JPH0746641Y2 - 建物の床用伸縮継手装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は建物の床用伸縮継手装置に関するものである。

「従来の技術および考案が解決しようとする課題」 従来の建物の床用伸縮継手装置は、両躯体上面の端縁に
沿って配置した縁材に躯体間の間隙を覆うカバープレー
トを載置し、カバープレート両端部には伸縮を吸収する
ため床面との間に軟質ゴム製のガスケットを設けてい
る。この軟質ゴム製のガスケットは、カバープレートと
床面との間から突出したり、抜け出すことがあって、ガ
スケットとしての機能を果たさず、また、歩行者の邪魔
になったり、さらには外観上も見苦しいものであった。

「課題を解決するための手段および作用」 そこで、本考案は、上記の事情に鑑み、ガスケットがカ
バープレートと床面との間から突出したり、抜け出した
りせず、十分ガスケットとしての機能を果たすように、
両縁材の起立片を上方が間隙に近く下方が間隙に遠い傾
斜保持面に形成し、カバープレートの一端裏面にＺ字状
の固定片を固着し下方を螺締するようにし、カバープレ
ートの両端に垂下あるいは斜内側に垂下するフランジを
突設し、斜面を有するガスケットを斜面を傾斜保持面に
当接させてフランジとの間に押し込んで取付けたもので
ある。

ガスケットはカバープレートと傾斜保持面との間に押し
込んで取付けてあるので、突出したり、抜け出したりす
ることはない。

「実施例」 第１図および第２図は高層建物の床用伸縮継手装置の一
実施例の縦断面図であって、第１図は５階と６階、第２
図は７階・８階・９階の床用伸縮継手装置である。

第１図は５階・６階の床用伸縮継手装置では躯体１・１
の間に間隙３がある。基端を躯体１・１に埋没した水平
状の埋込みボルト４・４の先端を躯体１・１から間隙３
に向けて突出させ、突出した埋込みボルト４・４にアン
グル部材５・５の垂直片６・６を貫通させ、ワッシャ７
・７を介してナット８・８によりアングル部材５・５を
螺締する。

図に向かって右側のアングル部材５の水平片９上に、板
金製薄板を屈曲した縁材10をビス11にて螺締する。縁材
10の起立片を上片が間隙３に近く下方が間隙３に遠い傾
斜保持面12に形成する。

一方、図に向かって左側のアングル部材５の水平片16上
に、板金製薄板を階段状に形成した縁材17を載置しビス
18にて螺締する。縁材17はガスケットが当接する起立片
を前記縁材10と同様に上方が間隙３に近く下方が間隙３
に遠い傾斜保持面19に形成する。

カバープレート21は両端に垂下状にフランジ22・23を突
設したステンレス製の通し部材で、図に向かって右側の
フランジ22にはＺ字状の固定片13の上片が裏面に溶接14
されている。

ガスケット26は軟質または半硬質の合成樹脂あるいは熱
可塑性のエラストマー製のジャバラ状で、形状および大
きさを標準化し、一方の側面を垂直面27に形成し他方の
側面を前記縁材10・17の傾斜保持面12・19に当接するよ
うに斜面28に形成し、上面の長さＬは一定長さの例えば
32.5mmとする。

カバープレート21の図の右側には、Ｚ字状の固定片13の
上片が裏面に溶接14され下片はアングル部材５の水平片
９上にビス15で螺締される。

取付けの順序は、縁材10・17をビス11・18でそれぞれア
ングル部材５・５の水平片９・16に取付け、左側のガス
ケット26を斜面28を縁材17の傾斜保持面19に当接して縁
材17上に載置し、カバープレート21をアングル部材５・
５の水平片16と水平片９との間に架設して固定片13をビ
ス15にて水平片９にて螺着し、右側のガスケット26をカ
バープレート21のフランジ22と縁材10の傾斜保持面12の
間に押し込んで取付ける。

躯体１・１の間隙３が収縮するとガスケット26が収縮し
て追随する。間隙３が大きくなると、ガスケット26の弾
性によりガスケット26が拡がる。

次に、第２図の７階、８階、９階の床用伸縮継手装置に
ついて述べる。基端を躯体１・１に埋設した水平状の埋
め込みボルト４・４の先端を躯体１・１から間隙３に向
けて突出させ、突出した埋め込みボルト４・４にアング
ル部材５・５の垂直片６・６を貫通させ、ワッシャ７・
７を介してナット８・８によりアングル部材５・５を螺
締する。

図に向かって右側のアングル部材５の水平片51上に溝形
鋼や丸棒材・山形鋼の受け材52を溶接し、さらに受け材
52の上に階段状の下地材71を溶接72により固着し、その
上に板金製薄板を屈曲した縁材53をビス73にて螺締す
る。縁材53の起立片を上方が間隙３に近く下方が間隙３
に遠い傾斜保持面54に形成する。

一方、図に向かって左側のアングル部材５の水平片56上
に溝形鋼や丸棒材・山形鋼の受け材52を溶接し、さらに
受け材52の上に階段状の下地材71を溶接72により固着
し、その上に板金製薄板を階段状に形成した縁材57を載
置しビス58にて螺締する。縁材57はガスケット26が当接
する側面を前記縁材53と同様に上方が間隙３に近く下方
が間隙３に遠い傾斜保持面59に形成する。

カバープレート61は両端に斜内側に垂下するフランジ62
・63を突設したステンレス製の通し部材でその下面には
補強材64を設け、図に向かって右側のフランジ22にはＺ
字状の固定片74の上片が裏面に溶接65されている。

取付けの順序は、縁材53・57をビス73・58でそれぞれ下
地材72・72に取付け、左側の傾斜面29・29を外側に位置
させた２個のガスケット26・26を斜面28を縁材57の傾斜
保持面59に当接させて縁材57上に載置し、カバープレー
ト61を縁材57・53間に架設して固定片74をビス54にて下
地材71に螺着し、右側のガスケット26・26をカバープレ
ート61のフランジ62と縁材10の傾斜保持面54の間に押し
込んで取付ける。

躯体１・１の間隙３が収縮するとガスケット26・26が収
縮して追随する。間隙３が大きくなるとガスケット26・
26の弾性によりガスケット26・26が拡がる。

また、ガスケットとしては上記実施例のものに限られず
第３図および第４図に示したものなどがあり、作業現場
で必要な際は分割できるように分割溝81や分割空洞82・
83を形成しておくことができる。第５図に示したものは
分割型のもので分割面84・85に接着剤やシリコンを流し
込み連結して使用する。

「考案の効果」 本考案は、上述のように、建物の対向する床用躯体の両
躯体上面の端縁に沿って配置した縁材に躯体間の間隙を
覆うカバープレートを載置し、さらにカバープレートと
躯体上面の床面との間の縁材上に躯体の伸縮を吸収する
ガスケットを介在させた建物の伸縮継手装置において、
両縁材の起立片を上方が間隙に近く下方が間隙に遠い傾
斜保持面に形成し、カバープレートの一端裏面にＺ字状
の固定片を固着し下方を螺締するようにし、カバープレ
ートの両端に垂下あるいは斜内側に垂下するフランジを
突設し、斜面を有するガスケットの斜面を傾斜保持面に
当接させてフランジとの間に押し込んで取付けてなる建
物の床用伸縮継手装置であり、ガスケットはカバープレ
ートと傾斜保持面との間に押し込んで取付けてあるの
で、突出したり、抜け出すようなことはなく、ガスケッ
トとしての機能を十分果たし、また、歩行者の邪魔にな
るようなこともなく、さらに外観上も見苦しいようなこ
とは皆無となる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の具体的一実施例で、第１図は５階および
６階の床用伸縮継手装置の縦断面図、第２図は７階、８
階、９階の床用伸縮継手装置の縦断面図、第３〜５図は
ガスケットの他の例の縦断面図である。 １……躯体 10・17・53・54……縁材 21・61……カバープレート 26……ガスケット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】建物の対向する床用躯体の両躯体上面の端
   縁に沿って配置した縁材に躯体間の間隙を覆うカバープ
   レートを載置し、さらにカバープレートと躯体上面の床
   面との間の縁材上に躯体の伸縮を吸収するガスケットを
   介在させた建物の伸縮継手装置において、両縁材の起立
   片を上方が間隙に近く下方が間隙に遠い傾斜保持面に形
   成し、カバープレートの一端裏面にＺ字状の固定片を固
   着し下方を螺締するようにし、カバープレートの両端に
   垂下あるいは斜内側に垂下するフランジを突設し、斜面
   を有するガスケットの斜面を傾斜保持面に当接させてフ
   ランジとの間に押し込んで取付けてなる建物の床用伸縮
   継手装置。