JP2001086749A - スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源回路

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JP2001086749A
JP2001086749A JP26396499A JP26396499A JP2001086749A JP 2001086749 A JP2001086749 A JP 2001086749A JP 26396499 A JP26396499 A JP 26396499A JP 26396499 A JP26396499 A JP 26396499A JP 2001086749 A JP2001086749 A JP 2001086749A
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switching
voltage
resonance
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Masayuki Yasumura
昌之 安村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチング素子の異常動作を防止する。 【解決手段】 クランプダイオードDD と抵抗RD の直
列接続により自励式の共振形コンバータのクランプ回路
を形成する。これによって、スイッチング素子のターン
オン時におけるダンパー期間終了後、クランプダイオー
ドDD の逆回復期間の拡大することが可能になり、この
逆回復時間trr内ではスイッチング素子をオンとする
駆動電流を得ることができるので、安定動作時において
も、また重負荷で低交流入力電圧の条件であっても、異
常なスイッチング動作の発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種電子機器に電
源として備えられるスイッチング電源回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】スイッチング電源回路として、例えばフ
ライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形
式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知ら
れている。これらのスイッチングコンバータはスイッチ
ング動作波形が矩形波状であることから、スイッチング
ノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、
電力変換効率の向上にも限界があることが分かってい
る。そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバー
タによるスイッチング電源回路が各種提案されている。
共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると
共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低
ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数によ
り構成することができるというメリットも有している。
【0003】図9の回路図は、先に本出願人が提案した
発明に基づいて構成することのできる、先行技術として
のスイッチング電源回路の一例を示している。この電源
回路は、1石のスイッチング素子Q1 を備えて、いわゆ
るシングルエンド方式で自励式によりスイッチング動作
を行う電圧共振形コンバータを備えて構成される。
【0004】この図に示す電源回路においては、商用交
流電源(交流入力電圧VAC)を入力して直流入力電圧を
得るための整流平滑回路として、ブリッジ整流回路Di
及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えら
れ、交流入力電圧VACの1倍のレベルに対応する整流平
滑電圧Eiを生成するようにされる。また、この整流平
滑回路に対しては、その整流電流経路に対して突入電流
制限抵抗Riが挿入されており、例えば電源投入時に平
滑コンデンサに流入する突入電流を抑制するようにして
いる。
【0005】この電源回路に備えられる電圧共振形のス
イッチングコンバータは、1石のスイッチング素子Q1
を備えた自励式の構成を採っている。この場合、スイッ
チング素子Q1 には、高耐圧のバイポーラトランジスタ
(BJT;接合型トランジスタ)が採用されている。
【0006】スイッチング素子Q1 のベースは、起動抵
抗RS を介して平滑コンデンサCi(整流平滑電圧E
i)の正極側に接続されて、起動時のベース電流が整流
平滑ラインから得られるようにしている。また、スイッ
チング素子Q1 のベースと一次側アース間には、検出駆
動巻線NB ,共振コンデンサCB ,ベース電流制限抵抗
RB の直列接続回路よりなる自励発振駆動用の直列共振
回路が接続される。また、スイッチング素子Q1 のベー
スと平滑コンデンサCiの負極(1次側アース)間に挿
入されるクランプダイオードDD により、スイッチング
素子Q1 のオフ時に流れるクランプ電流の経路を形成す
るようにされており、また、スイッチング素子Q1 のコ
レクタは絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1
の一端と接続され、エミッタは接地される。
【0007】また、上記スイッチング素子Q1 のコレク
タ−エミッタ間に対しては、並列共振コンデンサCrが
並列に接続されている。この並列共振コンデンサCr
は、自身のキャパシタンスと、後述する絶縁コンバータ
トランスPITの一次巻線N1側のリーケージインダク
タンスL1 とにより電圧共振形コンバータの一次側並列
共振回路を形成する。そして、ここでは詳しい説明を省
略するが、スイッチング素子Q1 のオフ時には、この並
列共振回路の作用によって共振コンデンサCrの両端電
圧Vcrは、実際には正弦波状のパルス波形となって電
圧共振形の動作が得られるようになっている。
【0008】この図に示す直交型制御トランスPRT
は、検出巻線ND ,駆動巻線NB ,及び制御巻線NC が
巻装された可飽和リアクトルである。この直交型トラン
スPRTは、スイッチング素子Q1 を駆動すると共に、
定電圧制御のために設けられる。この直交型制御トラン
スPRTの構造としては、図示は省略するが、4本の磁
脚を有する2つのダブルコの字型コアの互いの磁脚の端
部を接合するようにして立体型コアを形成する。そし
て、この立体型コアの所定の2本の磁脚に対して、同じ
巻回方向に検出巻線ND ,駆動巻線NB を巻装し、更に
制御巻線NC を、上記検出巻線ND ,駆動巻線NB に対
して直交する方向に巻装して構成される。
【0009】この場合、直交型制御トランスPRTの検
出巻線ND は、平滑コンデンサCiの正極と絶縁コンバ
ータトランスPITの一次巻線N1 との間に直列に挿入
されることで、スイッチング素子Q1 のスイッチング出
力は、一次巻線N1 を介して検出巻線ND に伝達され
る。直交型制御トランスPRTにおいては、検出巻線N
D に得られたスイッチング出力がトランス結合を介して
駆動巻線NB に励起されることで、駆動巻線NB にはド
ライブ電圧としての交番電圧が発生する。このドライブ
電圧は、自励発振駆動回路を形成する直列共振回路(N
B ,CB )からベース電流制限抵抗RB を介して、ドラ
イブ電流としてスイッチング素子Q1 のベースに出力さ
れる。これにより、スイッチング素子Q1 は、直列共振
回路(NB,CB )の共振周波数により決定されるスイ
ッチング周波数でスイッチング動作を行うことになる。
【0010】絶縁コンバータトランスPITは、スイッ
チング素子Q1 のスイッチング出力を二次側に伝送する
絶縁コンバータトランスPITは、図10に示すよう
に、例えばフェライト材によるE型コアCR1、CR2
を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア
が備えられ、このEE型コアの中央磁脚に対して、分割
ボビンBを利用して一次巻線N1 と、二次巻線N2 をそ
れぞれ分割した状態で巻装している。そして、中央磁脚
に対しては図のようにギャップGを形成するようにして
いる。これによって、所要の結合係数による疎結合が得
られるようにしている。ギャップGは、E型コアCR
1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短く形成
することで形成することが出来る。また、結合係数kと
しては、例えばk≒0.85という疎結合の状態を得る
ようにしており、その分、飽和状態が得られにくいよう
にしている。
【0011】上記絶縁コンバータトランスPITの一次
巻線N1 の一端は、スイッチング素子Q1 のコレクタと
接続され、他端側は図のように検出巻線ND の直列接続
を介して平滑コンデンサCiの正極(整流平滑電圧E
i)と接続されている。
【0012】絶縁コンバータトランスPITの二次側で
は、一次巻線N1 により誘起された交番電圧が二次巻線
N2 に発生する。この場合、二次巻線N2 に対しては、
二次側並列共振コンデンサC2 が並列に接続されること
で、二次巻線N2 のリーケージインダクタンスL2 と二
次側並列共振コンデンサC2 のキャパシタンスとによっ
て並列共振回路が形成される。この並列共振回路によ
り、二次巻線N2 に励起される交番電圧は共振電圧とな
る。つまり二次側において電圧共振動作が得られる。
【0013】即ち、この電源回路では、一次側にはスイ
ッチング動作を電圧共振形とするための並列共振回路が
備えられ、二次側には半波整流動作(電圧共振動作)を
得るための並列共振回路が備えられる。なお、本明細書
では、このように一次側及び二次側に対して共振回路が
備えられて動作する構成のスイッチングコンバータにつ
いては、「複合共振形スイッチングコンバータ」ともい
うことにする。
【0014】上記ようにして形成される二次側の並列共
振回路に対しては、二次巻線N2 に対してタップを設け
た上で、整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデン
サCO1,CO2を図のように接続することで、[整流ダイ
オードDO1,平滑コンデンサCO1]の組と、[整流ダイ
オードDO2,平滑コンデンサCO2]の組とによる、2組
の半波整流回路が設けられる。[整流ダイオードDO1,
平滑コンデンサCO1]の組から成る半波整流回路は二次
側並列共振回路から供給される共振電圧を入力して直流
出力電圧EO1を生成し、[整流ダイオードDO2,平滑コ
ンデンサCO2]から成る半波整流回路も同様に、二次側
並列共振回路から供給される共振電圧を入力して直流出
力電圧EO2を生成する。なお、この場合には、直流出力
電圧EO1及び直流出力電圧EO2は制御回路1に対しても
分岐して入力される。制御回路1においては、直流出力
電圧EO1を検出電圧として利用し、直流出力電圧EO2を
制御回路1の動作電源として利用する。
【0015】ところで、絶縁コンバータトランスPIT
においては、一次巻線N1 、二次巻線N2 の極性(巻方
向)と整流ダイオードDO (DO1,DO2)の接続との関
係によって、一次巻線N1 のインダクタンスL1 と二次
巻線N2 のインダクタンスL2 との相互インダクタンス
Mについて、+Mとなる場合と−Mとなる場合とがあ
る。例えば、図11(a)に示す接続形態を採る場合に
相互インダクタンスは+Mとなり、図11(b)に示す
接続形態を採る場合に相互インダクタンスは−Mとな
る。これを、図9に示す二次側の動作に対応させてみる
と、[整流ダイオードDO1,平滑コンデンサCO1]の組
による半波整流回路に関しては、例えば二次巻線N2 に
得られる交番電圧が正極性のときに整流ダイオードDO1
に整流電流が流れて+Mの動作モード(フォワード方
式)を行い、逆に、二次巻線N2 に得られる交番電圧が
負極性のときには、整流ダイオードDO1はオフとなっ
て、整流電流は流れないことになる。即ち、この電源回
路では、相互インダクタンスが+Mのモードにより整流
動作を行っているものである。
【0016】このような構成では、一次側の並列共振回
路と二次側並列共振回路の作用によって増加された負荷
側に電力が供給され、それだけ負荷側に供給される電力
も増加して、最大負荷電力の増加率も向上する。これ
は、先に図11にて説明したように、絶縁コンバータト
ランスPITに対してギャップGを形成して所要の結合
係数による疎結合としたことによって、更に飽和状態と
なりにくい状態を得たことで実現されるものである。例
えば、絶縁コンバータトランスPITに対してギャップ
Gが設けられない場合には、フライバック動作時におい
て絶縁コンバータトランスPITが飽和状態となって動
作が異常となる可能性が高く、上述した半波整流動作が
適正に行われるのを望むのは難しい。
【0017】制御回路1では、二次側直流出力電圧レベ
ル(EO1)の変化に応じて、制御巻線NC に流す制御電
流(直流電流)レベルを可変することで、直交型制御ト
ランスPRTに巻装された駆動巻線NB のインダクタン
スLB を可変制御する。これにより、駆動巻線NB のイ
ンダクタンスLB を含んで形成されるスイッチング素子
Q1 のための自励発振駆動回路内の直列共振回路の共振
条件が変化する。これは、次に図9にて説明するよう
に、スイッチング素子Q1 のスイッチング周波数を可変
する動作となるが、この動作によって二次側直流出力電
圧を安定化する。
【0018】ここで、図9に示したようにして駆動巻線
NB のインダクタンスLB を可変制御構造の直交型制御
トランスPRTが設けられる場合、スイッチング周波数
を可変するのにあたり、スイッチング素子Q1 がオフと
なる期間TOFF は一定とされたうえで、オンとなる期間
TONを可変制御するようにされる。つまり、この電源回
路では、定電圧制御動作として、スイッチング周波数を
可変制御するように動作することで、スイッチング出力
に対する共振インピーダンス制御を行い、これと同時
に、スイッチング周期におけるスイッチング素子の導通
角制御(PWM制御)も行っているものと見ることが出
来る。そして、この複合的な制御動作を1組の制御回路
系によって実現している。
【0019】図13は、上記図9に示した回路のスイッ
チング周期での要部の動作を示す波形図であり、安定動
作時の波形とされる。自励発振駆動回路としての直列共
振回路(NB ,CB )では、駆動巻線NB に得られた交
番電圧により共振動作を行うことで、ベース電流制限抵
抗RB を介した直列共振電流IO としては、図13
(e)に示すように、正弦波状が波形が得られる。そし
て、この直列共振電流IO が、例えばクランプダイオー
ドDD から流れる図13(f)の電流ID と合成される
ことで、スイッチング素子Q1 のベースには図13
(d)に示すようなベース電流(駆動電流)IB が流れ
る。この駆動電流IB によって、スイッチング素子Q1
は、スイッチング動作を行う。この駆動電流IB によっ
て制御されるスイッチング素子Q1 のコレクタ電流Ic
pとしては、図13(b)に示す波形が得られる。ま
た、スイッチング素子Q1 //並列共振コンデンサCr
の並列接続回路の両端には、並列共振回路の作用によっ
て、図13(a)に示すような並列共振電圧Vcpが発
生する。この並列共振電圧Vcpは、図のように、スイ
ッチング素子Q1 がオンとなる期間TONは0レベルで、
オフとなる期間TOFF において正弦波状のパルスとなる
波形が得られ、電圧共振形としての動作に対応してい
る。また、並列共振コンデンサCrには、図13(c)
に示すようにして、期間TOFF において正弦波状の並列
共振電流Icrが流れる。
【0020】ここで、スイッチング素子Q1 がオンとな
る期間TONにおいて、図13(e)の直列共振電流IO
の正電流の領域(期間T1)は、図13(d)の駆動電
流IB の順方向バイアス電流の領域に対応する。また、
同じ期間TONにおいて、直列共振電流IO が負電流の領
域(T2)は、駆動電流IB の逆方向バイアス電流とな
る。なお、この期間TONにおける駆動電流IB の逆方向
バイアス電流の領域はスイッチング素子Q1 の蓄積時間
tstg となる。
【0021】スイッチング素子Q1 のベース−エミッタ
間には、逆回復時間trrを所定まで長くした低速のク
ランプダイオードDD が接続されている。スイッチング
素子Q1 がオフとなる期間TOFF では、図13(e)に
示すようにして、直列共振電流IO が、クランプダイオ
ードDD →ベース電流制限抵抗RB →共振コンデンサC
B →駆動巻線NB を介して流れる。そして次に、期間T
ONが開始されると、直ちにダンパー期間となり、並列共
振コンデンサCrの充放電エネルギーがダンパー電流I
D として、クランプダイオードDD →スイッチング素子
Q1 のベース→コレクタを介して流れる。この場合、ダ
ンパー電流ID のレベルは、図13(f)に示すように
2.3Ap となる。上記ダンパー期間が終了すると、ク
ランプダイオードDD は逆回復時間trrの領域とな
る。この逆回復時間trrにおいては、クランプダイオ
ードDD が導通の状態にある。そして、この逆回復時間
trrにおいて駆動電流IB が増加して、スイッチング
素子Q1 をオンとするだけの電流量が得られるとスイッ
チング素子Q1 がオンとなる。但し、この逆回復時間t
rrが開始された時点においては、図13(d)の駆動
電流IB (ベース電流)が正の極性に反転しても、スイ
ッチング素子Q1 のベースには実際には電流が供給され
ないため、スイッチング素子Q1 は直ちにはオンにはな
らず、この後、スイッチング素子Q1 のベース電流レベ
ルが、スイッチング素子Q1 を導通させるのに足るレベ
ルに達することで、或るタイミングでスイッチング素子
Q1 がオン状態に遷移するものである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図12には、
一次側の並列共振電圧Vcp、コレクタ電流Icp、駆
動電流IB の動作波形が示されている。図12(a),
(b),(c)には、交流入力電圧VAC=60Vで最大
負荷電力時の条件での動作が示され、図12(d),
(e),(f)には交流入力電圧VAC=80Vで最大負
荷電力時の条件での動作が示されている。
【0023】先ず、交流入力電圧VAC=60V、最大負
荷電力時の条件下での動作として、図12(a),
(b),(c)における期間T3はダンパー期間に対応
し、期間T4は逆回復時間trrに対応しているのであ
るが、このように重負荷で交流入力電圧が低い条件で
は、図12(c)に示すように、駆動電流IB が期間T
4(逆回復時間trr)内において、正の極性に反転し
ていない。つまりクランプダイオードDD の逆回復時間
trr内において、スイッチング素子Q1 に対して順方
向の駆動電流IB が流れないために、スイッチング素子
Q1 がオンとはならない。このためにスイッチング動作
としては異常動作となる。このような異常動作は、例え
ば図12(b)に示すようにして、期間T4直後のコレ
クタ電流Icpに対して寄生振動としての高周波のノイ
ズが重畳し、これに伴って、図12(a)の並列共振電
圧Vcpとして示すように、パルスノイズが発生する現
象として現れる。
【0024】そして、交流入力電圧VAC=80Vで最大
負荷電力時の条件では、更にこの異常動作が拡大する。
これは図12(f)に示すように、期間T4(逆回復時
間trr)内において、駆動電流IB の逆方向電流レベ
ルが増加し、逆回復時間trrが終了して、スイッチン
グ素子Q1 に対して順方向の駆動電流IB が流れるべき
時に短期間ではあるが逆方向の駆動電流IB が流れるた
め、図12(e)に示すコレクタ電流Icpに重畳する
ノイズの振幅が増大する。そして、これに伴って、図1
2(d)に示される並列共振電圧Vcpのパルスノイズ
のレベルも大きくなる。
【0025】上記した異常動作としての現象を軽減して
重負荷の条件に対応するため、図9に示した回路の実際
としては、二次側並列共振コンデンサC2 のキャパシタ
ンスは、所要の最大負荷電力値が得られるように、本来
最適とされる値よりも大きな値を選定するようにしてい
る。しかしこの場合には、本来最適とされるキャパシタ
ンスの二次側並列共振コンデンサC2 を選定した場合と
比較して、図9に示す回路において一次巻線N1 に流れ
る一次側共振電流I1 と二次巻線N2 に流れる二次側共
振電流I2 が増加することで電力損失が増加する。
【0026】また、これまで述べた図9に示す回路の構
成の場合、定常動作時であっても、図13(c)に示す
ようにして、一次側並列共振電流Icrには期間TON内
の開始期間において、寄生振動としてのノイズが発生し
てしまう。これに応じて、僅かではあるが、スイッチン
グパルスである並列共振電圧Vcpにも、ノイズが生じ
る。また、図13(d)に示す駆動電流IB について
も、期間TOFF 内の開始期間においてやはり寄生振動が
発生する。
【0027】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は上記した
課題を考慮してスイッチング電源回路として次のように
構成する。つまり、スイッチング素子を備え、入力され
た直流入力電圧を断続して出力するスイッチング手段
と、このスイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶
縁コンバータトランスと、上記スイッチング手段を形成
し、スイッチング素子を自励式によりスイッチング駆動
する自励発振駆動回路と、スイッチング手段の動作を共
振形とするようにして挿入される一次側共振回路と、絶
縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側共振コ
ンデンサを接続することで、絶縁コンバータトランスの
二次巻線の漏洩インダクタンス成分と二次側共振コンデ
ンサのキャパシタンスとによって共振回路を形成する二
次側共振回路と、二次巻線に得られる交番電圧を入力し
て半波整流動作又は全波整流動作を行って二次側直流出
力電圧を得るように構成された直流出力電圧生成手段
と、二次側に得られる電圧レベルに応じてスイッチング
素子のスイッチング周波数を可変することで定電圧制御
を行うようにされる定電圧制御手段と、少なくとも、ダ
イオード素子と抵抗素子との直列接続よって形成され、
上記ダイオード素子の逆回復時間を長くされたクランプ
回路とを備えて構成する。
【0028】上記構成によれば、クランプ回路として
は、ダイオード素子に対して抵抗素子を直列接続して形
成されることになる。このような構成とすることで、ク
ランプ回路を構成しているダイオード素子の逆回復時間
を拡大することができるので、この逆回復時間内におい
て、スイッチング素子をオンするための順方向の駆動電
流を得ることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1の回路図は、本発明の実施の
形態としての電源回路の構成を示している。なお、この
図において図9と同一部分には、同一符号を付して説明
を省略する。この図1に示す本実施の形態の電源回路と
しては、スイッチング素子Q1 のベースに接続されてい
るクランプダイオードDD のアノード側に抵抗RD が接
続された構成とされる。即ち、クランプダイオードDD
のアノードが抵抗RD の直列接続を介して一次側アース
と接続されるように、抵抗RD を回路内に挿入する。
【0030】このような構成による図1の電源回路のス
イッチング周期による動作波形を図3に示す。この図に
示す動作波形は、交流入力電圧VAC=100Vで最大負
荷電力時の条件での安定動作時に得られたものである。
【0031】ここで、スイッチング素子Q1 のスイッチ
ング動作に伴って得られる、図3(a)に示す一次側並
列共振電圧Vcp、及び図3(b)に示すコレクタ電流
Icpとしては、先に図13(a),(b)に示した波
形とほぼ同様となるものである。
【0032】この場合も、自励発振駆動回路としての直
列共振回路(NB ,CB )では、駆動巻線NB に得られ
た交番電圧により共振動作を行うことで、ベース電流制
限抵抗RB を介して、図3(e)に示すような、正弦波
状の直列共振電流IO が得られ、スイッチング素子Q1
がオフとなる期間TOFF では、負の方向(自励発振駆動
回路の方向)に流れる。次に期間TONが開始されると、
直ちにダンパー期間となり、スイッチング素子Q1 のベ
ース−コレクタを介して、図3(f)に示すようなダン
パー電流ID が流れるが、本実施の形態の回路はクラン
プダイオードDD のアノードと一次側アースとの間には
抵抗RD が直列接続されていることから、ダンパー電流
ID としては、そのレベルが1.5Ap となり、図13
(f)に示したダンパー電流IDのレベル2.3Ap に
比べて低下する。
【0033】そして、ダンパー期間が終了した後、クラ
ンプダイオードDD は逆回復時間trrとなるが、この
場合はクランプダイオードDD に直列接続されている抵
抗RD によって、クランプダイオードDD を流れる逆電
流が抑制され、クランプダイオードDD が遮断されるま
での期間である逆回復時間trrは見掛け上拡大された
ものとなる。例えば、図9に示した回路と図1に示した
回路を、同一の逆回復時間特性を有するクランプダイオ
ードDD によって構成した場合、図9に示す回路では逆
回復時間trrが1.2μsとなるのに対して、図1示
した回路では逆回復時間trrが3μsとなる。つま
り、図1に示す回路のクランプダイオードDD の逆回復
時間trrは、見掛け上は1.8μsだけ拡大されて長
くなっている。
【0034】このようにしてクランプダイオードDD の
逆回復時間trrを長くすることによって、本実施の形
態では、図3(d)に示すように、駆動電流IB が負の
領域をとることなく、クランプダイオードDD の逆回復
期間trr内において、スイッチング素子Q1 に対して
順方向に駆動電流IB を流すことが可能になる。
【0035】これにより、一次側並列共振電流Icrの
波形は図3(c)に示すものとなり、定常動作時におい
ては、期間TON内の開始時点では、0.5Ap レベルの
出力が僅かに発生するだけで、一次側並列共振電流Ic
rに図13(c)に示したような寄生振動によるノイズ
は発生することなく、このため並列共振電圧Vcpにノ
イズが発生するといったこともない。また、図3(d)
に示す駆動電流IB にも、期間TOFF の開始時点におい
て、図13(d)に示した寄生振動によるノイズが発生
しないものとなる。
【0036】また、図2(a),(b),(c)と、図
2(d),(e),(f)に、一次側の並列共振電圧V
cp、コレクタ電流Icp、駆動電流IB の動作波形を
示す。ここで、図2(a),(b),(c)には、交流
入力電圧VAC=80Vで最大負荷電力時の動作が示され
ており、図2(d),(e),(f)には交流入力電圧
VAC=60Vで最大負荷電力時の動作が示されている。
【0037】このような重負荷で低入力電圧時となる条
件であっても、例えば図2(c)又は図2(f)に示す
ように、ダンパー期間T3が終了した時点でも、駆動電
流IB が負の電流領域をとることはないので、逆回復時
間trrとされる期間T4内において、駆動電流IB は
スイッチング素子Q1 をオンすることが可能なレベルと
なる。即ち、スイッチング素子Q1 は正常動作となって
レギュレーション範囲に入ることになる。これにより、
スイッチング素子Q1 では安定したスイッチング動作が
得られるものである。このようにしてクランプダイオー
ドDD の逆回復時間trr内において、正レベルの駆動
電流IB が得られるにすると、例えば図2(b),
(e)に示すコレクタ電流Icpには、図12(b),
(e)に示したコレクタ電流Icpのノイズは発生せ
ず、これに伴って、期間TONに現れていた並列共振電圧
Vcpのノイズパルスも図2(a),(d)に示すよう
にして発生しない。
【0038】この結果、例えば図9に示した電源回路で
は、図12により説明した異常動作や図13に示したノ
イズの発生などを回避するために、クランプダイオード
DDについて逆回復時間trrの選別を行っていたが、
本実施の形態によれば、その逆回復時間trrの選別範
囲の拡大することが可能になる。これにより、例えば部
品管理などの製造能率の向上が図られるものである。
【0039】また、本実施の形態としての図1に示した
回路と図9に示した回路との比較として、図9に示す回
路構成の下で、ベース電流制限抵抗RB =1Ω、二次側
並列共振コンデンサC2 =0.019μFを選定した場
合、一次側共振電流I1 =5.8Ap-p 、コレクタ電流
Icp=3.3Ap 、二次側共振電流I2 =8Ap-pと
なり、入力電力Pin=166.5Wという結果が得ら
れた。これに対して、図1に示した構成の下では、ベー
ス電流制限抵抗RB =0.68Ω、抵抗RD =4.7
Ω、二次側並列共振コンデンサC2 =0.014μFを
選定することができる。ここで、二次側並列共振コンデ
ンサC2 =0.014μFとしての値は、二次側並列共
振コンデンサC2 として本来適正とされる値である。こ
のように部品を選定した場合、上記図2及び図3にて説
明した動作の下で、一次側共振電流I1=4.7Ap-p
、コレクタ電流Icp=3.0Ap-p 、二次側共振電
流I2 =7.0Ap-p となり、入力電力Pin=16
5.5Wという結果が得られた。
【0040】つまり、図9に示した回路の場合と比較し
て本実施の形態では、一次側共振電流I1 及び二次側共
振電流I2 の電流レベルが抑制され、結果として1W程
度の電力損失の低減が図られているものである。また、
これと共に対応可能な最大負荷電力は、交流入力電圧V
AC=80Vの時に150W程度であったのに対して、本
実施の形態の回路では二次側並列共振コンデンサC2 を
適正な静電容量とすることで、交流入力電圧VAC=80
Vで35W程度拡大されて約185Wにまで引き上げる
ことが可能となり、約23%の最大負荷電力の増加が図
られるものである。
【0041】続いて、本実施の形態の電源回路の変形例
について以降説明していくこととして、先ず、図4に第
1の変形例としての本実施の形態の電源回路の構成を示
す。なお、この図において図1及び図9と同一部分には
同一符号を付して説明を省略する。この図に示す電源回
路はクランプダイオードDD のアノードと一次側アース
ととの間に挿入されている抵抗RD に対して、フェライ
トビーズインダクタLD を並列に接続した点が図1に示
した電源回路とは異なる。この場合、クランプダイオー
ドDD のアノードと一次側アースとの間に挿入されてい
る抵抗RD は、一次側並列共振電流Icrの寄生振動を
抑制するように機能し、この抵抗RD と並列接続された
フェライトビーズインダクタLD がクランプダイオード
DD の逆回復時間trrの拡大を図るようにされる。な
お、フェライトビーズダイオードLD は、比較的小型サ
イズの部品とされ、そのインダクタンス値も小さいもの
とされる。
【0042】このような電源回路のスイッチング周期に
よる動作波形を図5に示す。なお、この図に示す動作波
形は、交流入力電圧VAC=100Vで最大負荷電力時の
条件での安定動作時に得られたものである。この場合も
スイッチング素子Q1 のスイッチング動作に伴って得ら
れる、図5(a)の一次側の並列共振電圧Vcp、及び
図5(b)のコレクタ電流Icpとしては、先に図1に
示した波形とほぼ同様となる。また、直列共振電流IO
は図5(e)に示すような波形となる。そして、スイッ
チング素子Q1 がオンとなる期間TONが開始されると、
スイッチング素子Q1 のベース−コレクタを介して図5
(g)に示すようなダンパー電流ID が流れることにな
るが、この場合はクランプダイオードDD のアノードと
一次側アースとの間に抵抗RD と並列にフェライトビー
ズインダクタLD が接続されていることで、このフェラ
イトビーズインダクタLD のインダクタンスによって、
ダンパー電流ID は徐々に低減される。
【0043】このようにしてフェライトビーズインダク
タLD によりダンパー電流ID を徐々に低減するように
した場合、ダンパー期間を含むクランプダイオードDD
の見掛け上の逆回復時間trrは、図5(g)に示すよ
うに3.5μsにまで拡大されて長くすることが可能に
なる。
【0044】このようにしてクランプダイオードDD の
逆回復時間trrとしての期間を長くすることによっ
て、逆回復時間trr内における駆動電流IB の波形と
しては図5(d)に示すように、負の領域をとることが
ないので、この場合もクランプダイオードDD の逆回復
時間trr内において、スイッチング素子Q1 に対して
順方向の駆動電流IB を流すことが可能なものとなる。
【0045】また、抵抗RD を流れる電流IR は、図5
(f)に示す波形となり、この抵抗RD によって、図5
(c)に示す一次側並列共振電流Icrに発生する寄生
振動にノイズが、図13(c)に示した寄生振動による
ノイズに比べて抑制されると共に、図5(d)に示すよ
うに、駆動電流IB に発生する寄生振動によるノイズの
抑制が図られている。
【0046】また、重負荷時の低入力電圧時となる条件
とされる場合の、図4に示す回路の動作としては、先に
図2に示したものとほぼ同一の動作となるため、図示は
省略するが、この場合もコレクタ電流Icpにノイズが
発生することはなく、これに伴って、期間TONに現れて
いた並列共振電圧Vcpのノイズパルスも発生しないも
のとなる。
【0047】このような図4に示した構成の下では、ベ
ース電流制限抵抗RB =0.68Ω、抵抗RD =4.7
Ω、フェライトビーズインダクタLD =1.1μHを選
定すると、入力電力Pin=164.5Wという結果が
得られ、先に説明した図9に示す回路と比べて2W程度
の電力損失の低減が可能となる。これは、図1に示した
回路が、抵抗RD によってクランプダイオードDD の逆
回復時間trrの拡大を図るための機能と、一次側並列
共振電流Icr、及び駆動電流IB に寄生振動が発生し
ないようにしていたのに対して、図4に示す回路では、
電力損失の小さいフェライトビーズインダクタLD によ
ってクランプダイオードDD の逆回復時間trrの拡大
を図るようにしているため、図1に示した回路と比較し
ても、その分だけ電力損失の低下が図られている。
【0048】また、本実施の形態の電源回路の二次側と
しては、図1に示したように、二次側並列共振回路と半
波整流回路との構成に限定されるものではない。そこ
で、第2〜第4の変形例としての二次側の構成を図6〜
図8に示す。なお、これら図6〜図8において、一次側
の構成は図1と同様でよいものとされる。また、図1、
図4及び図9と同一部分には同一符号を付して説明を省
略する。
【0049】図6には、第2の変形例としての二次側の
構成が示されている。この図に示す二次側においても、
二次巻線N2 に対して二次側並列共振コンデンサC2 が
備えられることで、二次側には並列共振回路が形成され
る。そしてこの場合には、二次巻線N2 に対してセンタ
ータップを設けた上で、整流ダイオードDO1,DO2,D
O3,DO4及び平滑コンデンサCO1,CO2を図のように接
続することで、[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]の組と、[整流ダイオードDO3,DO4,平
滑コンデンサCO2]の組とによる、2組の全波整流回路
が設けられる。[整流ダイオードDO1,DO2,平滑コン
デンサCO1]から成る全波整流回路は二次側並列共振回
路から供給される共振電圧を入力して直流出力電圧EO1
を生成し、[整流ダイオードDO3,DO4,平滑コンデン
サCO2]から成る全波整流回路も同様に、二次側並列共
振回路から供給される共振電圧を入力して直流出力電圧
EO2を生成する。
【0050】このような構成を先に図11により説明し
た二次側の整流動作と照らし合わせてみると、例えば二
次巻線N2 に得られる交番電圧が正極性のときに整流ダ
イオードDO1(DO3)に整流電流が流れる動作は、図1
1(a)としての+Mの動作モード(フォワード方式)
とみることができ、逆に、二次巻線N2 に得られる交番
電圧が負極性のときに整流ダイオードDO2(DO4)に整
流電流が流れる動作は、図11(b)に示した−Mの動
作モード(フライバック方式)であるとみることができ
る。即ち、この電源回路では、二次巻線に得られる交番
電圧が正/負となるごとに、相互インダクタンスが+M
/−Mのモードで動作することになる。
【0051】図7に、第3の変形例としての二次側の構
成を示す。この図に示す二次側においても、二次巻線N
2 に対して二次側並列共振コンデンサC2 が備えられる
ことで二次側並列共振回路が形成されるものとしたうえ
で、二次側巻線N2 に対してはブリッジ整流回路DBR及
び平滑コンデンサCO1から成る整流平滑回路が備えられ
ることで、二次側出力電圧EO1を得るようにしている。
つまり、この構成では二次側においてブリッジ整流回路
DBRによって全波整流動作を得ている。
【0052】なお、この場合には、二次側において、上
記二次巻線N2 とは独立して、もう1つの二次巻線N2A
を巻装してセンタータップを施した上で、整流ダイオー
ドDO3,DO4及び平滑コンデンサCO2を図のように接続
することで、全波整流動作によって二次側出力電圧EO2
を得るようにしている。但し、二次巻線N2Aに対して
は、並列共振コンデンサは設けられない。
【0053】図8は、第4の変形例としての電源回路の
構成を示す回路図である。この図に示す二次側の構成と
して、二次巻線N2 の一端は二次側アースに接続され、
他端は直列共振コンデンサCs1 の直列接続を介して整
流ダイオードDO1のアノードと整流ダイオードDO2のカ
ソードの接続点に対して接続される。整流ダイオードD
O1のカソードは平滑コンデンサCO1の正極と接続され、
整流ダイオードDO2のアノードは二次側アースに対して
接続される。平滑コンデンサCO1の負極側は二次側アー
スに対して接続される。
【0054】このような接続形態では結果的に、[直列
共振コンデンサCs1 ,整流ダイオードDO1,DO2、平
滑コンデンサCO1]の組から成る倍電圧全波整流回路が
設けられることになる。ここで、直列共振コンデンサC
s1 は、自身のキャパシタンスと二次巻線N2 の漏洩イ
ンダクタンス成分とによって、整流ダイオードDO1,D
O2のオン/オフ動作に対応する直列共振回路を形成す
る。即ち、本実施の形態の電源回路は、一次側にはスイ
ッチング動作を電流共振形とするための直列共振回路が
備えられ、二次側には、倍電圧全波整流動作を得るため
の直列共振回路が備えられた複合共振形スイッチングコ
ンバータの構成を採る。
【0055】ここで、上記[直列共振コンデンサCs1
,整流ダイオードDO1,DO2、平滑コンデンサCO1]
の組による倍電圧全波整流動作としては次のようにな
る。一次側のスイッチング動作により一次巻線N1 にス
イッチング出力が得られると、このスイッチング出力は
二次巻線N2 に励起される。そして、整流ダイオードD
O1がオフとなり、整流ダイオードDO2がオンとなる期間
においては、一次巻線N1 と二次巻線N2 との極性(相
互インダクタンスM)が−Mとなる減極性モードで動作
して、二次巻線N2 の漏洩インダクタンスと直列共振コ
ンデンサCs1 による直列共振作用によって、整流ダイ
オードDO2により整流した整流電流IC2を直列共振コン
デンサCs1 に対して充電する動作が得られる。そし
て、整流ダイオードDO2がオフとなり、整流ダイオード
DO1がオンとなって整流動作を行う期間においては、一
次巻線N1 と二次巻線N2 との極性(相互インダクタン
スM)が+Mとなる加極性モードとなり、二次巻線N2
に誘起された電圧に直列共振コンデンサCs1 の電位が
加わるという直列共振が生じる状態で平滑コンデンサC
O1に対して充電が行われる動作となる。上記のようにし
て、加極性モード(+M;フォワード動作)と減極性モ
ード(−M;フライバック動作)との両者のモードを利
用して整流動作が行われることで、平滑コンデンサCO1
においては、二次巻線N2 の誘起電圧のほぼ2倍に対応
する直流出力電圧EO1が得られる。
【0056】上記構成によると、本実施の形態では、相
互インダクタンスが+Mと−Mの動作モードとなる状態
を利用して、倍電圧全波整流を行うことで二次側直流出
力電圧を得るようにしている。つまり、一次側の電流共
振作用と二次側の電流共振作用とによる電磁エネルギー
が同時に負荷側に供給されるようにしているため、それ
だけ負荷側に供給される電力も更に増加して、最大負荷
電力の大幅な増加が図られることになる。
【0057】また、倍電圧全波整流回路によって二次側
直流出力電圧を得るようにしていることで、例えば等倍
電圧整流回路によって得られる二次側直流出力電圧と同
等のレベルを得ようとすれば、本実施の形態の二次巻線
N2 としては、従来の1/2の巻数で済むことになる。
この巻数の削減は、絶縁コンバータトランスPITの小
型軽量化、及び低コスト化につながる。なお、この場合
にも、二次巻線N2 とは独立して二次巻線N2 を巻装
し、この二次巻線N2Aに対してはセンタータップをアー
スに接地したうえで、整流ダイオードDO3,DO4及び平
滑コンデンサCO2からなる全波整流回路が接続されるこ
とで、直流出力電圧EO2を生成するようにしている。
【0058】なお、本出願人は、複合共振形スイッチン
グコンバータとして、二次側直列共振回路を利用した4
倍電圧整流回路を備えた構成も既に提案しているが、こ
のような構成も本実施の形態の変形例として成立し得
る。つまり、本実施の形態としては二次側共振回路の構
成として特に限定されるものではない。
【0059】また、上記実施の形態にあっては、複合共
振形スイッチングコンバータとして一次側に自励式の電
圧共振形コンバータを備えた構成を挙げているが、例え
ば電流共振形コンバータを一次側に備え、二次側に対し
て並列又は直列共振回路を備えた電源回路に対しても本
発明の適用は可能とされる。また、同じ電圧共振形コン
バータを一次側に備えるとしても、例えば図1の場合の
ように、1石のスイッチング素子を備えたいわゆるシン
グルエンド方式の構成のみでなく、2石のスイッチング
素子を交互にスイッチングさせるいわゆるプッシュプル
方式にも本発明が適用できるものである。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、クランプ
回路をダイオード素子に対して抵抗素子を直列接続して
形成することで、ダイオード素子の逆回復時間内におい
て、スイッチング素子をオンするための順方向の駆動電
流を得るようにしている。従って、安定動作時において
も、また重負荷で低交流入力電圧の条件であっても、異
常なスイッチング動作の発生が防止される。また、これ
により、例えば電源起動時などの条件でもスイッチング
素子に対してかかるストレスを無いようにすることがで
きる。更には、電源動作時における寄生振動によるノイ
ズの発生等も解消される。
【0061】また、上記のようにして異常動作の発生が
解消されることで、二次側並列共振コンデンサとして
は、本来の適正なキャパシタンスのものを選定できるこ
とになるが、これによって、一次側共振電流と二次側共
振電流のレベルを小さくして電力変換効率の向上を図る
こともできる。
【0062】更には、本発明の構成によって、ダイオー
ド素子の逆回復時間の拡大を図ることで、クランプダイ
オードについて逆回復時間についての選別範囲の拡大を
図ることが可能になる。
【0063】また、本発明としてのクランプ回路におい
て、例えば抵抗素子に対して並列にフェライトビーズイ
ンダクタを挿入すれば、例えば逆回復時間の拡大は電力
損失の小さいフェライトビーズインダクタによって行う
ことができるため、フェライトビーズインダクタを用い
ることで、さらなる電力損失の低下を図ることが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての電源回路の構成例
を示す回路図である。
【図2】本実施の形態の電源回路の要部の動作を示す波
形図である。
【図3】本実施の形態の電源回路の要部の動作を示す波
形図である。
【図4】第1の変形例としての電源回路の構成例を示す
回路図である。
【図5】第1の変形例としての電源回路の要部の動作を
示す波形図である。
【図6】第2の変形例としての電源回路の構成例を示す
回路図である。
【図7】第3の変形例としての電源回路の構成例を示す
回路図である。
【図8】第4の変形例としての電源回路の構成例を示す
回路図である。
【図9】先行技術としての電源回路の構成を示す回路図
である。
【図10】本実施の形態の絶縁コンバータトランスの構
造を示す断面図である。
【図11】相互インダクタンスが+M/−Mの場合の各
動作を示す説明図である。
【図12】先行技術としての電源回路の要部の動作を示
す波形図である。
【図13】先行技術としての電源回路の要部の動作を示
す波形図である。
【符号の説明】
1 制御回路、、Ci 平滑コンデンサ、Q1 スイッ
チング素子、PIT絶縁コンバータトランス、PRT
直交型制御(ドライブ)トランス、Cr 一次側並列共
振コンデンサ、C2 二次側並列共振コンデンサ、Cs
1 二次側直列共振コンデンサ、NC 制御巻線、NB
駆動巻線、ND 検出巻線、CB 共振用コンデンサ、
DD クランプダイオード、RD 抵抗、LD フェラ
イトビーズインダクタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を備え、入力された直
    流入力電圧を断続して出力するスイッチング手段と、 上記スイッチング手段の出力を二次側に伝送する絶縁コ
    ンバータトランスと、 上記スイッチング手段を形成し、スイッチング素子を自
    励式によりスイッチング駆動する自励発振駆動回路と、 上記スイッチング手段の動作を共振形とするようにして
    挿入される一次側共振回路と、 上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に対して二次側
    共振コンデンサを接続することで、上記絶縁コンバータ
    トランスの二次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記
    二次側共振コンデンサのキャパシタンスとによって共振
    回路を形成する二次側共振回路と、 上記二次巻線に得られる交番電圧を入力して半波整流動
    作又は全波整流動作を行って二次側直流出力電圧を得る
    ように構成された直流出力電圧生成手段と、 二次側に得られる電圧レベルに応じて、上記スイッチン
    グ素子のスイッチング周波数を可変することで定電圧制
    御を行うようにされる定電圧制御手段と、 少なくとも、ダイオード素子と抵抗素子との直列接続に
    よって形成され、上記ダイオード素子の逆回復時間が長
    くされたクランプ回路と、 を備えて構成されることを特徴とするスイッチング電源
    回路。
  2. 【請求項2】 上記クランプ回路の抵抗素子に対してフ
    ェライトビーズインダクタが並列に接続されることを特
    徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7298633B2 (en) 2002-08-09 2007-11-20 Sony Corporation Switching power supply circuit

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