JPH0743550Y2 - 密封装置 - Google Patents

密封装置

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JPH0743550Y2
JPH0743550Y2 JP1989119040U JP11904089U JPH0743550Y2 JP H0743550 Y2 JPH0743550 Y2 JP H0743550Y2 JP 1989119040 U JP1989119040 U JP 1989119040U JP 11904089 U JP11904089 U JP 11904089U JP H0743550 Y2 JPH0743550 Y2 JP H0743550Y2
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JP
Japan
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seal
lip
groove
grooves
contact line
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JP1989119040U
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JPH0357563U (ja
Inventor
一郎 山根
武志 大森
Original Assignee
エヌオーケー株式会社
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  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は端面にシールリップが摺動自在に接触する端面
シールタイプの密封装置に関し、特にリップ摺動面にシ
ール性を高めるための溝を有するものに関する。
(従来の技術) 従来のこの種の密封装置としては、たとえば第6図に示
すようなものがある。すなわちこの密封装置100は互い
に同心的に相対回転自在に組付けられるハウジング101
とシャフト102との間をシールするもので、ハウジング1
01に装着されるシール本体103と、シャフト102に装着さ
れるスリンガー104とを備えている。シール本体103は、
スリンガー104の端面に摺動自在に接触する環状のシー
ルリップ105を有している。このシールリップ105が接触
する部位のシール性を高めるために、従来からスリンガ
ー104の端面に螺旋状の溝が設けられていた。この螺旋
状溝は第7図に示すようなリップ接触ライン(図示せ
ず)に対して一方向の角度で交差するような一方向溝10
7が一般的であるが、このような一方向溝107は一方向回
転に対しての密封性能しか持ち得ない。
そこで、第8図に示すように、リップ接触ライン106に
対して互いに逆向きの両方向の角度で交差する両方向溝
108を設けたものが提案されている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら上記した従来技術の場合には、一方向溝10
7の場合には逆回転時の際のシール漏れが大きい。また
両方向溝108の場合には正、逆両回転に対してある程度
のシール性を満足させ得るが、静止時におけるシール漏
れが大きくなるという問題があった。
そして、本考案者等の研究によって、この静止漏れ量
は、各溝108のリップ接触ライン106に対する交差角度α
と、溝108の断面形状、特にその開き角度による影響が
大きいということがわかった。
本考案は上記した従来技術の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、溝とリップ接触
ラインとの交差角度および溝断面の開き角度を適切な値
に設定することにより、正逆回転時のシール漏れおよび
静止時のシール漏れを最小限に抑え得る密封装置を提供
することにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本考案にあっては、互いに
同心的に相対回転自在に組付けられる2部材間をシール
するもので、一方の部材に装着される第1のシール部材
と、他方の部材に装着される第2のシール部材とを有
し、第1のシール部材には第2のシール部材の端面に摺
動自在に密封接触する円環状のシールリップを備え、第
2のシール部材の端面に第1のシール部材のシールリッ
プが接する円形のリップ接触ラインに対して所定角度で
もって交差する溝を円周方向に複数設け、該複数の溝に
はリップ接触ラインに対して互いに逆向きに交差する溝
が含まれている密封装置において、前記溝とリップ接触
ラインとのなす角度をαとして、αを、0<α≦20°の
範囲に設定し、さらに溝の断面の開き角度をθとして、
θを、150±10°の範囲に設定して成ることを特徴とし
ている。
(作用) 上記構成の密封装置にあっては、溝のリップ接触ライン
に対する交差角度を小さくすることおよび断面の開き角
度を大きくすることにより、シールリップが溝へ食い込
み、密封対象流体側と外部側との隙間流路が狭くて長く
なる。したがって、静止時に密封対象流体側に密封対象
流体が充満していても、密封対象流体はこの隙間流路に
よって漏出が阻止される。
(実施例) 以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明する。本考
案の一実施例に係る密封装置を示す第1図乃至第4図に
おいて、10は密封装置全体を示しており、概略第1シー
ル部材としてのシール本体1と、第2シール部材として
のスリンガー2と、から構成されている。このシール本
体1はハウジング3の軸孔31内周に嵌着固定され、スリ
ンガー2はハウジング3の軸孔31に同心的に挿入される
シャフト4に一体的に嵌着固定されている。
スリンガー2はシール本体1に対して密封対象流体0側
に配置され、シール本体1の密封対象流体側端面と軸方
向に所定間隔だけ隔てて対面している。そして、シール
本体1には、スリンガー2の端面21に対して摺動自在に
密封接触するシールリップ5が設けられている。このシ
ールリップ5は円環状のゴム状弾性体製で、軸方向密封
対象流体側に向って徐々に末広がり状に傾斜して延びて
おり、そのリップ先端がスリンガー2の端面21に摺動自
在に接触している。
そして、スリンガー端面21のリップ摺動部6には、正逆
両方向の回転に対しての密封方向をもつように、円形の
リップ接触ライン7に対して互いに逆向きに交差する順
方向溝81と、逆方向溝82とが円周方向に交互に複数設け
られている。この実施例では互いに隣り合う順方向溝81
と逆方向溝82とを一組として、三組の順方向および逆方
向溝81,82が等配されている。そして各組の順方向溝81
と逆方向溝82の、リップ接触ライン7に対して外側端部
同士を連続させてあり、また内側の端部同士は不連続と
している。もっとも各順方向溝81と逆方向溝82を全て不
連続にしてもよく、完全につないで連続的にしてもよ
い。
そして、順方向溝81および逆方向溝82と、リップ接触ラ
イン7との交差角度αは、0<α≦20°の範囲、特に10
°内外とすることが好ましい。
また、各溝81,82の断面形状は、第2図に示すように三
角形状で、その開き角度θは、150°±10°の範囲に設
定されている。この断面形状については、三角形状に限
らず、逆台形状としてもよく、要するに開放側に傾斜し
て開いた形状であればよい。
また、各順方向および逆方向の溝81,82は、この実施例
では円弧状に形成されていて、外側端部にて連続させて
いることから、平面形状が花弁状を呈している。もっと
も、円弧状に限るものではなく、直線的にしてもよく、
要はシールリップ5の接触部の当り方、すなわちリップ
接触ライン7と溝81,82との交差角度αおよび断面の開
き角度θがポイントとなる。
上記構成の密封装置にあってはスリング2の端面のリッ
プ摺動部6に順方向溝81と逆方向溝82を設けることによ
り、正逆両方向の回転シールを図ることができるばかり
か、静止状態におけるシール漏れをも防止することがで
きた。これは、順方向および逆方向溝81,82とリップ接
触ライン7との成す角度αが10°付近とごく小さく、し
かも、断面の開き角度θが150°付近と大きくなってい
るので、シールリップ5が各溝81,82に食い込む長さが
長くなり、その結果その間に形成される隙間流路が狭く
かつ長くなるために、シール漏れを阻害する作用をなす
ためである。
第1表にはリップ摺動部に設ける溝の種々のパターンと
逆転漏れと静止漏れの実験例を示している。
尚、実験条件は次の通りである。
逆転時油漏れ(逆転漏れ)計測の際の実験条件は、軸偏
心:0.2mmT.I.R、取付偏心:0.2mmT.I.R、油種:ギヤオイ
ル#80、油温:100〜130℃、油圧:大気圧、油量:軸中
心油浴(軸の中心までの量)、軸回転数:500〜2000r.p.
mである。また、静止時油漏れ(静止漏れ)計測の際の
実験条件は、油温:常温、軸回転数:0r.p.mで、その他
の条件は上記逆転漏れ計測の際の条件と同じである。
このうち試料Xは第5図(a)に示すような従来の4条
の一方向溝のタイプ、試料Yは第5図(b)に示すよう
な従来の両方向溝を16本設けたタイプ、試料Aは第5図
(c)に示すような試料Yの溝数を半分に減らして8本
としたタイプ、試料Bは第5図(d)に示すようにさら
に6本に減らしたタイプ、試料Cは第5図(e)に示す
ように試料Bの溝の深さを浅くしたタイプ、試料Dは第
5図(f)に示すように試料Cの溝数を半分に3本にし
たタイプ、試料Eが第5図(g)に示すように本願考案
のタイプである。
この第1表に示されるように、試料Y〜Dのものは両方
向のシール漏れを防止できる。そして、静止漏れを見る
と、溝数を減らして溝とリップ接触ラインとの交差角度
が小さくなる程、静止漏れが小さくなっていることが解
る。
尚、この実施例ではシール本体1には樹脂製のリップ9
を組付けて外部大気側のダスト侵入を防止すると共に、
スリンガー2のシャフト嵌合部22に対して近接する補助
リップ1aが設けられている。もっとも、本考案の密封装
置は図示例のシール本体1およびスリンガー2の形状に
限定されるものでは無く、要するに端面シールを構成す
るシールリップ5を有する密封装置に広く適用できるも
のである。
(考案の効果) 本考案は以上の構成および作用を有するもので、リップ
摺動面に設けた溝のリップ接触ラインとの交差角度を0
〜20°の範囲に設定し、かつ溝断面の開き角度を150°
±10°の範囲内に設定したので、シールリップが溝に喰
い込んでシールリップと溝との隙間流路が狭く長くな
り、正逆回転時のシール漏ればかりか静止時のシール漏
れをも効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は本考案の一実施例に係る密封装置を
示しており、第1図は第2シール部材としてのスリンガ
端面の平面図、第2図は第1図の溝のII−II線断面図、
第3図は第1図の溝とリップ接触ラインとの交差部の拡
大図、第4図は装置全体の要部縦断面図、第5図はスリ
ンガ端面に形成した溝の各種パターンの平面図、第6図
は従来の密封装置の要部縦断面図、第7図は第6図のス
リーブ端面に設けた一方向溝の例を示す平面図、第8図
は第6図のスリーブ端面に設けた両方向溝の例を示す平
面図である。 符号の説明 1……シール本体(第1シール部材) 2……スリンガー(第2シール部材) 3……ハウジング、4……シャフト 5……シールリップ、6……リップ摺動部 7……リップ接触ライン 81,82……順方向,逆方向溝 0……密封対象流体

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに同心的に相対回転自在に組付けられ
    る2部材間をシールするもので、一方の部材に装着され
    る第1のシール部材と、他方の部材に装着される第2の
    シール部材とを有し、第1のシール部材には第2のシー
    ル部材の端面に摺動自在に密封接触する円環状のシール
    リップを備え、第2のシール部材の端面に第1のシール
    部材のシールリップが接する円形のリップ接触ラインに
    対して所定角度でもって交差する溝を円周方向に複数設
    け、該複数の溝にはリップ接触ラインに対して互いに逆
    向きに交差する溝が含まれている密封装置において、 前記溝とリップ接触ラインとのなす角度をαとして、α
    を、0<α≦20°の範囲に設定し、さらに溝の断面の開
    き角度をθとして、θを、150°±10°の範囲に設定し
    て成ることを特徴とする密封装置。
JP1989119040U 1989-10-11 1989-10-11 密封装置 Expired - Lifetime JPH0743550Y2 (ja)

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