JP2018200090A - 密封装置 - Google Patents

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吉村 健一
Kenichi Yoshimura
健一 吉村
敬之 櫻井
Noriyuki Sakurai
敬之 櫻井
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Abstract

【課題】回転時の摺動抵抗の低減および非回転時における密封対象物の漏洩を防止する。【解決手段】密封装置(1)は、密封装置本体(2)とスリンガ(3)とを備え、密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環(10)と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている軸線周りに環状の弾性体部(20)と、を有し、スリンガは、外周側に向かって延びる軸線周りに環状の部分であるフランジ部(31)を有し、弾性体部は、軸線方向において一方の側に向かって延びる、フランジ部に軸線方向において他方の側の面に接触する軸線周りに環状のリップである端面リップ(21)を有し、スリンガのフランジ部の他方の側の面(31d)には、周方向に間隔をあけて外周端縁(31e)に連通する複数の溝(33,43)が形成されており、周方向に隣接する溝同士は、溝を横切る径方向に沿った直線に交差する方向に沿って互いに異なる方向に延在している。【選択図】図4

Description

本発明は、軸とこの軸が挿入される孔との間の密封を図るための密封装置に関する。
車両や汎用機械等において、例えば潤滑油等の密封対象物の漏洩の防止を図るために、軸とこの軸が挿入される孔との間を密封するために従来から密封装置が用いられている。このような密封装置においては、シールリップを軸に又は軸に取りけられる環状部材に接触させることにより軸と密封装置との間の密封を図っている。密封のためのこのシールリップの軸との接触は軸に対する摺動抵抗(トルク抵抗)ともなっている。近年、車両等の低燃費化の要求から、密封装置には、軸に対する摺動抵抗の低減が求められており、密封性能を維持又は向上させつつ軸に対する摺動抵抗の低減を図ることができる構造が求められている。
密封装置の密封性能の向上にはシールリップの数を増やすことが考えられるが、シールリップの数を増やすことにより摺動抵抗が上昇してしまう。これに対して、シールリップの増加による密封ではなく、シールリップが接触するスリンガに溝を設け、スリンガの回転時の遠心力と溝のポンプ作用により大気側の空気と一緒に油等の密封対象物を密封対象側へ送ることによりシール性を向上させたものがある。また、シールリップとスリンガとの接触部分から滲み出た密封対象物についても、スリンガの回転時の遠心力と溝のポンプ作用により密封対象側へ戻すことができる。このように、溝のポンプ作用によって密封装置の密封性能の向上を図る構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平2−113173号公報
このようなポンプ作用を利用した従来の密封装置においては、密封性能の向上を図りつつ摺動抵抗の低減を図ることができる。しかしながら、このような密封装置では、スリンガの非回転時には、当該スリンガの溝を伝って密封対象物が大気側へ漏洩してしまう場合がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、回転時の摺動抵抗の低減を図るとともに非回転時における密封対象物の静止漏れを防止し得る密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、前記孔に嵌着される密封装置本体と、
前記軸に取り付けられるスリンガと、を備え、前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている軸線周りに環状の弾性体部と、を有しており、前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、前記弾性体部は、軸線方向において一方の側に向かって延びる、前記フランジ部に前記軸線方向において他方の側の面に接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、前記スリンガの前記フランジ部の前記他方の側の面には、周方向に間隔をあけて外周端縁に連通する複数の溝が形成されており、周方向に隣接する溝同士は、前記溝を横切る径方向に沿った直線に交差する方向に沿って互いに異なる方向に延在していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記溝は、該溝に隣接する二つの溝のうち少なくとも一方と前記外周端縁以外の箇所で連通されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記溝は、外周端縁における該溝の端部を通る接線と該溝の延在方向に沿った直線とのなす角度が鋭角となる吸い込み溝と、外周端縁における該溝の端部を通る接線と該溝の延在方向に沿った直線とのなす角度が鈍角となる吐き出し溝と、を有しており、前記吸い込み溝と前記吐き出し溝とが交互に形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記端面リップは、前記溝に接触していることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記溝は、断面視V字状に形成されていることを特徴とする。
本発明に係る密封装置によれば、回転時の摺動抵抗の低減を図るとともに非回転時における密封対象物の静止漏れを防止し得る密封装置を実現することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置がハウジングおよび軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における密封装置の部分拡大断面図である。 図1に示す密封装置におけるスリンガのフランジ部だけを外側から見た状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るスリンガのフランジ部の構成を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るスリンガのフランジ部の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置において非回転時、または、回転時の端面リップとスリンガとの接触状態の説明に供する略線図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスリンガのフランジ部だけを外側から見た状態を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るスリンガのフランジ部の構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、密封装置1の概略構成を示すための軸線xに沿う断面における断面図である。図2は、密封装置1の軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。図3は、密封装置がハウジングおよび軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における密封装置の部分拡大断面図である。
密封装置1は、軸とこの軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るものであり、車両や汎用機械において、軸とハウジング等に形成されたこの軸が挿入される孔(軸孔)との間を密封するために用いられる。例えば、エンジンのクランクシャフトとフロントカバーやシリンダブロック及びクランクケースに形成されている軸孔であるクランク孔との間の環状の空間を密封するために用いられる。なお、密封装置1が適用される対象は、上記に限られない。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向(軸線方向において一方の側)を内側とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向(軸線方向において他方の側)を外側とする。より具体的には、内側とは、密封対象空間の側(密封対象物側)であり潤滑油等の密封対象物が存在する空間の側であり、外側とは内側とは反対の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
図1に示すように、密封装置1は、取付対象としての孔に嵌着される密封装置本体2と、取付対象としての軸に取り付けられるスリンガ3と、を備えている。
(密封装置本体)
密封装置本体2は、軸線x周りに環状に形成された補強環10と、補強環10に取り付けられ、弾性体から形成されており、軸線x周りに環状に形成された弾性体部20と、を備えている。
補強環10は、図1、図2に示すように、軸線xを中心又は略中心として環状に形成された金属製の部材であり、ハウジングの軸孔に密封装置本体2が圧入されて嵌め込まれ、嵌着されるように形成されている。補強環10を形成する金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。補強環10は、例えば、プレス加工や鍛造によって製造されている。
補強環10は、例えば、外周側に位置する筒状の部分である筒部11と、筒部11の外側の端部から内周側に延びる中空円盤状の部分である円盤部12と、円盤部12の内周側の端部から内側且つ内周側へ延びる円錐筒状の環状の部分である錐環部13と、錐環部13の内側又は内周側の端部から内周側へ径方向に延びて補強環10の内周側の端部に至る中空円盤状の部分である円盤部14とを有している。
筒部11は、より具体的には、外周側に位置する円筒状又は略円筒状の部分である外周側円筒部11aと、外周側円筒部11aよりも外側及び内周側において延びる円筒状又は略筒状の部分である内周側円筒部11bと、外周側円筒部11aと内周側円筒部11bとを接続する部分である接続部11cと、を有している。筒部11の外周側円筒部11aは、密封装置本体2がハウジング100(図3)の軸孔101に嵌着された際に、密封装置本体2の軸線xと軸孔101の軸線との一致が図られるように、軸孔101に嵌め込まれる。補強環10には、略外周側及び外側から弾性体部20が取り付けられており、当該補強環10により弾性体部20を補強している。
弾性体部20は、補強環10に取り付けられており、スリンガ3及び軸孔101の内周面101aに接触している。
弾性体部20を形成する弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成形によって成形される。この架橋成形の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20と補強環10とが一体的に成形される。
弾性体部20は、図1,2に示すように、補強環10の円盤部14の内周側の端の部分に取り付けられている部分である基体部25と、補強環10の筒部11に外周側から取り付けられている部分であるガスケット部26と、基体部25とガスケット部26との間において外側から補強環10に取り付けられている部分である後方カバー部27と、を有している。
ガスケット部26は、より具体的には、図2に示すように、補強環10の筒部11の内周側円筒部11bに取り付けられている。また、ガスケット部26の外径は、軸孔101を画成する内周面101a(図3参照)の径よりも大きくなっている。このため、密封装置本体2が軸孔101に嵌着された場合、ガスケット部26は、補強環10の内周側円筒部11bと軸孔101との間で径方向に圧縮され、軸孔101と補強環10の内周側円筒部11bとの間を密封する。これにより、密封装置本体2と軸孔101との間が密封される。ガスケット部26は、軸線x方向全体に亘って外径が軸孔101の内周面の径よりも大きくなっていなくてもよく、一部において外径が軸孔101の内周面の径よりも大きくなっていてもよい。例えば、ガスケット部26の外周側の面に、先端の径が軸孔101を画成する内周面101aの径よりも大きい環状の凸部が形成されていてもよい。
また、弾性体部20において、端面リップ21は、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から内側(矢印a方向)に向かって延びており、密封装置1が取付対象において所望の位置に取り付けられた使用状態において、そのリップ先端部であるスリンガ接触部22aが所定の締め代を持ってスリンガ3のフランジ部31に外側(矢印b方向側)から接触するように形成されている。端面リップ21は、例えば、軸線x方向において内側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。つまり、図1、図2に示すように、端面リップ21は、軸線xに沿う断面(以下、単に断面ともいう。)において、基体部25から内側及び外周側に、軸線xに対して斜めに延びている。
また、弾性体部20は、ダストリップ28と中間リップ29とを有している。ダストリップ28は、基体部25から軸線xに向かって延びるリップであり、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってスリンガ3に外周側から接触するように形成されている。ダストリップ28は、例えば、軸線x方向において外側(矢印b方向)に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有している。ダストリップ28は、使用状態において、密封対象物側とは反対側である外側からダストや水分等の異物が密封装置1の内部に侵入することの防止を図っている。ダストリップ28は、密封装置1の使用状態においてスリンガ3と接触しないように形成されていてもよい。
中間リップ29は、図2に示すように、基体部25から断面略L字型に内側へ向かって延びるリップであり、軸線x方向を中心または略中心として円環状に基体部25から延びており、基体部25との間に内側に向かって開放する環状の凹部を形成している。中間リップ29は、密封装置1の使用状態においてスリンガ3と接触していない。中間リップ29は、使用状態において、端面リップ21とスリンガ3とが接触するスリンガ接触部22aを越えて密封対象物が内部に滲み入った場合に、この滲み入った密封対象物がダストリップ28側へ流れ出すことの防止を図るために形成されている。中間リップ29は、軸線x方向において内側に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有していてもよい。中間リップ29は、その先端がスリンガ3に接触するように形成されていてもよい。
上述のように、弾性体部20は、端面リップ21、基体部25、ガスケット部26、後方カバー部27、ダストリップ28、及び中間リップ29を有しており、各部分は一体となっており、弾性体部20は同一の材料から一体に形成されている。
(スリンガ)
スリンガ3は、密封装置1の使用状態において軸に取り付けられる環状の部材であり、軸線xを中心又は略中心とする円環状の部材である。スリンガ3は、断面が略L字状の形状を有しており、外周側(矢印c方向)に向かって延びる軸線x周りに環状の部分であるフランジ部31と、フランジ部31の内周側の端部に接続する軸線x方向に延びる筒状又は略筒状の筒部34と、を有している。
フランジ部31は、具体的には、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の内周側円盤部31aと、内周側円盤部31aよりも外周側において広がっている径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の外周側円盤部31bと、内周側円盤部31aの外周側の端部と外周側円盤部31bの内周側の端部とを接続する接続部31cと、を有している。外周側円盤部31bは、内周側円盤部31aよりも軸線x方向において外側に位置している。なお、フランジ部31の形状は、上述の形状に限られるものではなく、適用対象に応じて種々の形状とすることができる。例えば、フランジ部31は、内周側円盤部31a及び接続部31cを有しておらず、外周側円盤部31bが筒部34まで延びており筒部34に接続しており、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の部分であってもよい。
スリンガ3において、端面リップ21に接触する部分であるリップ接触部32は、フランジ部31において、外周側円盤部31bの外側に面する面である外側面31dに位置している。外側面31dは径方向に広がる平面に沿う面であることが好ましい。
図4は、図1に示す密封装置1におけるスリンガ3のフランジ部31(特に外周側円盤部31b)だけを外側から見た状態を示す斜視図である。図5は、スリンガ3のフランジ部31(外周側円盤部31b)の構成を示す平面図である。図6は、スリンガ3のフランジ部31(外周側円盤部31b)の構成を示す断面図である。
図4〜図6に示すように、フランジ部31の外周側円盤部31bにおける外側面31dには、複数の溝33がスリンガ3の外周方向にわたって間隔をあけて形成されている。各溝33は、一方の端部がスリンガ3の外周端縁31eに連通されており、他方の端部が内周端縁31nにまで到達しないように、平面視直線状で断面視V字状に形成されている。各溝33は、スリンガ3の径方向に交差する方向に延在するように形成されている。すなわち、各溝33は、スリンガ3において溝33を横切る径方向に沿った直線に交差する方向に沿って直線状に形成されている。各溝33の幅は、一方の端部から他方の端部に向かって一定であるが、一方の端部から他方の端部に向かって狭まるように形成してもよいし、広がるように形成してもよい。また、各溝33の深さは、一方の端部から他方の端部に向かって一定であるが、一方の端部から他方の端部に向かって浅くなるように形成してもよいし、深くなるように形成してもよい。なお、溝33は、周方向にわたって合計24個設けられているが、これに限るものではなく、溝33がポンプ作用を働かせる程度に応じて24個より多くてもよく、また少なくてもよい。
複数の溝33は、それぞれ隣接する二つの溝33同士が他方の端部(内周側の端部)において連通されており、溝33内の空間が繋がっている。すなわち、隣接する溝33は、互いに異なる方向に延在し、内周側に向かうにつれて徐々に接近して、端部において接続されている。なお、隣接する二つの溝33は、他方の端部で連通されている場合に限らず、外周端縁以外の箇所で連通されていればよい。これにより、連通された二つの溝33は、図5に示すように、平面視した際にV字状に形成されている。これら複数の溝33の存在により、スリンガ3が回転した際に、当該複数の溝33が設けられている領域(ポンプ領域)においてポンプ作用(ポンプ効果)を発生させることが可能となる。
フランジ部31の外側面31dにおいて、溝33は、リップ接触部32よりも内周側から当該リップ接触部32よりも外周側の外周端縁31eに到達するように形成されている。端面リップ21のスリンガ接触部22aは、複数の溝33を交差して横切るような位置でフランジ部31の外側面31dに接触するため、ポンプ領域の中に常に位置することになる。
具体的には、図4、図5に示すように、フランジ部31の外側面31dには、リップ接触部32よりも内周側から当該リップ接触部32よりも外周側の外周端縁31eに到達した状態で、直線状に延びる複数の山部33yが形成されている。またフランジ部31の外側面31dには、互いに隣接する複数の山部33y間の中心に位置し、内周側から外周端縁31eに到達した状態で、直線状に延びる複数の谷部33tと、が形成されている。すなわち、溝33は、2つの山部33yと1つの谷部33tにより構成されている。
溝33は、互いに隣接する2つの山部33yと、その中心に位置する1つの谷部33tとにより断面視V字状の断面形状を有している。溝33のV字を形成する内側の角度を内角αと定義した場合、その内角αとしては約175度〜179.5度程度であればよく、少なくとも、例えば、170度以上180度未満であればよい。ただし、溝33の断面形状は、V字状に限定されるものではなく、例えば、U字状等であってもよい。
ここで、山部33yの高さは、フランジ部31の外側面31dと同じである一方、谷部33tの高さはフランジ部31の外側面31dよりも低くなっている。したがって、溝33の山部33yとフランジ部31の外側面31dとは面一である。ただし、これに限るものではなく、谷部33tの高さがフランジ部31の外側面31dと同じであって、山部33yの高さがフランジ部31の外側面31dより高くてもよい。
筒部34は、図2に示すように、少なくとも部分的に、円筒状又は略円筒状の部分である円筒部35を有しており、この円筒部35は軸に嵌着可能に形成されている。つまり、円筒部35が軸に締り嵌め可能となるように、円筒部35の内径が軸の外周面の径よりも小さくなっている。スリンガ3は、円筒部35が軸に締り嵌めされることにより固定されるものに限られず、筒部34において軸に接着されて固定されるものであってもよく、他の公知の固定方法によって軸に固定されるものであってもよい。なお、筒部34は、その全体が円筒部35によって形成されているものであってもよい。
スリンガ3は、金属材料を基材として作られており、例えば、SPCC(冷間圧延鋼)を基材とし、SPCCにリン酸塩皮膜処理が施されて防錆処理がなされて作られている。リン酸塩皮膜処理としては、例えばリン酸亜鉛皮膜処理がある。防錆性能の高いスリンガ3により、端面リップ21に対する摺動部であるフランジ部31のリップ接触部32に錆が発生することを抑制することができ、端面リップ21の密封機能や密封性能を長く維持することができる。また、錆が発生することにより、溝33の形状が変化することを抑制することができ、溝33の発揮するポンプ効果の低減を抑制することができる。スリンガ3の基材としては、ステンレス等の耐錆性、防錆性に優れている他の金属が用いられてもよい。また、スリンガ3の基材の防錆処理は、金属メッキ等の他の処理であってもよい。
次いで、上述の構成を有する密封装置1の作用について説明する。
図3に示すように、ハウジング100は、例えば、エンジンのフロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースであり、軸孔101は、フロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースに形成されたクランク孔である。また、軸102は、例えば、クランクシャフトである。
図3に示すように、密封装置1の使用状態において、密封装置本体2は軸孔101に圧入されて軸孔101に嵌着されており、スリンガ3は軸102に締り嵌めされて軸102に取り付けられている。より具体的には、補強環10の外周側円筒部11aが軸孔101の内周面101aに接触して、密封装置本体2の軸孔101に対する軸心合わせが図られ、また、弾性体部20のガスケット部26が軸孔101の内周面101aと補強環10の内周側円筒部11bとの間で径方向に圧縮されてガスケット部26が軸孔101の内周面101aに密着して、密封装置本体2と軸孔101との間の密封が図られている。また、スリンガ3の円筒部35が軸102に圧入され、円筒部35の内周面35aが軸102の外周面102aに密着し、軸102にスリンガ3が固定されている。
密封装置1の使用状態において、弾性体部20の端面リップ21が、その内周面22の先端側の部分であるスリンガ接触部22aにおいて、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bの外側面31dの部分であるリップ接触部32と接触するように、密封装置本体2とスリンガ3との間の軸線x方向における相対位置が決められている。また、ダストリップ28は先端側の部分においてスリンガ3の筒部34に外周側から接触している。ダストリップ28は、例えば、スリンガ3の円筒部35の外周面35bに接触している。
このように、密封装置1の使用状態において、端面リップ21は、スリンガ接触部22aにおいて、フランジ部31のリップ接触部32と接触しており、端面リップ21及びスリンガ3は、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32を越えて密封対象物側からフランジ部31と端面リップ21との間の空間である挟空間Sに潤滑油等の密封対象物が滲み出ることの防止を図っている。また、ダストリップ28はスリンガ3の筒部34に接触しており、外部から内部への異物の進入の防止を図っている。
また、密封装置1の使用状態において、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bに形成された複数の溝33は、軸(スリンガ3)が回転した場合にポンプ作用をもたらす。すなわち、スリンガ3(軸102)の回転により、フランジ部31と端面リップ21との間の挟空間Sにおいて、スリンガ接触部22a及びリップ接触部32近傍の領域に複数の溝33によるポンプ作用が生じる。
このポンプ作用により、密封対象物側から密封対象物が挟空間Sに滲み出た場合であっても、滲み出た密封対象物が挟空間Sからスリンガ接触部22a及びリップ接触部32を越えて密封対象物側に戻される。このように、スリンガ3のフランジ部31に形成された複数の溝33が生ずるポンプ作用により、挟空間Sへの密封対象物の滲み出が抑制されている。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1において非回転時、または、回転時の端面リップ21とスリンガ3との接触状態の説明に供する略線図である。
図7(A)に示すように、密封装置1において、スリンガ3の非回転時では、端面リップ21が所定の締め代でフランジ部31の外側面31dに押し付けられたとき、溝33の山部33yおよび谷部33tにより形成された断面V字の形状に追従するように端面リップ21のスリンガ接触部22aが弾性変形し、リップ接触部32との密着状態が形成される。スリンガ3の非回転時においては、端面リップ21のスリンガ接触部22aと、フランジ部31のリップ接触部32との密着状態が形成されることにより、密封対象物の挟空間Sに対する滲み出しを防止し、静止漏れを抑制することができる。
ここで、端面リップ21の締め代や、溝33の内角α、端面リップ21の材質等の他の種々の要因によって端面リップ21のスリンガ接触部22aとフランジ部31のリップ接触部32との密着状態は変化するため、所定の締め代において密着可能な条件が満たされていることを前提とする。
したがって、スリンガ3の非回転時においては、端面リップ21のスリンガ接触部22aとフランジ部31のリップ接触部32との接触面の密着状態が維持されているため、密封対象物側から密封対象物が挟空間Sに滲み出すことを未然に防止することができ、ひいては、挟空間Sから密封対象物がダストリップ28から大気側へ漏洩することを防止することができる。すなわち、密封装置1においては、非回転時における密封性能を維持することができる。
一方、図7(B)に示すように、密封装置1において、スリンガ3の回転時(アイドリング回転状態を含む)では、フランジ部31の回転により端面リップ21のスリンガ接触部22aが断面V字の形状に追従できなくなり、山部33yおよび谷部33tから端面リップ21が矢印の方向へ離間して浮き上がる。
しかしながら、フランジ部31の回転時には複数の溝33によるポンプ作用が働いているため、密封対象物側から挟空間Sに滲み出た密封対象物は、ポンプ領域のポンプ作用により密封対象物側へ戻されることになる。この場合、端面リップ21のスリンガ接触部22aがフランジ部31のリップ接触部32から離間しているため、摺動抵抗が格段に低減され、低トルク化を実現することができる。すなわち、密封装置1においては、回転時における密封性能を維持しながらも低トルク化を実現することができる。
このように、第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、スリンガ3における複数の溝33によるポンプ作用を利用した場合であっても、回転時の密封対象物の滲み出を抑制し、かつ、回転時の摺動抵抗の低減を図るとともに、非回転時における密封対象物の静止漏れを防止することができる。
また、隣接する溝33は、互いに異なる方向に延在しているため、一方の溝33で密封対象物をうまく導けなくても、他方の溝33で密封対象物をフランジ部31のリップ接触部32との接触面に導くことができるので、当該接触面に十分な量の密封対象物を供給することができ、弾性体部20とスリンガ3との潤滑性能を向上させることができる。さらに、隣接する溝33は、一方の端部(内周側)で連通されているため、溝33内での密封対象物の循環を向上させることができる。
また、スリンガ3の回転時に、一方の溝33においては、密封対象物が密封対象物側から接触面方向に入り込みやすく、他方の溝33においては、密封対象物が挟空間S側から接触面方向に入り込みやすく、さらに、遠心力の作用により、密封対象物側に密封対象物を案内するので、フランジ部31のリップ接触部32との接触面に十分な量の密封対象物を供給することができ、弾性体部20とスリンガ3との潤滑性能を向上させつつ挟空間S側への滲みだしを抑制することができる。
また、スリンガ3の回転時に、スリンガ3の回転方向上流側で密封対象物に対向する溝と回転方向下流側で密封対象物に対向する溝とを交互に形成しているので、スリンガ3がどちらの方向に回転しても、隣接する双方の溝33,33で密封対象物の吸い込みと吐き出しを行うことができる。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図9、図10に示すように、第2の実施の形態に係るスリンガ3のフランジ部31は、上述の第1の実施の形態に係るスリンガ3のフランジ部31と基本構造が同じであるが、溝43の構成が異なっている。以下では、第1の実施の形態と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
図9、図10に示すように、溝43は、フランジ部31の外周側円盤部31bにおいて、リップ接触部32よりも内周側から当該リップ接触部32よりも外周側の外周端縁31eに到達するように直線状に形成されている。すなわち、溝43は、この場合も、端面リップ21のスリンガ接触部22aは、複数の溝43を交差して横切るような位置で接触されるため、ポンプ領域の中に位置することになる。
溝43は、外周端縁31eにおける該溝43の端部を通る接線L1と該溝43の延在方向に沿った直線とがスリンガ3の回転方向R上流側においてなす角度θ1が鋭角となる吸い込み溝44と、外周端縁31eにおける該溝43の端部を通る接線L2と該溝43の延在方向に沿った直線とがスリンガ3の回転方向R上流側においてなす角度θ2が鈍角となる吐き出し溝45と、を有しており、これらの溝43は、スリンガ3の外周端縁31eにわたって吸い込み溝44と吐き出し溝45とが交互に形成されている。なお、溝43は、吸い込み溝44と吐き出し溝45とが一つずつ交互に形成される場合に限らず、複数個の吸い込み溝44を連続して形成し、次いで複数個の吐き出し溝45を連続して形成してもよい。すなわち、吸い込み溝44のセットと吐き出し溝45のセットを交互に形成してもよい。この場合、吸い込み溝44と吐き出し溝45の個数は同数であることが好ましい。
吸い込み溝44は、外周端縁31eにおける開口部がスリンガ3の回転方向下流側に対向するように形成されている。すなわち、吸い込み溝44は、スリンガ3の回転方向と逆方向に向かうにつれて外周端縁31eから内周端縁31nに近づくように形成されており、スリンガ3の回転時に、密封対象物が密封対象物側から接触面方向に入り込みやすくなるように密封対象物を案内する。
一方、吐き出し溝45は、スリンガ3の回転方向上流側に対向するように形成されている。すなわち、吐き出し溝45は、スリンガ3の回転方向と逆方向に向かうにつれて内周端縁31nから外周端縁31eに近づくように形成されており、スリンガ3の回転時に、密封対象物が挟空間S側から接触面方向に入り込みやすく、さらに、遠心力の作用により、密封対象物側に密封対象物を案内するので、フランジ部31のリップ接触部32との接触面に十分な量の密封対象物を供給することができ、弾性体部20とスリンガ3との潤滑性能を向上させつつ挟空間S側への滲みだしを抑制することができる。
各溝44,45は、一方の端部がスリンガ3の外周端縁31eに連通されており、他方の端部が内周端縁にまで到達しないように、平面視直線状で断面視V字状に形成されている。各溝44,45は、スリンガ3の径方向に交差する方向に延在するように形成されている。すなわち、隣接する溝44と溝45は、互いに異なる方向に延在し、スリンガ3において各溝44,45を横切る径方向に沿った直線に交差する方向に沿って直線状に形成されている。各溝44,45の幅は、一方の端部から他方の端部に向かって一定であるが、一方の端部から他方の端部に向かって狭まるように形成してもよいし、広がるように形成してもよい。また、各溝44,45の深さは、一方の端部から他方の端部に向かって一定であるが、一方の端部から他方の端部に向かって浅くなるように形成してもよいし、深くなるように形成してもよい。
吸い込み溝44と吐き出し溝45は、外周端縁31eで互いに隣接しており、内周側に向かうにつれて徐々に離間するように形成されている。したがって、吸い込み溝44と吐き出し溝45は、第1の実施の形態における溝43のように互いに連通されていない。
これら複数の溝44,45の存在により、スリンガ3が回転した際に、当該複数の溝44,45が設けられている領域(ポンプ領域)においてポンプ作用(ポンプ効果)を発生させることが可能となる。
具体的には、フランジ部31の外側面31dには、リップ接触部32よりも内周側から当該リップ接触部32よりも外周側の外周端縁31eに到達した状態で、直線状に延びる複数の山部44y,45yが形成されている。また、フランジ部31の外側面31dには、互いに隣接する複数の山部44y,45y間の中心に位置し、内周側から外周端縁31eに到達した状態で、直線状に延びる複数の谷部44t,45tと、が形成されている。すなわち、吸い込み溝44は、2つの山部44yと1つの谷部44tにより構成されており、吐き出し溝45は、2つの山部45yと1つの谷部45tにより構成されている。
各溝44,45は、互いに隣接する2つの山部44y,45yと、その中心に位置する1つの谷部44t,45tと、により断面視V字状の断面形状を有している。溝44,45のV字を形成する内側の角度を内角αと定義した場合、その内角αとしては約175度〜179.5度程度であればよく、少なくとも、例えば、170度以上180度未満であればよい。ただし、各溝44,45の断面形状は、V字状に限定されるものではなく、例えば、U字状等であってもよい。
ここで、山部44y,45yの高さは、フランジ部31の外側面31dと同じである一方、谷部44t,45tの高さはフランジ部31の外側面31dよりも低くなっている。したがって、溝44,45の山部44y,45yとフランジ部31の外側面31dとは面一である。ただし、これに限るものではなく、谷部44t,45tの高さがフランジ部31の外側面31dと同じであって、山部44y,45yの高さがフランジ部31の外側面31dより高くてもよい。
なお、この場合も、複数の溝44,45の存在により、スリンガ3の外周側円盤部31bが軸回転方向(図中反時計回り方向)に回転した際に、当該複数の溝44,45が設けられているポンプ領域においてポンプ作用を発生させることが可能である。
また、溝44,45は、周方向にわたって合計8個設けられているが、これに限るものではなく、溝44,45がポンプ作用を働かせる程度に応じて8個より多くてもよく、また少なくてもよい。
このように、第2の実施の形態によれば、スリンガ3における複数の溝44,45によるポンプ作用を利用した場合であっても、回転時の密封対象物の滲み出を抑制し、かつ、回転時の摺動抵抗の低減を図るとともに、非回転時における密封対象物の静止漏れを防止することができる。
また、スリンガ3の回転時に、吸い込み溝44においては、密封対象物が密封対象物側から接触面方向に入り込みやすく、吐き出し溝45においては、密封対象物が挟空間S側から接触面方向に入り込みやすく、さらに、遠心力の作用により、密封対象物側に密封対象物を案内するので、フランジ部31のリップ接触部32との接触面に十分な量の密封対象物を供給することができ、弾性体部20とスリンガ3との潤滑性能を向上させつつ挟空間S側への滲みだしを抑制することができる。
また、吸い込み溝44と吐き出し溝45を交互に形成しているので、スリンガ3がどちらの方向に回転しても、双方の溝44,45で密封対象物の吸い込みと吐き出しを行うことができる。
<その他>
上述した第1及び第2の実施の形態においては、平面視直線状に延びる溝33,43を対象としているが、本発明はこれに限らず、内周側から外周端縁31eにまで到達する溝であれば、波形状、ジグザグ状等のその他種々の形状で延びる溝であってもよい。
また、上述した第1及び第2の実施の形態においては、密封装置1において、弾性体部20は、ダストリップ28及び中間リップ29を有しているとしたが、弾性体部20は、ダストリップ28及び中間リップ29を有していなくてもよく、ダストリップ28及び中間リップ29のいずれか一方のみを有していてもよい。
また、第1及び第2の実施の形態に係る密封装置1は、エンジンのクランク孔に適用されるものとしたが、本発明に係る密封装置の適用対象はこれに限られるものではなく、他の車両や汎用機械、産業機械等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
1……密封装置、2……密封装置本体、3……スリンガ、10……補強環、11……筒部、11a……外周側円筒部、11b……内周側円筒部、11c……接続部、12,14……円盤部、13……錐環部、20……弾性体部、21……端面リップ、22……内周面、22a……スリンガ接触部、25……基体部、26……ガスケット部、27……後方カバー部、28……ダストリップ、29……中間リップ、31……フランジ部、31a……内周側円盤部、31b……外周側円盤部、31c……接続部、31d……外側面、31e……外周端縁、32……リップ接触部、33……溝、34……筒部、35……円筒部、35a……内周面、35b……外周面、43……溝、44……吸い込み溝、45……吐き出し溝、100……ハウジング、101……軸孔、101a……内周面、102……軸、102a……外周面、S……挟空間、x……軸線。

Claims (5)

  1. 軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、
    前記孔に嵌着される密封装置本体と、
    前記軸に取り付けられるスリンガと、を備え、
    前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている軸線周りに環状の弾性体部と、を有しており、
    前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、
    前記弾性体部は、軸線方向において一方の側に向かって延びる、前記フランジ部に前記軸線方向において他方の側の面に接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、
    前記スリンガの前記フランジ部の前記他方の側の面には、周方向に間隔をあけて外周端縁に連通する複数の溝が形成されており、
    周方向に隣接する溝同士は、前記溝を横切る径方向に沿った直線に交差する方向に沿って互いに異なる方向に延在していることを特徴とする密封装置。
  2. 前記溝は、該溝に隣接する二つの溝のうち少なくとも一方と前記外周端縁以外の箇所で連通されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記溝は、外周端縁における該溝の端部を通る接線と該溝の延在方向に沿った直線とのなす角度が鋭角となる吸い込み溝と、外周端縁における該溝の端部を通る接線と該溝の延在方向に沿った直線とのなす角度が鈍角となる吐き出し溝と、を有しており、
    前記吸い込み溝と前記吐き出し溝とが交互に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  4. 前記端面リップは、前記溝に接触していることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の密封装置。
  5. 前記溝は、断面視V字状に形成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の密封装置。
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