JP2000134926A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2000134926A
JP2000134926A JP10300883A JP30088398A JP2000134926A JP 2000134926 A JP2000134926 A JP 2000134926A JP 10300883 A JP10300883 A JP 10300883A JP 30088398 A JP30088398 A JP 30088398A JP 2000134926 A JP2000134926 A JP 2000134926A
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JP
Japan
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winding
circuit
switching
voltage
self
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JP10300883A
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English (en)
Inventor
Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自励式によりスイッチング駆動される電流共
振形スイッチングコンバータ、或いは共振形スイッチン
グコンバータにおける電力変換効率の向上、回路規模の
縮小を図る。 【解決手段】 共振電流検出巻線の巻数を従来の1Tか
ら0.5として、そのインダクタンスを小さく設定する
ことによって、自励発振駆動回路からスイッチング素子
Q1(バイポーラトランジスタ)のベースに対して供給
すべきスイッチング駆動電流レベルが、スイッチング素
子のドライブ条件に適合するものとなるようにする。こ
のため、スイッチング素子Q1のベースに対して挿入さ
れるべきベース電流制限用抵抗を省略する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることが分かってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図7は先に本出願人により提案された発明
に基づいて構成することのできるスイッチング電源回路
の一構成例を示す回路図である。この電源回路には自励
式の電流共振形コンバータが採用されている。
【0004】この図に示すスイッチング電源回路におい
ては、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiか
らなる整流平滑回路により、商用交流電源AC(交流入
力電圧VAC)を整流平滑化して、例えば交流入力電圧V
ACのピーク値の1倍に対応する直流入力電圧をを生成す
る。なお、この図に示す回路においては、商用交流電源
ACのラインに対して突入電流制限抵抗Riが挿入され
ており、例えば電源投入時に平滑コンデンサCiに流入
する突入電流を抑制するようにしている。
【0005】この電源回路のスイッチングコンバータ
は、図のように2つのスイッチング素子Q1 、Q2 をハ
ーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正
極側の接続点とアース間に対して挿入するようにして接
続されている。この場合、スイッチング素子Q1 、Q2
にはバイポーラトランジスタ(BJT;接合型トランジ
スタ)が採用される。
【0006】このスイッチング素子Q1 、Q2 の各コレ
クタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1、RS2が挿
入される。
【0007】また、スイッチング素子Q1 のベース−エ
ミッタ間にはツェナーダイオードDZ1及びクランプダイ
オードDD1が直列接続されて挿入されている。この場
合、ツェナーダイオードDZ1のアノードがスイッチング
素子Q1 のベースと接続され、ツェナーダイオードDZ1
のカソードはクランプダイオードDD1のカソードと接続
される。クランプダイオードDD1のアノードはスイッチ
ング素子Q1 のエミッタと接続される。また、スイッチ
ング素子Q2 のベース−エミッタ間には、ツェナーダイ
オードDZ2及びクランプダイオードDD2が直列接続され
て挿入されており、その接続形態は、上記スイッチング
素子Q1 側に設けられるツェナーダイオードDZ1及びク
ランプダイオードDD1と同様となる。本実施の形態の場
合、クランプダイオードDD1、DD2は、それぞれツェナ
ーダイオードDZ1、DZ2を順方向(アノード→カソー
ド)に流れようとする電流を阻止するための逆流阻止用
ダイオードとしての作用を有する。
【0008】スイッチング素子Q1のベースとスイッチ
ング素子Q2のコレクタ間に対しては、ベース電流制限
用抵抗RB1,共振用コンデンサCB1,駆動巻線NB1の直
列接続回路が挿入される。共振用コンデンサCB1は自身
のキャパシタンスと、駆動巻線NB1のインダクタンスL
B1と共に直列共振回路を形成する。同様に、スイッチン
グ素子Q2のベースと一次側アース間に対しては、共振
用コンデンサCB2,ベース電流制限用抵抗RB2,駆動巻
線NB2の直列接続回路が挿入されており、共振用コンデ
ンサCB2と駆動巻線NB2のインダクタンスLB2と共に自
励発振用の直列共振回路を形成する。
【0009】また、駆動巻線NB1に対しては共振コンデ
ンサCD1が並列に設けられて並列共振回路を形成し、同
様に、駆動巻線NB2に対しては共振コンデンサCD2が並
列に接続されて並列共振回路を形成するようにされる。
この回路形態では、スイッチング素子Q1 、Q2 は、そ
れぞれ[駆動巻線NB1//共振コンデンサCD1]、[駆
動巻線NB2//共振コンデンサCD2]により形成される
並列共振回路により自励発振駆動され、そのスイッチン
グ周波数もこれら並列共振回路により設定されるように
構成される。この場合、上述したコンデンサCB1、CB2
はそれぞれ直流阻止用コンデンサとして機能する。
【0010】また、スイッチング素子Q1,Q2の各コレ
クタ−エミッタ間に対しては、それぞれ小容量のセラミ
ックコンデンサCc1,Cc2が並列に接続される。この
セラミックコンデンサCc1,Cc2は、スイッチング素
子Q1,Q2のスイッチングノイズを吸収するために設け
られるものであるが、ここでは、後述するようにして行
われる定電圧制御動作によって比較的広範囲に変化する
スイッチング周波数に対応して、スイッチング素子Q
1,Q2のターンオフ時にゼロ電圧スイッチング動作を得
るための作用も有する。これにより、スイッチング損失
の低減が図られる。
【0011】ドライブトランスPRT (Power Regulati
ng Transformer)はスイッチング素子Q1 、Q2 を駆動
すると共に、後述するようにして定電圧制御を行うため
に設けられる。この図に示すドライブトランスPRTの
場合には、駆動巻線NB1、NB2及び共振電流検出巻線N
D が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制御巻線N
C が直交する方向に巻回された直交型の可飽和リアクト
ルとして構成される。駆動巻線NB1の一端は、抵抗RB1
−共振用コンデンサCB1の直列接続を介してスイッチン
グ素子Q1 のベースに接続され、他端はスイッチング素
子Q2 のコレクタに接続される。駆動巻線NB2の一端は
アースに接地されると共に、他端は抵抗RB2−共振用コ
ンデンサCB2の直列接続を介してスイッチング素子Q2
のベースと接続されている。駆動巻線NB1と駆動巻線N
B2は互いに逆極性の電圧が発生するように巻装されてい
る。また、共振電流検出巻線NDの一端はスイッチング
素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタと
の接続点(スイッチング出力点)に対して接続され、他
端は、後述する絶縁コンバータトランスPITの一次巻
線N1の一端に対して接続される。なお、共振電流検出
巻線NDの巻数(ターン数)は例えば1T(ターン)程
度とされている。
【0012】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)は、スイッチング素子Q1 、Q2
のスイッチング出力を二次側に伝送する。この場合、絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端は、
共振電流検出巻線ND を介してスイッチング素子Q1 の
エミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接点(ス
イッチング出力点)に接続されることで、スイッチング
出力が得られるようにされる。また、一次巻線N1 の他
端は、直列共振コンデンサC1 を介して一次側アースに
接地されている。この場合、上記直列共振コンデンサC
1 及び一次巻線N1は直列に接続されているが、この直
列共振コンデンサC1 のキャパシタンス及び一次巻線N
1 (直列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランスPI
Tの漏洩インダクタンス(リーケージインダクタンスL
1)成分とにより、スイッチングコンバータの動作を電
流共振形とするための直列共振回路を形成している。
【0013】また、この図における絶縁コンバータトラ
ンスPITの二次側では、二次巻線N2に対してセンタ
ータップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,D
O3,DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接
続することで、[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4,平
滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の全波整流回路
が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO1
を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデン
サCO2]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO2を生
成する。つまり、この図に示す回路では、二次側におい
て直流出力電圧を得るのにあたり全波整流回路が設けら
れる。なお、この場合には、直流出力電圧EO1及び直流
出力電圧EO2は制御回路1に対しても分岐して入力され
る。制御回路1においては、直流出力電圧EO1を検出電
圧として利用し、直流出力電圧EO2を制御回路1の動作
電源として利用する。
【0014】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電
流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻
線NC に供給することにより後述するようにして定電圧
制御を行う。
【0015】上記構成による電源回路のスイッチング動
作としては、先ず商用交流電源が投入されると、例えば
起動抵抗RS1、RS2を介してスイッチング素子Q1 、Q
2 のベースに起動電流が供給されることになるが、例え
ばスイッチング素子Q1 が先にオンとなったとすれば、
スイッチング素子Q2 はオフとなるように制御される。
そしてスイッチング素子Q1 の出力として、共振電流検
出巻線ND →一次巻線N1→直列共振コンデンサC1 に
共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍でス
イッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1 がオ
フとなるように制御される。そして、スイッチング素子
Q2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、
スイッチング素子Q1 、Q2 が交互にオンとなる自励式
のスイッチング動作が開始される。このように、平滑コ
ンデンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチング
素子Q1 、Q2 が交互に開閉を繰り返すことによって、
絶縁コンバータトランスの一次側巻線N1 に共振電流波
形に近いドライブ電流を供給し、二次側の巻線N2に交
番出力を得る。
【0016】ところで、前述したように、スイッチング
素子Q1,Q2 の各ベース−エミッタ間には、ツェナー
ダイオードDZ1−クランプダイオードDD1、ツェナーダ
イオードDZ2−クランプダイオードDD2をそれぞれ直列
接続して挿入している。例えば、クランプダイオードD
D1,DD2は本来、スイッチング素子がオフとされている
ときにクランプ電流を流すために設けられるものである
が、図7に示す方向によりツェナーダイオードDZ1 ,
DZ2 が挿入されることによって、クランプダイオード
DD1、DD2にはクランプ電流が流れないようにされる。
これにより、ツェナーダイオードDZ1 ,DZ2のツェナ
ー電圧によりスイッチング素子を駆動する自励発振駆動
回路のドライブ電圧のレベル(振幅)を決定することが
可能になるが、そのドライブ電圧のレベルを大きく設定
することで、スイッチング素子Q1,Q2 のターンオフ
時のマイナスレベルのベース電流(ベースの蓄積電荷の
引き抜き電流)も大きくなるようにされる。この結果、
スイッチング動作時におけるスイッチング素子Q1,Q2
の蓄積時間を小さくすることが可能となる。例えば、
電流共振形スイッチングコンバータとして、バイポーラ
トランジスタのスイッチング素子によりスイッチング動
作させる構成において、スイッチング周波数fsを10
0KHz程度にまで上昇させる設定とすると、スイッチ
ング素子の蓄積時間のばらつきに起因するスイッチング
素子間の導通時間差が無視できなくなる程度に大きくな
る可能性のあることが分かっている。そこで、上記図7
に示す構成のようにして、ツェナーダイオードDZ1 ,
DZ2を挿入すれば、スイッチング素子Q1,Q2 の蓄積
時間が小さくなるため、安定したスイッチング動作を得
ることが可能になる。
【0017】また、ドライブトランスPRTによる定電
圧制御は次のようにして行われる。例えば、交流入力電
圧や負荷電力の変動によって二次側出力電圧EO1 が変
動したとすると、制御回路1では、二次側出力電圧EO1
の変動に応じて制御巻線NC に流れる制御電流のレベ
ルを可変制御する。この制御電流によりドライブトラン
スPRTに発生する磁束の影響で、ドライブトランスP
RTにおいては飽和傾向の状態が変化し、駆動巻線NB
1,NB2のインダクタンスを変化させるように作用する
が、これにより自励発振回路の条件が変化してスイッチ
ング周波数が変化するように制御される。この図に示す
電源回路では、直列共振コンデンサC1 及び一次巻線N
1 の直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数領域で
スイッチング周波数を設定しているが、例えばスイッチ
ング周波数が高くなると、直列共振回路の共振周波数に
対してスイッチング周波数が離れていくようにされる。
これにより、スイッチング出力に対する一次側直列共振
回路の共振インピーダンスは高くなる。このようにして
共振インピーダンスが高くなることで、一次側直列共振
回路の一次巻線N1 に供給されるドライブ電流が抑制さ
れる結果、二次側出力電圧が抑制されることになって、
定電圧制御が図られることになる。なお、以降はこのよ
うな方法による定電圧制御方式を「スイッチング周波数
制御方式」と呼ぶ。
【0018】ここで、上記図7に示した構成によるスイ
ッチング電源回路における、一次側電流共振形コンバー
タのスイッチング動作を図8の波形図に示す。駆動巻線
NB2と並列共振コンデンサCD2からなる並列共振回路は
自励発振を行うことで、図8(d)に示す並列共振電圧
VAを発生させる。この並列共振電圧VAとしては、駆動
巻線NB2と並列共振コンデンサCD2からなる並列共振回
路の並列共振作用によって、例えば、駆動巻線NB2に対
して並列共振コンデンサCD2を並列に接続しない場合よ
りも増幅された波形が得られている。そして、この並列
共振電圧VAにより、スイッチング素子Q2のベースに対
しては、ベース電流制限用抵抗RB2−共振用コンデンサ
CB2の直列接続を介して、図8(b)に示すように自励
発振回路により得られる駆動電流IBが流れる。このよ
うな駆動電流IBによって、スイッチング素子Q2は期間
TONにおいてオンとなり、この時、スイッチング素子Q
2のコレクタには、図8(a)に示す波形によりコレク
タ電流IC1が流れる。また、期間TOFFとなると、駆動
電流IB(図8(b))は0レベルとなって、スイッチ
ング素子Q2もオフ(非導通)となる。上記期間TON,
TOFFにおけるスイッチング素子Q2のベース−エミッタ
間電圧VBEとしては、図8(c)に示す波形が得られ、
これに応答してツェナーダイオードDZ1−クランプダイ
オードDD1の直列接続回路を流れる電流IZとしては、
図8(e)に示すように、実際には、期間TOFFにおい
てわずかにクランプ電流が流れる波形となる。
【0019】図9の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできるスイッチング電源
回路の他の例を示している。この図に示す電源回路は、
電圧共振形スイッチングコンバータを備えている。な
お、図7と同一部分には同一符号を付して説明を省略す
る。
【0020】この図における電圧共振形のスイッチング
コンバータは、1石のスイッチング素子Q1 を備えた自
励式の構成を採っている。この場合、スイッチング素子
Q1には、高耐圧のバイポーラトランジスタ(BJT;
接合型トランジスタ)が採用されている。スイッチング
素子Q1 のベースは、起動抵抗RS を介して平滑コンデ
ンサCi1(整流平滑電圧Ei)の正極側に接続され
て、起動時のベース電流が整流平滑ラインから得られる
ようにしている。また、スイッチング素子Q1 のベース
と一時側アース間にはインダクタLB,検出駆動巻線N
B,共振コンデンサCB ,ベース電流制限抵抗RB とか
らなる自励発振用の共振回路が直列接続される。この場
合、検出駆動巻線NB は、絶縁コンバータトランスPI
T(Power Isolation Transformer)に巻装されており、
インダクタLBと共に、スイッチング周波数を設定する
所要のインダクタンスが得られるようにされている。な
お、この場合にも、検出駆動巻線NDの巻数は例えば1
T(ターン)程度とされている。また、スイッチング素
子Q1 のベースと平滑コンデンサCiの負極(1次側ア
ース)間に挿入されるクランプダイオードDD により、
スイッチング素子Q1 のオフ時に流れるダンパー電流の
経路を形成するようにされており、また、スイッチング
素子Q1 のコレクタは絶縁コンバータトランスPITの
一次巻線N1 の一端と接続され、エミッタは接地され
る。
【0021】また、上記スイッチング素子Q1 のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、後述する絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1、及び直交型制御トラン
スPRT(Power Regulating Transformer) の被制御巻
線NR の直列接続により得られる合成インダクタンス
(L1+LR)とにより電圧共振形コンバータの並列共振
回路を形成する。この並列共振回路の共振動作によっ
て、スイッチング動作を電圧共振形とする。そして、こ
こでは詳しい説明は省略するが、スイッチング素子Q1
のオフ時には、この並列共振回路の作用によってスイッ
チング素子Q1//共振コンデンサCrの並列接続回路
の両端には共振パルス電圧が発生する。この共振パルス
電圧は、実際には、正弦波状のパルス波形であり、当該
スイッチングコンバータの電圧共振形の動作に対応して
いる。
【0022】絶縁コンバ−タトランスPITは、スイッ
チング素子Q1 のスイッチング出力を二次側に伝送する
ためのもので、この場合、絶縁コンバータトランスPI
Tの一次巻線N1 の一端は、スイッチング素子Q1 のコ
レクタと接続され、他端側は図のように直交型制御トラ
ンスPRTの被制御巻線NRの直列接続を介して、平滑
コンデンサCiの正極端子(整流平滑電圧Eiライン)
に接続されている。
【0023】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線
N2に発生する。この場合、二次巻線N2に対しては、二
次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されることで
並列共振回路が形成される。この並列共振回路により、
二次巻線N2に励起される交番電圧は共振電圧とされ、
この共振電圧が整流ダイオードDO1及び平滑コンデンサ
CO2からなる半波整流回路と、整流ダイオードDO2及び
平滑コンデンサCO2からなる半波整流回路との2組の半
波整流回路に供給される。そして、これら2組の半波整
流回路により、それぞれ直流出力電圧EO1,EO2が得ら
れる。なお、この半波整流回路を形成する整流ダイオー
ドDO1,DO2は、スイッチング周期の交番電圧を整流す
るために高速型を使用している。
【0024】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力と基準電圧を比較してその誤差に応じた直流電流を、
制御電流として直交型制御トランスPRTの制御巻線N
C に供給する誤差増幅器である。この場合には、制御回
路1に対して、検出用電圧として直流電圧出力EO1が入
力され、動作電源として直流出力電圧EO2が入力されて
いる。
【0025】例えば、交流入力電圧VAC或いは負荷電力
の変動に伴って二次側の直流出力電圧EO2が変動した時
は、制御回路1によって制御巻線NC に流れる制御電流
を例えば10mA〜40mAの範囲で変化させる。これ
により、被制御巻線NR のインダクタンスLR が例えば
0.1mH〜0.6mHの範囲で変化するようにされ
る。
【0026】上記被制御巻線NR は、前述のように電圧
共振形のスイッチング動作を得るための並列共振回路を
形成していることから、固定とされているスイッチング
周波数に対して、この並列共振回路の共振条件が変化す
るようにされる。前述のように、スイッチング素子Q1
と並列共振コンデンサCrの並列接続回路の両端には、
スイッチング素子Q1のオフ期間に対応して上記並列共
振回路の作用によって正弦波状の共振パルスが発生する
が、並列共振回路の共振条件が変化することによって共
振パルスの幅が可変制御される。つまり、共振パルスに
対するPWM(Pulse Width Moduration)制御動作が得ら
れる。共振パルスの幅のPWM制御とは即ちスイッチン
グ素子Q1のオフ期間の制御であるが、これは換言すれ
ば、固定のスイッチング周波数の条件下でスイッチング
素子Q1のオン期間を可変制御することを意味する。こ
のようにしてスイッチング素子Q1のオン期間が可変制
御されることで、並列共振回路を形成する一次巻線N1
から二次側に伝送されるスイッチング出力が変化し、二
次側の直流出力電圧(EO1,EO2)の出力レベルも変化
するようにされる。これによって二次側直流電圧(EO
1,EO2)の定電圧化が図られることになる。なお、こ
のような定電圧制御方式を、以降はインダクタンス制御
方式ということにする。
【0027】ここで、上記図9に示す構成によるスイッ
チング電源回路における、一次側の電圧共振形コンバー
タのスイッチング動作は、例えば図10の波形図に示す
ものとなる。スイッチング素子Q1の自励発振のための
直列共振回路(インダクタLB,共振コンデンサCB)が
自励発振を行うことで、この直列共振回路には、図10
(e)に示す正弦波状の共振電圧VBが発生する。これ
に応じて、上記直列共振回路からベース電流制限用抵抗
RBに流れる直列共振電流IRBは図10(g)に示す正
弦波状の波形となる。また、検出駆動巻線NB1の両端に
は、上記共振電圧VBと、並列共振回路(N1,Cr)の
共振作用によって、図10(d)に示すように期間TOF
Fに正弦波状パルスとなり、期間TONには0レベル近傍
でクランプされた波形の検出駆動電圧VAが得られてい
る。そして、この検出駆動電圧VAに応じて、スイッチ
ング素子Q1のベースに対しては、共振コンデンサCB−
インダクタLB−ベース電流制限用抵抗RBの直列接続を
介して、図10(b)に示すような駆動電流IBが流れ
る。このような駆動電流IBによって、スイッチング素
子Q2は期間TONにおいてオンとなり、この時、スイッ
チング素子Q2のコレクタには、図10(a)に示す波
形によりコレクタ電流IC1が流れる。また、期間TOFF
となると、駆動電流IB(図10(b))は0レベルと
なって、スイッチング素子Q2もオフ(非道通)とな
る。上記期間TON,TOFFにおけるスイッチング素子Q2
のベース−エミッタ間電圧VBEとしては、図10(c)
に示す波形が得られる。また、これに応答してクランプ
ダイオードDDの直列接続回路を流れる電流ID1として
は、図10(f)に示すように、実際には、期間TOFF
においてクランプ電流が流れる波形となる。図9に示す
回路では、例えば図7に示す回路とは異なり、1石のバ
イポーラトランジスタによる、いわゆるシングルエンド
動作によって、スイッチング動作は完結するので、バイ
ポーラトランジスタの蓄積時間や電流増幅率hFEのばら
つきの影響は少ない。このため、クランプダイオードD
D の逆回復時間さえ管理してしまえば、安定した自励発
振動作が期待できる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図7に
示した電源回路では、前述したように、スイッチング素
子Q1,Q2を最適な条件で駆動するために、それぞれ
[駆動巻線NB1−共振用コンデンサCB1],[駆動巻線
NB2−共振用コンデンサCB2]の直列共振回路に対し
て、ベース電流制限用抵抗RB1,RB2を挿入している。
図8によっても説明したように、これらベース電流制限
用抵抗RB1,RB2には、上記直列共振回路の共振動作に
よって得られる共振電流(駆動電流IB;図8(b))
が流れるため、ベース電流制限用抵抗RB1,RB2には電
力損失が発生して発熱することになる。この発熱温度
(即ち損失電力量)は、負荷電力の増加に伴って増加す
るため、電流制限用抵抗RB1,RB2には定格電力の大き
なものを選定する必要がある。
【0029】また、図9に示す電源回路も同様の問題点
を抱えている。つまり、ベース電流制限用抵抗RBに
は、図10(g)に示したように、直列共振回路(イン
ダクタLB,共振コンデンサCB)から直列共振電流IRB
が流れるため、1カ所ではあるがベース電流制限用抵抗
RBにおいて電力損失が生じる。電圧共振形コンバータ
としては、図9に示した1石によるシングルエンド動作
の構成の他、重負荷の条件に対応するために、2石によ
るプッシュプル動作を行う構成も知られているが、この
場合には、ベース電流制限用抵抗による電力損失が2カ
所に及んでしまうことになる。
【0030】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は上記し
た課題を考慮して、スイッチング素子を駆動するドライ
ブ電流経路における電力損失が出来るだけ小さくなるよ
うにして、結果として電源回路としての電力変換効率の
向上を図ることを目的とする。
【0031】このため、入力された直流入力電圧を断続
して絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するよう
に構成されたスイッチング手段と、このスイッチング手
段を形成し、電流制御により駆動されるスイッチング素
子を自励式によりスイッチング駆動するための自励発振
駆動回路と、少なくとも絶縁コンバータトランスの一次
巻線を含む漏洩インダクタンス成分と一次巻線に対して
直列に接続される直列共振コンデンサのキャパシタンス
とによって形成されてスイッチング手段の動作を電流共
振形とする一次側直列共振回路と、この一次側直列共振
回路の共振出力を検出可能に挿入されて所定のインダク
タンスが得られるようにその巻数が設定された検出巻線
とが備えられると共に、上記自励発振駆動回路は、共振
電流検出巻線に得られる電圧により励起されるようにし
て設けられる駆動巻線と、この駆動巻線に対して自励発
振回路内並列共振コンデンサを並列に接続することで形
成される自励発振回路内並列共振回路と、駆動巻線に対
して自励発振回路内直列共振コンデンサを直列に接続す
ることにより形成され、スイッチング素子の導通制御端
子に対して接続される自励発振回路内直列共振回路とを
備えて形成されるようにして、スイッチング電源回路を
構成することとした。
【0032】また、入力された直流入力電圧を断続して
絶縁コンバータトランスの一次巻線に出力するように構
成されたスイッチング手段と、このスイッチング手段を
形成し、電流制御により駆動されるスイッチング素子を
自励式によりスイッチング駆動するための自励発振駆動
回路と、少なくとも絶縁コンバータトランスの一次巻線
を含む漏洩インダクタンス成分と共振コンデンサのキャ
パシタンスとによって形成されてスイッチング手段の動
作を電圧共振形とする一次側共振回路と、この一次側共
振回路の共振出力を検出可能に挿入されて所定のインダ
クタンスが得られるようにその巻数が設定された検出巻
線とが備えられると共に、上記自励発振駆動回路は、共
振電流検出巻線に得られる電圧により励起されるように
して設けられる駆動巻線と、この駆動巻線に対して自励
発振回路内直列共振コンデンサを直列に接続することに
より形成されてスイッチング素子の導通制御端子に対し
て接続される自励発振回路内直列共振回路とを備えて形
成されるようにして、スイッチング電源回路を構成する
こととした。
【0033】上記構成によれば、自励式によりスイッチ
ング駆動される電流共振形スイッチングコンバータ、或
いは共振形スイッチングコンバータとして、共振電流検
出巻線の巻数を適切に設定することで、共振電流検出巻
線によって励起される駆動巻線の電圧レベルを所要の低
レベルに設定することが出来る。自励発振駆動回路で
は、この駆動巻線に得られた交番電圧を基に、例えばス
イッチング素子に対するスイッチング駆動のための電流
を出力するようにされるが、ここで、駆動巻線の電圧レ
ベルに基づいて得られるスイッチング駆動電流レベル
が、スイッチング素子の動作条件に適合するように設定
されれば、このスイッチング駆動電流を制限するための
抵抗素子を不要とすることが可能になる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態としてのスイッチング電源回路の構成例を示してい
る。この図に示す電源回路は先に説明した図7の電源回
路と同様に、2石のスイッチング素子(バイポーラトラ
ンジスタ)をハーフブリッジ結合した、自励式の電流共
振形スイッチングコンバータが備えられる。なお、この
図において、図7と同一部分については同一符号を付し
て説明を省略する。
【0035】この図に示す電源回路においては、ドライ
ブトランスPRTの共振電流検出巻線NDの巻数を1T
から0.5Tとしている。ここで、ドライブトランスP
RTの構造としては、例えば図2に示すものとなる。こ
のように、ドライブトランスPRTは、4本の磁脚を有
する2つのダブルコの字型コア201,202の互いの
磁脚の端部を接合するようにして形成される立体型コア
200が備えられる。そして、この立体型コア200の
所定の2本の磁脚に対して、駆動巻線NB1,NB2を図の
ように所定ターン数巻装すると共に、同じ巻回方向に対
して、共振電流検出巻線NDを0.5T巻装する。制御
巻線NCは、図のように、所定の2本の磁脚に対して、
上記駆動巻線NB1,NB2、及び共振電流検出巻線NDに
対して直交する巻回方向となるようにして巻装される。
【0036】このようにして、共振電流検出巻線NDの
巻数が1Tから0.5Tとされたことで共振電流検出巻
線NDのインダクタンスは低減し、共振電流検出巻線ND
自体に誘起される交番電圧レベルが低下することにな
る。これに伴って、共振電流検出巻線NDとトランス結
合された駆動巻線NB1,NB2に誘起される電圧レベルも
低下する。これにより、本実施の形態としては、ベース
電流制限用抵抗RB1,RB2を削除することが可能にな
る。即ち、ベース電流制限用抵抗RB1,RB2に代えて、
上記のようにして駆動巻線NB1,NB2における電圧レベ
ルを低下させる構成を採ることで、スイッチング素子Q
1,Q2に流れるベース電流量を制限するものである。こ
れにより本実施の形態では、ベース電流制限用抵抗RB
1,RB2が挿入されることに因る自励発振駆動回路系で
の電力損失が解消されることになる。
【0037】また、本実施の形態の場合、駆動巻線NB
1,NB2に対して並列接続される並列共振コンデンサ
(CD1,CD2)と、駆動巻線NB1,NB2に対して直列接
続される直列共振コンデンサ(CB1,CB2)とでは、そ
の静電容量の比が3:1となるように設定されており、
条件として最大負荷電力が増加した場合には、図1に破
線で示すように、0.5μH〜0,5μHのフェライト
ビーズインダクタL0を、共振電流検出巻線ND(0.5
T)に対して並列接続することで対応可能となる。つま
り、最大負荷電力が増加した場合には、自励発振駆動回
路に内に流れる電流が増加するため、フェライトビーズ
インダクタL0を接続しないとすればベース電流制限用
抵抗が必要となってくるのであるが、フェライトビーズ
インダクタL0を接続することで、一次側の直列共振電
流は共振電流検出巻線NDとフェライトビーズインダク
タL0に対して分流し、共振電流検出巻線NDに流れる電
流量を抑制することが可能になるものである。
【0038】また、この図に示す電源回路の絶縁コンバ
ータトランスPITにおいては、後述するようにして従
来とは巻数の異なる二次巻線N2が設けられる。この二
次巻線N2の一端は二次側アースに接続され、他端は直
列共振コンデンサCs1の直列接続を介して整流ダイオ
ードDO1のアノードと整流ダイオードDO2のカソードの
接続点に対して接続される。整流ダイオードDO1のカソ
ードは平滑コンデンサCO1の正極と接続され、整流ダイ
オードDO2のアノードは二次側アースに対して接続され
る。平滑コンデンサCO1の負極側は二次側アースに対し
て接続される。
【0039】このような接続形態では結果的に、[直列
共振コンデンサCs1,整流ダイオードDO1,DO2、平
滑コンデンサCO1]の組から成る倍電圧全波整流回路が
設けられることになる。ここで、直列共振コンデンサC
s1は、自身のキャパシタンスと二次巻線N2の漏洩イン
ダクタンス成分とによって、整流ダイオードDO1,DO2
のオン/オフ動作に対応する直列共振回路を形成する。
即ち、本実施の形態の電源回路は、一次側にはスイッチ
ング動作を電流共振形とするための直列共振回路が備え
られ、二次側には、倍電圧全波整流動作を得るための直
列共振回路が備えられる。なお、本明細書では、このよ
うに一次側及び二次側に対して共振回路が備えられて動
作する構成のスイッチングコンバータについては、「複
合共振形スイッチングコンバータ」ともいうことにす
る。
【0040】ここで、上記[直列共振コンデンサCs
1,整流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO1]
の組による倍電圧全波整流動作としては次のようにな
る。一次側のスイッチング動作により一次巻線N1にス
イッチング出力が得られると、このスイッチング出力は
二次巻線N2に励起される。そして、整流ダイオードDO
1がオフとなり、整流ダイオードDO2がオンとなる期間
においては、一次巻線N1と二次巻線N2との極性(相互
インダクタンスM)が−Mとなる減極性モードで動作し
て、二次巻線N2の漏洩インダクタンスと直列共振コン
デンサCs1による直列共振作用によって、整流ダイオ
ードDO2により整流した整流電流IC2を直列共振コンデ
ンサCs1に対して充電する動作が得られる。そして、
整流ダイオードDO2がオフとなり、整流ダイオードDO1
がオンとなって整流動作を行う期間においては、一次巻
線N1と二次巻線N2との極性(相互インダクタンスM)
が+Mとなる加極性モードとなり、二次巻線N2に誘起
された電圧に直列共振コンデンサCs1の電位が加わる
という直列共振が生じる状態で平滑コンデンサCO1に対
して充電が行われる動作となる。上記のようにして、加
極性モード(+M;フォワード動作)と減極性モード
(−M;フライバック動作)との両者のモードを利用し
て整流動作が行われることで、平滑コンデンサCO1にお
いては、二次巻線N2の誘起電圧のほぼ2倍に対応する
直流出力電圧EO1が得られる。
【0041】上記した倍電圧全波整流動作を得るための
構成は、実際には、EE型コアの絶縁コンバータトラン
スPITの中央磁脚に対してギャップを形成して所要の
結合係数k(例えばk=0.85)による疎結合とした
ことによって、絶縁コンバータトランスPITが更に飽
和状態となりにくい状態を得たことで実現されるもので
ある。例えば、従来のように絶縁コンバータトランスP
ITに対してギャップが設けられない場合には、フライ
バック動作時において絶縁コンバータトランスPITが
飽和状態となって動作が異常となる可能性が高く、本実
施の形態のような倍電圧整流動作が適正に行われるのを
望むのは難しい。
【0042】上記構成によると、本実施の形態では、相
互インダクタンスが+Mと−Mの動作モードとなる状態
を利用して、倍電圧全波整流を行うことで二次側直流出
力電圧を得るようにしている。つまり、一次側の電流共
振作用と二次側の電流共振作用とによる電磁エネルギー
が同時に負荷側に供給されるようにしているため、それ
だけ負荷側に供給される電力も増加して、最大負荷電力
の増加が図られることになる。
【0043】また、二次側においては、二次巻線N2の
励起電圧が正負の両期間において整流動作を行う倍電圧
全波整流回路を設けたことで、本実施の形態では、二次
側整流ダイオードのオフ期間に発生する二次側整流ダイ
オードの両端電圧は、二次側直流出力電圧EOと同等の
レベルにまで抑制される。これにより、二次側の倍電圧
整流回路を形成する整流ダイオードとしては、二次側直
流出力電圧EOのレベルに対応する耐圧品を選定すれば
よいことになる。
【0044】また、倍電圧全波整流回路によって二次側
直流出力電圧を得るようにしていることで、例えば等倍
電圧整流回路によって得られる二次側直流出力電圧と同
等のレベルを得ようとすれば、本実施の形態の二次巻線
N2としては、従来の1/2の巻数で済むことになる。
この巻数の削減は、絶縁コンバータトランスPITの小
型軽量化、及び低コスト化につながる。なお、この場合
には、二次巻線N2とは独立して二次巻線N2Aが巻装さ
れてい。この二次巻線N2Aに対してはセンタータップを
アースに接地したうえで、整流ダイオードDO1,DO2及
び平滑コンデンサCO1からなる全波整流回路が接続され
ることで、直流出力電圧EO2を生成する。
【0045】図3は、本発明の第2の実施の形態として
のスイッチング電源回路の構成を示す回路図である。こ
の図に示す電源回路では、先に説明した図9の電源回路
と同様に、1石のスイッチング素子(バイポーラトラン
ジスタ)によりシングルエンド動作を行う、自励式の電
流共振形スイッチングコンバータが備えられる。なお、
この図において、図7,図9及び図1と同一部分につい
ては同一符号を付して説明を省略する。
【0046】この図に示す回路においては、図9に示す
回路において絶縁コンバータトランスPITに備えられ
て電圧検出を行っていた検出駆動巻線NBは削除され、
コンバータドライブトランスCDTが設けられた構成と
なっている。このコンバータドライブトランスCDTに
対しては、図9に示す回路におけるインダクタLBにも
相当する駆動巻線NBと、先の実施の形態と同様に、巻
数0.5Tの共振電流検出巻線NDが巻装される。この
場合、駆動巻線NBとしては、図9に示す回路において
備えられていたインダクタLBと同等のインダクタンス
を有するように選定され、図のように、その一端が一次
側アースに接地され、他端は共振用コンデンサCBを介
してスイッチング素子Q1のベースに対して接続され
る。
【0047】このような構成によっても、先の実施の形
態にて説明したのと同様に、共振電流検出巻線NDとト
ランス結合された駆動巻線NB1,NB2に誘起される電圧
レベルが低下するため、ベース電流制限用抵抗RBを削
除することが可能になる。従って、本実施の形態におい
ても、ベース電流制限用抵抗RBが挿入されることに因
る自励発振駆動回路系での電力損失が解消される。ま
た、共振電流検出巻線NDに対して所定のインダクタン
スを有するフェライトビーズインダクタL0を並列に接
続すれば、最大負荷電力の増加が図られる。
【0048】また、この図に示す電源回路の二次側にお
いては、二次巻線N2に対して二次側並列共振コンデン
サC2 が並列に接続されることで並列共振回路が形成さ
れる。この並列共振回路により、二次巻線N2に得られ
る交番電圧は共振電圧とされ、この共振電圧が整流ダイ
オードDO1,D02及び平滑コンデンサCO1からなる全波
整流回路と、整流ダイオードDO3,DO4及び平滑コンデ
ンサCO2からなる全波整流回路との2組の整流回路に供
給され、各整流回路により、それぞれ直流出力電圧EO
1,EO2が得られるようになっている。このようにし
て、二次側の並列共振動作を利用して直流出力電圧EO
1,EO2を得るようにした場合にも、負荷電力の増加が
図られる。
【0049】ここで実験結果として、最大負荷電力が1
50Wで交流入力電圧VAC=100V時に対応する構成
として、図9に示した回路の場合には、共振電流検出巻
線NDの巻数を1T、共振用コンデンサCB=0.39μ
F、インダクタLB=22μH、ベース電流制限用抵抗
RB=1Ω/2Wを選定して構成していたのに対し、図
3に示す本実施の形態の回路の場合には、共振電流検出
巻線NDの巻数を0.5T、共振用コンデンサCB=0.
39μF、インダクタLB=22μHを選定し、ベース
電流制限用抵抗RBが削除されることで、0.7Wの電
力変換効率の向上が図られる。
【0050】図4は、本発明の第3の実施の形態として
のスイッチング電源回路の構成を示している。この図に
示す電源回路は、1石のスイッチング素子Q1をシング
ルエンド動作させる電圧共振形コンバータとされている
点では、図3、図9に示した電源回路と同様である。な
お、この図において図1、図3、及び図7、図9と同一
部分には同一符号を付して説明を省略する。また、この
図には、二次側の構成は省略されているが、これまで各
図(図1、図3、図7、図9)に示した整流回路の何れ
の構成が備えられても構わないものである。
【0051】この図に示す電源回路においては、絶縁コ
ンバータトランスPITに巻装される検出駆動巻線NB
の巻数を0.5Tとして、そのインダクタンスを小さく
する構成としている。また、この図における自励発振駆
動回路は、スイッチング素子Q1のベースと一次側アー
ス間に対して、スイッチング素子Q1側から共振用コン
デンサCB−検出駆動巻線NB−インダクタLBの順に直
列接続されて形成されており、更に、検出駆動巻線NB
−インダクタLBの直列接続に対して、並列共振コンデ
ンサCDが並列に接続されることで、この場合には、検
出駆動巻線NB−インダクタLBの合成インダクタンス成
分と、並列共振コンデンサCDのキャパシタンスとによ
って、スイッチング周波数を決定する並列共振回路が形
成される。
【0052】このような接続形態では、検出駆動巻線N
Bは図3に示した共振電圧検出巻線NDとして機能し、イ
ンダクタLBは、図3に示した駆動巻線NBとして機能す
るものと見ることが出来る。但しこの場合、検出駆動巻
線NBは一次側並列共振回路に対しては直接的に接続さ
れず、絶縁コンバータトランスに巻装されている。従っ
て、一次巻線N1に得られる共振電圧(スイッチング出
力電圧)によって励起されることで、一次側の共振電圧
を検出するように動作する。このような構成によって
も、検出駆動巻線NBは0.5Tとされていることで、
インダクタLBに励起される交番電圧レベルが低減する
ようにされ、従って、自励発振駆動回路からスイッチン
グ素子Q1のベースに供給される駆動電流が低減される
ことになる。そして、ベース電流制限用抵抗RBを削除
して電力変換効率の向上を図ることが出来る。また、こ
の場合にも、共振電流検出巻線NDに対して所定のイン
ダクタンスを有するフェライトビーズインダクタL0を
並列に接続すれば、最大負荷電力の増加を図ることが可
能である。
【0053】図5に、本実施の形態の絶縁コンバータト
ランスPITの構造を示す。この図に示すように、絶縁
コンバータトランスPITは2つのE型コア101,1
02によりEE型コア100を形成し、図のように、一
次巻線N1(N3)及び二次巻線N2が巻装される。そし
て更に、上記した巻数0.5Tの検出駆動巻線NBが一
次巻線N1側に対して巻装されて構成される。
【0054】また、本実施の形態の絶縁コンバータトラ
ンスPITにおいては、一次巻線N1 と二次巻線N2d及
び駆動巻線NBに加え、一次巻線N1を巻き上げるように
して巻線N3が備えられる。なお、この絶縁コンバータ
トランスPITも、先に図2に示したようにして中央磁
脚に対してギャップが形成され、一次側と二次側で所要
の結合係数による疎結合が得られるようにされている。
【0055】本実施の形態において、絶縁コンバータト
ランスPITの一次巻線N1を巻き上げるようにして形
成された巻線N3の端部は、後述するブースト電圧生成
用の平滑コンデンサCiBの正極と接続される。平滑コ
ンデンサCiBの負極は平滑コンデンサCiの正極(E
iライン)と接続される。また、本実施の形態において
はブースト用ダイオードDBが設けられる。このブース
ト用ダイオードDBは、アノードが平滑コンデンサCiB
の負極と平滑コンデンサCiの正極との接続点(Eiラ
イン)と接続され、カソードは直交型制御トランスPR
Tの被制御巻線NRの直列接続を介して、一次巻線N1と
巻線N3との接続点に対して接続される。このような接
続形態によると、巻線N3に得られたスイッチング出力
電圧をブースト用ダイオードDBにより整流して平滑コ
ンデンサCiBにより平滑化することで、平滑コンデン
サCiBの両端にブースト電圧VBを生成するブースト回
路が形成されることになる。但し、上述のようにこのブ
ースト回路には被制御巻線NRが直列に挿入されてい
る。
【0056】上記のようにブースト回路を備えた構成で
は、直列接続された平滑コンデンサCiB−平滑コンデ
ンサCiの両端には、整流平滑電圧Eiに対してブース
ト電圧VBが重畳されたブースト平滑電圧EBが得られる
ことになるが、このブースト平滑電圧EBは、
【数1】 により表すことができる。そして、巻線N3及び一次巻
線N1のインダクタンスとしてL3=L1の関係が得られ
るようにし、整流平滑電圧Ei、ブースト用ダイオード
DBの降下電圧VF、及びスイッチング素子Q1の飽和電
圧V(SAT)についてEi≫VF,V(SAT)の関係が成立し
ているとすると、ブースト平滑電圧EBは上記(数1)
に基づいて、
【数2】 により示されることになる。この場合、図6に示す電源
回路では、例えば、直交型トランスPRTの被制御巻線
NRのインダクタンスLRを、0.1×L1〜1.2×L1
の範囲で変化させることで、ブースト平滑電圧EBにつ
いて、ほぼEi〜2Ei(Eiは、平滑コンデンサCi
の両端に得られる整流平滑電圧レベルに相当する)の範
囲で可変することが可能とされる。
【0057】本実施の形態では、スイッチング素子Q1
を備えて成る電圧共振形スイッチングコンバータは、上
述のブースト平滑電圧EBを動作電源としてスイッチン
グ動作を行うようにされる。つまり、本実施の形態で
は、ブースト回路によって、電圧共振形スイッチングコ
ンバータに供給すべき見かけ上の直流入力電圧レベルを
上昇させているものである。このブースト回路の動作に
よって直流入力電圧レベルを引き上げていることで、一
次側においては、例えば倍電圧整流回路によって直流入
力電圧を得る構成の場合とほぼ同等の最大負荷電力に対
応することが可能となる。
【0058】このような構成は、商用交流電源がいわゆ
るAC100V系で、最大負荷電力が150W程度の条
件に対応する場合に好適とされる。例えば通常、商用交
流電源がAC100V系で、最大負荷電力が150W程
度の条件に対応する場合には、直流入力電圧(整流平滑
電圧)を生成する整流平滑回路としては倍電圧整流方式
を採って、平滑コンデンサに流入する電流を抑制するよ
うに構成される。
【0059】これに対して、上記のようにしてブースト
回路によって最大負荷電力の増加を図ることで、本実施
の形態では、直流入力電圧を生成する整流平滑回路とし
ては倍電圧整流方式を採って負荷電力をカバーする必要
はなくなる。この結果、本実施の形態では図1にて説明
したように、例えばブリッジ整流回路による通常の等倍
電圧整流回路の構成を採ることができるものである。こ
れにより、例えば本実施の形態では、交流入力電圧VAC
=144V時における整流平滑電圧Eiは200V程度
となる。スイッチング素子Q1//並列共振コンデンサ
Crの両端に得られる共振電圧は、整流平滑電圧Eiに
対して一次側の並列共振回路が作用することで、スイッ
チング素子Q1がオフ時に発生するが、本実施の形態で
は、上記のように整流平滑電圧Eiが倍電圧整流時の約
1/2とされることになる。但し、本実施の形態では、
この整流平滑電圧Eiに対してブースト電圧VBを重畳
してブースト平滑電圧EBが発生するため、共振電圧は
ブースト平滑電圧EBのレベルに依存するのであるが、
それでも共振電圧は、1800Vから1200V程度に
まで抑えられることになる。従って、本実施の形態にお
いては、スイッチング素子Q1と並列共振コンデンサC
rについては、1200Vの耐圧品を選定すればよいこ
とになる。
【0060】また、上記のように、スイッチング素子Q
1、並列共振コンデンサCr,及び二次側の整流回路を
形成する整流ダイオードについて低耐圧品を用いること
ができるため、素子としてはそれだけ安価となる。この
ため、特にコストアップを考慮することなく、例えばス
イッチング素子Q1及び二次側の整流回路を形成する整
流ダイオードについて特性の向上されたもの(スイッチ
ング素子Q1であれば、飽和電圧VCE(SAT)、蓄積時間t
STG、下降時間tf、電流増幅率hFE等の特性の良好な
もの、また、整流ダイオードであれば順方向電圧降下V
F、逆回復時間trr等の特性の良好なもの)を選定す
ることができ、それだけ電力損失の低減が促進されるこ
とにもなる。つまり、従来よりも低コスト或いはほぼ同
等のコストでありながら電力変換効率の向上を図ること
が可能になる。また、電力変換効率の向上により、例え
ば従来必要であった放熱板等も不要となる。
【0061】また、上記のようにしてスイッチング素子
Q1及び二次側の整流回路を形成する整流ダイオードに
ついて特性の向上したものが選定できることで、より高
いスイッチング周波数を設定することが可能となり、こ
れによって、スイッチング損失の低減、及び上記各種部
品の小型・軽量化も図られることになる。ここで、実際
に対応すべき最大負荷電力に応じて、ブースト電圧VB
が最適となるように巻線N3を選定すれば、更なる各種
部品の小型・軽量化を実現できる。このようにしてブー
スト回路を備えることで、結果的には、回路規模の小型
軽量化、低コスト化、及びスイッチング周波数を高く設
定することによる電力損失の低減等が図られる。
【0062】図6の回路図は、本発明の第4の実施の形
態としての電源回路の構成を示している。この図に示す
電源回路は、電圧共振形スイッチングコンバータとし
て、最大負荷電力が200W以上の条件に対応する。な
お、図1、図3、図4、及び図7、図9と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。また、この図におい
ても二次側の構成は省略されている。
【0063】この図に示す電源回路においては、後述す
る2組のスイッチング素子Q1,Q2をプッシュプル動作
によりスイッチング駆動するためにコンバータドライブ
トランスCDTが設けられる。このコンバータドライブ
トランスCDTは、巻数0.5Tの共振電流検出巻線N
Dと、所定巻数(例えば1T)の駆動巻線NB1,NB2が巻
装される。この場合、共振電流検出巻線NDは、一次巻
線N1Bの端部とスイッチング素子Q2のコレクタ間に対
して直列に挿入される。この場合の駆動巻線NB1,NB2
は、1つの巻線をアースに対してセンタータップさせる
ことで形成されている。駆動巻線NB1の端部は共振コン
デンサCB1を介してスイッチング素子Q1のベースに接
続される。また、駆動巻線NB2の端部は、共振コンデン
サCB2を介してスイッチング素子Q2のベースに接続さ
れる。つまり、駆動巻線NB1−共振コンデンサCB1によ
りスイッチング素子Q1の駆動回路を形成し、駆動巻線
NB2共振コンデンサCB2によりスイッチング素子Q2の
駆動回路を形成する。共振電流検出巻線NDでは、後述
するスイッチング動作によってスイッチング出力に応じ
た交番電圧が検出される。駆動巻線NB1,NB2では、上
記共振電流検出巻線NDにより検出されたスイッチング
出力に応じて、互いに逆極性の交番電圧が得られるよう
になっている。
【0064】本実施の形態では、プッシュプル動作のた
めに2本のスイッチング素子Q1、Q2が備えられる。ス
イッチング素子Q1には、上記駆動回路(駆動巻線NB1
−コンデンサCB1)、及びクランプダイオードDD1、並
列共振コンデンサCr1が図のように接続され、スイッ
チング素子Q2には、駆動回路(駆動巻線NB2−共振コ
ンデンサCB2)、及びクランプダイオードDD2、並列共
振コンデンサCr2が図のように接続される。並列共振
コンデンサCr1は一次巻線N1と共にスイッチング素子
Q1を電圧共振形の動作とするための並列共振回路を形
成し、並列共振コンデンサCr2は一次巻線N1と共にス
イッチング素子Q2を電圧共振形の動作とするための並
列共振回路を形成する。この場合の一次巻線は、センタ
ータップによって一次巻線N1A,N1Bに分割され、一次
巻線N1Aの端部はスイッチング素子Q1のコレクタと接
続される。一次巻線N1Bの端部は、前述のようにしてス
イッチング素子Q2のコレクタに対して接続される。一
次巻線N1A,N1Bのタップは直交型制御トランスPRT
の被制御巻線NRの直列接続を介して平滑コンデンサC
iの正極と接続される。また、スイッチング素子Q1及
びスイッチング素子Q2のエミッタは一次側アースに接
続される。
【0065】上記構成では、駆動巻線NB1,NB2から出
力される互いに逆極性の交番電圧に基づいて得られる駆
動電流(ベース電流)が、スイッチング素子Q1、Q2の
各ベースに流れるようにされることで、自励発振駆動回
路の定数により決定されるスイッチング周波数により交
互にオン/オフを行う動作が得られる。即ち、電圧共振
形で、かつ、プッシュプルによるスイッチング動作が得
られる。スイッチング素子Q1、Q2のスイッチング出力
はそれぞれ一次巻線N1A,N1Bに供給され、被制御巻線
NRを介して平滑コンデンサCiに流れる。このように
してプッシュプル動作を行う電圧共振形コンバータを設
けることで、本実施の形態としては、最大負荷電力20
0W以上に対応することが可能となる。
【0066】そして、本実施の形態においても、共振電
流検出巻線NDの巻数が0.5Tとされていることで、
先の実施の形態にて説明したのと同様に、共振電流検出
巻線NDとトランス結合された駆動巻線NB1,NB2に誘
起される電圧レベルが低下するため、スイッチング素子
Q1,Q2の自励発振駆動回路系に対してそれぞれ設けら
れるべきベース電流制限用抵抗を削除することが可能に
なる。これにより本実施の形態においても、ベース電流
制限用抵抗が挿入されることに因る自励発振駆動回路系
での電力損失が解消される。ここでは、2つの自励発振
駆動回路系における電力損失が解消されるため、0.7
W×2=1.4W程度の電力変換効率の向上が図られ
る。またこの場合にも、図示してないが、共振電流検出
巻線NDに対して所定のインダクタンスを有するフェラ
イトビーズインダクタL0を並列に接続すれば、最大負
荷電力の増加が図られる。
【0067】なお、本発明としては上記各図に示した構
成に限定されるものではなく、各種変更が可能とされ
る。例えば、第1の実施の形態として図1に示したよう
に、二次側において、二次側直列共振回路を含む倍電圧
整流回路を備えた複合共振形コンバータとしての構成
は、他の第2〜第4の実施の形態に示した電圧共振形ス
イッチングコンバータを備えた構成に対しても適用が可
能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、自励式に
よりスイッチング駆動される電流共振形スイッチングコ
ンバータ、或いは共振形スイッチングコンバータとし
て、例えば、検出巻線の巻数を従来の1Tから0.5と
して、そのインダクタンスを小さく設定することによっ
て、自励発振駆動回路からスイッチング素子(バイポー
ラトランジスタ)のベース(導通制御端子)に対して供
給すべきスイッチング駆動電流レベルが、スイッチング
素子のドライブ条件に適合するものとなるようにしてい
る。このため、従来のようにして、スイッチング素子の
ベースに対してベース電流制限用抵抗を挿入する必要が
無くなる。これによって、電力変換効率の向上が図られ
るものである。また、ベース電流制限用抵抗が省略され
ることで、それだけ電源回路を構成する部品点数も削減
されるため、回路規模の小型軽量化及び低コスト化を促
進することが可能になる。
【0069】また、本発明では、共振電流検出巻線に対
してフェライトビーズインダクタを並列に挿入するとい
う、非常に簡略で、かつ、小さなサイズの部品追加によ
って比較的重負荷の条件に対応することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図2】図1に示す電源回路に備えられる直交型制御ト
ランスの構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図5】図1に示す電源回路に備えられる絶縁コンバー
タトランスの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態の電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図7】従来例としての電源回路(電流共振形)の構成
を示す回路図である。
【図8】図7に示す電源回路の要部の動作を示す波形図
である。
【図9】従来例としての電源回路(電圧共振形)の構成
を示す回路図である。
【図10】図9に示す電源回路の要部の動作を示す波形
図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Ci,CiB 平滑コンデンサ、Cr
並列共振コンデンサ、Cs1,Cs2 二次側直列共振コ
ンデンサ、Di ブリッジ整流回路、DO1,DO2,DO
3,DO4 整流ダイオード、PIT 絶縁コンバータト
ランス、PRT直交型制御トランス,ドライブトラン
ス、ND 共振電流検出巻線、L0 フェライトビーズイ
ンダクタ、NB,NB1,NB2 (検出)駆動巻線、LB
インダクタ(駆動巻線)、NC 制御巻線、NR 被制御
巻線、Q1,Q2 スイッチング素子、DB ブースト用
ダイオード、N3 (ブースト用)巻線

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された直流入力電圧を断続して絶縁
    コンバータトランスの一次巻線に出力するように構成さ
    れたスイッチング手段と、 上記スイッチング手段を形成し、電流制御により駆動さ
    れるスイッチング素子を自励式によりスイッチング駆動
    するための自励発振駆動回路と、 少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む
    漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に対して直列
    に接続される直列共振コンデンサのキャパシタンスとに
    よって形成されて、上記スイッチング手段の動作を電流
    共振形とする一次側直列共振回路と、 上記一次側直列共振回路の共振出力を検出可能に挿入さ
    れ、所定のインダクタンスが得られるようにその巻数が
    設定された検出巻線とが備えられると共に、 上記自励発振駆動回路は、 上記検出巻線に得られる電圧により励起されるようにし
    て設けられる駆動巻線と、 上記駆動巻線に対して自励発振回路内並列共振コンデン
    サを並列に接続することで形成される自励発振回路内並
    列共振回路と、 上記駆動巻線に対して自励発振回路内直列共振コンデン
    サを直列に接続することにより形成され、上記スイッチ
    ング素子の導通制御端子に対して接続される自励発振回
    路内直列共振回路とを備えて形成されることを特徴とす
    るスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記検出巻線の巻数は0.5Tとされて
    いることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電
    源回路。
  3. 【請求項3】 上記検出巻線と上記駆動巻線はトランス
    結合されており、 上記自励発振駆動回路においては、上記スイッチング素
    子の導通制御端子と上記駆動巻線間に対して自励発振回
    路内直列共振コンデンサが直列に挿入されていることを
    特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 【請求項4】 上記検出巻線に対して、所定のインダク
    タンスを有するフェライトビーズインダクタが並列に接
    続されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチン
    グ電源回路。
  5. 【請求項5】 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線
    に対して二次側直列共振コンデンサを直列に接続するこ
    とで、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩イ
    ンダクタンス成分と、上記二次側直列共振コンデンサの
    キャパシタンスとによって直列共振回路を形成する二次
    側直列共振回路と、 二次側整流電流経路に対して上記二次側直列共振コンデ
    ンサを挿入して形成され、上記絶縁コンバータトランス
    の二次巻線に得られる交番電圧を入力して倍電圧全波整
    流動作を行って、入力電圧レベルのほぼ2倍に対応する
    二次側直流出力電圧を得るように構成された直流出力電
    圧生成手段と、 を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスイッ
    チング電源回路。
  6. 【請求項6】 入力された直流入力電圧を断続して絶縁
    コンバータトランスの一次巻線に出力するように構成さ
    れたスイッチング手段と、 上記スイッチング手段を形成し、電流制御により駆動さ
    れるスイッチング素子を自励式によりスイッチング駆動
    するための自励発振駆動回路と、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と共振コンデンサのキャパ
    シタンスとによって形成されて、上記スイッチング手段
    の動作を電圧共振形とする一次側共振回路と、 上記一次側共振回路の共振出力を検出可能に挿入され、
    所定のインダクタンスが得られるようにその巻数が設定
    された検出巻線とが備えられると共に、 上記自励発振駆動回路は、 上記検出巻線に得られる電圧により励起されるようにし
    て設けられる駆動巻線と、 上記駆動巻線に対して自励発振回路内直列共振コンデン
    サを直列に接続することにより形成され、上記スイッチ
    ング素子の導通制御端子に対して接続される自励発振回
    路内直列共振回路とを備えて形成されることを特徴とす
    るスイッチング電源回路。
  7. 【請求項7】 上記検出巻線の巻数は0.5Tとされて
    いることを特徴とする請求項6に記載のスイッチング電
    源回路。
  8. 【請求項8】 上記検出巻線と上記駆動巻線はトランス
    結合されており、 上記自励発振駆動回路においては、上記スイッチング素
    子の導通制御端子と上記駆動巻線間に対して自励発振回
    路内直列共振コンデンサが直列に挿入されていることを
    特徴とする請求項6に記載のスイッチング電源回路。
  9. 【請求項9】 上記自励発振駆動回路は、 上記検出巻線に対して上記駆動巻線が直列に接続される
    直列接続回路が形成されると共に、この直列接続回路に
    対して、自励発振回路内並列共振コンデンサが並列に接
    続されることで自励発振回路内並列共振が形成され、更
    に、上記検出巻線と上記スイッチング素子の導通制御端
    子間に対して、上記自励発振回路内直列共振コンデンサ
    が挿入されて形成されることを特徴とする請求項6に記
    載のスイッチング電源回路。
  10. 【請求項10】 上記検出巻線に対して、所定のインダ
    クタンスを有するフェライトビーズインダクタが並列に
    接続されることを特徴とする請求項6に記載のスイッチ
    ング電源回路。
  11. 【請求項11】 上記整流平滑電圧に対して、上記スイ
    ッチング手段のスイッチング出力を利用して生成したブ
    ースト電圧を重畳してブースト整流平滑電圧を得て、こ
    のブースト整流平滑電圧を上記直流入力電圧として上記
    スイッチング手段に供給するようにされていると共に、
    上記被制御巻線を含むことにより、この被制御巻線のイ
    ンダクタンスの変化によって上記ブースト整流平滑電圧
    を一定とするように制御可能な構成を採るブースト手
    段、 を設けたことを特徴とする請求項6に記載のスイッチン
    グ電源回路。
  12. 【請求項12】 上記絶縁コンバータトランスの二次巻
    線に対して二次側直列共振コンデンサを直列に接続する
    ことで、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線の漏洩
    インダクタンス成分と、上記二次側直列共振コンデンサ
    のキャパシタンスとによって直列共振回路を形成する二
    次側直列共振回路と、 二次側整流電流経路に対して上記二次側直列共振コンデ
    ンサを挿入して形成され、上記絶縁コンバータトランス
    の二次巻線に得られる交番電圧を入力して倍電圧全波整
    流動作を行って、入力電圧レベルのほぼ2倍に対応する
    二次側直流出力電圧を得るように構成された直流出力電
    圧生成手段と、 を備えていることを特徴とする請求項6に記載のスイッ
    チング電源回路。
  13. 【請求項13】 上記スイッチング手段は2組とされ
    て、プッシュプルによるスイッチング動作が得られるよ
    うに構成されていることを特徴とする請求項6に記載の
    スイッチング電源回路。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7164340B2 (en) 2004-04-23 2007-01-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transformer for switching power supply
JP2012186563A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Toshiba Corp スイッチング電源とその駆動方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7164340B2 (en) 2004-04-23 2007-01-16 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Transformer for switching power supply
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