JPH0743739Y2 - 秘匿情報隠蔽用ラベル部材 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、秘匿情報を隠蔽するためのラベル片を備えた
部材に関し、特に、各種申込書や葉書をはじめとする帳
票類に文字、記号、図形等で表示される、例えば暗証番
号や預貯金残高等の他人には知られたくない秘匿すべき
情報を、隠蔽するためのラベル片を備えた秘匿情報隠蔽
用のラベル部材に関する。

〔従来の技術〕

従来から、帳票類の秘匿すべき情報を表示した部分に不
透明なラベル片を接着し、前記情報を隠蔽することは知
られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、従来の情報を隠蔽するために帳票類に接
着するラベル片にあっては、その接着力の調整が困難
で、接着力が弱いとラベル片が帳票類から容易に離脱し
て目的を達しない一方、接着力を強くするとラベル片を
剥がし難いばかりか、剥がすときに帳票類の表面も一緒
に剥ぎ取られてしまい、情報の判読が不可能になってし
まうという欠点があった。また、ラベル片を剥がして秘
匿すべき情報を判読した後、再度ラベル片を接着した場
合には、このラベル片が一度剥がされたものであるか、
否かの判断ができず、前記情報の漏洩を知り得ないとい
う欠点があった。

本考案は、このような欠点を解消した帳票類の秘匿すべ
き情報を隠蔽するためのラベル片を備えた秘匿情報隠蔽
用ラベル部材を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために本考案は、不透明なラベル片
の一面側における少なくとも一対の対向辺に沿って、通
常では接着せず所定の条件が付与されると接着可能とな
る接着剤、例えば感熱接着剤、感圧接着剤、再湿接着剤
を塗布し、これら接着剤塗布部分の少なくとも一方の内
側に沿って切り取り部、例えば切り用ミシン目を設ける
一方、前記接着剤塗布部分の内側部分の少なくとも一部
には、前記接着剤よりも弱接着で貼着後剥離が可能な粘
着剤を塗布し、前記ラベル片に対して、少なくとも前記
粘着剤塗布部分に対応する大きさを有する台紙を、前記
粘着剤によって剥離自在に貼着したものである。

〔作用〕

不透明なラベル片の一面に塗布された粘着剤は剥離可能
であり、また、接着剤も所定条件が付与されない限り接
着不能であるから、台紙に剥離処理が施されていなくて
も、ラベル片は台紙に対して剥離自在である。したがっ
て、帳票類に表示された秘匿すべき情報は、台紙から剥
離されたラベル片を、前記帳票類に対して、粘着剤塗布
部分で秘匿すべき情報を覆うよう対応させたうえ、接着
剤に対して所定の接着条件を付与して接着することによ
り隠蔽される。そして、このラベル片の前記接着部分の
内側、すなわち粘着剤塗布部分を、前記接着剤塗布部分
の少なくとも一方に沿って設けた切り取り部で切り離す
と、秘匿すべき情報が露出して判読可能になる一方、ラ
ベル片の前記接着剤塗布部分は帳票類に対して接着後は
容易には剥離できないとともに、無理に剥離した場合に
は前記接着剤塗布部分あるいは帳票類が破損されるの
で、ラベル片の切り取り部が切断されているか否か、あ
るいは帳票類が破損されているか否かによって、秘匿す
べき情報が漏洩されたか、否かを知ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案の好適な実施例について、添付図面に基づ
き詳細に説明する。

ここにおいて、第１図乃至第５図は第１実施例を示し、
第１図は秘匿情報隠蔽用ラベル部材の断面図、第２図は
その平面図、第３図は秘匿すべき情報である定期預金残
高が表示された葉書の平面図、第４図は前記情報が台紙
から剥離されたラベル片で隠蔽された状態を示す平面
図、第５図は葉書からラベル片の一部を剥離した状態を
示す斜視図、第６図はラベル片の第２実施例を示す平面
図である。

まず、第１実施例における秘匿情報隠蔽用ラベル部材の
構成を第１図及び第２図に基づいて説明する。

不透明なラベル片１の幅方向端の一対の対向辺に沿っ
て、切り取り部たる一対の切り用ミシン目2a,2bが設け
られている。前記ラベル片１の裏面側には、前記一対の
切り用ミシン目2a,2bの内側に対応する部分に、一旦貼
着した後にも剥離が可能な弱接着な粘着剤３が塗布され
ている。また、前記一対の切り用ミシン目2a,2bの外側
に対応する部分には、通常では接着せず、湿気が付与さ
れると接着可能となり、前記粘着剤３より強接着な再湿
接着剤4a,4bが塗布されている。そして、前記ラベル片
１は、裏面に塗布した粘着剤３によって、幅が前記ラベ
ル片１よりも広く形成された連続状態にある台紙５に対
して、等間隔をおいて剥離自在に貼着されている。

ラベル片１の表面には、切り用ミシン目2a,2bの内側部
分に「このラベルをミシン目より切り取り残高を御確認
下さい。」の文章と、「○○銀行」という銀行名が、印
刷されている。この印刷は、前記ラベル片１を台紙５に
貼着した後、台紙５を一定方向に移送しながら施される
ものである。

次に、第３図に基づいて秘匿すべき情報である定期預金
残高が表示された葉書について説明する。

葉書６の表面には、その中央から右側部分に、「定期預
金残高通知」の表題の下に、秘匿すべき情報たる定期預
金残高があらかじめ印字された預金残高表示欄７が設け
られ、この欄７の大きさは、ラベル片１の粘着剤３塗布
部分よりも一回り小さく設定されている。また、前記葉
書６の表面における中央から左側部分には、情報を通知
すべき者の住所、氏名が印字された宛名印字部８が設け
られる一方、発信元である銀行名が印字された発信元印
字部９が設けられている。前記葉書６は、通常縦方向に
切り用ミシン目を介して連続状態にあり、この連続状態
において移送されつつ前述の預金残高表示欄７及び各印
字部8,9がコンピュータに連繋されたプリンタによって
印字形成されるものである。

本実施例は以上のような構成なので、ラベル片１を台紙
５から剥離した後、各再湿接着剤4a,4bに湿気を付与し
て接着可能状態とし、葉書６の預金残高表示欄７部分
に、粘着剤３塗布部分が対応するようにして接着すれ
ば、第４図に示したように、預金残高が隠蔽された状態
で、葉書６を投函可能となる。この第４図状態で葉書６
を受領した宛名人は、ラベル片１の表面に印刷された指
示にしたがって、各切り用ミシン目2a,2bから切り取る
と、前記各切り用ミシン目2a,2bの内側に対応する部分
には、剥離可能な貼着剤３が塗布されているので、第５
図に示したように、ラベル片１の前記各切り用ミシン目
2a,2bの内側部分は、葉書６から剥離されることにな
る。したがって、隠蔽されていた預金残高が露出し、宛
名人はこれを視認することができるものである。

一方、宛名人が葉書６を受領する前に、何者かが各切り
用ミシン目2a,2bを切り離してラベル片１を剥離した場
合には、一度切り離した各切り用ミシン目2a,2bを再接
着してラベル片１を再生することは不可能なので、前記
宛名人は自己の預金残高が秘匿状態にあるか、既に漏洩
状態にあるかを一目で判別可能である。また、各切り用
ミシン目2a,2bを切り離さずに、前記ラベル片１全体を
葉書６から剥離しようとすれば、前記各各切り用ミシン
目2a,2bの外側部分、あるいはこれに対応する葉書６の
部分が破損されるので、この場合にも前記宛名人は、自
己の預金残高が秘匿状態にあるか、既に漏洩状態にある
かは一目で判別可能である。

次ぎに、本考案の第２実施例を第６図に基づいて説明す
る。

本実施例のラベル片11は、第１実施例における一方の切
り用ミシン目2aを廃止し、切り用ミシン目2bに対応する
切り用ミシン目12bの内側に、平行に伸びる切り用ミシ
ン目12cを設け、各切り用ミシン目12b,12cの一端部のカ
ット部分を長くして、摘み部13を形成したものである。
その他の構成については、第１実施例と同様であるから
その説明は省略する。

本実施例によれば、摘み部13を指先で摘んで引き上げる
ことにより各切り用ミシン目12b,12cが破断される一
方、幅方向の他端部は接着状態を維持する。したがっ
て、破断した前記切り用ミシン目12cからラベル片11を
めくり上げれば、隠蔽されていた預金残高が露出するも
のである。本実施例におけるその他の作用については、
第１実施例と同様であるからその説明は省略する。

なお、本考案は上述した各実施例に限定されるものでは
なく、例えば、台紙５はラベル片1,11の少なくとも貼着
剤３塗布部分に対応する大きさを有していれば足りる。
また、ラベル片1,11は不透明であればその色彩を問うも
のではない。さらに、貼着後剥離が可能な粘着剤３は、
所定範囲の全面に塗布するほか、縞状に塗布したり、周
辺部にのみ塗布する等部分的に塗布してもよいものであ
る。またさらに、所定条件が付与されると接着可能にな
る接着剤としては、再湿接着剤4a,4bのほか、感熱接着
剤、感圧接着剤を用いることもできる。

〔効果〕

以上説明したところで明らかなように、本考案によれ
ば、不透明なラベル片を貼着されている台紙から容易、
かつ確実に剥離できるとともに、秘匿すべき情報を前記
ラベル片で確実に隠蔽でき、隠蔽後は前記ラベル片の一
部が剥離自在となるとともに切り取り部で切り離し自在
となるので、隠蔽状態を解除すべく、前記切り取り部で
切り離して前記ラベル片を剥離したときに、帳票類に表
示した隠蔽情報が一緒に剥ぎ取られて判読不能になるこ
とがないとともに、前記ラベル片は切り取り部を接着し
て再生することが不可能なので、秘匿すべき情報が漏洩
状態にあることを一目で判別可能であり、加えて、前記
ラベル片の一部は帳票類から剥離する必要がないので強
固に接着し得るという多くの有益な効果を奏し得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示すもので、第１図乃至第
５図は第１実施例を示し、第１図は秘匿情報隠蔽用ラベ
ル部材の断面図、第２図はその平面図、第３図は秘匿す
べき情報である定期預金残高が表示された葉書の平面
図、第４図は前記情報が台紙から剥離されたラベル片で
隠蔽された状態を示す平面図、第５図は葉書からラベル
片の一部を剥離した状態を示す斜視図、第６図はラベル
片の第２実施例を示す平面図である。 1,11……ラベル片、2a,2b,12b,12c……切り用ミシン
目、３……粘着剤、4a,4b……再湿接着剤、５……台
紙、６……葉書、７……預金残高表示欄、13……摘み部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】不透明なラベル片の一面側における少なく
   とも一対の対向辺に沿って、通常では接着せず所定の条
   件が付与されると接着可能となる接着剤を塗布し、これ
   ら接着剤塗布部分の少なくとも一方の内側に沿って切り
   取り部を設ける一方、前記接着剤塗布部分の内側部分の
   少なくとも一部には、前記接着剤よりも弱接着で貼着後
   剥離が可能な粘着剤を塗布し、前記ラベル片に対して、
   少なくとも前記粘着剤塗布部分に対応する大きさを有す
   る台紙を、前記粘着剤によって剥離自在に貼着したこと
   を特徴とする秘匿情報隠蔽用ラベル部材。