JP2020063813A - 密封装置 - Google Patents

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Hisato YONAI
寿斗 米内
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Abstract

【課題】密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる密封構造を提供する。【解決手段】密封装置1は密封装置本体2とスリンガ3とを備えている。密封装置本体2は補強環10と弾性体部20とを有している。スリンガ3はフランジ部31を有している。弾性体部20は、フランジ部31に外側から接触する端面リップ21を有している。端面リップ21は、外側から内側に向かって延びる部分であるシールリップ部22と、外周側に向かって外側に傾いてシールリップ部22から延びる部分である制御リップ部23とを有している。制御リップ部23は、制御リップ部23の外周側端部23aにおいて補強環10に内周側から接触するように形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、軸とこの軸が挿入される孔との間の密封を図るための密封装置に関する。
車両や汎用機械等において、例えば潤滑油等の密封対象物の漏洩の防止を図るために、軸とこの軸が挿入される孔との間を密封するために従来から密封装置が用いられている。このような密封装置においては、シールリップを軸に又は軸に取りつけられた環状部材に接触させることにより軸と密封装置との間の密封を図っている。密封のためのこのシールリップの軸との接触は軸に対する摺動抵抗(トルク抵抗)ともなっている。近年、車両等の低燃費化の要求から、密封装置には、軸に対する摺動抵抗の低減が求められており、密封性能を維持又は向上させつつ軸に対する摺動抵抗の低減を図ることができる構造が求められている。
密封装置の密封性能の向上にはシールリップの数を増やすことが考えられるが、シールリップの数を増やすことにより摺動抵抗が上昇してしまう。これに対して、シールリップの増加による密封ではなく、スリンガのフランジ部に接触する端面リップを設けることにより、密封性能の向上及び摺動抵抗の低下を図れる所謂端面シール型の密封装置が開示されている。端面シール型の密封装置には、スリンガのフランジ部にネジ構造を設けて、このネジ構造が発揮するポンプ作用によって密封装置の密封性能の向上を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2015/190450号
上述のような密封装置には、自動車用エンジンのクランクシャフトのシール用部材として用いられるものがある。自動車用エンジンには、密封対象物側であるクランクケース内を負圧にするものがある。従来の密封装置は、密封対象物側が負圧になった場合に、端面リップの先端がスリンガのフランジ部の外側面から浮き上がってしまい、端面リップの先端とスリンガの外側面との間に間隙が生じて密封性能が低下しまうことが考えられる。このように、従来の端面シール型の密封装置に対しては、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下することがない構成が求められている。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる密封装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る密封装置は、軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、前記孔に嵌着される密封装置本体と、前記軸に取り付けられるスリンガとを備え、前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線周りに環状の弾性体部とを有しており、前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、前記弾性体部は、前記フランジ部に前記軸線方向において一方の側から接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、前記端面リップは、前記一方の側から前記軸線方向において他方の側に向かって延びる部分であるシールリップ部と、外周側に向かって前記一方の側に傾いて前記シールリップ部の前記他方の側の端部から延びる部分である制御リップ部とを有しており、前記制御リップ部は、該制御リップ部の外周側の端部において前記補強環に内周側から接触するように形成されていることを特徴とする。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記制御リップ部に、該制御リップ部を貫通する貫通孔が少なくとも1つ設けられている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記貫通孔は、前記制御リップ部の前記外周側の端部に、前記制御リップ部の内周側の端部側に凹む溝を形成する貫通孔である。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記端面リップの厚さは、前記シールリップ部と前記制御リップ部とが接続する部分において、近傍する部分よりも薄くなっている。
本発明の一態様に係る密封装置において、前記補強環は、前記軸線に沿って延びる筒状の部分である筒部を有しており、前記制御リップの前記外周側の端部は、前記補強環の前記筒部に内周側から接触するように形成されている。
本発明に係る密封装置によれば、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための、軸線に沿う断面における断面図である。 図1に示す密封装置の概略構成を示すための、軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図1に示す密封装置におけるスリンガを外側から見た図である。 本発明の第1の実施の形態に係る密封装置がハウジング及び軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における密封装置の部分拡大断面図である。 図4に示す使用状態においてハウジング内が負圧となった場合の密封装置の状態を示す密封装置の部分拡大断面図である。 図4に示す使用状態においてハウジング内が正圧となった場合の密封装置の状態を示す密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための、軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。 図7に示す密封装置の軸線xに沿う断面を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る密封装置がハウジング及び軸孔に挿入された軸に取り付けられた使用状態における密封装置の部分拡大断面図である。 図9に示す使用状態においてハウジング内が負圧となった場合の密封装置の状態を示す密封装置の部分拡大断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る密封装置の概略構成を示すための、軸線に沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る密封装置について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示すための、軸線xに沿う断面における断面図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1の概略構成を示すための、軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。本実施の形態に係る密封装置1は、軸とこの軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であり、車両や汎用機械において、軸とハウジング等に形成されたこの軸が挿入される孔(軸孔)との間を密封するために用いられる。密封装置1は、例えば、エンジンのクランクシャフトとフロントカバーやシリンダブロック及びクランクケースに形成されている軸孔であるクランク孔との間の環状の空間を密封するために用いられる。なお、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1が適用される対象は、上記に限られない。
以下、説明の便宜上、軸線x方向において矢印a(図1参照)方向側を内側(他方の側)とし、軸線x方向において矢印b(図1参照)方向側を外側(一方の側)とする。より具体的には、内側とは、密封対象空間の側(密封対象物側)であり潤滑油等の密封対象物が存在する空間の側であり、外側とは内側とは反対の側である。また、軸線xに垂直な方向(以下、「径方向」ともいう。)において、軸線xから離れる方向(図1の矢印c方向)を外周側とし、軸線xに近づく方向(図1の矢印d方向)を内周側とする。
本実施の形態に係る密封装置1は、後述する取付対象の孔に嵌着される密封装置本体2と、軸に取り付けられるスリンガ3とを備えている。密封装置本体2は、軸線x周りに環状の補強環10と、補強環10に取り付けられている弾性体から形成されている軸線x周りに環状の弾性体部20とを有している。スリンガ3は、外周側(矢印c方向)に向かって延びる軸線x周りに環状の部分であるフランジ部31を有している。弾性体部20は、フランジ部31に軸線x方向において一方の側(外側、矢印b方向側)から接触する軸線x周りに環状のリップである端面リップ21を有している。端面リップ21は、外側から軸線x方向において他方の側(内側)に向かって延びる部分であるシールリップ部22と、外周側(矢印c方向)に向かって外側に傾いてシールリップ部22の内側の端部(内側端部22a)から延びる部分である制御リップ部23とを有している。制御リップ部23は、制御リップ部23の外周側の端部(外周側端部23a)において補強環10に内周側(矢印d方向側)から接触するように形成されている。以下、密封装置1の構造を具体的に説明する。
密封装置本体2において補強環10は、図1,2に示すように、軸線xを中心又は略中心とする環状の金属製の部材であり、後述するハウジングの軸孔に密封装置本体2が圧入されて嵌合されて嵌着されるように形成されている。補強環10は、例えば、外周側に位置する軸線xに沿って延びる筒状の部分である筒部11と、筒部11の外側の端部から内周側に延びる中空円盤状の部分である円盤部12と、円盤部12の内周側の端部から内側且つ内周側へ延びる円錐状の環状の部分である錐環部13と、錐環部13の内側又は内周側の端部から内周側へ径方向に延びて補強環10の内周側の端部に至る中空円盤状の部分である円盤部14とを有している。補強環10の筒部11は、より具体的には、外周側に位置する円筒状又は略円筒状の部分である外周側円筒部11aと、外周側円筒部11aよりも外側及び内周側において延びる円筒状又は略筒状の部分である内周側円筒部11bと、外周側円筒部11aと内周側円筒部11bとを接続する部分である接続部11cとを有している。筒部11の外周側円筒部11aは、密封装置本体2が後述するハウジングの軸孔に嵌着された際に、密封装置本体2の軸線xと軸孔の軸線との一致が図られるように、軸孔に嵌め込まれるように形成されている。補強環10には、略外周側及び外側から弾性体部20が取り付けられており、弾性体部20を補強している。
弾性体部20は、図1,2に示すように、補強環10の円盤部14の内周側の端の部分に取り付けられている部分である基体部25と、補強環10の筒部11に外周側から取り付けられている部分であるガスケット部26と、基体部25とガスケット部26との間において外側から補強環10に取り付けられている部分である後方カバー部27とを有している。ガスケット部26は、より具体的には、図2に示すように、補強環10の筒部11の内周側筒部11bに取り付けられている。また、ガスケット部26の外径は、後述する軸孔51の内周面51a(図5参照)の径よりも大きくなっている。このため、密封装置本体2が後述する軸孔51に嵌着された場合、ガスケット部26は、補強環10の内周側筒部11bと軸孔51との間で径方向に圧縮され、軸孔51と補強環10の内周側筒部11bとの間を密封する。これにより、密封装置本体2と軸孔51との間が密封される。ガスケット部26は、軸線x方向全体に亘って外径が軸孔51の内周面51aの径よりも大きくなっていなくてもよく、一部において外径が軸孔51の内周面51aの径よりも大きくなっていてもよい。例えば、ガスケット部26の外周側の面に、先端の径が軸孔51の内周面51aの径よりも大きい環状の凸部が形成されていてもよい。
また、弾性体部20において、端面リップ21は、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、上述のように、シールリップ部22と、制御リップ部23とを有している。端面リップ21は、密封装置1が取付対象において所望の位置に取り付けられた後述する密封装置1の使用状態において、内周側に面する面が所定の締め代(スリンガ接触部24)を持ってスリンガ3のフランジ部31に外側から接触するように形成されている。
シールリップ部22は、基体部25から延びており、本実施の形態においては、密封装置1の使用状態において、内側端部22aが所定の締め代(スリンガ接触部24)を持ってスリンガ3のフランジ部31に外側から接触するように形成されている。つまり、スリンガ接触部24は、シールリップ部22の内側に面する面(内側面22b)の内側端部22aの部分に形成されている。シールリップ部22は、具体的には、内側に向かって外周側に傾いて延びており、例えば、軸線x方向において内側(矢印a方向)に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。つまり、図1,2に示すように、シールリップ部22は、軸線xに沿う断面(以下、単に断面ともいう。)において、基体部25から内側及び外周側に、軸線xに対して斜めに延びている。
制御リップ部23は、シールリップ部22の内側端部22aから外周側に向かって外側(矢印b方向)に傾いて延びており、外周側端部23aにおいて補強環10の筒部11に内周側から接触するように形成されている。制御リップ部23は、具体的には、外周側に向かって外側に傾いて延びており、例えば、軸線x方向において外側に向かうに連れて拡径する円錐筒状の形状を有している。つまり、図1,2に示すように、制御リップ部23は、断面において、シールリップ部22の内側端部22aから外周側及び外側に、軸線xに対して斜めに延びている。また、制御リップ部23は、密封装置1の使用状態において、外周側端部23aの内側の部分が補強環11の外周側筒部11aの内周側に面する面(内周面11d)に所定の締め代を持って接触するように形成されている。
また、弾性体部20は、ダストリップ28と中間リップ29とを有している。ダストリップ28は、基体部25から軸線xに向かって延びるリップであり、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、後述する密封装置1の使用状態において、先端部が所定の締め代を持ってスリンガ3に外周側から接触するように形成されている。ダストリップ28は、例えば、軸線x方向において外側(矢印b方向)に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有している。ダストリップ28は、使用状態において、密封対象物側とは反対側である外側からダストや水分等の異物が密封装置1の内部に侵入することの防止を図っている。ダストリップ28は、密封装置1の使用状態においてスリンガ3と接触しないように形成されていてもよい。
中間リップ29は、図2に示すように、基体部25から断面略L字型に内側に向かって延びるリップであり、軸線xを中心又は略中心として円環状に基体部25から延びており、基体部25との間に内側に向かって開放する環状の凹部を形成している。中間リップ29は、後述する密封装置1の使用状態において、スリンガ3と接触していない。中間リップ29は、使用状態において、端面リップ21のスリンガ3と接触するスリンガ接触部24を越えて密封対象物が内部に滲み入った場合に、ダストリップ28側へ流れ出すことの防止を図るために形成されている。図示の例では、この滲み入った密封対象物の基体部25との間に形成された凹部内への収容を図る形状に中間リップ29は形成されている。中間リップ29は、他の形状であってもよく、例えば軸線x方向において内側に向かうに連れて縮径する円錐筒状の形状を有していてもよい。中間リップ29は、その先端がスリンガ3に接触するように形成されていてもよい。
上述のように、弾性体部20は、端面リップ21、基体部25、ガスケット部26、後方カバー部27、ダストリップ28、及び中間リップ29をその部分として有している。各部分は一体となっており、弾性体部20は同一の材料から一体に形成されている。
上述の補強環10は、金属材から形成されており、この金属材としては、例えば、ステンレス鋼やSPCC(冷間圧延鋼)がある。また、弾性体部20の弾性体としては、例えば、各種ゴム材がある。各種ゴム材としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)、フッ素ゴム(FKM)等の合成ゴムである。
補強環10は、例えばプレス加工や鍛造によって製造され、弾性体部20は成形型を用いて架橋(加硫)成型によって成形される。この架橋成型の際に、補強環10は成形型の中に配置されており、弾性体部20が架橋接着により補強環10に接着され、弾性体部20と補強環10とが一体的に成形される。
スリンガ3は、後述する密封装置1の使用状態において軸に取り付けられる環状の部材であり、軸線xを中心又は略中心とする円環状の部材である。スリンガ3は、断面が略L字状の形状を有しており、フランジ部31と、フランジ部31の内周側の端部に接続する軸線x方向に延びる筒状又は略筒状の筒部34とを有している。また、スリンガ3のフランジ部31の外側には少なくとも1つの溝33が形成されている。
フランジ部31は、具体的には、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の内周側円盤部31aと、内周側円盤部31aよりも外周側において広がっている径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の外周側円盤部31bと、内周側円盤部31aの外周側の端部と外周側円盤部31bの内周側の端部とを接続する接続部31cとを有している。外周側円盤部31bは、内周側円盤部31aよりも軸線x方向において外側に位置している。フランジ部31の外周側の端部、つまり外周側円盤部31bの外周側の端部(外周側端部31e)は、補強環10の筒部11よりも内周側に位置しており、図2に示すように、密封装置1の使用状態において、補強環10の筒部11とフランジ部31の外周側円盤部31bとの間には、環状の隙間である間隙gが形成されるようになっている。なお、フランジ部31の形状は、上述の形状に限られるものではなく、適用対象に応じて種々の形状とすることができる。例えば、フランジ部31は、内周側円盤部31a及び接続部31cを有しておらず、外周側円盤部31bが筒部34まで延びており筒部34に接続しており、筒部34から径方向に延びる中空円盤状の又は略中空円盤状の部分であってもよい。
スリンガ3が端面リップ21に接触する部分であるリップ接触部32は、フランジ部31において、外周側円盤部31bの外側に面する面である外側面31dに位置するようになっている。外側面31dは径方向に広がる平面に沿う面であることが好ましい。また、図3に示すように、フランジ部31の外側面31dには、内側に凹む凹部によって溝33が形成されている。溝33は、例えばネジ溝である。この溝33により、スリンガ3が回転した際に、ポンプ作用を発生させることができる。フランジ部31の外側面31dにおいて、溝33は、リップ接触部32よりも内周側からリップ接触部32よりも外周側の領域に亘って形成されている。溝33は、外周側円盤部31bの外側面31dにおいて内周側の端部から外周側の端部まで延びて形成されていてもよく、リップ接触部32を含む外側面31dの径方向の一部の幅の領域(周面)に形成されていてもよい。また、溝33は、外周側円盤部31bの外側面31dにおいて、リップ接触部32よりも内周側に位置していてもよい。フランジ部31の外側面31dには、例えば複数の溝33が形成されており、フランジ部31の外側面31dには、図3に示すように、例えば4つのネジ状の溝33が形成されており、これら4つのネジ状の溝33は4条ネジを形成している。溝33の個数や溝33が延びて描く形状は4条ネジではなく他のものであってもよい。溝33は、例えば、円錐面に形成された螺旋状のネジ溝をこの円錐面の軸線に直交する平面に投影した際にこの平面に描かれる線に沿った形状となっている。なお、スリンガ3は、フランジ部31に溝33を有していないものであってもよい。
また、スリンガ3において、筒部34は、図2に示すように、少なくとも部分的に、円筒状又は略円筒状の部分である円筒部35を有しており、この円筒部35は軸に嵌着可能に形成されている。つまり、円筒部35が軸に締り嵌め可能となるように、円筒部35の内径が軸の外周面の径よりも小さくなっている。スリンガ3は、円筒部35が軸に締り嵌めされることにより固定されるものに限らず、筒部34において軸に接着されて固定されるものであってもよく、他の公知の固定方法によって軸に固定されるものであってもよい。なお、筒部34は、その全体が円筒部35によって形成されているものであってもよい。
スリンガ3は、金属材料から作られており、例えば、SPCC(冷間圧延鋼)を基材とし、SPCCにリン酸塩皮膜処理が施されて防錆処理がなされて作られている。リン酸塩皮膜処理としては、例えばリン酸亜鉛皮膜処理がある。防錆性能の高いスリンガ3により、端面リップ21に対する摺動部であるリップ接触部32に錆が発生することを抑制することができ、端面リップ21の密封機能や密封性能を長く維持することができる。また、錆が発生することにより、溝33の形状が変化することを抑制することができ、溝33の発揮するポンプ効果の低減を抑制することができる。スリンガ3の基材としては、ステンレス等の耐錆性、防錆性に優れている他の金属が用いられてもよい。また、スリンガ3の基材の防錆処理は、金属メッキ等の他の処理であってもよい。
次いで、上述の構成を有する密封装置1の作用について説明する。図4は、密封装置1が取付対象としてのハウジング50及びこのハウジング50に形成された貫通孔である軸孔51に挿入された軸52に取り付けられた使用状態における密封装置1の部分拡大断面図である。図4に示す使用状態は、密封対象物側の空間S1に負圧及び正圧が発生していない、空間S1とは反対側の外気側の空間S2と同じ大気圧となっている状態(以下、無負荷状態ともいう。)である。ハウジング50は、例えばエンジンのフロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースであり、軸孔51は、フロントカバー、又はシリンダブロック及びクランクケースに形成されたクランク孔である。また、軸52は、例えば、クランクシャフトである。
図4に示すように、密封装置1の使用状態において、密封装置本体2は軸孔51に圧入されて軸孔51に嵌着されており、スリンガ3が軸52に締り嵌めされて軸52に取り付けられている。より具体的には、補強環10の外周側筒部11aが軸孔51の内周面51aに接触して、密封装置本体2の軸孔51に対する軸心合わせが図られ、また、弾性体部20のガスケット部26が軸孔51の内周面51aと補強環10の内周側筒部11bとの間で径方向に圧縮されてガスケット部26が軸孔51の内周面51aに密着して、密封装置本体2と軸孔51との間の密封が図られている。また、スリンガ3の円筒部35が軸52に圧入され、円筒部35の内周面35aが軸52の外周面52aに密着し、軸52にスリンガ3が固定されている。
密封装置1の使用状態において、弾性体部20の端面リップ21が、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bの外側面31dの部分であるリップ接触部32に接触するように、密封装置本体2とスリンガ3との間の軸線x方向における相対位置が決められている。具体的には、使用状態において、シールリップ部22の内側端部22aの内側面22bの部分がリップ接触部32に接触しており、シールリップ部22の内側端部22aの内側面22bの部分が、リップ接触部32に接触するスリンガ接触部24となっている。また、ダストリップ28は先端側の部分においてスリンガ3の筒部34に外周側から接触している。ダストリップ28は、例えば、スリンガ3の円筒部35の外周面35bに接触している。
このように、密封装置1の使用状態において、端面リップ21のシールリップ部22は、スリンガ接触部24において、フランジ部31のリップ接触部32にスリンガ3が摺動可能に接触しており、シールリップ部22及びスリンガ3は、スリンガ接触部24及びリップ接触部32を越えて密封対象物側から内部に潤滑油等の密封対象物が滲み出ることの防止を図っている。また、ダストリップ28はスリンガ3の筒部34が摺動可能に筒部34に接触しており、外部から内部への異物の進入の防止を図っている。
また、密封装置1の使用状態において、端面リップ21の制御リップ部23は、その先端である外周側端部23aにおいて、補強環10の筒部11の外周側筒部11aの内周面11dに接触している。このように、使用状態において、制御リップ部23の外周側端部23aは全周に亘って筒部11に内周側から接触しており、制御リップ部23は、補強環10の外周側円筒部11aとスリンガ3のフランジ部31の外周側端部31eとの間に形成されている環状の間隙gを、外側から覆っている。つまり、使用状態において制御リップ部23は、間隙gを外側から閉鎖しており、間隙gを介した密封対象物側の空間S1と、端面リップ21と補強環10とによって囲まれる空間(空間S3)との間の気体の連通の防止が図られている。
また、図4に示すように、使用状態において、ハウジング50内(密封対象物側の空間S1)に負圧又は正圧が発生していない場合は、制御リップ部23は外力が働いていない状態(自由状態)の姿勢又は略自由状態における姿勢をしており、制御リップ部23は自由状態の形状から変形していないか又は略変形していない。このため、無負荷状態において、制御リップ部23からシールリップ部22には力が加えられていないか又は殆ど力が加えられていない(応力が発生していない)。
また、密封装置1の使用状態において、スリンガ3のフランジ部31の外周側円盤部31bに形成された4条ネジを形成する溝33は、軸(スリンガ3)の回転により、フランジ部31とシールリップ部22との間の空間である挟空間Sにおいて、スリンガ接触部24及びリップ接触部32近傍の領域にポンプ作用が生じる。このポンプ作用により、密封対象物側から密封対象物が挟空間Sに滲み出た場合であっても、滲み出た密封対象物が挟空間Sからスリンガ接触部24及びリップ接触部32を越えて密封対象物側に戻される。このように、スリンガ3のフランジ部31に形成された溝33が生ずるポンプ作用により、挟空間Sへの密封対象物の滲み出が抑制されている。
一方、使用状態において、ハウジング50内(空間S1)がハウジング外(空間S2)よりも負圧になって、ハウジング50内に負圧が発生している場合、図5に示すように、間隙gを外側から閉鎖する端面リップ21の制御リップ部23には、ハウジング50内に制御リップ部23を吸引する力(吸引力Fn)が作用する。制御リップ部23はシールリップ部22の内側端部22aから外周側に向かって外側に傾いており、また、制御リップ部23の外周側端部23aは全周に亘って円筒部11に内周側から接触しているので、制御リップ部23に吸引力Fnが作用しても、制御リップ部23の外周側端部23aは円筒部11に接触したままであり、制御リップ部23による間隙gの閉鎖は維持され、制御リップ部23は間隙g側に引っ張られる。この時、制御リップ部23は、例えば図5に示すように、間隙gに向かって出っ張ったような形状に湾曲する。外周側端部23aと筒部11との接触を維持したまま吸引力Fnによって制御リップ部23はシリンダヘッド50内に向かって吸引されるので、制御リップ部23が接続するシールリップ部22の内側端部22aもシリンダヘッド50側に引っ張られ、シールリップ部22のスリンガ接触部24がフランジ部31のリップ接触部32に押し付けられる。このように、使用状態においてハウジング50内に負圧が発生した場合、この負圧によってスリンガ接触部24がリップ接触部32により強く押し付けられる。このため、ハウジング50内の負圧発生時に、端面リップ21のシール性能は無負荷状態よりも向上する。
また、使用状態において、ハウジング50内(空間S1)がハウジング外(空間S2)よりも正圧になって、ハウジング50内に正圧が発生している場合、図6に示すように、間隙gを外側から閉鎖する端面リップ21の制御リップ部23には、ハウジング50内から制御リップ23を押す力(押圧力Fp)が作用する。この押圧力Fpによって制御リップ部23は外側に倒れ、制御リップ部23と筒部11との接触が解除される。制御リップ部23と筒部11との接触が解除されると、空間S3が空間S1に連通され、空間S3内もハウジング50内と同様に正圧となる。これにより、シールリップ部22の外側面22cには正圧が作用し、シールリップ部22は図6に示すように押圧力Fpによってスリンガ3のフランジ部31側に押され、シールリップ部22のスリンガ接触部24はリップ接触部32に押し付けられる。この時、シールリップ部22は、図6に示すように、スリンガ3に向かって出っ張ったような形状に湾曲する。一方、制御リップ部23の内側面23b及び外側面23cには、押付力Fpが作用し、制御リップ部23は外側に倒れた姿勢に保持され、制御リップ部23と筒部11との接触は解除されたままとなる。このように、使用状態においてハウジング50内に正圧が発生した場合、この正圧によってスリンガ接触部24がリップ接触部32により強く押し付けられる。このため、ハウジング50内の正圧発生時に、端面リップ21のシール性能は無負荷状態よりも向上する。なお、制御リップ部23の外側面23cは、内側面23bに背向する面であり、制御リップ部23の外側に面する面である。また、シールリップ部22の外側面22cは、内側面22bに背向する面であり、シールリップ部22の外側に面する面である。
上述のように、密封装置1によれば、ハウジング50内が負圧になっている場合、制御リップ部23がハウジング50内へ引っ張られ、シールリップ部22のスリンガ接触部24がより強くフランジ部31のシール接触部32に押し付けられる。このため、ハウジング50内の負圧発生時に、端面リップ21とスリンガ3との間のシール性能を無負荷状態よりも向上させることができ、密封性能の低下を防止することができる。
また、密封装置1によれば、ハウジング50内が正圧になっている場合、制御リップ部23が外側に向かって倒され、正圧がシールリップ部22の外側面22cに作用して正圧がシールリップ部22をスリンガ3側に押す。これにより、シールリップ部22のスリンガ接触部24がより強くフランジ部31のシール接触部32に押し付けられる。このため、ハウジング50内の正圧発生時に、端面リップ21とスリンガ3との間のシール性能を無負荷状態よりも向上させることができ、密封性能の低下を防止することができる。
上述のように、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1によれば、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる。
次いで、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5の概略構成を示すための、軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図であり、図8は、図7に示す密封装置2の断面を示す斜視図である。本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、端面リップの形態が異なる。以下、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5について、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1と同一又は同様の機能を有する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図7に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5の密封装置本体6は、密封装置本体2とは弾性体部の形態が異なり、弾性体部40を有している。弾性体部40は、密封装置1の弾性体部20とは端面リップの形態が異なり、弾性体部40は、密封装置20の端面リップ21とは異なる制御リップ部42を有している端面リップ41を有している。制御リップ部42には、制御リップ部42を貫通する貫通孔43が少なくとも1つ設けられている。制御リップ部42は、貫通孔43が設けられている点で上述の制御リップ部23とは異なる。貫通孔43は、制御リップ部42の内側面42cと外側面42dとの間を貫通する孔であり、ハウジング50内の空間S1と端面リップ41と補強環10によって形成する空間S3とを連通する孔である。
具体的には、図7,8に示すように、貫通孔43は、制御リップ部42の外周側の端部(外周側端部42a)に、制御リップ部42の内周側の端部(内周側端部42b)側に凹む溝を形成する貫通孔である。貫通孔43は、制御リップ部42の外周側端部42aに等角度間隔に又は略等角度間隔に複数設けられている。貫通孔43は、1つだけ設けられていてもよく、また、図示のように溝を形成するものではなく、閉ざされた環状の周面を形成する孔であってもよい。また、貫通孔43は、制御リップ部42の内部等の他の部分に設けられていてもよい。
次いで、上述の構成を有する密封装置5の作用について説明する。図9は、使用状態における密封装置5の部分拡大断面図である。使用状態において密封装置5は、上述の密封装置1の使用状態と同様にハウジング50及び軸52に取り付けられる。無負荷状態において、制御リップ部42の外周側端部42aは、密封装置1の制御リップ部23と同様に、全周に亘って筒部11に内周側から接触しているが、貫通孔43が形成されている部分には空間S1と空間S3とを連通する隙間が形成されている。つまり、使用状態において制御リップ部42は、間隙gを外側から閉鎖しているが、制御リップ部23とは異なり、間隙gを介した密封対象物側の空間S1と空間S3との間の気体の連通の防止は図られていない。
使用状態において、ハウジング50内(S1)に負圧が発生した場合、制御リップ部42の内側面42cには、制御リップ部23と同様に(図5参照)、制御リップ部42を吸引する吸引力Fnが作用し、制御リップ部42は、制御リップ部23と同様に間隙g側に引っ張られる。これにより、シールリップ部22のスリンガ接触部24がフランジ部31のリップ接触部32に押し付けられる。しかしながら、制御リップ部42には貫通孔43が形成されているため、負圧発生後、空間S1と空間S3の圧力は平衡状態となり、制御リップ部43の姿勢は無負荷状態の姿勢に戻り、制御リップ部43が吸引力Fnによって引っ張られることによってスリンガ接触部24がリップ接触部32に押し付けられる力がなくなる。また、この時、空間S3内は負圧となっており、図10に示すように、シールリップ部22には、シールリップ部22を空間S3側に引っ張る吸引力Fnが作用する。このため、スリンガ接触部24もリップ接触部32から離れる方向に引っ張られるが、制御リップ部42の外周側端部42aが補強環10の筒部11に接触しているため、制御リップ部42がシールリップ部22をスリンガ3のフランジ部31側に押し付ける。このため、空間S3内が負圧になったとしても、吸引力Fpによってフランジ部31から浮き上がろうとするシールリップ部22を制御リップ部23がこの吸引力Fnに抗してフランジ部31に押し付けるので、シールリップ部22がフランジ部31から浮き上がることがなく、スリンガ接触部24とリップ接触部32との間の接触が維持される。このように、密封装置5においては、使用状態においてハウジング50内に負圧が発生した場合でも、端面リップ21とスリンガ3との間のシール性能が低下することを防止することができる。また、密封装置5においては、負圧発生時のスリンガ接触部24とリップ接触部32との間の面圧を、密封装置1よりも低減することができ、負圧発生時の端面リップによる摺動抵抗を密封装置1よりも低減することができる。
一方、使用状態において、ハウジング50内(S1)に正圧が発生した場合、制御リップ部42の内側面42cには、制御リップ部23と同様に(図6参照)、制御リップ部42を押す吸圧力Fpが作用し、制御リップ部42は、制御リップ部23と同様に外側に倒れ、制御リップ部42と筒部11との接触が解除される。しかしながら、制御リップ部42には貫通孔43が形成されているため、正圧発生後、空間S1と空間S3の圧力は平衡状態となり、制御リップ部43の姿勢は無負荷状態の姿勢に戻り、制御リップ部43が押圧力Fpによって外側に倒れることはなくなる(図6参照)。また、空間S3は正圧となり、シールリップ部22の外側面22cに押圧力Fpが作用するため、シールリップ部22のスリンガ接触部24はリップ接触部32に押し付けられる。このように、使用状態においてハウジング50内に正圧が発生した場合、この正圧によってスリンガ接触部24がリップ接触部32により強く押し付けられる。このため、ハウジング50内の正圧発生時に、端面リップ41のシール性能は無負荷状態よりも向上する。
上述のように、本発明の第2の実施の形態に係る密封装置5によれば、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる。
次いで、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置7について説明する。図11は、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置7の概略構成を示すための、軸線xに沿う断面の一部を拡大して示す部分拡大断面図である。本発明の第3の実施の形態に係る密封装置7は、上述の本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1に対して、端面リップの形態が異なる。以下、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置7について、本発明の第1の実施の形態に係る密封装置1と同一又は同様の機能を有する構成については同一の符号を付してその説明を省略し、異なる部分について説明する。
図11に示すように、本発明の第3実施の形態に係る密封装置7の密封装置本体8は、密封装置本体2とは弾性体部の形態が異なり、弾性体部45を有している。弾性体部45は、密封装置1の弾性体部20とは端面リップの形態が異なり、弾性体部45は、密封装置1の端面リップ21とは異なる端面リップ46を有している。端面リップ46の厚さは、シールリップ部22と制御リップ部23とが接続する部分(接続部46a)において、近傍の部分よりも薄くなっている。
具体的には、図11に示すように、接続部46aにおいて、端面リップ46の外側に面する面(外側面46b)の部分に、内側に凹む溝47が形成されており、シールリップ部22と制御リップ部23との接続部46aは接続部46aに近傍する部分よりも薄くなっている。溝47は接続部46aに沿って形成されており、環状の溝である。溝47は、接続部46aに沿って断続的に延びる溝であってもよい。また、シールリップ部22と制御リップ部23との接続部46aを接続部46aに近傍する部分よりも薄くする構造は、溝47より形成されるものに限らず他の構造であってもよい。
密封装置7は、上述の密封装置1と同様に作用する。このように、本発明の第3の実施の形態に係る密封装置7によれば、密封対象物側が負圧になったとしても密封性能の低下を防止することができる。また、密封装置7において、端面リップ46の接続部46aは溝47によって薄くなっており、このため、端面リップ46は接続部46aにおいて曲がりやすくなっており、スリンガ接触部24を広くすることができる。つまり、端面リップ46は、上述の端面リップ21,41に比べて、スリンガ3のフランジ部31に接触する幅(締め代)を増加させることができる。また、ハウジング50内に負圧が発生した際に、吸引される制御リップ23がシールリップ部22をフランジ部31に押し付ける力(圧力)を低減させることができる。このため、密封装置1に比べて密封装置7は、負圧発生時において、端面リップによる摺動抵抗を低減させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る密封装置1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。
本実施の形態に係る密封装置1,5,7は、エンジンのクランク孔に適用されるものとしたが、本発明に係る密封装置の適用対象はこれに限られるものではなく、他の車両や汎用機械、産業機械等、本発明の奏する効果を利用し得るすべての構成に対して、本発明は適用可能である。
1,5,7…密封装置、2,6,8…密封装置本体、3…スリンガ、10…補強環、11…筒部、11a…外周側筒部、11b…内周側筒部、11c…接続部、11d…内周面、12…円盤部、13…錐環部、14…円盤部、20,40,45…弾性体部、21,41,46…端面リップ、22…シールリップ部、22a…内側端部、22b…内側面、22c…外側面、23,42…制御リップ部、23a,42a…外周側端部、23b,42c…内側面、23c,42d…外側面、24…スリンガ接触部、25…基体部、26…ガスケット部、27…後方カバー部、28…ダストリップ、29…中間リップ、31…フランジ部、31a…内周側円盤部、31b…外周側円盤部、31c…接続部、31d…外側面、31e…外周側端部、32…リップ接触部、33…溝、34…筒部、35…円筒部、35a…内周面、35b…外周面、42b…内周側端部、43…貫通孔、46…接触部、46b…外側面、47…溝、50…ハウジング、51…軸孔、51a…内周面、52…軸、52a…外周面、Fn…吸引力、Fp…押圧力、g…間隙S…挟空間S1,S2,S3…空間

Claims (5)

  1. 軸と該軸が挿入される孔との間の環状の隙間の密封を図るための密封装置であって、
    前記孔に嵌着される密封装置本体と、
    前記軸に取り付けられるスリンガとを備え、
    前記密封装置本体は、軸線周りに環状の補強環と、該補強環に取り付けられている弾性体から形成されている前記軸線周りに環状の弾性体部とを有しており、
    前記スリンガは、外周側に向かって延びる前記軸線周りに環状の部分であるフランジ部を有しており、
    前記弾性体部は、前記フランジ部に前記軸線方向において一方の側から接触する前記軸線周りに環状のリップである端面リップを有しており、
    前記端面リップは、前記一方の側から前記軸線方向において他方の側に向かって延びる部分であるシールリップ部と、外周側に向かって前記一方の側に傾いて前記シールリップ部の前記他方の側の端部から延びる部分である制御リップ部とを有しており、
    前記制御リップ部は、該制御リップ部の外周側の端部において前記補強環に内周側から接触するように形成されていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記制御リップ部に、該制御リップ部を貫通する貫通孔が少なくとも1つ設けられていることを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記貫通孔は、前記制御リップ部の前記外周側の端部に、前記制御リップ部の内周側の端部側に凹む溝を形成する貫通孔であることを特徴とする請求項2記載の密封装置。
  4. 前記端面リップの厚さは、前記シールリップ部と前記制御リップ部とが接続する部分において、近傍する部分よりも薄くなっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の密封装置。
  5. 前記補強環は、前記軸線に沿って延びる筒状の部分である筒部を有しており、前記制御リップの前記外周側の端部は、前記補強環の前記筒部に内周側から接触するように形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の密封装置。
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