JPH074251U - ステアリングホイール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両のステアリングホイール中央部にダイナ
ミックダンパを装着できない場合でも、アイドリング運
転時におけるステアリングホイールの上下振動を抑制し
ようとする。 【構成】 車両のステアリングホイール１において、ホ
イールパイプ４内にウエイト５が配置され、ホイールパ
イプ４内に位置決めされた上下のばね受６とウエイト５
との間にそれぞれコイルばね９が設けられて、ウエイト
５及びコイルばね９からなる振動系の固有振動数がアイ
ドリング運転時におけるステアリングホイール１の上下
振動周波数とほぼ一致し、この振動系がステアリングホ
イール１の左右に対称的に設置されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両のステアリングホイール、とくにその上下振動を抑制する機構 をそなえたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の車両においては、車載エンジンのアイドリング運転時に、ステアリング ホイールがその軸方向とほぼ直角の上下方向に細かく振動しやすいので、ステア リングホイール中央のホーンパット背面にダイナミックダンパを装着して、上記 振動を抑制しようとしたものがあるが、ステアリングホイールの中央部分にエア バッグを装備する場合には、ステアリングホイールのホーンパット部にダイナミ ックダンパを装着する空間がないため、ステアリングホイールの上記振動を抑制 することができず、ステアリングホイールの操作フィーリング改善に対する支障 となっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、車両のステアリングホイールにエアバッグが装備される等の理由に より、ステアリングホイールの中央部にダイナミックダンパを装着できない場合 であっても、アイドリング運転時におけるステアリングホイールの上下振動を抑 制しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案にかかるステアリングホイールは、ばねにより上下方向に対 し弾性的に支持されたウエイトをホイール部材内にそれぞれ左右対称的に設け、 上記ウエイトにより車両のアイドリング運転時における上下振動が抑制されるよ うに構成されている。

【０００５】

【作用】 従って、ホイール部材内にそれぞればねにより弾性的に支持されたウエイトが 左右対称的に設けられて、ダイナミックダンパを形成しているので、ステアリン グホイールの中央部にエアバッグが装備されていても、車両のアイドリング運転 時におけるステアリングホイールの上下振動を容易に抑制することができる。

【０００６】

【実施例】

以下、図面に示す本考案の実施例について具体的に説明する。 図１〜図３において、車両のステアリングホイール１は、２本のほぼ平行な芯 金２によって中央ホーンパット部にエアバッグ３を支持している一方、芯金２の 両端に固定されたホイールパイプ４内の左右にそれぞれ細長い鋼鉄製ウエイト５ が配置され、上下の樹脂製ばね受６の底部十字状溝７にホイールパイプ４内の固 定ピン８がそれぞれ嵌め込まれて、ばね受６がホイールパイプ４内に位置決めさ れていると共に、各ウエイト５と上下のばね受６との間にそれぞれコイルばね９ が設けられて、ウエイト５が上下方向に対して弾性的に支持され、コイルばね９ の周面はゴムまたは樹脂材１０によりコーティングされていて、ウエイト５及び 上下のコイルばね９により形成された振動系の上下方向の固有振動数が、車両の アイドリング運転時におけるステアリングホイール１の上下振動周波数とほぼ一 致するように、ウエイト５の質量とコイルばね９のばね定数とが適宜選定され、 これらの振動系がホイールパイプ４内に左右対称的に設置されている。

【０００７】 また、ホイールパイプ４にはウエイト５を組み込むための作業穴１１が形成さ れていると共に、芯金２、ホイールパイプ４等は外皮１２により覆われて、ステ アリングホイール１が構成されている。

【０００８】 従って、車両のアイドリング運転時には、ウエイト５及びコイルばね９からな る振動系がダイナミックダンパとして作用し、図４に例示されているように、上 記振動系が設置されていなければ車両のアイドリング運転時にみられる上下方向 のステアリングホイール振動特性曲線Ｘに対し、上記振動系の設置によってステ アリングホイール１の振動特性は曲線Ｙのように変化し、車両のアイドリング運 転時におけるステアリングホイール１の上下振動が斜線部に示されているように 大きく抑制されており、ステアリングホイール１のホーンパット部にエアバッグ ３が装備されてそのホーンパット部にダイナミックダンパを装着する空間がない 場合でも、車両のアイドリング運転時におけるステアリングホイール１の上下振 動を容易に低減させることができる。

【０００９】 また、コイルばね９の周面はゴムまたは樹脂材１０によりコーティングされて いるため、ウエイト５が大きく変位してコイルばね９の周面が圧着するようなこ とがあっても、その打音の発生は確実に防止されるので、騒音が生じることもな い。 さらに、ばね受６の底部に十字状溝７が形成されているため、ホイールパイプ ４内にばね受６を組み込んで位置決めするときには、十字状溝７のいずれかにピ ン８を嵌め込むようにすればよいので、その作業は比較的簡単に行うことができ て、大層便利である。

【００１０】 図５に示す車両のステアリングホイール２０は、１本の芯金２１の両端にパイ プ２２が固着され、ホイールリング２３の端部がパイプ２２の上下にそれぞれ嵌 め込まれて連結されていると共に、ボルト及びナット２４により板ばね２５の一 端が芯金２１に固定され、板ばね２５の他端に細長い鋼鉄製ウエイト２６が連結 されて、左右のパイプ２２内でそれぞれウエイト２６が上下方向に対し弾性的に 支持されており、板ばね２５及びウエイト２６により形成される振動系の上下方 向の固有振動数が、車両のアイドリング運転時におけるステアリングホイール２ ０の上下振動周波数とほぼ一致するように、板ばね２５のばね定数とウエイト２ ６の質量とが適宜選定され、これらの振動系が左右のパイプ２２内に対称的に設 置されている。

【００１１】 また、板ばね２５の撓みによりウエイト２６がパイプ２２内で上下に変位でき るように、芯金２１に空所２７が形成されていると共に、芯金２１、パイプ２２ 、ホイールリング２３等は外皮２８により覆われて、ステアリングホイール２０ が構成されている。

【００１２】 従って、車両のアイドリング運転時には、板ばね２５及びウエイト２６からな る振動系がダイナミックダンパとして作用し、前記実施例の場合と同様に、車両 のアイドリング運転時におけるステアリングホイール２０の上下振動を容易に低 減することができると同時に、ウエイト２６が板ばね２５により弾性支持されて 、パイプ２２の内面やホイールリング２３の端面に接触あるいは衝突することも 容易に避けることができるので、ウエイト２６の上下振動によりとくに騒音が発 生することもない。

【００１３】

【考案の効果】

本考案にかかるステアリングホイールにおいては、ホイール部材内にそれぞれ ばねにより支持されたウエイトが左右対称的に設けられて、ダイナミックダンパ として機能することができるので、ステアリングホイールの中央部にエアバッグ が装備されていても、車両のアイドリング運転時におけるステアリングホイール の上下振動を抑制して、ステアリングホイールの操作フィーリングを容易に改善 することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における正面図。

【図２】上記実施例の要部断面拡大図。

【図３】上記実施例の要部断面拡大図。

【図４】上記実施例の作用説明図。

【図５】本考案の他の実施例における要部断面図。

【符号の説明】

１ ステアリングホイール ４ ホイールパイプ ５ ウエイト ９ コイルばね １０ ゴム ２０ ステアリングホイール ２２ パイプ ２３ ホイールリング ２５ 板ばね ２６ ウエイト

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ばねにより上下方向に対し弾性的に支持
   されたウエイトをホイール部材内にそれぞれ左右対称的
   に設け、上記ウエイトにより車両のアイドリング運転時
   における上下振動が抑制されるように構成されたステア
   リングホイール。
2. 【請求項２】 請求項１において、上記ばねが、上記ホ
   イール部材内に設けられて上記ウエイトを付勢するコイ
   ルばねにより構成されたステアリングホイール。
3. 【請求項３】 請求項１において、上記ばねが、一端が
   芯金に固定され他端が上記ウエイトに連結された板ばね
   によって構成されたステアリングホイール。