JPH06102737A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH06102737A
JPH06102737A JP4275050A JP27505092A JPH06102737A JP H06102737 A JPH06102737 A JP H06102737A JP 4275050 A JP4275050 A JP 4275050A JP 27505092 A JP27505092 A JP 27505092A JP H06102737 A JPH06102737 A JP H06102737A
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JP
Japan
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image
toner
charging
photosensitive drum
voltage
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Application number
JP4275050A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Kobayashi
哲也 小林
Naoki Enomoto
直樹 榎本
Masuaki Saito
益朗 斎藤
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電部材を弱い押圧力でも被帯電体と確実に
当接して、被帯電体を安定に一様帯電することができ、
接触帯電方式でもトナー融着がなく、特に中間調の再現
が良好である等の高画質の画像を得る可能とした画像形
成装置を提供することである。 【構成】 一成分現像剤の非磁性トナーのガラス転移温
度Tgが57から67°、平均個数分子量Mnが370
0から5900であり、帯電ローラ2は、芯金2aを介
して電圧が印加される芯金2aの周囲に形成された下層
部2bと、その周囲に形成された高低抗体からなる上層
部2cとからなり、帯電ローラ2の硬度がASKER−
Cで60°以下とした。 【効果】 弱い押圧力でも帯電ローラ2を被帯電体の感
光ドラム1に確実に当接して、感光ドラム1を一様帯電
でき、トナー融着のない、中間調の再現が良好な高画質
画像を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式を用いた
カラー画像などの画像形成装置に関し、詳しくは、少な
くとも交流成分を有する電圧を帯電部材に印加して、電
子写真感光体等の被帯電体を所定電圧に帯電する接触帯
電手段を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、直流電圧と交流電圧を重畳した電
圧を外部から帯電部材に印加し、この帯電部材を例えば
電子写真感光体等の被帯電体に当接させて帯電を行なう
接触帯電方法が、例えば特開昭61−298419号に
提案されている。この方法は、従来のコロナ帯電による
方法に比較して、低い印加電圧を使用し得る、オゾンの
発生が少ない等といった利点を有している。
【0003】上記の接触帯電方法によると、例えば図8
に示されるように、電子写真感光ドラム1に帯電部材で
ある帯電ローラ15を接触して従動回転させ、交流電圧
VACと直流電圧VDCとを重畳した電圧(VAC+VDC)を
電源13から帯電ローラ15に印加することにより、感
光ドラム1を均一に帯電することができる。
【0004】上述したことからも理解されるように、帯
電ローラ15は導電性を保つ必要があり、従来、芯金1
5aの回りに、EPDM、NBR等の弾性ゴムにカーボ
ンを分散させた導電弾性部材15bを形成したものが使
用されている。そのため帯電ローラ15は、ゴム硬度が
ASKER(アスカー)−Cで70°以上の硬いものに
ならざるを得なかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カラー画像
の場合、良好な色再現性を得るためには定着時に各色ト
ナーが一様に溶けて混色する必要あり、そのためには軟
化点の低いトナーを用いる必要があるが、軟化点の低い
トナーの場合、相対的にトナーのガラス転移温度(T
g)も下がってしまう。
【0006】Tgはトナー物性の融着に関する因子と考
えられ、上記の如き帯電ローラ15を使用して接触帯電
を実施した場合に、感光ドラム1に対し帯電ローラ15
が常に加圧従動しているために、周囲よりもトナーに加
わるストレスが増して温度が上昇するので、Tgが低い
トナーでは帯電ローラ15若しくは感光ドラム1に融着
する可能性が非常に高くなってしまう。
【0007】又帯電ローラ15を使用して接触帯電を実
施した場合に、芯金15aに印加された電圧の交流成分
VACのために導電弾性部材15bが振動し、帯電ローラ
15と感光ドラム1とのニップ部(当接部)で音が発生
することが知られている。この騒音の発生は、帯電ロー
ラ15の硬度が大きいと一層大きくなる傾向がある。
【0008】これに対し、印加電圧の交流成分VACをな
くせば音の発生はなくなるが、この場合には、感光ドラ
ム1の表面に均一な帯電を得ることができず、斑点状の
帯電ムラを生じてしまう。これは、電圧を印加した導電
弾性部材15bとこれに接触する感光ドラム1の両表面
に微視的な凹凸があり、両者の間に理想的な密着面が得
られ難いからであると考えられる。このような表面が斑
点状の帯電ムラ状態にある感光ドラムでは、通常の電子
写真画像形成プロセスを適用しても、出力される画像は
斑点状帯電ムラに対応した斑点状の黒点画像となり、高
品位な画像を得ることはできない。特に広範囲に亙る中
間調の再現が要求されるカラー画像においては、感光ド
ラム1の帯電不良は致命的であり、上記の帯電ムラはそ
のまま画像品位の低下を招く。
【0009】騒音の発生を低下させる他の方法として
は、帯電ローラ15を強く感光ドラム1の表面に押付け
ることである。この方法によりある程度の効果を得るこ
とができるが、帯電ローラ15及び感光ドラム1の損傷
が激しく、両部材の寿命を著しく短くするという欠点が
ある。
【0010】音の発生低減のために、上記したように、
帯電ローラ15を感光ドラム1に強く押付けることは、
Tgの低いトナーでは融着が避けられないものになり、
特に一成分現像剤の非磁性トナーを用いた場合には、ト
ナー融着が顕著であった。
【0011】従来、一成分現像剤の磁性トナーを用いた
接触帯電方式の提案は行なわれている。磁性トナーを用
いた場合、非磁性トナーと比較して大差がないように見
えるが、磁性トナー中の磁性体が所謂研摩剤として作用
するために融着は発生しにくい。
【0012】上記の問題を解決する対策の一つとして、
感光ドラム1の内部に、具体的には感光ドラム1の導電
性基体1aとその外側の感光体層1bとの間に、ゴム材
などの振動防止剤層を形成することが試みられている。
この方法により防音の効果が認められるが、振動防止剤
層としてのゴム材を感光ドラム1の内部に挿入すること
による感光ドラム1の変形、重量の増加、更には製造コ
ストの大幅な上昇を余儀なくされ、実際的ではない。
【0013】本発明の目的は、良好な色再現性が得られ
ると共に、帯電部材及び被帯電部材にトナーの融着がな
い、特に非磁性トナーを用いてもトナーの融着がない画
像形成装置を提供することである。
【0014】本発明の他の目的は、帯電部材を弱い押圧
力でも被帯電体と確実に当接して、被帯電体を安定に一
様帯電することができ、高画質、特に中間調の再現が良
好な画像を得ることができる画像形成装置を提供するこ
とである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る
画像形成装置にて達成される。要約すれば本発明は、像
担持体と、前記像担持体に当接して印加された電圧によ
り前記像担持体を帯電させる帯電部材と、前記帯電され
た像担持体上に画像露光により形成した潜像を現像剤を
用いて現像する現像手段とを備えた画像形成装置におい
て、前記現像剤は、ガラス転移温度Tgが57から67
℃、平均個数分子量Mnが3700から5900である
ことを特徴とする画像形成装置である。
【0016】好ましくは、前記帯電部材は、像担持体と
当接する高抵抗体からなる上層部とその下の電圧が印加
される下層部とからなり、前記帯電部材の硬度がASK
ER−Cで60度以下である。前記帯電部材は回転自在
な帯電ローラに構成することができ、前記像担持体と略
同速の周速を有する。更に前記電圧が交流成分を含み、
又前記現像剤が非磁性一成分現像剤である。
【0017】更に又、前記像担持体と帯電部材に対し前
記現像手段を複数個備え、これら像担持体、帯電部材及
び複数個の現像手段を一体のプロセスカートリッジにユ
ニット化することができる。
【0018】本発明においては、上記したように、像担
持体を帯電する帯電ローラ(帯電部材)に交流成分を含
む電圧を印加するので、像担持体の表面電位を所定の電
圧に収束させることができ、又像露光による帯電メモリ
や転写電圧による逆極性の帯電メモリが除去でき、コロ
ナ方式による帯電方法で必要であった帯電前露光手段が
不要になり、装置の簡略化が図れる。又帯電ローラの硬
度をASKER−Cで60°以下にしたので、帯電時の
音の低減及び振動による像担持体へのトナー融着の低減
が可能になると共に、帯電ローラの像担持体とのニップ
幅を広くとることができるので、単位時間当たりの帯電
効率が上り、帯電ムラに対して要求の厳しいカラー画像
においても実施可能になる。
【0019】カラーの画像形成の場合、最終的に定着工
程でのトナーの混色性が色の再現性を左右するので、ト
ナーの軟化点と相関のあるトナーの平均個数分子量Mn
を3700から5900にする必要がある。帯電ローラ
は像担持体に常に当接しているため、トナー飛散やクリ
ーニング不良によりトナーが帯電ローラに付着するとト
ナーの融着を招く虞があり、均一な帯電を行なうために
帯電ローラを像担持体に強く当接すると、トナーの融着
が顕著に発生してしまう。
【0020】このことからトナーのTgは少なくとも5
7℃以上であることが好ましく、トナーの平均個数分子
量Mnの3700という下限は、Tg=57℃というト
ナーの分子量から規定されている。高温環境下(例えば
室温30℃以上)でのトナー融着防止をより確実にする
こと考えると、Tgは60℃以上であることがなお好ま
しい(Tgが60℃のときのトナーの平均個数分子量M
nは4700である)。一方、定着による良好な混色性
を確保するためには、トナーの平均個数分子量Mnは5
900以下が好ましく、分子量Mnの下限は5900に
なる。このMn=5900を示すトナーのTgから、T
g=67℃という上限が規定されている。
【0021】本発明においては、上記のガラス転移温度
Tgは、パーキンエルマー社製の示差熱分析測定装置
(DSC測定装置)のDSC−7を用いて測定した。測
定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤
量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとし
て空のアルミパンを用い、先ず、N2 雰囲気化で室温か
ら200℃まで10℃/分で昇温させ、200℃で10
分間保ち、次いで10℃まで急冷して、10℃で10分
間保つ。これにより全履歴を消去し、その後、昇温速度
10℃/分で200℃まで昇温して、その過程での示差
熱を上記の分析測定装置により測定し、図9に模式的に
示すような示差熱曲線を得る。この昇温速度で、示差熱
曲線のEnd(吸熱)側に温度40〜100℃の範囲に
おけるメインピークの吸熱ピークが得られる。このとき
の吸熱ピークが出る前と後のベースラインの中間点(図
9の1h/2の点)を通る線と示差熱曲線との交点を、
本発明におけるガラス転移温度Tgする。
【0022】又トナーの平均個数分子量Mnを求めるに
は、先ず、トナー樹脂の分子量分布を測定する。分子量
分布はGPC(Gel Permeation Chromatography) によっ
て次の条件で測定した。
【0023】 装置:GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜807(ショウデックス社製) 温度:40℃ 溶媒:THF(テトラヒドロフラン) 流速:1.0ml/分 試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1ml注入
【0024】以上の条件で測定したトナー樹脂の分子量
分布から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量校正曲線を使用して、トナーの平均個数分子量M
nを算出した。
【0025】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0026】図1は、本発明に係る画像形成装置の一実
施例を示す説明図である。この例は、被記録画像信号に
対応して発振するレーザビームを光源として用いた画像
形成装置である。以下、画像形成における現像を負帯電
極性を示すトナーを用いた反転現像法により行なう場合
を例にとって説明する。
【0027】一次帯電器である帯電ローラ2によって、
矢印C方向に回転する静電潜像担持体としての感光ドラ
ム1の表面が一様に暗部電位VD =−700Vに帯電さ
れる。次いで画像情報に基づいた画像露光11が行わ
れ、明部電位VL =−100Vとなって感光ドラム1上
に潜像が形成される。次に、この潜像が現像器4にて反
転現像(レーザービームで露光された明部電位領域に潜
像と同極性に帯電したトナーを付着させる)され、トナ
ー像として可視化される。
【0028】現像器4は、一成分現像剤として非磁性ト
ナーを収容した現像容器41を有している。現像容器4
1には、矢印A方向に回転するアルミニウムのような導
電性の現像剤担持体42(スリーブ又はローラ)と、塗
布ローラ43とが設けられており、この塗布ローラ43
は、現像剤担持体42に当接し且つこれに対して相対速
度を有するように矢印B方向に回転して、容器41内に
収容されたトナーを現像剤担持体42上に塗布する。
【0029】上記の現像剤担持体42は、表面に金やカ
ーボン、白金、セラミック等の材料を塗工してその表面
抵抗を下げたもの、又はそれらの材料をそのまま一体成
形したものを用いることもできる。塗布ローラ43によ
る現像剤担持体42へのトナーの塗布を良好に行わせる
ために、塗布ローラ43の表面にスポンジ状加工やロー
レット加工又はブラシ状加工が施されている方が好まし
い。現像剤担持体42上に塗布されたトナーは、現像剤
担持体42に弾性的に当接した弾性ブレード45により
所定の層厚に規制される。この弾性ブレード45として
は、リン青銅薄板、ステンレス薄板、ウレタンゴム、シ
リコーンゴム等の弾性を有する部材が用いられる。尚、
現像剤担持体42の下側には、現像容器41内のトナー
吹き出しを防止するためのシート46が配されている。
【0030】現像剤担持体42と感光ドラム1とは、ト
ナーを潜像に供給する現像領域において、150〜30
0μm程度の最小間隙を隔てて保持される。弾性ブレー
ド45により現像領域にて現像剤担持体42と感光ドラ
ム1との最小間隙より薄くなる層厚に規制されたトナー
は、現像剤担持体42の回転によって感光ドラム1と対
向した現像領域へ搬送され、そこで感光ドラム1上の潜
像に付着して潜像が現像される。本例では上記のように
非接触現像が行われ、現像の際、現像剤担持体42にバ
イアス電源9から現像バイアスとして振動バイアス電圧
が印加される。現像バイアス電源9は、振動バイアス電
圧を作り出すよう、基本的に直流電源部9aにパルス波
の交流電源部9bを直列に組合せてなっている。
【0031】帯電ローラ2の詳細を図2に示す。感光ド
ラム1が帯電ローラ2の被帯電体である。この被帯電体
の感光ドラム1は、アルミニウム製のドラム基体1a
と、基体1aの外周面に形成された感光体層、本実施例
では有機光導電体層(OPC)1bとからなる。感光ド
ラム1は、本実施例では外径30mmとされ、矢印方向
に所定の速度で回転して、上述したように、帯電ローラ
2にて帯電される。
【0032】本発明に係る帯電ローラ2は、感光ドラム
1に所定の圧力で接触し、感光ドラム1の回転に伴って
矢印方向に従動回転する。帯電ローラ2は、金属製の芯
金2aと、芯金2aの周囲に形成された下層部2bと、
下層部2bの周囲に形成された上層部2cとを有してな
っており、本実施例では、帯電ローラ2の外径が12m
mとされ、その芯金2aの直径が6mm、上層部2cの
厚さが100μmである。帯電ローラ2には電源13か
ら電圧が印加され、少なくとも交流成分VACを含んだ電
圧として、交流成分VACと直流成分VDCを重畳した電圧
(VAC+VDC)が芯金2aを介して下層部2bに印加さ
れる。
【0033】帯電ローラ2の下層部2bは、EPDM、
NBR等の弾性ゴムにカーボンを分散させた材料(例え
ば神東塗料(株)製「シントロン」)にて形成され、上
層部2cは、トレジン(N−メトキシメチル化ナイロン
の商品名。帝国化学産業(株)製)、アミラン(6−ナ
イロンの商品名。東レ(株)製)等からなる高抵抗材料
にて形成される。又下層部2bは導電性スポンジとする
ことも可能で、EPDM等の弾性ゴム材料にカーボン
(例えばライオンアクゾ(株)製「ケッチェンブラッ
ク」)等の導電性物質と、発泡剤(例えば三共化成
(株)社製「セルマイク」)とを混合して作成すること
ができる。
【0034】下層部2bの抵抗値を下げるためにカーボ
ンの含有量を増すと、帯電ローラ2自体の硬度が増大
し、騒音発生やトナー融着の発生が顕著になる。図3に
示すように、ゴム硬度をASKER−Cで60°以下と
することにより、騒音を実用上問題のない50dBより
も小さくすることが可能になった。しかしながら、ゴム
硬度をASKER−Cで5°以下にすると、帯電ローラ
2の表面にシワが発生して帯電不良が生じた。従ってゴ
ム硬度の下限は5°と考えられる。
【0035】本発明において、帯電ローラ2のゴム硬度
は、図4に示すように、帯電ローラ2の芯金2aを両端
で支持して水平に保ち、300gの荷重を付加したAS
KER−C硬度計100を用いて、帯電ローラ2の中央
と左右においてそれぞれ円周方向に3点ずつ合計9点を
測定し、その平均値として求めた。
【0036】以上の構成にて、感光ドラム1を周速20
mm/秒で回転し、帯電ローラ2に電源13から−70
0Vの直流電圧(VDC)とピーク間電圧500V、周波
数10000Hzの交流電圧(VAC)を印加すると、感
光ドラム1はほぼ−700Vに均一に帯電された。然も
帯電ローラ2と感光ドラム1との振動による音は、図3
に示す通り、ゴム硬度がASKER−Cで60°以下に
した場合に45dB以下に押さえることができ、実用上
問題がなかった。これは、帯電ローラ2が十分な弾性を
有しているために、感光ドラム1に適切な圧力で十分に
押付けられ、外部からの交流電圧の印加によって振動を
開始しても、帯電ローラ2の上層部2cが感光ドラム1
から離れることがなく、その結果、帯電ローラ2と感光
ドラム1との間に空気を挟むことがなく、音の発生が抑
えられたものと考えられる。
【0037】以上では、帯電部材として帯電ローラ2を
使用した場合を例にとって説明したが、本発明はこれに
限られず、前述したように、帯電部材をブレード状とし
ても良く、このブレード状帯電部材を感光ドラムに接触
させ、電圧を印加して感光ドラムを帯電するようにして
も、同様な効果が得られる。
【0038】又印加する電圧は交流成分を含むとした
が、交流成分を省略して直流成分だけを印加しても良
い。
【0039】又カラー画像に適用可能な非磁性トナーを
用いて説明したが、軟化点の高いトナーを用いた場合
は、トナーの定着性から定着温度を上昇させる必要があ
り、その結果、定着装置の定着ローラ寿命が短くなる、
定着時の消費電力が増加する、ウォームアップの時間が
長くなる等の不具合が生じる。本発明では、上述したよ
うに、平均個数分子量が5900以下のトナーを用いて
いるので、120〜130℃の低い定着温度で良く、こ
の定着温度で良好な定着性が得られた。
【0040】又帯電ローラ2を用いた場合に、トナーの
飛散やクリーニング不良、クリーニング部材端部からの
トナー漏れ等、本来起きてはならない現象が偶発的に発
生すると良くないので、これに備えるために上記の不具
合を連続試験時に故意に発生させて検討した。その結
果、トナーのガラス転移温度Tgが57℃以上の場合、
帯電ローラ2及び感光ドラム1へのトナー融着は認めら
れなかったが、57℃よりも低いトナー(例えばTg=
53℃或いは48℃)を用いた場合、融着が確認され
た。
【0041】Tg=57℃のトナーで帯電ローラ2のゴ
ム硬度を70°として同様な実験を行なったが、それに
よれば融着が発生し、ゴム硬度70°以上では騒音を発
生する他、融着の発生を招くことが確認された。
【0042】図5は、本発明の画像形成装置の他の実施
例を示す説明図である。
【0043】従来、多色画像形成装置において現像器の
退避構造を省略する方法として、二成分磁気ブラシ現像
法に代えて非接触現像方式の一成分現像法を採用するこ
とが挙げられる。この非接触一成分現像法の現像器によ
れば、各色の現像時に非使用現像器を感光ドラムから退
避させる必要がなくなり、各現像器を感光ドラム回りに
固定設置することが可能で、装置の簡易化及びコストダ
ウン化が図れる。更に現像剤の補充や感光ドラム等の消
耗品の交換の煩わしさを解消するために、現像器、感光
ドラム、帯電器等を一体にユニット化したプロセスカー
トリッジ技術も適用できる。図5に示す本実施例の画像
形成装置は、そのカートリッジの一例を示している。
【0044】感光ドラム1、帯電ローラ2、4個の現像
器4(イエロー現像器4A、シアン現像器4B、マゼン
タ現像器4C、ブラック現像器4D)及びクリーニング
器5がカートリッジ容器7a内に一体的に組み付けら
れ、これらが画像形成装置の本体内に着脱自在に配設さ
れるプロセスカートリッジ7を形成している。このプロ
セスカートリッジ7は、感光ドラム1が寿命に達した
り、クリーニング器5内が廃トナーで一杯となった場合
に、カートリッジ7全体を交換することにより、メンテ
ナンスの容易化を図ったものである。図5において、符
号3は転写ドラムである。
【0045】各現像器4は、一成分非磁性現像剤の非磁
性トナーを有する容器本体41と、感光ドラム1に非接
触状態で対向した一定方向に回転してトナーを感光ドラ
ム1の方へ搬送する現像剤担持体42と、該現像剤担持
体42上にトナーを塗布する塗布ローラ43と、容器本
体41内のトナーを塗布ローラ43の方へ移動させる送
り部材44と、現像剤担持体42上に担持したトナーの
層厚を規制する弾性ブレード45と、現像剤担持体42
と容器本体41間の隙間からトナーが漏れ出すのを防止
するシール部材46等とから構成されている。現像作業
は、必要な色のトナーを有する現像器4の現像剤担持体
42が回転することにより、その上に担持したトナーを
感光ドラム1に搬送して、トナーを感光ドラム1上の静
電潜像に供給することにより行なわれる。
【0046】以下、図5に示すプロセスカートリッジを
用いた多色画像形成プロセスについて説明すると、導電
性基体上に光電層を設けた潜像担持体としての感光ドラ
ム1は、一次帯電器である帯電ローラ2により一様に帯
電される。次いで1色目のマゼンタの画像情報に基づい
た画像露光Lが行なわれ、感光ドラム1上に1色目の潜
像が形成される。この潜像はマゼンタ現像器4Cにより
現像して、マゼンタトナー像として可視化される。この
マゼンタトナー像は、転写ドラム3上に保持された転写
紙上に転写手段(共に図示せず)により転写される。ト
ナー像の転写が終了した感光ドラム1は、クリーニング
器5により転写残りのトナーをクリーニングされた後、
帯電ローラ2により再び一様に帯電され、2色目のシア
ンの画像情報に基づいた画像露光Lが行なわれる。
【0047】露光により感光ドラム1上に形成された潜
像は、シアン現像器4Bにより現像してシアントナー像
として可視化され、そのシアントナー像は転写ドラム3
上に保持された転写紙上にマゼンタトナー像上から重ね
て転写される。以下同様にして、3色目のイエロー、4
色目のブラックについて、それぞれの画像露光、潜像の
イエロー現像器4A、ブラック現像器4Dによる現像、
得られたイエロートナー像、ブラックトナー像の転写紙
上への重ね合わせた転写が行なわれ、これにより転写紙
上に4色のトナー像を重ね合わせて転写してなるカラー
画像が得られる。4色のトナー像が転写された転写紙
は、次いで転写ドラム3から分離して定着器(図示せ
ず)に送られ、そこでトナー像の混色及び定着をしてフ
ルカラーの永久像とされる。
【0048】本実施例においては、感光ドラム1の外径
は70mmとされ、帯電ローラ2は図1及び2等を参照
して説明した先の実施例で用いたのを流用した。
【0049】以上の構成にて、感光ドラム1を周速73
mm/秒で回転し、帯電ローラ2に電源13から−70
0Vの直流電圧(VDC)とピーク間電圧2000V、周
波数5000Hzの交流電圧(VAC)を印加すると、感
光ドラム1はほぼ−700Vに均一に帯電された。
【0050】本実施例では、転写ドラム3上で転写紙上
にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナ
ー像を重ねて転写して、これら4色のトナー像を定着器
で一括して定着するために、最終的に出力される画像の
色再現性は定着工程における混色性に左右される。本実
施例においても、Tgが57〜67℃、平均個数分子量
Mnが3700〜5900のトナーを用いることによ
り、160〜170℃の定着温度で十分な混色性及び定
着性が得られた。又高温環境下の耐久安定性を図る場合
はTgを60℃以上にすれば良く、これによって高温環
境下での連続試験の後半においてもトナー融着は全く発
生しなかった。
【0051】以上では、マゼンタ、シアン、イエロー、
ブラックの4個の現像器4をカートリッジ容器7a内に
収納した例を示したが、カートリッジ構成はこれに限ら
れず、カートリッジの形状及び現像器数等を適宜変更す
ることができるのは言うまでもない。
【0052】図6は、本発明の画像形成装置の更に他の
実施例を示す説明図である。本実施例では、図5の画像
形成装置において、感光ドラム1の帯電部材として帯電
ローラ2の代わりに、図6に示すように、感光ドラム1
に所定の圧力で順方向に当接される帯電ブレード14を
使用したことが特徴である。本実施例の画像形成装置の
その他の構成は図5の実施例と基本的に同じなので、図
6において図5の部材と同一の部材は同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0053】本実施例で現像剤は、これまでの実施例と
同様、一成分非磁性現像剤の非磁性トナーが使用され、
同様に、そのトナーのガラス転移温度Tgは57〜67
℃、好ましくは60〜67℃、平均個数分子量Mnは3
700〜5900、好ましくは4700〜5900であ
る。
【0054】図7に帯電ブレード14の詳細を示す。帯
電ブレード14は、図6の電源13から電圧が供給され
る金属製の支持部材14aと、これに支持された柔軟部
14b′及びその上に設けられた導電部14b″からな
る、本実施例では長さ30mm、肉厚4mmの断面矩形
に形成された下層部14bと、下層部14b上に設けら
れた上層部14cとからなっている。
【0055】下層部14bの柔軟部14b′は、EPD
M、NBR等の弾性ゴム又は熱可塑性エラストマー等に
て製造され、ブレード14のゴム硬度がASKER−C
で60°以下となるように形成され、又導電部14b″
は、導電塗料(例えば神東塗料(株)製「シントロ
ン」)等を塗布厚10μmで塗布することにより形成す
ることができる。上層部14cは、先の実施例と同様
に、トレジン(N−メトキシメチル化ナイロンの商品
名。帝国化学産業(株)製)、アミラン(6−ナイロン
の商品名。東レ(株)製)等からなる高抵抗材料にて形
成される。
【0056】帯電ブレード14のゴム硬度の測定は、帯
電ブレード14を平板上に載置することにより水平に支
持した他は、帯電ローラ2の場合と同様にして行なっ
た。
【0057】本実施例においても、帯電ブレード14に
より感光ドラム1を均一に帯電でき、又騒音を50dB
以下に抑えることができ、トナーの融着を発生すること
もなかった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成
装置によれば、帯電部材及び被帯電部材へのトナーの融
着を確実に防止でき、定着性の向上を図ることができる
と共に、定着時のトナー混色性が向上するので、色再現
性の良いカラー画像を得ることができる。
【0059】更に又帯電部材に交流成分を含む電圧を印
加しても、帯電部材と被帯電体の振動による音の発生を
有効に防止することができ、又帯電部材の被帯電体に対
する押圧力を弱くしても、帯電部材と被帯電体との間に
十分な接触幅を得ることができ、被帯電体を帯電部材に
確実に当接して被帯電体を安定に一様帯電することがで
きる。従って高画質、特に中間調の再現が良好な画像を
得ることができる。更に帯電部材及び被帯電体の損傷、
摩耗を少なくすることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施例を示す説明図
である。
【図2】図1の画像形成装置に設けられた帯電ローラを
示す詳細図である。
【図3】図1の帯電ローラの硬度と音の大きさの関係を
示すグラフである。
【図4】図1の帯電ローラのゴム硬度の測定法を示すグ
ラフである。
【図5】本発明の画像形成装置の他の実施例を示す説明
図である。
【図6】本発明の画像形成装置の更に他の実施例を示す
説明図である。
【図7】図6の画像形成装置に設けられた帯電ブレード
を示す詳細図である。
【図8】従来の帯電ローラを示す説明図である。
【図9】本発明で規定するトナーのガラス転移温度の測
定に使用される示差熱曲線を模式的に示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電ローラ 4 現像器 5 クリーナ 7 プロセスカートリッジ 13 電源 14 帯電ブレード 42 現像剤担持体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、前記像担持体に当接して印
    加された電圧により前記像担持体を帯電させる帯電部材
    と、前記帯電された像担持体上に画像露光により形成し
    た潜像を現像剤を用いて現像する現像手段とを備えた画
    像形成装置において、前記現像剤は、ガラス転移温度T
    gが57から67℃、平均個数分子量Mnが3700か
    ら5900であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記帯電部材は、像担持体と当接する高
    抵抗体からなる上層部とその下の電圧が印加される下層
    部とからなり、前記帯電部材の硬度がASKER−Cで
    60°以下である請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記帯電部材は回転自在な帯電ローラか
    らなり、前記像担持体と略同速の周速を有する請求項2
    の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記電圧が交流成分を含む請求項1、2
    又は3の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記現像剤が非磁性一成分現像剤である
    請求項1、2、3又は4の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 像担持体と、前記像担持体に当接して印
    加された電圧により前記像担持体を帯電させる帯電部材
    と、前記帯電された像担持体上に画像露光により形成し
    た潜像を現像剤を用いて現像する複数個の現像手段とを
    備え、これら像担持体、帯電部材及び複数個の現像手段
    が一体のプロセスカートリッジにユニット化された画像
    形成装置において、前記現像剤は、ガラス転移温度Tg
    が57から67℃、平均個数分子量Mnが3700から
    5900であり、前記帯電部材は、像担持体と当接する
    高抵抗体からなる上層部と、その下の電圧が印加される
    下層部とからなり、前記帯電部材の硬度がASKER−
    Cで60°以下であり、前記電圧は、交流成分を含むこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5776991A (en) * 1995-03-29 1998-07-07 Bridgestone Corporation Foamed rubber compositions for pneumatic tires and method of producing the same
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US6901234B2 (en) 2002-03-18 2005-05-31 Ricoh Company, Ltd. Image forming apparatus including an intermediate image transfer belt and high resistance contact member

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