JPH0742567U - 共振型スイッチング電源装置 - Google Patents

共振型スイッチング電源装置

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JPH0742567U
JPH0742567U JP7462693U JP7462693U JPH0742567U JP H0742567 U JPH0742567 U JP H0742567U JP 7462693 U JP7462693 U JP 7462693U JP 7462693 U JP7462693 U JP 7462693U JP H0742567 U JPH0742567 U JP H0742567U
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真司 麻生
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Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マグアンプを使用した共振型スイッチング電
源装置の過電流保護回路を簡単にする。 【構成】 直流電源1の一端と他端との間に第1のトラ
ンジスタQ1 とマグアンプの第1及び第2の1次巻線N
11a 、N11b と第2のトランジスタQ2 との直列回路を
接続する。出力トランスT2 の1次巻線N1 に直列に共
振用コンデンサC1 を接続する。マグアンプT1 の第1
及び第2の2次巻線N21、N22を第1及び第2のトラン
ジスタQ1 、Q2 のベースに接続する。マグアンプT1
の制御巻線Nc の電流をマグアンプT1 の飽和レベル以
下に設定する。制御巻線Ncに並列にコンデサC7 を接
続する。マグアンプT1 の2次巻線N21、N22に並列に
定電圧ダイオ−ド11、12を接続する。定電圧ダイオ
−ド11、12は過電流時にオンになる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、出力トランスの1次巻線のインダクタンスとこれに直列に接続され たコンデンサとの共振を使用した共振型スイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直流電源の一端と他端との間に第1及び第2のスイッチング素子の直列回路を 接続し、第2のスイッチング素子に並列に出力トランスの1次巻線と共振用コン デンサとの直列回路を接続し、第1及び第2のスイッチング素子を自励方式でオ ン・オフするための可飽和トランスの1種である磁気増幅器(マグアンプ)を設 け、第1及び第2のスイッチング素子の電流帰還巻線又は共振用コンデンサに流 れる電流の帰還巻線をマグアンプの1次巻線とし、第1及び第2のスイッチング 素子の駆動巻線をマグアンプの2次巻線とし、出力電圧を一定に制御するための 制御巻線を設けた共振型スイッチング電源装置は公知である。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、この種の共振型スイッチング電源装置で過電流保護回路を設ける場 合には、電流検出器を接続し、この電流検出器の出力に基づいて過電流が検出さ れた時に第1及び第2のスイッチング素子をオフに制御する回路を設けることが 必要になり、必然的に装置が大型且つコスト高になった。
【0004】 そこで、本考案の目的は過電流保護機能を有する共振型スイッチング電源装置 の小型化及び低コスト化を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本考案は、実施例を示す図面の符号を参照して説明 すると、直流電源1と、前記直流電源1の一端と他端との間に接続された第1及 び第2のスイッチング素子Q1 、Q2 の直列回路と、前記第2のスイッチング素 子Q2 に対して並列に接続された出力トランスのインダクタンスを有する1次巻 線N1 と共振用コンデンサC1 の直列回路と、前記第1及び第2のスイッチング 素子Q1 、Q2 の電流を帰還するために前記第1及び第2のスイッチング素子Q 1 、Q2 に直列に接続された第1及び第2の1次巻線N11a 、N11b 又は前記共 振用コンデンサC1 を通って流れる電流を帰還するために前記共振用コンデンサ C1 に直列に接続されたコンデンサ電流帰還用1次巻線N11と、可飽和磁心を介 して前記第1の1次巻線N11a 又は前記コンデンサ電流帰還用1次巻線N11に電 磁結合され且つ前記第1のスイッチング素子Q1 の制御端子に接続された第1の 2次巻線N21と、前記可飽和磁心を介して前記第2の1次巻線N11b 又は前記コ ンデンサ電流帰還用1次巻線N11に電磁結合され且つ前記第2のスイッチング素 子Q2 の制御端子に接続された第2の2次巻線N22と、前記可飽和磁心に巻回さ れた制御巻線Nc 又はNc1、又はNc2と、前記トランスの2次巻線の出力側に得 られる出力電圧を一定に制御するための制御電流を供給するために前記制御巻線 に接続された制御回路とを有する共振型スイッチング電源装置において、前記第 1及び第2の2次巻線N21、N22と前記第1及び第2のスイッチング素子Q1 、 Q2 の制御端子との間に第1及び第2のコンデンサC1 、C2 が接続され、前記 整流平滑回路の出力電流の所定の過電流レベルに対応する電圧で導通する定電圧 ダイオード11及び/又は12が前記第1の2次巻線N21と前記第2の2次巻線 N22と前記制御巻線Nc 又はNc1又はNc2との内の少なくとも1つに並列に接続 されていることを特徴とする共振型スイッチング電源装置に係わるものである。
【0006】
【考案の作用及び効果】
本考案において可飽和トランスの2次巻線N21、N22及び制御巻線Nc 、Nc1 、Nc2には帰還用1次巻線の電流に対応した電圧が得られる。この電圧が過電流 レベルに対応した値になると、定電圧ダイオード11、12が導通し、可飽和ト ランスの2次巻線の電圧がクランプされる。これによってコンデンサC4 、C5 を通って第1及び/又は第2のスイッチング素子Q1 、Q2 に対する駆動信号の 供給が阻止され、過電流保護が達成される。 上述のように本考案では電流検出器を特別に設けることが不要になるので、装 置の低コスト化及び小型化が可能になる。
【0007】
【第1の実施例】 次に本考案の第1の実施例に係わる可飽和トランスの1種である磁気増幅器( 以下、マグアンプと呼ぶ)を使用した共振型スイッチング電源装置を説明する。 このスイッチング電源装置は、直流電源1の一端と他端との間に接続された第1 及び第2のスイッチング素子としてのトランジスタQ1 、Q2 の直列回路と、マ グアンプT1 と、出力トランスT2 と、この出力トランスT2 の1次巻線N1 に 直列に接続された共振用の第1のコンデンサC1 と、第1及び第2のトランジス タQ1 、Q2 に並列接続された第2及び第3のコンデンサC2 、C3 と、第1及 び第2のトランジスタQ1 、Q2 に逆方向並列に接続された第1及び第2の放電 用ダイオードD1 、D2 と、第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のベース( 制御端子)に接続された第4及び第5のコンデンサC4 、C5 と、第1及び第2 のトランジスタQ1 、Q2 のコレクタ・ベース間に接続された第1及び第2の起 動抵抗R1 、R2 と、第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のエミッタ・ベー ス間に接続されたダイオードD3 、D4 と、出力トランスT2 の2次巻線N2a、 N2bと、この2次巻線N2a、N2bに接続されたダイオードD5 、D6 と平滑用コ ンデンサC6 とから成る整流平滑回路と、制御巻線Nc に制御電流Ic を供給す る制御回路2とを有し、更に本考案に従う定電圧ダイオ−ド(ツェナ−ダイオ− ド)11、12及び逆流阻止用ダイオ−ド13、14を有する。
【0008】 マグアンプT1 は可飽和磁心3に対して1次巻線N11、制御巻線Nc 、第1及 び第2の2次巻線N21、N22を巻き回すことによって構成されている。マグアン プT1 の1次巻線N11は第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 の接続中点と出 力トランスT2 の1次巻線N1 の一端(共振回路の一端)との間に接続されてい る。1次巻線N1 と第1のコンデンサC1 とから成る共振回路の他端は直流電源 1の他端即ち第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 の直列回路の下端に接続さ れている。
【0009】 マグアンプT1 の第1及び第2の2次巻線N21、N22は共振用コンデンサC4 、C5 を介して第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のベース・エミッタ間に 接続されている。第1及び第2の2次巻線N21、N22に並列に逆流阻止用ダイオ −ド13、14を介して過電流阻止用定電圧ダイオ−ド11、12が接続されて いる。
【0010】 制御巻線Nc の一端は電流制限抵抗R3 を介して出力端子4に接続され、この 他端は制御回路2の誤差増幅器5に接続されている。誤差増幅器5の一方の入力 端子は出力端子4に接続され、他方の入力端子は基準電圧源6に接続されている 。
【0011】
【動作】
図1のスイッチング電源装置において、直流電源1をオンにすると、起動抵抗 R1 又はR2 を介して第1又は第2のトランジスタQ1 又はQ2 がオンになる。 今、トランジスタQ1 がオンの時には、電源1と第1のトランジスタQ1 とマグ アンプT1 の1次巻線N11と出力トランスT2 の1次巻線N1 とコンデンサC1 とから成る回路に電流が流れる。この電流は1次巻線N1 とコンデンサC1 との 直列共振に基づく電流であって、正弦波に近似した波形となり、ターンオン時の ゼロ電流スイッチングが可能になり、スイッチング損失が小さくなる。ところで 、第1のトランジスタQ1 のベース駆動回路もコンデンサC4 と2次巻線N21の インダクタンスLとの共振回路で構成されており、ここでも共振が生じる。第1 のトランジスタQ1 はベース駆動回路の共振動作でベース電流が供給されている 間のみオンを維持し、この後オフになる。第1のトランジスタQ1 がオフになる と、これに代って第2のトランジスタQ2 がオンになり、コンデンサC1 と出力 トランスT2 の1次巻線N1 とマグアンプT1 の1次巻線N11と第2のトランジ スタQ2 とから成る回路に共振電流が流れる。これと共に、第2のトランジスタ Q2 のベース駆動回路のコンデンサC5 と2次巻線N22との共振動作が生じ、こ れによって第2のトランジスタQ2 が駆動される。上述の動作の繰返しによって 出力トランスT2 の1次巻線N1 に第1及び第2の方向の電流が交互に流れ、2 次巻線N2a、N2bにこれに対応した出力電圧が得られ、これがダイオードD5 、 D6 とコンデンサC6 で整流平滑される。
【0012】 ところで、図1の装置では制御巻線Nc に比較的大きな制御電流Ic を流して いる。即ち、図2に示すBH曲線の飽和領域の磁束密度が得られるレベルまで制 御電流Ic が流されている。磁心3の透磁率μは図2に示すように磁心3の飽和 領域においては磁界の強さHが大きくなると逆に小さくなる。マグアンプT1 の 2次巻線N21、N22のインダクタンスLは透磁率μにほぼ比例して変化するので 、制御電流Ic を変えることによって2次巻線N21、N22のインダクタンスLを 制御できる。
【0013】 図1の装置において出力端子4の電圧が所定値よりも高くなった時には、制御 巻線Nc の電流Ic が増加し、2次巻線N21、N22のインダクタンスL1 、L2 が小さくなり、L1 、L2 とC4 、C5 との各共振回路の共振周波数f2 が高く なり、第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のオン・オフ繰返し周波数が高く なる。
【0014】 出力トランスT2 の1次巻線N1 の電圧Vn1の振幅は第1及び第2のトランジ スタQ1 、Q2 のオン・オフ周波数f2 に依存して変化する。図3は1次巻線N 1 のインダクタンスLn1とコンデンサC1 との共振回路のレスポンスを示す。L n1とC1 とで決定される固有の共振周波数f1 よりも高い周波数でトランジスタ Q1 、Q2 がオン・オフすると、レスポンスが低下する。図4はこれを説明する ためのものであり、図4の前半分に示すf2 が低い場合には1次巻線N1 の電圧 Vn1の振幅が大きいが、後半分に示すf2 が高い場合には電圧Vn1の振幅が低下 する。この結果、制御電流Ic の増加によって出力電圧が低下し、電圧制御が達 成される。
【0015】 この装置では1次巻線N11によって共振用コンデンサC1 及び巻線N1 に流れ る電流をトランジスタQ1 、Q2 のベ−ス側に帰還している。従って、マグアン プT1 の2次巻線N21、N22にはC1 とN1 との共振回路の電流即ち出力電力に 対応する電圧が得られる。出力端子4の電圧は一定に制御されているので、結局 、2次巻線N21、N22には出力電流(負荷電流)に比例する電圧が発生する。定 電圧ダイオ−ド11、12は出力電流の過電流レベルで導通するように設定され ているために、過電流時には定電圧ダイオ−ド11、12が導通し、2次巻線N 21、N22の電圧がクランプされ、コンデンサC4 、C5 を通してトランジスタQ 1 、Q2 のベ−ス電流が流れなくなり、トランジスタQ1 、Q2 はオフになり過 電流保護が達成される。なお、コンデンサC4 、C5 に充電された電荷はダイオ −ドD3 、D4 を介して放出される。
【0016】 上述から明らかなように本実施例によれば、特別な電流検出器を設けない簡単 な回路で過電流保護を達成することができる。
【0017】
【第2の実施例】 次に、図5を参照して第2の実施例の共振型スイッチング電源装置を説明する 。但し、図5において図1と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省 略する。 図5においてはマグアンプT1 に第1及び第2の1次巻線N11a 、N11b が設 けられている。第1の1次巻線N11a は第1の逆流阻止用ダイオードD7 を介し て第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 の相互接続点と出力トランスT2 の1 次巻線N1 との間に接続されている。第2の1次巻線N11b は第2の逆流阻止用 ダイオードD8 を介して出力トランスT2 の1次巻線N1 と第1及び第2のトラ ンジスタQ1 、Q2 の接続点との間に接続されている。図5においてはコンデン サC4 、C5 は共振用ではなくて結合コンデンサとして使用されている。また、 図5の装置では制御巻線Nc の電流Ic が磁心3の飽和レベルよりも低く設定さ れている。図5において上記以外は図1と実質的に同一である。
【0018】 図6は図5のマグアンプT1 の構成を示す。三脚型可飽和磁心3は第1、第2 及び第3の脚3a、3b、3cを有し、中央脚3aに制御巻線Nc が巻回され、 第1の外脚3bに第1の1次巻線N11a と第1の2次巻線N21が巻回され、第3 の外脚3cに第2の1次巻線N11b と第2の2次巻線N22が巻回されている。図 6の各線の端子a〜jは図5のa〜j点に対応している。
【0019】 図7は制御電流Ic とBH曲線との関係を示す。制御電流Ic は飽和磁束密度 を得るための磁界の強さH2 よりも低いH1 を得るレベルに設定されている。従 って、磁心3を飽和に至らしめるためには1次巻線N11a 又はN11b の電流I1 又はI2 を流さなければならない。制御電流Ic のレベルを変えると、第1又は 第2のトランジスタQ1 又はQ2 がオンしてから飽和に至るまでの時間幅が変化 する。即ち、図5の回路においては、2次巻線N21、N22のインダクタンスを制 御して第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 をオン・オフ制御するのではなく 、1次巻線N11a 、N11b による自己帰還によって磁心3が飽和に至るまでの時 間を制御電流Ic で制御することによって第1及び第2のトランジスタQ1 、Q 2 をオン・オフ制御している。例えば、第1の1次巻線N11a による帰還で磁心 3が飽和すると、第1のトランジスタQ1 を駆動する電圧が得られなくなり、第 1のトランジスタQ1 がターンオフする。これと共に、今迄オフ状態にあった第 2のトランジスタQ2 をオンにする向きの電圧が発生し、第2のトランジスタQ 2 がオンになる。図8は第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のコレクタ・エ ミッタ間電圧VCE1 、VCE2 、コレクタ電流Ic1、Ic2、出力トランスT2 の1 次巻線N1 の電流In1、共振用コンデンサC1 の電圧Vc 、及びマグアンプの2 次巻線N21の電圧V2 を示す。図8(E)の電流In1の領域E1 の電流は、直流 電源1とコンデンサC2 とマグアンプ1次巻線N11a とダイオ−ドD7 と出力ト ランス1次巻線N1 とコンデンサC1 からなる共振回路とコンデンサC1 とコン デンサC3 とマグアンプ1次巻線N11a とダイオードD7 と出力トランス1次巻 線N1 とから成る並列共振回路に基づいて流れる。電流In1の領域E2 の電流は 上記の共振回路のコンデンサC3 の代りにダイオードD2 を通って流れる。負の 半波における領域E3 、E4 の電流は、コンデンサC1 と出力トランス1次巻線 N1 とダイオ−ドD8 とマグアンプ1次巻線N11b とコンデンサC2 及びC3 を 通って流れ、その後、コンデンサC2 の代わりにダイオ−ドD1 を通って流れる 。マグアンプ2次巻線N21の電圧V2 はトランジスタQ1 のオン期間に時間と共 に増大する。もし、過電流状態になると図8(G)で点線示すように2次巻線N 21の電圧V2 が所定の過電流対応レベルVr に達し、定電圧ダイオ−ド11が導 通し、第1のトランジスタQ1 のオン時間幅が短くなり、且つ出力周波数が低下 し、出力電流が制限される。
【0020】 第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のオン時間幅即ちオン・オフの繰返し 周波数を変えることによって出力電圧を制御する原理は、図3及び図4に示した 原理と同一である。図5の回路では制御電流Ic が小さくなるので、誤差増幅器 5の電流容量の小さい安価なものにすることができる。
【0021】
【第3の実施例】 次に、図9を参照して本発明の実施例に係わる共振型スイッチング電源装置を 説明する。但し、図9において図1及び図5と共通する部分には同一の符号を付 してその説明を省略する。
【0022】 図9のスイッチング電源装置は、図5の回路において第1及び第2の1次巻線 N11a 、N11b の接続を変更し、且つ逆流阻止用ダイオ−ドD7 、D8 を省き、 且つ制御巻線Ncに並列にコンデンサC7 を接続したものであって、その他は図 5と同一に構成されている。即ち、図9では、第1のトランジスタQ1 と第1の 1次巻線N11a と第2の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 とが直列に接 続され、この直列回路が電源1の一端と他端との間に接続されている。出力トラ ンスT2 の1次巻線N1 とコンデンサC1 との共振回路は第2の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 との直列回路に対して並列に接続されている。コンデ ンサC7 は抵抗R3 を介して制御巻線Ncに並列に接続されている。なお、コン デンサC7 はコンデンサC6 に比べて極めて小さい容量のものであり、浮遊容量 であっても良い。
【0023】 図9の装置の正常時の動作は図5とほぼ同一である。即ち、第1のトランジス タQ1 のオン時には、第1のトランジスタQ1 と第1の1次巻線N1 と出力トラ ンスの1次巻線N1 と共振用コンデンサC1 の回路に電流が流れる。これにより 、第1の1次巻線N11a に基づく自己帰還が生じ、第1の2次巻線に第1のスイ ッチング素子Q1 をオンにする電圧が発生する。第1の1次巻線N11a の電流に 基づいて図6に示す磁心3の第1の外脚3bに発生する磁束φ1 は中央脚3aと 第2の外脚3cを通る。この磁束φ1 は第2の外脚3cの第2の2次巻線N22に 第2のトランジスタQ2 を逆バアスする向きの電圧を誘起させるように作用する 。これにより、第2の1次巻線N11b と第2の起動抵抗R2 とを通して第2のト ランジスタQ2 をオンする動作が禁止される。制御巻線Ncに並列に接続された コンデンサC7 は正常動作をより確実なものにする。即ち、トランジスタQ1 、 Q2 のオン・オフに基づく磁束変化によって生じる制御巻線Ncの高周波成分に 対してはコンデンサC7 のインピ−ダンスがほぼゼロとなり、制御巻線Ncが短 絡されたと等価な状態となる。これにより、第1のトランジスタQ1 のオン時に 第1の外脚3bに発生した磁束が中央脚3aに流れ込むことが制限され、第2の 外脚3cにより大く流れ込む。この結果、第2の2次巻線N22による第2のトラ ンジスタQ2 の逆バアスがより強くなり、第2のトランジスタQ2 のオフ状態を 確実に保つことができる。第1のトランジスタQ1 のオンの継続によって第1の 外脚3bが飽和した時には、第1の2次巻線N21に第1のトランジスタQ1 をオ ン駆動する電圧が発生しなくなり、第1のトランジスタQ1 はオフに転換する。 しかる後、コンデンサC1 を電源として図1及び図5と同様に、コンデンサC1 と出力トランスの1次巻線N1 と第2の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ 2 の回路に電流が流れる。
【0024】 制御巻線Nc又はこれに電流を流す配線がが断線すると、可飽和磁心3に制御 磁束φc を与えることができなくなる。今、第1のトランジスタQ1 のオン期間 であるとすれば、磁心3の第1の外脚3bが直ちに飽和しなくなり、共振用コン デンサC1 が所定値まで充電された後に第2の1次巻線N11b と第2の抵抗R2 とを通って第2のトランジスタQ2 のベ−ス電流が流れ、第2のトランジスタQ 2 がオンになる。これにより、第1のトランジスタQ1 と第1の1次巻線N11a と第2の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 との直列回路に電流が流れ、 第1及び第2の2次巻線N21、N22に第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 を オンにするための電圧が発生し、この直列回路に過大な電流が流れ、第1及び第 2のトランジスタQ1 、Q2 のいずれか一方又は両方が破壊するか、電源1に直 列に接続するヒュ−ズ(図示せず)が溶断し、出力端子4から負荷に過電圧が印 加される状態を防ぐことができる。
【0025】
【第4の実施例】 次に、図10及び図11を参照して本考案の第4の実施例に係わるスイッチン グ電源装置を説明する。但し、図10において図1、図5及び図9と共通する部 分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、図11において図6と共 通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施例のスイッチ ング電源装置の回路構成は図9と実質的に同一であり、マグアンプT1 の構成の みが図6から図11に変更されている。
【0026】 図11においては、制御巻線Nc が第1及び第2の制御巻線Nc1、Nc2に分割 され、互いに直列に接続されている。第1及び第2の制御巻線Nc1、Nc2は第1 及び第2の外脚3b、3cに巻回されている。第1の制御巻線Nc1はここに流れ る制御電流Ic によって第1の外脚3bに第1の1次巻線N11a の電流に基づい て生じる磁束φ1 の向きと同一の向きの磁束φc1が生じるように第1の外脚3b に巻回されている。第2の制御巻線Nc2はここに流れる制御電流Ic によって第 2の外脚3cに第2の1次巻線N11b の電流に基づいて生じる磁束φ2 の向きと 同一の向きの磁束φc2が生じるように第2の外脚に巻回されている。 第1の1次巻線N11a の巻方向はここに流れる電流によって第1のスイッチン グ素子Q1 をオンにする方向の電圧が第1の2次巻線N21に誘起すると共に第2 のスイッチング素子Q2 をオフにする方向の電圧が第2の2次巻線N22に誘起す るように設定されている。 第2の1次巻線N11b の巻方向はここに流れる電流によって第2のスイッチン グ素子Q2 オンにする方向の電圧が第2の2次巻線N22に誘起すると共に第1の スイッチング素子Q1 をオフにする方向の電圧が第1の2次巻線N21に誘起する ように設定されている。
【0027】 図10の第1及び第2の御巻線Nc1、Nc2の直列回路に対して並列に接続され たコンデンサC7 は、制御巻線Nc を第1及び第2のスイッチング素子Q1 、Q 2 のオン・オフの周波数帯域において交流的に短絡させる作用を有する。制御巻 線Nc は図11に示すように第1及び第2の制御巻線Nc1、Nc2に分割され、第 1及び第2の1次巻線N11a 、N11b と共に第1及び第2の外脚3b、3cに巻 回されているので、例えば第1の1次巻線N11a の電流に基づく磁束φ1 によっ て第1の制御巻線Nc1に電圧が誘起し、これによって第1及び第2の制御巻線N c1、Nc2とコンデンサC7 とから成る閉回路に電流が流れ、第2の制御巻線Nc2 が磁束を発生し、この磁束が第2の2次巻線N22に第2のスイッチング素子Q2 を逆バイアスする向きの電圧を発生させる。この結果、正常時に第1のスイッチ ング素子Q1 のオン期間に第2のスイッチング素子Q2 がオンになることが阻止 される。
【0028】 図10において制御巻線Nc が断線した時には、第1及び第2の制御巻線Nc1 、Nc2による第1及び第2の外脚3b、3cの磁気的結合が解除され、例えば第 1のトランジスタQ1 のオン時に第2のトランジスタQ2 を逆バイアスする作用 が弱められるか又は得られなくなり、第1及び第2のトランジスタが同時にオン し、これが破壊するか又は電源のヒューズが溶断するか又はブレーカ(過電流保 護装置)が動作し、負荷に対する過電圧の印加を阻止する。 なお、図11のマグアンプは、2つの外脚3b、3cのみに同一種類の巻線を 巻回せばよいので、図6のマグアンプよりも容易に製造することができる。磁心 3は例えばE型コアとI型コアの組合せ、又は2つのE型コアの組合せで構成す る。図10の定電圧ダイオ−ド11、12による作用効果は図1、図5、図9と 同じである。
【0029】
【変形例】 本考案は上述の実施例に限定されるものでなく、例えば次の変形が可能なもの である。 (1) 図1、図5、図9及び図10において、第1の1次巻線N21に並列の 定電圧ダイオ−ド11とダイオ−ド13との直列回路又は第2の2次巻線N22に 並列の定電圧ダイオ−ド12とダイオ−ド14との直列回路を省いていずれか一 方のみとすることができる。また、図10で破線で示すように制御巻線Nc1、N c2に並列に定電圧ダイオ−ド11、12とダイオ−ド13、14の直列回路を接 続し、2次巻線N21、N22に並列接続されている定電圧ダイオ−ド11、12と ダイオ−ド13、14の直列回路を省くことができる。また、第1及び第2の制 御巻線Nc1、Nc2のいずれか一方のみに定電圧ダイオ−ドとダイオ−ドとの直列 回路を並列接続することができる。また、図1、図5及び図9の回路においても 制御巻線Nc に並列に定電圧ダイオ−ドとダイオ−ドの直列回路を接続し、2次 巻線N21、N22の定電圧ダイオ−ドとダイオ−ドとの直列回路を省くことができ る。 (2) ダイオ−ドD5 、D6 、コンデンサC6 を省いてインバ−タにするこ とができる。 (3) 2次巻線N2a、N2bの巻数を変えて2つの異なった出力をとることが できる。また、出力トランスT2 の2次巻線N2a、N2bの一方を省く構成にする ことができる。 (4) トランジスタQ1、Q2 を電界効果トランジスタ等の他のスイッチン グ素子に置き換えることができる。 (5) 図5、図9及び図10において第1の1次巻線N11a を第1のスイッ チング素子Q1 のコレクタ側に直列に接続すること、図5及び図9において第2 の1次巻線N11b を第2のトランジスタQ2 のエミッタ側に直列に接続すること ができる。 (6) マグアンプT1 の磁心3を図11の鎖線Aで分断し、左半分の第1の 磁心A1 と右半分の第2の磁心A2 との組み合せによって構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例のスイッチング電源装置を示す回
路図である。
【図2】図1のマグアンプのBH曲線及び透磁率μと制
御電流との関係を示す図である。
【図3】図1及び図5及び図9のQ1 、Q2 のオン・オ
フ周波数とN1 とC1 の共振回路のレスポンスとの関係
を説明するための図である。
【図4】Q1 、Q2 のオン・オフ周波数と1次巻線N1
の電圧との関係を示す図である。
【図5】第2の実施例のスイッチング電源装置を示す回
路図である。
【図6】図5及び図9のマグアンプを示す斜視図であ
る。
【図7】図5のマグアンプのBH曲線と制御電流の関係
を示す図である。
【図8】図5の各部の状態を示す波形図である。
【図9】第3の実施例のスイッチング電源装置を示す回
路図である。
【図10】第4の実施例のスイッチング電源装置を示す
回路図である。
【図11】図10のマグアンプを示す斜視図である。
【符号の説明】
T1 マグアンプ T2 出力トランス N11a 、N11b 1次巻線 C1 共振用コンデンサ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源(1)と、 前記直流電源(1)の一端と他端との間に接続された第
    1及び第2のスイッチング素子(Q1 、Q2 )の直列回
    路と、 前記第2のスイッチング素子(Q2 )に対して並列に接
    続された出力トランスのインダクタンスを有する1次巻
    線(N1 )と共振用コンデンサ(C1 )との直列回路
    と、 前記第1及び第2のスイッチング素子(Q1 、Q2 )の
    電流を帰還するために前記第1及び第2のスイッチング
    素子(Q1 、Q2 )に直列に接続された第1及び第2の
    1次巻線(N11a 、N11b )又は前記共振用コンデンサ
    (C1 )を通って流れる電流を帰還するために前記共振
    用コンデンサ(C1 )に直列に接続されたコンデンサ電
    流帰還用1次巻線(N11)と、 可飽和磁心を介して前記第1の1次巻線(N11a )又は
    前記コンデンサ電流帰還用1次巻線(N11)に電磁結合
    され且つ前記第1のスイッチング素子(Q1 )の制御端
    子に接続された第1の2次巻線(N21)と、 前記可飽和磁心を介して前記第2の1次巻線(N11b )
    又は前記コンデンサ電流帰還用1次巻線(N11)に電磁
    結合され且つ前記第2のスイッチング素子(Q2 )の制
    御端子に接続された第2の2次巻線(N22)と、 前記可飽和磁心に巻回された制御巻線(Nc 又はNc1、
    又はNc2)と、 前記トランスの2次巻線の出力側に得られる出力電圧を
    一定に制御するための制御電流を供給するために前記制
    御巻線に接続された制御回路とを有する共振型スイッチ
    ング電源装置において、 前記第1及び第2の2次巻線(N21、N22)と前記第1
    及び第2のスイッチング素子(Q1 、Q2 ) の制御端子
    との間に第1及び第2のコンデンサ(C4 、C5 )が接
    続され、 前記整流平滑回路の出力電流の所定の過電流レベルに対
    応する電圧で導通する定電圧ダイオード(11及び/又
    は12)が前記第1の2次巻線(N21)と前記第2の2
    次巻線(N22)と前記制御巻線(Nc 又はNc1又はNc
    2)との内の少なくとも1つに並列に接続されているこ
    とを特徴とする共振型スイッチング電源装置。
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