JP3279073B2 - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP3279073B2
JP3279073B2 JP15436394A JP15436394A JP3279073B2 JP 3279073 B2 JP3279073 B2 JP 3279073B2 JP 15436394 A JP15436394 A JP 15436394A JP 15436394 A JP15436394 A JP 15436394A JP 3279073 B2 JP3279073 B2 JP 3279073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスイッチング電源回路に
関わり、特に一対のスイッチング素子を有した電流共振
形のスイッチング電源回路に適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば従来の電流共振形スイッチング電
源回路として、交互にスイッチングするようにされた2
つのスイッチングトランジスタが設けられた、いわゆる
ハーフブリッジ式といわれるものが知られている。例え
ば、これら2つのスイッチングトランジスタのスイッチ
ング電流は、例えばコンバータトランスの一次巻線に交
番電流として共通に流れるようにされており、これによ
って励起された二次側の交流電圧を整流及び平滑化して
直流に変換すれば電源電圧を得ることができる。
【0003】ところで、上記したようなスイッチング電
源回路では、2つのスイッチングトランジスタのスイッ
チング電流はコンバータトランスに巻回された単一の一
次巻線に対して流れるようにされている。そしてこのよ
うな共振回路を用いて、例えば負荷電力が200W以上
・交流入力電圧100V系(例えばAC150V以下と
される)、あるいは負荷電力100W以上・交流入力電
圧100V系〜200V系(AC150V以上)のワイ
ドレンジ対応とした構成のスイッチング電源回路も知ら
れているが、特に交流入力電圧100V系で使用する時
は、コンバータトランスの一次巻線に流れる共振電流が
過大となり、これに伴う発熱の増加が問題となる。
【0004】そこで、上記のような過大電流の対策手段
として、一次巻線としてリッツ線を使用し、かつ、この
リッツ線の断面積を縮小してその束数を増加する、ある
いはリッツ線の断面積はそのままでその束数のみ増加さ
せるなどの方法が知られている。これにより、銅損の要
因とされる表皮効果、近接効果、渦電流損が低減して巻
線の交流抵抗が減少し、発熱を抑制させることができ
る。ところが、前者の方法ではリッツ線が高価なものと
なり、また、後者ではリッツ線自体の線径が太くなっ
て、自動巻線機による巻装ができなくなる場合が生じる
などの不都合があり、特に有効ではなかった。
【0005】そこで、コンバータトランスの一次巻線を
2組に等分割して並列に接続し、この2組の一次巻線に
供給する電流を同時に断続して交番電力を二次側に誘導
するようにしたスイッチング電源回路が知られている。
つまり、一次巻線に流れる共振電流を分割した2つの一
次巻線に分流させることで、各一次巻線に流れる電流レ
ベルがそれぞれ1/2になるが、これにより一次巻線に
発生する発熱の抑制を図るものである。図4は、このよ
うな電流共振形スイッチング電源回路の一例を示す回路
図であり、この場合には自励発振式によるものとされ
る。この図においてACは商用の交流電源を示し、この
交流電源ACに対して設けられるCMCはコモンモード
ノイズ除去のためのコモンモードチョークコイルを、ま
た、このコモンモードチョークコイルCMCの後段の両
極ライン間に挿入されるCL は、ノーマルモードノイズ
を除去するアクロスコンデンサを示している。また、D
1 は4本のダイオードをブリッジ接続してなるブリッ
ジ整流回路を示し、入力された交流電源ACについて全
波整流を行う。Ciは平滑用コンデンサであり、上記ブ
リッジ整流回路Di1 及びこの平滑用コンデンサCiに
より整流平滑電圧Eiが得られる。
【0006】次に、Q1 、Q2 はそれぞれスイッチング
素子としてのスイッチングトランジスタを示し、図のよ
うに整流平滑電圧Eiとアース間に対してそれぞれのコ
レクタ、エミッタを介して接続されている。また、スイ
ッチングトランジスタQ1 、Q2 の各コレクタ−ベース
間にそれぞれ挿入される抵抗RS1、RS2は起動抵抗を、
またスイッチングトランジスタQ1、Q2 の各ベース−
エミッタ間に挿入されるD1 、D2 はそれぞれダンパー
ダイオードを示す。また、抵抗RB1、RB2はそれぞれ、
スイッチングトランジスタQ1 、Q2 のベース電流(ド
ライブ電流)調整用抵抗を示している。そして、スイッ
チングトランジスタQ1 のベースと抵抗RB1、及びスイ
ッチングトランジスタQ2 のベースと抵抗RB2間にそれ
ぞれ設けられるCB1、CB2は共振用のコンデンサであ
り、次に説明するドライブトランスT1 の駆動巻線
B1、NB2と共に、自励発振用の直列共振回路を形成し
ている。
【0007】T1 はスイッチングトランジスタQ1 、Q
2 のスイッチング周波数を可変制御するドライブトラン
スを示し、この図の場合には駆動巻線NB1、NB2及び共
振電流検出巻線NR が巻回され、更にこれらの各巻線に
対して制御巻線NC が直交する方向に巻回された直交型
の可飽和リアクトルとされている。このドライブトラン
スT1 の駆動巻線NB1の一端は抵抗RB1に、他端はスイ
ッチングトランジスタQ1 のエミッタに接続される。ま
た、駆動巻線NB2の一端はアースに接地されると共に他
端は抵抗RB2と接続されて、前記駆動巻線NB1と逆の極
性の電圧が出力されるようになされている。また、電流
検出巻線NR はスイッチングトランジスタQ1 のエミッ
タとスイッチングトランジスタQ2 のコレクタの接点に
接続されると共に、コンバータトランスT2 の一次巻線
1 の一端に対して接続される。
【0008】T2 はスイッチングトランジスタQ1 、Q
2 のスイッチング出力を二次側に伝送するための絶縁型
のコンバータトランスである。このコンバータトランス
2においては、一次巻線は図のようにN1A及びN1B
2つに分割して設けられている。この際、一次巻線
1A、N1Bは共に同じ巻数とされる。そして、一次巻線
1A、N1Bは、電流検出巻線NR と共振コンデンサC1
の間において図のように並列して設けられる。ここで、
一次巻線N1A、N1Bが接続される共振コンデンサC1
他方の極はアースに接地されており、これら共振コンデ
ンサC1 及び一次巻線N1A、N1B1 のインダクタンス成
分により直列共振回路が形成される。従って、実際のコ
ンバータトランスT2 においては、負荷電力や交流入力
電圧等の各種条件に適合する一次側の励磁インダクタン
ス及び漏れインダクタンス(トランス結合係数に相当す
る)が得られるように選定される。
【0009】また、この図に示す電源回路の場合、コン
バータトランスT2 の二次側には二次巻線N2 及びN3
が設けられており、例えば二次巻線N2 側に対しては図
のようにブリッジ整流回路Di2 と、このブリッジ整流
回路Di2 のプラス側の出力とアース間に接続された平
滑用コンデンサC2 からなる整流平滑回路が設けられて
いる。これにより、一次巻線N1 の交流電圧で誘起され
たエネルギーが二次巻線N2 に伝送されて、直流電圧出
力E1 が得られることとなる。また、二次巻線N3 にお
いてはアースに接地されたセンタータップを設けると共
に、ダイオードD3 、D4 による全波整流回路と平滑用
コンデンサC3 が設けられることで、直流電圧出力E2
が得られる。AMPは例えば二次側の直流電圧出力E1
と、基準電圧を比較してその誤差に応じた直流電流を、
制御電流IC としてドライブトランスT1 の制御巻線N
C に供給する誤差増幅器である。
【0010】また、上述したコンバータトランスT2
は、例えば図5(a)の断面図に示すように構成されて
いる。この図においてCR1及びCR2はそれぞれコアを示
しており、その材質としては一般にフェライト材が用い
られる。これらコアCR1、CR2は共にE形とされてお
り、両者を図のように組み合わせることでEE形のコア
を形成する。この際、互いの中央磁脚の端部が対向する
部分には所定幅のギャップGが設けられて所要のインダ
クタンスが得られるようにしている。また、Bはボビン
を示し、この場合には巻装部が2つに分割されている分
割ボビンとされている。そして図のように、この分割ボ
ビンBの一方の巻装部(図の右側)に対しては二次巻線
2 、N3 を巻装し、他方の巻装部(図の左側)には先
ず一次巻線N1Aを巻装してから、次に絶縁テープTP
数層巻装し、それから一次巻線N1Bを巻装していく。こ
のように絶縁テープTP を介して2組の一次巻線N1A
1Bを巻装するのは、一次巻線N1A、N1B間に生じる浮
遊容量を抑制して、両巻線内に流れる循環電流を解消す
るためである。そして、このように各巻線が巻回された
ボビンBを上記EE形コアに組み込むことで、図に示す
ようなコンバータトランスT2 が構成される。
【0011】次に、図4に示した構成の電流共振形スイ
ッチング電源のスイッチング動作を簡単に説明する。先
ず商用交流電源が投入されると、例えば起動抵抗RS1
S2を介してスイッチングトランジスタQ1 、Q2 のベ
ースにベース電流が供給されることになるが、例えばス
イッチングトランジスタQ1 が先にオンとなったとすれ
ば、スイッチングトランジスタQ2 はオフとなるように
制御される。例えば、このときのスイッチングトランジ
スタQ1 から出力される共振電流IO は正極性とされる
が、この電流はスイッチングトランジスタQ1 から電流
検出巻線NR を介し、されに並列接続されている一次巻
線N1A、N1Bにそれぞれ分流電流INA、INBとして流れ
たのち、合流してコンデンサC1 に流れることになる。
そして、この共振電流が0となる近傍でスイッチングト
ランジスタQ2 がオン、スイッチングトランジスタQ1
がオフとなるように制御される。スイッチングトランジ
スタQ2 は共振コンデンサC1 に蓄積された電気エネル
ギーを並列接続されている一次巻線N1A、N1B及び電流
検出巻線NR に放電し、負極性の共振電流IO を形成す
る。以降、スイッチングトランジスタQ1 、Q2 が交互
にオンとなる自励式のスイッチング動作が開始される。
なお、このスイッチングトランジスタQ1 、Q2 のスイ
ッチング周波数は、駆動用巻線NB1のインダクタンスと
コンデンサC2 の容量、駆動用巻線NB2のインダクタン
スとコンデンサC3 の容量によって決定される。このよ
うなスイッチングトランジスタQ1 、Q2 のスイッチン
グ動作に伴い、共振コンデンサC1 及び一次巻線N1A
1Bからなる電流共振回路に高周波の共振電流IO が流
れることになり、これによって蓄積されたエネルギーは
コンバータトランスT2 の2次巻線N2 、N3 に励起さ
れる。そして、共振電流IO により二次巻線N2 、N3
に励起された交流電圧は、図に示すような整流平滑回路
により直流電圧E1 、E2 として、後段の負荷回路に供
給されることになる。
【0012】また、この電流共振形スイッチング電源回
路における定電圧制御は次のようになる。例えば、二次
側の直流電圧E1 が上昇するとすると、この変動を検出
して誤差増幅器AMPから出力される制御電流IC は増
加する。このように制御電流IC が増加した場合には、
これに応じてドライブトランスT1 のコアが飽和状態に
近付いていくことになり、これによって被制御巻線であ
る駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスは減少する。と
ころで、スイッチングトランジスタQ1 、Q2 のスイッ
チング周波数は、それぞれ駆動用巻線NB1(NB2)のイ
ンダクタンスとコンデンサCB1(CB2)の容量によって
決定されるが、駆動用巻線のインダクタンスが減少する
とスイッチング周波数は高くなる。
【0013】従って、この場合にはコンデンサC1 とコ
ンバータトランスT2 のインダクタンス成分による共振
周波数よりスイッチング周波数が高いほうに変化し、こ
れによりコンバータトランスT2 の二次巻線N2、3
に励起される電圧が低下するアッパーサイド制御とされ
ている。この結果、二次側の直流電圧E1 およびE2
電圧の上昇は抑制される。
【0014】また、二次側の直流電圧E1 が降下した場
合には、誤差増幅器AMPは、これに応じて減少された
制御電流IC を制御巻線NC に供給し、ドライブトラン
スT1 の駆動巻線NB1、NB2のインダクタンスは上昇し
て、スイッチング周波数は共振周波数に近くなる。その
結果、コンバータトランスT2 の一次巻線に得られる電
圧が上昇して二次側に得られる直流電圧も上昇する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5(a)
に示した構成のコンバータトランスT2 においては、実
際に一次巻線N1A、N1Bの条件をを全く同じとするよう
に構成することは非常に困難で、一次巻線N1A、N1B
各漏洩インダクタンスに差が生じる。これにより、図4
に示したスイッチング電源回路においては、一次巻線N
1Aと共振コンデンサC1 からなる共振回路の特性と、一
次巻線N1Bと共振コンデンサC1 からなる共振回路の特
性にもバラツキが生じて、一次巻線N1A、N1Bのそれぞ
れに流すべき電流INA、INBの分流比が1:1とならず
にそのバランスが崩れる。
【0016】図6(a)〜(c)は、図4に示したスイ
ッチング電源回路における共振電流IO 、一次巻線N1A
に流れる分流電流INA、一次巻線N1Bに流れる分流電流
NBのそれぞれの波形を示すものである。なお、図6
(d)(e)は実施例において説明するため、ここでは
説明を省略する。
【0017】例えば、図6(a)に示すようにスイッチ
ング周期(この場合100KHzとされる)に応じて、
ピーク値が4Aの共振電流IO が流れるとした場合、分
流電流INA及び分流電流INBとしてはそれぞれ2A(ピ
ーク値)とならなければならないが、実際には図6
(b)(c)に示すように、例えば分流電流INAは2.
2A(ピーク値)、分流電流INBは1.8A(ピーク
値)となって、その電流レベルに差異が生じている。こ
のように分流電流INA、INBが不均等であると、一次巻
線N1A、N1Bの発熱量のバランスが崩れて発熱抑制の効
果が低くなる。そこで、前述したようなコンバータトラ
ンスT2 における一次巻線の巻線処理を行うことによっ
てある程度発熱を改善することはできるが、製造工程及
びコストの観点からは不利となる。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な一次巻線の巻線処理の工程を簡易化し、コストをかけ
るようなことをせずに、一次巻線の発熱抑制に効果のあ
る電流共振形のスイッチング電源回路を得ることを目的
とする。このため、交互のタイミングでスイッチング動
作を行うようにされる一対のスイッチング素子と、これ
一対のスイッチング素子のスイッチング電流が流れる
コンバータトランスの一次巻線及び共振コンデンサから
なる電流共振回路とを備えている自励式あるいは他励式
の電流共振形のスイッチング電源回路において、コンバ
ータトランス1次巻線を第1の一次巻線と第2の1次巻
線分割し、この分割した一方の一次巻線に対して一方の
スイッチング素子及び共振コンデンサを直列に接続し、
他方の一次巻線に対して他方のスイッチング素子及び共
振コンデンサを直列に接続して構成することとした。そ
して、コンバータトランスは分割した第1,及び第2
1次巻線間に絶縁物を設けずに、同一の巻装部分に対し
て巻装することとした。また自励式の電流共振形とされ
る場合の定電圧制御としては、コンバータトランスの二
次側の出力電圧の変化に応じた制御電流を、スイッチン
グ素子を駆動するドライブトランスの制御巻線に供給す
る、あるいはコンバータトランスに設けられている直交
型の制御巻線に供給するようにして行うものとした。
【0019】
【作用】上記構成によれば、自励式あるいは他励式で2
組のスイッチングトランジスタを有する各種タイプの電
流共振形スイッチング電源回路において、2等分に分割
されたコンバータトランスの一方の一次巻線には、2組
のスイッチングトランジスタのうち一方のスイッチング
トランジスタの出力である正極性の共振電流が供給さ
れ、他方の一次巻線には他方のスイッチングトランジス
タの出力である負極性の共振電流が供給されるため、各
一次巻線に流れる共振電流の実効値を均等にすることが
可能となる。また、各一次巻線には互いに異なるスイッ
チング素子によって駆動され、逆極性となっている共振
電流が流れることになるため、コンバータトランスにお
いて分割された一次巻線間の静電容量により生じる循環
電流は生じないことから、コンバータトランスを巻装す
る際に分割された一次巻線間に絶縁テープを巻く工程が
不要となる。
【0020】
【実施例】図1は、本発明のスイッチング電源回路の一
実施例を示す回路図であり、この場合には自励式の電流
共振形とされる。なお、図4と同一部分は同一符号を付
して説明を省略する。この図においては、スイッチング
トランジスタQ1 のエミッタが一次巻線N1Aの一端と接
続され、スイッチングトランジスタQ2 のコレクタが一
次巻線N1Bの一端に対して接続されている。また、一次
巻線N1A、N1Bの各他端は共に共振コンデンサC1 の一
方の極に対して接続されている。更にこの共振コンデン
サC1の他極は電流検出巻線NR に一端に対して接続さ
れており、電流検出巻線NR の他端は駆動巻線NB2との
タップを介して接地されている。
【0021】上記回路構成の場合、スイッチングトラン
ジスタQ1 のエミッタ電流は、正極性のスイッチング電
流INAとされて一次巻線N1A→共振コンデンサC1 から
なる直列共振回路を介して電流検出巻線NR に流れるこ
とになる。また、スイッチングトランジスタQ2 のコレ
クタ電流は、負極性のスイッチング電流INBとされて一
次巻線N1B→共振コンデンサC1 からなる直列共振回路
を介して電流検出巻線NR に流れることになる。即ち、
本実施例の回路では一次巻線N1A、N1Bのそれぞれに対
して、正極性の分流電流(INA)はスイッチングトラン
ジスタQ1 が、負極性の分流電流(INB)はスイッチン
グトランジスタQ2 がそれぞれ分担して流すように構成
している。このように、1組の各一次巻線N1A、N1B
対してスイッチングトランジスタQ1 、Q2 を接続する
と、一次巻線N1A、N1B間の浮遊容量を介して他方の巻
線から電流が流出入する(循環電流)ことはなくなるか
ら、一次巻線N1A、N1Bの結合係数が1であれば正及び
負極性の共振電流INA、INBは浮遊容量の影響を受ける
ことなく、従来の単一巻線と同一の波形とすることがで
きる。また、結合係数が1よりわずかに小さい時でも、
2組の一次巻線の巻数をわずかに調整することによっ
て、これらの巻線に流れる電流を等しくなるようにする
ことができる。
【0022】図6(d)(e)に本実施例の分流電流I
NA、INBの波形をそれぞれ示す。このときの共振電流I
O が、従来例と同様の図6(a)に示すような4Apに
よる交番電流とすると、一次巻線N1Aを流れる分流電流
NAは図6(d)に示すように共振電流IO の正期間の
みが流れる波形はピーク値で4Aとなり、一方、一次巻
線N1Bを流れる分流電流INBは共振電流IO の負期間の
みが流れる4Aピーク値の波形となる。この図から分か
るように、分流電流INA及びINBは、そのピーク値が共
に4Aであって、しかも同一波形であることから実効電
流値が等しくなる。従って、一次巻線N1A、N1Bの各発
熱量も同じになってそのバラツキが解消されるが、これ
により発熱抑制の効果が向上することになる。
【0023】ここで、本実施例に用いられるコンバータ
トランスT2 の構造について図5(b)を参照して説明
する。なお、図5(a)と同一部分は同一符号を付して
説明を省略する。本実施例の一次巻線N1A、N1Bには上
述の図6(d)(e)からも分かるように互いに逆極性
の電流が流れることから、前述したようにコンバータト
ランスT2 において一次巻線N1A−N1B間の浮遊容量に
よる循環電流は流れない。従って、本実施例では一次巻
線N1A、N1Bの間に静電容量を低減させるための絶縁テ
ープTP を巻回しなくても循環電流の影響を受けないコ
ンバータトランスT2 の構造とすることができる。これ
によりコンバータトランスT2 の製造工程においては、
絶縁テープTP を準備してこれを巻回する工程が省略さ
れるため、コスト及び製造能率の向上が図られる。ま
た、絶縁テープTP が省略された分、一次巻線N1A、N
1Bを巻装するためのスペースに余裕が得られる、即ち一
次巻線N1A、N1Bの占積率が拡大することになる。従っ
て、例えば巻線として用いるリッツ線の束数を従来より
増加させるなどして交流抵抗を減少させ、更に発熱の低
下を図ることも可能となる。
【0024】次に、図2を参照して他の実施例について
説明することとし、図1と同一部分は同一符号を付して
説明を省略する。この場合には制御巻線NC が、コンバ
ータトランスT2 の一次巻線N1A、N1Bに対して直交す
るように設けられる。この構成によると、制御巻線NC
に対して二次側の直流電圧E1 の変化に応じたレベルの
制御電流IC が供給されることで、一次巻線N1A、N1B
の漏洩インダクタンスが変化する。即ち、この実施例で
は一次巻線N1A、N1Bと共振コンデンサC1 の直列共振
回路により得られる直列共振周波数を、ドライブトラン
ス側で設定されるスイッチング周波数に対して変化させ
ることで定電圧制御を行うように構成されている。この
ような定電圧制御が行われるスイッチング電源回路にお
いても、一次巻線N1A、N1Bを流れる分流電流INA及び
NBの実効電流値は常に同レベルに維持され、上記実施
例と同様の効果を得ることが可能とされる。
【0025】次に、本発明を他励式の電流共振形スイッ
チング電源回路に適用した実施例について、図3を参照
して説明する。なお、先の実施例として示した図1及び
図2と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。こ
のスイッチング電源回路においては、スイッチングトラ
ンジスタQ1 、Q2はそれぞれMOS−FETとされ
る。また、この場合のダイオードD1 、D2 は、スイッ
チングトランジスタQ1 、Q2 のドレイン−ソース間に
対して並列に接続されて、アース側から電源側に戻るよ
うな逆方向のダンパー電流を流すための並列ダイオード
とされる。そして本実施例においても、一次巻線はN1A
とN1Bに分割されると共に並列接続され、スイッチング
トランジスタQ1 の動作により出力された分流電流INA
は一次巻線N1Aから共振コンデンサC1 に流れ、一方、
スイッチングトランジスタQ2 の動作により出力される
分流電流INBは一次巻線N1Bから共振コンデンサC1
流れる経路が形成されている。また、電流検出巻線NR
はその一端がアースに接地され、他端がダイオードD12
のアノードに対して接続されている。
【0026】また、1はドライブ回路を示しており、こ
のドライブ回路1から出力される駆動電圧により、スイ
ッチングトランジスタQ1 、Q2 がスイッチング動作を
行うことになる。2は発振制御回路を示している。この
発振制御回路2は発振信号を生成し、これをスイッチン
グ周波数信号としてドライブ回路1に供給するものであ
る。したがって、ドライブ回路1では発振制御回路2か
ら入力されたスイッチング周波数信号に基づく駆動電圧
を出力することになる。なお、スイッチング周波数信号
は、後述するフォトカプラ16により帰還された二次側
の直流電圧検出信号に基づいて可変されるように構成さ
れている。
【0027】また、ダイオードD12とコンデンサC11
より整流平滑回路が形成されており、ここではコンバー
タトランスT2 の電流検出巻線NR に励起される交流を
整流平滑化して直流電圧E3 を得る。この直流電圧E3
は、例えば起動後のドライブ回路1及び発振制御回路2
の駆動電源として供給される。
【0028】また、3はドライブ回路1及び発振制御回
路2を起動させるための起動回路である。この起動回路
3はトランジスタQ3 、抵抗R0 、R1 、ダイオードD
11、及びツェナーダイオードZD1 からなる。そして、
トランジスタQ3 のベースは、抵抗R1 を介して整流平
滑電圧Eiのラインと接続されると共に、ツェナーダイ
オードZD1 のカソードと接続される。このツェナーダ
イオードZD1 のアノードは接地される。また、トラン
ジスタQ3 のコレクタは抵抗R0 を介して整流平滑電圧
Eiのラインと接続され、エミッタはダイオードD11
アノードに対して接続されている。このダイオードD11
のカソードは、ドライブ回路1及び発振制御回路2の電
源入力に対して接続されている。なお、この起動回路3
の動作については後述する。
【0029】次に、コンバータトランスT2 の二次側に
設けられている4は、コンバータトランスT2 の二次側
の直流電圧E1 のレベルを検出する電圧検出回路を示し
ている。この、電圧検出回路4においては抵抗R2 、R
3 が直流電圧E1 とアース間に直列に接続され、この抵
抗R2 、R3 の接続点に対してトランジスタQ4 のベー
スが接続されている。また、トランジスタQ4 のコレク
タはフォトカプラ5のフォトダイオードD13のカソード
に対して接続され、フォトダイオードD13のアノードは
抵抗R4 を介して直流電圧E1 と接続されている。ま
た、エミッタはツェナーダイオードZD2 のカソードと
接続され、そのアノードは接地されている。更に、この
ツェナーダイオードZD2 と抵抗R5 は直流電圧E1
対して直列に接続されており、これにより基準電圧を得
ている。この電圧検出回路4では、直流電圧E1 からそ
の変動に応じたベース電流が抵抗R2 、R3 の分圧点を
介してトランジスタQ4 のベースに流れ、コレクタの出
力を制御する。この結果、コレクタと接続されたフォト
ダイオードD13の輝度は直流電圧E1 の変動に応じて変
化することになる。
【0030】5は、電圧検出回路4の検出出力を一次側
の発振制御回路2に帰還するためのフォトカプラであ
り、上記したフォトダイオードD13とフォトトランジス
タQ5からなる。図のようにフォトトランジスタQ5
コレクタは、発振制御回路2に対して接続され、エミッ
タは一次側のアースに対して接地されている。これによ
り、フォトダイオードD13の輝度変化に応じて可変され
たフォトトランジスタQ5 のコレクタ電流が発振制御回
路2に供給されることになり、これが発振周波数可変信
号とされる。発振制御回路2では、この信号に基づいて
発振周波数を変化させてドライブ回路1に出力する。こ
れにより、スイッチングトランジスタQ1、Q2 のスイ
ッチング周波数が変化するのに応じて、コンバータトラ
ンスT2 の二次側に伝送される電圧が変化するため、直
流電圧E1 の変動を抑制するようにされる。このように
して、この図に示すスイッチング電源回路の定電圧制御
が行われる。
【0031】上記構成によるスイッチング電源回路にお
いては、例えば、商用交流電源ACが投入されて整流平
滑電圧Eiが得られると、起動回路3では抵抗R1 を介
してトランジスタQ3 にベース電流が流れる。これによ
り、トランジスタQ3 がオンとなり、整流平滑電圧Ei
のラインから抵抗R0 を介して流れるコレクタ−エミッ
タ電流がダイオードD11を導通させる。そして、ダイオ
ードD11を介したトランジスタQ3 の出力は、起動信号
としてドライブ回路1及び発振制御回路2の電源入力に
供給される。ドライブ回路1及び発振制御回路2は、こ
の信号に基づいてそれぞれの動作を開始して、スイッチ
ングトランジスタQ1 、Q2 のスイッチング動作が行わ
れることになる。なお、スイッチング動作の安定後はダ
イオードD12及びコンデンサC11からなる整流平滑回路
の直流電圧E3 が、電源としてドライブ回路1及び発振
制御回路2に供給されて、スイッチング動作を継続させ
ることになる。
【0032】そして、このような他励式の電流共振形ス
イッチング電源回路の場合にも、共振電流IO は正、負
の電流INA、INBに分流してそれぞれ一次巻線N1A、N
1Bを流れるようにされることから、両者の実効電流値は
常に同レベルに維持されて上記各実施例と同様の効果を
得ることが可能とされる。
【0033】なお、本発明は上記各実施例により示した
電源回路の構成に限定されるものではなく、要旨の範囲
内において各種変更が可能とされる。
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明は、一対
スイッチングトランジスタを備えた各種電流共振形の
スイッチング電源回路において、コンバータトランスの
一次側巻線を2組のコイルで構成し、に互いに逆極性に
分流された共振電流を流すようにスイッチング素子を接
続することで、各一次巻線に流れる電流の実効値が同じ
レベルとされ、一次巻線同志の発熱バランスを均等にす
ることが可能となった。これにより、特に従来のように
コンバータトランスの巻線(リッツ線)の断面積や束数
を変更するなどの手段を講じることなく、容易かつ低コ
ストで一次巻線の発熱低減の効果を高めることができる
こととなった。また、コンバータトランスの製造にあた
っては、分割された一次側巻線間に絶縁テープを巻くた
めの工程が削減されることになって、それだけコスト及
び製造能率が向上すると共に、絶縁テープが巻回されな
いことでボビンにおける一次巻線の占積率が向上し、例
えば巻き線であるリッツ線の束数を増加させるなどし
て、一次巻線の交流インピーダンスを減少させれば、更
に発熱を減少させることができるという効果も有するこ
ととなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスイッチング電源回路の実施例を示す
回路図である。
【図2】他の実施例としてのスイッチング電源回路を示
す回路図である。
【図3】更に他の実施例としてのスイッチング電源回路
を示す回路図である。
【図4】従来例におけるスイッチング電源回路を示す回
路図である。
【図5】従来例及び実施例におけるコンバータトランス
の構造を示す断面図である。
【図6】従来例及び実施例の共振電流と分流電流を示す
波形図である。
【符号の説明】 1 ドライブ回路 2 発振制御回路 3 起動回路 4 電圧検出回路 5 フォトカプラ Q1 ,Q2 スイッチングトランジスタ T1 ドライブトランス T2 コンバータトランス NB1,NB2 駆動用巻線 NR 電流検出巻線 NC 制御巻線 N1A,N1B 一次巻線 N2 ,N3 二次巻線 Ci(1,2) 平滑コンデンサ Di1 ブリッジ整流ダイオード

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の直流電圧が印加されている第1の
    スイッチング素子と、 一方の端子が前記第1のスイッチング素子の出力側に接
    続され、他方の端子に接地電位とするための共振コンデ
    ンサが直列に接続されている第1の1次巻線と、 第2の直流電圧が印加されている第2のスイッチング素
    子と、 一方の端子が前記第2のスイッチング素子の出力側に接
    続され、他方の端子が前記共振コンデンサと前記第1の
    1次巻線の接続点に接続されている第2の1次巻線と、 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング
    素子を交互に導通/非導通となるように制御する制御手
    段と、 前記第1の1次巻線と前記第2の1次巻線、及び2次巻
    線が巻回されているコンバータトランスとを備え、 前記2次巻線は、前記第1の巻線と第2の巻線によっ
    て、それぞれ逆方向に励磁されるように構成されている
    ことを特徴とするスイッチング電源。
  2. 【請求項2】 前記コンバータトランスは、前記分割さ
    れた第1、及び第2の1次巻線間に絶縁物を設けずに、
    同一の巻装部分に対して巻装されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 前記コンバータトランスの二次側の出力
    電圧の変化に応じた制御電流を、前記スイッチング素子
    を駆動するドライブ巻線の制御巻線に供給するようにし
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスイ
    ッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 前記コンバータトランスの二次側の出力
    電圧の変化に応じた制御電流を、前記コンバータトラン
    スに設けられている直交型の制御巻線に供給するように
    したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のス
    イッチング電源回路。
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