JPH0742602B2 - 成形ブラジヤ−カツプ用基材 - Google Patents

成形ブラジヤ−カツプ用基材

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JPH0742602B2
JPH0742602B2 JP61188994A JP18899486A JPH0742602B2 JP H0742602 B2 JPH0742602 B2 JP H0742602B2 JP 61188994 A JP61188994 A JP 61188994A JP 18899486 A JP18899486 A JP 18899486A JP H0742602 B2 JPH0742602 B2 JP H0742602B2
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brassiere cup
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清人 中井
寛治 細川
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日本バイリ−ン株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱融着性繊維を用いた繊維層からなる成形ブラ
ジャーカップ用基材に関する。
〔従来技術〕
一般にブラジャーカップ用基材にはポリウレタンフォー
ムが使用されているが、このポリウレタンフォームは黄
変し易く、成形に用いると硬化するという欠点があるた
め、従来、熱融着性繊維を含む繊維層を成形ブラジャー
カップ用の基材に使用することが検討されていた。
ところが、この基材は成形に寄与する熱融着性繊維が、
成形時に溶融して金型に付着し、ブラジャーカップが金
型から剥れにくいため、生産性が悪いうえに、ブラジャ
ーカップ表面が破損したり、著しい毛羽立ちを生じたり
する問題があった。
このため、熱融着性繊維を含む繊維層の両面に熱融着性
繊維を含まない繊維層を設けることにより、ブラジャー
カップが金型へ付着するのを防止することが提案された
が、このようにすると表面に位置する繊維が繊維層に実
質的に固着されていないので、洗濯をした場合などに毛
羽立ちを生じ易く、耐性が劣るため実用に供することが
できなかった。また、上記3層構造の繊維層の上下繊維
層に、成形時に熱融着性を持たない架橋性結合剤を付着
せしめることにより金型への付着防止と洗濯などに対す
る耐性の向上を両立させたブラジャー基材が特開昭56-1
34251号公報に記載されているが、このものは架橋性結
合剤を付着させることにより繊維交点が固定されてしま
っているため成形性が悪く、しかも得られるブラジャー
カップの表面部の風合が固くなるという欠点があった。
〔発明の目的〕
本発明は上記従来技術の欠点を解消すべくなされたもの
であり、金型との離形性がよく、簡便にブラジャーカッ
プを生産でき、しかも、得られるブラジャーカップが、
表面部の風合がソフトで、洗濯耐性に優れたものとなる
ブラジャーカップ用基材を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明は熱融着性繊維を含む中間繊維層と、該熱融着性
繊維が熱融着する温度より融点が高く、かつブラジャー
カップの成形温度で捲縮発現させたときの捲縮数が20〜
70山/25mmの高潜在捲縮性繊維20〜100重量%を含む上下
繊維層とからなる成形ブラジャーカップ用基材である。
すなわち、本発明の成形ブラジャーカップ用基材は中間
層に熱融着性繊維を含み、上下繊維層には実質的に熱融
着性繊維を含まないので、成形時に基材が金型へ付着す
ることなく安定した生産が行えるうえに、成形時の加熱
によって上下繊維層に含まれる高潜在捲縮性繊維が捲縮
発現するために金型への沿いがよく、成形性が向上する
のである。また、本発明の基材を成形したブラジャーカ
ップは、上下層が高度に捲縮した繊維により繊維の絡合
点の増加した層となるので、ソフトであるにもかかわら
ず、毛羽立ちなどがなく、洗濯耐性や反発弾性に優れた
ものとなるのである。
本発明の成形ブラジャーカップ用基材の中間繊維層は、
熱融着性繊維を含む層からなるが、ここで熱融着性繊維
とは、この基材を成形してブラジャーカップを製造する
際の成形温度において熱融着性を示す繊維をいう。この
熱融着性繊維にはポリエチレン樹脂,エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,ポリアミド系共重合体、ポリエステル系
共重合体などの融点80〜220℃の熱融着性の樹脂からな
る繊維や、これらの熱融着性樹脂を一成分とし、これら
より融点の高い樹脂と組合わせた複合繊維が好適に用い
られる。上記熱融着性繊維は成形時の加熱により繊維の
一部または全部が溶融し、成形後に冷却されることで固
化し、構成繊維間及び各繊維層間の結合に寄与してブラ
ジャーカップの成形後の形状を保つ働きをする。このた
め中間繊維層には少なくとも15重量%、好ましくは25重
量%の熱融着性繊維が含まれている方がよく、とくに熱
融着性繊維として複合繊維を用いる場合には、中間繊維
層全部を熱融着性繊維で構成してもよい。一方、中間繊
維層を構成する熱融着性繊維以外の繊維、すなわち非熱
融着性繊維としては、成形時の加熱により融着性を示さ
ないものであればどの様な繊維を用いてもよく、例えば
上記熱融着性繊維の融着成分の融点よりも少なくとも20
℃以上融点が高いか、もしくは実質的に融点のないポリ
プロピレン系,ポリアミド系,ポリエステル系,アクリ
ル系などの合成繊維や、レーヨン系の再生繊維、あるい
は綿,羊毛などの天然繊維が使用される。なお、非熱融
着性繊維にはブラジャーカップを作成した時に良好な反
発弾性が得られるように捲縮の多い繊維を用いると良
く、例えば上下繊維層に用いられる高潜在捲縮性繊維を
用いても良い。
本発明のブラジャーカップ用基材の上下繊維層は実質的
に成形時の温度で熱融着性を示す成分を含まず、非熱融
着性繊維から構成され、このうち少なくとも20重量%は
高潜在捲縮繊維からなる。この高潜在捲縮性繊維はブラ
ジャーカップが成形される温度で捲縮を発現せしめたと
き、その捲縮数が20〜70山/25mmであることが必要で、
捲縮数が20山/25mm未満であると成形した際に上下繊維
層を構成する繊維の絡みが不十分なものとなり、得られ
るブラジャーカップは洗濯耐性に劣り、反発弾性の乏し
いものとなってしまい、一方、捲縮数が70山/25mmを超
えると捲縮を発現するときに生じる収縮が大きくなりす
ぎて所望の形状に成形することが困難となる。また、高
潜在捲縮性繊維の捲縮形状は、とくに3次元的なコイル
状、またはスパイラル状であるのが望ましく、この様な
形状であれば得られるブラジャーカップは反発弾性に優
れ、しかも繊維の端部がブラジャーカップ表面に突出し
にくくなるので毛羽立ちが生じにくくなる。成形時の加
熱により高潜在捲縮性繊維はその捲縮数を著しく増加さ
せるので、上下繊維の構成繊維間の絡合点を増すととも
に、捲縮に伴う収縮によって繊維層が緻密化し、結果と
して、融着成分を含まなくても上下繊維層は強度,耐
性,反発弾性に優れ、しかもソフトな層となる。ただ
し、ブラジャーカップを製造する際にこの様な作用効果
を奏するためには基材の上下繊維層に各々少なくとも20
重量%,通常40重量%以上の高潜在捲縮性繊維が含まれ
ていた方がよく、場合によっては上下繊維層全部が高潜
在捲縮性繊維で構成されていてもよい。
上記の高潜在捲縮性繊維には例えば、互いに熱挙動の異
った2成分以上の樹脂からなるサイドバイサイド型もし
くは偏心型の複合繊維や、強撚状態で熱セットを施した
後より低い温度で開撚処理を行うことにより熱履歴を与
えた熱可塑性繊維や、繊維をナイフエッジ上などで擦過
することにより繊維の片側の分子配向を乱すことにより
潜在捲縮性を与えた繊維や、繊維を紡糸する際に片側を
冷却しながら紡糸した繊維などが好適に用いられる。上
述の繊維のうち2成分以上の樹脂からなる複合繊維を用
いると高潜在捲縮性が得られるだけでなく、2成分以上
の樹脂のうちの低融点の樹脂が、成形温度で融着性は示
さないが熱セット性をもつため、ブラジャーカップに成
形した後の保形性に優れるので好ましく、その中でもと
くに熱挙動の異なる2成分のポリエステル樹脂からなる
複合繊維が適している。
本発明の成形ブラジャーカップ用基材は、上述の中間繊
維層及び上下繊維層を積層した後、一体化することによ
り得られるが、この一体化は通常ニードルパンチなどに
より繊維間を絡合することにより行われる。このため中
間繊維層に含まれる熱融着性繊維が上下繊維層に移行す
ることが考えられるが、成形時に金型に基材が付着しな
い程度の量であれば上下繊維層に熱融着性繊維が含まれ
てもかわまない。
また中間繊維層には目付30〜150g/m2のものが、上下繊
維層には各々目付30〜100g/m2のものが使用されるが、
成形性に寄与する熱融着性繊維は中間繊維層に含まれる
ため、中間繊維層の基材全体に占める重量は少なくとも
20%はあった方がよく、一方、熱融着成分を金型へ付着
させないために、上下繊維層の基材全体に占める重量は
各々少なくとも15%はあった方がよい。
(実施例1) 捲縮数10山/25mmのポリエステル繊維(繊度6デニー
ル,繊維長51mm)75重量%と、融点130℃の低融点成分
と融点250℃の高融点成分とからなる熱融着性ポリエス
テル系複合繊維(繊度4デニール,繊維長51mm)25重量
%とをカードによりウエブ形成した中間繊維層100g/m2
に、捲縮数10山/25mmのポリエステル繊維(繊度6デニ
ール,繊維長51mm)60重量%と、180℃で捲縮発現させ
たときの捲縮数が45〜65山/25mmの高潜在捲縮性ポリエ
ステル系複合繊維(繊度3デニール,繊維長51mm)40重
量%とをカードによりウエブ形成した上下繊維層40g/m2
を各々積層し、これを両面からニードルパンチ処理し
て、目付180g/m2,厚さ8.0mmの成形ブラジャーカップ用
基材を作成した。
この成形ブラジャーカップ用基材を金型により、温度18
0℃,40秒間の条件で成形したところ、基材と金型との付
着が生じることもなく、成形性の良い、表面部がソフト
なブラジャーカップが製造できた。
得られたブラジャーカップの反発弾性と洗濯耐性とを以
下に示す試験方法により測定したところ、反発弾性は78
gと大きく、また、洗濯前後での外観の変化はほとんど
なく、その等級はいずれも5級であった。
(反発弾性) インストロン形引張試験機の移動クロスヘッドにブラジ
ャーカップを固定し、このブラジャーカップの頂点に中
心が位置するように直径1cの鉄棒を固定クロスヘッドに
設置し、移動クロスヘッドを上昇、下降速度30±2cm/分
で往復させ、鉄棒がブラジャーカップを2cm圧縮したと
きの反発力(単位:g)を測定する。
(洗濯耐性) ブラジャーカップの表裏にトリコットを縫い合せて、JI
S L0217-104法にて45分間洗濯を行い、その外観の変化
を下記の判定規準により評価した。
判定規準 5級 毛羽立ちがない。
4級 毛羽立ちがわずかに見られる。
3級 毛羽立ちが見られる。
2級 毛羽立ちがやや著しい。
1級 毛羽立ちが著しい。
(比較例1) 上,下繊維層に捲縮数10山/25mmのポリエステル繊維
(繊度6デニール,繊維長51mm)100重量%をカードに
よりウエブ形成したものを用いたこと以外は、実施例1
と全く同様にして成形ブラジャーカップ用基材を作成し
た。
この基材を用いて実施例1と同条件で成形を施し、ブラ
ジャーカップを製造した。このブラジャーカップの反発
弾性と洗濯耐性とを測定したところ、反発弾性は56gと
小さく実施例1よりも劣り、洗濯耐性は洗濯前が4級で
あるのに対し洗濯後は2級と極めて悪かった。
〔発明の効果〕
本発明のブラジャーカップ用基材は、実質的にその上下
繊維層には熱融着性成分が含まれておらず、成形には主
に中間繊維層に含まれる熱融着性繊維が働くので、成形
時に基材が金型へ付着するなどのトラブルがなく、しか
も表面部のソフトな風合のブラジャーカップが得られ
る。また、上下繊維層には高潜在捲縮性繊維が含まれる
ので、成形性がよく、しかも得られるブラジャーカップ
は耐洗濯性と反発弾性に優れたものになる。
この様に本発明の成形ブラジャーカップ用基材は、生産
性よく、優れた品質のブラジャーカップが製造できる極
めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/46 C 7199−3B 1/48 D 7199−3B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱融着性繊維を含む中間繊維層と、該熱融
    着性繊維が熱融着する温度より融点が高く、かつブラジ
    ャーカップの成形温度で捲縮数が20〜70山/25mmの高潜
    在捲縮性繊維20〜100重量%を含む上下繊維層とからな
    る成形ブラジャーカップ用基材。
  2. 【請求項2】高潜在捲縮性繊維が融点の異なる2成分の
    ポリエステル樹脂からなる複合繊維である特許請求の範
    囲第1項記載の成形ブラジャーカップ用基材。
JP61188994A 1986-08-11 1986-08-11 成形ブラジヤ−カツプ用基材 Expired - Fee Related JPH0742602B2 (ja)

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JP5575612B2 (ja) * 2010-11-11 2014-08-20 日本バイリーン株式会社 熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体

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