JP3031168B2 - 共振型スイッチング電源装置 - Google Patents

共振型スイッチング電源装置

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JP3031168B2
JP3031168B2 JP6121947A JP12194794A JP3031168B2 JP 3031168 B2 JP3031168 B2 JP 3031168B2 JP 6121947 A JP6121947 A JP 6121947A JP 12194794 A JP12194794 A JP 12194794A JP 3031168 B2 JP3031168 B2 JP 3031168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、出力トランスの1次巻
線のインダクタンスとこれに直列接続されたコンデンサ
との共振を使用した共振型スイッチング電源装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1は可飽和トランスの1種である磁気
増幅器(以下、マグアンプと呼ぶ)を使用した従来の共
振型スイッチング電源装置を示す。このスイッチング電
源装置は、直流電源1の一端と他端との間に接続された
第1及び第2のスイッチング素子としてのトランジスタ
Q1 、Q2 の直列回路と、マグアンプT1 と、出力トラ
ンスT2 と、この出力トランスT2 の1次巻線N1 に直
列に接続された共振用の第1のコンデンサC1 と、第1
及び第2のトランジスタQ1 、Q2 に並列接続された第
2及び第3のコンデンサC2 、C3 と、第1及び第2の
トランジスタQ1、Q2 に逆方向並列に接続された第1
及び第2のクランプ用ダイオードD1 、D2 と、第1及
び第2のトランジスタQ1 、Q2 のベース(制御端子)
に接続された第4及び第5のコンデンサC4 、C5 と、
第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のコレクタ・ベ
ース間に接続された第1及び第2の起動抵抗R1 、R2
と、第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のエミッタ
・ベース間に接続されたダイオードD3 、D4 と、出力
トランスT2 の2次巻線N2a、N2bと、この2次巻線N
2a、N2bに接続されたダイオードD5 、D6 と平滑用コ
ンデンサC6 とから成る整流平滑回路と、制御巻線Nc
に制御電流Ic を供給する制御回路2とを有する。
【0003】マグアンプT1 は可飽和磁心3に対して1
次巻線N11、制御巻線Nc 、第1及び第2の2次巻線N
21、N22を巻き回すことによって構成されている。マグ
アンプT1 の1次巻線N11は第1及び第2のトランジス
タQ1 、Q2 の接続中点と出力トランスT2 の1次巻線
N1 の一端(共振回路の一端)との間に接続されてい
る。1次巻線N1 と第1のコンデンサC1 とから成る共
振回路の他端は直流電源1の他端即ち第1及び第2のト
ランジスタQ1 、Q2 の直列回路の下端に接続されてい
る。
【0004】マグアンプT1 の第1及び第2の2次巻線
N21、N22は共振用コンデンサC4、C5 を介して第1
及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のベース・エミッタ
間に接続されている。
【0005】制御巻線Nc の一端は電流制限抵抗R3 を
介して出力端子4に接続され、この他端は制御回路2の
誤差増幅器5に接続されている。誤差増幅器5の一方の
入力端子は出力端子4に接続され、他方の入力端子は基
準電圧源6に接続されている。
【0006】
【動作】図1のスイッチング電源装置において、直流電
源1をオンにすると、起動抵抗R1 又はR2 を介して第
1又は第2のトランジスタQ1 又はQ2 がオンになる。
今、トランジスタQ1 がオンの時には、電源1と第1の
トランジスタQ1 とマグアンプT1 の1次巻線N11と出
力トランスT2 の1次巻線N1 とコンデンサC1とから
成る回路に電流が流れる。この電流は1次巻線N1 とコ
ンデンサC1 との直列共振に基づく電流であって、正弦
波に近似した波形となり、ターンオン時のゼロ電流スイ
ッチングが可能になり、スイッチング損失が小さくな
る。ところで、第1のトランジスタQ1 のベース駆動回
路もコンデンサC4 と2次巻線N21のインダクタンスL
との共振回路で構成されており、ここでも共振が生じ
る。第1のトランジスタQ1 はベース駆動回路の共振動
作でベース電流が供給されている間のみオンを維持し、
この後オフになる。第1のトランジスタQ1 がオフにな
ると、これに代って第2のトランジスタQ2 がオンにな
り、コンデンサC1 と出力トランスT2 の1次巻線N1
とマグアンプT1 の1次巻線N11と第2のトランジスタ
Q2 とから成る回路に共振電流が流れる。これと共に、
第2のトランジスタQ2 のベース駆動回路のコンデンサ
C5 と2次巻線N22との共振動作が生じ、これによって
第2のトランジスタQ2 が駆動される。上述の動作の繰
返しによって出力トランスT2 の1次巻線N1 に第1及
び第2の方向の電流が交互に流れ、2次巻線N2a、N2b
にこれに対応した出力電圧が得られ、これがダイオード
D5 、D6 とコンデンサC6 で整流平滑される。
【0007】ところで、図1の装置では制御巻線Nc に
比較的大きな制御電流Ic を流している。即ち、図2に
示すBH曲線の飽和領域の磁束密度が得られるレベルま
で制御電流Ic が流されている。磁心3の透磁率μは図
2に示すように磁心3の飽和領域においては磁界の強さ
Hが大きくなると逆に小さくなる。マグアンプT1 の2
次巻線N21、N22のインダクタンスLは透磁率μにほぼ
比例して変化するので、制御電流Ic を変えることによ
って2次巻線N21、N22のインダクタンスLを制御でき
る。
【0008】図1の装置において出力端子4の電圧が所
定値よりも高くなった時には、制御巻線Nc の電流Ic
が増加し、2次巻線N21、N22のインダクタンスL1 、
L2が小さくなり、L1 、L2 とC4 、C5 との各共振
回路の共振周波数f2 が高くなり、第1及び第2のトラ
ンジスタQ1 、Q2 のオン・オフ繰返し周波数が高くな
る。
【0009】出力トランスT2 の1次巻線N1 の電圧V
n1の振幅は第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のオ
ン・オフ周波数f2 に依存して変化する。図3は1次巻
線N1 のインダクタンスLn1とコンデンサC1 との共振
回路のレスポンスを示す。Ln1とC1 とで決定される固
有の共振周波数f1 よりも高い周波数でトランジスタQ
1 、Q2 がオン・オフすると、レスポンスが低下する。
図4はこれを説明するためのものであり、図4の前半分
に示すf2 が低い場合には1次巻線N1 の電圧Vn1の振
幅が大きいが、後半分に示すf2 が高い場合には電圧V
n1の振幅が低下する。この結果、制御電流Ic の増加に
よって出力電圧が低下し、電圧制御が達成される。
【0010】図1の電源装置では、トランジスタQ1 、
Q2 の駆動回路の共振周波数をインダクタンスL1 、L
2 に依存して変える構成であるために、図2から明らか
なように大きな制御電流Ic を流すことが必要になる。
この結果、誤差増幅器5の電流容量も大きくしなければ
ならず、必然的にコストの上昇を招いた。
【0011】この欠点を解決するために、本件出願人は
図5に示すスイッチング電源装置を試作した。次に、図
5の共振型スイッチング電源装置を説明する。但し、図
5において図1と共通する部分には同一の符号を付して
その説明を省略する。図5においてはマグアンプT1 に
第1及び第2の1次巻線N11a 、N11b が設けられてい
る。第1の1次巻線N11a は第1の逆流阻止用ダイオー
ドD7 を介して第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2
の相互接続点と出力トランスT2 の1次巻線N1 との間
に接続されている。第2の1次巻線N11b は第2の逆流
阻止用ダイオードD8 を介して出力トランスT2 の1次
巻線N1 と第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 の接
続点との間に接続されている。図5においては図1の共
振用コンデンサC4 、C5 の代りにベース電流制限用抵
抗Rb1、Rb2が接続されている。また、図5の装置では
制御巻線Nc の電流Ic が磁心3の飽和レベルよりも低
く設定されている。図5において上記以外は図1と実質
的に同一である。
【0012】図6は図5のマグアンプT1 の構成を示
す。三脚型可飽和磁心3は第1、第2及び第3の脚3
a、3b、3cを有し、中央脚3aに制御巻線Nc が巻
回され、第1の外脚3bに第1の1次巻線N11a と第1
の2次巻線N21が巻回され、第3の外脚3cに第2の1
次巻線N11b と第2の2次巻線N22が巻回されている。
図6の各線の端子a〜jは図5のa〜j点に対応してい
る。
【0013】図7は制御電流Ic とBH曲線との関係を
示す。制御電流Ic は飽和磁束密度を得るための磁界の
強さH2 よりも低いH1 を得るレベルに設定されてい
る。従って、磁心3を飽和に至らしめるためには1次巻
線N11a 又はN11b の電流I1又はI2 を流さなければ
ならない。制御電流Ic のレベルを変えると、第1又は
第2のトランジスタQ1 又はQ2 がオンしてから飽和に
至るまでの時間幅が変化する。即ち、図5の回路におい
ては、2次巻線N21、N22のインダクタンスを制御して
第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 をオン・オフ制
御するのではなく、1次巻線N11a 、N11b による自己
帰還によって磁心3が飽和に至るまでの時間を制御電流
Ic で制御することによって第1及び第2のトランジス
タQ1 、Q2 をオン・オフ制御している。例えば、第1
の1次巻線N11a による帰還で磁心3が飽和すると、第
1のトランジスタQ1 を駆動する電圧が得られなくな
り、第1のトランジスタQ1 がターンオフする。これと
共に、今迄オフ状態にあった第2のトランジスタQ2 を
オンにする向きの電圧が発生し、第2のトランジスタQ
2 がオンになる。図8は第1及び第2のトランジスタQ
1 、Q2 のコレクタ・エミッタ間電圧VCE1 、VCE2 、
コレクタ電流Ic1、Ic2及び出力トランスT2 の1次巻
線N1 の電流In1を示す。図8(E)の電流In1の領域
E1 の電流は、直流電源1とコンデンサC2 とマグアン
プ1次巻線N11a とダイオ−ドD7 と出力トランス1次
巻線N1 とコンデンサC1 からなる共振回路とコンデン
サC1 とコンデンサC3 とマグアンプ1次巻線N11a と
ダイオードD7 と出力トランス1次巻線N1 とから成る
並列共振回路に基づいて流れる。電流In1の領域E2 の
電流は上記の共振回路のコンデンサC3 の代りにダイオ
ードD2 を通って流れる。負の半波における領域E3 、
E4 の電流は、コンデンサC1 と出力トランス1次巻線
N1 とダイオ−ドD8 とマグアンプ1次巻線N11b とコ
ンデンサC2 及びC3を通って流れ、その後、コンデン
サC2 の代わりにダイオ−ドD1 を通って流れる。
【0014】第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 の
オン時間幅即ちオン・オフの繰返し周波数を変えること
によって出力電圧を制御する原理は、図3及び図4に示
した原理と同一である。図5の回路では制御電流Ic が
小さくなるので、誤差増幅器5の電流容量の小さい安価
なものにすることができる。
【0015】図5のスイッチング電源装置は、上述から
明らかなように、制御電流を低減できるという効果を有
するが、制御巻線Nc又はこの接続線が断線した時に、
出力電圧が異常に高くなるという欠点がある。即ち、制
御巻線Ncが断線すると、制御巻線Ncによる磁束が発
生しなくなるために、第1の1次巻線N11a 又は第2の
1次巻線N11b によって磁心3が飽和するまで、第1又
は第2のトランジスタQ1 又はQ2 がオンを継続し、図
4の左半分に示すように高い出力電圧が発生し、出力端
子4に接続する負荷が破損する恐れがある。この種の問
題を解決するために、異常出力電圧を抑制するための特
別な回路を設けることができるが、このように構成する
と必然的にコスト高になる。
【0016】上述のような欠点を解決するために本件出
願人は図9に示す共振型スイッチング電源装置を試作し
た。次に、共振型スイッチング電源装置を説明する。但
し、図9において図1及び図5と共通する部分には同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0017】図9のスイッチング電源装置は、図5の回
路において第1及び第2の1次巻線N11a 、N11b の接
続を変更し、且つ逆流阻止用ダイオ−ドD7 、D8 を省
いたものであって、その他は図5と同一に構成されてい
る。即ち、図9では、第1のトランジスタQ1 と第1の
1次巻線N11a と第2の1次巻線N11b と第2のトラン
ジスタQ2 とが直列に接続され、この直列回路が電源1
の一端と他端との間に接続されている。出力トランスT
2 の1次巻線N1 とコンデンサC1 との共振回路は第2
の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 との直列回
路に対して並列に接続されている。
【0018】図9の装置の正常時の動作は図5とほぼ同
一である。即ち、第1のトランジスタQ1 のオン時に
は、第1のトランジスタQ1 と第1の1次巻線N1 と出
力トランスの1次巻線N1 と共振用コンデンサC1 の回
路に電流が流れる。これにより、第1の1次巻線N11a
に基づく自己帰還が生じ、第1の2次巻線に第1のスイ
ッチング素子Q1 をオンにする電圧が発生する。第1の
1次巻線N11a の電流に基づいて図6に示す磁心3の第
1の外脚3bに発生する磁束φ1 は中央脚3aと第2の
外脚3cを通る。この磁束φ1 は第2の外脚3cの第2
の2次巻線N22に第2のトランジスタQ2 を逆バアスす
る向きの電圧を誘起させるように作用する。これによ
り、第2の1次巻線N11b と第2の起動抵抗R2 とを通
して第2のトランジスタQ2 をオンする動作が禁止され
る。第1のトランジスタQ1 のオンの継続によって第1
の外脚3bが飽和した時には、第1の2次巻線N21に第
1のトランジスタQ1 をオン駆動する電圧が発生しなく
なり、第1のトランジスタQ1はオフに転換する。しか
る後、コンデンサC1 を電源として図1及び図5と同様
に、コンデンサC1 と出力トランスの1次巻線N1 と第
2の1次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 の回路に
電流が流れる。
【0019】制御巻線Nc又はこれに電流を流す配線が
断線すると、可飽和磁心3に制御磁束φc を与えること
ができなくなる。今、第1のトランジスタQ1 のオン期
間であるとすれば、磁心3の第1の外脚3bが直ちに飽
和しなくなり、共振用コンデンサC1 が所定値まで充電
された後に第2の1次巻線N11b と第2の抵抗R2 とを
通って第2のトランジスタQ2 のベ−ス電流が流れ、第
2のトランジスタQ2がオンになる。これにより、第1
のトランジスタQ1 と第1の1次巻線N11a と第2の1
次巻線N11b と第2のトランジスタQ2 との直列回路に
電流が流れ、第1及び第2の2次巻線N21、N22に第1
及び第2のトランジスタQ1 、Q2 をオンにするための
電圧が発生し、この直列回路に過大な電流が流れ、第1
及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のいずれか一方又は
両方が破壊するか、電源1に直列に接続するヒュ−ズ
(図示せず)が溶断し、出力端子4から負荷に過電圧が
印加される状態を防ぐことができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図1、図5
及び図9に示すようにマグアンプを使用する共振型スイ
ッチング電源装置においては、制御巻線Nc の電流が出
力トランスT2 の2次側の整流平滑回路から供給され
る。このため、共振型スイッチング電源装置の起動時に
は制御巻線Nc に直ちに制御電流を供給することができ
ず、スイッチング素子としてのトランジスタQ1 、Q2
のオン時間幅が長くなる。また、起動時においては出力
トランスT2 の2次側が平滑コンデンサC6 によって短
絡状態にある。従って、起動時には定常時の10倍以上
のラッシュ電流が流れる。共振型スッチング電源装置を
このラッシュ電流に耐えるように作製すると必然的にコ
ストが高くなる。また、ラッシュ電流は電源1に別の負
荷が接続されている場合には別の負荷の電圧変動が生じ
る。
【0021】そこで、本発明の目的は起動時のラッシュ
電流を低減させることができる共振型スイッチング電源
装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、直流電源の一端と他端との間に接続された
第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、前記第
2のスイッチング素子に対して並列に接続された出力ト
ランスのインダクタンスを有する1次巻線と共振用コン
デンサとの直列回路と、前記出力トランスの2次巻線に
接続された整流平滑回路と、前記整流平滑回路の出力電
圧を一定にするように前記制御巻線の電流を制御する出
力電圧制御回路と、可飽和磁心と、この可飽和磁心に巻
き回され第1及び第2の1次巻線と第1及び第2の2次
巻線と制御巻線とを備え、前記第1及び第2の1次巻線
前記第1及び第2のスイッチング素子と直列に接続さ
れ、前記第1及び第2の2次巻線が前記第1及び第2の
スイッチング素子の制御端子に接続され、前記制御巻線
が前記整流平滑回路の一方の出力端子と前記出力電圧制
御回路の出力端子との間に接続された可飽和トランス
と、を備えた共振型スイッチング電源装置において、前
記出力トランスの前記1次巻線に電磁結合されたソフト
スタート用巻線が設けられ、前記ソフトスタート用巻線
にソフトスタート電源用整流回路が接続され、前記ソフ
トスタート電源用整流回路がこの出力ラインに直列に接
続されたソフトスタート用コンデンサを介して前記制御
巻線に接続されていることを特徴とする共振型スイッチ
ング電源装置に係わるものである。
【0023】
【発明の作用及び効果】本発明に係わるソフトスタート
用巻線およびソフトスタ−ト電源用整流回路は起動時の
制御巻線の電流供給源として機能する。ソフトスタート
用コンデンサはソフトスタート電源用整流回路の出力ラ
インに直列に接続されているので、微分用コンデンサと
して作用し、起動時に制御電流を制御巻線に供給するが
定常時には制御電流を供給しない。起動時に制御電流が
供給されると、スイッチング素子のオン時間幅が制限さ
れ、ラッシュ電流も抑制される。
【0024】
【実施例】次に、図10及び図11を参照して本発明の
実施例に係わる共振型スイッチング電源装置を説明す
る。但し、図10において、図1、図5及び図9と実質
的に同一の部分には同一の符号を付してその説明を省略
する。
【0025】図10の回路は、図9の回路にソフトスタ
ート用巻線N2cと、ソフトスタート電源用整流回路RF
と、ソフトスタート電源用平滑コンデンサC7 とソフト
スタート用コンデンサC8 と、放電用抵抗R4 と、逆流
阻止用ダイオードD7 とを付加したものであり、その他
は図9と同一に構成されている。
【0026】ソフトスタート用巻線N2cは出力トランス
T2 の1次巻線N1 に対して2次巻線N2a、N2bよりも
密に電磁結合されている。この密の電磁結合を達成する
ために、出力トランスT2 は図11に示すように、磁性
体コア10を囲む非磁性体ボビン11の第1の部分12
に1次巻線N1 とソフトスタート用巻線N2cとを重ねて
配置し、第1の部分12と分離されている第2の部分1
3に第1及び第2の2次巻線N2a、N2bが配置されてい
る。これにより、1次巻線N1 は漏洩インダクタンスを
有して2次巻線N2a、N2bに粗結合され、一方、ソフト
スタート用巻線N2cに対しては2次巻線N2a、N2bより
も密に結合されている。
【0027】ソフトスタート用巻線N2cに接続されたブ
リッジ型整流回路RFはソフトスタート用巻線N2cに誘
起した電圧を整流して出力する。平滑用コンデンサC7
は整流回路RFの一対の出力端子間に接続されている。
整流回路RFと平滑用コンデンサC7 とから成る整流平
滑回路14に接続されている第1の出力ライン15はソ
フトスタート用コンデンサC8 と電流制限抵抗R3 とを
介して制御巻線Nc の一端に接続され、第2の出力ライ
ン16は制御巻線Nc の他端に接続されている。ソフト
スタート用コンデンサC8 には並列に放電用抵抗R4 が
接続されている。定常時の制御電流を制御するための制
御回路2は逆流阻止用ダイオードD7 を介して制御巻線
Nc の他端に接続されている。なお、誤差増幅器5の電
源端子は直流出力端子4に接続されている。
【0028】
【動作】図示が省略されている電源スイッチのオンによ
って電源1から電力供給を開始すると、起動抵抗R1 に
よって第1のスイッチング素子としての第1のトランジ
スタQ1 がオンになる。これにより、出力トランスT2
の1次巻線N1 に電流が流れ、ソフトスタート用巻線N
2cに電圧が誘起し、整流平滑回路14の出力ライン1
5、16間に電圧が得られる。ソフトスタート用巻線N
2cは2次巻線N2a、N2bよりも1次巻線N1 に密に電磁
結合されているので、起動時に2次巻線N2a、N2bが短
絡状態にあってもソフトスタート用巻線N2cに電圧が得
られる。整流平滑回路14の電圧によってソフトスター
ト用コンデンサC8 を介して制御巻線Nc に電流が流れ
る。コンデンサC8 はライン15に直列に接続されてい
るので微分回路として動作し、この充電が飽和するまで
ここを通って電流が流れる。起動時に制御巻線Nc に電
流が流れると、マグアンプの飽和までの時間が短くな
り、結局、第1及び第2のトランジスタQ1 、Q2 のオ
ン時間幅が短くなり、起動時のラッシュ電流が従来より
も小さくなる。起動後においてはコンデンサC8 を通し
て電流が流れなくなるため、2次巻線N2a、N2bの電圧
によって充電された平滑用コンデンサC6 の電圧によっ
て抵抗R3 、制御巻線Nc 、ダイオードD7、誤差増幅
器5の経路で制御電流が流れる。なお、起動時から定常
時への移行期間においてはソフトスタート用巻線N2cと
2次巻線N2a、N2bとの両方から制御巻線Nc に電流が
供給される。
【0029】上述から明らかなように、本実施例によれ
ば起動時の過大電流が制限され、トランジスタQ1 、Q
2 等の電流容量を低くしてコストの低減を図ることがで
きる。また、電源1に別に負荷(図示せず)が接続され
ている場合には、起動時における別の負荷の電圧変動が
抑制される。また、第1及び第2のトランジスタQ1、
Q2 のターンオン及びターンオフ時の電流のオーバーシ
ュートを抑制することができる。
【0030】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) 制御マグアンプの飽和を利用しているため、図
10の抵抗Rb1、Rb2の代わりにコンデンサ又はダイオ
−ドを接続することができ、また場合によってはRb1、
Rb2を省くことができる。また、図10の抵抗Rb1、R
b2に直列に逆流阻止用ダイオ−ドを接続すること、及び
これ等に並列にスピ−ドアップコンデンサを接続するこ
とができる。 (2) 図1、図5の回路にも本願発明を適用すること
ができる。 (3) 2次巻線N2a、N2bの巻数を変えて2つの異な
った出力をとることができる。また、出力トランスT2
の2次巻線N2a、N2bの一方を省く構成にすることがで
きる。 (4) トランジスタQ1、Q2 を電界効果トランジス
タ等の他の半導体スイッチング素子に置き換えることが
できる。 (5) 第1の1次巻線N11a を第1のスイッチング素
子Q1 のコレクタ側に直列に接続すること、第2の1次
巻線N11b を第2のトランジスタQ2 のエミッタ側に直
列に接続することができる。 (6) コンデンサC8 を自然放電できる場合は抵抗R
4 を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のスイッチング電源装置を示す回路図であ
る。
【図2】図1のマグアンプのBH曲線及び透磁率μと制
御電流との関係を示す図である。
【図3】図1及び図5及び図9及び図10のQ1 、Q2
のオン・オフ周波数とN1 とC1 の共振回路のレスポン
スとの関係を説明するための図である。
【図4】Q1 、Q2 のオン・オフ周波数と1次巻線N1
の電圧との関係を示す図である。
【図5】本件出願人が試作した従来のスイッチング電源
装置を示す回路図である。
【図6】図5及び図9のマグアンプを示す斜視図であ
る。
【図7】図5のマグアンプのBH曲線と制御電流の関係
を示す図である。
【図8】図5の各部の状態を示す波形図である。
【図9】本件出願人が試作した別のスイッチング電源装
置を示す回路図である。
【図10】本発明の実施例のスイッチング電源装置を示
す回路図である。
【図11】図10の出力トランスを一部切断して示す図
である。
【符号の説明】
T1 マグアンプ T2 出力トランス N11a 、N11b 1次巻線 N2c ソフトスタ−ト用巻線 C1 共振用コンデンサ C8 ソフトスタ−ト用コンデンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源の一端と他端との間に接続され
    た第1及び第2のスイッチング素子の直列回路と、 前記第2のスイッチング素子に対して並列に接続された
    出力トランスのインダクタンスを有する1次巻線と共振
    用コンデンサとの直列回路と、 前記出力トランスの2次巻線に接続された整流平滑回路
    と、前記整流平滑回路の出力電圧を一定にするように前記制
    御巻線の電流を制御する出力電圧制御回路と、 可飽和磁心と、この可飽和磁心に巻き回され第1及び第
    2の 1次巻線と第1及び第2の2次巻線と制御巻線とを
    備え、前記第1及び第2の1次巻線が前記第1及び第2
    のスイッチング素子と直列に接続され、前記第1及び第
    2の2次巻線が前記第1及び第2のスイッチング素子の
    制御端子に接続され、前記制御巻線が前記整流平滑回路
    一方の出力端子と前記出力電圧制御回路の出力端子と
    の間に接続された可飽和トランスと、 を備えた共振型スイッチング電源装置において、 前記出力トランスの前記1次巻線に電磁結合されたソフ
    トスタート用巻線が設けられ、 前記ソフトスタート用巻線にソフトスタート電源用整流
    回路が接続され、 前記ソフトスタート電源用整流回路がこの出力ラインに
    直列に接続されたソフトスタート用コンデンサを介して
    前記制御巻線に接続されていることを特徴とする共振型
    スイッチング電源装置。
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