JPH0744007A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH0744007A
JPH0744007A JP18798693A JP18798693A JPH0744007A JP H0744007 A JPH0744007 A JP H0744007A JP 18798693 A JP18798693 A JP 18798693A JP 18798693 A JP18798693 A JP 18798693A JP H0744007 A JPH0744007 A JP H0744007A
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developing roller
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JP18798693A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Kasai
利博 笠井
Takao Izumi
貴雄 泉
Osamu Takagi
修 高木
Yoshiya Hashimoto
佳也 橋本
Naoko Seto
尚子 瀬戸
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はトナーを十分に帯電させ、画像濃度ム
ラや非画像部のカブリ等の不良画像のない高品位の画像
が得られ、かつ、長期間の使用においてもトナー層厚の
変化やトナー消費量の増加、及び画像の悪化が生じない
一成分系現像装置を提供することを目的とする。 【構成】本発明は静電潜像を担持する感光体ドラム11
に対向配置され前記静電潜像にトナ−を供給するための
弾性を有する回転自在な現像ロ−ラ12と、この現像ロ
−ラ12の表面に接触して該現像ロ−ラ12の表面に凹
部12aを形成し該凹部12aとの間で前記トナ−を摩
擦帯電させるとともに、前記現像ロ−ラ12の表面にト
ナ−薄層を形成するトナ−層形成ロ−ラ13とを具備
し、前記現像ロ−ラ12の凹部12aの前記現像ロ−ラ
12の回転方向に沿う方向の長さをL[mm]、前記現
像ロ−ラ12の周速をV[mm/sec]としたとき、
L/Vの値が0.005以上となるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置や静電記
録装置において静電潜像を可視化する現像装置に関し、
さらに詳しくは一成分系現像剤によって高品質の画像を
得ることができる現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一成分系現像剤を用いる現像方法の一つ
として、加圧現像法が知られている。この方法は静電潜
像とトナー粒子もしくはトナー担持体を実質的に零の相
対周辺速度で接触させることを特徴としており(米国特
許3,152,012、同2,731,148、特開昭
47−13088、同47−13089等)、磁性材料
が不用であるため、装置の簡素化および小型化が可能で
あるとともに、トナーのカラー化が容易である等多くの
利点を有している。
【0003】上記加圧現像法においては、トナー担持体
を静電潜像に押圧もしくは接触させて現像を行なうた
め、弾性および導電性を有する現像ローラを用いること
が必要となる。特に、静電潜像保持体が剛体である場合
はこれを傷つけるのを避けるため、現像ローラを弾性体
で構成することが必須条件となる。また、周知の現像電
極効果やバイアス効果を得るためには、現像ローラの表
面もしくは表面の近傍に導電層を設け、必要に応じてバ
イアス電圧を印加することが望ましい。さらに、トナー
への電荷の付与はトナー担持体、トナー層を形成するた
めのブレードとの摩擦帯電によりなされるため、前記ト
ナー担持体に前記トナー層形成ブレードを圧接させて一
定なニップ幅を確保することが必要である。トナーに十
分な電荷の付与を行なうためには、トナー層形成ブレー
ドの材質としては、電荷の極性に合わせた摩擦帯電系列
の材質を用いることが望ましい。特に、レーザプリンタ
やディジタルPPC等に用いられる感光体上に負帯電を
行ない、同極性に帯電したトナーで現像を行なう、いわ
ゆる反転現像方式ではトナーに負の電荷を付与するため
正に帯電しやすいシリコンゴムが用いられることが多
い。
【0004】しかし、シリコンゴムではライフによりブ
レードの先端部に摩耗が生じやすく、そのためにトナー
の帯電量や層厚が変化し、得られた画像において濃度ム
ラ、およびベタ画像の濃度追従性の悪化、非画像部のカ
ブリ等の画像不良、また、帯電量が低くなることで現像
効率がアップしトナーの消費量が大幅に増加するなどの
問題が発生した。そこで、弾性層に帯電層を積層するタ
イプのブレードにより、摩耗の影響を無視できるように
したものが開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、帯電層の耐摩
耗性が現像ローラの導電層より優れる場合には、今度は
現像ローラの導電層にスジやキズまたは剥離等の欠陥が
生じ、これらの欠陥が画像上に現れるという問題が発生
した。
【0006】さらに、フルカラー画像を得ようとした場
合には、定着時にトナーが融溶混合して中間色を発色さ
せる必要があるために、トナー樹脂のガラス転移点及び
軟化点を低くし、溶融粘度も小さくする必要がある。
【0007】しかしながら、トナー樹脂のガラス転移点
及び軟化点を低くすれば、現像ローラ上にブレードを押
し当ててトナー薄層を形成する際に、この部分でトナー
が大きなストレスを受けてブレード或いは現像ローラに
融着してしまい、トナーの帯電性及びトナー薄層形成に
変化を与えてしまい、結果として画像を劣化させてしま
うという問題がある。
【0008】図6は従来の現像装置を示すもので、つぎ
に、この現像装置を用いて実験した結果について説明す
る。まず、最初に実験した非磁性トナーに関して述べ
る。
【0009】ここで、現像ローラやトナー層形成部材に
対する融着現象に対して重要な特性となるのは、トナー
の熱特性であり、以下に実験に使用したトナーの軟化
点、ガラス転移点の測定結果を示す。
【0010】 Aトナー 軟化点162℃ ガラス転移点64℃ Bトナー 軟化点102℃ ガラス転移点58℃ Cトナー 軟化点 80℃ ガラス転移点59℃ 図6の現像装置は接触型一成分非磁性の装置で、この現
像装置1は導電性と弾性とを有する現像ローラ9の表面
に非磁性トナーの薄層を形成し、これを感光体ドラム2
の表面に接触させることにより現像を行なうものであ
る。この現像はトナ−濃度コントロ−ラ等が不用であり
小型化、低価格化が可能な現像方式として知られてい
る。
【0011】上記現像装置1で用いられる現像ローラ9
は導電性と弾性を有するということであり、これを満足
する一番簡単な構成は金属シャフト9aと導電性ゴムロ
ーラという組合わせである。
【0012】しかし、感光体ドラム2と十分な接触幅を
得るためにはゴム硬度はJIS規格50°以下が望まし
く、またトナーを現像ローラ9の表面に均一に塗布させ
るためには表面の平滑性が必要となる。そのため金属シ
ャフト9aの周囲を弾性体層9bと表面導電層9cの二
層構成とした。前記弾性体層9bを選択する場合、導電
性のものとそうでないものの2通りが考えられるが、前
記表面導電層9cにハクリやキズが生じる場合も考慮し
て導電性のものの方が望ましい。
【0013】また、前記弾性体層9bはブレード10の
先端部にあるシリコンゴムチップ10bや感光体ドラム
2と圧接されているため、梱包時や長時間放置されるこ
とによるJISK6301に示される永久歪(%)も問
題となり、10%を越えると画像に現像ローラ9の周期
のムラが生じてしまう。このため、前記弾性体層9bの
圧縮歪(%)は10%以下、好ましくは5%以下としな
ければならない。上記ゴム硬度と永久歪(%)との関係
は一般にゴム硬度が大きいほど歪は小さくなるという傾
向があるので材料と相互のバランスが重要となる。
【0014】以上、上記弾性体層9bに要求される特性
をクリアするものとして導電性ウレタンゴムや導電性E
PDMゴムや導電性シリコンゴムなどが要求される特性
をクリアしており、これらを用いることが可能である。
【0015】この現像装置1で採用した導電性ウレタン
ゴムから成る弾性体層9bは、JIS規格K6301の
A型硬度計で30°の硬度を有し、外径は18mmであ
る。また導電性ウレタンゴムの電気抵抗値は、上記の弾
性ローラを直径60mmのステンレス製ローラと接触幅
が2mmになるように平行配置し、両ローラの金属シャ
フト間に100vの電位差を設けた時に観測される電流
を測定することにより算出した結果、3.4×103 Ω
・cmであった。また永久歪はJISK6301に示さ
れる測定方法を用いて測定した結果、3.8%であっ
た。
【0016】次に、上記導電層9cは直接トナーや感光
体ドラム2に接触するため可塑剤、加硫剤、プロセスオ
イル等のしみだしにより、トナーや感光体ドラム2を汚
染させないものでなければならず、また表面の平滑性に
ついては3μmRz以下が望ましく、それ以上になると
表面の凹凸の模様が画像に表れやすくなる。
【0017】上記導電層9cの平滑度3μmRzを実現
するためには、弾性体層9bに十分膜厚の大きい導電層
9cを付けた後、後加工(研磨)により所定の外径、表
面粗さに仕上げるということが考えられる。しかし、コ
ストが高くなるため後加工なしで実現するためには前記
弾性体層9bの表面粗さと導電層9cの膜厚とその塗料
の粘度を最適に選択しなければならない。上記弾性体層
9bに導電層9cを形成させるための代表的方法とし
て、スプレーによる塗布方法、ディッピングによる方
法、ナイフエッジによる方法がある。それぞれの方法に
おける塗料の粘度は、スプレー法<ディッピング法≦ナ
イフエッジ法となり、前記表面の平滑度3μmRzを実
現するために必要な塗料の膜厚T(μm)は、弾性体層
9bの表面粗さをS(μmRz)とすればスプレー法に
おいてはT≧10×S、ディッピング法およびナイフエ
ッジ法ではT≧5×Sを満足すれば可能となる。
【0018】この現像器1では導電層9cはポリウレタ
ン樹脂中に導電性カーボン微粒子を分散することにより
103 Ω・cmの導電性を付与したものを採用した。次
に、以下の工程により導電性ウレタンゴムから成る弾性
層表面に導電性ポリウレタン塗料を塗布し乾燥後、熱処
理を行ない形成した。
【0019】まず、導電性ポリウレタン塗料の原液に、
メチルエチルケトン(MEK)とテトラヒドロフラン
(THF)を1:1の割合で混合した希釈溶剤を等量添
加する。この希釈溶剤中にはアクリル樹脂系帯電制御剤
が導電性ポリウレタン塗料に対して3%の割合で添加さ
れている。これはトナーを所望の帯電量に帯電させるた
めに添加したものである。次にこの塗料を十分に撹拌し
たのち、溶剤で洗浄した弾性体層9bの表面にディッピ
ング法を用いて塗布を行なう。弾性体層9bの引き上げ
速度は2.5mm/secとした。塗布後、約30分間
空気中で乾燥し、その後約100℃で20分間熱処理を
施した。この結果、層厚70〜80μmの導電層9cが
得られた。導電層9cの層厚はディッピング法の引き上
げ速度、および塗料の粘度を変化させることにより10
μm〜500μmの範囲まで可能である。以上の工程に
より現像ローラ9は非磁性の金属シャフト9aと導電層
9b間の抵抗値が5×103 Ω・cm、ゴム硬度がJI
S規格K6301のA型硬度計で35°の硬度を有し、
表面粗さが3μmRzのものを得ることができた。
【0020】トナー層形成ブレード10は、例えばステ
ンレスやベリリウム銅またはリン青銅板等からなる薄板
バネ10aの先端部に、例えばシリコンゴムやウレタン
ゴム等のJIS−A硬度で30〜85度のゴム弾性体ま
たは樹脂からなる層の表面にトナーと逆の帯電性を有す
る層を設けたチップ10bから構成され、このようなチ
ップ10bを上記の薄板バネ10aの長手方向に接着し
て、その両端部にウレタカフォームから成るシール材1
0cを貼ることで構成されている。なお、チップ10b
の取り付け方は嵌合したり狭持するなど他の方法でも精
度良く取り付けられていればどの様な方法でも良い。こ
の現像装置1では薄板バネ10aにリン青銅板を使用
し、厚さを0.2mmのものを使用したが、形状によっ
て0.1〜2mm程度のものを用いることが可能であ
る。また、チップ10bは弾性体層にJIS−A規格8
0°のウレタンゴムを使用し表面に帯電層を設けた2層
から構成されている。また帯電層は前述の通りトナーと
逆の帯電性を有することが必要である。本実験ではトナ
ーを負に帯電させ反転現象を行なうため帯電層は正に帯
電しなければならない。また、現像ローラ9の表面層9
cを傷つけないためにある程度の弾性を有することが望
ましい。そこで、この現像装置1においては弾性体との
接着性の良い導電性ポリウレタン塗料を用いている。
【0021】以上のような構成の非磁一成分接触現像器
を用いて、前述のトナ−A、B、Cトナーを現像剤とし
て、印字ランニング試験を実施した。その結果として、
トナ−A、B、Cともに初期はカブリのない、画像濃度
も十分な画像が得られたが、数百枚の印字画像出力でト
ナーB、Cに関して、カブリが増え、画像濃度ムラが顕
著になってきた。
【0022】そこで、現像器1のトナー層形成ブレード
10の先端部であるシリコンゴムチップ10bと現像ロ
ール9の接触する部分を観察したところ、シリコンゴム
チップ10bにトナーの融着が観察された。さらに、現
像ローラ9そのものにトナーの融着が認められた。この
現像ローラ9の融着は、現像ローラ9を現像装置1から
取り出して、前述した方法で電気抵抗を観測した結果、
その値が2〜4桁上昇していることからも確認出来た。
【0023】以上説明してきた現像装置の構造では、軟
化点の低いトナー、例えばフルカラー用トナーでは、ト
ナーに対して現像ローラ9上に薄層を形成させる時に作
用させる機械的な力(具体的にはシリコンゴムチップの
押圧力)が大きく、この部分でシリコンゴムチップ10
bと現像ローラ9の双方にトナーの融着を生じてしまう
ことが判明した。
【0024】そこで、本発明はこのような従来技術の課
題を解決すべくなされたものでトナーに十分な帯電がな
され、画像濃度ムラや非画像部のカブリ等の不良画像の
ない高品位の画像が得られ、かつ長期間の使用において
もトナー層厚の変化やトナー消費量の増加、及び画像の
悪化が生じない一成分系現像装置を提供することを目的
とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、静電潜像を担持する像担持体に対向配置さ
れ前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を有する
回転自在な現像剤供給手段と、この現像剤供給手段の表
面に接触して該現像剤供給手段の表面に凹部を形成し該
凹部との間で前記現像剤を摩擦帯電させるとともに、前
記現像剤供給手段の表面に現像剤薄層を形成する現像剤
層形成手段とを具備し、前記現像剤供給手段の凹部の前
記現像供給手段の回転方向に沿う方向の長さをL[m
m]、前記現像供給手段の周速をV[mm/sec]と
したとき、L/Vの値が0.005以下となるようにし
た。
【0026】また、静電潜像を担持する像担持体に対向
配置され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を
有し回転自在な現像剤供給手段と、この現像剤供給手段
の表面に接触して該現像剤供給手段の表面に凹部を形成
し該凹部との間で前記現像剤を摩擦帯電させるととも
に、前記現像剤供給手段の表面に現像剤薄層を形成する
回転自在な現像剤層形成手段とを具備し、前記現像剤供
給手段の現像剤に対する摩擦係数が現像剤層形成手段の
現像剤に対する摩擦係数よりも大きくした。
【0027】また、静電潜像を担持する像担持体に対向
配置され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を
有し回転自在な現像剤供給手段と、この現像剤供給手段
の表面に接触して該現像剤供給手段の表面に凹部を形成
し該凹部との間で前記現像剤を摩擦帯電させるととも
に、前記現像剤供給手段の表面に現像剤薄層を形成する
回転自在な現像剤層形成手段を備え、前記現像剤層形成
手段は固定されているか、もしくは、前記現像剤供給手
段の回転周速に対して、0.2倍以下の速度で同方向に
回転する。
【0028】さらに、静電潜像を担持する像担持体に対
向配置され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性
を有し回転自在な現像剤供給手段と、この現像剤供給手
段の表面に接触して該現像剤供給手段の表面に凹部を形
成し該凹部との間で前記現像剤を摩擦帯電させるととも
に、前記現像剤供給手段の表面に現像剤薄層を形成する
回転自在な現像剤層形成手段とを備え、前記現像剤層形
成手段は固定されている状態か、もしくは、前記現像剤
供給手段の回転周速に対して、0.〜0.3倍、及び
1.5〜2倍の範囲の周速比で逆方向に回転する。
【0029】
【作用】上記手段により、現像剤に作用するストレスが
減少し、現像剤樹脂のガラス転移点及び軟化点が低くて
も、現像剤供給手段上或いは現像剤層形成手段に現像剤
の融着を生じること無く、均一な層厚で且つ均一な帯電
量を有する現像剤薄層を形成させることができようにす
る。
【0030】これにより、画像濃度ムラおよび非画像部
のカブリ等の不良画像のない高品位の画像を得ることが
できるとともに、長期間にわたって高品位の画像を得る
ことを可能とする。
【0031】
【実施例】以下、本発明の現像装置を図1および図2に
示す一実施例を参照して説明する。図1中11はたとえ
ば、レーザプリンタに備えられ、表面が負に帯電される
有機の像担持体としての感光体ドラムで、この感光体ド
ラム11は矢印で示すように、時計方向に回転される。
この有機感光体ドラム11の表面にはレーザビームが照
射されて潜像が形成され、この潜像は現像装置により、
反転現像法によって可視像化される。
【0032】上記現像装置は現像剤供給手段としての現
像ロ−ラ12を回転自在に備え、この現像ローラ12は
図6で説明したものと全く同一のものが使用される。つ
まり、現像ロ−ラ12は心材が導電性ウレタンゴムから
成り、その弾性層表面に導電性ポリウレタン塗料を塗布
し導電性と弾性とを有している。この現像ロ−ラ12の
表面に非磁性トナーの薄層を形成し、これを上記感光体
ドラム1の表面に接触させることにより現像を行なうも
のである。
【0033】また、図中16はトナー容器で、このトナ
ー容器16内には現像剤としての非磁性トナー18が収
容されている。さらに、前記トナー容器16内には前記
非磁性トナー18を攪拌するための現像剤攪拌器17が
回転自在に設けられているとともに、上記現像ロ−ラ1
2にトナ−を供給するためのトナー供給ローラ14が回
転自在に設けられている。
【0034】また、上記現像ローラ12の上部側には現
像剤層形成手段としてのトナ−層形成ロ−ラ13が当接
されているとともに、下部側には現像ローラ12上に残
留したトナーを回収するための回収ローラ19が回転自
在に設けられ、この回収ローラ19には掻き落としブレ
ード20が当接されている。
【0035】なお、図1の現像装置においては、負帯電
の有機の感光体ドラム11の画像部電位、すなわち露光
部電位を−80v、非画像部電位すなわち未露光部電位
を−500v、現像バイアスを−200v、感光体ドラ
ム11と現像ローラ12の接触幅を1.5mm、感光体
ドラム11と現像ローラ12の周速比を1:2の条件に
設定されている。
【0036】しかして、現像時にはトナー容器16内の
非磁性トナー18は現像剤攪拌器17によってトナー供
給ローラ14の近傍に搬送される。このトナー供給ロー
ラ14の近傍に搬送された非磁性トナー18は、トナー
供給ローラ14の回転に伴って現像ローラ12の近傍ま
で搬送される。この時、非磁性トナー18はトナー供給
ローラ14と現像ローラ12の間に挟まれて一部は現像
ローラ12と接触することにより摩擦帯電され、トナー
供給ローラ14と現像ローラ12の間に印加されている
電界によって現像ローラ12に付着する。
【0037】また、摩擦帯電されなかったその周りのト
ナーは現像ローラ12の摩擦力或いは静電力で付着して
いるトナーに引きずられるように現像ローラ12に付着
する。ここで、トナー供給ローラ14は現像ローラ12
に対してバイアス印加の効果が現れる必要があるため
に、現像ローラ12ほどの低抵抗の必要性は無いが、あ
る程度導電性(半導電性程度)が必要である。
【0038】しかしながら、現像ローラ12と同様な低
抵抗のローラでは電気的なリークが発生してしまい使用
できないので、本実施例では、現像ローラ12と同じ材
質の導電性ウレタンゴムを使用した。但し、表面には導
電性塗料の塗布は実施していない。
【0039】上記現像ローラ12上に形成されたトナー
層はトナー層形成ローラ13によりトナーの層厚が規制
され、ある一定量のトナーのみが通過して均一なトナー
層が現像ローラ12上に形成される。この時、トナーは
トナー層厚のみ規制されれば良いのでは無く、不十分な
帯電状態であるのを一定の均一な帯電量にする必要があ
る。
【0040】本実施例で採用したトナー層形成ローラ1
3の構成は、現像ローラ12で採用した材質と同じもの
を用いた。つまり、導電性ウレタンゴムの表面に導電性
ポリウレタン塗料を塗布したものである。元々、この構
成のローラはトナーの摩擦帯電を促進させるものを材料
として選定されているため、トナーに摩擦帯電を付与す
るのには最も適した材料である。さらに、現像ローラ1
2の直径を18mmとし、このトナー層形成ローラ13
の直径を14mmとした。これは、導電性ウレタンゴム
そのもののゴム硬度は同じでも、トナー層形成ローラ1
3の直径を小さくすることで、実質的なゴム硬度を高く
することが出来るからである。つまり、トナー層形成ロ
ーラ13の実際のゴム硬度を現像ローラ12のゴム硬度
より硬くすることによって、トナー層形成ローラ13を
現像ローラ12に食い込ませる。これにより、現像ロー
ラ12の表面に凹部12aを形成して接触ニップ幅を多
く取ることができ、トナーの現像ローラ12或いはトナ
ー層形成ローラ13との接触確率が向上し、トナーを充
分に帯電させることが出来るようになる。
【0041】また、トナーを現像ローラ12或いはトナ
ー層形成ローラ13に融着を生じないためには、トナー
層形成ローラ13の現像ローラ12への押圧力を出来る
限り小さくしなければならない。
【0042】なお、図6で示した現像器では、トナー層
規制ブレード10を1000gf以上の力で押圧しなけ
れば、充分なトナー帯電量が得られず、カブリの少ない
画像が得られなかった。しかしながら、本実施例におい
ては、トナー層形成ローラ13の押圧力は、600gf
でも充分な帯電量が得られ、カブリの無い、充分な画像
濃度を持つ鮮明な画像が得られた。
【0043】現像後、現像ローラ12上に残留したトナ
ーはこの状態のまま次の現像工程に入った場合、いわゆ
るメモリ現象と呼ばれる画像欠陥を引き起こす可能性が
あるために一旦、トナー回収ローラ19により、現像ロ
ーラ12から剥ぎ取られる。この回収ローラ19は現像
ローラ12との接触部において同方向に回転しており、
速度比も等速度である。この回収ローラ19上に回収さ
れたトナーは掻き落としブレード20によって現像器内
に回収されることになる。
【0044】以上のような構成の現像器を用いて、前述
の低軟化点のトナーB、Cを用いて印字の20,000
枚ランニング試験を実施したところ、図6の現像器で生
じたトナーの現像ローラ2やトナー層規制部材10にお
ける融着現象は発生せずに鮮明な画像を維持し続けた。
これは、曲率の大きなトナー層形成ローラ13が弾性現
像ローラ2との接触部で、広いニップ幅を持つために、
トナーに作用する力が分散されるために、単位面積当た
りの圧力が減少するためであると考えられる。
【0045】本発明において、トナーの融着現象を引き
起こさず、トナー層厚の規制とトナー帯電量の付与を弾
性を持ち且つトナー帯電を促進させる部材で適性に実施
することが出来たわけであるが、この時の適性条件につ
いて、さらに詳細に調べた。
【0046】以下に、その詳細について記述する。トナ
ー層形成ローラ13と現像ローラ12の接触ニップ幅の
拡大図を図2に示す。前述したように、トナー層形成ロ
ーラ13と現像ローラ12の接触ニップ幅はこの図のよ
うに、トナー層形成ローラ13のゴム硬度が高いため
に、現像ローラ12に凹部12aを形成する。図2では
理解し易やすように、この凹部12aを強調している。
ここで、トナーの帯電を確実に実施するためにはトナー
と現像ローラ12の接触確率、つまり接触時間を長くす
る必要がある。トナー層形成ローラ13は固定されてい
るので、接触時間は凹部12aのトナー層形成ローラ1
3の回転方向に沿う長さ(図中のL[mm] )と現像ロー
ラ12の周速(図中のV[mm/sec])で決定される。
【0047】そこで、接触ニップ幅L及び現像ローラ1
2の周速Vの種々の組み合わせを変えて、画質とこれら
の関係を実験した。接触ニップ幅を変える方法として、
トナー層形成ローラ13の現像ローラ12への押圧力を
変化させることを採用した。
【0048】先ず、トナ−層形成ロ−ラ13の押圧力を
600gfとした場合、接触ニップ幅は約2mmとなっ
た。これは、この押圧力でトナー層を形成させて、トナ
ー層形成ローラ13を取り出すことにより、トナー層形
成ローラ13に付着しているトナーの幅から求めた。こ
の時、現像ローラ12の周速を、20、50、100、
200、250mm/secと可変して実験を実施し
た。その結果、20〜200mm/secの周速では現
像ローラ12上に形成されたトナー層厚は約1mg/c
2 と大きな変化はなく、トナー帯電量も−8μC/g
前後であり、この時の画像はカブリも無く、充分な画像
濃度で印字が可能であった。しかしながら、現像ローラ
の周速が250mm/secの場合は、現像ローラ2上
に形成されるトナー層厚が、0.6mg/cm2 と少な
くなり、トナー帯電量もー3μC/gと低下してしまっ
た。この時の画像は、カブリを生じてしまった。
【0049】次に、押圧力を1000gfとした場合の
同様な実験を実施した。この時の接触ニップ幅は約3m
mとなった。この時、現像ローラ12の周速を、20、
50、100、200、250mm/secと可変して
実験を実施した。その結果、20〜250mm/sec
の周速では現像ローラ12上に形成されたトナー層厚は
約1mg/cm2 と大きな変化はなく、トナー帯電量も
押圧力600gf時とほぼ同じ−8μC/g前後であ
り、この時の画像はカブリも無く、充分な画像濃度で印
字が可能であった。
【0050】さらに、押圧力を300gfとした場合の
同様な実験を実施した。この時の接触ニップ幅は約1.
5mmとなった。この時、現像ローラ12の周速を、2
0、50、100、200、250mm/secと可変
して実験を実施した。その結果、20〜100mm/s
ecの周速では現像ローラ12上に形成されたトナー層
厚は約1mg/cm2 と大きな変化はなく、トナー帯電
量も押圧力600gf時とほぼ同じ−8μC/g前後で
あり、この時の画像はカブリも無く、充分な画像濃度で
印字が可能であった。
【0051】以上の実験結果を分析すると、トナーが接
触ニップ部L[mm]を通過する時間、つまり現像ロー
ラ12の周速をV[mm/sec]とした場合、式 L/V≧0.01 が、満足されれば、充分なトナー層厚とトナー帯電量が
得られ、カブリの無い鮮明な画像が得られることがわか
った。
【0052】なお、現実的にはプロセススピ−ドは5mm
/sec以下であり、また、通常、ニップ幅Lは3mm〜5mm
程度である。したがって、L/Vの最大値は1以下とす
るのが好ましい。
【0053】このように、トナー薄層形成とトナー帯電
量付与を現像ローラ12と同様な弾性体ローラとするこ
とによって、非磁性トナーに過大なストレスを与えるこ
と無く、充分満足される画質を維持する信頼性の高い現
像器を提供することが可能となる。
【0054】また、本発明はトナー層形成ローラ13と
してステンレス製の丸棒を用いても良い。この場合に
は、トナー層形成ローラ13の方が現像ローラ12のよ
り硬いため、トナー層形成ローラ13が現像ローラ12
に食い込む。これにより、現像ローラ12の表面に凹部
12aが形成され接触ニップ幅を多く取ることができ、
トナーの現像ローラ12或いはトナー層形成ローラ13
との接触確率が向上し、トナーを充分に帯電させること
が出来るようになる。
【0055】以上のような構成の現像器を用いて、前述
の低軟化点のトナーB、Cを用いて印字の20,000
枚ランニング試験を実施したところ、図6の現像器で生
じたトナーの現像ローラ2やトナー層規制部材10にお
ける融着現象は発生せずに鮮明な画像を維持し続けた。
【0056】そこで、接触ニップ幅L及び現像ローラ1
2の周速Vの種々の組み合わせを変えて、画質とこれら
の関係を実験した。接触ニップ幅を変える方法として、
トナー層形成ローラ13の現像ローラ12への押圧力を
変化させることを採用した。
【0057】先ず、トナ−層形成ロ−ラ13の押圧力を
600gfとした場合、接触ニップ幅は約2mmとなっ
た。これは、この押圧力でトナー層を形成させて、トナ
ー層形成ローラ13を取り出すことにより、トナー層形
成ローラ13に付着しているトナーの幅から求めた。こ
の時、現像ローラ12の周速を、20、50、100、
200、250mm/secと可変して実験を実施し
た。その結果、20〜200mm/secの周速では現
像ローラ12上に形成されたトナー層厚は約1mg/c
2 と大きな変化はなく、トナー帯電量も−11μC/
g前後であり、この時の画像はカブリも無く、充分な画
像濃度で印字が可能であった。
【0058】さらに、押圧力を300gfとした場合の
同様な実験を実施した。この時の接触ニップ幅は約1.
5mmとなった。この時、現像ローラ12の周速を、2
0、50、100、200、250mm/secと可変
して実験を実施した。その結果、20〜250mm/s
ecの周速では現像ローラ12上に形成されたトナー層
厚は約1mg/cm2 と大きな変化はなく、トナー帯電
量も押圧力600gf時とほぼ同じ−11μC/g前後
であり、この時の画像はカブリも無く、充分な画像濃度
で印字が可能であった。
【0059】さらに、押圧力を200gfとした場合の
同様な実験を実施した。この時の接触ニップ幅は約1m
mとなった。この時、現像ローラ12の周速を、20、
50、100、200、250mm/secと可変して
実験を実施した。その結果、20〜200mm/sec
の周速では現像ローラ12上に形成されたトナー層厚は
約1mg/cm2 と大きな変化はなく、トナー帯電量も
押圧力600gf時とほぼ同じ−11μC/g前後であ
り、この時の画像はカブリも無く、充分な画像濃度で印
字が可能であった。しかしながら、現像ロ−ラ12の周
速が250mm/sec の場合は、現像ロ−ラ12上に形成
されるトナ−層厚が0.6mg/cm2 と少なくなり、トナ
−帯電量もー3μc/g と低下してしまった。
【0060】以上の実験結果を分析すると、トナーが接
触ニップ部L[mm]を通過する時間、つまり現像ロー
ラ12の周速をV[mm/sec]とした場合、式 L/V≧0.005 が、満足されれば、充分なトナー層厚とトナー帯電量が
得られ、カブリの無い鮮明な画像が得られることがわか
った。
【0061】さらに、トナ−層形成ロ−ラ13の表面の
材質を金属以外の物に関しても同様な実験を実施した。
実験で使用したロ−ラは、ステンレスロ−ラ上に、ポリ
イミド/ポリウレタン/ポリカーボネイト等をコ−ティ
ングしたものである。これらを用いて実験したところ、
条件を種々変更して、トナ−帯電量の評価を行ったが、
ー5μC/g前後の値であり、金属ロ−ラ(ステンレス
ロ−ラ)を用いたほど、トナ−の帯電量は高くならなか
った。
【0062】このように、トナー薄層形成とトナー帯電
量付与を金属ロ−ラとし、弾性体ロ−ラである現像ロー
ラに対して、充分な接触ニップ幅をとり、且つ、現像ロ
−ラの周速を調整することによって、トナ−の摩擦帯電
時間(摩擦帯電確率)を充分とることによって充分満足
される画質を維持する信頼性の高い現像器を提供するこ
とが可能となる。
【0063】なお、図3は現像ロ−ラ12の周速を75
mm/sとして、トナ−層形成ロ−ラ13の押圧力を600
〜2000[gf]の範囲で可変した場合のトナ−の帯
電量[μc/g ]、現像ロ−ラ12上のトナ−の層厚[m
g/cm2 ]、画像濃度[ID]、紙上かぶり[%]の変
化を示すものである。
【0064】すなわち、トナ−の帯電量[μc/g ]はト
ナ−層形成ロ−ラ13の押圧力が600〜2000[g
f]の間でー6.5〜ー9.5[μc/g ]へと直線的に
上昇し、また、トナ−の層厚は約1.0[m g/cm
2 ]、画像濃度は約1.4[ID]と大きな変化はな
く、さらに、紙上かぶり[%]は0.5以下である。
【0065】図4はトナ−層形成ロ−ラ13の押圧力を
1200gfとして、現像ロ−ラ12の周速を60〜10
0mm/sの範囲で可変した場合のトナ−の帯電量[μc/g
]、現像ロ−ラ12上のトナ−の層厚mg/cm2 、画
像濃度[ID]、紙上かぶり[%]の変化を示すもので
ある。
【0066】すなわち、トナ−の帯電量は現像ロ−ラ1
2の周速が60〜100mm/sの範囲ではー8[μc/g ]
前後であり、また、トナ−の層厚は約1.0[mg/cm
2 ]、画像濃度は約1.3〜1.4[ID]と大きな変
化はなく、紙上かぶりは0.5[%]以下である。
【0067】また、本発明は、トナ−に対するトナ−層
形成ロ−ラ13の摩擦係数と、現像ロ−ラ12の摩擦係
数を異ならせるものであっても良い。すなわち、トナ−
に対するトナ−層形成ロ−ラ13の摩擦係数を現像ロ−
ラ12の摩擦係数よりも低くしてもよい。
【0068】これによれば、充分な量のトナ−が現像ロ
−ラ12で搬送されるため、現像ロ−ラ12の周速を感
光体ドラム11の周速よりも極端に大きくする必要がな
くなり、1.1倍程度の周速比で充分な画像濃度を得る
ことができる。
【0069】ちなみに、現像ロ−ラ12上に形成された
トナ−は1.05mg/cm 2 で、帯電量はー11μc/g
であった。これは、従来の0.4mg/cm 2 の約2.5倍
のトナ−層厚であり、帯電量も約2倍となっている。
【0070】ここで、トナ−のバインダー樹脂は主にポ
リスチレンであり、現像ロ−ラ12は表面にポリウレタ
ン塗料が塗布されているので、この2つの物質間の動摩
擦係数は0.438となる(潤滑ハンドブック 日本潤
滑学会編 養賢堂発行による)。
【0071】また、銅とポリスチレンの動摩擦係数は、
0.368(潤滑ハンドブック 日本潤滑学会編 養賢
堂発行による)である。このように、トナ−に対して現
像ロ−ラ12表面の動摩擦係数がトナ−層形成ロ−ラ1
3の動摩擦係数よりも大きいため、現像ロ−ラ12の表
面に充分な量のトナ−層厚を形成することができるので
ある。
【0072】さらに、トナ−層形成ロ−ラ13とトナ−
との動摩擦は、トナ−層形成ロ−ラ13と現像ロ−ラ1
2が形成するニップ部において、現像ロ−ラ12の回転
に追随しようとするトナ−に対して抗する力として作用
することになる。これは、トオ−をこの接触ニップ部に
おいて、攪乱させる作用となる。このために、トナ−は
現像ロ−ラ12およびトナ−層形成ロ−ラ13との接触
の確率が飛躍的に向上し、摩擦帯電が充分に行われるよ
うになるものである。
【0073】ここで、今説明した内容が正しいかどうか
を確認するために、以下の追加実験を試みた。すなわ
ち、トナ−層形成ロ−ラ13の材質を変更させて、トナ
−に対する動摩擦係数を変化させて現像ロ−ラ12上の
トナ−層形成状態の評価を実施した。
【0074】実験に採用したトナ−層形成ロ−ラ13の
表面の材質は、ポリスチレンである。このポリスチレン
とトナ−のバインダー樹脂であるポリスチレンとの動摩
擦係数は、0.467(潤滑ハンドブック 日本潤滑学
会編 養賢堂発行による)である。この組み合わせでト
ナ−薄層形成を試みたが、現像ロ−ラ12上には均一な
トナ−薄層が得られなかった。
【0075】これはトナ−の搬送に寄与する動摩擦係数
がトナ−層形成ロ−ラ13の方が大きいため、現像ロ−
ラ12上にトナ−層が形成されないためである。このよ
うに、トナ−薄層形成とトナ−帯電量付与を弾性体であ
る現像ロ−ラ12に凹部12aを形成するようなトナ−
層形成部材13を用い、かつ、現像ロ−ラ12の表面の
トナ−に対する動摩擦係数がトナ−層形成部材13のト
ナ−に対する動摩擦係数よりも大きくなるように設定す
ることにより、トナ−に過大なストレスを与えることな
く、充分な層厚のトナ−を現像ロ−ラ12上に形成する
ことができるために、現像ロ−ラ12の周速を感光体ド
ラム11の周速よりも極端に早くする必要がなくなり、
画像ジッタの無い満足される画質を維持する信頼性の高
い現像装置を提供することが可能となる。
【0076】また、本発明は、トナー層形成ローラ13
へのトナーの融着を緩和させる方法として、トナー層形
成ローラ13を回転自在に設け、このトナー層形成ロー
ラ13を回転させることにより、現像ローラ12とトナ
ー層形成ローラ13との接触ニップ部近辺に滞留するト
ナーを循環させるようにしてもよい。
【0077】先ず、最初にトナー層形成ローラ13を現
像ローラ12の周速の0.1倍の速度で同方向(現像ロ
ーラ12に対しては、アゲィンスト回転)回転させて、
印字実験を実施した。トナー層形成ローラ13の現像ロ
ーラ12への押圧力は800gfで行なった。また、現
像ローラ12の周速は50mm/secである。この時
の現像ローラ12上のトナー層厚は、0.68mg/c
2 でトナー帯電量は、−10μC/gであった。トナ
ー層形成ローラ13の回転により、トナー層厚が減少
し、トナー帯電量が上昇することが確認された。この状
態の時の画像は、ベタ部の画像濃度が1.38であり、
カブリが0.3%であった。引き続き、ランニング試験
を実施したところ、2万枚までの試験では画質の劣化が
認められなかった。
【0078】今度は、トナー層形成ローラ13を現像ロ
ーラ12の周速の0.2倍の速度で同方向(現像ローラ
12に対しては、アゲインスト回転)回転させて、印字
実験を実施した。その他の条件は前回と同一である。こ
の時の現像ローラ12上のトナー層厚は、0.55mg
/cm2 でトナー帯電量は、−15μC/gであった。
この状態の時の画像は、ベタ部の画像濃度が1.30で
あり、カブリが0.2%であった。引き続き、ランニン
グ試験を実施したところ、2万枚までの試験では画質の
劣化が認められなかった。
【0079】さらに、トナー層形成ローラ13を現像ロ
ーラ12の周速の0.3倍の速度で同方向(現像ローラ
12に対しては、アゲインスト回転)回転させて、印字
実験を実施した。その他の条件は前回と同一である。こ
の時の現像ローラ12上のトナー層厚は、0.40mg
/cm2 でトナー帯電量は、−20μC/gであった。
この状態の時の画像は、ベタ部の画像濃度が1.10で
あり、カブリが0.1%であり、画像濃度が低く、不満
足な画質であった。これは、現像ローラ12上のトナー
層厚が減少したために、感光体ドラム11に供給出来る
トナーの絶対量が減少したことと、トナー帯電量が適正
値から大きくずれてしまったためである。
【0080】さらに、ベタ画像の連続印字を行なったと
ころ、トナー層形成ローラ13の回転で現像ローラ12
上に形成させると、そのトナー供給が阻害されるため
に、連続するベタ画像に追従するだけの量のトナーの確
保が出来なくなるという弊害も発生した。
【0081】また、上記の実験はトナー層形成ローラ1
3を現像ローラ12と同方向に回転させた場合である
が、逆方向に回転させることによっても同様の効果が得
られることが、以下の実験によって判明した。トナー層
形成ローラ13の回転方向と回転速度以外は前記の実験
と同様な条件を採用し、トナー層形成ローラ13の回転
方向を現像ローラ12と逆方向(ウイズ方向)とし、回
転速度を0から2倍まで変化させて前記実験と同様に2
万枚のランニング試験を実施した。その結果、トナー層
形成ローラ13へのトナー融着という観点から評価する
と、回転させることによってトナーの融着現象は認めら
れなかったが、画質の観点から評価すると不具合な周速
度比が存在することがわかった。
【0082】トナー層形成ローラ13の現像ローラ12
に対する周速比と現像ローラ12上に形成されるトナー
帯電量およびトナー層厚との関係におけるデータを図5
に示す。
【0083】トナー層形成ローラ13の現像ローラ12
に対する周速比が0から1の間で現像ローラ12上のト
ナー層厚は直線的に増加し(a線で示す)、トナー帯電
量は大幅に減少(b線で示す)する。さらに、これ以上
の周速比になると、トナー層厚は減少し、トナー帯電量
は上昇することになる。このときの画質は、周速比が
0.3〜1.5の間では感光体ドラム11へ供給するト
ナーの量が多く、且つトナー帯電量は低いのでカブリが
多くなり、許容出来るレベルではない。
【0084】しかしながら、これ以外の周速比の場合
は、画像濃度も充分でカブリの無い鮮明な画像が得られ
た。以上の実験結果をまとめると、トナー層形成ローラ
13を現像ローラ12に対して同方向で、周速比が0.
2以下の速度で回転させることにより、画質の劣化を伴
わずにトナー層形成ローラ13と現像ローラ12の接触
ニップ部近辺の滞留するトナーをトナー容器16内に循
環させ、トナー層形成ローラ13へのトナー融着を防止
することが可能であることが判明した。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ガ
ラス転移点の低い樹脂を用いた現像剤を用いた場合にお
いても、現像剤供給手段や現像剤層形成手段にトナーの
融着が生じずに、長期間の使用においても画像濃度ムラ
やカブリ等の画像不良および劣化が生じない安定した高
品質の画像を得ることのできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である現像装置を示す概略的
構成図。
【図2】図1の現像装置における現像ロ−ラに対するト
ナ−層形成ロ−ラの押圧状態を示す説明図。
【図3】本発明の他の実施例であるトナ−層形成ロ−ラ
の押圧力を変化させたときの現像特性の変化を示すグラ
フ図。
【図4】図3のトナ−層形成ロ−ラの押圧力を1200
gfとした状態で、現像ロ−ラの周速を変化させたとき
の現像特性の変化を示すグラフ図。
【図5】本発明のさらに他の実施例であるトナ−層形成
ロ−ラの現像ロ−ラに対する周速比と現像ロ−ラ上のト
ナ−層厚およびトナ−帯電量との関係を示すグラフ図。
【図6】従来の現像装置を示す構成図。
【符号の説明】
11…感光体ドラム(像担持体)、12…現像ローラ
(現像剤供給手段)、13…トナー層形成ローラ(現像
剤像形成手段)、18…非磁性トナー(現像剤)。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 佳也 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 瀬戸 尚子 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を担持する像担持体に対向配置
    され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を有す
    る回転自在な現像剤供給手段と、 この現像剤供給手段の表面に接触して該現像剤供給手段
    の表面に凹部を形成し該凹部との間で前記現像剤を摩擦
    帯電させるとともに、前記現像剤供給手段の表面に現像
    剤薄層を形成する現像剤層形成手段と、 を具備し、 前記現像剤供給手段の凹部の前記現像供給手段の回転方
    向に沿う方向の長さをL[mm]、前記現像供給手段の
    周速をV[mm/sec]としたとき、 L/Vの値が0.005以上となるようにしたことを特
    徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 静電潜像を担持する像担持体に対向配置
    され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を有し
    回転自在な現像剤供給手段と、 この現像剤供給手段の表面に接触して該現像剤供給手段
    の表面に凹部を形成し該凹部との間で前記現像剤を摩擦
    帯電させるとともに、前記現像剤供給手段の表面に現像
    剤薄層を形成する回転自在な現像剤層形成手段とを具備
    し、 前記現像剤供給手段の現像剤に対する摩擦係数が現像剤
    層形成手段の現像剤に対する摩擦係数よりも大きいこと
    を特徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】 静電潜像を担持する像担持体に対向配置
    され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を有し
    回転自在な現像剤供給手段と、 この現像剤供給手段の表面に接触して該現像剤供給手段
    の表面に凹部を形成し該凹部との間で前記現像剤を摩擦
    帯電させるとともに、前記現像剤供給手段の表面に現像
    剤薄層を形成する回転自在な現像剤層形成手段を備え、 前記現像剤層形成手段は固定されているか、もしくは、
    前記現像剤供給手段の回転周速に対して、0.2倍以下
    の速度で同方向に回転することを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】 静電潜像を担持する像担持体に対向配置
    され前記静電潜像に現像剤を供給するための弾性を有し
    回転自在な現像剤供給手段と、 この現像剤供給手段の表面に接触して該現像剤供給手段
    の表面に凹部を形成し該凹部との間で前記現像剤を摩擦
    帯電させるとともに、前記現像剤供給手段の表面に現像
    剤薄層を形成する回転自在な現像剤層形成手段とを備
    え、 前記現像剤層形成手段は固定されている状態か、もしく
    は、前記現像剤供給手段の回転周速に対して、0.〜
    0.3倍、及び1.5〜2倍の範囲の周速比で逆方向に
    回転することを特徴とする現像装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1380903A1 (en) * 2002-07-12 2004-01-14 Oki Data Corporation Developing device and electrophotographic apparatus
JP2007139846A (ja) * 2005-11-15 2007-06-07 Oki Data Corp 現像装置及び画像形成装置

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