JPH0742505B2 - 磁気特性およびベンド特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性およびベンド特性に優れた方向性けい素鋼板の製造方法

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JPH0742505B2
JPH0742505B2 JP2037155A JP3715590A JPH0742505B2 JP H0742505 B2 JPH0742505 B2 JP H0742505B2 JP 2037155 A JP2037155 A JP 2037155A JP 3715590 A JP3715590 A JP 3715590A JP H0742505 B2 JPH0742505 B2 JP H0742505B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、圧延方法に優れた磁気特性を有する方向性
けい素鋼板の製造方法に関し、とくに含けい素鋼表層の
抑制力を制御することによって磁気特性を向上させる技
術において生じる問題点の有利な解決策についての研究
成果を開示するものである。
(従来の技術) 方向性けい素鋼板は、主として変圧器その他の電気機器
の鉄心として利用され、その磁化特性が優れているこ
と、とくに鉄損(W17/50で代表される)が低いことが
要求されている。
このためには、第一に鋼板中の2次再結晶粒の<001>
方位を圧延方向に高度に揃えることが必要であり、第二
には、最終製品の鋼中に存在する不純物や析出物をでき
るだけ減少させる必要がある。かかる配慮の下に製造さ
れる方向性けい素鋼板は、今日まで多くの改善努力によ
って、その鉄損値も年を追って改善され、最近では板厚
0.23mmの製品でW17/50の値が0.90W/kg以下の低鉄損の
ものが得られている。
しかしながら、近年のエネルギー危機を境にして、電力
損失のより少ない電気機器を求める傾向が一段と強ま
り、それらの鉄心材料として、さらに鉄損の低い方向性
けい素鋼板が要請されるようになっている。
ところで、方向性けい素鋼板の鉄損を下げる手法として
は、Si含有量を高める、製品板厚を薄くする、2次再結
晶粒を細かくする、不純物含有量を低減する、そして
(110)[001]方位の2次再結晶粒をより高度に揃える
など、主に冶金学的方法が一般に知られている。
ここに2次再結晶の方位を(110)[001]方位に高度に
揃えるためには、正常粒の成長を十分抑制した上で、2
次再結晶を急激に行う必要があることから、とくに抑制
力の強化が必要とされる。
抑制力を強化する手法として、鋼中にCuを添加すること
は古くから知られている技術であり、例えば特公昭48−
17688号公報ではCuを0.10〜0.30%添加し、MnTeを結晶
粒界に移行させることによって抑制力を強化させる技術
が開示されている。また特開昭50−15726号公報ではCu
を0.1〜0.5%添加し、硫化マンガン銅をインヒビターと
して使用することにより、スラブ加熱におけるインヒビ
ターの溶解温度を低下させ、インヒビターの析出にかか
わる熱延条件の制限を緩和させる技術が提案されてい
る。さらに特公昭54−32412号公報ではCuまたはNiを0.2
〜1.0%含有させ、圧下率と最終仕上げ焼鈍を適正化す
ることにより、磁束密度を向上させる技術が開示されて
いる。またさらに特開昭61−12822号公報にはCuを0.02
〜0.20%添加し、インヒビターとして(Cu,Mn)1.8Sを
微細析出させることによって抑制力を強化し、もって磁
気特性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら発明者らの研究によれば、Cuの鋼中添加に
よる抑制力の強化効果は本質的なものではなく、鋼板表
層部の抑制力の劣化に対し、これを補強する効果である
が判明した。すなわち工場生産工程では、2次再結晶時
の鋼板表層部の抑制力が焼鈍過程で劣化すること、そし
てかかる劣化現象を回避して表層の抑制力を維持するた
めには、Feよりも電極電位の高い金属を脱炭・1次再結
晶焼鈍の前もしくは後で一様に鋼板表面に付着させるの
が有効であることを見出し、特開昭61−190020号公報に
その技術を開示した。
ちなみに発明者らの研究によると、鋼中にCuを添加した
場合は、確かに熱延工程で析出するインヒビターのサイ
ズと分布は細かく、析出頻度も高いものになるが、逆に
後工程における高温域での熱処理(例えば熱延板焼鈍や
中間焼鈍、最終仕上げ焼鈍)によってオストワルド成長
し易く、逆に抑制力が低下して、磁気特性の劣化を招く
場合が多いことも究明された。またCuを含有させた鋼で
は、熱間圧延時に表面割れが発生し易く、製品の表面性
状を劣化させるという欠点のほか、最終仕上げ焼鈍後の
コイル端面が波板状に曲がったり、折れたりする問題も
起こる。
かような問題点を回避し、磁気特性を向上させる手法と
して先に掲げた特開昭61−190020号公報に開示の技術を
提案したわけであるが、その後、下記のような問題が内
在していることが判明した。
(発明が解決しようとする課題) すなわち上記の技術を適用してもなお、磁気特性の安定
性が悪く、しかも最終製品に曲げ加工を施した場合には
破断するという不都合(ベンド特性と一般に呼称され
る)が生じた。かかるベンド特性の劣悪な製品を用いて
変圧器を製造すると、例えば鋼板に割れが生じて、変圧
器の性能を著しく低下させることの他、最悪の場合に
は、鋼板層間の絶縁性が阻害されて、変圧器の焼損とい
う甚大な被害をもたらす。
この問題を回避するためには、表面に付着する金属元素
としてCuを選びかつ、その鋼板表面付着量を増加させる
ことが有効であることが、その後の研究で明らかにされ
たけれども、鋼板表面付着量を増した場合には磁気特性
の大幅な劣化を招くことは特開昭61−190020号公報中に
開示したとおりであった。
この発明の目的は、上述した問題を有利に解決し、磁気
特性は勿論のことベンド特性にも優れた方向性けい素鋼
板の有利な製造方法を与えることにある。
(課題を解決するための手段) さて本発明者らは、最終冷間圧延後の脱脂処理として電
解脱脂を採用し、そのとき溶液中の鉄分の量を比較的多
めにしたところ、後工程でのCu付着効果が有効に活用さ
れることを見出し、この発明を完成させるに至った。
すなわちこの発明は、インヒビターとしてS,SeおよびAl
のうちから選んだ1種または2種以上を含有するけい素
鋼用スラブを、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍
を挟む2回の冷間圧延を施して最終板厚としたのち、脱
炭・1次再結晶焼鈍を施し、その後鋼板表面にMgOを主
成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、2次再結晶焼鈍
および純化焼鈍を施す一連の工程によって方向性けい素
鋼板を製造するに当り、 a)最終冷延後、溶液中の鉄分が50〜5000mg/である
けい酸塩系電解脱脂浴中で電解脱脂を行うこと、 b)引き続く脱炭・1次再結晶焼鈍後、鋼板表面にCuを
片面当たり400〜2000mg/m2の範囲で一様に付着させるこ
と からなる磁気特性およびベンド特性に優れた方向性けい
素鋼板の製造方法である。
以下、この発明の解明経緯について説明する。
方向性けい素鋼板の製造工程において、最終板厚に冷間
圧延された鋼板は有害な炭素を取除くため通常脱炭焼鈍
が施される。かかる焼鈍によって鋼板は、内部に微細な
分散第2相からなるインヒビターを含有した1次再結晶
集合組織となるが、同時に鋼板表面相は微細なSiO2粒子
が地鉄内に分散したサブスケール構造となる。ついで脱
炭・1次再結晶板の表面にMgOを主成分とする焼鈍分離
剤を塗布したのち、2次再結晶焼鈍ついでそれに引き続
き1200℃前後での高温純化焼鈍が施される。この2次再
結晶焼鈍によって鋼板の結晶粒は(110)[001]方位の
粗大な粒になると共に、その後の高温純化焼鈍によって
鋼板内部に存在していた抑制剤の一部であるSやSe,Al,
Nなどは鋼板地鉄外に除去される。
さらに、この純化焼鈍において、鋼板表層のサブスケー
ル中のSiO2と表面に塗布された焼鈍分離剤中のMgOと
が、次式、 2MgO+SiO2→Mg2SiO4 のように反応して鋼板表面に、フォルステライト(Mg2S
iO4)と呼ばれる多結晶からなる被膜を形成する。この
とき余剰のMgOは未反応物として、鋼板と鋼板との融着
を防止する役割を果たす。そして高温純化焼鈍を終えた
鋼板は未反応の焼鈍分離剤を取除き、必要に応じて上塗
り絶縁コーティング処理やコイルセットを取除くための
熱処理を施して製品とされる。
さて本発明者らは、脱炭・1次再結晶板の表面にCo,Ni,
Ag,Cu,Hg,Auを片面当たり、20mg/m2と500mg/m2づつ置換
めっき法によって両面に一様に付着させたのち、MgOを
主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃で10時
間の2次再結晶と純化焼鈍を兼ねる最終仕上げ焼鈍を施
した。
得られた鋼板の磁気特性とベンド特性について調べた結
果を第1表に示す。なおベンド特性は、JIS C 2550の繰
り返し曲げ試験で評価した。
第1表から明らかなように、めっき付着量が500mg/m2
場合は、磁気特性(B8)は劣化するけれどもが、ベンド
回数は増大し、とくにCuめっきを施した場合に効果が大
きいことが判明した。
このように、Cuめっきによってベンド特性は向上する
が、磁気特性は逆に劣化する。しかしながらこの点につ
いては有利に補償できることが、次の実験によって明ら
かにされた。
最終冷間圧延後の鋼板を、次の3種類の脱脂法 A:通常のオルトけい酸ソーダ溶液中での脱脂、 B:トリクロルエタンを用いた脱脂、 C:オルトけい酸ソーダ溶液中での電解脱脂 でそれぞれ脱脂した。その後、露点60℃、50%H2、残部
N2の雰囲気中で840℃、5分間の脱炭・1次再結晶焼鈍
を施したのち、置換めっきによってCuを片面当たり1200
mg/m2の付着量となるように、両面に一様にめっきし
た。その後MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布したの
ち、1200℃で10時間の最終仕上げ焼鈍を施した。その時
の鋼板の磁気特性とベンド特性を第2表に示す。
第2表から明らかなように、最終冷延後、オルトけい酸
ソーダ溶液を用いて電解脱脂を施した試料は、脱炭・1
次再結晶焼鈍後、表面に多量のCuを付着させた場合であ
ってもB8で示される磁気特性が劣化することはなく、勿
論ベンド特性も極めて優れていた。
この理由を解明すべく、A,B,C各脱脂処理後の鋼板表面
を観察したところ、オルトけい酸ソーダ溶液中で電解脱
脂した試料にのみ、鋼板表面にSi系とFe系の酸化物・水
酸化物が混在している状態が観察された。
Si系の酸化物・水酸化物は浴中のけい酸ソーダからくる
ものとして、Fe系の酸化物・水酸化物の電着物質の由来
を調査したところ、浴中に混在する鉄分が電着されるた
めであることが判った。さらに脱脂後、脱炭・1次再結
晶焼鈍を施した各A,B,Cの焼鈍板を調査したところ、電
解脱脂処理を施した焼鈍板の表面サブスケールは、膜厚
が厚くしかもシリカがサブスケール中に均一微細に分散
していることがわかった。
次に、この焼鈍板の表面に片面当たり800mg/m2のCuを一
様付着させたのち、温度を種々に変化させて保持し、Cu
が表面から内部へ侵入していく様子をEPMAのライン分析
で調べた結果を、第1図a,bおよびcにそれぞれ示す。
第1図cに示したとおり、電解脱脂を施した試料では、
850℃以下の温度領域におけるCuの鋼中への侵入が著し
く抑制されていることを示している。
一般に2次再結晶は800〜1000℃の温度域で起こり、105
0℃以上ではサブスケールと焼鈍分離剤が反応してフォ
ルステライト被膜が形成されるといわれている。従って
温度が高温になった場合、前述のサブスケールが変化
し、Cuの鋼中侵入抑制効果が消失することは起こり得る
現象である。
以上のように、オルトけい酸ソーダ溶液中で電解脱脂を
行うことによって磁気特性とベンド特性が向上する機構
は、電解脱脂によって鋼板表層に電着されたSi系の鉄系
の酸化物・水酸化物が脱炭・1次再結晶焼鈍後の表層サ
ブスケールを改質し、Cuの鋼中への侵入量を最終焼鈍過
程で制御する、すなわち2次再結晶過程においては低濃
度に制御して良好な2次再結晶をもたらし、より高温で
は鋼中にCuを大量に侵入させることによりベンド特性を
向上させる点にあるといえる。
このような電解脱脂の効果は、発明者らがはじめて見出
したものであり、この作用は電解浴中に存在する鉄分の
濃度に依存するものである。浴中において鉄分は、鉄化
合物の他にFe2+やFe3+の鉄イオンの形で存在するが、浴
中に分散していれば存在形態の如何を問わず、いずれも
効果を有することがわかった。
なお従来より、けい酸塩浴中で電解脱脂されたけい酸鋼
圧延板表面には、Si系とFe系の酸化物・水酸化物が電着
していることが知られてはいたが、このうち有用なのは
Si系の電着物であるとされ、この電着量の管理が必要と
されていただけで、Fe系の電着物は不要のものとして何
ら着目されていなかった。
さてこの発明では、鋼板表面に電着したFe系の電着物の
定量化は、鋼板自身との区別が困難なため、極めて難し
いことから、浴中の鉄分濃度に着目し、これを管理する
ことにより、所望の効果を得るものである。
以下、浴中の鉄分の好適濃度範囲およびCu付着処理の時
期を決定した実験について述べる。
20mg/の鉄分を含むオルトけい酸塩浴(通常かかる浴
中の鉄分濃度は15〜30mg/)中に鉄イオンを補給する
形で、浴中の鉄分濃度がそれぞれ20,32,50,120,530,115
0,3700,5000,7500,9800mg/の溶液を用意し、電解脱脂
を行った。使用した最終冷延板は前述の実験と同じもの
である。
その後、各冷延板を2分割し、一方にはCuを片面当たり
の付着量800mg/m2で両面に一様にめっきし、他方はその
ままで、露点65℃の50%H2−N2雰囲気中で830℃、5分
間の脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。その後Cuめっきを
施さなかった試料については、Cuを850mg/m2(片面当た
り)両面に一様にめっきしたのち、両者ともMgOを主成
分とする焼鈍分離剤を塗布してから、1200℃で10時間の
最終仕上げ焼鈍を施した。
得られた各鋼板の磁束密度およびベンド回数について調
べた結果を第2図に示す。
同図より、浴中の鉄分濃度が50〜5000mg/の場合に、
磁束密度が飛躍的に向上していることがわかる。
またCuめっきの時期としては、脱炭・1次再結晶焼鈍後
が適切であることがわかる。この点、脱炭・1次再結晶
焼鈍前にCuめっきを施した場合には、脱炭・1次再結晶
焼鈍時に形成される鋼板表層のサブスケールの形成が表
面Cuによって抑制され、その結果良好な2次再結晶の進
行が妨げられて磁性が劣化するものと考えられる。
次に、表面に付着させるCuの適正量について検討した実
験について述べる。使用した最終冷延板は前述の実験と
同一のものであり、電解脱脂浴としては浴中の鉄分の濃
度が1600mg/のオルトけい酸ナトリウム溶液を使用
し、通常の処理条件で電解脱脂を行ったのち、露点55℃
の40%H2−N2雰囲気中で820℃、5分間の脱炭・1時再
結晶焼鈍を施したのち、電気めっきによって片面当たり
のCu付着量が30,63,230,400,800,1600,2000,3600および
5000mg/m2となるように、ひとつは片面のみ、他のひと
つは両面に付着させた。その後MgOを主成分とする焼鈍
分離剤を塗布したのち、1200℃で10時間の最終仕上げ焼
鈍を施した。
得られた鋼板の時期特性およびベンド特性について調べ
た結果を第3図に示す。
第3図より明らかなように、鋼板表面への適正なCu付着
量は片面当たり400〜2000mg/m2であり、Cu付着量が少な
い場合はベンド特性が劣化し、逆にCu付着量が多過ぎる
場合には磁束密度B8が劣化する。
またCuの付着は、両面の方がやや優れてはいるものの、
片面であっても効果に大きな差異はない。
(作 用) この発明の素材としては、公知の製造方法、例えば転
炉、電気炉などによって製鋼し、さらに造塊−分塊法ま
たは連続鋳造法などによってスラブ(鋼片)としてたの
ち、熱間圧延によって得られた熱延コイルを用いる。
この熱延板は、Siを2.0〜4.0wt%(以下単に%で示す)
程度含有する組成である必要がある。というのは、Siが
2.0%に満たないと鉄損の劣化が大きく、一方4.0%を超
えると冷間加工性が劣化するからである。
その他の成分については、方向性けい素鋼板の素材成分
であればいずれも適用可能であるが、インヒビター成分
として、S,Se,Alの1種または2種以上を含有させる必
要がある。この時のSの適正量は0.015〜0.025%、Seの
適正量は0.010〜0.025%、Alの適正量は0.010〜0.035%
であり、この範囲をはずれると鋼中にインヒビターを均
一微細に分散させることが困難となる。
次に熱延板表面のスケールを除去したのち、冷間圧延に
よって最終目的板厚とするが、冷間圧延は1回または中
間焼鈍を挟む2回の冷間圧延により行われる。このとき
必要に応じて熱延板の均一化焼鈍や、冷間圧延に代わる
温間圧延を施すこともできる。
最終板厚とした冷延板は、電解脱脂によって表面を脱脂
する。この時電解脱脂の条件は通常し使用される条件で
よいけれども、脱脂浴液としてはけい酸塩を含むものを
使用することが肝要である。すなわちオルトけい酸ナト
リウム(Na4SiO4)、メタけい酸ナトリウム(Na2Si
O3)、あるいは種々のけい酸ナトリウムの液体混合物で
あるいわゆる水ガラス等が適当である。またナトリウム
の代わりにカリウムまたはリチウムなどのけい酸塩を用
いることも可能である。いずれも金属イオンとSiとのモ
ル比はその如何を問わない。電解浴の組成は上記のけい
酸化合物の濃度を通常0.1〜10%程度とすることで脱脂
とSi付着との両方を満足でき、その他の物質の存在の有
無を問わないが、ただ浴中の鉄分の濃度を50〜5000mg/
の範囲に厳しく管理することがこの発明においては不
可欠である。
電解脱脂後の鋼板には、脱炭と1次再結晶焼鈍を兼ねた
湿水素中(N2バランス)での焼鈍を施す。その後、鋼板
表面にCuを付着させるが、前述したとおり、このとき付
着量は片面当たり400〜2000mg/m2とする必要がある。ま
たCu付着面は片面でも両面でも大差ないが、上記の範囲
内で一様に付着させることが肝要である。なお鋼板表面
局部において、上記範囲外のCu付着量となる個所が生じ
た場合、ベンド特性の向上と磁気特性の向上というこの
発明の目的が、その場所において適えられない結果とな
り好ましくない。
Cuの付着方法としては、硫酸銅水溶液に浸漬するいわゆ
る置換めっきをはじめとして、電気めっきによって鋼板
表面に電着させる方法など従来公知のいかなる方法も使
用可能である。
その後、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布して最終
仕上げ焼鈍を行うが、焼鈍分離剤を鋼板へ塗布する手段
としては、ロールやハケによる塗布、吹付けおよび静電
塗装などの従来公知の方法いずれを採用してもよい。
最終仕上げ焼鈍後の鋼板は、未反応の焼鈍分離剤を除去
したのち、必要により上塗り絶縁コーティングや平坦化
焼鈍を施して、製品とされる。なお上塗り絶縁コーティ
ングとしては、張力付与型のコーティングが磁気特性上
とくに好ましい。
かかる手法により、磁気特性およびベント特性に優れた
方向性けい素鋼板を安定して得ることができるのであ
る。
実施例 実施例1 第3表に示す種々の成分組成のうち、A,B,C,DおよびE
の各スラブを常法に従い、スラブ加熱後、熱間圧延し、
厚み1.6mm,2.0mm,2.4mmの熱延鋼帯としたのち、1000℃
で1分間の熱延板焼鈍後、酸洗し、それぞれ0.40mm,0.6
5mm,0.80mmの中間厚に冷間圧延した。ついで950℃で1
分間の中間焼鈍を施したのち、それぞれ0.15mm,0.23mm,
0.30mmの最終板厚に冷間圧延した。
その後、鉄分を1200mg/含むオルトけい酸ナトリウム
浴中で、半量は無電解で、一方他の半量は電解をかけて
脱脂した。ついで脱炭・1次再結晶焼鈍を施したのち、
Cuを置換めっきにより片面当たり800mg/m2両面に一様に
付着させ、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してか
ら、850℃で80時間の2次再結晶焼鈍、ついで1200℃で
5時間の純化焼鈍からなる最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた各製品板の磁気特性とベンド特性を第
4表に示す。
実施例2 第3表中、F,G,Hの各スラブを常法に従い、スラブ加熱
後、熱間圧延して2.3mm厚の熱延鋼帯としたのち、酸洗
し、0.75mmの中間厚に冷間圧延した。ついで950℃で1
分間の中間焼鈍後、0.30mmの最終板厚に冷間圧延したの
ち、3分割し、鉄分を22mg/、240mg/および8400mg/
含有するオルトけい酸カリウム浴中でそれぞれ電解脱
脂した。
その後、脱炭・1次再結晶焼鈍を施したのち、電気めっ
きによってCuを片面当たり1600mg/m2両面に一様に付着
させ、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を塗布してから、
昇温時に2次再結晶せしめ、1200℃で10時間の最終仕上
げ焼鈍を施した。
かくして得られた各製品板の磁気特性とベンド特性を第
5表に示す。
実施例3 第3表中、I,J,K,L,M,N,O,P,Q,RおよびSの各スラブを
常法に従い、スラブ加熱後、熱間圧延して2.0mm厚の熱
延鋼帯とした。ついで1000℃で1分間の熱延板焼鈍後、
酸洗し、1.50mmの中間厚に冷間圧延したのち、1100℃で
1分間の急冷を伴う中間焼鈍を挟んで0.75mmの板厚に冷
間圧延した。その後張力連続炉で350℃で1分間の時効
処理を施した後、再び常温まで冷却し、冷間圧延によっ
て0.23mmの最終板厚に仕上げた。
ついで鉄分を800mg/含むオルトけい酸ナトリウム浴中
で電解脱脂を施したのち、脱炭・1次再結晶焼鈍を施し
た。その後各コイルを3分割し、置換めっきによってCu
を片面当たりそれぞれ150mg/m2,1200mg/m2,3500mg/m2
面に一様に付着させ、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布してから、昇温時に2次再結晶せしめ、1200℃で10
時間の最終仕上げ焼鈍を施した。
かくして得られた各製品板の磁気特性とベンド特性を第
6表に示す。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、磁気特性はいうまでもなく
ベンド特性に優れた方向性けい素鋼板を得ることができ
有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bおよびcはそれぞれ、脱脂処理を種々の方法
で行った後、Cuを一様付着させたから、種々の温度で保
持したときの、保持温度とCuの表面からの浸透深さとの
関係を示したグラフ、 第2図は、電解脱脂浴中の鉄分濃度とB8およびベンド特
性との関係を示したグラフ、 第3図は、鋼板片面当たりのCu付着量とB8およびベンド
特性との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅 孝宏 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 貞頼 捷雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インヒビターとしてS,SeおよびAlのうちか
    ら選んだ1種または2種以上を含有するけい素鋼用スラ
    ブを、熱間圧延し、ついで1回または中間焼鈍を挟む2
    回の冷間圧延を施して最終板厚としたのち、脱炭・1次
    再結晶焼鈍を施し、その後鋼板表面にMgOを主成分とす
    る焼鈍分離剤を塗布してから、2次再結晶焼鈍および純
    化焼鈍を施す一連の工程によって方向性けい素鋼板を製
    造するに当り、 a)最終冷延後、溶液中の鉄分が50〜5000mg/である
    けい酸塩系電解脱脂浴中で電解脱脂を行うこと、 b)引き続く脱炭・1次再結晶焼鈍後、鋼板表面にCuを
    片面当たり400〜2000mg/m2の範囲で一様に付着させるこ
    と を特徴とする磁気特性およびベンド特性に優れた方向性
    けい素鋼板の製造方法。
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