JP2001178127A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2001178127A
JP2001178127A JP35333299A JP35333299A JP2001178127A JP 2001178127 A JP2001178127 A JP 2001178127A JP 35333299 A JP35333299 A JP 35333299A JP 35333299 A JP35333299 A JP 35333299A JP 2001178127 A JP2001178127 A JP 2001178127A
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winding
resonance
switching
circuit
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無負荷時における直流入力電圧の上昇を抑
え、一次側の平滑コンデンサの耐圧向上を不要とする。 【解決手段】 複合共振形コンバータの力率改善回路1
0としては、磁気結合トランスMCTの一次巻線Npに
対して、並列共振コンデンサCrAを並列に接続して、
伝達されるスイッチングパルスを分圧する。磁気結合ト
ランスMCTの二次巻線Nsは整流電流経路に在り、従
って、最終的には、磁気結合トランスMCTの磁気結合
を介してスイッチングパルスが整流電流経路に帰還され
るようにする。そして、この帰還出力によって高速リカ
バリ型ダイオードD2により整流電流を断続させて力率
改善を図るようにするが、並列共振コンデンサCrAと
一次巻線Npの共振動作によって全周期にわたって交番
電流を発生させ、高速リカバリ型ダイオードD2が導通
しない期間にも共振電流が平滑コンデンサCiに充電さ
れるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力率改善回路を備
えたスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】先に本出願人は、一次側に共振形コンバ
ータを備えた電源回路を各種提案している。また、共振
形コンバータに対して力率改善を図るための力率改善回
路を備えて構成した電源回路も各種提案している。
【0003】図5は、先に本出願人により出願された発
明に基づいて構成されるスイッチング電源回路の一例を
示す回路図である。この電源回路は自励式による電圧共
振形のスイッチングコンバータに対して力率改善のため
の力率改善回路が設けられた構成とされている。
【0004】この図に示すスイッチング電源回路におい
ては、交流電源ACに対してコモンモードのノイズを除
去するノイズフィルタとしてコモンモードチョークコイ
ルCMCとアクロスコンデンサCL が設けられている。
交流電源ACは、4本のダイオードからなるブリッジ整
流回路Di により全波整流され、その整流出力は力率
改善回路20を介して平滑コンデンサCiに充電され
る。なお、力率改善回路20の構成及びその動作につい
ては後述する。
【0005】この図において、電圧共振形のスイッチン
グコンバータは、例えば高耐圧のバイポーラトランジス
タとしてのスイッチング素子Q1 を1石備えた構成とさ
れる。つまり、いわゆるシングルエンド方式とされる。
このスイッチング素子Q1 のベースは、起動抵抗RS を
介して平滑コンデンサCiの正極側に接続されて、起動
時のベース電流が整流平滑ラインから得られるようにし
ている。また、スイッチング素子Q1のベースは、スイ
ッチング駆動回路部2に対しても接続される。スイッチ
ング駆動回路部2は、スイッチング素子Q1を自励発振
式により駆動するための自励発振駆動回路系と、この自
励発振駆動回路系における発振周波数(つまりスイッチ
ング周波数)を可変して定電圧化を図るためのするため
のスイッチング周波数制御系とを備えて構成される。こ
のようなスイッチング駆動回路部2の具体的構成として
は、先に本出願人が出願した各種電源回路にみられるよ
うに、例えば、上記自励発振駆動回路系は、駆動巻線と
共振用コンデンサからなる共振回路と、上記駆動巻線に
交番電圧を伝達する検出巻線により形成される。検出巻
線は、例えばここでは図示していないが実際には一次巻
線N1に対して直列に接続される。つまり、スイッチン
グ素子Q1は、この自励発振駆動回路の共振回路の共振
出力によってスイッチング駆動されるものであり、この
共振周波数がスイッチング周波数となる。そして、スイ
ッチング周波数制御系としては、この共振周波数を可変
するための構成が採られる。このためには、例えば上記
駆動巻線のインダクタンスを可変する制御トランスが備
えられる。この制御トランスは、例えば上記駆動巻線と
検出巻線をトランス結合した上で、この駆動巻線と検出
巻線とその巻回方向が同一とならないようにして巻装さ
れた制御巻線が巻装された構造とされる。制御巻線に対
しては、制御回路1から出力される直流の制御電流が供
給される。
【0006】制御回路1では、二次側直流出力電圧Eo
に応じたレベルの制御電流を上記制御巻線に対して出力
するようにされる。制御トランスでは、制御巻線に流れ
る制御電流レベルに応じて、駆動巻線のインダクタンス
を可変するようにされる。駆動巻線のインダクタンスが
変化すれば、自励発振駆動回路系の共振周波数、つま
り、スイッチング周波数が可変制御されることになる。
なお、このようなスイッチング周波数制御による定電圧
作用については後述する。
【0007】スイッチング素子Q1のコレクタは絶縁コ
ンバータトランスPITの一次巻線N1 を介して平滑コ
ンデンサCiの正極端子と接続され、エミッタは接地さ
れる。また、この場合にはスイッチング素子Q1のコレ
クタ−エミッタ間にはクランプダイオードDDが接続さ
れ、スイッチング素子Q1のオフ時に流れるダンパー電
流の経路を形成する。
【0008】また、第一共振コンデンサCrは、後述す
る力率改善回路20内の第二共振コンデンサCr1と共
に、主としては絶縁コンバータトランスPITの一次巻
線N1の漏洩インダクタンスとによって並列共振回路を
形成している。そして、この並列共振回路の作用によっ
て、スイッチング素子Q1のスイッチング動作として電
圧共振形の動作が得られるようにされている。これに対
応して、スイッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間
の両端電圧VCPとしては、スイッチング素子がオフとな
る期間において正弦波状のパルス波形が得られる。
【0009】絶縁コンバ−タトランスPITは、スイッ
チング素子Q1 のスイッチング出力を二次側に伝送す
る。絶縁コンバータトランスPITは、図11に示すよ
うに、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR
2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コ
アが備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分
割ボビンBを利用して一次巻線N1 と、二次巻線N2を
それぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁
脚に対しては図のようにギャップGを形成するようにし
ている。これによって、所要の結合係数による疎結合が
得られるようにしている。ギャップGは、E型コアCR
1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く形成
することで形成することが出来る。また、結合係数kと
しては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得る
ようにしており、その分、飽和状態が得られにくいよう
にしている。
【0010】上記絶縁コンバ−タトランスPITの一次
巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1 のコレクタと
接続され、他端側は平滑コンデンサCiの正極(整流平
滑電圧Ei)と接続されている。
【0011】また、絶縁コンバ−タトランスPITの二
次側では、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二
次巻線N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対して
は、二次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続される
ことで、二次巻線N2のリーケージインダクタンスL2と
二次側並列共振コンデンサC2のキャパシタンスとによ
って並列共振回路が形成される。この並列共振回路によ
り、二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧とな
る。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0012】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側にも整流回路系において電圧共振動作
を得るための並列共振回路が備えられる。なお、本明細
書では、このように一次側及び二次側に対して共振回路
が備えられて動作する構成のスイッチングコンバータに
ついては、「複合共振形スイッチングコンバータ」とも
いうことにする。
【0013】上記のようにして形成される二次側の並列
共振回路に対しては、二次巻線N2に対してセンタータ
ップを設けた上で、整流ダイオードDO及び平滑コンデ
ンサCoからなる半波整流回路が設けられる。この半波
整流回路は、上記した二次側並列共振回路から供給され
る共振電圧を入力して直流出力電圧EOとして出力す
る。
【0014】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
においては、一次巻線N1 、二次巻線N2 の極性(巻方
向)と整流ダイオードDO の接続との関係によって、一
次巻線N1 のインダクタンスL1と二次巻線N2 のイン
ダクタンスL2 との相互インダクタンスMについて、+
Mとなる場合と−Mとなる場合とがある。例えば、図1
2(a)に示す接続形態を採る場合に相互インダクタン
スは+M(フォワード方式)となり、図12(b)に示
す接続形態を採る場合に相互インダクタンスは−M(フ
ライバック方式)となる。これを、図5に示す電源回路
の二次側の動作に対応させてみると、例えば二次巻線N
2に得られる交番電圧が正極性のときに整流ダイオード
DOに整流電流が流れる動作は+Mの動作モード(フォ
ワード方式)とみることができる。つまり、図5に示す
電源回路では、二次巻線に得られる交番電圧が正/負と
なるごとに、相互インダクタンスが+M(フォワード方
式)のモードで動作することになる。
【0015】このような構成では、二次側並列共振回路
の作用によって増加された負荷側に電力が供給される。
これにより、それだけ負荷側に供給される電力も増加し
て、最大負荷電力の増加率も向上する。このような負荷
条件への対応は、先に図11にて説明したように、絶縁
コンバータトランスPITに対してギャップGを形成し
て所要の結合係数による疎結合としたことによって、更
に飽和状態となりにくい状態を得たことで実現されるも
のである。例えば、絶縁コンバータトランスPITに対
してギャップGが設けられない場合には、フライバック
動作時において絶縁コンバータトランスPITが飽和状
態となって動作が異常となる可能性が高く、上述した整
流動作が適正に行われるのを望むのは難しい。
【0016】図5に示す回路においては、定電圧制御の
ためにスイッチング周波数を可変するのであるが、この
スイッチング周波数可変動作としては、スイッチング素
子Q1がオフとなる期間は一定としたうえで、オンとな
る期間を可変制御する動作が得られる。つまり、この電
源回路では、定電圧制御動作として、スイッチング周波
数を可変制御するように動作することで、スイッチング
出力に対する共振インピーダンス制御を行い、これと同
時に、スイッチング周期におけるスイッチング素子の導
通角制御(PWM制御)も行っているものと見ることが
出来る。そして、この複合的な制御動作を1組の制御回
路系によって実現している。ここで、スイッチング周波
数制御としては、例えば軽負荷の傾向になるなどして二
次側出力電圧が上昇したときに、スイッチング周波数を
高くすることで、二次側出力を抑制するように制御が行
われるものとされる。
【0017】また、力率改善は力率改善回路20により
行われる。この図に示す力率改善回路20は、図のよう
に、ブリッジ整流回路Di の正極出力と平滑コンデン
サCiの正極端子間に対して、チョークコイルLsと高
速リカバリ型ダイオードD2の直列接続回路が挿入され
る。高速リカバリ型ダイオードD2は、そのアノードが
チョークコイルLsに接続され、カソードが平滑コンデ
ンサCiの正極端子側に接続される。また、チョークコ
イルLsは、後述するようにして帰還されるスイッチン
グ出力の負荷として機能する。そして、このチョークコ
イルLsと高速リカバリ型ダイオードD2の直列接続に
対しては、フィルタコンデンサCN が並列に接続され
る。ここでチョークコイルLs とフィルタコンデンサ
CN とによりノーマルモードのLCローパスフィルタが
形成され、スイッチング周波数の高周波ノイズがACラ
インに流入するのを阻止するようにされる。また、先に
述べた第一並列共振コンデンサCr −第二並列共振コ
ンデンサCr1の直列接続の接続点(分圧点)は、チョ
ークコイルLsと高速リカバリ型ダイオードD2の接続
点に対して接続される。
【0018】ここで、第一並列共振コンデンサCr=8
200pF、第二並列共振コンデンサCr1=0.02
7μF、チョークコイルLs=75μH、フィルタコン
デンサCN=1μFが選定されているものとする。
【0019】このような接続形態の力率改善回路20で
は、スイッチング素子Q1がスイッチング動作をおこな
っているときに、そのオフ時に得られる共振パルス電圧
Vcpが第一並列共振コンデンサCr −第二並列共振
コンデンサCr1の直列接続により分圧され、その分圧
された電圧がチョークコイルLsと高速リカバリ型ダイ
オードD2の接続点に対して帰還されるようにして印加
される。例えば共振パルス電圧Vcpとしては600V
pが得られるとすると、チョークコイルLsと高速リカ
バリ型ダイオードD2の接続点には、3:1程度に分圧
された約150Vpの電圧が帰還されることになる。
【0020】ここで交流入力電圧VACが正負のピーク近
辺となるタイミングでは、高速リカバリ型ダイオードD
2が導通する。このときには、ブリッジ整流回路Diの
出力端子から、チョークコイルLs−高速リカバリ型ダ
イオードD2を介して、急峻に立ち上がったパルス波形
の電流が平滑コンデンサCiに流れて充電を行う。これ
に対して、交流入力電圧VACが正負のピーク近辺となる
以外の期間では、上述のようにして電圧V2として帰還
される共振パルス電圧によって、高速リカバリ型ダイオ
ードD2はスイッチング動作を繰り返す。また、このス
イッチング動作時において高速リカバリ型ダイオードD
2がオフとなるタイミングでは、第二並列共振コンデン
サCr1,チョークコイルLs,フィルタコンデンサCN
からなる回路に並列共振電流が流れ、オンとなるタイミ
ングでは交流入力電圧VACからチョークコイルLsを介
して高周波の充電電流が平滑コンデンサCiに流れる。
このようにして、整流電流経路に帰還された一次側の電
圧共振パルスを利用し、整流電流経路に流すべき電流を
高周波化するようにして交番化する動作を得ることによ
り交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率の改善が
図られる。
【0021】上記図5に示す構成による電源回路の特性
として、負荷変動に対する力率と直流入力電圧(整流平
滑電圧Ei)の変化特性を図6に示す。また、この図に
おいては、図5に示した力率改善回路20を備えた回路
の特性(実線)と共に、図5に示した回路として力率改
善回路20を備えない回路の特性と比較して示してい
る。この図によれば、負荷電力Poが0W〜200Wの
範囲において、力率PFとしては、図5に示した力率改
善回路20を備えた構成のほうが、力率改善回路を有さ
ない回路よりも力率が向上していることがわかる。特
に、図5に示す回路では、負荷電力Po=50W付近で
力率がピークとなる特性が得られている。また、整流平
滑電圧Eiは、負荷電力Poが小さくなるに従ってレベ
ルが高くなっていく傾向が得られていることが分かる。
【0022】図7は、交流入力電圧VACの変動に対する
力率と直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)の変化特性を
示している。この図においても、図5に示した力率改善
回路20を備えた回路の特性(実線)と共に、図5に示
した回路として力率改善回路20を備えない回路の特性
を比較として示している。この図に示すように、交流入
力電圧VACが80V〜140Vの範囲で上昇するのに応
じて力率改善が行われない回路構成では力率が低下する
のに対して、図5に示す回路では力率PFの向上が図ら
れた上で、交流入力電圧VACの上昇に伴って力率PFが
上昇するという特性が得られる。また、整流平滑電圧E
iは、交流入力電圧VACの上昇に応じて、上昇していく
特性が得られている。
【0023】次に、図8の回路図に、先に本出願人によ
り出願された発明に基づいて構成されるスイッチング電
源回路としての他の例を示す。この電源回路もまた、自
励式による電圧共振形のスイッチングコンバータに対し
て力率改善のための力率改善回路が設けられた構成とさ
れている。なお、この図において図5と同一部分には同
一符号を付して説明を省略する。
【0024】この図に示す電源回路においては、力率改
善回路21が備えられる。この力率改善回路21は、先
に図5に示した力率改善回路20に対して、高速リカバ
リ型ダイオードD2とチョークコイルLsの接続が逆に
なっている点が異なる。つまり、高速リカバリ型ダイオ
ードD2のアノードがブリッジ整流回路Diの正極出力
端子に接続され、カソードがチョークコイルLsの一端
に接続される。チョークコイルLsの他端は平滑コンデ
ンサCiの正極端子に対して接続される。そして、この
高速リカバリ型ダイオードD2とチョークコイルLsの
接続点に対して、第一並列共振コンデンサCr −第二
並列共振コンデンサCr1により分圧された電圧共振パ
ルスVcpが印加される接続形態となっている。
【0025】このような構成の場合にも、交流入力電圧
VACが正負のピーク近辺となるタイミングでは、高速リ
カバリ型ダイオードD2が導通し、ブリッジ整流回路D
iの出力端子から、高速リカバリ型ダイオードD2−チ
ョークコイルLsを介して、急峻に立ち上がったパルス
波形の電流が平滑コンデンサCiに充電される。
【0026】この場合には、交流入力電圧VACの絶対値
レベルが或るレベルにまで低下すると高速リカバリ型ダ
イオードD2は一時オフとなり、このとき、第二並列共
振コンデンサCr1//チョークコイルLsからなる並
列共振回路によって電圧共振が生じる。この電圧共振に
よって、高速リカバリ型ダイオードD2のカソード電位
V2(分圧された共振パルス電圧)には正弦波状のパル
ス電圧が重畳される。そして、このカソード電位V2と
高速リカバリ型ダイオードD2のアノード側の電位V1と
の電位差によって高速リカバリ型ダイオードD2は、ス
イッチング動作を繰り返す。そしてこのスイッチング動
作において高速リカバリ型ダイオードD2がオンとなる
期間に、フィルタコンデンサCNから平滑コンデンサC
iへの充電電流が流れるようにされる。この動作によっ
て、交流入力電流IACの導通角が拡大されて力率の改善
が図られる。
【0027】ここで図9に、上記図8に示す構成による
電源回路の特性として、負荷変動に対する力率と直流入
力電圧(整流平滑電圧Ei)の変化特性を示す。また、
図10に交流入力電圧変動に対する力率と直流入力電圧
(整流平滑電圧Ei)の変化特性を示す。なお、これら
の図においては、後の説明との兼ね合いから、第二並列
共振コンデンサCr1の定数について0.033μFを
選定した場合と、0.043μFを選定した場合とにつ
いての特性が示される。
【0028】先ず、図9から分かるように、力率PFと
しては、負荷電力Po=50W〜200Wのほぼ実用的
範囲であれば、PF>0.70を保つことができてい
る。また、整流平滑電圧Eiについては、やはり、負荷
電力Poが小さくなるのに従って上昇するという傾向が
得られている。また、図10に示す特性によると、交流
入力電圧VAC=80V〜140Vの変動に対して力率P
Fは0.7以上が保たれ、整流平滑電圧Eiは、交流入
力電圧VACの上昇に応じて、上昇していくことが分か
る。
【0029】上記図5及び図8に示したようにして力率
改善回路20,21を備えることで力率PFを向上させ
ることは可能となるのであるが、これら力率改善回路2
0,21は、整流電流経路に対してスイッチング出力を
帰還する構成を採るために、直流入力電圧(整流平滑電
圧Ei)に重畳するリップル成分が増加することが分か
っている。例えば図5に示す回路の場合、無負荷時の条
件では、力率改善回路20を備えない構成の場合の整流
平滑電圧Eiに重畳するリップル成分ΔEiは、ΔEi
=9.2Vであるのに対して、力率改善回路20を備え
た場合にはΔEi=35.3Vにまで増加する。つまり
リップル成分ΔEiは約26V程度にまで上昇する。こ
れは、図8に示した構成の電源回路にあっても同様のこ
とが言える。
【0030】例えば図8に示す構成を例に挙げると、第
一並列共振コンデンサCr=8200pF、第二並列共
振コンデンサCr1=0.027μF、チョークコイル
Ls=75μHを選定したとすれば、負荷電力Po=2
5W〜200Wの範囲で力率PFとして0.73以上を
保つことはできるのであるが、ΔEi=31.8Vにま
で増加する。そこで、図8に示す回路において、第二並
列共振コンデンサCr1=0.033μF、又はCr1=
0.043μFとして、第一並列共振コンデンサCr−
第二並列共振コンデンサCr1による分圧比を変更して
電圧共振パルスの帰還量を調整(少なく)すれば、Cr
1=0.033μFの場合には、ΔEi=25.3Vに
まで減少し、Cr1=0.043μFの場合には更にΔ
Ei=9.1Vにまで減少する。
【0031】上記のようにして電圧共振パルスの帰還量
を低下させればΔEiを抑制することが可能とされる。
但し、電圧共振パルスの帰還量を低下させると、力率P
Fは低下する。例えば、この特性は、図9及び図10に
も示されており、Cr1=0.033μFの場合よりも
Cr1=0.043μFの場合のほうが、良好な力率特
性が得られている。従って、例えば図8に示す回路とし
ては、Cr1=0.043μF程度を限度として、リッ
プル電圧ΔEiの抑制と実用に足るだけの力率PFを得
るように調整を行うようにされる。これは図5に示した
回路についても同様のことが言える。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】図5及び図8に示した
回路にあっては、図6及び図9にそれぞれ示したよう
に、負荷電力Poが小さくなるのに応じて、直流入力電
圧(整流平滑電圧Ei)のレベルが上昇し、特に無負荷
時の条件に近づくに従って、上記したリップルΔEiが
増加することもあって、その上昇率が高くなる。これ
は、負荷変動に対する電圧変動率が増加することを意味
している。このため、直流入力電圧を生成する平滑コン
デンサCiの耐圧について、AC100V系に対応する
場合には、力率改善を行わない場合には200Vである
の対して、力率改善を行う構成を採る場合には250V
としなければならない。また、AC200V系に対応す
る場合には、力率改善を行わない場合には400Vであ
るの対して、力率改善を行う構成を採る場合には500
Vとしなければならない。このために、1つには平滑コ
ンデンサCiのサイズが大型化して、その分、回路の小
型化及び低コスト化の妨げになるという問題を有してい
る。
【0033】また、平滑コンデンサCiは例えば電解コ
ンデンサが用いられるが、この電解コンデンサのキャパ
シタンスを同等とした上で耐圧を上げたものを選定した
場合、等価内部抵抗が増加するために自己発熱量も増加
する。これによって電解コンデンサの経年変化による劣
化の度合いも大きくなり、その分信頼性が低くなってし
まう。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解決するために、以下のようにスイッチング電源回
路を構成する。つまり、商用交流電源を入力して整流平
滑電圧を生成し、直流入力電圧として出力する整流平滑
手段と、疎結合とされる所要の結合係数が得られるよう
にギャップが形成され、一次側出力を二次側に伝送する
ために設けられる絶縁コンバータトランスと、上記直流
入力電圧をスイッチング素子により断続して得られるス
イッチング出力を上記絶縁コンバータトランスの一次巻
線に出力するようにされたスイッチング手段と、少なく
とも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏
洩インダクタンス成分と第一の共振コンデンサのキャパ
シタンスとによって形成されて、上記スイッチング手段
の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路と、力率
改善動作を行うための力率改善手段とを備える。また、
上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
タンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンス
とによって二次側において形成される二次側共振回路
と、上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コ
ンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力
して整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成する
ように構成された直流出力電圧生成手段と、上記二次側
直流出力電圧のレベルに応じて、二次側直流出力電圧に
対する定電圧制御を行うように構成された定電圧制御手
段とを備える。そして、上記力率改善手段は、第一巻線
と、整流電流経路に挿入される第二巻線とを磁気結合す
る磁気結合トランスと、第一の共振コンデンサと第二の
共振コンデンサとの直列接続によって上記共振コンデン
サを形成するものとし、上記第一の共振コンデンサと第
二の共振コンデンサとの接続点を介して上記スイッチン
グ出力を上記第一巻線に帰還するようにされる帰還回路
と、上記第一巻線に対して上記第二の共振コンデンサを
並列に接続して形成される並列共振回路と、上記磁気結
合トランスの第一巻線から第二巻線に励起されるように
して帰還されたスイッチング出力に基づいてスイッチン
グ動作を行うように整流電流経路に挿入されるスイッチ
ング用素子とを少なくとも備えるようにする。
【0035】上記構成によれば、複合共振形コンバータ
といわれる電源回路に備えられる力率改善回路として
は、絶縁コンバータトランスの一次巻線に得られるスイ
ッチング出力を、第一、第二の共振コンデンサを介して
分圧して磁気結合トランスの第一巻線に対して伝達す
る。そして、この磁気結合トランスの第二巻線にスイッ
チング出力を励起させて帰還する。磁気結合トランスの
第二巻線は整流電流経路に挿入されており、従ってこの
整流電流経路に対してスイッチング出力が帰還されるこ
とになる。そして、この帰還されたスイッチング出力に
基づいてスイッチング用素子が整流電流を断続するよう
に動作することで力率改善を図るようにされる。そし
て、このような構成では、少なくとも、共振コンデンサ
と磁気結合トランスの第一巻線とによって共振回路が形
成され、力率改善動作中にあっては、この共振回路が共
振動作を行うようにされる。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態として
の電源回路の構成例を示す回路図である。この図に示す
電源回路も、図11に示す構造の絶縁コンバータトラン
スPITが備えられて複合共振形コンバータを形成す
る。なお、この図において図5及び図8と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。
【0037】この図に示す電源回路は力率改善回路10
が適用されて構成されている。この力率改善回路10に
おいては磁気結合トランスMCTが備えられる。この磁
気結合トランスMCTは一次巻線Npと二次巻線Nsと
が磁気的に密結合されて構成される。磁気結合トランス
MCTの一次巻線Npに並列共振コンデンサCrAを並
列に接続し、絶縁コンバータトランスPITの一次側に
発生する電圧共振パルスを、並列共振コンデンサCrと
並列共振コンデンサCrAの静電容量比によって分圧す
るようにしている。すなわち、先に述べた並列共振コン
デンサCrと並列共振コンデンサCrAの直列接続の接
続点(分圧点)は、一次巻線Npの巻終わり端部に接続
される。したがって、スイッチング素子Q1がスイッチ
ング動作をおこなっているときに、そのオフ時に得られ
る共振パルス電圧Vcpが並列共振コンデンサCr −
並列共振コンデンサCrAの並列接続により分圧され
る。そして、その分圧された正のパルス電圧が磁気結合
トランスMCTの一次巻線Npを介して二次巻線Nsに
帰還されるようにして力率の改善を図っている。
【0038】また、磁気結合トランスMCTの二次巻線
Nsの巻始め端部は高速リカバリ型ダイオードD3のカ
ソードに接続され、同じく一次巻線Nsの巻終わり端部
は平滑コンデンサCiの正極端子に接続される。さら
に、高速リカバリ型ダイオードD3のアノードはブリッ
ジ整流回路Diの正極端子に接続される。この回路で
は、二次巻線Nsと高速リカバリ型ダイオードD3とが
直列に接続されて直列接続回路を形成し、この直列接続
回路がブリッジ整流回路Diの正極端子と平滑コンデン
サCiの正極端子間の整流電流経路に対して挿入されて
いる形態を採っている。ここで、この図に示す磁気結合
トランスMCT一次巻線Npと二次巻線Nsの巻方向の関
係を見た場合には、図12(b)と同様となり、従って
その動作は、減極性(−M)モードとされることにな
る。
【0039】これにより、二次巻線Nsには一次巻線N
pとの巻数比によるパルス電圧が帰還して、交流入力電
圧VACの絶対値が高い正負の例えば5ms程度の期間の
み、高速リカバリ型ダイオードD3をスイッチング動作
させて、交流電源ACから平滑コンデンサCiへの充電
電流IDが二次巻線NsのインダクタンスLsを介して
流すことによって、交流入力電流IACの導通角を拡大し
て力率の向上が図られる。なお、図1に示す力率改善回
路10では、高速リカバリ型ダイオードD3は、ブリッ
ジ整流回路Diと二次巻線Nsの巻始め端部の間に接続
されている例を示しているが、アノードが二次巻線Ns
の巻き終わり端部に接続し、カソードを平滑コンデンサ
Ciの正極端子に接続するようにして挿入する接続形態
を採っても良い。つまり、高速リカバリ型ダイオードD
3と二次巻線Nsは、図1とは逆の直列接続形態を採る
ようにしても良い。
【0040】力率改善回路10をこのように構成するこ
とで、二次巻線Nsに帰還されている電圧共振パルス
が、スイッチングの全周期にわたって高速リカバリ型ダ
イオードD3のアノード側の電位V1に重畳するため、こ
の電位V1とカソード側の電位V2の電位が同等になり、
平滑コンデンサCiに充電される整流平滑電圧Eiは、
交流入力電圧VACのピーク値よりも上昇する。また、並
列共振コンデンサCrAと一次巻線Npのインダクタン
スLpによって並列共振回路を構成している。このた
め、負荷電力Poが軽負荷になった場合に、スイッチン
グ周波数fsの上昇に伴ってインダクタンスLpと並列
共振コンデンサCrAの並列共振インピーダンスが低下
するようにインダクタンスLpを選定することで、二次
巻線Nsへの電圧帰還を減少させることができる。これ
により、負荷電力Poが軽負荷であるときのスイッチン
グ周波数の上昇を抑制することができ、整流平滑電圧E
iの電圧変動(リップル成分ΔEi)を抑えることがで
きる。
【0041】図2は、上記図1に示す電源回路の要部の
動作を電源周期により示す波形図である。この図に示す
動作は、交流入力電圧VAC=100V、最大負荷電力2
00W時の動作となる。
【0042】ここでは、商用電源の周波数は50Hzと
され、交流入力電圧VACは図2(a)に示すように、半
周期が10msとなる正弦波状の波形が得られている。
そして、交流入力電流IACが図2(b)に示すようにし
て流れるのに対応してブリッジ整流回路Diから整流電
流が出力されると、高速リカバリ型ダイオードD3では
これを断続するようにスイッチング動作を行う。
【0043】本実施の形態の場合、高速リカバリ型ダイ
オードD3は、交流入力電圧VACが高いとされて交流入
力電流IACが流れる5msの期間に対応してのみスイッ
チング動作を行い、交流入力電圧VACが低いとされて、
交流入力電流IACが流れない期間にあっては、高速リカ
バリ型ダイオードD3はスイッチング動作を行わない。
このために、高速リカバリ型ダイオードD3を流れるス
イッチング電流IDは図2(f)に示すものとなる。ま
た、この動作に対応して、高速リカバリ型ダイオードD
3のカソード電位V2は図2(e)に示すエンベロープに
よる交番電圧となる。また、高速リカバリ型ダイオード
D3のアノード電位V1は、図2(c)に示す波形となっ
て得られる。
【0044】ここで、一次巻線N1には、前述した負極
性の電圧共振パルス(Vcp)が伝達されて得られてい
る。また、並列共振コンデンサCrAのキャパシタンス
と磁気結合トランスMCTの一次巻線Npのインダクタ
ンスLpとによって並列共振回路が形成される。このた
めに、交流入力電圧VACの全周期にわたり、一次巻線N
1に得られる電圧共振パルスによって、並列共振コンデ
ンサCrAと一次巻線Npの並列共振動作が得られるよ
うになっている。このとき、並列共振コンデンサCrA
を流れる共振電流Icは図2(i)に示すようにして、
交流入力電流が流れる期間に対応しては正弦波状のエン
ベロープとなったうえで、全周期にわたって交番電流が
流れる波形が得られる。また、磁気結合トランスMCT
の一次巻線Npの巻始め端部の電位V3は、図2(g)
に示すものとなる。
【0045】また、交流入力電圧VACが低いとされて高
速リカバリ型ダイオードD3がスイッチング動作を行わ
ずにオフとなる期間では、上記した直列共振動作の作用
によって、フィルタコンデンサCN→二次巻線Nsを介
して、図2(d)に示すようにして交番電流I1が流れ
るようにされる。そして、一次巻線Npに流入する期間
電流I2としては、図2(h)に示すようにして、交流
入力電流IACが流れる期間に対応しては、正極性にピー
クとなって、交流入力電流IACが流れない期間に対応し
ては、交番電流が流れる波形となる。また、図2(j)
にはリップル電圧ΔEiが示されている。
【0046】本実施の形態では、上記した並列共振コン
デンサCrAと一次巻線Npによる並列共振動作を得る
ことによって、実際には、交流入力電圧VACの絶対値が
整流平滑電圧レベルよりも低いとされる、VAC=50V
程度まで高速リカバリ型ダイオードD3のスイッチング
動作をすることができる。これによって、先に述べたよ
うに、交流入力電流IACの導通角は5msにまで拡大さ
せることができるものである。そして、結果的には、後
述するようにして、負荷変動に対してほぼ0.8以上の
高力率を維持することができる。そして、このようにし
て高力率が得られることで交流入力フィルタであるフィ
ルタコンデンサCNにおける電力損失についても低減が
図られる。
【0047】また、前述したように本実施の形態の電源
回路における定電圧制御は、スイッチング周波数制御で
あり、負荷が減少するとスイッチング周波数を高くする
ように制御することで定電圧化を図るようにされてい
る。そこで、並列共振コンデンサCrAと一次巻線Np
から成る並列共振回路の共振周波数foとスイッチング
周波数fsとについて、負荷変動に対して常時fo<f
sとなるように、並列共振コンデンサCrAのキャパシ
タンスと一次巻線NpのインダクタンスLpとを選定す
ることで、負荷変動に対する整流平滑電圧Ei(直流入
力電圧)の変動を抑えることが可能とされる。なお、こ
の図に示す各部の交番波形は正弦波状であり、低ノイズ
の動作が得られている。
【0048】ここで、上記図1に示した電源回路につい
ての実験結果を図3及び図4に示す。なお、これらの図
に示す実験結果を得るのにあたっては、磁気結合トラン
スMCTの一次巻線NpについてはインダクタンスLp=
75μHとし、二次巻線Nsについてもインダクタンス
Ls=13μHとしている。並列共振コンデンサCrに
ついては、Cr=6800pF、並列共振コンデンサC
rAについては、CrA=0.043μFとする。そして
動作条件としては、負荷電力Po=200W〜0W、交
流入力電圧VAC=80V〜144V時とされる。
【0049】まず図3には、交流入力電圧VAC=100
Vで一定とした条件の下での、負荷変動に対する力率及
び整流平滑電圧Eiレベルとの関係を示している。この
図に示されるように、力率PFとしては、並列共振コン
デンサCrA=0.043μFを選定した場合には、負
荷電力Po=150W程度以上から、負荷電力変動に関
わらず力率PFについて0.7〜0.8程度以上に上昇
するという特性が得られている。また、並列共振コンデ
ンサCrA=0.047μFを選定した場合の力率特性
は、負荷電力Po=150W付近で力率PF=0.7〜
0.8程度のピークが得られ、負荷電力Po=200W
時でもほぼ同等の力率が維持されている。
【0050】また、整流平滑電圧Eiについては、並列
共振コンデンサCrA=0.043μF,0.047μ
Fの何れを選定した場合にも、負荷電力Po=200W
のとき整流平滑電圧Eiは130V〜140Vに上昇
し、さらに無負荷時の整流平滑電圧Eiに重畳するリッ
プル成分ΔEiは19.1V〜10.1V程度に低下し
た結果が得られた。このような結果から、本実施の形態
では、例えば図1に示した回路構成から力率改善回路1
0を省略した基本的構成の場合とほぼ同等の、負荷変動
に対する整流平滑電圧Eiの電圧変動特性が得られる。
これにより、本実施の形態としては平滑コンデンサCi
として、力率改善回路10を設けない場合と同等の耐圧
品を使用することが可能になる。但し、直流入力電圧
(整流平滑電圧Ei)のリップル成分ΔEiは、ΔEi
=14.5Vとなり、例えば図1に示した回路構成から
力率改善回路10を省略した基本的構成と比較すれば
4.5V程度の増加が見られる。但しこの程度では、平
滑コンデンサCiについて耐圧向上を図ったものを選定
する必要はないものとされる。
【0051】また、図4には負荷電力Po=200Wで
一定とした場合の交流入力電圧変化に対する力率及び整
流平滑電圧Eiレベルとの関係を示している。この図に
よると、並列共振コンデンサCrA=0.043μFを
選定した場合の力率は、交流入力電圧VAC=80V〜1
40Vの範囲で上昇するのに従って、力率PF=0.8
〜0.7の範囲で下降してはいくものの、全体としてP
F=0.7以上が維持される。また、並列共振コンデン
サCrA=0.047μFを選定した場合には、交流入
力電圧VAC=80V〜140Vの変動範囲に対して力率
PF=0.77〜0.78の範囲が維持される。また、
整流平滑電圧Eiは交流入力電圧VACの上昇に応じて高
くなっていく傾向が得られている。
【0052】このように、図1に示した構成では、図
6、図7、又は図9、図10に先行技術として示した例
と比較しても、力率PFは例えば0.7から0.8に上
昇し、負荷電力Po=200Wのときの整流平滑電圧E
iは130Vから140Vに上昇し、さらに無負荷時の
リップル成分ΔEiは19.1Vから10.1Vに低下
した結果を得ることができる。また、本実施の形態で
は、整流平滑電圧Eiのリップル成分ΔEiが低下する
ことによって、高速リカバリ型ダイオードD3について
は例えば90V耐圧の低耐圧品を採用することができ
る。また、例えば図8に示した電源回路と比較して、負
荷変動に対する整流平滑電圧Eiが平均10V程度(1
30Vから140V程度)上昇している。これらの要因
によって、負荷電力Po=200Wのときの電力変換効
率(ηAC→DC)は、図8に示したスイッチング電源
回路では例えば91%であったが、図1に示したスイッ
チング電源回路では、例えば91.5%となり、0.5
%の向上が図られている。これによって、一次側の入力
電力も1.2W程度の低減が図られる。
【0053】なお、本出願人は、複合共振形スイッチン
グコンバータとして、二次側並列共振回路に対して全波
整流回路を備えた構成や、二次側直列共振回路を利用し
た倍電圧整流回路、若しくは4倍電圧整流回路を備えた
構成も既に提案しているが、このような構成も本実施の
形態の変形例として成立し得る。つまり、本実施の形態
としては二次側の共振回路及び整流回路の構成として特
に限定されるものではない。
【0054】また、上記各実施の形態にあっては、一次
側の電圧共振形コンバータとして、自励式の構成が採ら
れているが、他励式の構成に対しても本発明の適用は可
能である。この場合には例えば自励発振駆動回路に代え
て、IC(集積回路)による発振・ドライブ回路を備
え、この発振・ドライブ回路により電圧共振形コンバー
タのスイッチング素子を駆動するという構成を採ればよ
い。この場合、定電圧制御としては、二次側出力電圧レ
ベルに応じて発振・ドライブ回路にて生成される駆動信
号波形を可変制御する。その制御としては、スイッチン
グ素子がオフとなる期間は一定で、オンとなる期間が二
次側出力電圧レベルの上昇に応じて短縮されるようにし
て駆動信号波形を生成すればよいものである。なお、こ
のような他励式の構成を採る場合には、制御トランスは
省略される。
【0055】また、上記のようにして他励式の構成を採
る場合には、1石のバイポーラトランジスタ(BJT)
とされていたスイッチング素子Q1に代えて、例えば2
石のバイポーラトランジスタ(BJT)をダーリントン
接続したダーリントン回路を採用することが可能であ
る。更には、1石のバイポーラトランジスタ(BJT)
としてのスイッチング素子Q1に代えて、MOS−FE
T(MOS型電界効果トランジスタ;金属酸化膜半導
体)、又はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジス
タ)、又はSIT(静電誘導サイリスタ)を使用するこ
とが可能であり、これらダーリントン回路又は上記各素
子の何れかをスイッチング素子として使用した場合に
は、更なる高効率化を図ることが可能になる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、一次側に
電圧共振形コンバータを備え、二次側に共振回路を備え
た複合共振形コンバータに対して、力率改善回路を設け
たスイッチング電源回路として、絶縁コンバータトラン
スの一次側の出力を共振コンデンサによって分圧して磁
気結合トランスの一次巻線(第一巻線)に対して伝達す
る。磁気結合トランスの二次巻線(第二巻線)は整流電
流経路に挿入されており、従って、最終的には、この磁
気結合トランスを介して整流電流経路にスイッチング出
力が帰還される。この整流電流経路に帰還されたスイッ
チング出力によって、スイッチング用素子が整流電流を
断続するスイッチング動作を行うことで、力率の改善を
図るようにされる。そして本発明にあっては、共振コン
デンサと磁気結合トランスの第一巻線とによって共振回
路が形成されるのであるが、交流入力電圧の全周期にわ
たってこの共振回路の共振動作が得られて共振電流を流
すようにされる。
【0057】このような動作により、結果的には、力率
改善として高力率が得られるようにされたうえで、軽負
荷時若しくは無負荷時の直流入力電圧(整流平滑電圧)
の上昇を抑制することが可能になるが、これによって、
直流入力電圧を得るための平滑コンデンサとしては、力
率改善のための構成を備えない回路に用いていた平滑コ
ンデンサと同等の耐圧品を選定することが可能になる。
つまり、力率改善回路を備えたことに対応して平滑コン
デンサの耐圧を上げる必要がない。これにより、平滑コ
ンデンサの大型化が避けられるために、回路サイズも大
型化しない。また、コストアップも避けられることにな
る。また、平滑コンデンサの耐圧を上げることによる経
年変化(劣化)も小さなものになるため、この点での電
源回路の信頼性も向上する。
【0058】また、整流平滑電圧のリップル成分が低下
することから上記スイッチング用素子も耐圧を上げる必
要がなくなり、これによって電力変換効率を向上するこ
とができるので、入力電力を低下することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としてのスイッチング電源
回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すスイッチング電源回路の動作を示す
波形図である。
【図3】図1に示すスイッチング電源回路について、負
荷電力変動に対する力率及び直流入力電圧レベルの関係
を示す特性図である。
【図4】図1に示すスイッチング電源回路について、交
流入力電圧変動に対する力率及び直流入力電圧レベルの
関係を示す特性図である。
【図5】先行技術としてのスイッチング電源回路の構成
を示す回路図である。
【図6】図5に示すスイッチング電源回路について、負
荷電力変動に対する力率及び直流入力電圧レベルの関係
を示す特性図である。
【図7】図5に示すスイッチング電源回路について、交
流入力電圧変動に対する力率及び直流入力電圧レベルの
関係を示す特性図である。
【図8】先行技術としてのスイッチング電源回路の他の
構成を示す回路図である。
【図9】図8に示すスイッチング電源回路について、負
荷電力変動に対する力率及び直流入力電圧レベルの関係
を示す特性図である。
【図10】図8に示すスイッチング電源回路について、
交流入力電圧変動に対する力率及び直流入力電圧レベル
の関係を示す特性図である。
【図11】本実施の形態の電源回路に採用される絶縁コ
ンバータトランスの構造を示す側断面図である。
【図12】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各
動作を示す説明図である。
【符号の説明】 1 制御回路、2 スイッチング駆動回路部、10 力
率改善回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コン
デンサ、D3 高速リカバリ型ダイオード、Cr,CrA
並列共振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデン
サ、PIT 絶縁コンバータトランス、Q1 スイッチ
ング素子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 商用交流電源を入力して整流平滑電圧を
    生成し、直流入力電圧として出力する整流平滑手段と、 疎結合とされる所要の結合係数が得られるようにギャッ
    プが形成され、一次側出力を二次側に伝送するために設
    けられる絶縁コンバータトランスと、 上記直流入力電圧をスイッチング素子により断続して得
    られるスイッチング出力を上記絶縁コンバータトランス
    の一次巻線に出力するようにされたスイッチング手段
    と、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と第一の共振コンデンサの
    キャパシタンスとによって形成されて、上記スイッチン
    グ手段の動作を電圧共振形とする一次側並列共振回路
    と、 力率改善動作を行うための力率改善手段と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩インダク
    タンス成分と、二次側共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって二次側において形成される二次側共振回路
    と、 上記二次側共振回路を含んで形成され、上記絶縁コンバ
    ータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して
    整流動作を行って、二次側直流出力電圧を生成するよう
    に構成された直流出力電圧生成手段と、 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、二次側直流
    出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された定
    電圧制御手段とを備え、 上記力率改善手段は、 第一巻線と、整流電流経路に挿入される第二巻線とを磁
    気結合する磁気結合トランスと、 第一の共振コンデンサと第二の共振コンデンサとの直列
    接続によって上記共振コンデンサを形成するものとし、
    上記第一の共振コンデンサと第二の共振コンデンサとの
    接続点を介して上記スイッチング出力を上記第一巻線に
    帰還するようにされる帰還回路と、 上記第一巻線に対して上記第二の共振コンデンサを並列
    に接続して形成される並列共振回路と、 上記磁気結合トランスの第一巻線から第二巻線に励起さ
    れるようにして帰還されたスイッチング出力に基づいて
    スイッチング動作を行うように整流電流経路に挿入され
    るスイッチング用素子と、を少なくとも備えている、 ことを特徴とするスイッチング電源回路。
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