JPH0743369B2 - 血清又は血漿分離用組成物 - Google Patents

血清又は血漿分離用組成物

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JPH0743369B2
JPH0743369B2 JP63330229A JP33022988A JPH0743369B2 JP H0743369 B2 JPH0743369 B2 JP H0743369B2 JP 63330229 A JP63330229 A JP 63330229A JP 33022988 A JP33022988 A JP 33022988A JP H0743369 B2 JPH0743369 B2 JP H0743369B2
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oligomer
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秀雄 安楽
宏 小河原
輝文 足立
倩史 児玉
博志 加計
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血液成分の比重を利用して、遠心分離をおこ
なう場合に用いられる血清又は血漿分離用組成物に関す
る。
(従来の技術) 従来、チキソトロピー性のゲル状分離剤、たとえばシリ
コーン、シリカおよび構造形成剤とからなる混合物を採
血管内底部に予め収容した血液分離管が知られている。
この血液分離管内に採血し、適当時間静置させたのち、
遠心分離操作をおこなうと、その遠心力によってこのゲ
ル状分離剤は流動的となり、また、血清成分と血球成分
との中間比重を有するものであるから、管底から次第に
浮上し、血清層と血球層との中間に位置するようにな
り、血清層と血球層とを分離することができる。他方こ
のような方法で少量の血液から血清を分離しようとする
場合、可成り強い遠心力(たとえば1500G)を必要と
し、そのため、この強い遠心力によって赤血球が損傷
し、溶血を生ぜしめ、正しい生化学検査値が得られない
ことがあるという点で問題がある。この問題は特にゲル
状物質が経時的に水素結合等によるゲルの硬化が進行
し、浮上性が劣化し易い材質からつくられている場合に
影響が大である。
また、シリコーンオイル、シリカおよびゲル化剤からな
る血清分離剤は相互に相溶性の乏しい成分を機械的に混
合し、ゲル化剤によりシリカ粒子(比重調整剤)間の水
素結合を促進することによりチキソトロピーゲルを得よ
うとするものであり、そのため、時間の経過によりこの
水素結合が強力になり凝集現象が生じ、相分離が起ると
ともに、遠心分離操作時の流動性も悪くなるなどの問題
があつた。そのため、界面活性剤を添加して相分離防止
を図ることも提案されているが、イオン系の界面活性剤
を多量に入れると溶血が問題となる。
そのほか、上記組成のものはたとえば採血管に適当量収
容したのちγ−線減菌をおこなった場合、架橋反応器等
による変性が著しく、血清分離剤としての機能が損われ
ること、ゲル状物質の低分子物質が揮発して管内面を揆
水性にし、血液凝固の遅延、血餅付着をもたらすこと、
さらに原材料が比較的高価であることなどの問題があつ
た。
そのほか、ポリエステルをベースとするゲル状物質から
なる血清分離剤も知られている。しかし、これも前記の
公知のゲル状物質同様に管内面を揆水性にするため、血
液凝固の遅延、血餅付着などの問題を有するとともに不
快臭を与えるなどの問題があり、必ずしも満足すべきも
のとは云えない。
さらに、近年、血中薬物濃度のモニター(TDM)が盛ん
に行なわれるようになつているが、ポリエステルは、分
子内に極性基を有するため、いくつかの種類の薬物を吸
着し正しい測定値を与えないといつた問題も有する。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上述の如き従来の分離剤の欠点を有しない、な
かんずくTDMへの悪影響を有しない血清又は血漿分離用
組成物を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者らは、シクロペンタジエンのオリゴマーを主成
分とする組成物を血清又は血漿分離剤に用いることによ
り、上記の如き欠点のない血清又は血漿分離用組成物が
得られることを見い出して本発明を完成するに至つた。
すなわち、本発明はシクロペンタンジエンのオリゴマー
を主成分とする血清又は血漿分離用組成物に存する。
本発明に用いられるシクロペンタジエンのオリゴマーと
は、シクロペンタジエンが多量体化されたオリゴマー及
び該シクロペンタジエンが2量化されたジシクロペンタ
ジエンが多量体化されたオリゴマーが包含されるシクロ
ペンタジエン系オリゴマーを意味する。そして該オリゴ
マーは、シクロペンタジエン若しくはジシクロペンタジ
エンを、例えばデイールスアンダー反応等を利用して多
量体化して製造されることが出来る。そして、該オリゴ
マーはジシクロペンタジエン樹脂(DCPOResin)と称さ
れることがある。
なお、このシクロペンタジエンのオリゴマーを、本発明
の分離剤として用いる際には、該オリゴマーに水素添加
(水添)して残存する二重結合を飽和させておくのが好
ましい。該オリゴマー中には、重合開始剤由来の極性残
基を微量含有する場合があるが、分子中に殆んど極性基
を有しないものである。従つて、前述のポリエステル系
分離剤の如く薬物の吸着を起こすことがない。
又、該オリゴマーは通常のオレフインあるいはα−オレ
フイン系重合体と異なり、比重1.00以上のものを比較的
容易に得ることが出来るのであり、このことは重合体分
子が密にパツキングしていることを意味し、100℃蒸気
減量が殆んどないこととも符合する。従つて、このシク
ロペンタジエンのオリゴマーを血清又は血漿分離用組成
物に用いると、揮発成分による血液凝固の遅延や、血餅
の管壁付着等の問題を起すことがなく、また悪臭を発す
ることがない。
又、このオリゴマーは、前記の如く、それ自体の比重が
大きいものを容易に調整することが出来、血清又は血漿
分離用として要求される血清と血餅との中間の比重すな
わち1.03〜1.08程度の比重を有するものを重合条件等を
選定することにより容易に得ることが出来るが、該オリ
ゴマーを分離剤として用いる際には、必要に応じて比重
調整剤を添加、混合して所望の比重を得ることが出来
る。この目的に使われる調整剤としては、シリカ、ベン
トナイトのような無機質微粉末、あるいはポリスチレ
ン、ポリウレタンのようなポリマー微粉末などを、該オ
リゴマー100重量部に対し、50重量部以下好ましくは10
重量部以下の範囲で用いることができる。そして、これ
らの微粉末を加えた場合は、混合物にチキソトロピー性
が付与されることが多い。いづれの場合も、混合分散を
容易にするために平均粒径は500μm以下の微粉末が好
ましい。
また、チキソトロピー性を付与するための助剤としてプ
ロピレングリコール、エチレンジアミン及び1,5−ペン
タンジオールのような両末端に極性基を有する物質を、
該オリゴマー100重量部に対し、20重量部以下好ましく
は4重量部以下の範囲で補助的に添加してもよい。血
清、又は血漿分離用組成物としての本組成物の粘度は特
に限定されないが、採血管への収容作業などを考慮する
と、100万cps以下が好ましい。
上述の本発明血清又は血漿分離用組成物を使用するに
は、真空タイプあるいは非真空タイプの採血管として用
いられる有底管状容器に予め該組成物を収容しておくの
が一般的であり、これに所定の方法によつて、採取した
血液を注入、凝固させ、遠心分離操作を行うと、比重の
相違により血液成分が血清ないしは血漿と血餅とに分離
し、上部に位置する該血清ないしは血漿部分と、下部に
位置する血餅部分との間に、本発明組成物が両者を隔て
る隔膜ないしは隔壁として介在し、分離剤としての役割
を果すのである。
以下に具体例を挙げて、本発明を説明するが、これによ
り本発明が制約を受けるものではない。
実施例1 比重1.05のシクロペンタジエンのオリゴマー(エクソン
化学(株)、ECR−327)100重量部に、気相法による微
粉末シリカ(平均粒径16mμ)2重量部を添加し、減圧
下に1.5時間混練を行つて血清又は血漿分離用組成物を
用意した。
該組成物の比重は1.06であつた。
該組成物を、市販の10ml用硬質ガラスプレーンチユーブ
に約1.5g収容して、血液検査用容器を作製した。これに
人新鮮血8mlを分注し、凝固完了を確認後、1200G、10分
間遠心分離を行つたところ、該組成物は血清層と血餅層
の中間に位置し、良好な分離像を示していた。
また溶血も生じていなかった。
実施例2〜7 実施例1における微粉末シリカ2重量部の代わりに、ベ
ントナイト(平均粒径10μm)2重量部(実施例2)、
ポリスチレン粉末(平均粒径200μm)5重量部(実施
例3)、ポリウレタン粉末(平均粒径200μm)1重量
部(実施例4)、微粉末シリカ(平均粒径16mμ)2重
量部およびプロピレングリコール0.1重量部(実施例
5)、微粉末シリカ(平均粒径16mμ)2重量部および
エチレンジアミン0.2重量部(実施例6)又はベントナ
イト(平均粒径10μm)2重量部および1,5−ペンタン
ジオール0.3重量部(実施例7)を使用して、実施例1
と同様にして血清又は血漿分離用組成物を用意した。
該組成物の比重は、実施例2,5,6および7のものは、1.0
6であり、実施例3および4のものは、1.05であった。
該組成物を、市販の10ml用硬質ガラスプレーンチユーブ
に約1.5g収容して、血液検査用容器を作製した。これに
人新鮮血8mlを分注し、凝固完了を確認後、1200G、10分
間遠心分離を行つたところ、該組成物は血清層と血餅層
の中間に位置し、良好な分離像を示していた。
また溶血も生じていなかつた。
(発明の効果) 本発明の血清又は血漿分離用組成物は、前述の通り、シ
クロペンタジエンのオリゴマーを主成分とするものであ
り、該オリゴマー自体の比重が比較的高いので、比重調
整剤を用いずに、若しくは少量用いることにより、血清
又は血漿分離剤としての所定の比重に調整することが容
易なるものであり、又、該オリゴマー中には極性基が含
まれていないので、いくつかの種類の薬物を吸着するこ
とがなく、なかんずくTDMへの悪影響をもたらすことが
ないものである。
さらに、揮発成分も殆んど含まないので、揮発成分混入
による血液凝固の遅延を生じることがなく、又、管壁に
血餅が付着するといった問題もなく、悪臭を発すること
もない。
また、実施例のように無機質微粉末、あるいはポリマー
微粉末などの比重調整剤を使用すると、比重の調整がよ
り容易となる。
さらに、実施例5〜7のようにプロピレングリコールな
どを使用すると、チキソトロピー性の付与が容易とな
り、組成物の経時安定性がさらに増加する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加計 博志 山口県新南陽市坂根町11番21号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロペンタジエンのオリゴマーを主成分
    とする血清又は血漿分離用組成物。
JP63330229A 1987-12-28 1988-12-26 血清又は血漿分離用組成物 Expired - Lifetime JPH0743369B2 (ja)

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