JP2002272103A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2002272103A
JP2002272103A JP2001064484A JP2001064484A JP2002272103A JP 2002272103 A JP2002272103 A JP 2002272103A JP 2001064484 A JP2001064484 A JP 2001064484A JP 2001064484 A JP2001064484 A JP 2001064484A JP 2002272103 A JP2002272103 A JP 2002272103A
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switching
switching element
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JP2001064484A
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計のマージンを小さなものとし、負荷短絡
時のスイッチング素子の過電流を防止する。 【解決手段】 2石構成のスイッチング素子のハーフブ
リッジ結合による共振形コンバータにおいて、一次側電
流共振形コンバータとしては自励式とし、定電圧制御の
ために、MOS−FETのゲート電極に対して二次側直
流出力電圧のレベルに応じて可変制御される制御電圧を
印加する。そしてMOS−FETの導通状態により自励
発振回路のキャパシタンスが変化し、ローサイドスイッ
チング周波数が可変制御される。即ちハイサイドスイッ
チング素子のオン時間は一定で、ローサイドスイッチン
グ素子を、その導通角及びスイッチング周波数が同時に
可変される複合制御方式によってスイッチング制御す
る。負荷短絡の異常時にはスイッチング周波数は急上昇
され、スイッチング素子には過度の電流が流れないよう
にされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることがわかってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図5は先に本出願人により提案された発明
に基づいて構成することのできるスイッチング電源回路
の一構成例を示す回路図である。この電源回路には自励
式の電流共振形コンバータが採用されている。
【0004】この図に示すスイッチング電源回路におい
ては、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiか
らなる整流平滑回路により、商用交流電源AC(交流入
力電圧VAC)を整流平滑化して、例えば交流入力電圧V
ACのピーク値の1倍に対応する直流入力電圧を生成す
る。この電源回路のスイッチングコンバータは、図のよ
うに2つのスイッチング素子Q1 ,Q2 をハーフブリッ
ジ結合したうえで、平滑コンデンサCiの正極側の接続
点とアース間に対して挿入するようにして接続されてい
る。この場合、スイッチング素子Q1 ,Q2 にはバイポ
ーラトランジスタ(BJT;接合型トランジスタ)が採
用される。
【0005】このスイッチング素子Q1 ,Q2 の各コレ
クタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1,RS2が挿
入される。また、スイッチング素子Q1 ,Q2 のベース
−エミッタ間にはクランプダイオードDD1,DD2がそれ
ぞれ挿入されている。この場合、クランプダイオードD
D1のカソードはスイッチング素子Q1 のベースと接続さ
れ、アノードはスイッチング素子Q1 のエミッタと接続
される。また、同様にクランプダイオードDD2のカソー
ドはスイッチング素子Q2 のベースと接続され、アノー
ドはスイッチング素子Q2 のエミッタと接続される。
【0006】スイッチング素子Q1 のベースとスイッチ
ング素子Q2 のコレクタ間に対しては、ベース電流制限
抵抗RB1、共振用コンデンサCB1、駆動巻線NB1の直列
接続回路が挿入される。共振用コンデンサCB1は自身の
キャパシタンスと、駆動巻線NB1のインダクタンスLB1
と共に直列共振回路を形成する。同様に、スイッチング
素子Q2 のベースと一次側アース間に対しては、ベース
電流制限抵抗RB2、共振用コンデンサCB2、駆動巻線N
B2の直列接続回路が挿入されており、共振用コンデンサ
CB2と駆動巻線NB2のインダクタンスLB2と共に自励発
振用の直列共振回路を形成する。
【0007】直交形制御トランスPRT (Power Regula
ting Transformer)は、スイッチング素子Q1 ,Q2 を
駆動すると共に、後述するようにして定電圧制御を行う
ために設けられる。この直交形制御トランスPRTは、
駆動巻線NB1,NB2及び共振電流を検出する共振電流検
出巻線ND が巻回され、更にこれらの各巻線に対して制
御巻線NCが直交する方向に巻回された直交型の可飽和
リアクトルとして構成される。駆動巻線NB1の一端は、
共振用コンデンサCB1−抵抗RB1の直列接続を介してス
イッチング素子Q1 のベースに接続され、他端はスイッ
チング素子Q2 のコレクタに接続される。駆動巻線NB2
の一端はアースに接地されると共に、他端は共振用コン
デンサCB2−抵抗RB2の直列接続を介してスイッチング
素子Q2 のベースと接続されている。駆動巻線NB1と駆
動巻線NB2は互いに逆極性の電圧が発生するように巻装
されている。また、共振電流検出巻線ND の一端はスイ
ッチング素子Q1 のエミッタとスイッチング素子Q2 の
コレクタとの接続点(スイッチング出力点)に対して接
続され、他端は後述する絶縁コンバータトランスPIT
の一次巻線N1 の一端に対して接続される。なお、共振
電流検出巻線ND の巻数(ターン数)は例えば1T(タ
ーン)程度とされている。
【0008】この直交形制御トランスPRTの構造とし
ては、図示は省略するが、4本の磁脚を有する2つのダ
ブルコの字形コアの互いの磁脚の端部を接合するように
して立体型コアを形成する。そして、この立体型コアの
所定の2本の磁脚に対して、同じ巻装方向に共振電流検
出巻線ND、駆動巻線NBを巻装し、更に制御巻線NC
を、上記共振電流検出巻線ND及び駆動巻線NBに対して
直交する方向に巻装して構成される。
【0009】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)は、スイッチング素子Q1 ,Q2
のスイッチング出力を二次側に伝送する。この場合、絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端は、
共振電流検出巻線ND を介してスイッチング素子Q1 の
エミッタとスイッチング素子Q2のコレクタの接点(ス
イッチング出力点)に接続されることで、スイッチング
出力が得られるようにされる。また、一次巻線N1 の他
端は、例えばフィルムコンデンサからなる直列共振コン
デンサCr1を介して一次側アースに接地されている。
この場合、上記直列共振コンデンサCr1及び一次巻線
N1 は直列に接続されているが、この直列共振コンデン
サCr1のキャパシタンス及び一次巻線N1 (直列共振
巻線)を含む絶縁コンバータトランスPITの漏洩イン
ダクタンス(リーケージインダクタンスL1 )成分とに
より、スイッチングコンバータの動作を電流共振形とす
るための直列共振回路を形成している。
【0010】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、部分電圧共振用の並列共振コン
デンサCr2が並列に接続される。この並列共振コンデ
ンサCr2は、スイッチング素子Q1 ,Q2 のZVS
(Zero Voltage Switching)及びZCS(Zero Current
Switching)動作させるために設けられる。
【0011】また、この図における絶縁コンバータトラ
ンスPITの二次側では、二次巻線N2 に対してセンタ
ータップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,D
O3,DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接
続することで、[整流ダイオードDO1,DO2、平滑コン
デンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4、平
滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の全波整流回路
が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2、平滑コン
デンサCO1]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO1
を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4、平滑コンデン
サCO2]から成る全波整流回路は直流出力電圧EO2を生
成する。つまり、この図に示す回路では、二次側におい
て直流出力電圧を得るのにあたり全波整流回路が設けら
れる。なお、この場合には、直流出力電圧EO1及び直流
出力電圧EO2は制御回路1に対しても分岐して入力され
る。制御回路1においては、直流出力電圧EO1を検出電
圧として利用し、直流出力電圧EO2を制御回路1の動作
電源として利用する。
【0012】制御回路1は、例えば二次側の直流電圧出
力EO1のレベルに応じてそのレベルが可変される直流電
流を、制御電流としてドライブトランスPRTの制御巻
線NC に供給することにより後述するようにして定電圧
制御を行う。
【0013】上記構成による電源回路のスイッチング動
作としては、先ず商用交流電源が投入されると、例えば
起動抵抗RS1,RS2を介してスイッチング素子Q1 ,Q
2 のベースに起動電流が供給されることになるが、例え
ばスイッチング素子Q1 が先にオンになったとすれば、
スイッチング素子Q2 はオフとなるように制御される。
そしてスイッチング素子Q1 の出力として、共振電流検
出巻線ND →一次巻線N1 →直列共振コンデンサCr1
に共振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍で
スイッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1 が
オフとなるように制御される。そして、スイッチング素
子Q2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以
降、スイッチング素子Q1 ,Q2 が交互にオンとなる自
励式のスイッチング動作が開始される。このように、平
滑コンデンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチ
ング素子Q1 ,Q2 が交互に開閉を繰り返すことによっ
て、絶縁コンバータトランスPITの一次側巻線N1 に
共振電流波形に近いドライブ電流を供給し、二次側の巻
線N2 に交番出力を得る。
【0014】また、直交形制御トランスPRTによる定
電圧制御は次のようにして行われる。例えば、交流入力
電圧や負荷電力の変動によって二次側出力電圧EO1が変
動したとすると、制御回路1では二次側出力電圧EO1の
変動に応じて制御巻線NC に流れる制御電流のレベルを
可変制御する。この制御電流により直交形制御トランス
PRTに発生する磁束の影響で、直交形制御トランスP
RTにおいては飽和傾向の状態が変化し、駆動巻線NB
1,NB2のインダクタンスを変化させるように作用する
が、これにより自励発振回路の条件が変化してスイッチ
ング周波数が変化するように制御される。この図に示す
電源回路では、直列共振コンデンサCr1 及び一次巻線
N1 の直列共振回路の共振周波数よりも高い周波数領域
でスイッチング周波数を設定しているが、例えばスイッ
チング周波数が高くなると、直列共振回路の共振周波数
に対してスイッチング周波数が離れていくようにされ
る。これにより、スイッチング出力に対する一次側直列
共振回路の共振インピーダンスは高くなる。このように
して共振インピーダンスが高くなることで、一次側直列
共振回路の一次巻線N1 に供給されるドライブ電流が抑
制される結果、二次側出力電圧が抑制されることになっ
て、定電圧制御が図られることになる。なお、このよう
な方法による定電圧制御方式を「スイッチング周波数制
御方式」と呼ぶ。
【0015】この図5に示した構成によるスイッチング
電源回路における、重負荷時で交流入力電圧VAC=10
0V時の一次側電流共振形コンバータのスイッチング動
作波形の一例を図6に示す。駆動巻線NB2に発生する共
振電圧により共振電流I2が流れるが、スイッチング素
子Q2 のベースに対しては、共振用コンデンサCB2−抵
抗RB2の直列接続を介して共振電流が流れる。そして、
この共振電流が例えばクランプダイオードDD2から流れ
るクランプ電流と合成されることで、スイッチング素子
Q2 のベースには駆動電流IB2が流れる。このような駆
動電流IB2によって、スイッチング素子Q2 は期間TO
N’においてオンとなり、スイッチング素子Q2 のコレ
クタには、コレクタ電流IQ2が流れる。また、期間TOF
F’ となると、駆動電流IB2は0レベルとなって、スイ
ッチング素子Q2 もオフ(非導通)となる。これによ
り、上記期間TON’,TOFF’におけるスイッチング素
子Q2 のコレクタ−エミッタ間電圧VQ2は図示するよう
な波形となる。
【0016】これに対して、スイッチングQ1 の動作波
形は、上記のスイッチング素子Q2の動作波形とは位相
が180度ずれた波形として示され、スイッチング素子
Q1のベースには図示するように駆動電流IB1が流れ
る。このような駆動電流IB1によって、スイッチング素
子Q1は期間TON(スイッチング素子Q2 の期間TOF
F’に対応する期間)においてオンとなり、スイッチン
グ素子Q1のコレクタには、コレクタ電流IQ1が流れ
る。また、期間TOFF(スイッチング素子Q2 の期間TO
N’に対応する期間)となると、駆動電流IB1は0レベ
ルとなって、スイッチング素子Q1もオフ(非導通)と
なる。これにより、上記期間TON,TOFFにおけるスイ
ッチング素子Q1のコレクタ−エミッタ間電圧VQ1は図
示するような波形となる。
【0017】また、このようにして動作する図5の電源
回路において、直交形制御トランスPRTは、交流入力
電圧VACや負荷電流Ioの変動に対して、スイッチング
素子がオフQ1,Q2のオン時間とオフ時間のデューテ
ィー比は一定でスイッチング周波数fsを制御してい
る。制御特性を図7に示す。
【0018】二次側直流出力電圧EO1の負荷電流Ioが
0〜1.5Aの範囲で変化するのに応じて、制御電流I
cは、図のようにして変化する。つまり、負荷電流が増
加して重負荷の条件となり、二次側直流出力電圧EO1が
低下していくのに従って制御電流レベルを減少させるよ
うにして制御が行われる。この結果、スイッチング周波
数fsとしては、重負荷の条件となるのに従って低下し
ていくようにして制御が行われる。また、交流入力電圧
VACの変動に対応するものとして、交流入力電圧VAC=
120VとVAC=90Vの場合が示されているが、制御
電流Icは、交流入力電圧VAC=120V時の条件のほ
うが交流入力電圧VAC=90V時の条件よりも増加して
おり、スイッチング周波数fsについては、交流入力電
圧VAC=120V時の条件のほうが交流入力電圧VAC=
90V時の条件よりも高くなっている。これは、交流入
力電圧VACのレベルが高くなって二次側直流出力電圧E
O1が上昇したとされる場合には制御電流Icは増加され
るようにして制御され、これに応じてスイッチング周波
数fsも上昇されるようにして制御されることを示して
いる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図5に
示す電源回路は、上記図7に示した制御特性からも分か
るように、電源の安定化にあたり、重負荷の条件となる
のに従ってスイッチング周波数を低く制御するように動
作する。このため、負荷が短絡した異常時においてはス
イッチング周波数fsに対する制御機能が動作しなくな
り、スイッチング周波数fsは定常の制御範囲を外れ
て、例えば最低動作周波数であるところの90KHzよ
りも低い、80KHzにまで低下してしまう。
【0020】このような状態では、絶縁コンバータトラ
ンスPITの一次巻線N1の漏洩インダクタンスと励磁
インダクタンスによる鋸歯状波形の電流がスイッチング
素子Q1,Q2のオン時に流れ、例えば図8に示すよう
にコレクタ電流IQ2が鋸歯状波となってピークレベルが
上昇する。もしピークレベルが大きく上昇してスイッチ
ング素子Q1,Q2の最大許容電流をオーバーするとス
イッチング素子Q1,Q2が破壊されるため、それを避
けるには最大許容電流が十分に大きなスイッチングトラ
ンジスタを選定する必要がある。ところがその場合、例
えばTO−3Pなどの大型パッケージのものが選定され
ることとなり、コスト的に好ましくないため、それに代
えて過電流保護回路を設けることが考えられる。即ち絶
縁コンバータトランスPITの2次側に過電流検出抵抗
を挿入して、負荷短絡の異常時に直交形制御トランスP
RTの制御巻線Ncに対して60mA以上の電流を流す
ようにする。これにより、スイッチング周波数fsを定
格動作周波数以上に上昇させることで、電流IQ1、IQ2
のピーク電流を低下させるものである。しかしながら、
過電流保護回路を備えると、過電流検出抵抗の電力損失
のためにAC/DC電力変換効率が低下するという問題
が生ずる。
【0021】また、ACスイッチ投入時にはスイッチン
グ周波数fsを上昇させて、定格負荷、定格交流入力電
圧に到達するまでの時間に、直交形制御トランスPRT
の制御巻線Ncに60mA以上の制御電流を流すソフト
スタート回路が必要である。従って図5に示した電源回
路以外の補助電源回路から直交形制御トランスPRTの
制御巻線Ncに60mA以上の制御電流を供給する構成
を採らなければならない。このためソフトスタート回路
による部品点数の増加、回路規模の拡大が生ずることと
なる。
【0022】また、図5に示した電源回路のような、自
励式でスイッチング周波数制御が行われるスイッチング
コンバータを備える電源回路では、直交形制御トランス
PRTが備えられることになる。しかし、この直交形制
御トランスPRTは、制御巻線に流す制御電流量を少な
くするために、コアのギャップは10μmm程度の僅か
なものとしている。このため、製造時においてはそのギ
ャップの精度誤差が生じざるを得なくなるが、これは、
直交形制御トランスPRTに巻装される駆動巻線NB1、
NB2のインダクタンス値について±10%の範囲でばら
つきを生じさせる。そして駆動巻線NBのインダクタン
ス値にばらつきが生じれば、この駆動巻線NBを備えて
形成される自励発振駆動回路の共振周波数に誤差が生じ
ることとなる。このため、商用交流電源が100V系で
あって、交流入力電圧VAC=90V〜120Vの制御範
囲を保証するためには、ばらつきに対するマージンを考
慮して、交流入力電圧VAC=80V以上から安定化制御
が可能なように大きなマージンをとって回路を構成する
必要があり、それだけ設計としては容易でなくなってい
たものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮して、スイッチング電源回路として次のよう
に構成することとした。つまり、2石のスイッチング素
子(ハイサイドスイッチング素子とローサイドスイッチ
ング素子)をハーフブリッジ結合して形成され直流入力
電圧についてスイッチングを行うスイッチング手段と、
疎結合とされる所要の結合係数が得られるように形成さ
れ上記スイッチング手段により一次巻線に得られる出力
を二次巻線に伝送する絶縁コンバータトランスと、少な
くとも上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を含む漏
洩インダクタンス成分と上記一次巻線に対して直列に接
続される直列共振コンデンサのキャパシタンスとによっ
て形成されて上記スイッチング素子のスイッチング動作
を電流共振形とする電流共振回路と、上記2石のスイッ
チング素子のいずれかに並列に接続され上記並列に接続
されたスイッチング素子がオフしたとき部分共振する部
分共振コンデンサと、少なくとも上記絶縁コンバータト
ランスの一次巻線とともに巻装されるドライブ巻線を含
む漏洩インダクタンス成分とコンデンサと抵抗とによる
直列共振回路として構成され上記2石のスイッチング素
子の各々に対してスイッチング駆動信号を印加してスイ
ッチング動作をさせる一対のスイッチング駆動手段と、
上記一対のスイッチング駆動手段の一方を構成する直列
共振回路のコンデンサに並列に接続されるコンデンサと
MOS−FETとの直列回路と、上記絶縁コンバータト
ランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して所定の
二次側直流出力電圧を生成するように構成された直流出
力電圧生成手段と、上記直流出力電圧生成手段により得
られる直流出力電圧のレベルに応じて可変されるレベル
の制御電圧を上記MOS−FETのゲートに印加するこ
とにより上記スイッチング素子に供給されるスイッチン
グ周波数を制御して上記直流出力電圧についての定電圧
制御を行う定電圧制御手段とを備えるようにする。
【0024】また、上記定電圧制御手段は、上記二次側
直流出力電圧のレベルに応じた制御信号をフォトカプラ
を介して一次側に帰還するようにする。また上記部分共
振コンデンサが並列に接続されたスイッチング素子(ロ
ーサイドスイッチング素子)と並列にダンパーダイオー
ドが接続されるようにする。
【0025】上記構成によれば、共振形コンバータの一
次側に備えられるスイッチング素子は自励式によって駆
動される。さらに定電圧制御のために、2次側の直流出
力電圧に応じてMOS−FETのゲート電圧が制御さ
れ、そのゲート電圧に応じて一方のスイッチング素子
(ローサイドスイッチング素子)のスイッチング周波数
が制御されることになる 即ち、部分共振コンデンサが並列に接続されたスイッチ
ング素子(ローサイドスイッチング素子)は、その導通
角及びスイッチング周波数が同時に可変される複合制御
方式によってスイッチング制御されることになる。一
方、他方のスイッチング素子(ハイサイドスイッチング
素子)はオン時間一定とされる。このような定電圧のた
めの構成では、負荷短絡の異常時には、スイッチング周
波数は高くなるように制御されるという制御動作を得る
ことができる。また、このような定電圧制御の構成であ
れば、例えば自励式の場合にスイッチング周波数可変制
御のために用いられていた直交型制御トランスを省略す
ることが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態とし
ての電源回路の構成を示している。この図1に示す電源
回路は、一次側に電流共振形コンバータを備えた共振形
スイッチングコンバータとしての構成を採る。この図に
示す電源回路においては、先ず、商用交流電源(交流入
力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を得るための整流
平滑回路として、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデ
ンサCiからなる全波整流回路が備えられ、交流入力電
圧VACの1倍のレベルに対応する整流平滑電圧Eiを生
成するようにされる。
【0027】この電源回路のスイッチングコンバータ
は、図のように2つのスイッチング素子Q1(ハイサイ
ドスイッチング素子)及びQ2(ローサイドスイッチン
グ素子)をハーフブリッジ結合したうえで、平滑コンデ
ンサCiの正極側の接続点とアース間に対して挿入する
ようにして接続されている。この場合、スイッチング素
子Q1 ,Q2 にはバイポーラトランジスタ(BJT;接
合型トランジスタ)が採用される。
【0028】このスイッチング素子Q1 ,Q2 の各コレ
クタ−ベース間には、それぞれ起動抵抗RS1,RS2が挿
入される。スイッチング素子Q1のベースは起動抵抗RS
1を介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されてお
り、例えば電源起動時において、上記起動抵抗RS1を介
して得られるベース電流が流れることで起動するように
されている。
【0029】またスイッチング素子Q1のベース−エミ
ッタ間には抵抗R10と低速リカバリ型ダイオードD10が
挿入される。スイッチング素子Q1のコレクタは平滑コ
ンデンサCiの正極と接続され、エミッタは絶縁コンバ
ータトランスPITの一次巻線N1に接続される。
【0030】スイッチング素子Q2のベース−エミッタ
間にはクランプダイオードDD2と抵抗RD2が直列接続さ
れて挿入されている。この場合、クランプダイオードD
D2のカソードがスイッチング素子Q2のベースと接続さ
れ、クランプダイオードDD2のアノードは抵抗RD2を介
して1次側アースに接続される。さらに、スイッチング
素子Q2のコレクタ−エミッタ間に対して並列にダンパ
ーダイオードD2が接続される。これによりスイッチン
グ素子のベース−コレクタ電極を介して流れるダンパー
電流が流れないようにされる。
【0031】絶縁コンバータトランスPIT (Power Is
olation Transformer)は、スイッチング素子Q1 ,Q2
のスイッチング出力を二次側に伝送する。この場合、絶
縁コンバータトランスPITの一次巻線N1 の一端はス
イッチング素子Q1 のエミッタとスイッチング素子Q2
のコレクタの接点(スイッチング出力点)に接続される
ことで、スイッチング出力が得られるようにされる。ま
た、一次巻線N1 の他端は、例えばフィルムコンデンサ
からなる直列共振コンデンサCr1を介して一次側アー
スに接地されている。そして上記直列共振コンデンサC
r1及び一次巻線N1 は直列に接続されているが、この
直列共振コンデンサCr1のキャパシタンス及び一次巻
線N1 (直列共振巻線)を含む絶縁コンバータトランス
PITの漏洩インダクタンス(リーケージインダクタン
スL1 )成分とにより、スイッチングコンバータの動作
を電流共振形とするための直列共振回路を形成してい
る。
【0032】また、スイッチング素子Q2 のコレクタ−
エミッタ間に対しては、部分電圧共振用の並列共振コン
デンサCr2が並列に接続される。この並列共振コンデ
ンサCr2は、スイッチング素子Q1 ,Q2 をZVS動
作及びZCS動作させるために設けられる。
【0033】スイッチング素子Q1のベースに対して
は、図示するように、[駆動巻線NB1−共振コンデンサ
CB1−インダクタLB1−ベース電流制限抵抗RB1]のL
CR直列接続回路が接続される。この直列接続回路は、
スイッチング素子Q1を自励式により駆動するための自
励発振駆動回路とされる。自励発振駆動回路内の駆動巻
線NB1は、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N
1を巻き上げるようにして巻装される。そして自励発振
駆動回路としては、駆動巻線NB1−共振コンデンサCB1
−インダクタLB1とによって、直列共振回路を形成す
る。この直列共振回路の共振周波数は、インダクタLB1
と駆動巻線NB1のインダクタンスと、共振コンデンサC
B1のキャパシタンスとによって決定される。
【0034】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
の一次巻線N1が巻き上げられた駆動巻線NB1には、ド
ライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ
電圧は、ベース電流制限抵抗RB1と直列共振回路(NB1
−CB1−LB1)とを介するようにして、ドライブ電流と
してスイッチング素子Q1のベースに出力される。これ
により、スイッチング素子Q1は、直列共振回路の共振
周波数により決定される固定のスイッチング周波数でス
イッチング動作を行うことになる。そして、そのエミッ
タに得られるスイッチング出力を絶縁コンバータトラン
スPITの一次巻線N1に伝達する。
【0035】またスイッチング素子Q2のベースに対し
ては、図示するように、[共振コンデンサCB21−駆動
巻線NB2−ベース電流制限抵抗RB2−インダクタLB2]
のLCR直列接続回路が接続される。この直列接続回路
は、スイッチング素子Q2を自励式により駆動するため
の自励発振駆動回路とされる。この場合、自励発振駆動
回路内の駆動巻線NB2は、絶縁コンバータトランスPI
Tの一次側に巻装されることで、一次巻線N1に得られ
るスイッチング出力電圧により励起される。そして、自
励発振駆動回路としては、共振コンデンサCB12−駆動
巻線NB2−インダクタLB2とによって、直列共振回路を
形成する。この直列共振回路の共振周波数は、インダク
タLB2と駆動巻線NB2のインダクタンスと、共振コンデ
ンサCB21のキャパシタンスとによって決定される。た
だし本例では、共振コンデンサCB21と並列にキャパシ
タンス可変用コンデンサCB22とMOS−FET(Q2)
の直列回路が接続されている。この機能については後述
する。
【0036】この場合、絶縁コンバータトランスPIT
の一次巻線N1により励起される駆動巻線NB2には、ド
ライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ
電圧は、ベース電流制限抵抗RB2と直列共振回路(CB2
1−NB2−LB2)とを介するようにして、ドライブ電流
としてスイッチング素子Q2のベースに出力される。こ
れにより、スイッチング素子Q2は、直列共振回路の共
振周波数により決定されるスイッチング周波数でスイッ
チング動作を行うことになる。そして、そのコレクタに
得られるスイッチング出力を絶縁コンバータトランスP
ITの一次巻線N1に伝達する。
【0037】また、この図に示す回路の場合には、絶縁
コンバータトランスPITの一次側に対して、三次巻線
N3が巻装される。この三次巻線N3に対してはダイオー
ドD1及びコンデンサC1から成る半波整流回路が接続さ
れており、このコンデンサC1の両端に対しては、所定
レベルの低圧直流電圧が得られることになる。そして、
コンデンサC1の正極端子は、フォトカプラPCのフォ
トトランジスタに接続される。フォトカプラPCのフォ
トトランジスタには、コンデンサC1の正極端子に得ら
れる電圧と、後述する絶縁コンバータトランスPITの
2次側に配されているフォトダイオードの電流に応じた
電流が流れるが、その電流は抵抗R1,R2によって分
圧された電圧として、MOS−FET(Q3)のゲート
に印加される。
【0038】MOS−FET(Q3)のドレインは、キ
ャパシタンス可変用コンデンサCB22と接続され、ソー
スは一次側アースに接続される。また、クランプダイオ
ードDD3は、MOS−FET(Q3)のドレイン−ソー
ス間に対して図示する方向により並列に接続される。こ
の場合のクランプダイオードDD3には、MOS−FET
(Q3)に内蔵される、いわゆるボディダイオードを利
用することができる。そして上述したようにキャパシタ
ンス可変用コンデンサCB22とMOS−FET(Q3)
の直列回路が共振コンデンサCB21と並列に接続されて
いることで、MOS−FET(Q3)の導通状態によ
り、直列共振回路(CB21−NB2−LB2)のキャパシタ
ンスを可変する作用が得られる。つまりスイッチング素
子Q2のベースに印加されるスイッチング周波数が可変
制御される。
【0039】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1、Q2のスイッチング出力を二次側に伝
送する。絶縁コンバータトランスPITは、例えばフェ
ライト材による2組のE型コアを互いの磁脚が対向する
ように組み合わせたEE型コアが備えられ、このEE型
コアの中央磁脚に対して、分割ボビンを利用して一次巻
線N1と、二次巻線N2をそれぞれ分割した状態で巻装し
ている。そして、中央磁脚に対してはギャップを形成す
るようにしている。これによって、所要の結合係数によ
る疎結合が得られるようにしている。ギャップは、2組
のE型コアの各中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くす
ることで形成することが出来る。また、結合係数kとし
ては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得るよ
うにしており、その分、飽和状態が得られにくいように
している。
【0040】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、二次巻線N2 に対してセンタータップを設けた上
で、整流ダイオードDO1,DO2,DO3,DO4及び平滑コ
ンデンサCO1,CO2を図のように接続することで、[整
流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO1]の組
と、[整流ダイオードDO3,DO4、平滑コンデンサCO
2]の組とによる、2組の全波整流回路が設けられる。
[整流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO1]か
ら成る全波整流回路は直流出力電圧EO1を生成し、[整
流ダイオードDO3,DO4、平滑コンデンサCO2]から成
る全波整流回路は直流出力電圧EO2を生成する。つま
り、この図に示す回路では、二次側において直流出力電
圧を得るのにあたり全波整流回路が設けられる。なお、
直流出力電圧EO1は制御回路1に対しても分岐して入力
される。また制御回路1にはフォトカプラPCのフォト
ダイオードのアノードが接続される。フォトダイオード
のカソードは抵抗Roを介して二次側アースに対して接
続される。制御回路1は、直流出力電圧EO1のレベルに
応じた電流をフォトダイオードに流すこととなる。ここ
では制御回路1は、直流出力電圧EO1のレベルが低下す
ると、その低下分に応じてフォトダイオードに流す電流
量を増加させる回路構成とされている。
【0041】このような図1の構成による電源回路のス
イッチング動作としては、先ず商用交流電源が投入され
ると、例えば起動抵抗RS1を介してスイッチング素子Q
1のベースに起動電流が供給され、スイッチング素子Q1
がオンになると、スイッチング素子Q2 はオフとなる
ように制御される。そしてスイッチング素子Q1 の出力
として、一次巻線N1 →直列共振コンデンサCr1 に共
振電流が流れるが、この共振電流が0となる近傍でスイ
ッチング素子Q2 がオン、スイッチング素子Q1 がオフ
となるように制御される。そして、スイッチング素子Q
2 を介して先とは逆方向の共振電流が流れる。以降、ス
イッチング素子Q1 ,Q2 が交互にオンとなる自励式の
スイッチング動作が開始される。このように、平滑コン
デンサCiの端子電圧を動作電源としてスイッチング素
子Q1 ,Q2 が交互に開閉を繰り返すことによって、絶
縁コンバータトランスPITの一次側巻線N1 に共振電
流波形に近いドライブ電流を供給し、二次側の巻線N2
に交番出力を得る。
【0042】直流出力電圧の安定化動作は次のようにな
る。例えば二次側直流出力電圧EO1の負荷電力が軽負荷
の条件となって二次側直流出力電圧EO1のレベルが低く
成るように変化したとする。この場合には制御回路1に
より、フォトダイオードに流れる電流レベルは増加され
ることになる。これにより、一次側のフォトカプラPC
のフォトトランジスタにおいては導通する電流レベルが
増加することになるが、これに伴っては、抵抗R1、R
2によってMOS−FET(Q3)のゲートに得られる
制御電圧Vcは、フォトトランジスタにおける電流の導
通レベルに応じたレベルだけ印加されることで、上昇す
ることになる。
【0043】このようにしてレベルが変化する制御電圧
VcによりMOS−FET(Q3)の導通状態が制御さ
れるが、これによってMOS−FET(Q3)と直列接
続されているキャパシタンス可変用コンデンサCB22の
キャパシタンスが制御され、つまり直列共振回路(CB2
1−NB2−LB2)のキャパシタンスを可変する作用が得
られる。このためスイッチング素子Q2のベースに印加
されるスイッチング周波数が可変制御される。
【0044】直列共振回路(CB21−NB2−LB2)を有
して形成される自励発振回路は、ドライブ巻線NB2に誘
起される電圧VNBを電圧源として、スイッチング素子Q
2のオン期間TON’において共振電流Irによって、ス
イッチング素子Q2にベース電流IBが流れ、スイッチ
ング素子Q2のオフ期間TOFF’には、共振電流Irは
逆極性になり、ベース電流IBが負極性となることによ
ってスイッチング素子Q2はターンオフする。スイッチ
ング素子Q2に対するスイッチング周波数fsは、
【数1】 であり、この(数1)におけるキャパシタンスCBは、
【数2】 で決定されるため、CB21<<CB22となるようにコンデ
ンサCB21、CB22の静電容量を選定すれば、MOS−F
ET(Q3)のゲート電圧によってスイッチング素子Q
2に対するスイッチング周波数fsが可変されるものと
なる。
【0045】なお、このスイッチング周波数可変の際に
は、複合制御方式による動作となり、スイッチング素子
Q2がオフとなる期間は一定で、オンとなる期間を制御
する導通角制御も同時に行われる。そして、このような
動作によって、二次側直流出力電圧EO2のレベルが低下
した際には、それを上昇させる作用が得られることとな
って定電圧化が図られることになる。
【0046】図2は、図1に示した構成による電源回路
における要部の動作を示す波形図である。この図におい
ては、交流入力電圧VAC=100Vで重負荷時における
条件の場合の一次側の動作を示している。
【0047】スイッチング素子Q2の自励発振駆動回路
を形成する駆動巻線NBに発生する駆動電圧VNB2に伴
い、自励発振駆動回路としての直列共振回路(NB2,L
B2,CB21(CB22))には、共振電流Irが流れる。こ
の共振電流Irは、スイッチング素子Q2のオン期間T
ON’において正レベルが得られ、オフ期間TOFF’にお
いては負極性のレベルとなる。そして、オン期間TON’
において共振電流Irが正レベルとなることで、期間T
ON’においてスイッチング素子Q2のベースに対しては
図2に示す波形によるベース電流IB2が流れる。これに
より、スイッチング素子Q2がオンとなりコレクタ電流
IQ2が流れる。一方、期間TOFF’においては、共振電
流Irが負極性のレベルとなることでベース電流IB2は
0レベルとなって、スイッチング素子Q2をオフとす
る。このようにしてスイッチング素子Q2はスイッチン
グ駆動されることになり、スイッチング素子Q2のコレ
クタ−エミッタ間の電圧VQ2は図示するとおりとなる。
【0048】なお期間TON’においては、仮にダンパー
ダイオードD2が存在しないとすると、期間TON’の開
始時点でクランプダイオードDD2→Q2ベース→Q2コ
レクタを介してダンパー電流が負極正の方向にながれる
が、これがスイッチング素子Q1と並列にダンパーダイ
オードD2が配されていることによって、コレクタ電流
IQ2、ベース電流IB2の波形からわかるように負極性の
ダンパー電流はわずかなものとなり、その後、コレクタ
→エミッタに対して正極性の方向に流れる波形となる。
【0049】一方、スイッチング素子Q1 のベースには
図示するように駆動電流IB1が流れる。このような駆動
電流IB1によって、スイッチング素子Q1は期間TON
(スイッチング素子Q2 の期間TOFF’に対応する期
間)においてオンとなり、スイッチング素子Q1のコレ
クタには、コレクタ電流IQ1が流れる。また、期間TOF
F(スイッチング素子Q2 の期間TON’に対応する期
間)となると、駆動電流IB1は0レベルとなって、スイ
ッチング素子Q1もオフ(非導通)となる。これによ
り、上記期間TON,TOFFにおけるスイッチング素子Q
1のコレクタ−エミッタ間電圧VQ1は図示するような波
形となる。
【0050】図3は、上記図1に示した電源回路につい
ての定電圧制御特性を示している。図3(a)には、二
次側直流出力電圧EO1の負荷電流Ioに対するスイッチ
ング周波数fsの関係、図3(b)には負荷電流Ioに
対するスイッチング素子Q1,Q2のオン時間TON、T
ON’の関係、図3(c)には負荷電流Ioに対する制御
電圧Vcの関係がそれぞれ示される。また、各図では交
流入力電圧VACについて、VAC=120Vと90Vの場
合が示されている。
【0051】本実施の形態においては、負荷電流Ioが
0Aから1.5Aの範囲で増加する、つまり重負荷の条
件となって二次側直流出力電圧が低下していくのに応じ
て、制御電圧Vcは、図3(c)のように上昇するよう
にして可変制御される。そして、このようにして制御電
流Vcが上昇するのに応じて、図3(a)のようにスイ
ッチング周波数fsとしては、低くなるようにして制御
が行われるものである。またこれに応じて図3(b)の
ようにスイッチング素子Q2のオン時間TON’は長くな
る。スイッチング素子Q1のオン時間TONは一定であ
る。
【0052】本実施の形態においてはこのような制御特
性を得ることで、例えば二次側直流出力電圧EO1,EO2
について負荷短絡となった異常時においては、制御電圧
Vc=0となるように制御されることになるが、これに
よって、スイッチング周波数fsは図1の回路構成であ
れば180KHz以上に急上昇する。このときの動作と
しては、図4に示されるよう、スイッチング素子Q2の
オン期間TON’(=Q1のオフ期間TOFF)が短縮して
おり、スイッチング周波数が高くなるように制御されて
いることが分かる。従って、コレクタ電流IQ1、IQ2の
ピークレベルが抑制されて、定常動作時よりも低いレベ
ルとすることができる。また、図3に示された制御特性
であれば、電源投入時に二次側直流出力電圧が定格負荷
電力に到達するまでの過渡期においても、スイッチング
周波数は高くなるように制御されることになる。従っ
て、このときにも上記図4により説明した動作が得られ
ることになる。
【0053】これは即ち、負荷短絡の状態、又は電源投
入時であっても、スイッチング素子Q1、Q2には過度
の電流が流れないことを意味している。これにより、本
実施の形態の電源回路としては、過電流保護のための回
路及びソフトスタート回路を設ける必要はなくなるもの
であり、それだけ回路を構成する部品点数は削減される
ので、電源回路の小型軽量化及び低コスト化を促進する
ことが可能となる。また、スイッチング素子Q1,Q2
として最大許容電流の小さいものを選定できる。また過
電流保護回路が不要とされて過電流検出抵抗の電力損失
が無くなるため、AC/DC電力変換効率の低下を防止
できる。
【0054】また、本実施の形態の電源回路としては、
一次側電流共振形コンバータとして自励式とされ、かつ
複合制御方式によるスイッチング周波数制御が行われる
ようにされているのであるが、図1により説明した回路
構成としていることで、図6に示されていた直交型制御
トランスPRTを省略しているものである。これによ
り、本実施の形態では、直交型制御トランスPRT製造
時におけるギャップのばらつきに起因する駆動巻線NB
1、NB2についてのインダクタンス値のばらつきの問題
は解消されることになる。従って、交流入力電圧VACの
範囲に対するマージンを少なく設定することが可能とな
るので、回路設計も容易なものとすることが可能にな
る。
【0055】また、スイッチング素子Q2と並列にダン
パーダイオードD2が配されていることによって、クラ
ンプダイオードDD2→Q2ベース→Q2コレクタを介し
て負極性のダンパー電流が流れることが防止され、これ
は回路動作を安定させるものとなる。またMOS−FE
T(Q3)については、耐圧30V、定格電流1A以下
の、低耐圧小容量品でよい。
【0056】なお、本発明としては、上記各実施の形態
として各図に示した構成に限定されるものではない。例
えば、二次側の構成は図示した以外の回路構成による整
流回路が備えられて構わないものである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、2石構成
のスイッチング素子のハーフブリッジ結合による共振形
コンバータにおいて、一次側電流共振形コンバータとし
ては自励式とする。また定電圧制御のために、MOS−
FETのゲート電極に対しては、二次側直流出力電圧の
レベルに応じて可変制御される制御電圧を印加するよう
にしている。そしてMOS−FETの導通状態により自
励発振回路のキャパシタンスが変化し、ローサイドスイ
ッチング素子のスイッチング周波数が可変制御される。
つまりハイサイドスイッチング素子のオン時間は一定
で、ローサイドスイッチング素子のオン時間のみを導通
角制御するようにしている。これにより、ローサイドス
イッチング素子は、その導通角及びスイッチング周波数
が同時に可変される複合制御方式によってスイッチング
制御されることになるが、この場合には、負荷短絡の異
常時にはスイッチング周波数は急上昇され、スイッチン
グ素子には過度の電流が流れないこととなる。またAC
スイッチ投入時に定格負荷状態に達する時間までは、ス
イッチング周波数は高い周波数から制御される低い周波
数に変化する。これらのことから、過電流保護のための
回路及びソフトスタート回路を設ける必要はなくなる。
この結果、例えば電源回路の小型軽量化及び低コスト化
を促進することが可能となる。さらに過電流保護回路が
不要であり、過電流検出抵抗による電力損失が無いこと
から電力変換効率の低下は防止される。
【0058】またMOS−FETについては低耐圧小容
量のものでよく好適である。また、ローサイドスイッチ
ング素子と並列にダンパーダイオードが配されているこ
とによって、ローサイドスイッチング素子のベース−コ
レクタに負極性のダンパー電流が流れることが防止さ
れ、回路動作が安定する。
【0059】さらに本発明の定電圧制御の構成では、直
交型制御トランスを省略することが可能になるため、こ
の直交型制御トランスPRT製造時におけるギャップの
ばらつきに起因するスイッチング周波数の制御範囲のば
らつきの問題は解消されることになる。従って、交流入
力電圧の範囲に対するマージンを少なく設定することが
可能となるので回路設計も容易なものなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の電源回路の構成例を示す
回路図である。
【図2】実施の形態の電源回路の要部の動作を示す波形
図である。
【図3】実施の形態の制御特性の説明図である。
【図4】実施の形態の負荷短絡時における一次側スイッ
チング動作を示すための波形図である。
【図5】先行技術としての電源回路の構成を示す回路図
である。
【図6】先行技術としての電源回路の要部の動作を示す
波形図である。
【図7】先行技術としての電源回路の制御特性の説明図
である。
【図8】先行技術としての電源回路の負荷短絡時の波形
図である。
【符号の説明】
1 制御回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイ
ッチング素子、Q3MOS−FET、PIT 絶縁コン
バータトランス、Cr1 直列共振コンデンサ、Cr2 並
列共振コンデンサ、NB1 NB2 駆動巻線、PC フォ
トカプラ、CB21 共振用コンデンサ、CB22 キャパシ
タンス可変用コンデンサ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2石のスイッチング素子をハーフブリッ
    ジ結合して形成され、直流入力電圧についてスイッチン
    グを行うスイッチング手段と、 疎結合とされる所要の結合係数が得られるように形成さ
    れ、上記スイッチング手段により一次巻線に得られる出
    力を二次巻線に伝送する絶縁コンバータトランスと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線を
    含む漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に対して
    直列に接続される直列共振コンデンサのキャパシタンス
    とによって形成されて、上記スイッチング素子のスイッ
    チング動作を電流共振形とする電流共振回路と、 上記2石のスイッチング素子のいずれかに並列に接続さ
    れ、上記並列に接続されたスイッチング素子がオフした
    とき部分共振する部分共振コンデンサと、 少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線と
    ともに巻装されるドライブ巻線を含む漏洩インダクタン
    ス成分とコンデンサと抵抗とによる直列共振回路として
    構成され、上記2石のスイッチング素子の各々に対して
    スイッチング駆動信号を印加してスイッチング動作をさ
    せる一対のスイッチング駆動手段と、 上記一対のスイッチング駆動手段の一方を構成する直列
    共振回路のコンデンサに並列に接続されるコンデンサと
    MOS−FETとの直列回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番
    電圧を入力して、所定の二次側直流出力電圧を生成する
    ように構成された直流出力電圧生成手段と、 上記直流出力電圧生成手段により得られる直流出力電圧
    のレベルに応じて可変されるレベルの制御電圧を、上記
    MOS−FETのゲートに印加することにより、上記ス
    イッチング素子に供給されるスイッチング周波数を制御
    して、上記直流出力電圧についての定電圧制御を行う定
    電圧制御手段と、 を備えていることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 【請求項2】 上記定電圧制御手段は、上記二次側直流
    出力電圧のレベルに応じた制御信号をフォトカプラを介
    して一次側に帰還することを特徴とする請求項1に記載
    のスイッチング電源回路。
  3. 【請求項3】 上記部分共振コンデンサが並列に接続さ
    れたスイッチング素子と並列にダンパーダイオードが接
    続されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチン
    グ電源回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108418433A (zh) * 2018-03-29 2018-08-17 深圳驿普乐氏科技有限公司 一种llc谐振变换器及其控制电路、谐振电流采样电路

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CN108418433A (zh) * 2018-03-29 2018-08-17 深圳驿普乐氏科技有限公司 一种llc谐振变换器及其控制电路、谐振电流采样电路

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