JPH074537U - 引張材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 グラウト材注入ホースの配設を必要とせず、
重量軽減を可能とした引張材を提供すること。 【構成】 アンカーに使用する引張材において、軸心に
沿って貫通孔を開設したことを特徴とする引張材。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、アンカーなどに使用する引張材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、アンカーの引張材としては、一般的にＰＣ鋼線が使用されている。 このＰＣ鋼線を使用したアンカーテンドンＡの一例を図３に示す。 アンカーテンドンＡは、ＰＣ鋼線Ｂとグラウト材注入ホースＣを同一方向に向 けてスペーサＤで結束し、それらをコルゲートシースＥで外装して構成されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

前記した従来のアンカーテンドンＡにあっては、次のような問題点がある。

【０００４】 ＜イ＞ アンカーテンドンＡをアンカー孔内に挿入した際に、グラウト材をアン カー孔底部に注入するために、グラウト材注入ホースＣの配設が必要になる。 このグラウト材注入ホースＣは、アンカーテンドンＡの横断面に対して、かな りの専有面積を有している。 そこで、グラウト材注入ホースＣの専有面積の小さくし、引張材の本数を増や して、アンカーテンドンＡの直径を変えずに、大きな引張荷重の得られるアンカ ーテンドンの開発が切望されている。

【０００５】 ＜ロ＞ 従来のＰＣ鋼線Ｂは重量があるため、組み立てたアンカーテンドンＡを アンカー孔まで運搬するのに多数の人が必要であり、作業効率が悪かった。

【０００６】

【本考案の目的】

本考案は以上の問題を解決するために成されたもので、その目的とするところ は、グラウト材注入ホースの配設を必要とせず、重量軽減を可能とした引張材を 提供することにある。

【０００７】

【問題点を解決するための手段】

即ち本考案は、アンカーに使用する引張材において、軸心に沿って貫通孔を開 設したことを特徴とする引張材である。

【０００８】

【実施例１】 以下図面を参照しながら本考案の一実施例について説明する。 図１に本考案に係る引張材１を示す。 ＜イ＞引張材の構成 引張材１は、カーボンファイバー、アラミド繊維、ポリエステル、ケプラーな どの素材からなる棒体であり、その中心部分に軸方向に沿ってグラウト材注入孔 ２が反対側の端面まで貫通して設けられている。 引張材１の外周面には、長手方向に向けて所定間隔ごとに、ブロック３が突設 されている。 ブロック３は、引張材１と周囲のグラウト材との密着性を確保するために設け られたものであり、引張材１の外周上に突起して設けられている。 このブロック３は、周囲に充填されたグラウト材の流れを良くするために、切 目４が入れられている。 尚、ブロック３は、上記の形状に限られるものではなく、その他の形状の突起 体を引張材１外周に点在させて設置しても良い。

【０００９】 ＜ロ＞引張材の製造方法 引張材１は、例えば、成型により製造することが可能である。 引張材１と共にブロック３も一体成型し、軸心部分に円柱状の型を配置し、型 抜きを行ってグラウト材注入孔２を開設する。

【００１０】

【作用】

次に引張材１の使用方法について説明する。 ＜イ＞アンカーテンドンの組立て（図２） 図２に示す様に、引張材１を同軸方向に向け、所定間隔でスペーサ１０により 結束して、アンカーテンドン２０を組み立てる。 この時、引張材１を腐食の心配のない素材で形成すれば防錆のためのカプセル 化を行う必要がなく、組立て工程を簡略化することができる。

【００１１】 ＜ロ＞アンカーテンドンの運搬 組み立てたアンカーテンドン２０を地山の斜面に開設したアンカー孔の付近ま で運搬する。 アンカーテンドン２０を構成する引張材１は、グラウト材注入孔２が開設され ており体積が小さくなっていると共に、軽量な素材で形成されているので、従来 のＰＣ鋼線に比べ重量が非常に低減されている。 従って、アンカーテンドン２０の全重量は非常に軽く、アンカーテンドン２０ を数人で運搬することが可能である。

【００１２】 ＜ハ＞アンカーテンドンの打設 アンカーテンドン２０を公知の通りにアンカー孔内に挿入する。 そして、引張材１のグラウト材注入孔２からグラウト材を注入する。 所定量のグラウト材を充填し終えたら、グラウト材注入孔２内にグラウト材を 残存させた状態で固化養生させる。 アンカー孔内及び引張材１内のグラウト材が固化養生した後、各引張材１に緊 張を与えて、アンカーテンドン２０を定着する。

【００１３】

【実施例２】 本考案は、実施例１における引張材１のグラウト材注入孔２の一端を閉塞し、 その閉塞端付近のグラウト材注入孔２と引張材１外周を連通する連通孔を設けた ものでも良い。

【００１４】

【考案の効果】 本考案は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。

【００１５】 ＜イ＞ アンカーテンドンにグラウト材注入ホースを配設する必要がないので、 アンカーテンドンにより多くの引張材を配設することができる。 従って、所定の直径を有するアンカーテンドンに対して、従来以上の大きい引 張荷重を与えることができる。

【００１６】 ＜ロ＞ 引張材にグラウト材注入孔を開設したので、重量の軽減が図れアンカー テンドンの運搬作業を少人数で行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 引張材の説明図

【図２】 アンカーテンドンの説明図

【図３】 従来のアンカーテンドンの説明図

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンカーに使用する引張材において、 軸心に沿って貫通孔を開設したことを特徴とする、 引張材。