ルキル基をとることができる。これら各種のアセチレン
アルコ−ル、アセチレングリコールのうち、収縮低減効
果の点から化1のR2 、R3 は水素または炭素数1〜4
のアルキル基であり、これらアルキル基R2 とR3 との
全炭素数は0〜10の範囲内であることが好ましい。
【0012】本発明の化1において、次の化3
【化3】 を構成するアルキレンオキシドは、エチレンオキシドま
たは/およびプロピレンオキシドである。
【0013】また、本発明において、nはアルキル基R
2 とR3 との全炭素数が0〜10の場合には0〜30の数で
あり、また11〜32の場合には2〜30の数であることが必
要である。アルキル基R2 とR3 との全炭素数が11〜32
のアセチレンアルコ−ルまたはアセチレングリコールの
場合には、それ自体、水に対する溶解性をほとんど持た
ず、収縮低減効果が大幅に低下する。このため、アセチ
レンアルコ−ルの場合には該アセチレンアルコ−ル1モ
ル当たり少なくとも平均2モル以上のエチレンオキシド
を、またアセチレングリコールの場合には該アセチレン
グリコール1モル当たり少なくとも4モルのエチレンオ
キシドを付加させることが必要である。そして、場合に
より、2または4モル以上のエチレンオキシドと、さら
にプロピレンオキシドとをブロック状またはランダム状
に共付加して使用することもできる。共付加する場合、
エチレンオキシド/プロピレンオキシドのモル比は少な
くとも0.2 であることが、水への溶解性および親和性を
保持し、収縮低減効果を発揮させるために必要である。
また、アセチレングリコールに付加させるモノまたはポ
リオキシアルキレン基はアセチレン基に対称である必要
はなく、一方の水酸基にのみ付加したものでも、あるい
は両方の水酸基に付加したオキシアルキレン基が互いに
異なっていても、さらにブロック状、ランダム状等の共
付加の構造が異なっていてもよい。なお、nの数が30を
超えると収縮低減効果が低下するので好ましくない。本
発明の化1で示される化合物のうち、アルキル基R2
3 との全炭素数が0〜10の場合には、nが0であって
も水への溶解性が十分にあり、かつ収縮低減効果も十分
に有するためアルキレンオキシドを付加させなくても使
用できる。しかし、アルキレンオキシドを付加した方が
収縮低減効果が向上する場合が多いので、付加すること
が好ましい。この場合、収縮低減効果の点から特に好ま
しいのは、nが2〜10の範囲内の数であるときである。
さらに、化1で示される化合物のうち、アルキル基R2
とR3 との全炭素数が0〜10の場合にはプロピレンオキ
シドを単独で付加させたものも好ましく、さらにプロピ
レンオキシドとエチレンオキシドとを共付加させたもの
も収縮低減効果の点からより好ましい。この場合、エチ
レンオキシド/プロピレンオキシドのモル比は0〜5の
範囲が好ましく、特に好ましくは 0.2〜5の範囲であ
る。なお、エチレンオキシドやプロピレンオキシド以外
のブチレンオキシドやスチレンオキシドなどのアルキレ
ンオキシドを性能を害しない範囲内で共付加(全オキシ
アルキレン中、通常50重量%以下)させたものも使用可
能である。
【0014】本発明は化1で示される化合物の一種また
は二種以上の混合物を必須成分として用いることで優れ
た収縮低減効果が得られるが、これにフッソ系界面活性
剤または/およびシリコーン系界面活性剤を併用すると
相乗効果により収縮低減効果が向上し、非常に好ましい
ものとなる。これら併用するフッソ系界面活性剤、シリ
コーン系界面活性剤には、それぞれカチオン型、ノニオ
ン型、アニオン型があり、これらいずれのものも使用で
きるがカチオン型、ノニオン型のものが収縮低減効果の
点から好ましく、ノニオン型のものが特に好ましい。
【0015】本発明に用いられるフッソ系界面活性剤と
しては一般に市販されているものでよく、特に限定され
ない。カチオン型フッソ系界面活性剤の代表的な例とし
ては、炭素数5〜18のパーフルオロアルキル基を疏水基
とし、これとカチオン性親水性基(例えば、第4級アン
モニゥム塩基など)を有する化合物がある。例えば、住
友スリーエム(株)社製の「フロラードFC−134 」、大
日本インキ化学(株)社製の「メガファックF−150 」
などが挙げられ、その他旭硝子(株)社製の「サーフロ
ンS−121 」、ネオス(株)社製の「スタージェント30
0 」、東北肥料(株)社製の「エフトップEF−123B」、
「エフトップEF−132 」などが挙げられる。
【0016】ノニオン型フッソ系界面活性剤の代表的な
例としては、炭素数5〜18のパーフルオロアルキル基を
疏水基とし、これとノニオン性親水性基(例えば、エチ
レンオキシド付加物など)とからなる化合物がある。例
えば、住友スリーエム(株)社製の「フロラードFC−17
0C」、大日本インキ化学(株)社製の「メガファックF
−142D」、「F−144D」、「F−171 」、「F−177
」、旭硝子(株)社製の「サーフロンS−141 」、ネ
オス(株)社製の「スタージェント200 」、「251」、
東北肥料(株)社製の「エフトップEF−121 」、「EF−
122A」、「EF−122B」、「EF−122C」、「EF−122A3 」
などが挙げられる。アニオン型フッソ系界面活性剤の代
表的な例としては、炭素数5〜18のパーフルオロアルキ
ル基を疏水基とし、これとアニオン性親水性基(例え
ば、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸エステル基な
ど)とからなる化合物がある。これには、住友スリーエ
ム(株)社製の「フロラードFC−95」、「FC−98」、
「FC−126 」、「FC−128 」、大日本インキ化学(株)
社製の「メガファックF−110 」、「F−113 」、「F
−120 」、「F−812 」、「F−191 」、旭硝子(株)
社製の「サーフロンS−111」、「S−112 」、「S−1
13 」、ネオス(株)社製の「スタージェント100 」、
「150 」、東北肥料(株)社製の「エフトップEF−102
」、「EF−103 」、「EF−112 」、「EF−123A」、「E
F−123B」などが挙げられる。上記のものの他に、カチ
オン型、アニオン型、ノニオン型のフッソ系界面活性剤
は、ダイキン工業(株)、関東電化(株)、Du Pont 、
ICI 、Hoechst 、CIBA-GEIGY各社からも市販され、これ
らも本発明のフッソ系界面活性剤として使用できる。
【0017】また、本発明に用いられるシリコーン系界
面活性剤としては、ポリシロキサンを疏水基とし、これ
とカチオン性親水性基(例えば、第4アンモニゥム塩
基)、ノニオン性親水性基(例えば、アルキレンオキシ
ド付加物など)、アニオン性親水性基(例えば、硫酸エ
ステル塩、リン酸エステル塩、カルボン酸塩など)とを
有する化合物がある。日本では、トーレ・シリコーン
(株)、信越シリコーン(株)、東芝シリコーン(株)
などから各種のものが市販されており、本発明ではこれ
ら種々のものを用いることができる。
【0018】本発明で用いるセメントは、常用の普通、
早強などのポルトランド系セメント、混合セメントが挙
げられ、これらについて特に限定するものではない。
【0019】本発明において、化1で示される化合物の
添加量は、アルキル基の炭素数、アルキレン基の炭素数
によっても異なるが、セメントに対して通常 0.5〜10重
量%である。添加量が 0.5重量%未満では収縮低減効果
が低く、一方、10重量%を超えるとセメント組成物の強
度が無添加のものに比較して約2/3以下となり実用性
において充分でない。特に好ましい添加量は、1〜4重
量%である。
【0020】化1で示される化合物とフッソ系界面活性
剤または/およびシリコーン系界面活性剤とを併用する
場合には相乗効果によって収縮低減効果が増大する。こ
の場合には、化1で示される化合物の添加量はセメント
に対し 0.5〜10重量%、フッソ系界面活性剤はセメント
重量に対し50〜500 ppm 、シリコーン系界面活性剤はセ
メントに対し0.05〜1重量%である。
【0021】本発明で用いる前記化合物の添加手段は、
普通一般に行われているセメント混和剤の場合と同じで
ある。例えば混練水に予め適量の該化合物を混和してお
くか、あるいはセメント、骨材、水からなる混合物の混
練時に適量の該化合物を添加するなどの手段を採用する
ことができる。
【0022】化1で示される化合物は使用に当たって他
の成分(任意成分)と併用することができる。このよう
な任意成分としては、塩化カルシゥム、塩化ナトリゥム
などの金属塩化物、硫酸ナトリゥムなどの金属硫酸塩、
トリエタノールアミンなどの有機アミン等公知のセメン
ト硬化促進剤、アルコ−ル類、糖類、澱粉、グリセリ
ン、ポリリン酸ソーダなどの公知のセメント硬化遅延
剤、亜硝酸ナトリゥム、亜硝酸カルシゥムなどの公知の
鉄筋防錆剤、リグニンスルホン酸、オキシカルボン酸、
ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、メラミンスル
ホン酸ホルマリン縮合物など公知のセメント分散剤、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル澱
粉、リン酸化澱粉、アルギン酸ソーダなどの公知のセメ
ント用糊剤など種々のものが挙げられる。
【0023】化1で示される化合物を添加したモルタル
またはコンクリートの混練物の施工法は、従来と同じ方
法でよく、コテ塗り、型枠への充填、吹き付け塗り、コ
ーキングガンによる注入などの方法を取り得る。また、
養生法としては気乾養生、湿空養生、水中養生、加熱促
進養生(蒸気養生、オートクレーブ養生など)のいずれ
の方法でもよく、又これら各方法を併用してもよい。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 アセチレンと、ホルムアルデヒドまたはケトン化合物と
をアルカリの存在下で反応させて得られた各種アセチレ
ンアルコ−ル、アセチレングリコール、またはこれらの
アルキレンオキシド付加物を適宜、選んだ。これらの化
合物を純分としてセメントに対し3.5重量%の割合で添
加して得たモルタル硬化体について、JIS A 1129のダイ
ヤルゲージ法にて収縮低減率を測定し、JIS R 5201によ
り強度を測定し、表1(1)及び表1(2)の結果を得
た。また、混入空気量は、JIS A1128に従い、コンクリ
ートについて測定した。
【0025】なお、配合比については、モルタルの場
合、水/セメント比65%、砂/セメント比200 %であ
り、コンクリートの場合、単位セメント量 300kg/m3
水/セメント比60%、細骨材率44%であった。また、表
1(1)及び表1(2)中のEOはエチレンオキシド
を、POはプロピレンオキシドを示す。
【0026】
【表1(1)】
【0027】
【表1(2)】
【0028】実施例2 実施例1におけるNo.3の化合物を用い、その添加量を変
えて実施例1と同様の方法にて試験を行い、表2の結果
を得た。
【0029】
【表2】
【0030】実施例3 実施例1におけるNo.3の化合物を普通ポルトランドセメ
ントに対して2.0重量%用い、各種フッソ系界面活性剤
をセメントに対し 200ppm 、またはシリコーン系界面活
性剤をセメントに対し 0.1重量%併用して、実施例1と
同様の方法にて収縮率、空気量および強度を測定して表
3の結果を得た。
【0031】
【表3】
【0032】実施例4 実施例1における No.11の化合物をセメントに対し2.0
重量%用い、フッソ系界面活性剤としてサーフロンS−
141 、またシリコーン系界面活性剤としてSH 3747 を用
い、その添加量を変えて実施例1と同様の方法にて試験
を行い、表4の結果を得た。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】化1で示される化合物をセメントに対し
て 0.5〜10重量%添加した場合、無添加の場合に比較し
て大幅な乾燥収縮低減が図られる。また、セメント組成
物の不燃性を損なうことも少なく、さらには、高添加量
(例えば数%程度)においてもセメント組成物の大幅な
強度低下を来すことがない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C04B 111:34

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントモルタル・コンクリート用原料を
    混練し、施工して硬化体を製造する方法において、前記
    混練を行う際、セメントに対して、次の化1 【化1】 (式中、R1 は水素または次の化2であり、 【化2】 2 、R3 は水素または炭素数1〜8のアルキル基、A
    は炭素数2〜3のアルキレン基、nは0〜30の数)で示
    される水溶性または自己水分散性のアセチレンアルコ−
    ル系化合物を 0.5〜10重量%添加することを特徴とする
    セメントモルタル・コンクリート硬化体の製造方法。
  2. 【請求項2】セメントモルタル・コンクリート用原料を
    混練し、施工して硬化体を製造する方法において、前記
    混練を行う際、セメントに対して、次の化1 【化1】 (式中、R1 は水素または次の化2であり、 【化2】 2 、R3 は水素または炭素数1〜8のアルキル基、A
    は炭素数2〜3のアルキレン基、nは0〜30の数)で示
    される水溶性または自己水分散性のアセチレンアルコ−
    ル系化合物を 0.5〜10重量%、さらにフッ素系界面活性
    剤または/およびシリコーン系界面活性剤を添加するこ
    とを特徴とするセメントモルタル・コンクリート硬化体
    の製造方法。
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