JP3484751B2 - 電流共振型スイッチングレギュレータ - Google Patents
電流共振型スイッチングレギュレータInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電流共振型スイッチング
レギュレータに係わり、特に電流共振型スイッチングレ
ギュレータにおいて出力側に短絡事故等が生じた時にも
適正な制御が行われる制御手段を有するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の電流共振型スイッチングレギュレ
ータは所定のスイッチング周波数によってオン/オフ制
御されるトランジスタと、このトランジスタによって断
続される電流が流れるコンバータトランスを備え、この
コンバータトランスの2次側に巻線されているコイルか
ら出力電圧を得るように構成されている。また、上記コ
ンバータトランスの1次側のコイルは直列に接続されて
いる共振コンデンサによって共振回路を構成しており、
この共振回路の共振周波数と前記スイッチング周波数が
一致したときに最大の出力電圧が得られるように制御す
る制御手段が付加されている。 【0003】この制御手段は、例えばスイッチングトラ
ンジスタの入力端子側に接続されているドライブトラン
スと、該ドライブトランスのインダクタンスを制御する
ための制御回路によって構成されており、例えばコンバ
ータトランスの出力変動に対応する電圧、又は電流を検
出して前記ドライブトランスに付加されている制御巻線
に流す電流をコントロールすることによって、スイッチ
ング周期を変化し、コンバータトランスの出力変動を解
消する方向に制御するようになされている。 【0004】図8は共振型スイッチング電源の共振イン
ピーダンスZとスイッチング周波数Fの関係を示したも
ので、この図に見られるように共振型スイッチング電源
の場合は、一般的にスイッチング周波数Fが高くなると
共振インピーダンスZが高くなり、ドライブ電流が減少
することによって出力電圧が低下するようなアッパーサ
イド制御とされており、例えば定常動作時のスイッチン
グ周波数をF1に設定し、出力電圧が低下した時に前記
制御巻線に流す電流によってドライブトランスのインダ
クタンス(LB)が大きくなるようにコントロールする
ことによってスイッチング周波数を下げ、定電圧特性を
持たせることができるようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電流共振型スイッチングレギュレータはコンバータトラ
ンスの2次側出力に重大な事故が発生し、例えば出力が
短絡するような場合は、出力電圧を検出する回路の電源
もダウンしてしまい制御不能に陥ってしまうという問題
がある。 【0006】そこで、従来の電流共振型スイッチングレ
ギュレータではコンバータトランスの2次側に独立した
補助電源回路を設け、この補助電源回路から制御回路の
電源を供給したり、あるいは2次側における制御が不能
になる前に1次側で短絡事故を検出してスイッチング動
作を停止する制御を行ったり、また2次側の出力ライン
にインピーダンス素子を介入して負荷に電源を供給する
ように構成し、電源供給回路が短絡したときでも出力用
の巻線に電圧が残るようにすることが行われている。 【0007】しかしながら、補助電源を設けることは電
源回路を大型化すると共に、部品点数を増加するという
問題がある。また、1次側で検出する方法は正確な検出
が困難であり誤動作の原因になる。さらに出力端子と負
荷回路の間にインピーダンスを挿入しておく方法は、交
流ラインにインダクタンスを入れるときは整流ダイオー
ドに逆電圧が印加されて素子を破壊する場合が生じる。
同様に、直流ラインに抵抗を介入して電源を供給する方
法は電力損失を増加することになり、さらに多出力型の
時にはクロスレギュレーションが悪化するという問題が
あった。 【0008】本発明はこのような問題点にかんがみてな
されたものであって、特にスイッチング電源の出力側で
電源回路が短絡した時にも安定した電流制御が実現でき
るようにしたものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明はスイッチング素
子とコンバータトランス及び前記スイッチング素子のス
イッチング周波数をコントロールする制御手段を備えて
いる電流共振型スイッチングレギュレータにおいて、前
記コンバータトランスは1次巻線に対して出力用の2次
巻線及び制御電源用の3次巻線を備え、前記1次巻線を
挟むように上記出力用の2次巻線と制御用の3次巻線を
配置し、前記2次巻線に短絡が生じた時に上記3次巻線
の出力電圧が所定の電圧を維持できるようしている。 【0010】また、前記3次巻線から出力される直流電
圧が前記コンバータトランスの出力側に設けられている
検出回路の駆動電源とされており、前記スイッチング素
子にドライブ信号を供給するためのドライブトランス
と、このドライブトランスのリアクタンスを変化させる
ための制御巻線を設け、この制御巻線に少なくとも前記
3次巻線から出力させた直流電圧の変動成分に対応する
電流が供給されている。 【0011】さらに、前記制御巻線には前記2次巻線に
流れる過電流成分に対応する電流、及び直流電圧の変動
成分に対応する電流が供給されるように構成されてい
る。 【0012】 【作用】本発明は上記したように2次側の出力電流及び
電圧を検出する検出回路に対して、コンバータトランス
の2次巻線と離れた位置に設けられている3次巻線に誘
起される電圧を供給するように構成することによって、
2次側の短絡によっても検出回路のダウンが生じないよ
うにしており、安定して電流制御が継続される。 【0013】また、スイッチングトランジスタを制御し
ている制御回路に2次側出力の過電流、及び過電力に対
応する信号成分を重畳して供給することによって、定電
圧特性と共に過電流や過電力によって電源回路がダウン
することを保護することもできる。 【0014】 【実施例】図1は本発明の電流共振型スイッチングレギ
ュレータの回路例を示したもので、商用電源ACはダイ
オードブリッジ整流回路BDにおいて直流電圧に整流さ
れ、この直流電源に対して直列に接続されている2個の
スイッチングトランジスタQ1、Q2に供給されてい
る。スイッチングトランジスタQ1、、Q2の中間点は
ドライブトランスDTのコイルL0、共振コンデンサC
3、コンバータトランスCTの1次巻線L1を介してマ
イナス電源に接続され、ハーフブリッジ型の電流共振型
スイッチング回路とされている。 【0015】スイッチングトランジスタQ1、Q2のス
イッチング周期は直交型のドライブトランスDTの巻線
LB1、LB2、コンデンサCB1、CB2、抵抗RB
1、RB2からなる直列共振周波数によってスイッチン
グ周波数が決定される。なお、R0は起動抵抗、C1は
保護コンデンサ、D1はダンパーダイオードを示す。 【0016】コンバータトランスCTの出力側には2次
コイルL2と3次コイルL3が巻き回されており、後で
述べるように3次コイルL3に誘起された電圧はダイオ
ードDによって整流された直流電圧をV3を形成し、こ
の電圧によって出力側の電流及び電圧を検出する検出回
路が駆動されるようになされている。また、コンバータ
トランスCTの2次コイルL2に誘起された電圧は同じ
く整流ダイオードDによって全波整流され、所定の回路
に電圧V0として供給されることになる。なお、C0は
平滑コンデンサである。 【0017】一点鎖線で囲ったCCBは前記した直交ト
ランスで構成されているドライブトランスDTを制御し
て過電力制御、過電流制御、定電圧制御を行う制御回路
であり、定電圧制御を行うための検出回路として差動ア
ンプOP1、過電流制御を行うための検出回路として差
動アンプOP2、過電力制御を行うための検出回路とし
て差動アンプOP3が設けられている。そして、これら
の各差動アンプの出力がトランジスタQ3を駆動し、前
記ドライブトランスDTの制御巻線LCに制御電流を流
すようにしている。 【0018】なお、E1、E2、E3は基準電圧源、抵
抗R1、R2は2次巻線L2の出力電圧V0を検出する
ための分圧抵抗、R3、R4は3次巻線L3の出力電圧
V3を検出するための分圧抵抗を示す。また、抵抗Rd
は負荷に供給されている電流I0を検出するための検出
抵抗を示す。 【0019】上記したスイッチング電源回路は良く知ら
れているように、スイッチングトランジスタQ1、Q2
が交互にオン/オフを繰り返すことによってコンバータ
トランスの1次側コイルL1に交番電流を流し2次側の
出力に所定の交番電圧を出力するものであるが、図8で
示したように共振コンデンサC3の容量値とコンバータ
トランスCTのリアクタンス(漏洩インピーダンス)の
よる共振インピーダンスZがスイッチング周波数と一致
するときに最大の電力が出力側に転送されることにな
る。 【0020】したがって、コンバータトランスCTの出
力側に生じる電圧及び電流を検出してスイッチング周波
数を制御しているドライブトランスDTの制御巻線LC
に流れる電流を制御すると、すなわち制御巻線LCによ
ってドライブトランスDTの磁気飽和特性をコントロー
ルし、ドライブコイルLB1、LB2の呈するインダク
タンスを変化してやれば、スイッチング周波数を変化す
ることにより出力側の電源電圧を一定の値となるように
制御することができる。また、本発明の場合は以下に述
べるように出力側が操作ミス、又は短絡事故を起こした
ときには過負荷の状態を検出して出力電圧を抑制した
り、過電流負荷となった時に出力電圧を抑制することも
できる。 【0021】図2(a)は本発明の電流共振型スイッチ
ングレギュレータにおいて採用されているコンバータト
ランスCTの概要を示したもので、同図(b)は巻線さ
れているボビンBの部分を断面としたものである。この
図に示されているように本発明の電流共振型スイッチン
グレギュレータではトランスのコアに対して1次巻線L
1 を巻回すると共に、この1次巻線L1と分離した位置
に2次巻線L2が巻かれており、さらの3次巻線L3は
この2次巻線から離れた方向に、かつ1次巻線L1に近
接して配置されている点に特徴がある。 【0022】したがって、上記構成によると2次巻線L
2と3次巻線L3の結合係数はかなり小さいものとな
り、2次コイルに誘起される電圧と3次コイルL3に誘
起される電圧は必ずしも比例した変化をしないことにな
る。すなわち、図3に示すように2次巻線の出力電圧V
0によって負荷に供給されている電流をI0とした時
に、スイッチング電源の定電圧特性によって負荷電流I
0が増加した時にも出力電圧V0を一定に保持すること
ができるが、この時3次コイル側の負荷が一定(軽負
荷)であれば、1次コイル側から供給されているドライ
ブ電流が増加することによって3次コイルに誘起される
電圧は増加し、その出力電圧V3は一点鎖線に示すよう
に高くなる。 【0023】そして、負荷回路の短絡等によって2次巻
き線L2の出力電圧V0がゼロとなるような事故が発生
した時でも3次巻き線L3の最低電圧はVminを保持
することが可能にされる。本発明はこの最低電圧Vmi
nが前記した検出回路ブロックCCBに対する動作電圧
として十分な値となるように設定することによって、負
荷側の操作ミスや、短絡事故によって電流共振型スイッ
チングレギュレータの制御が失われることがないように
している。 【0024】図4は2次巻線に流れる負荷電流の過電流
を検出する検出回路の具体例を示したもので、3次巻線
K3の出力電圧V3より制御電流が供給されるようにし
ている。この図でDAはシャントレギュレータ(例え
ば、商品名TL431)であり、出力電圧V0の電圧を
抵抗r2、r3で分圧しその変動成分に対する電流を前
記ドライブトランスの制御巻線LCに供給し2次巻線の
電圧を安定化している。また、トランジスタQ4は前記
検出抵抗Rdの電圧ドロップを検出し、この電圧がトラ
ンジスタQ4のVbe以上になると導通制御される。そ
して、このオン電流が抵抗r4を介して前記制御巻線L
Cに重畳され、スイッチング周波数を所定の高い周波数
に変化させる。このスイッチング周波数はコンバータト
ランスCTの2次側短絡時の漏洩インピーダンスと共振
コンデンサC3で決定される周波数以上とすることが好
ましい。 【0025】次に、図5に示すように検出回路を構成す
る差動アンプOP3によって出力電圧V3の電圧がある
値以上にならないように制御すると、2次コイル側の出
力V0は負荷電流I0の増加にしたがって降下するよう
な特性になる。したがって、このある値以上で出力電圧
V3を監視し、この出力電圧V3が所定の値以上になっ
た時、制御巻線LCに電流を流すように制御すると過電
力制御を行わせることができる。 【0026】図6はこのような制御を行うための検出回
路の具体例を示したもので、前記したシャントレギュレ
ータDAに対してツエナダイオードDZを並列に接続し
ている。出力電圧V3がある値以上になるとツエナダイ
オードDZが導通し、3次巻線から出力されている電圧
V3から制御巻線LCに電流が重畳して供給されること
になる。その結果、1次側から供給される電力が制限さ
れ過電力状態が緩和されることになる。 【0027】図7は前記したシャントレギュレータの具
体例を示す等価回路であって、集積化されたデバイス回
路として使用されている。この回路に見られるように図
6のシャントレギュレータのカソード端子K、アノード
端子A、及び参照信号端子Rに対応した端子が設けられ
ている。この等価回路内には2.495Vのバンド・ギ
ャップによる基準電圧を内蔵しており、この基準電圧と
参照電圧の差に基づいて出力電流が流れるように動作す
る。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の電流共振
型スイッチング電源は1次巻線と出力用の2次巻線の結
合係数K1に対して、1次巻線と制御用の3次巻線の結
合係数が大きくなるようにしたコンバータトランスの3
次巻線によって出力側の負荷回路に供給される電流、及
び電圧を検出する検出回路の駆動電源を構成しているか
ら、補助電源を設けることなく自磁励式のコンバータの
過電流制御、及び過電力制御を行うことができるという
効果がある。 【0029】また、これらの制御は従来のコンバータに
比較して極めて少ない部品点数で達成できるためコスト
ダウンを計ることができる。
レギュレータに係わり、特に電流共振型スイッチングレ
ギュレータにおいて出力側に短絡事故等が生じた時にも
適正な制御が行われる制御手段を有するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の電流共振型スイッチングレギュレ
ータは所定のスイッチング周波数によってオン/オフ制
御されるトランジスタと、このトランジスタによって断
続される電流が流れるコンバータトランスを備え、この
コンバータトランスの2次側に巻線されているコイルか
ら出力電圧を得るように構成されている。また、上記コ
ンバータトランスの1次側のコイルは直列に接続されて
いる共振コンデンサによって共振回路を構成しており、
この共振回路の共振周波数と前記スイッチング周波数が
一致したときに最大の出力電圧が得られるように制御す
る制御手段が付加されている。 【0003】この制御手段は、例えばスイッチングトラ
ンジスタの入力端子側に接続されているドライブトラン
スと、該ドライブトランスのインダクタンスを制御する
ための制御回路によって構成されており、例えばコンバ
ータトランスの出力変動に対応する電圧、又は電流を検
出して前記ドライブトランスに付加されている制御巻線
に流す電流をコントロールすることによって、スイッチ
ング周期を変化し、コンバータトランスの出力変動を解
消する方向に制御するようになされている。 【0004】図8は共振型スイッチング電源の共振イン
ピーダンスZとスイッチング周波数Fの関係を示したも
ので、この図に見られるように共振型スイッチング電源
の場合は、一般的にスイッチング周波数Fが高くなると
共振インピーダンスZが高くなり、ドライブ電流が減少
することによって出力電圧が低下するようなアッパーサ
イド制御とされており、例えば定常動作時のスイッチン
グ周波数をF1に設定し、出力電圧が低下した時に前記
制御巻線に流す電流によってドライブトランスのインダ
クタンス(LB)が大きくなるようにコントロールする
ことによってスイッチング周波数を下げ、定電圧特性を
持たせることができるようにしている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電流共振型スイッチングレギュレータはコンバータトラ
ンスの2次側出力に重大な事故が発生し、例えば出力が
短絡するような場合は、出力電圧を検出する回路の電源
もダウンしてしまい制御不能に陥ってしまうという問題
がある。 【0006】そこで、従来の電流共振型スイッチングレ
ギュレータではコンバータトランスの2次側に独立した
補助電源回路を設け、この補助電源回路から制御回路の
電源を供給したり、あるいは2次側における制御が不能
になる前に1次側で短絡事故を検出してスイッチング動
作を停止する制御を行ったり、また2次側の出力ライン
にインピーダンス素子を介入して負荷に電源を供給する
ように構成し、電源供給回路が短絡したときでも出力用
の巻線に電圧が残るようにすることが行われている。 【0007】しかしながら、補助電源を設けることは電
源回路を大型化すると共に、部品点数を増加するという
問題がある。また、1次側で検出する方法は正確な検出
が困難であり誤動作の原因になる。さらに出力端子と負
荷回路の間にインピーダンスを挿入しておく方法は、交
流ラインにインダクタンスを入れるときは整流ダイオー
ドに逆電圧が印加されて素子を破壊する場合が生じる。
同様に、直流ラインに抵抗を介入して電源を供給する方
法は電力損失を増加することになり、さらに多出力型の
時にはクロスレギュレーションが悪化するという問題が
あった。 【0008】本発明はこのような問題点にかんがみてな
されたものであって、特にスイッチング電源の出力側で
電源回路が短絡した時にも安定した電流制御が実現でき
るようにしたものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明はスイッチング素
子とコンバータトランス及び前記スイッチング素子のス
イッチング周波数をコントロールする制御手段を備えて
いる電流共振型スイッチングレギュレータにおいて、前
記コンバータトランスは1次巻線に対して出力用の2次
巻線及び制御電源用の3次巻線を備え、前記1次巻線を
挟むように上記出力用の2次巻線と制御用の3次巻線を
配置し、前記2次巻線に短絡が生じた時に上記3次巻線
の出力電圧が所定の電圧を維持できるようしている。 【0010】また、前記3次巻線から出力される直流電
圧が前記コンバータトランスの出力側に設けられている
検出回路の駆動電源とされており、前記スイッチング素
子にドライブ信号を供給するためのドライブトランス
と、このドライブトランスのリアクタンスを変化させる
ための制御巻線を設け、この制御巻線に少なくとも前記
3次巻線から出力させた直流電圧の変動成分に対応する
電流が供給されている。 【0011】さらに、前記制御巻線には前記2次巻線に
流れる過電流成分に対応する電流、及び直流電圧の変動
成分に対応する電流が供給されるように構成されてい
る。 【0012】 【作用】本発明は上記したように2次側の出力電流及び
電圧を検出する検出回路に対して、コンバータトランス
の2次巻線と離れた位置に設けられている3次巻線に誘
起される電圧を供給するように構成することによって、
2次側の短絡によっても検出回路のダウンが生じないよ
うにしており、安定して電流制御が継続される。 【0013】また、スイッチングトランジスタを制御し
ている制御回路に2次側出力の過電流、及び過電力に対
応する信号成分を重畳して供給することによって、定電
圧特性と共に過電流や過電力によって電源回路がダウン
することを保護することもできる。 【0014】 【実施例】図1は本発明の電流共振型スイッチングレギ
ュレータの回路例を示したもので、商用電源ACはダイ
オードブリッジ整流回路BDにおいて直流電圧に整流さ
れ、この直流電源に対して直列に接続されている2個の
スイッチングトランジスタQ1、Q2に供給されてい
る。スイッチングトランジスタQ1、、Q2の中間点は
ドライブトランスDTのコイルL0、共振コンデンサC
3、コンバータトランスCTの1次巻線L1を介してマ
イナス電源に接続され、ハーフブリッジ型の電流共振型
スイッチング回路とされている。 【0015】スイッチングトランジスタQ1、Q2のス
イッチング周期は直交型のドライブトランスDTの巻線
LB1、LB2、コンデンサCB1、CB2、抵抗RB
1、RB2からなる直列共振周波数によってスイッチン
グ周波数が決定される。なお、R0は起動抵抗、C1は
保護コンデンサ、D1はダンパーダイオードを示す。 【0016】コンバータトランスCTの出力側には2次
コイルL2と3次コイルL3が巻き回されており、後で
述べるように3次コイルL3に誘起された電圧はダイオ
ードDによって整流された直流電圧をV3を形成し、こ
の電圧によって出力側の電流及び電圧を検出する検出回
路が駆動されるようになされている。また、コンバータ
トランスCTの2次コイルL2に誘起された電圧は同じ
く整流ダイオードDによって全波整流され、所定の回路
に電圧V0として供給されることになる。なお、C0は
平滑コンデンサである。 【0017】一点鎖線で囲ったCCBは前記した直交ト
ランスで構成されているドライブトランスDTを制御し
て過電力制御、過電流制御、定電圧制御を行う制御回路
であり、定電圧制御を行うための検出回路として差動ア
ンプOP1、過電流制御を行うための検出回路として差
動アンプOP2、過電力制御を行うための検出回路とし
て差動アンプOP3が設けられている。そして、これら
の各差動アンプの出力がトランジスタQ3を駆動し、前
記ドライブトランスDTの制御巻線LCに制御電流を流
すようにしている。 【0018】なお、E1、E2、E3は基準電圧源、抵
抗R1、R2は2次巻線L2の出力電圧V0を検出する
ための分圧抵抗、R3、R4は3次巻線L3の出力電圧
V3を検出するための分圧抵抗を示す。また、抵抗Rd
は負荷に供給されている電流I0を検出するための検出
抵抗を示す。 【0019】上記したスイッチング電源回路は良く知ら
れているように、スイッチングトランジスタQ1、Q2
が交互にオン/オフを繰り返すことによってコンバータ
トランスの1次側コイルL1に交番電流を流し2次側の
出力に所定の交番電圧を出力するものであるが、図8で
示したように共振コンデンサC3の容量値とコンバータ
トランスCTのリアクタンス(漏洩インピーダンス)の
よる共振インピーダンスZがスイッチング周波数と一致
するときに最大の電力が出力側に転送されることにな
る。 【0020】したがって、コンバータトランスCTの出
力側に生じる電圧及び電流を検出してスイッチング周波
数を制御しているドライブトランスDTの制御巻線LC
に流れる電流を制御すると、すなわち制御巻線LCによ
ってドライブトランスDTの磁気飽和特性をコントロー
ルし、ドライブコイルLB1、LB2の呈するインダク
タンスを変化してやれば、スイッチング周波数を変化す
ることにより出力側の電源電圧を一定の値となるように
制御することができる。また、本発明の場合は以下に述
べるように出力側が操作ミス、又は短絡事故を起こした
ときには過負荷の状態を検出して出力電圧を抑制した
り、過電流負荷となった時に出力電圧を抑制することも
できる。 【0021】図2(a)は本発明の電流共振型スイッチ
ングレギュレータにおいて採用されているコンバータト
ランスCTの概要を示したもので、同図(b)は巻線さ
れているボビンBの部分を断面としたものである。この
図に示されているように本発明の電流共振型スイッチン
グレギュレータではトランスのコアに対して1次巻線L
1 を巻回すると共に、この1次巻線L1と分離した位置
に2次巻線L2が巻かれており、さらの3次巻線L3は
この2次巻線から離れた方向に、かつ1次巻線L1に近
接して配置されている点に特徴がある。 【0022】したがって、上記構成によると2次巻線L
2と3次巻線L3の結合係数はかなり小さいものとな
り、2次コイルに誘起される電圧と3次コイルL3に誘
起される電圧は必ずしも比例した変化をしないことにな
る。すなわち、図3に示すように2次巻線の出力電圧V
0によって負荷に供給されている電流をI0とした時
に、スイッチング電源の定電圧特性によって負荷電流I
0が増加した時にも出力電圧V0を一定に保持すること
ができるが、この時3次コイル側の負荷が一定(軽負
荷)であれば、1次コイル側から供給されているドライ
ブ電流が増加することによって3次コイルに誘起される
電圧は増加し、その出力電圧V3は一点鎖線に示すよう
に高くなる。 【0023】そして、負荷回路の短絡等によって2次巻
き線L2の出力電圧V0がゼロとなるような事故が発生
した時でも3次巻き線L3の最低電圧はVminを保持
することが可能にされる。本発明はこの最低電圧Vmi
nが前記した検出回路ブロックCCBに対する動作電圧
として十分な値となるように設定することによって、負
荷側の操作ミスや、短絡事故によって電流共振型スイッ
チングレギュレータの制御が失われることがないように
している。 【0024】図4は2次巻線に流れる負荷電流の過電流
を検出する検出回路の具体例を示したもので、3次巻線
K3の出力電圧V3より制御電流が供給されるようにし
ている。この図でDAはシャントレギュレータ(例え
ば、商品名TL431)であり、出力電圧V0の電圧を
抵抗r2、r3で分圧しその変動成分に対する電流を前
記ドライブトランスの制御巻線LCに供給し2次巻線の
電圧を安定化している。また、トランジスタQ4は前記
検出抵抗Rdの電圧ドロップを検出し、この電圧がトラ
ンジスタQ4のVbe以上になると導通制御される。そ
して、このオン電流が抵抗r4を介して前記制御巻線L
Cに重畳され、スイッチング周波数を所定の高い周波数
に変化させる。このスイッチング周波数はコンバータト
ランスCTの2次側短絡時の漏洩インピーダンスと共振
コンデンサC3で決定される周波数以上とすることが好
ましい。 【0025】次に、図5に示すように検出回路を構成す
る差動アンプOP3によって出力電圧V3の電圧がある
値以上にならないように制御すると、2次コイル側の出
力V0は負荷電流I0の増加にしたがって降下するよう
な特性になる。したがって、このある値以上で出力電圧
V3を監視し、この出力電圧V3が所定の値以上になっ
た時、制御巻線LCに電流を流すように制御すると過電
力制御を行わせることができる。 【0026】図6はこのような制御を行うための検出回
路の具体例を示したもので、前記したシャントレギュレ
ータDAに対してツエナダイオードDZを並列に接続し
ている。出力電圧V3がある値以上になるとツエナダイ
オードDZが導通し、3次巻線から出力されている電圧
V3から制御巻線LCに電流が重畳して供給されること
になる。その結果、1次側から供給される電力が制限さ
れ過電力状態が緩和されることになる。 【0027】図7は前記したシャントレギュレータの具
体例を示す等価回路であって、集積化されたデバイス回
路として使用されている。この回路に見られるように図
6のシャントレギュレータのカソード端子K、アノード
端子A、及び参照信号端子Rに対応した端子が設けられ
ている。この等価回路内には2.495Vのバンド・ギ
ャップによる基準電圧を内蔵しており、この基準電圧と
参照電圧の差に基づいて出力電流が流れるように動作す
る。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の電流共振
型スイッチング電源は1次巻線と出力用の2次巻線の結
合係数K1に対して、1次巻線と制御用の3次巻線の結
合係数が大きくなるようにしたコンバータトランスの3
次巻線によって出力側の負荷回路に供給される電流、及
び電圧を検出する検出回路の駆動電源を構成しているか
ら、補助電源を設けることなく自磁励式のコンバータの
過電流制御、及び過電力制御を行うことができるという
効果がある。 【0029】また、これらの制御は従来のコンバータに
比較して極めて少ない部品点数で達成できるためコスト
ダウンを計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電流共振型スイッチング電源とその制
御系を示す回路図である。 【図2】本発明に適応されるコンバータトランスの概要
と断面図を示す。 【図3】コンバータトランスの出力特性を示す図であ
る。 【図4】過電流を防止するための制御回路例を示す。 【図5】出力電圧V0を一定にした時の制御電圧の傾向
を示す図である。 【図6】過電力制御を行う時の実施例を示す図である。 【図7】シャントレギュレータの具体例を示す図であ
る。 【図8】電流共振型スイッチング電源の制御周波数を説
明する図である。 【符号の説明】 L1 1次巻線 L2 2次巻線 L3 3次巻線 Q1、Q2 スイッチングトランジスタ CT コンバータトランス DT ドライブトランス CCB 検出回路ブロック
御系を示す回路図である。 【図2】本発明に適応されるコンバータトランスの概要
と断面図を示す。 【図3】コンバータトランスの出力特性を示す図であ
る。 【図4】過電流を防止するための制御回路例を示す。 【図5】出力電圧V0を一定にした時の制御電圧の傾向
を示す図である。 【図6】過電力制御を行う時の実施例を示す図である。 【図7】シャントレギュレータの具体例を示す図であ
る。 【図8】電流共振型スイッチング電源の制御周波数を説
明する図である。 【符号の説明】 L1 1次巻線 L2 2次巻線 L3 3次巻線 Q1、Q2 スイッチングトランジスタ CT コンバータトランス DT ドライブトランス CCB 検出回路ブロック
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】制御手段によりスイッチング周波数が制御
されるスイッチング素子と、 前記スイッチング素子に対して共振コンデンサを介して
接続された1次巻線と出力用の2次巻線及び、制御用の
3次巻線とを備えているコンバータトランスと、 前記出力用の2次巻線の出力電圧を検出して前記制御手
段に帰還し、前記出力用の2次巻線の出力電圧が安定化
されるように前記スイッチング素子のスイッチング周波
数を制御する帰還経路と、 前記帰還経路に設けられ、前記制御用の3次巻線から得
られた電圧を動作電圧として、前記出力用の2次巻線に
過電流が検出されたときに、前記出力用の2次巻線から
出力される電圧が低下するように前記制御手段を制御す
る過電流制御回路とを有し、 前記コンバータトランスの前記出力用の2次巻線は、前
記1次巻線に対して一方の側に隣接して配置され、前記
制御用の3次巻線は前記1次巻線に対して前記出力用の
2次巻線とは反対側に配置され、 前記コンバータトランスの前記出力用の2次巻線と前記
制御用の3次巻線との結合係数は、前記出力用の2次巻
線に短絡が生じたときに前記制御用の3次巻線の出力電
圧が前記過電流制御回路を動作させることができる程度
に小さく設定されていることを特徴とする 電流共振型ス
イッチングレギュレータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08363594A JP3484751B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 電流共振型スイッチングレギュレータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08363594A JP3484751B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 電流共振型スイッチングレギュレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07274502A JPH07274502A (ja) | 1995-10-20 |
JP3484751B2 true JP3484751B2 (ja) | 2004-01-06 |
Family
ID=13807930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08363594A Expired - Fee Related JP3484751B2 (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 電流共振型スイッチングレギュレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3484751B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005168167A (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-23 | Honda Motor Co Ltd | Dc−dcコンバータ |
US11901827B2 (en) * | 2019-01-21 | 2024-02-13 | Mitsubishi Electric Corporation | Power conversion device and DC power distribution system |
-
1994
- 1994-03-31 JP JP08363594A patent/JP3484751B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07274502A (ja) | 1995-10-20 |
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---|---|---|---|
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