JPH074286A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

Info

Publication number
JPH074286A
JPH074286A JP14519893A JP14519893A JPH074286A JP H074286 A JPH074286 A JP H074286A JP 14519893 A JP14519893 A JP 14519893A JP 14519893 A JP14519893 A JP 14519893A JP H074286 A JPH074286 A JP H074286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
amount
fuel
correction amount
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14519893A
Other languages
English (en)
Inventor
Hatsuo Nagaishi
初雄 永石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP14519893A priority Critical patent/JPH074286A/ja
Publication of JPH074286A publication Critical patent/JPH074286A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼の安定度が許容レベルに収まるように暖
機時のエンジン制御因子をフィードバック補正しつつ、
そのフィードバック補正量を燃料性状信号とすることに
より、不安定な燃焼状態から早期に回復させつつあらた
にセンサを設けることなく燃料性状を高精度に検出す
る。 【構成】 算出手段31はエンジンの運転条件から暖機
中の燃焼の安定度と強い相関をもつエンジン制御因子の
基本制御量を算出する。算出手段32がエンジンの回転
変動から燃焼の安定度を算出し、算出手段33が暖機中
の前記安定度が所定の許容レベルに収まるようにフィー
ドバック補正量を算出する。このフィードバック補正量
にもとづいて算出手段34が前記基本制御量の補正量を
算出し、この補正量と前記基本制御量とから算出手段3
5が前記エンジン制御因子の制御量を算出する。検出手
段36は前記フィードバック補正量にもとづいて使用燃
料の燃料性状を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はエンジンの制御装置、
特にエンジン回転の変動を検出して、主に暖機中の空燃
比を最適に制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】燃料の違いはエンジンの空燃比や点火時
期などのエンジン制御因子に影響を及ぼすため、燃料性
状(主に燃料の揮発性)や燃料性状の違いで変化する因
子を検出し、その検出結果から燃料の揮発性がよいか悪
いかを判断してその判断結果をエンジン制御因子に反映
させることで、エンジンの安定性や過渡時のエミッショ
ンを向上させるものがある。
【0003】これを説明すると、特開平2−5744号
公報では、アイドル時の回転変動幅から一般ガソリンか
重質ガソリン(一般ガソリンよりも揮発性が悪い)かを
判断し、その結果により空燃比や点火時期の制御マップ
を切換える。また、特開昭63−272935号公報で
は、過渡時の実空燃比と目標空燃比の差の大小、バック
ファイヤの発生の有無、低温始動時の完爆時間の長短か
ら一般ガソリンが重質ガソリンかを判断している。特開
昭62−282139号公報のように、光センサで検出
した燃焼光、加速時の空燃比の応答遅れの程度、加速時
の発生トルクの大小から燃料性状を判断するものもあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の装置
では、一般ガソリンにマッチングした制御特性に対して
重質ガソリンが使用され、燃焼の不安定で使用燃料が重
質ガソリンであると判断されるまでは燃焼の不安定がエ
ンジン制御因子に反映されず、燃焼が不安定なままにお
かれるため、その間で運転性が悪くなる可能性がある。
【0005】また、エンジン制御特性と使用燃料の不一
致で、燃焼が一度でも不安定になると、それに起因して
さらに燃焼の不安定の度合いが進む現象(ヒステリシ
ス)があることから、燃料性状の検出精度がよくない。
燃焼の悪化で回転変動が生じている領域では、エンジン
バラツキ(残留ガスや点火エネルギのバラツキ、吸気温
度や湿度の差など)が大きいことも、検出精度の悪化に
つながる。つまり、燃料性状以外の要因で生じる燃焼の
悪化と、燃料の揮発性が悪くなったことによる燃焼の悪
化との区別がつかなくなるのである。かといって、重質
ガソリンの燃料性状を直接に検出するセンサや燃料性状
を間接的に検出する上記の光センサをあらたに設けると
すれば、コストアップを免れない。
【0006】そこでこの発明は、燃焼の安定度が許容レ
ベルにおさまるように暖機時のエンジン制御因子をフィ
ードバック補正しつつ、そのフィードバック補正量を燃
料性状信号とすることにより、不安定な燃焼状態から早
期に回復させつつあらたにセンサを設けることなく燃料
性状を高精度に検出することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、エンジンの運転条件から暖機中の燃焼の安定
度と強い相関をもつエンジン制御因子の基本制御量を算
出する手段31と、エンジンの回転変動から燃焼の安定
度を算出する手段32と、暖機中の前記安定度が所定の
許容レベルに収まるようにフィードバック補正量を算出
する手段33と、このフィードバック補正量にもとづい
て前記基本制御量の補正量を算出する手段34と、この
補正量と前記基本制御量とから前記エンジン制御因子の
制御量を算出する手段35と、前記フィードバック補正
量にもとづいて使用燃料の燃料性状を検出する手段36
とを設けた。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、使用
燃料の燃料性状を検出することの内容は、エンジン制御
のパラメータとして用いられるエンジンの温度信号を前
記フィードバック補正量で補正することである。
【0009】第3の発明は、第1の発明の前記燃料性状
の検出値を用いて、または第2の発明の補正された前記
温度信号を用いて過渡時の燃料噴射量を算出する。
【0010】第4の発明は、第1の発明の前記フィード
バック補正量をエンジンの停止後も記憶し、この記憶値
を用いてエンジンの温度信号を補正し、この補正された
温度信号を用いて始動時の燃料噴射量を算出する。
【0011】第5の発明は、図29に示すように、エン
ジンの負荷と回転数から基本噴射量Tpを算出する手段
41と、エンジンの冷却水温Twを検出するセンサ42
と、エンジンの回転変動から燃焼の安定度Lljdを算
出する手段43と、暖機中で定常状態のとき前記安定度
Lljdが所定の許容レベルに収まるようにフィードバ
ック補正量Lldmlを算出する手段44と、このフィ
ードバック補正量Lldmlで前記冷却水温の検出値T
wを補正して水温補正温度Twlを算出する手段45
と、この水温補正温度Twlにもとづいて暖機時に前記
基本噴射量Tpを補正する暖機時増量補正量(たとえば
水温増量補正量Ktwと始動後増量補正量Kas)を算
出する手段46と、前記冷却水温の検出値Twにもとづ
いて燃料壁流の温度Twf0を予測する手段51と、こ
の壁流温度の予測値Twf0を前記フィードバック補正
量Lldmlで補正して壁流補正温度Twfを算出する
手段52と、この壁流補正温度Twfにもとづいて過渡
時に前記基本噴射量Tpを補正する壁流補正量(たとえ
ば壁流補正量Kathosや気筒別壁流補正量Chos
n)を算出する手段53と、この壁流補正量と前記暖機
時増量補正量と前記基本噴射量Tpとから燃料噴射量T
iを算出する手段54と、燃料を吸気管に供給する装置
47とを設けた。
【0012】第6の発明は、図30に示すように、エン
ジンの負荷と回転数から基本噴射量Tpを算出する手段
41と、エンジンの冷却水温Twを検出するセンサ42
と、エンジンの回転変動から燃焼の安定度Lljdを算
出する手段43と、暖機中で定常状態のとき前記安定度
Lljdが所定の許容レベルに収まるようにフィードバ
ック補正量Lldmlを算出する手段44と、このフィ
ードバック補正量Lldmlで前記冷却水温の検出値T
wを補正して水温補正温度Twlを算出する手段45
と、この水温補正温度Twlにもとづいて暖機時に前記
基本補正量Tpを補正する暖機時増量補正量(たとえば
水温増量補正量Ktwと始動後増量補正量Kas)を算
出する手段46と、この暖機時増量補正量と前記基本噴
射量Tpとから燃料噴射量を算出する手段55と、前記
フィードバック補正量Lldmlを暖機終了時からメモ
リ61に保持する手段62と、この保持値がエンジンの
停止後も消失しないようにバッテリバックアップする手
段63と、このバッテリバックアップされた保持値で前
記冷却水温の検出値Twを補正して始動時水温補正温度
Twl(水温補正温度Twlの算出法と同じなので変数
名を同じにする)を算出する手段64と、エンジンの始
動時であるかどうかを判定する手段65と、この判定結
果より始動時は前記始動時水温補正温度Twlにもとづ
いて始動時の燃料噴射量Tstを算出する手段66と、
燃料を吸気管に供給する装置47とを設けた。
【0013】第7の発明は、第5または第6の発明にお
いて、多気筒エンジンでは気筒別の回転変動より燃焼の
安定度を算出する。
【0014】第8の発明は、図31示すように、第5、
第6、第7の発明のいずれかの前記フィードバック補正
量算出手段44が、安定度の信号をサンプリングする手
段71と、そのサンプリング数をカウントする手段72
と、フィードバック補正量Lldmlを、前記カウント
数が少ない段階で前記サンプリング手段71でサンプリ
ングされたデータの平均値が第1の判定レベルSlh以
上になったとき大きな値の更新量DLLH#で、また前
記カウント数が多くなった段階で前記サンプリング手段
71でサンプリングされたデータの平均値から前記第1
の判定レベルSlhより小さな第2の判定レベルSll
を差し引いた値に応じてそれぞれ更新する手段73とか
らなる。
【0015】
【作用】基準燃料(たとえば一般ガソリン)に対してマ
ッチングした制御特性に対して基準燃料の燃料性状と異
なる燃料(たとえば重質ガソリン)が使用されたばかり
で、安定度の検出値が所定の許容レベルに収まらず燃焼
が不安定である状態でも、第1の発明で安定度が許容レ
ベルに収まるようにフィードバック補正量が算出され、
これがエンジン制御因子の制御量に反映されることか
ら、燃焼が安定する状態へと徐々に回復される。つま
り、使用燃料が重質ガソリンであると判断されるまで燃
焼が不安定なままにおかれるということはない。
【0016】また、暖機中は燃焼の安定度と燃料性状
(主に燃料の揮発性)とが強い相関をもつことから、使
用燃料が重質ガソリンのために所定の許容レベルををは
ずれた安定度の算出値が再び許容レベルに収まった状態
で算出されるフィードバック補正量と、一般ガソリンの
使用時に安定度の算出値が許容レベルに収まっている状
態で算出されるフィードバック補正量との差は、重質ガ
ソリンと一般ガソリンの揮発性の違いに精度よく対応す
る。しかも、安定度のフィードバック補正により燃焼が
安定している状態では、燃料の揮発性以外の要因である
エンジンバラツキの影響を受けることがなく、また燃焼
の安定度はエンジンの回転変動から検出するため、重質
ガソリンの燃料性状を直接に検出するセンサや燃料性状
を間接的に検出するセンサは不要となる。
【0017】エンジン制御因子の制御量を算出すると
き、燃料性状を考慮するパラメータとしてエンジンの温
度信号を用いており、同じ基準燃料でもエンジン温度が
低いときほど燃料の揮発性が悪くなるため、エンジンの
低温時は燃焼の安定する側に制御量を変更している。こ
のことは、燃料の揮発性の違いは温度変化とほぼ同等で
あることを意味する。第2の発明で、燃料の揮発性に対
応するフィードバック補正量で補正されたエンジンの温
度信号を用いることで、燃料性状に適合したさまざまな
制御が可能となる。
【0018】第3の発明で精度のよい燃料性状の検出値
や補正された温度信号を用いて過渡時の燃料噴射量が算
出されると、基準燃料と使用燃料とのあいだの揮発性の
違いに起因する過渡時の空燃比のずれが小さくなり、重
質ガソリンの使用時にも過渡時の運転性やエミッション
が向上する。
【0019】第4の発明で前回のエンジンの停止時にフ
ィードバック補正量が記憶され、この記憶値を用いて始
動時の噴射量が算出されると、前回のエンジンの停止時
と今回の始動時とのあいだに使用燃料の変更がないかぎ
り、使用燃料にあった量の燃料が始動時に供給されるこ
とになり、重質ガソリンの使用によっても冷間始動性が
向上する。
【0020】第5の発明は、第3の発明においてエンジ
ン制御因子を空燃比とし、かつエンジン制御のパラメー
タとして用いられるエンジンの温度信号のうち壁流温度
に燃料性状を反映させ、さらに補正された壁流温度を用
いて過渡時の壁流補正量を算出して過渡時の燃料噴射量
を求めるものに相当する。したがって、第5の発明は第
3の発明のうち第5の発明に対応する部分の作用と基本
的に同じである。さらに、壁流補正量Kathos、C
hosの算出に用いるテーブルやマップが、壁流温度を
パラメータとしてあらかじめ与えられているときは、壁
流温度を壁流補正温度Twlに単に置き換えるだけでデ
ータはそのまま用いることができることから、テーブル
やマップ作成の工数が増えることがない。
【0021】同様にして、第6の発明は、第4の発明に
おいてエンジン制御因子を空燃比とし、かつエンジン制
御のパラメータとして用いられるエンジンの温度信号の
うち始動時の冷却水温に燃料性状を反映させ、さらに補
正された始動時の冷却水温を用いて始動時の燃料噴射量
を求めるものに相当する。したがって、第6の発明は第
4の発明のうち第6の発明に対応する部分の作用と基本
的に同じである。さらに第6の発明でも、始動時噴射量
Tstの初期値を算出する場合に、始動時の冷却水温を
パラメータとしてあらかじめ与えられているテーブルを
用いるときは、冷却水温を始動時水温補正温度Twlに
単に置き換えるだけでよく、従来のテーブルをそのまま
用いることができる。
【0022】第7の発明は多気筒エンジンに適用したも
ので、気筒別の回転変動より燃焼の安定度が算出される
と、気筒間のバラツキが燃焼の不安定による回転変動と
誤認されることがない。
【0023】第8の発明でサンプリングデータ数が少な
い段階と多くなった段階での2段階で更新されると、素
早い応答性を保ちつつ高精度にフィードバック補正量が
求められる。
【0024】
【実施例】図2において、燃料の噴射は、量が多いとき
も少ないときも吸気ポートに設けた一か所のインジェク
タ4から供給するので、量の調整はコントロールユニッ
ト21によりその噴射時間で行う。噴射時間が長くなれ
ば噴射量が多くなり、噴射時間が短くなれば噴射量が少
なくなる。混合気の濃さつまり空燃比は、一定量の吸入
空気に対する燃料噴射量が多くなればリッチ側にずれ、
燃料噴射量が少なくなればリーン側にずれる。
【0025】したがって、吸入空気量との比が一定値と
なるように燃料の基本噴射量を決定してやれば運転条件
が違っても同じ空燃比が得られる。燃料の噴射がエンジ
ンの1回転について1回行われるときは、1回転で吸い
込んだ空気量に対して基本噴射パルス幅Tpをそのとき
の吸入空気量とエンジン回転数とから求めるのである。
通常このTpにより決定される空燃比は理論空燃比付近
になっている。
【0026】ところで、一般ガソリンに対してエンジン
の制御特性を定めている場合に、重質ガソリンが使用さ
れると、重質ガソリンは燃料の揮発性が一般ガソリンよ
り悪いため、特に燃焼状態のわるい運転条件で運転性に
大きく影響する。燃焼が安定しない始動直後の暖機中
は、理論空燃比よりもリッチ側の空燃比で運転しよう
と、水温増量補正係数Ktwと始動後増量補正係数Ka
sとを用いて燃料の増量補正を行っているのであるが、
これらの増量係数が、一般ガソリンに対してマッチング
されているときは、重質ガソリンの使用で、燃料の揮発
性が悪くなった分だけ、燃焼が悪化するのである。
【0027】これに対処するため、コントロールユニッ
ト21では、エンジンの回転変動から燃焼の安定度を算
出し、暖機中の安定度が所定の許容レベルに収まるよう
にフィードバック補正量を算出し、この補正量で暖機中
の空燃比を補正する。
【0028】この暖機中の空燃比フィードバック補正に
必要となるセンサからの信号(7はエアクリーナから吸
入される空気量Qaを検出するエアフローメータ、9は
アイドルスイッチ、10は単位クランク角度ごとの信号
とクランク角度の基準位置ごとの信号とを出力するクラ
ンク角度センサ、11は水温センサ)が、O2 センサ1
2、ノックセンサ13、車速センサ14からの信号など
とともにマイコンからなるコントロールユニット21に
入力されている。
【0029】なお、燃料制御は目標空燃比をめざして行
い、空気流量の検出値から最終的に供給燃料量を求めて
いることを考えると、(空気流量)×(燃空比)=(供
給燃料量)の関係が成立することから、燃空比のほうが
空燃比より扱いやすいため、以下では一部の数値に燃空
比を用いている。
【0030】[1−1]回転変動の算出 4気筒エンジンでは図3に示したように、クランク角度
で180度ごとに回転変動量を算出する(図3のステッ
プ2)。ただし、気筒間バラツキによる回転変動を燃焼
の不安定による回転変動として検出しないように、気筒
別の回転変動を求める。なお、図3はメインルーチン
で、図4、図5、図7は図3のステップ2、3、5の詳
細を示すサブルーチンである。
【0031】図4において、REF(クランク角度セン
サからの180度ごとに立ち上がる基準信号)間周期R
efから1回転区間の周期Refrvを、 Refrv=Ref+Refn-1 …(1) ただし、Refn-1;前回のRef の式で求め(図4のステップ11)、これを Nerv=KN#/Refrv …(2) ただし、KN#;周期→回転数への変換定数 の式で気筒別の回転数Nervに変換し(図4のステッ
プ13)、 Dnerv=Nerv−Nervn-4 …(3) ただし、Nervn-4;4回前のNervの式で気筒別
回転変化量Dnervを算出する(図4のステップ1
5)。
【0032】REF間周期は各気筒の燃焼行程に対応し
て変化し、かつ燃焼気筒順(たとえば1−3−4−2の
順とする)に求まっていくため、(2)式の気筒別回転
数も燃焼気筒順に変化する。(2)式の気筒別回転数が
たとえば1番気筒の燃焼行程に対応するときは、Ner
n-1(1回前の値)は2番気筒の、Nervn-2(2回
前の値)は4番気筒の、Nervn-3(3回前の値)は
3番気筒の燃焼行程に対応するため、(3)式では4回
前の値(1サイクル前の値)を用いるわけである。
【0033】なお、(2)式の計算の前に旧Nervの
シフトを行う(図4のステップ12)。これは1回転前
のデータを2回前のRAMに、2回前のデータを3回前
に、3回前のデータを4回前にと逐次移し替える操作で
ある。この旧Nervのシフトによって、気筒別にエン
ジン回転数が得られることから、後述するエンジン回転
数Neを、 Ne=(Nerv+Nervn-1+Nervn-2+Ner
n-3)/4 の式で全気筒のエンジン回転数の平均値として求めるこ
とができる。
【0034】旧Dnervのシフトも旧Nervのシフ
トと同様である(図4のステップ14)。
【0035】(3)式の気筒別回転変化量Dnervか
ら Llj=Dnerv−Dnervn-1 …(4) ただし、Dnervn-1;1回前のDnerv の式で気筒別回転変化量の変化量Lljを求める(図4
のステップ16)。
【0036】(3)式のDnervは前回の燃焼時の1
回転周期から今回の燃焼時の1回転周期までの時間変化
量に対応する回転変化量であるから、(4)式のLlj
は燃焼に伴う疑似的なトルク変動に相当する。このよう
にしてLljを求めることで、気筒間のバラツキを燃焼
の不安定による回転変動と誤認しないようにするわけで
ある。
【0037】気筒別変化量の変化量Lljにはバンドパ
スフィルター処理を行い、結果をデジタルフィルター処
理出力Lljdとしてストアする(図4のステップ1
7,18)。バンドパスフィルター処理は、ソフトウエ
アで行うため、連続系から離散系に変換した式を用い
る。周波数としては車両のドライバーがサージとして感
じやすい周波数(3〜7Hz)とすればよい。
【0038】[1−2]安定度フィードバック補正の禁
止条件 燃焼の安定度が許容レベルに収まるように空燃比をフィ
ードバック補正する運転条件は暖機中だけで、過渡時や
始動時ではない。これは、燃焼の安定度と燃料の揮発性
とが強い相関をもつのは、暖機中だけだからである。一
方、過渡時に使用燃料の揮発性によって定まる補正の要
求値と実際の補正量とがずれた場合には、エミッション
の悪化が問題であり、要求値と実際の補正量との差に対
応する安定度の差はあまり大きくない(過渡時は回転変
動が大きく、もともと安定度の検出ができないこともあ
る)。また始動時は燃焼前の段階であり、安定度とは無
関係である。
【0039】具体的には、図5に示したように以下の
〈1〉〜〈7〉の条件のいずれかでも成立するときはフ
ィードバック(図ではF/Bで表示する。他の図におい
ても同じ)補正の禁止フラグを“1”にして、フィード
バック補正を禁止する(図5のステップ30)。
【0040】〈1〉始動時水温Twsが上下限の間の所
定範囲内にないこと(図5のステップ21)。これはエ
ンジン運転が不可能な極低温領域や、燃焼が悪くなりよ
うのない高温領域などでフィードバック補正を禁止し、
よく適合された一部の水温領域だけをフィードバック補
正領域とするためである。
【0041】〈2〉現在の水温Twと始動時水温Tws
との差が所定値DTW#以上であること(図5のステッ
プ22)。Tw−Tws≧DTW#であれば始動から時
間がたって安定領域(かりに空燃比が理論空燃比から少
々ずれてリーンになっても安定して運転できる領域)で
あるとし、フィードバック補正を禁止するためである。
【0042】〈3〉運転条件がフィードバック補正領域
にないこと(図5のステップ23)。全運転領域は、図
6のように回転数Neとシリンダ空気量相当パルス幅
(エンジン負荷相当量で後述する)Avtpとでいくつ
かの領域に区分けされ、その中にフラグの値が入ってお
り、NeとAvtpから図6のマップを参照した値が
“0”であれば、フィードバック補正を禁止する。
“0”の領域は図示したように高回転域であり、高回転
域では燃焼が悪くなりようがないからである。
【0043】〈4〉ギヤ位置<所定値LLGR#である
こと(図5のステップ24)。ギア位置として高速ギア
位置になるほど大きな値を割り付けており(たとえば1
速、2速、3速、4速に対応して1,2,3,4)、ギ
ヤ位置<LLGR#でフィードバック補正を禁止する。
これは、低速ギヤ走行ではエンジンの回転変化が速く安
定度への外乱となるため、フィードバック補正を禁止で
きるようにしたものである(たとえば1速で禁止)。た
だし、アイドリングではフィードバック補正を行いたい
ので、低速ギア位置にあってもアイドリング時は補正を
行う。
【0044】〈5〉前回のギヤ位置と今回のギヤ位置が
同じでないこと(図5のステップ25)。ギヤ位置の変
更があるとフィードバック補正を禁止するのは、ギヤチ
ェンジによる回転変動によって燃焼の悪化であるとみな
されることによる誤制御を防止するためである。
【0045】〈6〉過渡時であること(図5のステップ
26,27,28)。絞り弁開度Tvo、シリンダ空気
量相当パルス幅Avtp、エンジン回転数Neの所定時
間当たりの各変化量が所定のレベル(絞り弁開度につい
てLLDTVO#、シリンダ空気量相当パルス幅につい
てLLDTP#、エンジン回転数についてLLDNE
#)を越えたら過渡であると判断し、フィードバック補
正を禁止する。
【0046】〈7〉 上記の〈3〉から〈6〉までがす
べて成立しない場合において、経過時間が所定値TML
LC#以内であること(図5のステップ29)。条件成
立でフィードバック補正にすぐに入るのでなくTMLL
C#の時間待ってフィードバック補正に入るのであるか
ら遅延処理である。遅延処理を行うのは、安定度信号と
してのLljdがフィルター処理出力であるため、外乱
の影響を受けたとしてもすぐには出力が安定しないこ
と、またギヤチェンジなどで発生した回転変動は車両の
振動系の影響で瞬時にはなくならないことにより、安定
したフィードバック補正を行うには、遅延処理を行った
ほうがよいためである。
【0047】上記の〈1〉から〈7〉までの条件がすべ
て成立しない場合に初めてフィードバック補正の禁止フ
ラグを“0”にしてフィードバック補正に入る(図5の
ステップ31)。
【0048】[1−3]安定化燃空比補正係数の計算 安定度信号(デジタルフィルター処理出力Lljd)を
180度ごとにサンプリングするとともに、サンプル数
をカウントする(図7のステップ41)。
【0049】このカウント値と比較する所定のショート
サンプル数Sとロングサンプル数L(L>S)を求める
(図7のステップ42)。SとLの値は、検出精度(多
いほどよい)と制御精度(少ないほど速い)を考慮して
決定する。たとえばエンジン回転数Neから図8を内容
とするテーブルを参照して求めている。
【0050】S個のサンプル数がでそろうと、サンプル
データの合計をSで除算した値(つまり平均値)が第1
のスライスレベルSlh以上であるかどうかみて、(サ
ンプルデータ合計/S)≧Slhであれば、燃焼の安定
度が許容レベルを越えたと判断し、フィードバック補正
量としての安定化燃空比補正係数Lldmlを Lldml=Lldmln-1+DLLH# …(5) ただし、Lldmln-1;1回前のLldml DLLH#;高速更新量 の式で更新する(図7のステップ44,45,46)。
【0051】L個のサンプル数がでそろったときも、サ
ンプルデータの合計をLで除算した値から第2のスライ
スレベルSll(Sll<Slh)を差し引き、その差
し引いた値から図9を内容とするテーブルを参照して低
速更新量Dlldmlを求め、この値を用いて、 Lldml=Lldmln-1+Dlldml …(6) ただし、Lldmln-1;1回前のLldml の式で安定化燃空比補正係数Lldmlを更新する(図
7のステップ47,48,49,50)。
【0052】(5)式の高速更新量DLLH#はプラス
の一定値であるが、低速更新量Dlldmlは、図9に
示したように、(サンプルデータ合計/L−Sll)が
正の領域で(サンプルデータ合計/L−Sll)に応じ
て大きく、また(サンプルデータ合計/L−Sll)が
負の領域で|サンプルデータ合計/L−Sll|に応じ
て負の値で大きくしている。
【0053】このように、S個のサンプル数がでそろっ
たときとL個のサンプル数がでそろったときとで2段階
に安定化燃空比補正係数Lldmlを更新するのは、サ
ンプルデータ数が少ない段階で大きな値のスライスレベ
ルSlhを越えたとき、とりあえず大きな更新量DLL
H#を用いて応答よくLldmlの値を増量側に変化さ
せ、サンプルデータ数が多い段階でSlhより値の小さ
なスライスレベルSllを越えたときは、その越えた量
に応じた更新量を用いてLldmlの値を精度良く変化
させるためである。
【0054】なお、安定化燃空比補正係数Lldmlに
より結果的に暖機中の空燃比が変更されるので、図9に
おいて(サンプルデータ合計/L−Sll)が小さい範
囲でも更新量Dlldmlを与えると、空燃比の変更に
よるトルク変動が生じる。これを防止するため、図9に
おいては不感帯(サンプルデータ合計/L−Sll)の
値が0を中心とする所定の範囲にあるときDlldml
=0とする領域)を設けている。
【0055】最後に、安定化燃空比補正係数Lldml
が最小値の0以下になったときは、Lldml=0に、
またLldmlが最大値LLDMMX#以上になると、
Lldml=LLDMMX#とする(図7のステップ5
1)。
【0056】[1−4]安定度判定用スライスレベルの
計算 安定度信号が許容レベルに収まっているかどうかの判定
に用いた上記の2つのスライスレベルSlh、Sllは
一定値でなく、図10に示したように、可変値で求めて
いる。アイドル時またはギヤ位置がニュートラルでない
ときは、回転数Neとシリンダ空気量相当パルス幅Av
tpを用いて図11を内容とするマップを参照して、ま
たアイドル時またはニュートラルであれば、回転数Ne
から図12を内容とするテーブルを参照してスライスレ
ベルSllとSlhを求めるのである(図10のステッ
プ61,62、ステップ61,63)。
【0057】図11に示したように、アイドル時または
ニュートラル以外の走行中に用いるスライスレベルSl
lとSlhをエンジンの負荷に応じても割り付けたの
は、実験的に負荷の影響を受けることがわかったからで
ある。これは、エンジンマウティングのバネ定数などが
負荷で変化するためと思われる。なお、図11はSll
とSlhに共通の特性を示しており、実際にはSllと
Slhとで別々のマップを用意していることはいうまで
もない。
【0058】アイドル時またはニュートラルの運転条件
とそれ以外の走行中とで分けたのは、安定度に与える影
響が異なるからである。アイドル時またはニュートラル
ではエンジンにトランスミッションの一部の小さいマス
が結合しているだけなので、回転変動が大きく出るのに
対し、それ以外の走行中はエンジンに車両マスが結合し
ているので、燃焼が変動しても回転変動は比較的小さく
なるからである。
【0059】[1−5]冷却水温の補正 フィードバック補正量(安定化燃空比補正係数Lldm
l)から水温補正温度Twlを Twl=Tw−Lldml …(7) ただし、Tw;冷却水温 の式で求める(図13のステップ73)。
【0060】(7)式によれば一般ガソリンより揮発し
にくくなるほどTwlが小さくなる。
【0061】[1−6]暖機時増量 暖機中の空燃比を制御する値には、水温増量補正係数K
twと始動後増量補正係数Kasとがあり、これらは周
知である。たとえば、 Ktw=Ktw0*Ktwn …(8) ただし、Ktw0;補正係数の基本値 Ktwn;回転補正率 の式で水温増量補正係数Ktwを、また Kas=Kas0*Kasn*Rtime …(9) ただし、Kas0;補正係数の基本値 Kasn;回転補正率 Rtime;減量率 の式で始動後増量補正係数Kasを計算している(図2
0のステップ114,118)。
【0062】従来と異なるのは、冷却水温Twに代えて
(7)式の水温補正温度Twlを用いる点だけである。
このため、水温補正温度Twlから図22を内容とする
テーブルを参照して各基本値Ktw0、Kas0を求め
る(図20のステップ112,115)。図22を内容
とするテーブルは、一般ガソリンに対して用意してある
従来のテーブルの変数名をTwからTwlに単に置き換
えただけのもので、データの値はそのままである。
【0063】(9)式の減衰率Rtimeにより初期値
(Kas0とKasnで決まる)を低温時は高温時より
もゆっくりと減少させるのであるが、この減衰率Rti
meについても、水温補正温度Twlと始動後時間とか
ら図24を内容とするテーブルを参照して求める(図2
0のステップ117)。
【0064】(8)式,(9)式の回転補正率Ktwn
とKasnとは図23を内容とするテーブルを参照して
求める(図20のステップ113,116)。
【0065】[1−7]目標燃空比Tfbya これは、公知の Tfbya=Kmr+Ktw+Kas …(10) ただし、Kmr;目標燃空比マップ値 の式により計算する(図20のステップ120)。
【0066】(10)式の目標燃空比マップ値Kmrは
回転数Neと負荷信号とから図21を内容とするマップ
を参照して求める(図20のステップ111)。
【0067】(10)式より冷間始動直後の暖機中は、
目標燃空比マップ値Kmrが1.0(つまり理論空燃比
相当)にあり、暖機中の空燃比が暖機時増量(Kmrと
Ktw)によって理論空燃比よりもリッチ側にシフトす
るわけである。
【0068】なお、O2センサ12が十分活性化したこ
と、始動後増量がなくても運転性に問題がでない程度に
始動後時間が経過したこと、水温Twが所定値以上にな
ったことのすべてを満たしたとき、O2センサ12にも
とづく空燃比のフィードバック補正を開始する。この空
燃比フィードバック補正条件ではTfbya=1.0と
なり(図20のステップ119,121)、三元触媒6
が最大限に活用される。高負荷域になると再び空燃比フ
ィードバック補正の禁止条件(クランプ条件)となり、
図21のように目標燃空比マップ値Kmrを1.0より
大きくする(空燃比をリッチ側にシフトする)ことで出
力要求に応じている。
【0069】[1−8]燃料噴射パルス幅の計算 各インジェクタ4に出力する燃料噴射パルス幅Tiは Ti=Avtp*Tfbya*(α+αm)+Ts …(11) ただし、Avtp;シリンダ空気量相当パルス幅 Tfbya;目標燃空比 α;空燃比フィードバック補正係数 αm;空燃比学習補正係数 Ts;無効パルス幅 の式で計算する。
【0070】(11)式のシリンダ空気量相当パルス幅
Avtpは、 Avtp=Tp*Fload+Avtpn-1*(1−Fload) …(12) ただし、Tp;基本噴射パルス幅 Avtpn-1;前回のAvtp Fload;加重平均係数 の式により基本噴射パルス幅Tpをなました値、またT
pはエアフローメータ出力をA/D変換した後リニアラ
イズして求めた吸入空気量Qsから Tp=(Qs/Ne)*K#*Ktrm …(13) ただし、K#;基本空燃比を定める定数 Ktrm;インジェクタの流量特性より定まる定数 の式で計算した値である。(12)、(13)式とも公
知である。
【0071】ここで、この例の作用を説明する。
【0072】安定度信号から求められたフィードバック
補正量(安定化燃空比補正係数Lldml)が暖機時増
量(水温増量補正係数Ktwと始動後増量補正係数Ka
s)に反映されることで、一般ガソリンより燃料の揮発
性がよくない重質ガソリンが使用されたときでも、燃焼
の安定度が許容レベルに収まるように暖機中の空燃比に
ついてフィードバック補正が行われる。ただし、このと
きは暖機中であるからO2センサ出力にもとづく空燃比
フィードバック補正係数αは1.0にクランプされてい
る。
【0073】たとえば、一般ガソリンの使用時に安定度
信号であるデジタルフィルター処理出力Lljdが許容
レベルにあっても、重質ガソリンの使用で揮発性の違い
の分だけ燃焼の安定度が悪くなると、デジタルフィルタ
ー処理出力Lljdが一般ガソリンの使用時より大きく
なることから、安定化燃空比補正係数Lldmlが大き
くなり、上記の(7)式で水温補正温度Twlが小さく
なる。これより低水温サイドの値(図22参照)で暖機
時増量が行われて暖機中の空燃比がリッチ側にシフトさ
れるため、燃焼の安定度がよくなり、デジタルフィルタ
ー処理出力Lljdが今度は小さくなる側にずれる。こ
うした安定度のフィードバック補正をくり返すうちに、
重質ガソリンが使用されても、やがては安定度信号が許
容レベルに落ち着く。
【0074】このように、重質ガソリンが使用されたば
かりで、安定度信号が許容レベルにおさまらない状態で
も、安定度のフィードバック補正が行われて、安定度信
号から求められたフィードバック補正量(Lldml)
が暖機中の空燃比を定める暖機時増量に反映されること
から、従来例のように使用燃料が重質ガソリンであると
判断されるまで燃焼が不安定なままにおかれるというこ
とがないのである。
【0075】また、暖機中は燃焼の安定度と燃料の揮発
性とが強い相関をもつことから、重質ガソリンの使用で
許容レベルをはずれた安定度信号が再び許容レベルに落
ち着いた状態でのフィードバック補正量と、一般ガソリ
ンの使用時に安定度信号が許容レベルに落ち着いている
状態でのフィードバック補正量との差は、重質ガソリン
と一般ガソリンの揮発性の違いに精度よく対応する。し
かも、安定度のフィードバック補正により燃焼が安定し
ている状態では、燃料の揮発性以外の要因であるエンジ
ンバラツキの影響を受けることがなく、また燃焼の安定
度はエンジンの回転変動から検出するため、重質ガソリ
ンセンサや燃焼光を検出する光センサなどが不要であ
る。つまり、新たに燃料の揮発性やその揮発性に対応す
る因子を検出するセンサを設けることなく、燃料の揮発
性を高精度に検出できているわけである。
【0076】ところで、重質ガソリンの使用が運転性に
大きく影響するのは、過渡時と冷間始動時である。これ
は、過渡時に要求される燃料補正量や冷間始動時に要求
される燃料噴射量も燃料の揮発性の違いで大きく異なる
からである。
【0077】このため、燃料の揮発性の検出値に相当す
るフィードバック補正量(Lldml)を壁流補正量と
始動時噴射量に反映させる。
【0078】[2]壁流補正量 壁流補正量そのものは公知で、全気筒に共通する壁流補
正量Kathosと、気筒別の値である気筒別壁流補正
量Chosn(ただし、nはインジェクタ番号)とがあ
る。ここでも従来と異なるのは壁流温度Twf0に代え
て壁流補正温度Twfを用いる点だけである。
【0079】[2−1]壁流温度の補正 上記の(7)式と同様にして、安定化燃空比補正係数L
ldmlから壁流補正温度Twfを Twf=Twf0−Lldml*GLT# …(14) ただし、Twf0;壁流温度 GLT#;リーン限界制御過渡反映ゲイン の式で求める(図13のステップ72)。
【0080】(7)式にないゲインGLT#が(14)
式にあるのは、過渡時の燃料補正量の要求に応じるため
である。
【0081】(14)式の壁流温度Twf0は公知であ
る(特開平3−134237号公報参照)。この壁流温
度Twf0は、冷間始動後の運転履歴にしたがい冷却水
温Twに向かって1次遅れで近づく値(予測値として算
出される)で、冷却水温Twを基準として始動信号、他
の運転条件から算出している(図13のステップ7
1)。これは、冷間始動直後に吸気弁温度などが上昇し
ておらず壁流が多いので、冷却水温Twよりも低い温度
とみなして壁流補正を行うために導入したものである。
【0082】[2−2]壁流補正量Kathos これは、壁流の低周波分(比較的ゆっくりと変化する壁
流分のこと)の修正を目的とし、運転条件ごとに平衡付
着量Mfhを記憶しておき、過渡に伴う平衡付着量の変
化を総補正量として、燃料噴射ごとに所定の割合ずつシ
リンダ空気量相当パルス幅Avtpに加算(減速時は減
算)するものである。
【0083】加速時は噴射量を増量しなければならない
が、どんなに霧化特性のよいインジェクタといえども、
燃料の一部は吸気マニホールド壁に付着し、吸気管壁を
伝って液状のまま流れ(この流れが壁流)、空気に乗せ
られた燃料より遅い速度でシリンダに流れる。つまり、
壁流燃料によってシリンダに吸入される混合気が一時的
に薄くなるので、この一時的な混合気の希薄化を防止す
るため、加速時は壁流補正量Kathosだけ増量する
のである。この逆に、マニホールド圧が急激に高負圧に
なる減速時は、マニホールド壁に付着していた燃料がい
っせいに気化してくるため、混合気が一時的に濃すぎに
なり、CO,HCが増加する。そこで、減速時はこの気
化する壁流分を減量してやるわけである。
【0084】まず、平衡付着量Mfhを Mfh=Mfhtvo*Avtp*CYL# …(15) ただし、Avtp;シリンダ空気量相当パルス幅[m
s] Mfhtvo;付着倍率[倍] CYL#;シリンダ数 の式で計算する(図14のステップ91)。
【0085】付着倍率Mfhtvoは、Avtpに対し
て何倍の壁流が付着しているかという場合の何倍という
数値を示す値で、上記の壁流補正温度Twfと負荷信号
(たとえばAvtp)から図15を内容とするマップを
参照して求める。平衡付着量Mfhは全気筒で1つの値
として扱うのに対し、付着倍率Mfhtvoは1気筒分
として扱うため、シリンダ数(4気筒では4)CYL#
を付着倍率Mfhtvoに乗算することで、両者の単位
を整合させている。
【0086】上記の図15を内容とするマップは従来の
マップのパラメータをTwf0からTwfに単に変更し
ただけのもので、データは従来のままである。以下の計
算で使われる図16を内容とするマップ、図18を内容
とするテーブルについても同様である。
【0087】平衡付着量Mfhから付着速度Vmfを、 Vmf=(Mfh−Mf)*Kmf …(16) ただし、Mf;付着量 Kmf;分量割合 の式で求める(図14のステップ93)。付着速度Vm
fは気筒ごとに設けたインジェクタからの1噴射当たり
に、各気筒で増加または減少するはずの壁流量であり、
これが後述する壁流補正量Kathosの基本値であ
る。
【0088】(16)式の付着量Mfは、瞬時瞬時の時
点での付着量の予測値である。これは図19のサブルー
チン(噴射に同期したジョブ)において Mf=Mfn-1+Vmf …(17) ただし、Mfn-1;前回のMf の式により、燃料の噴射ごとに付着速度Vmfを積算す
ることで求めている(図19のステップ101)。
【0089】(16)式の分量割合Kmfは、過渡に伴
い平衡付着量Mfhが変化した量を噴射ごとに各気筒に
割り振るための割合で、壁流補正温度Twfと負荷信号
から図16を内容とするマップを参照して求める(図1
4のステップ92)。
【0090】付着速度Vmfからは壁流補正量Kath
osを Kathos=Vmf*Ghf …(18) ただし、Ghf;減速補正率 の式で計算する(図14のステップ95)。
【0091】(18)式で減速補正率Ghfを導入した
のは、減速時に付着速度Vmfが少々でも過大に計算さ
れると、リーン失火などを招くことがあるので、これを
防止するため加速時よりも減速時のほうが壁流補正量K
athosの値が小さくなるようにしたものである。た
とえば、減速時にエンジン回転数Neから図17を内容
とするテーブルを参照して求めている(図14のステッ
プ94)。加速時はGhf=1.0である。
【0092】[2−3]気筒別壁流補正量Chosn これは壁流の高周波分(比較的速く変化する壁流分のこ
と)の修正を目的とし、空気量の変化分に伴うものであ
る(特開昭64−12046号、特開平3−11163
9号公報参照)。
【0093】気筒別壁流補正量Chosn(nはインジ
ェクタ番号)は、気筒別に前回噴射からのAvtpの変
化量を用いて、 Chosn=ΔAvtpn*Gztwp(減速ではGztwm)…(19) ただし、ΔAvtpn;Avtp変化量(nはインジェ
クタ番号) Gztwp;気筒別増量ゲイン Gztwm;気筒別減量ゲイン の式で計算する(図14のステップ97)。気筒別壁流
補正量Chosnの計算は気筒数回繰り返す(図14の
ステップ98)。
【0094】(19)式の増量ゲインGztwpと減量
ゲインGztwmは、壁流補正温度Twfから図18を
内容とするテーブルを参照して求める(図14のステッ
プ96)。低温ほど壁流が多いため、ゲインGztwp
とGztwmの値も低温ほど大きな値になっている。
【0095】(19)式のΔAvtpnは ΔAvtpn=Avtp−Avtpoin …(20) ただし、Avtpoin;前回噴射時のAvtp(nは
インジェクタ番号) である。
【0096】前回噴射時のAvtpは、図19に示した
ようにシリンダ空気量相当パルス幅Avtpを噴射気筒
に相当するAvtpoinにストアすることで求めてい
る(図19のステップ104)。
【0097】[2−4]燃料噴射パルス幅 壁流補正量(KathosとChosn)を用いるとき
は、上記の(11)式に代えて、気筒別の燃料噴射パル
ス幅Tin(nはインジェクタ番号)を Tin=(Avtp+Kathos)*Tfbya*(α+αm) +Chosn+Ts …(21) により計算する(図13のステップ77)。この(2
1)式も公知である。
【0098】なお、図示しないが減速時や高回転時など
の燃料カット条件になると(21)式のTinに代えて
無効パルス幅Tsをストアする(そうでなければTin
を出力レジスタにストアする(図19のステップ10
3))ことで、噴射タイミングでの噴射に備える。
【0099】[3]始動時噴射量 [3−1]フィードバック補正量のバッテリバックアッ
プ O2センサを用いての空燃比フィードバック補正の開始
によって安定度のフィードバック補正が終了するが、こ
の終了時以降もフィードバック補正量(安定化燃空比補
正係数Lldml)を保持しておき、エンジンの停止後
にはその保持値をバッテリバックアップする。
【0100】[3−2]始動時噴射パルス幅の計算 基本的な計算方法は変数名が異なるだけで上記の始動後
増量補正係数Kasと同様である。ただ、時間補正率K
csだけは図28に示すように始動後増量補正係数Ka
sの場合とやや異なっている(スタートスイッチがオン
になって一定値TKCS1#の時間が経過したときまた
はスタートスイッチST/SWがオフとなったらすぐに
減少特性に入る点が異なる)。
【0101】始動時噴射パルス幅Tstは、 Tst=Tst0*Csn*Kcs …(22) ただし、Tst0;噴射パルス幅の基本値 Csn;回転補正率 Kcs;時間補正率 であるが(図25のステップ134)、噴射パルス幅の
基本値Tst0については、始動時水温補正温度Twl
(上記の水温補正温度Twlの算出法と同じなので、変
数名もTwlを使う)から図26を内容とするテーブル
を参照して求める(図25のステップ131)。このテ
ーブルも、従来のテーブルのパラメータをTwからTw
lに単に変更しただけのもので、データは従来のままで
ある。
【0102】始動かどうかをみて始動であれば(22)
式で始動時噴射パルス幅Tstを求めてそれをTinと
する(図13のステップ78,79)。
【0103】重質ガソリンの使用時は、(14)式の壁
流補正温度Twfが一般ガソリンの使用時より低くな
り、一般ガソリンより燃料の揮発性が悪くなった分に対
応して加速時に壁流補正量Kathosが増やされる
(減速時は減量される)ことから、過不足なく壁流補正
量Kathosが与えられ、これによって重質ガソリン
使用時における壁流増加による加速時のリーンスパイク
や減速時のリッチスパイクが防止され、過渡時の運転性
や排気性能がよくなる。
【0104】気筒別壁流補正量Chosnについては、
これを導入したもともとの目的が気筒間の時間に対する
過渡空燃比の変動を抑える点にあったのであるが、気筒
別壁流補正量Chosnについても、安定度信号から求
めたフィードバック補正量(Lldml)が反映される
と、重質ガソリンの使用時であって加速タイミングによ
る応答遅れが精度よく補正される。
【0105】一方、前回の運転時に使用した燃料に対し
て得られたフィードバック補正量(Lldml)がエン
ジンの停止後もバッテリバックアップにより保持され、
この保持されたフィードバック補正量にもとづいて始動
時噴射量が計算されると、今回も続けて同じ燃料が使用
されるかぎり、冷間始動時でもその使用燃料に対する最
適な噴射量が供給される。たとえば、前回の運転時に使
用したのが重質ガソリンであれば、今回も続けて重質ガ
ソリンが使用されるときは、一般ガソリンに対するより
も多い燃料が供給されるわけで、これにより重質ガソリ
ンの使用時にも冷間始動時の運転性が向上するのであ
る。
【0106】また、壁流補正量、始動時噴射量とも、従
来のテーブルやマップ(壁流補正量について図15,図
16,図18に示した特性のテーブルやマップ、始動時
噴射量について図26に示した特性のテーブルは変数名
を単に入れ替えただけのもの)をそのまま用いて計算す
ることができるので、テーブルやマップ作成の工数が大
幅に増加することはない。
【0107】
【発明の効果】第1の発明によれば、エンジンの運転条
件から暖機中の燃焼の安定度と強い相関をもつエンジン
制御因子の基本制御量を算出する手段と、エンジンの回
転変動から燃焼の安定度を算出する手段と、暖機中の前
記安定度が所定の許容レベルに収まるようにフィードバ
ック補正量を算出する手段と、このフィードバック補正
量にもとづいて前記基本制御量の補正量を算出する手段
と、この補正量と前記基本制御量とから前記エンジン制
御因子の制御量を算出する手段と、前記フィードバック
補正量にもとづいて使用燃料の燃料性状を検出する手段
とを設けたため、使用燃料が基準燃料と異なる燃料であ
ると判断されるまで燃焼が不安定なままにおかれること
がなく、かつ燃料性状や燃料性状に応じて変化する因子
を検出するセンサをあらたに設けることなく燃料性状を
高精度に検出することができる。
【0108】第2の発明は、前記使用燃料の燃料性状を
検出することの内容は、エンジン制御のパラメータとし
て用いられるエンジンの温度信号を前記フィードバック
補正量で補正することであるため、第1の発明の効果に
加えて、補正されたエンジンの温度信号を用いることで
燃料性状に適合したさまざまな制御が可能となる。
【0109】第3の発明は、前記燃料性状の検出値また
は補正された前記温度信号を用いて過渡時の燃料噴射量
を算出するため、第1または第2の発明の効果に加え
て、基準燃料と使用燃料とのあいだの燃料性状の違いに
起因する過渡時の空燃比のずれが小さくなり、重質ガソ
リンを使用するときも過渡時の運転性やエミッションを
向上させることができる。
【0110】第4の発明は、前記フィードバック補正量
をエンジンの停止後も記憶し、この記憶値を用いてエン
ジンの温度信号を補正し、この補正された温度信号を用
いて始動時の燃料噴射量を算出するため、第1、第2、
第3の発明のいずれかの発明の効果に加えて、前回のエ
ンジンの停止時と今回のエンジンの始動時とのあいだに
使用燃料の変更がないかぎり使用燃料にあった量の燃料
が始動時に供給され、これによって使用燃料が重質ガソ
リンであるときも冷間始動性を向上させることができ
る。
【0111】第5の発明は、エンジンの負荷と回転数か
ら基本噴射量を算出する手段と、エンジンの冷却水温を
検出するセンサと、エンジンの回転変動から燃焼の安定
度を算出する手段と、暖機中で定常状態のとき前記安定
度が所定の許容レベルに収まるようにフィードバック補
正量を算出する手段と、このフィードバック補正量で前
記冷却水温の検出値を補正して水温補正温度を算出する
手段と、この水温補正温度にもとづいて暖機時に前記基
本噴射量を補正する暖機時増量補正量を算出する手段
と、前記冷却水温の検出値にもとづいて燃料壁流の温度
を予測する手段と、この壁流温度の予測値を前記フィー
ドバック補正量で補正して壁流補正温度を算出する手段
と、この壁流補正温度にもとづいて過渡時に前記基本噴
射量を補正する壁流補正量を算出する手段と、この壁流
補正量と前記暖機時増量補正量と前記基本噴射量とから
燃料噴射量を算出する手段と、燃料を吸気管に供給する
装置とを設けたため、第3の発明のうち第5の発明に対
応する部分の効果に加えて、壁流補正量の算出に用いる
テーブルやマップが、壁流温度をパラメータとしてあら
かじめ与えられているときは、壁流温度を壁流補正温度
に単に置き換えるだけでよく、従来のテーブルやマップ
をそのまま用いることができる。
【0112】第6の発明は、エンジンの負荷と回転数か
ら基本噴射量を算出する手段と、エンジンの冷却水温を
検出するセンサと、エンジンの回転変動から燃焼の安定
度を算出する手段と、暖機中で定常状態のとき前記安定
度が所定の許容レベルに収まるようにフィードバック補
正量を算出する手段と、このフィードバック補正量で前
記冷却水温の検出値を補正して水温補正温度を算出する
手段と、この水温補正温度にもとづいて暖機時に前記基
本補正量を補正する暖機時増量補正量を算出する手段
と、この暖機時増量補正量と前記基本噴射量とから燃料
噴射量を算出する手段と、前記フィードバック補正量を
暖機終了時からメモリに保持する手段と、この保持値が
エンジンの停止後も消失しないようにバッテリバックア
ップする手段と、このバッテリバックアップされた保持
値で前記冷却水温の検出値を補正して始動時水温補正温
度を算出する手段と、エンジンの始動時であるかどうか
を判定する手段と、この判定結果より始動時は前記始動
時水温補正温度にもとづいて始動時の燃料噴射量を算出
する手段と、燃料を吸気管に供給する装置とを設けたた
め、第4の発明のうち第6の発明に対応する部分の効果
に加えて、基準燃料に対する始動時噴射量の初期値を算
出する場合に、冷却水温をパラメータとしてあらかじめ
与えてあるテーブルを用いるときは、冷却水温を始動時
水温補正温度に単に置き換えるだけでデータはそのまま
用いることができることからテーブル作成の工数が増え
ることがない。
【0113】第7の発明は、多気筒エンジンでは気筒別
の回転変動より燃焼の安定度を算出するので、第5また
は第6の発明の効果に加えて、気筒間のバラツキが燃焼
の不安定による回転変動と誤認されることがない。
【0114】第8の発明では、前記フィードバック補正
量算出手段が、安定度の信号をサンプリングする手段
と、そのサンプリング数をカウントする手段と、フィー
ドバック補正量を、前記カウント数が少ない段階で前記
サンプリング手段でサンプリングされたデータの平均値
が第1の判定レベル以上になったとき大きな値の更新量
で、また前記カウント数が多くなった段階で前記サンプ
リング手段でサンプリングされたデータの平均値から前
記第1の判定レベルより小さな第2の判定レベルを差し
引いた値に応じてそれぞれ更新する手段とからなるの
で、第5、第6、第7の発明のいずれかの効果に加え
て、素早い応答性を保ちつつ高精度にフィードバック補
正量を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】一実施例の制御システム図である。
【図3】180度ジョブの流れ図である。
【図4】回転変動の算出を説明するための流れ図であ
る。
【図5】安定度フィードバック補正条件の判断を説明す
るための流れ図である。
【図6】安定度フィードバック補正を行う領域を示す図
である。
【図7】安定化燃空比補正係数Lldmlの算出を説明
するための流れ図である。
【図8】所定のサンプル数S,Lのテーブル内容を示す
特性図である。
【図9】安定化燃空比補正係数Lldmlの更新量Dl
ldmlのテーブル内容を示す特性図である。
【図10】バックグラウンドジョブの流れ図である。
【図11】2つのスライスレベルSll、Slhのマッ
プ内容を示す特性図である。
【図12】2つのスライスレベルSll、Slhのテー
ブル内容を示す特性図である。
【図13】10msecジョブの流れ図である。
【図14】壁流補正量の計算を説明するための流れ図で
ある。
【図15】付着倍率Mfhtvoのマップ内容を示す特
性図である。
【図16】分量割合Kmfのマップ内容を示す特性図で
ある。
【図17】減速補正率Ghfのテーブル内容を示す特性
図である。
【図18】増量ゲインGztwpと減量ゲインGztw
mのテーブル内容を示す特性図である。
【図19】噴射タイミングに同期するジョブの流れ図で
ある。
【図20】目標燃空比Tbyaの計算を説明するための
流れ図である。
【図21】目標燃空比マップ値Kmrのマップ内容を示
す特性図である。
【図22】補正係数の基本値Ktw0、Kas0のテー
ブル内容を示す特性図である。
【図23】回転補正率Ktwn、Kasnのテーブル内
容を示す特性図である。
【図24】減量率Rtimeのテーブル内容を示す特性
図である。
【図25】始動時噴射パルス幅Tstの計算を説明する
ための流れ図である。
【図26】噴射パルス幅の基本値Tst0のテーブル内
容を示す特性図である。
【図27】回転補正率Csnのテーブル内容を示す特性
図である。
【図28】時間補正率Kcsのテーブル内容を示す特性
図である。
【図29】第5の発明のクレーム対応図である。
【図30】第6の発明のクレーム対応図である。
【図31】第8の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
4 インジェクタ(燃料供給装置) 7 エアフローメータ 9 アイドルスイッチ 10 クランク角度センサ 11 水温センサ 21 コントロールユニット 31 基本制御量算出手段 32 燃焼安定度算出手段 33 フィードバック補正量算出手段 34 補正量算出手段 35 制御量算出手段 36 燃料性状検出手段 41 基本噴射量算出手段 42 水温センサ 43 燃焼安定度算出手段 44 フィードバック補正量算出手段 45 水温補正温度算出手段 46 暖機時増量補正量算出手段 47 燃料供給装置 51 壁流温度予測手段 52 壁流補正温度算出手段 53 壁流補正量算出手段 54 燃料噴射量算出手段 55 燃料噴射量算出手段 61 メモリ 62 保持手段 63 バッテリバックアップ手段 64 始動時水温補正温度算出手段 65 始動時判定手段 66 始動時噴射量算出手段 71 サンプリング手段 72 サンプリング数カウント手段 73 フィードバック補正量更新手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの運転条件から暖機中の燃焼の安
    定度と強い相関をもつエンジン制御因子の基本制御量を
    算出する手段と、 エンジンの回転変動から燃焼の安定度を算出する手段
    と、 暖機中の前記安定度が所定の許容レベルに収まるように
    フィードバック補正量を算出する手段と、 このフィードバック補正量にもとづいて前記基本制御量
    の補正量を算出する手段と、 この補正量と前記基本制御量とから前記エンジン制御因
    子の制御量を算出する手段と、 前記フィードバック補正量にもとづいて使用燃料の燃料
    性状を検出する手段とを設けたことを特徴とするエンジ
    ンの制御装置。
  2. 【請求項2】使用燃料の燃料性状を検出することの内容
    は、エンジン制御のパラメータとして用いられるエンジ
    ンの温度信号を前記フィードバック補正量で補正するこ
    とであることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの
    制御装置。
  3. 【請求項3】前記燃料性状の検出値または補正された前
    記温度信号を用いて過渡時の燃料噴射量を算出すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のエンジン
    の制御装置。
  4. 【請求項4】前記フィードバック補正量をエンジンの停
    止後も記憶し、この記憶値を用いてエンジンの温度信号
    を補正し、この補正された温度信号を用いて始動時の燃
    料噴射量を算出することを特徴とする請求項1、請求項
    2、請求項3のいずれかに記載のエンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】エンジンの負荷と回転数から基本噴射量を
    算出する手段と、 エンジンの冷却水温を検出するセンサと、 エンジンの回転変動から燃焼の安定度を算出する手段
    と、 暖機中で定常状態のとき前記安定度が所定の許容レベル
    に収まるようにフィードバック補正量を算出する手段
    と、 このフィードバック補正量で前記冷却水温の検出値を補
    正して水温補正温度を算出する手段と、 この水温補正温度にもとづいて暖機時に前記基本噴射量
    を補正する暖機時増量補正量を算出する手段と、 前記冷却水温の検出値にもとづいて燃料壁流の温度を予
    測する手段と、 この壁流温度の予測値を前記フィードバック補正量で補
    正して壁流補正温度を算出する手段と、 この壁流補正温度にもとづいて過渡時に前記基本噴射量
    を補正する壁流補正量を算出する手段と、 この壁流補正量と前記暖機時増量補正量と前記基本噴射
    量とから燃料噴射量を算出する手段と、 燃料を吸気管に供給する装置とを設けたことを特徴とす
    るエンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】エンジンの負荷と回転数から基本噴射量を
    算出する手段と、 エンジンの冷却水温を検出するセンサと、 エンジンの回転変動から燃焼の安定度を算出する手段
    と、 暖機中で定常状態のとき前記安定度が所定の許容レベル
    に収まるようにフィードバック補正量を算出する手段
    と、 このフィードバック補正量で前記冷却水温の検出値を補
    正して水温補正温度を算出する手段と、 この水温補正温度にもとづいて暖機時に前記基本補正量
    を補正する暖機時増量補正量を算出する手段と、 この暖機時増量補正量と前記基本噴射量とから燃料噴射
    量を算出する手段と、 前記フィードバック補正量を暖機終了時からメモリに保
    持する手段と、 この保持値がエンジンの停止後も消失しないようにバッ
    テリバックアップする手段と、 このバッテリバックアップされた保持値で前記冷却水温
    の検出値を補正して始動時水温補正温度を算出する手段
    と、 エンジンの始動時であるかどうかを判定する手段と、 この判定結果より始動時は前記始動時水温補正温度にも
    とづいて始動時の燃料噴射量を算出する手段と、 燃料を吸気管に供給する装置とを設けたことを特徴とす
    るエンジンの制御装置。
  7. 【請求項7】多気筒エンジンでは気筒別の回転変動より
    燃焼の安定度を算出することを特徴とする請求項5また
    は請求項6に記載のエンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】前記フィードバック補正量算出手段は、 安定度の信号をサンプリングする手段と、 そのサンプリング数をカウントする手段と、 フィードバック補正量を、前記カウント数が少ない段階
    で前記サンプリング手段でサンプリングされたデータの
    平均値が第1の判定レベル以上になったとき大きな値の
    更新量で、また前記カウント数が多くなった段階で前記
    サンプリング手段でサンプリングされたデータの平均値
    から前記第1の判定レベルより小さな第2の判定レベル
    を差し引いた値に応じてそれぞれ更新する手段とからな
    ることを特徴とする請求項5、請求項6、請求項7のい
    ずれかに記載のエンジンの制御装置。
JP14519893A 1993-06-16 1993-06-16 エンジンの制御装置 Pending JPH074286A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14519893A JPH074286A (ja) 1993-06-16 1993-06-16 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14519893A JPH074286A (ja) 1993-06-16 1993-06-16 エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH074286A true JPH074286A (ja) 1995-01-10

Family

ID=15379687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14519893A Pending JPH074286A (ja) 1993-06-16 1993-06-16 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH074286A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002276428A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP2008019822A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Suzuki Motor Corp エンジンの始動時燃料噴射量制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002276428A (ja) * 2001-03-22 2002-09-25 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の空燃比制御装置
JP4501298B2 (ja) * 2001-03-22 2010-07-14 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の空燃比制御装置
JP2008019822A (ja) * 2006-07-14 2008-01-31 Suzuki Motor Corp エンジンの始動時燃料噴射量制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2884472B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
US6505594B1 (en) Control apparatus for internal combustion engine and method of controlling internal combustion engine
JPH08246920A (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH04159432A (ja) 電子制御燃料噴射装置
JPH0351895B2 (ja)
JP3326000B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
WO2000060230A1 (fr) Dispositif pour la commande de la vitesse de rotation de moteur a combustion interne
JP2004211667A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH074286A (ja) エンジンの制御装置
JP3413965B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH08284708A (ja) エンジンの燃料噴射装置
JP2956237B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
JPH0719089A (ja) エンジンの安定度制御装置
JP2001173506A (ja) 内燃機関の制御装置
JPH0734931A (ja) エンジンの安定度制御装置
JP3404911B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH0719090A (ja) エンジンの安定度制御装置
JP2976547B2 (ja) 内燃機関の燃料性状検出装置
JP2962981B2 (ja) 過渡時空燃比補正噴射時間の制御方法
JP2966258B2 (ja) 空燃比補正制御方法
JPH0552136A (ja) エンジンの空燃比制御装置
JP3053155B2 (ja) 燃料噴射制御方法
JP2860855B2 (ja) 内燃機関の電子制御燃料供給装置
JP3564923B2 (ja) エンジンの空燃比制御装置
JPH0771295A (ja) エンジンの安定度制御装置