JP5575612B2 - 熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体 - Google Patents

熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体に関する。特には、追従性に優れる熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体に関し、自動車用途の熱成形用表皮基材、熱成形用表皮材及び成形体として好適に使用できる。
従来から自動車のインシュレーターの表皮材として、ニードルパンチ不織布に塩化ビニル系バインダ、アクリル系バインダ、或いはポリエステル系バインダを含浸したものが知られている(特許文献1〜4)。このような表皮材は自動車の各所部材として使用できるように、レジンフェルト、段ボール、プラスチック発泡体、ガラス繊維樹脂複合体、ウッドストック、或いは剛性のある不織布などからなる基材マットと一体化される。この表皮材と基材マットとを一体化する方法の1つとして、ヒートプレスにより行う方法が知られている。このヒートプレスは一対の金型によって、表皮材と基材マットの積層体に対して、熱と圧力を作用させることにより、表皮材と基材マットとを一体化するとともに、成形する方法である。そして、このように成形一体化された成形体の周囲を刃で押し切り(トリミング)、自動車の各所部材として使用している。
このようなヒートプレスによる方法により、前記のような表皮材と基材マットとを成形一体化したところ、前記のような塩化ビニル系バインダ、アクリル系バインダ、又はポリエステル系バインダを使用した場合、難燃性、トリミング性、金型からの離型性、又は表皮材の金型形状への追従性が不十分であった。
そのため、本願出願人は、「セルロース系繊維を含む繊維基材の片表面が、難燃剤と熱硬化性樹脂を含むポリエステル系樹脂バインダによって接着されている熱成形用表皮基材」を提案した(特許文献5)。この熱成形用表皮基材は難燃性、離型性、追従性及びトリミング性に優れるものであった。
特公平7−30515号公報(特許請求の範囲、第4欄第8行〜第20行) 特許第3212853号公報(特許請求の範囲、段落番号0022〜0023) 特開平6−278260公報(段落番号0033) 特公平7−72394号公報(特許請求の範囲、第4欄第29行〜第32行) 特開2009−78375号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、本願出願人の提案した熱成形用表皮基材を複雑な形状に対応させて熱成形した場合、或いは、従来の熱成形温度(200℃程度)よりも低い温度(例えば、110〜140℃程度)で熱成形した場合、熱成形用表皮基材の金型形状への追従性が不十分であるという問題が発生した。
このような熱成形用表皮基材の金型形状への追従性が不十分であるという問題は自動車用途に限らず、意匠性を付与する表皮材と吸音性能、断熱性能、及び/又はクッション性能等を有する基材マットとをヒートプレスして成形体を製造する場合に生じる問題であった。
本発明は上述のような状況に鑑みてなされたものであり、追従性に優れる熱成形用表皮基材、これを用いた熱成形用表皮材、及び基材マットと一体化された成形体を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「捲縮発現したサイドバイサイド型構造の潜在捲縮性繊維を含む繊維基材からなることを特徴とする熱成形用表皮基材。」である。

本発明の請求項2にかかる発明は、「請求項1に記載の熱成形用表皮基材の片面に接着剤層を備えていることを特徴とする熱成形用表皮材。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項1に記載の熱成形用表皮基材と基材マットとが接着剤層を介して、熱成形により一体化されていることを特徴とする成形体。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「自動車のエンジンルームにおける吸音材として使用することを特徴とする請求項3記載の成形体。」である。
本発明の請求項1にかかる発明は、捲縮発現した潜在捲縮性繊維を含む繊維基材からなり、熱成形時に、金型形状に沿って捲縮が伸びることができるため、追従性に優れる熱成形用表皮基材である。
本発明の請求項2にかかる発明は、前記熱成形用表皮基材を用いているため、追従性に優れる熱成形用表皮材であるのはもちろんのこと、前記熱成形用表皮基材の片面に接着剤層を備えているため、熱成形の際に、前記接着剤層の作用によって、確実に基材マットと一体化することができる。
本発明の請求項3にかかる発明は、前記熱成形用表皮基材を用いているため、金型の形状に沿って熱成形された、表面品位の優れる成形体である。また、前記熱成形用表皮基材と基材マットとが接着剤層を介して、熱成形により一体化されているため、熱成形用表皮基材と基材マットとが強固に接着一体化したものである。
本発明の請求項4にかかる発明は、自動車のエンジンルームにおける吸音材として使用すると、前記成形体の効果に加えて、吸音性能にも優れている。
本発明の熱成形用表皮基材(以下、単に「表皮基材」と表現することがある)は捲縮発現した潜在捲縮性繊維を含む繊維基材からなる。
本発明の繊維基材を構成する捲縮発現した潜在捲縮性繊維は多くの捲縮を有するため、熱成形時の圧力によって表皮基材を熱成形した場合であっても、潜在捲縮性繊維の捲縮が伸びることによって、金型の形状に沿って熱成形することができる、追従性に優れるものである。
このような捲縮発現した潜在捲縮性繊維は追従性に優れているように、50個/インチ以上の捲縮数を有するのが好ましい。なお、捲縮数はJIS L1015:2010 8.12.1 けん縮数、に規定する方法により得られる値である。
この捲縮発現前の潜在捲縮性繊維としては、例えば、熱収縮率の異なる複数の樹脂が複合された複合繊維、繊維の一部に特定の熱履歴を施した繊維を挙げることができる。より具体的には、複合繊維として、偏心型芯鞘構造のもの、又はサイドバイサイド型構造のものを好適に用いることができる。熱収縮率の異なる樹脂の組み合わせとしては、例えば、ポリエステル−低融点ポリエステル、ポリアミド−低融点ポリアミド、ポリエステル−ポリアミド、ポリエステル−ポリプロピレン、ポリプロピレン−低融点ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレンなど種々の合成樹脂を組み合わせたものが使用できる。特に、ポリエステル−低融点ポリエステル若しくはポリプロピレン−低融点ポリプロピレンの組み合わせからなる潜在捲縮性繊維は追従性の点で優れているため好ましい。また、繊維の一部に特定の熱履歴を施した潜在捲縮性繊維としては、例えば、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂からなる繊維の一側面を熱刃などにあてながら通過させたものを使用できる。
この潜在捲縮性繊維の繊度は特に限定するものではないが、熱成形時に透けてしまわないように、4.4dtex以下であるのが好ましく、3.3dtex以下であるのがより好ましい。繊度の下限は特に限定するものではないが、乾式法により繊維基材を形成する場合には、均一な地合いの繊維基材を形成できるように、また、追従性に優れているように、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのがより好ましい。なお、繊度の異なる潜在捲縮性繊維を2種類含んでいる場合、次の式により算出される平均繊度が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。また、繊度の異なる潜在捲縮性繊維を3種類以上含んでいる場合も同様にして算出した値が前記繊度範囲内にあるのが好ましい。
Fav=1/{(Pa/100)/Fa+(Pb/100)/Fb}
ここで、Favは平均繊度(単位:dtex)、Paは繊維基材の繊維成分に占める一方の繊維(繊維A)の質量割合(単位:mass%)、Faは繊維Aの繊度(単位:dtex)、Pbは繊維基材の繊維成分に占める他方の繊維(繊維B)の質量割合(単位:mass%)、Fbは繊維Bの繊度(単位:dtex)をそれぞれ意味する。
また、潜在捲縮性繊維の繊維長は特に限定するものではないが、乾式法により繊維基材を形成する場合には、均一な地合いの繊維基材を形成できるように80mm以下であるのが好ましく、70mm以下であるのがより好ましい。また、均一な地合いの繊維基材を形成できるように20mm以上であるのが好ましく、30mm以上であるのがより好ましい。
本発明の繊維基材は上述のような潜在捲縮性繊維が捲縮発現したものであるが、潜在捲縮性繊維は加熱処理によって、捲縮発現させることができる。なお、加熱手段としては、例えば、熱風ドライヤー、赤外線ランプ、加熱ロールなどを挙げることができるが、潜在捲縮性繊維の捲縮発現を妨げないように、熱風ドライヤー、赤外線ランプなどの固体による強力な圧力がかからない条件下で実施するのが好ましい。繊維ウエブ等の繊維集合体を形成した後に潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させる場合には、追従性に優れるように、捲縮発現による繊維集合体の収縮分を見込んでオーバーフィードしながら加熱し、捲縮を発現させるのが好ましい。
本発明の繊維基材は追従性に優れるように、潜在捲縮性繊維を少なくとも50mass%含むのが好ましく、70mass%以上含むのがより好ましく、80mass%以上含むのが更に好ましく、90mass%以上含むのが更に好ましく、潜在捲縮性繊維のみ(100mass%)から構成されているのが最も好ましい。
潜在捲縮性繊維以外の繊維としては難燃性に優れるように、200℃以上の融点又は分解点を有する合成繊維であるのが好ましく、例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維など)、ポリアミド系繊維(6ナイロン繊維、66ナイロン繊維など)、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、フッ素繊維、アラミド繊維等の合成繊維を挙げることができる。このような合成繊維の繊度は、4.4dtex以下であるのが好ましく、3.3dtex以下であるのがより好ましい。なお、合成繊維の繊度の下限は特に限定するものではないが、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのが好ましい。また、合成繊維の繊維長は特に限定するものではないが、20〜80mmであるのが好ましく、30〜70mmであるのがより好ましい。
また、潜在捲縮性繊維以外の繊維として、セルロース系繊維を使用することもできる。セルロース系繊維は燃焼時に炭化することにより、燃焼速度を落とす効果を奏し、難燃性に優れている。このセルロース系繊維としては、例えば、レーヨン繊維、ポリノジック繊維、キュプラ繊維、綿繊維、麻繊維などを挙げることができ、これらの中でも、綿繊維又はレーヨン繊維は経済性の面で好ましく、特にレーヨン繊維は染色等の加工性に優れ、しかも燃焼しても有毒ガスが発生せず、高温にもならないため、好適に使用できる。このセルロース系繊維の繊度は、4.4dtex以下であるのが好ましく、3.3dtex以下であるのがより好ましい。なお、セルロース系繊維の繊度の下限は特に限定するものではないが、0.5dtex以上であるのが好ましく、0.8dtex以上であるのがより好ましい。また、セルロース系繊維の繊維長は特に限定するものではないが、20〜80mmであるのが好ましく、30〜70mmであるのがより好ましい。
本発明における「融点」は、JIS K 7121-1987に規定されている示差熱分析により得られる示差熱分析曲線(DTA曲線)から得られる融解温度をいい、「分解点」はJIS K 7120-1987(プラスチックの熱重量測定方法)に定義される開始温度Tをいう。また、「繊度」はJIS L 1015:2010、8.5.1(正量繊度)に規定されているA法により得られる値を意味し、「繊維長」はJIS L 1015:2010、8.4.1[補正ステープルダイヤグラム法(B法)]により得られる値を意味する。
このような捲縮発現した潜在捲縮性繊維を含む繊維基材の形態は特に限定するものではないが、例えば、織物、編物、不織布などであることができる。これらの中でも基材マットとの熱成形加工性の面から不織布であるのが好ましい。このような不織布からなる繊維基材は、例えば、捲縮発現する前の潜在捲縮性繊維を含む繊維ウエブをカード法、エアレイ法などの乾式法、湿式法、又はスパンボンド法などの直接法により形成した後、熱処理を実施することによって製造することができる。なお、繊維基材の形態安定性を高めるために、熱処理を実施する前に、ニードルや水流などの流体で絡合するのが好ましい。特に、水流で絡合すると、追従性及び意匠性に優れているため好適である。
繊維基材の目付は熱成形用表皮基材に必要とされる強度、繊維の種類等によって異なるため、特に限定するものではないが、20〜140g/mであるのが好ましく、30〜130g/mであるのがより好ましい。
本発明の熱成形用表皮基材は上述のような繊維基材から構成されているが、その片表面がバインダによって接着されていると、難燃性、撥水性、トリミング性、離型性を付与又は向上させることができるため、好適な実施態様である。このバインダとしては、例えば、塩化ビニル系バインダ、アクリル系バインダ、或いはポリエステル系バインダを使用することができるが、ヒートプレス等の熱成形時に適度に軟化するため、金型への追従性に優れ、浮きや皺を発生することなく基材マットと一体化できるため、アクリル系バインダであるのが好ましい。
特に、バインダ(特に、アクリル系バインダ)は難燃剤を含んでいるのが好ましい。難燃剤を含んでいることによって、文字通り、難燃性に優れるためである。このような難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、無機系難燃剤を挙げることができる。このような難燃剤は1種類、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
より具体的には、リン系難燃剤として、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物などを使用できる。
また、臭素系難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ペンタブロモベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイドなどを使用できる。
更に、無機系難燃剤として、赤燐、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを使用できる。
このような難燃剤は、バインダ樹脂と難燃剤との質量比率(固形分)が20:80〜70:30となる量だけ含まれているのが好ましい。バインダ樹脂20に対して難燃剤が80よりも多くなると、トリミング性が悪くなる傾向があり、バインダ樹脂70に対して難燃剤が30よりも少なくなると、難燃性が不十分となる傾向があるためで、より好ましいバインダ樹脂と難燃剤との質量比率は30:70〜60:40である。
本発明のバインダ(特に、アクリル系バインダ)は前述のような難燃剤に加えて、熱硬化性樹脂を含んでいるのが好ましい。熱硬化性樹脂を含んでいることによって、熱成形時におけるバインダ樹脂及び難燃剤の粘着性発現を抑制し、熱成形用表皮材の金型への貼り付きを防止でき、離型性に優れているためである。また、熱成形用表皮基材の風合いを硬くすることができるため、押し切り刃によって熱成形用表皮基材が引張られることを防止でき、トリミング性も向上させることができる。
このような熱硬化性樹脂は熱成形時の熱で硬化するものであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、エポキシ樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、DFK樹脂、熱硬化性樹脂プレポリマー、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂、ポリイミド、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、ポリウレタン、マレイン酸樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂などを使用することができる。これらの中でもメラミン樹脂は耐水性、耐候性及び耐薬品性に優れており、汎用性に優れているため好適である。
この熱硬化性樹脂は、バインダ樹脂と熱硬化性樹脂との質量比率(固形分)が80:20〜65:35であるのが好ましい。バインダ樹脂80に対して熱硬化性樹脂が20よりも少ないと、トリミング性及び離型性が悪くなり、バインダ樹脂65に対して熱硬化性樹脂が35よりも多いと、熱成形時における熱成形用表皮基材の基材マットへの追従性が悪くなる傾向があるためで、より好ましいバインダ樹脂と熱硬化性樹脂との質量比率は75:25〜65:35である。
本発明で好適に使用できるアクリル系樹脂バインダとしては、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル類の単独重合体、前記単量体と共重合したエチレン性不飽和単量体との共重合体などを挙げることができ、特にアクリル酸エステル共重合体が好ましい。なお、離型性、追従性、トリミング性に優れるように、アクリル系樹脂バインダはガラス転移温度(Tg)が−10℃〜50℃であるのが好ましく、0〜40℃であるのがより好ましい。また、アクリル系樹脂バインダとして、ガラス転移温度が−75℃以上0℃未満である第1のアクリル系樹脂バインダと、ガラス転移温度が0℃以上75℃以下である第2のアクリル系樹脂バインダとを含む混合物、及び/又は、ガラス転移温度が−75℃以上0℃未満であるコア部とガラス転移温度が0℃以上75℃以下であるシェア部とからなるアクリル系樹脂バインダを使用すると、追従性に優れるため好適である。本発明におけるガラス転移温度はJIS K7121−1987の規定に則り、熱流束示差走査熱量測定(DSC)により得たDSC曲線から読み取った中間点ガラス転移温度を意味する。
このバインダ樹脂は前述のような比率で難燃剤及び熱硬化性樹脂を含むのが好ましいが、繊維基材とバインダ樹脂(固形分)との質量比率は、90:10〜60:40であるのが好ましい。繊維基材90に対してバインダ樹脂が10よりも少ないと、トリミング性及び燃焼性が悪くなる傾向があり、繊維基材60に対してバインダ樹脂が40よりも多いと、離型性が悪くなる傾向があるためで、好ましい繊維基材とバインダ樹脂(固形分)との質量比率は85:15〜65:35である。
なお、バインダは追従性を損なわない範囲内で、難燃剤、熱硬化性樹脂以外に、染料、顔料、界面活性剤、撥水・撥油剤などを含んでいることができる。
本発明の熱成形用表皮基材がバインダによって繊維基材が接着されている場合、繊維基材の片表面のみが接着されていても良いし、繊維基材の内部も接着されていても良いし、繊維基材全体が接着されていても良い。なお、熱成形用表皮基材の片面に接着剤層を備えている場合には、接着剤層との接着性が良好であるように、繊維基材の接着剤層側の片表面はバインダにより接着されていないか、バインダは極力少ないのが好ましい。
このようにバインダで接着した熱成形用表皮基材の目付、厚さは、表皮基材に必要とされる強度、繊維の種類等によって異なるため、特に限定するものではないが、30〜150g/mであるのが好ましく、40〜140g/mであるのがより好ましい。また、バインダで接着した熱成形用表皮基材の厚さは0.3〜2.5mmであるのが好ましく、0.5〜2.3mmであるのがより好ましい。
本発明における目付はJIS L 1096−2010「織物及び編物の生地試験方法」の8.3.2「標準状態における単位面積あたりの質量」[A法(JIS法)]に定義されている値を意味し、厚さは前田式圧縮弾性測定器を用い、圧接子5cm、圧接荷重1.96kPaで測定した値を意味する。
このようなバインダで接着した熱成形用表皮基材は、例えば、捲縮発現した潜在捲縮性繊維を含む繊維基材を形成した後、バインダを繊維基材に含浸、塗布、スプレーなどの方法により付与し、乾燥することによって製造することができる。
本発明の熱成形用表皮材は前述のような熱成形用表皮基材の片面に接着剤層を備えたものである。そのため、熱成形の際に、前記接着剤層の作用によって、確実に基材マットと一体化することができる。この接着剤層は基材マットとの接着作用を奏するため、熱成形用表皮基材の片面のみに存在するのが好ましい。両面に存在すると金型に貼り付き、離型性に劣るためである。
なお、熱成形用表皮基材がバインダによって片表面が接着されている場合には、バインダが接着した片表面が熱成形用表皮材の表装面を構成し、意匠性を付与できるように、接着剤層はバインダによって接着された片表面と反対面に備えているのが好ましい。
この接着剤層は熱成形の際に基材マットと一体化できるように、200℃以下の融点をもつ樹脂(以下、「接着樹脂」ということがある)を含んでいるのが好ましい。この接着樹脂は基材マットと接着しやすいように、融点は190℃以下であるのが好ましく、180℃以下であるのがより好ましい。一方で、融点が低すぎると、耐熱性を必要とする用途に使用するのが困難になるため、80℃以上であるのが好ましく、90℃以上あるのがより好ましい。
このような接着樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを1種類又は2種類以上使用することができる。これらの中でもポリエチレンは、熱成形温度が低く、また接着性も優れているため好適である。
このような接着剤層は繊維基材を構成する繊維間の空隙に存在する状態にあっても良いが、基材マットとの接着性に優れるように、繊維基材とは別の層として存在しているのが好ましい。例えば、接着樹脂が繊維形態又はフィルム形態を採っており、熱成形用表皮基材の片面に積層された状態にあるのが好ましい。より具体的には、接着樹脂繊維を含む繊維シート(例えば、不織布、織物、編物)又は接着樹脂フィルムが熱成形用表皮基材の片面に積層されているのが好ましい。特に、接着樹脂フィルムが熱成形用表皮基材の片面に積層された状態にあると、熱成形時に適度に開孔し、基材マットとの相互作用により、優れた吸音性能を発揮できる場合があるため好適である。なお、接着樹脂フィルムは熱成形前において、無孔状態にあっても良いし、有孔状態にあっても良い。
なお、接着樹脂が繊維基材を構成する繊維間の空隙に存在する熱成形用表皮材は、例えば、接着樹脂粉体を熱成形用表皮基材に散布し、接着樹脂粉体の接着性を発現させることによって製造することができ、繊維基材の片面に接着樹脂繊維が積層された熱成形用表皮材は、接着樹脂繊維を繊維基材に散布した後に、水流などの絡合を作用させることにより、及び/又は接着樹脂繊維の接着性を発現させることによって製造することができ、熱成形用表皮基材の片面に接着樹脂繊維を含む繊維シートが積層された熱成形用表皮材は、熱成形用表皮基材に繊維シートを積層し、水流などの絡合を作用させることにより、及び/又は接着樹脂繊維の接着性を発現させることによって製造することができ、熱成形用表皮基材の片面に接着樹脂フィルムが積層された熱成形用表皮材は、熱成形用表皮基材に接着樹脂フィルムを積層した後、接着樹脂フィルムの接着性を発現させることによって製造することができる。
本発明の熱成形用表皮材の目付は熱成形用表皮材に必要とされる強度、繊維配合等によって異なるため、特に限定するものではないが、40〜160g/mであるのが好ましく、50〜150g/mであるのがより好ましい。本発明の熱成形用表皮材はこのような低目付であっても、前述のような構成を有するため、追従性に優れている。なお、熱成形用表皮材の厚さも特に限定するものではないが、0.3〜2.5mmであるのが好ましく、0.5〜2.3mmであるのがより好ましい。
本発明の熱成形用表皮材が繊維基材の片表面をバインダで接着して表装面を形成したものである場合、繊維基材の片表面をバインダで接着して表装面を形成した後に接着剤層を形成しても良いし、バインダで接着する前の繊維基材に接着剤層を形成した後にバインダで接着して表装面を形成しても良い。
本発明の成形体は前述のような熱成形用表皮基材と基材マットとが接着剤層を介して、熱成形により一体化されたものである。この成形体は前述の熱成形用表皮基材を用いているため、追従性に優れる、表面品位が優れた成形体である。また、前記熱成形用表皮基材と基材マットとが接着剤層を介して、熱成形により一体化されているため、熱成形用表皮基材と基材マットとが強固に接着一体化したものである。
この基材マットは成形体を使用する用途によって異なり、特に限定するものではないが、例えば、樹脂含浸したガラスウールマット、フェルト、ロックウールマット、レジンフェルト、ポリウレタン、ポリスチレン又はポリオレフィン系樹脂の発泡体、ポリエステル繊維等の合成繊維からなる不織布などを使用することができる。なお、これら基材マットはいずれも吸音性に優れている。
本発明の成形体は、このような基材マットと前述の熱成形用表皮基材が熱成形により、接着剤層を介して一体化している。このような成形体は、接着剤層を有する熱成形用表皮材の接着剤層が基材マットと当接するように配置し、熱成形する、例えば、加熱した一対の金型で押圧することによって製造できる。或いは、接着剤層を備えていない熱成形用表皮基材を、前述の接着剤層構成材料(例えば、接着樹脂粉体、接着樹脂繊維、接着樹脂繊維を含む繊維シート、接着樹脂フィルムなど)を介して基材マットと積層した状態で、熱成形する、例えば、加熱した一対の金型で押圧することによって製造できる。なお、加熱温度は接着樹脂の種類、基材マットの耐熱性、熱成形用表皮基材の耐熱性、成形時の成形時間、上金型と下金型の間隔等によって異なり、特に限定するものではないが、150〜200℃程度で実施することができる。本発明の熱成形用表皮基材は比較的低い温度であっても金型の追従性に優れているため、110〜140℃程度で実施することもできる。なお、押圧力は所望形状に熱成形できれば良く、特に限定するものではない。
本発明の成形体は、例えば、自動車、産業用機械、建設機械などのエンジンルームにおける吸音材、マンション、住宅、学校、病院、図書館などの建築物用吸音材などに使用することができ、自動車のエンジンルームにおける吸音材として好適に使用できる。特に、基材マットとして吸音性能に優れるものを使用した場合、或いは接着剤層としてフィルムを使用し、熱成形後に適切な開孔を有する場合、自動車のエンジンルームにおける吸音材として好適に使用することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10、比較例1)
(1)繊維基材(不織布)の製造;
ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮性繊維A(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、東レ製、テトロンT−25)、ポリエステル/低融点ポリエステルの組み合わせでサイドバイサイド型に構成された潜在捲縮性繊維B(繊度:4.4dtex、繊維長:51mm、ユニチカ製、C−81)、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、東レ製、テトロンT201)、又はレーヨン繊維(繊度:3.3tex、繊維長:60mm、Lenzing Fibers製)を表1に示す質量比率で混合した。
次いで、実施例1〜10については、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、ノズル径0.13mm、ノズルピッチ0.6mmのノズルプレートから水圧4MPaの水流を繊維ウエブの両面に対して噴出して、絡合繊維ウエブを形成した。
そして、実施例1〜10については、絡合繊維ウエブを110℃で乾燥した後、オーバーフィードしながら、熱風ドライヤーによる温度186℃での熱処理を約15秒間実施することによって、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、目付が50g/m又は70g/mである不織布からなる繊維基材(=熱成形用表皮基材)を製造した。
なお、比較例1〜2については、針密度170本/cmでニードルパンチしたこと以外は、実施例1〜10と同様にして、目付が70g/mである繊維基材(=熱成形用表皮基材)を製造した。
Figure 0005575612
(2)接着剤層用フィルムの準備;
ポリエチレン系フィルム(融点:95℃、目付:33g/m、クランベターVA−1510、倉敷紡績製)を用意した。
(3)バインダの調製;
アクリル樹脂エマルジョンA(Tg:15℃、Nipol LX−851F2、日本ゼオン社製)、アクリル樹脂エマルジョンB(Tg:31℃、ボンコート JT−80、DIC社製)、アクリル樹脂エマルジョンC(Tg:−30℃、ボンコート JV−550E、DIC社製)、コアシェル型アクリル樹脂エマルジョンD(Tg:−50(コア)/50℃(シェル)、DICNAL VR−120N、DIC社製)を用意した。また、ポリエステル樹脂エマルジョン(長瀬産業株式会社製、RESIN VF−1)を用意した。
また、熱硬化性樹脂として、メラミン樹脂(DIC製、品番:ベッカミン J−103)を用意した。更に、難燃剤として、ペンタブロモベンゼン(=難燃剤A、丸菱油化工業株式会社製、品番:ノンネンSMC−65)及びリン酸アンモニウム(=難燃剤B、丸菱油化工業株式会社製、品番:ノンネンSMC−95)を用意した。更に、撥水剤として、アサヒガード AG−7105(旭硝子製)、顔料として、RYUDYE−W BLACK RC(DIC製)を用意した。
次いで、アクリル樹脂エマルジョン又はポリエステル樹脂エマルジョン、熱硬化性樹脂、及び難燃剤を表2の固形分質量比率となるように配合し、バインダを調製した。
Figure 0005575612
なお、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂と熱硬化性樹脂との固形分質量比率(R1)、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂と難燃剤との固形分質量比率(R2)、及びアクリル樹脂又はポリエステル樹脂、熱硬化性樹脂、難燃剤の固形分質量比率(R3)は表3に示す通りであった。
Figure 0005575612
(4)熱成形用表皮材の製造;
実施例1〜10又は比較例1〜2の繊維基材の片表面のみに、前記(3)で調製したバインダを塗布した後、140℃に設定したドライヤーにより乾燥して、バインダ接着熱成形用表皮基材を製造した。なお、バインダ量はいずれの場合も、固形分質量が15g/mとなるように塗布した。
次いで、バインダ接着熱成形用表皮基材のバインダ接着面とは反対面(バインダ不存在)のみに、前記(2)で用意したポリエチレン系フィルムを積層し、115℃に設定した加熱ロールと非加熱ロールとの間を、ポリエチレン系フィルムが加熱ロールと当接するように通過させる熱処理によりポリエチレン系フィルムを融着させて、片面にポリエチレン系フィルム接着剤層を有する熱成形用表皮材を製造した。
なお、繊維基材質量と樹脂バインダ(固形分)質量との比(R4)、バインダ量、熱成形用表皮材の目付及び厚さは表4に示す通りであった。
Figure 0005575612
(5)性能評価;
(5)−1 難燃性;
熱成形用表皮材の難燃性を、米国自動車安全基準 FMVSS No.302に規定された燃焼試験に準拠して測定した。この燃焼試験を各熱成形用表皮材10点について行い、次の基準により判定した。この結果は表5に示す通りであった。
5:燃焼速度が100mm/min.を超える熱成形用表皮材が1点もない
4:燃焼速度が100mm/min.を超える熱成形用表皮材が1点ある
3:燃焼速度が100mm/min.を超える熱成形用表皮材が2点ある
2:燃焼速度が100mm/min.を超える熱成形用表皮材が3点ある
1:燃焼速度が100mm/min.を超える熱成形用表皮材が4点以上ある
(5)−2 離型性;
基材マットとして、ポリエステル系繊維をエアレイ方法により繊維ウエブを形成した後、ニードルパンチして製造した、繊維が厚さ方向に配向したポリエステル系繊維製基材マット(目付:350g/m、厚さ:3.5cm)を用意した。
次いで、前記基材マットの片面に、熱成形用表皮材のポリエチレンフィルムが基材マットと当接するように積層した後、120℃に加熱した一対の金型(最大深さ:3cm)により90秒間加圧して、エンジンルームサイレンサーの形状に熱成形した。この時、一対の金型から取り出した成形体の熱成形用表皮基材における毛羽立ち状態、及び金型への繊維及び/又は樹脂の付着状態から、離型性を判断した。つまり、熱成形用表皮基材表面の毛羽立ち、及び金型への繊維及び樹脂の付着が全く認められない場合を「5」と評価し、熱成形用表皮基材表面の毛羽立ち、及び金型への繊維及び樹脂の付着が著しく認められる場合を「1」と評価し、5段階で相対評価した。この結果は表5に示す通りであった。
(5)−3 追従性;
前記(5)−2(離型性)試験で成形体を製造した時に、熱成形用表皮基材が基材マットに追従しきれず、ポリエステル系繊維製基材マットと剥離した浮きや皺が発生したかどうかを確認した。つまり、浮き、皺ともに認められない場合を「5」と評価し、浮きや皺が著しく認められる場合を「1」と評価し、5段階で相対評価した。この結果は表5に示す通りであった。
(5)−4 トリミング性;
前記(5)−2(離型性)試験で製造した成形体の周囲を、トリム刃を有する型枠で打ち抜き機によって打ち抜いた。その際に、熱成形用表皮基材が引っ張られ、引っ張られた熱成形用表皮基材のポリエステル系繊維製基材マットへの貼り付き度合いによって、トリミング性の良し悪しを判断した。つまり、成形体の端部において、ポリエステル系繊維製基材マットの方向に引張られ、付着した繊維が目立たない場合を「5」と評価し、成形体の端部において、ポリエステル系繊維製基材マットの方向に引張られ、付着した繊維が著しく目立つ場合を「1」と評価し、5段階で相対評価した。この結果は表5に示す通りであった。
(5)−5 意匠性;
前記(5)−4 トリミング性試験で製造した成形体について、その表面の意匠性を熱成形用表皮基材の透け度合いによって、意匠性の良し悪しを判断した。つまり、成形体の表装面において、透けが目立たない場合を「5」と評価し、成形体の表装面において、透けが著しく目立つ場合を「1」と評価し、5段階で相対評価した。この結果は表5に示す通りであった。
(5)−6 接着性;
前記(5)−4 トリミング性試験で製造した成形体について、熱成形用表皮基材とポリエステル系繊維製基材マットとの接着性を、熱成形用表皮基材のポリエステル系繊維製基材マットからの剥離度合いによって、接着性の良し悪しを判断した。つまり、成形体において、熱成形用表皮基材のポリエステル系繊維製基材マットからの剥離がない場合を「5」と評価し、成形体において、熱成形用表皮基材のポリエステル系繊維製基材マットからの剥離が著しい場合を「1」と評価し、5段階で相対評価した。この結果は表5に示す通りであった。
Figure 0005575612
表5から次のことが分かった。
1.実施例1〜10と比較例1〜2との比較から、繊維基材が捲縮発現した潜在捲縮性繊維を含んでいることによって、追従性に優れていること。
2.実施例1と実施例5との比較から、熱硬化性樹脂量が35mass%を超えると、潜在捲縮性繊維を含んでいても、追従性が悪くなる傾向があること。
3.実施例1と実施例4との比較から、バインダ量が80mass%を超えると、トリミング性及び離型性が悪くなる傾向があること。
4.実施例1と実施例7との比較から、ニードルパンチよりも水流により絡合させた方が、より意匠性に優れること。
5.実施例1と実施例8との比較から、潜在捲縮性繊維の繊度は3.3dtexを越えると、意匠性が悪くなる傾向があること。
6.実施例1と実施例10との比較から、潜在捲縮性繊維のみから構成されていると、追従性に優れていること。
本発明の熱成形用表皮基材は追従性に優れているため、この熱成形用表皮基材を使用した成形体は、例えば、自動車、産業用機械、建設機械などのエンジンルームにおける吸音材、マンション、住宅、学校、病院、図書館などの建築物用吸音材などに使用することができ、特に、基材マットとして吸音性能に優れるものを使用した場合、或いは接着剤層をフィルムから形成し、熱成形後に適切な開孔を有する場合、自動車のエンジンルームにおける吸音材として好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 捲縮発現したサイドバイサイド型構造の潜在捲縮性繊維を含む繊維基材からなることを特徴とする熱成形用表皮基材。
  2. 請求項1に記載の熱成形用表皮基材の片面に接着剤層を備えていることを特徴とする熱成形用表皮材。
  3. 請求項1に記載の熱成形用表皮基材と基材マットとが接着剤層を介して、熱成形により一体化されていることを特徴とする成形体。
  4. 自動車のエンジンルームにおける吸音材として使用することを特徴とする請求項3記載の成形体。
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