JPH0746021Y2 - 二重床におけるコンセント取付具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、床基盤上に適宜間隔を隔てて多数枚の床パネ
ルを敷設してなる二重床装置において、床面にコンセン
トを取付けるためのコンセント取付具に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

近年、オフィス等においては、その床を、コンクリート
床等の基盤上に適宜間隔を隔てて多数枚の床パネルを敷
設したいわゆる二重床に構成し、この二重床における床
パネル下方の空間内にコード類を這わせることにより、
床パネルの上面にコード類が長く這う状態を一掃し、オ
フィスの環境を改善することが行われている。

前記二重床においては、長尺のレールを、アジャスター
にて高さ調節自在に床基盤上の適宜上方に配置し、前記
レールを挟むようにレールの長手方向左右に床パネル同
士を隣接配置し、この隣接する床パネルの側縁間に間隙
を形成してコード類を配設するための空間を形成するこ
とにより、前記レールの上面からコード類を床パネル上
方の室内空間に引き出すことを可能とするとともに、床
パネルの敷設作業、及び床パネル敷設後における配線作
業、更には床パネルの高さ調節作業等を容易化してな
る。

そして、前記コード類の配設空間、又はコード類の引出
し用開口として形成される床パネル間の間隙には、前記
床パネル１の下方空間に配設されたコード類に接続し、
床パネル上で使用される各種オフィス機器に近接してこ
れらに電源を供給するためのコンセントや、又はマイク
やテレビ用端子等を内蔵したコンセントが床面適所に設
けられる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記の如く多数枚の床パネルを敷設するにあた
っては、隣接する床パネル間にコード類の配設空間又は
引出し用空間としての一定間隙を形成し、且つ該間隙に
コンセントを取付ける作業は非常に手間のかかるもので
あった。

本考案は上記の点に鑑み、床基盤上に適宜間隔を隔てて
多数枚の床パネルを敷設してなる二重床において、前記
床パネルを敷設するにあたって、互いに隣接する床パネ
ル間にコード類を配設し、又、該コード類を床パネル上
に引き出すための一定の間隙を形成して迅速且つ確実に
各床パネルを位置決め可能として床パネル敷設作業を容
易化するとともに、前記間隙部分に容易にコンセントを
取付可能としてなるコンセント取付具を提供せんとする
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、床基盤上に適宜間
隔を隔てて多数枚の床パネルを敷設してなる二重床にお
いて、４枚の床パネルの隅角部の接合部において、平面
視略コ字形の床パネル連結部とコンセント取付部とを有
する一対の取付金具を対向配置し、該取付金具にて互い
に隣接する２枚の床パネルの側端縁同士をそれぞれ連結
するとともに、両取付金具のコンセント取付部間にコン
セントを固着してなる構成とした。

〔作用〕

本考案に係る二重床におけるコンセント取付具は上記の
如く構成してなり、床基盤上に適宜間隔を隔てて多数枚
の床パネルを敷設し、４枚の床パネルの隅角部同士の接
合部において、各床パネルをそれぞれ適宜間隔をおいて
配置するとともに、互いに隣接する２枚の床パネル間
を、取付金具における平面視略コ字形に形成してなる床
パネル連結部の両側片をそれぞれ隣接する床パネルの側
端縁に係合して両床パネル間に嵌着又は固着することに
より、各床パネルの接合部にコンセント取付金具が設置
された状態で床パネルが敷設され、二重床が構成され
る。そして前記の如く構成された二重床適所における任
意の位置の床パネル接合部に設けられた取付金具に、必
要に応じて適宜コンセントを取付け、室内に配置された
オフィス機器への電源供給源等とすればよい。

〔実施例〕

以下、図面を示した実施例に基づき本考案を更に詳細に
説明する。

第１図は二重床装置を採用してなる室空間の簡略斜視
図、第２図は前記二重床装置の要部拡大図であり、図中
１は、平面視略長短形状の床パネル、２は、基板３の長
手方向に沿って両側にアジャスターボルト４を立設して
なる支持部材５を介して床基盤６上に支持したレールで
ある。

前記床パネル１は薄箱状の支持枠７内に、不燃性材料か
らなるハニカム部材等の軽量高剛性の補強体８を内装す
るとともに、該補強体８の上面に金属板製天板９を張着
して構成し、前記天板９の四周縁を下向きに折り曲げて
側板10を形成し、該側板10の中途高さ部位を外向き折曲
してコ字形に折り返すことにより、その四周側に段部11
を形成している。

前記レール２は、断面略下向コ字形に形成するととも
に、その上面中央に、配線用溝条12を長手方向に沿って
凹設し、該溝条12を挟んだ左右両長手側縁に、該レール
２を挟むようにして配設した左右床パネル１、１の側縁
を載置するとともに、前記溝条12を挟んだ左右位置に
は、床パネル１の短辺寸法の間隔で螺孔13、13を形成
し、該螺孔13を、レール２の長手方向に沿って隣接する
床パネル1,1の側縁間の間隙16に位置させ、該螺孔13に
支持部材５のアジャスターボルト４を螺合して床基盤６
上に支持することにより、４枚の床パネル１の隅角部を
同時に前記アジャスターボルト４を介して床基盤６上に
支持するとともに、前記アジャスターボルト４をレール
２の長手方向に沿って隣接する床パネル1,1側縁間の間
隙16から回転操作可能としている。

そして、前記レール２の溝条12の適所には、コード引出
し用長孔18…を設けるとともに、該長孔18に連通する長
孔19を有し断面略上向きコ字形に形成してなる補強部材
14を固着又は嵌着し、該補強部材14左右の遊端からＬ字
形に延設形成した位置決め辺15,15が溝条12の左右上方
に上向き突出し、該位置決め辺15に床パネル１の支持枠
７側面を当接することにより、レール２の長手方向左右
に隣接する床パネル1,1間に間隙16を形成して隣接する
床パネル１側縁の段部11下方に、床パネル１上方へ開口
してなる、コード類を配設し、又、これを床パネル１の
上方へ引き出すための空間17が形成された状態に床パネ
ル１を位置決め可能としている。前記位置決め辺15の代
わりに、レール２の上面又は溝条12の立ち上がり部の適
所を切起して形成してもよいし、又、床パネル１の下面
から下向きに位置決め片を突設し、レール２の上面に穿
設した係合穴（図示せず）に嵌挿するようにしてもよ
い。

一方、前記レール２の左右に長手方向に沿って隣接配置
される床パネル1,1間のレール２部分には前記と同様に
長孔18を形成するとともに、該両床パネル１同士を、平
面視略コ字形に形成し中間部に側方への凸部を設けて床
パネル連結部21とし、該床パネル連結部21の前記凸部か
ら上方へ倒Ｌ字形にコンセント取付部22を延設形成して
なる取付金具20を、前記連結部21の両側片23、24を、両
床パネル1,1の段部11側端内面に係合させて嵌着又は固
着することにより、両床パネル1,1同士がレール２の長
手方向に沿って互いに離間する方向へ移動することを規
制し、両床パネル1,1間に一定の間隙16を形成して床パ
ネル１上方へ開口してなるコード引出し用、又、アジャ
スターボルト４による高さ調節用の空間17としてレール
２の長手方向に沿って床パネル１を位置決め可能として
なり、前記補強部材14に設けてなる位置決め辺15及び上
記コンセント取付金具20により、各床パネル１の前後左
右両方向の位置決めを行い、且つ床パネル１の周囲に間
隙16を形成して敷設可能としてなるのである。

そして、本考案においては、前記の如く４枚の床パネル
１の接合部に、それぞれ隣接する床パネル１間を連結し
てなる一対の取付金具20が配置されており、該取付金具
20を用いることにより床面における任意の位置で、床面
にコンセント30を取付けることができる。

前記取付金具20は、図例の如く、平面視略コ字形に形成
してなる連結部21の両側片23,24を隣接する床パネル１
の段部11の側縁に係合させて両床パネル1,1を連結して
なり、前記連結部21の中間部に側方へ平面視略コ字形の
凸部を形成するとともに、該凸部から上方へ倒Ｌ字形で
上面に螺孔25を設けてなるコンセント取付部22を延設形
成してなり、前記の如く４枚の床パネル１の隅角部が接
合する部分において、レール２の左右に対向配置される
両取付金具20のコンセント取付部22の螺孔25へコンセン
ト30を上方から止めネジ40,40にて固着するものであ
る。

前記コンセント30の構造は特に限定されるものではな
く、一般的に使用されるコンセントでよい。図例のもの
は、レール２に設けた長孔18から引き出した電源コード
ｃに接続してなるコンセント本体32を床パネル1,1間の
間隙16からフロアプレート31外に出没自在に該フロアプ
レート31下面に枢支するとともに、回動軸33に巻装した
ねじりコイルばね34にて前記コンセント本体32を突出方
向へ回動付勢し、フロアプレート31下への収納状態にお
いてコンセント本体32に付設したコンセントカバー35が
フロアプレート31のコンセント本体突出開口36を塞ぐよ
うに構成し、前記コンセント本体32は、フロアプレート
31に取付けられたスライド片37がコンセント本体32の係
止溝38に係合することによりフロアプレート31下に収納
状態に保持され、且つ、前記スライド片37をスライドさ
せて係止溝38から外すことによりコンセント本体32を前
記ねじりコイルばね34にてフロアプレート31外に突出さ
せるのである。そして、前記コンセント30をそのフロア
プレート31の両側に下設した平面視略コ字形の嵌合片3
9,39を、前記レール２の左右に位置するコンセント取付
金具20の凸部間に嵌着するとともに、上方から止めネジ
40にてコンセント取付部22の螺孔25へ螺着して取付けて
なるものである。

前記の如く構成してなる二重床装置においては、多数の
床パネル１が１本のレール２の左右に支持されており、
各レール２を順次高さ調節してゆくことにより、多数の
床パネル１を迅速且つ正確に高さ調節しうるとともに、
床基盤６上に這わせたコード類等は、一旦レール２の長
孔18から溝条12内に配設し、該溝条12から左右に隣接す
る床パネル1,1間の間隙16を通して床パネル１上方の室
内空間へ引き出すことができ、コード処理を容易、且つ
円滑に行うことができる。そして、レール２の長手方向
左右に隣接する床パネル１においては、レール２の左右
に設けた位置決め辺15に床パネル１の支持枠７側面を当
接させ、一方、レール２の長手方向に沿って隣接する床
パネル１においては、互いに隣接する床パネル1,1間を
コンセント取付具30にて互いの移動を規制することによ
り、全ての床パネル１をその周囲に一定の間隙16を形成
して迅速且つ正確に位置決め可能であり、又、前記レー
ル２を高さ調節するためのアジャスターボルト４をレー
ル２の長手方向に沿って隣接する両床パネル1,1間の間
隙16部分に対応させて該アジャスターボルト４による高
さ作業を容易化するとともに、予めコード類等をレール
２の溝条12内に配設した状態で床パネル１を敷設するこ
とができ、又、溝条12は隣接する床パネル1,1間のレー
ル２上面に形成されているから、床パネル１を敷設した
後においても、一々これらの床パネル１を取り外すこと
なく簡単にコード類を床パネル１上方の室空間に引き出
すことができる。又、前記溝条12は床パネル１の下方に
位置することから、床パネル１を後から敷設する場合に
も、該溝条12内のコード類が床パネル１の縁部で傷付け
られたりすることもない。又、レール２は前記溝条12を
形成したことにより、この溝条12がリブの役割を果たし
てレール２の曲げ強度が向上することから、床パネル１
に対するレール２の支持強度をレール２を肉厚化するこ
となく向上できる。

更に本考案においては、二重床における各床パネル１の
接合部において、隣接する床パネル１同士を連結した状
態でコンセント取付用の取付金具を設けてなるので、床
面における任意の場所の床パネル１接合部にコンセント
30を設置することができるうえに、このコンセント30の
取付は、前記接合部に形成される間隙16へコンセント30
を嵌挿して上方からネジ止めするだけで極めて簡単に取
付可能あり、床パネル１敷設後においても必要に応じて
取付可能であり、又、不要になれば除去することもでき
るのである。

尚、前記床パネル１間の間隙16には、適宜目地板50を嵌
挿して該間隙16を被覆し、且つ床パネル１と同一平面を
形成してなり、更に、床パネル１の上面には適宜カーペ
ット等の表装体を張設又は載置するのである。

尚、図中51は、レール２上面と床パネル１下面との間に
設けた緩衝部材である。

〔考案の効果〕

上記の如く、本考案は、床基盤上に適宜間隔を隔てて多
数枚の床パネルを敷設してなる二重床において、隣接す
る床パネルを、両床パネル間に一定の間隙を確保して床
パネル下方空間に配設したコード類を床パネル上に引出
し可能な空間を形成した状態でコンセント取付金具にて
連結することにより、床パネルの位置決めを迅速且つ正
確に行い、床パネルの敷設作業を容易化することができ
るとともに、４枚の床パネルが接合する部分において、
隣接する床パネル同士をそれぞれ前記の如く連結してな
る取付金具にコンセントを取付可能としたので、床面の
任意の場所にコンセントを簡単に取付可能であり、又、
床パネル敷設後においても容易にコンセントを取付ける
ことができ、又、不要になった場合にも簡単に取り外す
ことができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は二重床装置を採用してなる室空間の説明用斜視
図、第２図は前記二重床装置における要部分解斜視図、
第３図は前記二重床の平面説明図、第４図は第３図にお
けるＩ−Ｉ断面図、第５図はコンセント取付部の構造を
示す分解斜視図、第６図は前記コンセント取付部の平面
図、第７図はコンセントを取付けた状態の第６図におけ
るII−II断面図、第８図はコンセントを取付けた状態の
第６図におけるIII−III断面図である。 1:床パネル、2:レール、3:基板、4:アジャスターボル
ト、6:支持部材、6:床基盤、7:支持枠、8:補強体、9:天
板、10:側板、11:段部、12:溝条、13:螺孔、14:補強部
材、15:位置決め辺、16:間隙、17:空間、18:長孔、19:
長孔、20:取付金具、21:床パネル連結部、22:コンセン
ト取付部、23、24:側片、25:螺孔、30:コンセント、31:
フロアプレート、32:コンセント本体、33:回動軸、34:
ねじりコイルばね、35:コンセントカバー、36:開口、3
7:スライド片、38:係止溝、39:嵌合片、40:止めネジ、5
0:目地板、51:緩衝部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】床基盤上に適宜間隔を隔てて多数枚の床パ
   ネルを敷設してなる二重床において、４枚の床パネルの
   隅角部の接合部において、平面視略コ字形の床パネル連
   結部とコンセント取付部とを有する一対の取付金具を対
   向配置し、該取付金具にて互いに隣接する２枚の床パネ
   ルの側端縁同士をそれぞれ連結するとともに、両取付金
   具のコンセント取付部間にコンセントを固着してなるこ
   とを特徴とする二重床におけるコンセント取付具。