JPH074354B2

JPH074354B2 - 放射線画像情報記録読取装置

Info

Publication number: JPH074354B2
Application number: JP59227538A
Authority: JP
Inventors: 滋早乙女; 正光石田
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1984-10-29
Filing date: 1984-10-29
Publication date: 1995-01-25
Anticipated expiration: 2010-01-25
Also published as: JPS61105539A; US4721856A

Description

【発明の詳細な説明】（発明の分野）本発明は、蓄積性螢光体シートに被写体を介して放射線
を照射し被写体の放射線画像を蓄積記録させる撮影記録
部、このシートから蓄積記録された画像情報を読み取る
読取部および読み取り後シートに残存する画像情報を消
去する消去部を一体にして、蓄積性螢光対シートを循環
再使用できるようにした放射線画像情報記録読取装置に
関し、さらに詳しくは撮影記録部において乳房撮影が行
なわれる放射線画像情報記録読取装置に関するものであ
る。

（従来技術および発明の技術的背景）ある種の螢光体に放射線（Ｘ線，α線，β線，γ線，電
子線，紫外線等）を照射すると、この放射線のエネルギ
ーの一部がその螢光体中に蓄積され、その後その螢光体
に可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギ
ーに応じて螢光体が輝尽発光を示す。このような性質を
示す螢光体を蓄積性螢光体と言う。

この蓄積性螢光体を利用して、人体等の被写体の放射線
画像情報を一旦蓄積性螢光体のシートに蓄積記録し、こ
のシートを励起光で走査して輝尽発光させ、生じた輝尽
発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像信
号を処理して診断適性の良い被写体の放射線画像を得る
放射線画像情報記録再生方法が提案されている（例えば
特開昭55-12429号，同56-11395号，同55−163472号，同
56−104645号，同55−116340号など）。この方法におい
て最終的な画像はハードコピーとして再生したものでよ
いし、CRT等の表示装置上に再生したものでもよい。と
にかく、このような放射線画像情報記録再生方法におい
ては、蓄積性螢光体シートは最終的に画像情報を記録せ
ず、一時的に画像情報を担持するものであるから、この
蓄積性螢光体ートは繰り返し使用するようにしてもよ
く、またそのように繰返し使用すれば極めて経済的であ
る。

また、例えばＸ線撮影車のような移動ステーションにこ
のような放射線画像情報の記録読取装置を装備し、集団
検診のために各所へ出張してＸ線の撮影をするような場
合には、蓄積性螢光体シートを多数、車に積載して行く
のは不便であり、また、移動車に積載できるシートの数
には限りがある。従って、蓄積性螢光体シートを繰返し
使用可能なようにして移動車に積載し、これに被写体毎
の放射線画像情報を記録し、それを読み取って得た画像
信号を磁気テープ等の記憶容量の大きい記録媒体に写
し、蓄積性螢光体シート等は循環再使用するようにすれ
ば移動車によって多数の被写体の放射線画像を撮影する
ことができるので実用上極めて有用である。さらに、こ
の循環再使用により、連続撮影を行なえば、集団検診に
おいて撮影のスピードを上げることもでき、実用上の効
果は極めて大きい。

このように蓄積性螢光体シートを再使用するには、輝尽
発光光が読み取られた後の蓄積性螢光体シートに残存す
る放射線エネルギーを、例えば特開昭56-11392号，同56
-12599号に示されるような方法によって放出させて残存
放射線画像を消去し、この蓄積性螢光体シートを再度放
射線画像記録用に使用するようにすればよい。

したがって、蓄積性螢光体からなる循環再使用可能なシ
ートに被写体を通して放射線を照射する画像記録部、こ
の蓄積性螢光体シートに蓄積記録された画像を読み取る
画像読取部、および読取後に蓄積性螢光体シートに残存
する放射線エネルギーを放出して次の記録に備えるため
の消去部を１つの装置にまとめ、これを移動車に搭載す
れば検診に巡回することも容易になるし、病院等に据え
付けることも容易になり、実用上便利である。

このようなことに鑑みて、記録部，読取部および消去部
を１つの装置にまとめ、蓄積性螢光体シートを循環再使
用することができるようにした、いわゆるビルト・イン
・タイプと呼ばれる放射線画像情報記録読取装置が本出
願人により提案されている（特願昭58-66730号等）。

一方、人体の放射線画像を得る場合において、検診を行
なう部位により撮影記録装置が種々のものが用いられる
ため、この撮影記録装置を読取部および消去部と一体に
組み合わせてビルト・イン・タイプとするには難しい場
合もある。例えば乳ガンの検診等に使用される乳房用の
撮影記録装置を１例として上げることができる。

乳房用撮影記録装置は、乳房に対して角度を変えて放射
線画像を得る必要があり、従って放射線源と記録媒体と
は乳房を介して一体に旋回させることができるように構
成される。この乳房撮影記録装置の記録媒体として蓄積
性螢光体シートを使用し、更に乳房撮影記録装置を読取
部および消去部と一体にしてビルト・イン・タイプの記
録読取装置を構成する場合には、撮影記録部と共に重量
の大きな読取部および／又は消去部を旋回させることは
機構的にも複雑になるし、また旋回のために多大なエネ
ルギーの消費をともなうという問題がある。

（発明の目的）本発明は上記のような問題に鑑み、蓄積性螢光体シート
を使用する乳房撮影用のビルト・イン・タイプ放射線画
像情報記録読取装置であって、機構的に簡単であり、か
つ撮影時に余分なエネルギーを必要としない装置を提供
することを目的とするものである。

（発明の構成）本発明の放射線画像情報記録読取装置は、乳房を介して蓄積性螢光体シート放射線を照射する放射
線源と、この放射線源に対向する撮影位置に前記蓄積性
螢光体シートを保持するシート保持手段をその内部に有
する撮影箱とを備えた乳房撮影記録部と、前記乳房撮影記録部において前記乳房の放射線画像情報
が蓄積記録された前記シートを走査する励起光を発する
励起光源と、この励起光により走査されたシートから発
せられた輝尽発光光を読み取って画像信号を得る光電読
取手段とを有する画像読取手段、該画像読取手段におい
て画像読取が行なわれた後のシートに画像記録がなされ
るのに先行してこのシートに残存する放射線エネルギー
を放出させる消去手段、および複数枚の前記シートを前
記乳房撮影記録部の前記撮影箱から前記画像読取手段お
よび前記消去手段を経て再度前記撮影箱へ搬送すると共
に前記画像読取手段と前記消去手段とでは搬送条件を異
ならせて独立して搬送可能な循環搬送手段を備えた読取
消去部からなり、該読取消去部に対して前記乳房撮影記録部が相対移動自
在に取り付けられていることを特徴とするものである。

本発明の放射線画像情報記録読取装置は、より好ましく
は静止状態で設置される読取消去部とこの読取消去部に
対して相対移動自在な乳房撮影記録部とからなり、乳房撮影記録部の撮影箱は、蓄積性螢光体シートの搬入
・搬出を行う開閉自在な第１搬送口と、この第１の搬送
口と蓄積性螢光体シートを撮影位置に保持するシート保
持手段とを連結する第１搬送手段とを有し、画像情報が
消去されたシートを第１搬送口から搬入し第１搬送手段
によりシート保持手段まで搬送した後、画像情報を記録
し、再び第１搬送手段により第１搬送口へ搬送した後、
この第１搬送口から搬出するように構成され、読取消去部は、シートの搬入・搬出を行なう開閉自在な
第２搬送口と、この第２の搬送口、シートから画像情報
の読み取りを行なう読取部および読み取り後シートに残
された画像情報を消去する消去部を順に連結する第２搬
送手段（循環搬送手段）とを有し、乳房撮影記録部から
第１搬送口を介して第２搬送口へ搬入されるシートを第
２搬送手段により読取部および消去部を順に経由して再
び第２搬送口へ搬送し、この第２搬送口から第１搬送口
を介して乳房撮影記録部へシートを搬出するように構成
され、乳房撮影部の相対移動範囲内の所定位置において第１搬
送口と第２搬送口とが、対向し、両搬送口を介して第１
搬送手段と第２搬送手段との間で蓄積性螢光体シートの
搬入・搬出を行なうことができるように構成されている
ものである。

（実施態様）以下、図面により本発明の好ましい実施態様について説
明する。

第１図は本発明に係る放射線画像情報記録読取装置の一
例を示す概略図で、本装置は乳房撮影記録部10と読取消
去部30とからなる。乳房撮影記録部10は、放射線照射を
行なう放射線源11,乳房１の載置台として作用するとと
もに内部に蓄積性螢光体シート２を収納する遮光性の撮
影箱12および撮影箱の12上の乳房１を押さえ付けて保持
する乳房圧迫板13からなり（なお、この乳房圧迫板13は
使用しないこともある）、乳房圧迫板13は撮影箱12に取
り付けられている。放射線源11はアーム14の一端に固設
され、撮影箱12はアーム14の他端に固設される。アーム
14は中央部に支持脚14aを有し、この支持脚14aは、読取
消去部30のケース31の外面に上下方向（矢印Ｅ方向）移
動自在に取り付けられた支持台15に回動自在（矢印Ｄ方
向の回動）に取り付けられる。このため、アーム14は、
一端に放射線源11を他端に撮影箱12を有したまま、上下
（Ｅ方向）摺動自在で且つ支持脚14aを中心として矢印
Ｄ方向に回動自在である。

撮影箱12内には、蓄積性螢光体シート２を搬送するため
のベルトとローラからなる第１搬送手段16、この第１搬
送手段16と対向して蓄積性螢光体シート２を放射線11a
の照射範囲内に保持する板状のシート保持手段17が配さ
れ、撮影箱12の側方には開閉自在な第１扉18を有する第
１搬送口19が形成されており、第１搬送手段16により蓄
積性螢光体シート２をシート保持手段17に保持された位
置と第１搬送口19との間を搬送できるようになってい
る。

一方、読取消去部30は遮光性のケース31内に、読取手段
32および消去手段33を有してなり、ケース31の乳房撮影
記録部10と対向する側面には開閉自在な第２扉35を有す
る第２搬送口36が形成されている。読取手段32において
は、放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性螢光体シー
ト上に励起光源32aからの励起光をガルバメータミラー3
2bを用いて主走査するとともに搬送ベルト32eの搬送に
より副走査して蓄積記録された画像情報に応じて蓄積性
螢光体シートを輝尽発光させ、この輝尽発光光を集光体
32cによりフォトマル32dに集光した後、フォトマル32d
により光電的に読み取って画像情報の読み取りを行な
い、消去手段33においては蓄積性螢光体シートに消去ラ
ンプ33aからの消去光を照射して読み取り後もシート上
に残存する画像情報を消去しシートを再使用が可能な状
態にする。

読取手段32において、該読取手段32を構成する搬送ベル
ト32eの上方にはレーザ光源32aが設置され、またその出
力レーザ光を搬送ベルト32e上のシートの幅方向に走査
させるためのガルバノメータミラー32bが設けられてお
り、ガルバノメータミラー32bの往復揺動により、レー
ザ光が、放射線画像を蓄積記録したシート上に主走査さ
れる。なおこのシートは、前記乳房撮影記録部10の撮影
箱12において放射線画像が記録された後、第１搬送手段
16の揺動によりこの読取手段32に搬送されて来る。レー
ザ光の照射によってシートから放射される輝尽発光光は
直接あるいは必要に応じて主走査線に沿って配される集
光用反射ミラーで反射された後集光光学素子32cの入射
端面からこの集光光学素子32cに入射し、この中を全反
射により案内されながらこの素子32cの射出端面に接続
されたフォトマル32dに受光され、輝尽発光光が光電的
に読取られる。上記のようにレーザ光の主走査が行なわ
れるのと同時に、シートは搬送ベルト32eにより図中矢
印方向（すなわち前記主走査の方向と略直角な方向）に
搬送されて副走査がなされ、シートの全面に亘って蓄積
放射線画像情報が読取られる。フォトマル32dによって
読取られた画像信号は、図示せぬ画像処理回路に送られ
必要な画像処理が施された後、必要な画像再生装置へ送
られる。この再生装置はCRT等のディスプレイでもよい
し、感光フィルムに光走査記録を行なう記録装置でもよ
いし、あるいはそのために一旦磁気テープ等の記憶装置
に記録するものでもよい。

なお１枚のシートからの放射線画像情報の読取りに要す
る時間は、一般に該シートに放射線画像情報を記録する
（撮影）のに要する時間よりも長いが、記録済みのシー
トを例えば搬送系エンドレスベルト上に１枚ずつ残して
おくことにより、複数枚のシートを次々に使用してとり
あえず記録だけは短時間内に済ましてしまうことができ
る。また例えば特開昭58-89245号に示されるように、観
察読影のための可視像を得る上記のような読取り操作
（本読み）に先行して、該本読みにおいて照射すべき励
起光よりも低レベルの励起光を用いて、予め蓄積性螢光
体シートに蓄積記録されている放射線画像情報の蓄積記
録情報を把握するための読取り操作（先読み）を行なっ
て、放射線画像情報の蓄積記録情報を把握し、しかる後
に本読みを行なって、前記先読み情報に基づいて読取ゲ
インを適当に調節し、或いは適当な信号処理を施せば、
撮影条件の変動による影響をなくし、或いは観察読影適
性の優れた放射線画像を得ることができるが、本装置に
おいても画像読取り後搬送ベルト52a上に送られたシー
トを該搬送ベルト52aおよび搬送ベルト32eを逆転させて
画像読取り位置まで戻すことにより、上記「先読み」，
「本読み」を行なうことができる。

画像読取りが終了したシートは、消去手段33に送られ
る。この消去手段33は函体33bと、この函体33bの内部に
多数並べられた螢光灯，タングステンランプ，キセノン
ランプ，ナトリウムランプ等の消去光源33aとからなる
ものであり、シートはシャッタ33cが開かれてから、そ
の先端がニップローラ33dに接する搬送される。そして
回転するニップローラ33dによりシートは函体33b内に送
られる。シートが函体33b内に送られると、前記シャッ
タ33cが閉じられる。函体33b内の消去光源33aは、シー
トの蓄積性螢光体の励起波長領域の光を主に発するもの
であり、前記画像読取り後にシートに残存していた放射
線エネルギーは、シートにこのような光が照射されるこ
とにより該シートから放出される。なおこのとき前記シ
ャッタ33cが閉じられているので、消去光が漏れて画像
読取部32に侵入し読取信号にノイズを発生させることが
ない。

こうして再び放射線画像情報の記録が可能な程度に残像
消去がなされたシートは、ニップローラ33eを回転させ
て消去手段33外に排出される。

この時、第２搬送口36から読取手段32へ蓄積性螢光体シ
ートを運ぶ第１ベルト51,読取手段32の一部を構成する
搬送ベルト32e、読取手段32から消去手段33へ蓄積性螢
光体シートを反転させて運ぶスイッチバック機構を有す
る第２ベルト52、消去手段33のニップローラ33d,33eお
よび消去手段33から第２搬送口へ蓄積性螢光体シートを
運ぶ第３ベルト53から成り複数枚の蓄積性螢光体シート
を互いに独立して搬送可能なつまり読取手段32と消去手
段33とでは搬送条件を異ならせて独立して搬送可能な第
２搬送手段50（読取消去部の循環搬送手段）により蓄積
性螢光体シートが読取消去部30内を循環して搬送される
ようになっている。

なお、第１搬送口19と第２搬送口36とは、読取消去部30
に対する乳房撮影記録部10の相対移動範囲内の図示の所
定位置においてのみ対向するようになっており、この
時、両搬送口19,36の対向部は、外光遮へい手段40によ
り遮光されており、この状態で両搬送口19,36の扉18,35
を開けても内部に外光が入り込まないようになってい
る。

以上のように構成した本発明に係る装置の作動を説明す
る。

まず、乳房撮影記録部10は、読取消去部30から消去手段
33で残存画像情報が消去された蓄積性螢光体シートを受
け取るため、第１搬送口19と第２搬送口36とが対向する
所定位置に位置する。この時、第１および第２扉18,35
は開けられ、第３ベルト53により矢印A₁の方向に搬送さ
れる蓄積性螢光体シートは第２搬送口36および第１搬送
口19を介して撮影箱12内に搬入される（矢印A₂の方
向）。撮影箱12内のガイド12aにより上方に導かれたシ
ートは搬送手段16のベルト上を矢印A₃の方へ搬送され、
シート保持手段17とベルトとに挾まれた撮影位置まで送
られた後この位置で保持される。この後、第１および第
２扉18,35は閉じられる。

次いで、アーム14を上下方向（Ｅ方向）および支持脚14
aを中心とする左右回転方向（Ｄ方向）に移動させて、
乳房１に対し所定の撮影位置に放射線源11等を位置させ
る。そして、乳房圧迫板13により乳房１を押さえて保持
し、放射線源11から乳房１を通して放射線11aを蓄積性
螢光体シート２上に照射する。なお、この時撮影箱12の
上面が乳房を支持する載置台の役割をなす。これによ
り、蓄積性螢光体シート２上に乳房１の放射線画像情報
が蓄積記録される。照射が完了するとアーム14が動いて
再び第１および第２搬送口19,36が対向し、搬送手段16
のベルトは逆回転し、蓄積性螢光体シート２は矢印B₁の
方向へ搬送される。この時、第１および第２扉は再び開
けられ、蓄積性蛍光体シートは第１搬送口19および第２
搬送口36を順に通って（矢印B₂の搬送）読取消去部30内
へ搬入される。蓄積性螢光体シート２は第１搬送手段16
のベルトの方向に搬送されるため、読取消去部30内にお
いて蓄積性螢光体シートは第１ベルト51の方へ搬送され
る。次に、第１ベルト51の上を矢印B₃方向に搬送され読
取手段32内に搬送される。読取手段32内での画像情報の
読み取りが完了すると、蓄積性螢光体シートは第２ベル
ト52に沿って消去手段33へ送られる（矢印C₁〜C₄方
向）。消去手段33で残存画像情報が消去された蓄積性螢
光体シートは第３ベルト34cにより搬送可能な状態とな
る。

なお、上記第２ベルト52は前述のようにスイッチバック
搬送機構を有する搬送系であり、読取手段32において画
像情報の読み取りがなされた後蓄積性螢光体シートは搬
送ベルト52aおよびガイド板52bに沿って搬送され（矢印
C₁の搬送）、搬送ベルト52cと52dに挾まれて矢印C₂の方
へ搬送される。蓄積性螢光体シートの後端が搬送ベルト
52cと52dに挾まれる位置まで搬送されたことが位置セン
サ等によって検出されると、両ベルト52c,52dが逆転
し、蓄積性螢光体シートは逆方向（矢印C₃の方向）にス
イッチバック搬送される。この両ベルト52c,52dから矢
印C₃方向へ搬送された蓄積性螢光体シートは、図示のよ
うにこの両ベルト52c,52dの左端部と対向する搬送ベル
ト52e,52fの間に挾持され、この両ベルト52e,52fによっ
て消去手段33へ搬送される。この時、上記スイッチバッ
ク搬送により蓄積性螢光体シートは逆転され螢光体面を
上側にして消去手段33へ搬入され、消去ランプ33aから
の消去光が螢光体面に照射されるようになっている。

以上の作動の繰り返しにより蓄積性螢光体シートが循環
使用される。なお、乳房撮影記録部10と読取消去部30と
の間での蓄積性螢光体シートの搬入・搬出を行なうた
め、第１および第２搬送口19,36を対向させた時には、
この対向部を外交遮へい手段40により覆って外光が内部
へ侵入しないようにして、蓄積性螢光体シート上に外光
が照射されて、蓄積記録された画像情報が損なわれるの
を防いでいる。

なお、乳房撮影記録部10において乳房１と撮影箱12の上
面の間に中空のプラスチック製治具を配し、シート２と
乳房１との距離を大きくしてシート２上に乳房１の拡大
画像情報を蓄積記録させる拡大撮影を行なうことも可能
であり、さらに、乳房圧迫板13の一部に突起を設けて、この突起
で押す部分に照射範囲を絞った放射線源11からの放射線
を照射して、部分的な撮影を行なうスポット撮影も可能
である。この場合、照射範囲を絞るために、放射線源11
の照射筒11bはその径がより小さなものに変換される。

第２図は本発明に係る放射線画像情報記録読取装置の上
記実施態様とは異なる第２の実施態様を示す概略図であ
る。本図の装置においては撮影箱12の内部構造と、読取
消去部30内におけるシート搬送系の構造のみが第１図に
示す装置と異なるので以下これらについて説明し、第１
図の装置と同一部分には同一番号を付しこれらの構造お
よび作動説明は省略する。

撮影箱12には、読取消去部30のケース31と対向する部分
に第１扉18を有する第１搬送口19が形成されており、撮
影箱12をケース31に対して相対移動させて第１搬送口19
をケース31に形成された第２扉35を有する第２搬送口36
と対向させた時に、両搬送口19,36を介してシート２を
搬入・搬出を行なうことができるようになっている。両
搬送口19,36を介して残存画像情報が消去されたシート
２が撮影箱12内に搬入されると、このシート２は後述す
るように螢光体面を下に向けて水平方向に搬入されるの
で、撮影箱12内の下方に位置するエンドレスベルト61に
よって螢光体面が下を向いたまま矢印F₁方向に搬送され
る。次いで、エンドレスベルト62によって矢印F₂方向に
搬送されてエンドレスベルト63上に受け渡され、これに
よってシート２は反転して螢光体面が上を向いた状態で
このエンドレスベルト63と保持手段17との間に挾まれ
て、シート２の螢光体面が放射線源11からの乳房１を介
した放射線11aの照射を受ける撮影位置に保持される。
この撮影位置でシート２に乳房１の放射線画像情報が蓄
積記録されると、シート２はエンドレスベルト63によっ
て矢印F₄方向に送られ、第１および第２搬送口19,36を
通って読取消去部30内へ斜め下方に向かって搬入され
る。

このため、シート２は螢光体面が上を向いたままエンド
レスベルト71上に搬入されこのベルト71上を矢印F₅方向
に搬送されて読取手段32内へ搬入される。読取手段32に
おいては第１図の装置におけるのと全く同様にして励起
光走査による画像情報の読み取りが行なわれ、この後シ
ート２は消去手段33へ搬送され、第１図の装置と同様に
シート２上に残存する画像情報の消去がなされる。次い
で、シート２はエンドレスベルト72によって矢印F₈のよ
うに搬送されてエンドレスベルト73上に搬出される。こ
の時、シート２は反転されて螢光体面が下を向いた状態
でエンドレスベルト73上に載置される。

以上により、画像情報の記録，読取，消去の１サイクル
が完了し、次いでエンドレスベルト73により第１および
第２搬送口19,36を介してシート２を螢光体面を下にし
て水平方向に撮影箱12内へ搬出して次のサイクルを行な
わせることになる。なお、撮影箱12と読取消去部30との
間でのシートの受け渡しは撮影箱12の第１搬送口19とケ
ース31の第２搬送口36とが対向する所定位置で行ない、
受け渡し完了後は第１および第２扉18,35を閉じ、乳房
撮影部10をケース31に対して相対移動自在となるように
している。また、本実施例では各エンドレスベルト71,7
2,73、読取手段32の一部を構成する搬送ベルト32eおよ
び消去手段33のニップローラ33d,33eが読取消去部30内
において複数枚の蓄積性螢光体シートを互いに独立して
搬送可能なつまり読取手段32と消去手段32とでは搬送条
件を異ならせて独立して搬送可能な循環搬送手段を構成
している。

（発明の効果）以上説明したように、本発明によれば、乳房撮影記録部
が読取消去部に対して相対移動するので、機構的に簡単
であり、また少ないエネルギーで撮影を行なうことがで
きる。

また、乳房撮影記録部の第１搬送口と読取消去部の第２
搬送口を所定位置において対向するようになし、この所
定位置において乳房撮影記録部内の第１搬送手段および
読取消去部内の第２搬送手段により蓄積性螢光体シート
を第１および第２搬送口を通して螢光体シートの搬入・
搬出を行なうことができるようにしているので、蓄積性
螢光体シートを装置内で循環使用して放射線画像情報の
記録，読取，消去を連続して行なうことができ、従って
従来のように撮影のためカセッテ等をセットすることが
不要になり、操作が簡略化できる。さらに、蓄積性螢光
体シートを循環して連続使用できるので、集団検診等の
場合にカセッテを多数準備する必要もなく、特に集団検
診等に利点の大きいものである。

また、本発明に係る装置は、上記の如く、乳房撮影記録
部と読取消去部とが別個に独立させて設けられ、かつ読
取消去部の循環搬送手段が複数枚の蓄積性螢光体シート
を互いに独立して搬送可能に構成されており、従って上
記乳房撮影記録部と読取消去部との間においては勿論の
こと読取消去部内においても読取手段と消去手段とでは
シートの搬送速度や搬送するか否か等の搬送条件を異な
らせることができ、それによって搬送条件が異なる乳房
撮影記録部と読取手段と消去手段とで同時に撮影と読取
と消去とを行うことができ、撮影読取消去時間を大巾に
短縮可能であると共に、シートの搬送を適宜調整するこ
とにより撮影と読取と消去とを互いに無関係に自由なタ
イミングで行うことができ、もって撮影読取消去の能率
を大巾に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る放射線画像情報記録読取装置の１
例を示す概略図、第２図は同じくその異なった例を示す
概略図である。 10……乳房撮影記録部、11……放射線源 13……押さえ部材、14……アーム 16……第１搬送手段、19……第１搬送口 30……読取消去部、32……読取手段 33……消去手段、36……第２搬送口 40……外光遮へい手段、50……第２搬送手段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】乳房を介して蓄積性螢光体シートに放射線
を照射する放射線源と、この放射線源に対向する撮影位
置に前記蓄積性螢光体シートを保持するシート保持手段
をその内部に有する撮影箱とを備えた乳房撮影記録部
と、前記乳房撮影記録部において前記乳房の放射線画像情報
が蓄積記録された前記シートを走査する励起光を発する
励起光源と、この励起光により走査されたシートから発
せられた輝尽発光光を読み取って画像信号を得る光電読
取手段とを有する画像読取手段、該画像読取手段におい
て画像読取が行なわれた後のシートに画像記録がなされ
るのに先行してこのシートに残存する放射線エネルギー
を放出させる消去手段、および複数枚の前記シートを前
記乳房撮影記録部の前記撮影箱から前記画像読取手段お
よび前記消去手段を経て再度前記撮影箱へ搬送すると共
に前記画像読取手段と前記消去手段とでは搬送条件を異
ならせて独立して搬送可能な循環搬送手段を備えた読取
消去部からなり、該読取消去部に対して前記乳房撮影記録部が相対移動自
在に取り付けられていることを特徴とする放射線画像情
報記録読取装置。