JP3357611B2 - 鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法Info
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Description
の鉄芯に利用される方向性電磁鋼板、中でも変圧器の小
型化に寄与する、鉄損特性に優れた高磁束密度方向性電
磁鋼板の製造方法に関する。
〔001〕方位や(100)〔001〕方位に配向した
方向性電磁鋼板は、優れた軟磁気特性を有することから
商用周波数域での各種鉄芯材料として広く用いられてい
る。この電磁鋼板に要求される特性としては、一般に50
Hzの周波数で1.7 Tに磁化させた場合の損失である、W
17/50 値(W/kg)で表わされる、鉄損が低いことが重要で
ある。すなわち、W17/5 0 の値が低い材料を用いると、
大型変圧器の鉄芯や巻鉄芯などの実機における鉄損特性
も優れたものになる。
た磁束密度の高い方向性電磁鋼板は、変圧器の小型化に
有利なことと、鉄損が低くかつ低騒音の変圧器を製作可
能であることから、近年の省エネルギー指向および低騒
音環境指向により、年々その使用量が増加しており、さ
らに磁束密度を高めた方向性電磁鋼板の開発が望まれて
いる。
呼ばれる成分を含有させ、鋼スラブを高温で加熱し該イ
ンヒビターを高温で固溶させた後、熱間圧延を施して微
細にインヒビター析出させ、2次再結晶と呼称される現
象を利用して、上述の結晶方位を得る、一連の工程にて
製造されるのが一般的である。ここで、方向性電磁鋼板
の磁束密度を高めるには、インヒビターの機能を強化し
て2次再結晶粒の結晶方位の配向度を高めることが重要
である。インヒビターとしては、AlN 、MnS あるいはMn
Seの鋼中析出物が知られているが、これらの析出物は高
温熱処理における結晶粒界の移動を妨げ、1次再結晶粒
の成長を抑制することによって、2次再結晶粒の急激な
成長を促進する役割を果たす。この析出物よる1次再結
晶粒の成長抑制力は、Zener の式で一般に与えられるこ
とが知られており、析出物の体積分率が大きいほど、ま
た同一の体積分率の場合には、微細に分散して析出して
いるほど、抑制力は強いと評価される。
ことは、析出の前段階である鋼中への固溶温度が高くな
ることを意味し、鋼中への完全固溶が困難になるため現
状の含有量が限界である。また、熱間圧延において微細
に析出する技術についても、現状の熱延設備の限界に達
しており、析出物のこれ以上の微細化は困難であると同
時に、現状以上に微細化した場合、通常の熱処理によっ
ても簡単にオストワルド成長してしまい、微細化効果が
失われるばかりか、不均一に析出した場合には逆に粗大
化し、抑制力の劣化を招くことになる。従って、析出物
のサイズを低減する方法も限界に達している。
は、上述の析出物のみでなく、結晶粒界に偏析する元素
もよく知られている。これは、結晶粒界に偏析し、粒界
エネルギーを低下させて粒界移動を抑制する機構を利用
したものである。偏析元素としては、SbやSnがよく知ら
れているが、これらの偏析元素の単独の偏析効果による
抑制作用はさはど大きくはないので、MnSeとSbやAlN と
SbおよびAlN とSnなどのように、析出物と偏析元素の偏
析との複合作用を利用する場合が多い。この方法は、偏
析元素の粒界偏析効果のみならず、偏析元素が析出物界
面にも析出し析出物のオストワルド成長をも抑制すると
いう利点が存在する。しかしながら、この方法において
得られる抑制力にも限界があり、この技術で得られる方
向性電磁鋼板の磁束密度は高々B8 で1.95Tである。
鋼中に固溶しない元素を添加する方法も、検討されてい
る。例えば、特公昭51−29496 号、特開昭49−119817
号、特公昭53−39852 号および特公昭59−30771 号各公
報など、その他多数の公報には、MnSeの析出型インヒビ
ターを有する成分系にBiやPbを添加する技術が開示され
ている。同様に、特公昭56−18044 号や特公昭56−2133
1 号各公報などには、AlN およびMnS やMnSeの析出型イ
ンヒビターを有する成分系にBiやPbを添加する技術が開
示されている。
技術は、MnS やMnSeをインヒビターとする方向性電磁鋼
板の製造において、Biを含有させた鋼スラブに施す再圧
処理を1050℃以下で終了させることにより、高磁束密度
を得るものである。しかし、この技術によって、安定し
て高磁束密度の方向性電磁鋼板を工業的に得ることは、
未だ成功していない。
には、AlとSとBiを含有する方向性電磁鋼の熱間圧延板
に、1000℃で1分間の熱延板焼鈍を施してから、1050℃
の中間焼鈍を挟む冷間圧延2回法にて冷間圧延を施した
後急冷し、次いで時効圧延を施すことにより、やはり高
磁束密度の方向性電磁鋼板を得ている。しかし、この技
術では、最終仕上げ焼鈍時、鋼板表面に塗布した焼鈍分
離剤中の水和水の含有量の僅かな差によって、2次再結
晶挙動が変化し磁気特性が変動するため、工業的に十分
な技術とはいえない。
おいて得られる方向性電磁鋼板の磁束密度は、例えば特
公昭62−56923 号公報の実施例にてB8 の値として1.95
6 Tが得られてはいるが、工業製品として適用した場
合、いずれの技術も極めて不安定で再現性に乏しいた
め、実用化されるには至っていない。
零に近く、また、その融点は500 ℃前後であるため、こ
れらの金属は溶鋼中で液滴状態に存ることが知られてい
る。ところが、凝固後の鋼中に非固溶物体として存在す
る、これらの金属が、如何なる機構の下に、2次再結晶
時にインヒビターとして機能するかについては明確では
なかった。すなわち、BiやPbをインヒビターとして鋼中
に添加する技術は極めて古くから存在する技術であるに
もかかわらず実用化されずに至っているのは、インヒビ
ター機能の作用機構が不明確である点が原因であった。
やBiをインヒビターとして使用した場合に、低融点でFe
へ固溶しないPbやBiが、インヒビターとして機能する機
構を解明して、これら金属を有効に活用する方途を開く
ことによって、極めて低い鉄損と高磁束密度を兼ね備え
た優れた材料を製造する技術を提供しようとするもので
ある。
しない元素であるBiやPbが、鋼中において如何なる機構
によって1次再結晶粒の成長抑制作用と2次再結晶粒の
方位選択作用を発揮するのか、について、実験並びに考
察を行った結果、次の事項を解明するに到った。すなわ
ち、これら元素が最終仕上げ焼鈍の昇温過程において結
晶粒界に配置されることによって1次結晶粒の成長抑制
作用を発揮すること、2次再結晶開始以降、結晶粒界か
ら鋼板外に散逸することによって、特定の結晶方位に粒
のみを選択的に異常粒成長させ得ること、鋼板表層部の
内部酸化層中のCを脱炭することにより、さらに特定の
結晶方位に粒のみを選択的に異常成長させ得ることを見
い出した。以上の知見に基づき、安定して高磁束密度の
方向性電磁鋼板を製造する技術を確立し、この発明を完
成させた。
およびMn:0.03〜3.50重量%を含み、さらにインヒビタ
ー形成成分として、Al、S、Se、Sb、Sn、Cu、Cr、Ni、
Ge、BおよびNのうちから選択した1種もしくは2種以
上を単独または複合で含有する鋼スラブに、熱間圧延を
施したのち、1回もしくは2回以上の冷間圧延にて所定
の板厚とし、その後1次再結晶焼鈍を施し、鋼板表面に
焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ焼鈍を施す一連
の工程に従って方向性電磁鋼板を製造するに当たり、鋼
スラブに、BiおよびPbの一方または両方を合計で0.0005
〜0.100 重量%含有させ、残部がFeおよび不可避的不純
物の組成とすること、熱間圧延は、50〜260 秒間にて、
仕上げ圧延の圧下率が88〜98%の下に行うこと、最終冷
間圧延の圧下率を80〜95%とすること、焼鈍分離剤が含
有する水和水を0.03%以上とすること、そして焼鈍分離
剤に被膜形成抑制型の添加物を添加する手法、焼鈍分離
剤中に含有されるFe並びにSi分を0.02重量%以上含有さ
せる手法および最終仕上げ焼鈍の900℃から1050℃の間
の焼鈍雰囲気の温度に応じて雰囲気におけるN2 比率を
高温側に増加する手法のうち、いずれか少なくとも1つ
の手法によって、最終仕上げ焼鈍において、鋼中に存在
するBiおよび/またはPbを、最終仕上げ焼鈍前の3分の
2以下の含有量に低減することからなることを特徴とす
る鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方
法。
ンヒビター形成成分として、Al、S、Se、Sb、Sn、Cu、
Cr、Ni、Ge、BおよびNのうちから選択した1種もしく
は2種以上を単独または複合で添加し、Al、S、Seにお
いては単独あるいは複合で0.010 〜0.045 重量%、Sbに
おいては0.0010〜0.080 重量%、Sn,Cu、Cr、Ni、Geに
おいては単独あるいは複合で0.0010〜1.30重量%、Bに
おいては5〜50PPM 、Nにおいては30〜100PPM添加する
ことを特徴とする鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電
磁鋼板の製造方法。
結晶焼鈍後かつ2次再結晶開始までの間に、鋼中に上限
550PPMの範囲でNを含有させる窒化処理を施すことを特
徴とする鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の
製造方法。
最終冷間圧延後かつ最終仕上げ焼鈍前、または最終仕上
げ焼鈍後に、鋼板表面に複数の溝を形成させることを特
徴とする鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の
製造方法。
いて、被膜形成抑制型の焼鈍分離剤を使用してフォルス
テライト被膜の形成を抑制した場合は、最終仕上げ焼鈍
後に張力被膜を形成することを特徴とする鉄損の極めて
低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方法。
た経緯を実験例に基づいて以下に述べる。表1に示す鋼
AおよびBに従う組成の鋼スラブ(厚み250mm )を、各
4本ずつ、つまりA−1〜4およびB−1〜4の鋼スラ
ブを1410℃に加熱した後、粗圧延により、A−1、A−
2、A−4、B−1、B−2およびB−4の鋼スラブは
40mmの厚みとし、A−3およびB−3の鋼スラブは20mm
の厚みとした。次に、終了温度が940 〜960 ℃の熱間仕
上げ圧延によって、2.7mm 厚の熱延コイルとした。ここ
で、熱間圧延に要した時間は、粗圧延開始から仕上げ圧
延終了までの時間として、A−1、A−3、A−4、B
−1、B−3およびB−4が150 秒間、一方A−2およ
びB−2は290 秒間、をそれぞれ要した。熱間圧延終了
後のコイル巻取り条件は、ジェット水冷によって45〜50
℃/s で冷却し600 ℃の温度で巻取った。
間圧延によって、A−1、A−2、A−3、B−1、B
−2およびB−3のコイルは1.70mmの中間板厚とし、A
−4およびB−4のコイルは1.00mmの中間板厚とした。
その後、これらのコイルは中間焼鈍として、1050℃まで
10℃/s の平均昇温速度で昇温し、その温度で30秒間の
熱処理後、ミスト水を噴射し40秒の時間で室温まで冷却
した。この中間焼鈍後、これらのコイルは酸洗し、ゼン
ジマー圧延機による200 ℃の温間圧延にて0.22mmの厚み
に圧延した。
℃で2分間1次再結晶焼鈍を兼ねる脱炭焼鈍を施した
が、その際500 〜850 ℃間の昇温速度を20℃/s とし
た。さらに、これらのコイルはすべて2分割し、一方
は、2重量%のTiO2をMgO に添加した焼鈍分離剤をスラ
リー状に塗布、乾燥してから巻取り、最終仕上げ焼鈍を
施した。残る他方は、2%のTiO2および5%のCr2O3 を
MgO に添加した焼鈍分離剤をスラリー状に塗布、乾燥し
てから巻取り、最終仕上げ焼鈍を施した。ここで、最終
仕上げ焼鈍時の焼鈍分離剤が含有する水和水の値は、両
者ともに1.6 %であった。
おいて30℃/h の昇温速度で850 ℃まで昇温し、さらに
20時間保持した後、10%N2 と90%H2 の混合雰囲気で
1100℃まで12℃/h の昇温速度で昇温し、以後H2 単独
雰囲気で1200℃まで昇温して5時間保持し冷却した。冷
却後は未反応分離剤を除去し、50%のコロイダルシリカ
を含有するリン酸マグネシウムを主成分とする絶縁コー
ティングを塗布し800℃で焼き付け、その後、磁区細分
化処理としてプラズマジェット照射を圧延方向への間
隔:6mmで圧延方向に直角方向に線状に行い製品とし
た。
沿って長さ500mm および幅150mm のサイズで試験片を切
り出し、1.7 Tの磁束密度における鉄損の値W17/50 お
よび磁束密度B8 を測定した。これらの測定結果を表2
にまとめて示す。
が、さらに焼鈍分離剤中にCr2O3 を添加した条件の製品
は極めて高い磁気特性と低い鉄損が得られていることが
わかる。これに対し、その他の成分および製造条件の製
品はいずれも、磁束密度が低く、鉄損の値も十分ではな
い。
添加した条件の製品が良好な結果を得た理由について、
精力的な調査を行った結果、その理由として以下の結論
を得るに到った。すなわち、第1点は、鋼板にBiが存在
し、かつBiが2次再結晶直前において一斉に鋼板から抜
けていくことにより、急激に2次再結晶が進行する点で
ある。鋼A中の主インヒビターであるBNは、確かに1
次再結晶粒に対して強い成長抑制機能を発揮するが、B
Nは最終仕上げ焼鈍中にオストワルド成長するため、徐
々にこの抑制機能が低下してくる。このことは、方位の
劣る2次再結晶粒の異常粒成長をも促す結果となり、2
次再結晶組織の集積度を低下させる結果をもたらす。し
かしながら、適切に鋼中に分散されたBiを含有する、A
−1を典型例とする鋼板においては、高温域までBiが強
い抑制力を維持し、かつ急激に鋼板から抜けていく結
果、好ましい方位の2次再結晶粒の一斉成長を促し、表
2に示された、集積度の高い、したがって磁束密度の高
い2次再結晶組織が与えられるのである。
程の高温域において、鋼板表面にフォルステライト (Mg
2SiO4)と呼ばれる緻密な酸化被膜が形成するのが一般的
であり、該フォルステライト被膜が上述のBiの鋼板から
の一斉散逸を妨害している。この状況に反して、上記実
験が望外の良好な結果を得た原因は、焼鈍分離剤に添加
したCr2O3 が最終仕上げ焼鈍の昇温過程において、低温
域から徐々に分解して酸素を放出し、これが鋼板表面へ
のフォルステライト形成反応を抑制して、高温域まで鋼
板地鉄面が裸出した状態が維持される結果、高温域での
Biの鋼板からの一斉散逸が可能となり、方位の優れた2
次再結晶粒のみの成長が実現できたものである。
種類の焼鈍分離剤を表面に有する2種の鋼板について、
最終仕上げ焼鈍の途中過程で被膜の生成量および鋼板中
のBi含有量がどのように変化するかを調査した。その結
果を図1に示すように、Cr2O3 を添加した試料(記号:
●)の方は被膜の生成が遅滞し、すなわち被膜の生成が
抑制されており、急激なBi含有量の低減が認められる。
これに対して、Cr2O3を添加していない試料(記号:
○)の方は被膜の生成が早く、Biの鋼中からの低下が少
ない。
なわち被膜形成抑制型の添加物としては、最終仕上げ焼
鈍中において徐々に分解し酸素を放出するようなもので
あればよく、V2O5、MoO3、MnO2、CuO2などが有利に適合
する。さらに、MgO 中に含有されるFeやSi分も、最終仕
上げ焼鈍過程において酸素を徐々に分解、放出するの
で、0.02重量%以上含有させれば有効に作用する。ま
た、被膜形成反応を遅滞させることが目的であるので、
通常、被膜形成が開始される最終仕上げ焼鈍の900℃か
ら被膜形成が活発化する1050℃の間の焼鈍雰囲気におい
て、高温になるほどN2 比率を増加することは、高温で
活発化する被膜形成反応をより有利に抑制できる。
仕上げ焼鈍において鋼中に存在するBiを低減することで
あり、その際、鋼中の当初の存在量の少なくとも3分の
2の含有量まで低減しなければ、この発明の作用は十分
には得られない。
のこのような挙動は、Biが鋼板の結晶粒界に存在し、高
温で溶解することにより起きる現象である。すなわち、
結晶粒界を拡散の経路として鋼中から鋼板表面に、さら
に気相中へと抜けていき、極めて短時間で鋼板外へ散逸
できるものである。このような現象は、Bi以外にもPbで
も確認され、Pbを含有させた鋼でも、Bi同様の良好な磁
気特性を得ることができた。さらに、こうした作用を得
るためのBiやPbの鋼中への含有量は単独または合計で0.
0005〜0.100 重量%であることがわかった。
の分散状態に関するものである。BiやPbは鋼中に均一に
分散させることが必要で、最終的には1次再結晶粒のサ
イズ5〜15μm 程度の分散間隔が好ましい。したがっ
て、BiやPbのサイズについては、あまり細かいと鋼中に
密に存在し、1次再結晶粒の結晶粒界上に存在し得なく
なるため、これを考慮した適度なサイズとすることが好
ましい。このような分散状態は、従来公知であるインヒ
ビターの分散状態と大きく異なり、非常に粗いものであ
る。そして、この特殊な分散状態は、適正な条件での熱
間圧延および冷間圧延と熱処理の繰り返しによって達成
される。
に存在するが、熱処理により結晶粒界を通じて拡張・扁
平化し、強加工により切断・分断され、鋼中に分散され
るようになる。この分散状態を制御するには、まず、熱
間圧延を一定時間の範囲内で行う必要がある。さらに、
熱間圧延において、仕上げ圧延の圧下率はBiやPbの切断
・分断状態に大きく関係するため、特に重要であり、厳
密に規制する必要がある。
点で、上記のようなBiやPbの分散状態や最終仕上げ焼鈍
における急激な鋼板からの散逸が実現されたとしても、
2次再結晶粒として成長する粒の結晶方位が優れたもの
でなければ、高い集積度の2次再結晶組織が得られな
い。従って、かような目的に適った1次再結晶集合組織
を得ることが必要であり、そのためには、最終冷間圧延
の圧下率を80〜95%の範囲に規制することが重要であ
る。
かわることである。すなわち、脱炭焼鈍後の鋼板表面に
存在する厚さ5μm 程度の内部酸化層は鋼中のSiやMnが
酸化され純Feとなっている。これに対し、鋼板内部に
は、固溶Siや固溶Mnが存在するため、Cの溶解度の差か
ら、最終仕上焼鈍時に、まず鋼中から内部酸化層へとC
が拡散し、濃縮されてくる。そして、最終仕上焼鈍が進
行し、さらに焼鈍温度が高くなると、鋼中からSiやMnが
内部酸化層へと拡散し、これに伴い、内部酸化層に濃縮
されていたCが、鋼板の内部方向へと逆拡散する。Siや
Mnの内部酸化層への拡散は、まさに、2次再結晶粒の核
生成と成長の温度域で生じるので、内部酸化層の内方直
下に存在する優れた結晶方位を有する2次再結晶粒の核
生成が逆拡散による濃度の高いCによって抑制され、鋼
板板厚方向のより内部の結晶方位の劣る粒が2次再結晶
し、製品の磁気特性を劣化させる。
層における濃縮Cを除去する必要がある。これは、鋼板
表面に塗布された焼鈍分離剤に水和水を含有させること
によって、達成できる。すなわち、最終仕上げ焼鈍の途
中において、焼鈍分離剤の水和水が、400 〜600 ℃の比
較的低温域で気相中へと散逸すると、鋼板表面の酸化性
が高くなり、内部酸化層が脱炭されて濃縮されたCを気
相中へと散逸させる結果、良好な方位の2次再結晶粒の
成長が促進される。また、内部酸化層に濃縮されたCが
除去されることは、前述のBiやPbの鋼中から気相への除
去にも有利に働く。
水和水については、水スラリー状態で塗布される際のMg
O やCaO などの各種成分の水和水を用いても、またSr(O
H)2など、添加剤の結晶水(Sr(OH)2の場合は7H2O )を
用いても良い。
結果、この発明は完成されたものである。以下、本発明
の方向性電磁鋼板の成分組成や製造方法に関して、詳述
する。
工程において脱炭不良を招き、磁気特性が劣化する。一
方、0.005 重量%未満では、析出カーバイドによる組織
改善効果が望めず2次再結晶が不完全となり磁気特性が
劣化する。したがって、その含有量は0.005 〜0.120 重
量%の範囲とする。
の成分であり、そのためには1.5 重量%以上含有させる
ことが必要であるが、7.0 重量%を超えて含有させると
加工性が劣化し製品の製造や製品の加工が極めて困難に
なる。したがって、その含有量は1.5 〜7.0 重量%の範
囲とする。
工性を向上させる、重要な元素である。この目的のため
には、0.03重量%以上含有させることが必要であるが、
3.5 重量%を超えて含有させると、γ変態を誘起して磁
気特性が劣化する。したがって、その含有量は0.03〜3.
5 重量%の範囲とする。
結晶性を向上させるために、Biまたは/およびPbを含有
させることが必須である。これらの元素は地鉄中に分散
して存在し、2次再結晶の直前まで強い粒成長抑制作用
をもたらし、高温で鋼板の結晶粒界を経路にして鋼板か
ら一斉に抜けていき、急激な2次再結晶をもたらす作用
がある。この作用のためには、鋼中にBiおよびPbの一方
または両方を合計で0.0005重量%以上含有することが必
要である。しかしながら、0.100 重量%を超えると、結
晶粒界の強度が低下し、破断しやすくなるのため、0.10
0 重量%を上限とする。
次再結晶性を向上させるための付加的なインヒビターを
添加することも可能であり、インヒビター成分として
は、Al,S,Se,Sb,Sn,Cu,Cr,Ni,Ge,BおよびN
のうちから選択した1種もしくは2種以上を、単独また
は複合で添加することができる。
有するための添加範囲としては、Al、S、Seにおいては
単独あるいは複合で0.010 〜0.045 重量%、Sbにおいて
は0.0010〜0.080 重量%、Sn,Cu、Cr、Ni、Geにおいて
は単独あるいは複合で0.0010〜1.30重量%、Bにおいて
は5〜50PPM 、Nにおいては30〜100PPMである。この範
囲より添加量が少ない場合には抑制力としての十分な力
が発揮できず、逆に上記範囲より過剰となる場合には、
熱間圧延や冷間圧延でクラックが入りやすくなり、製品
の表面欠陥が増大する。なお、上記元素の他にも、Te,
P,Zn,InおよびPなど公知のインヒビター元素の添加
も好ましいことはいうまでもない。
る。上記成分組成に調整された方向性電磁鋼板用スラブ
は、いかなる方法によって製造してもよく、通常は、連
続鋳造により製造した、200 〜300mm 厚のスラブを用い
るが、30〜100mm の薄スラブを用いても、この発明の効
果には差異はない。なお、後者の場合は、特に熱間圧延
の粗圧延を省略することも可能となる。
固溶のために高温に加熱されるが、高温で固溶させる必
要のない、例えばSbのようなインヒビターのみからなる
場合には、通常の1200℃近傍の加熱温度で処理する。な
お、熱間圧延に際しては、スラブ加熱前後において、組
織均一化のための厚み低減処理や幅圧下処理など、公知
の技術を随時加えることが可能である。さらに、スラブ
を誘導加熱する際には、1400℃以上の高温に15〜30分の
極めて短時間で昇温してもよい。
する2要件を満たすことが必須となる。まず第1に、圧
延開始から終了までの圧延時間を50〜260 秒間とするこ
とである。すなわち、圧延時間を50秒間以上とすると、
高温での加工によるBiやPbの切断・分断が進行し、これ
らの金属の鋼中での分散状態が適正化される。一方、26
0 秒間を超える場合には、BiやPbが逆に細かく分散しす
ぎて、最終仕上げ焼鈍の工程において鋼板から散逸しな
くなり、所望の磁気特性が得られない。
めるうえで最も重要な点であるが、熱間仕上げ圧延の圧
下率を88〜98%とすることである。この圧下率は、仕上
げ圧延の入り側の板厚から仕上げ圧延出側時の板厚によ
って算出される全圧下率であり、これが88%未満の場合
にはBiやPbの鋼中での分散が不十分になり、一方98%を
超えると、逆に細かく分散しすぎて結晶粒内にも多数が
存在するようになり、最終仕上げ焼鈍時に結晶粒界を介
しての鋼板からの散逸が不十分となり、所望の磁気特性
が得られなくなる。従って、熱間仕上げ圧延の圧下率は
88〜98%の範囲とする。
なる向上が必要な場合には熱延板焼鈍を行い、1回冷間
圧延法や、中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延法によっ
て最終板厚とする。
脱炭を行い、鋼板表面に脱炭層を設ける処理を施した
り、焼鈍の冷却過程において焼鈍後の鋼中の固溶Cを増
加させる急冷処理を行ったり、急冷処理とそれにつづく
鋼中に微細カーバイドを析出させるための低温保持処理
を行ったりすることは、製品の磁気特性を向上させる上
で有効である。また、温間圧延やパス間での時効処理を
行うことも磁気特性を向上させるに有利に適用できる。
さらに、最終冷間圧延後に、公知のように磁区細分化の
ための鋼板表面に線状に複数の溝を設けることも、鉄損
のさらなる向上効果を有するので適用できる。
な要件は、最終圧延の圧下率を80〜95%の範囲に規制す
ることである。すなわち、この発明の特徴である最終仕
上げ焼鈍における急激な2次再結晶によって良好な方位
の2次再結晶粒を成長させるには、最終冷間圧延の圧下
率を80〜95%とすることが必要である。最終冷間圧延の
圧下率が、この範囲からはずれると、適切な1次再結晶
集合組織が得られず、この発明のBiやPbを含有させ、分
散させた上で、鋼板から散逸させる技術によっても、2
次再結晶粒の方位集積度の向上効果が得られず、磁束密
度の劣化を招くことになる。
性の雰囲気中で1次再結晶焼鈍を行い、その後、焼鈍分
離剤を鋼板表面に塗布し、コイル状に巻取り最終仕上げ
焼鈍を施される。ここで、Cは鋼中に残留すると磁気特
性を劣化させる元素であるから、脱炭焼鈍を兼ねる上記
の1次再結晶焼鈍においては、鋼板からCを0.003 重量
%以下のレベルまで、好ましくは0.002 重量%以下のレ
ベルまで低減することが好ましい。
までの間で鋼中に550PPM以下の範囲でNを含ませる窒化
処理を行うことも、鋼中の抑制力が弱い場合には適切で
あり、この技術の適用を妨げるものは何もない。窒化の
方法としては、1次再結晶焼鈍後、NH3 を含む雰囲気中
で鋼板を熱処理する方法や焼鈍分離剤中に分解性の窒化
物を含有させるといった方法などが適合する。
晶が起こり、さらに高温の領域で鋼板は純化し所望の磁
気特性を得ることができる。この最終仕上げ焼鈍におい
て、鋼中に存在するBiおよび/またはPbを、最終仕上げ
焼鈍前の3分の2以下の含有量まで低減することが、こ
の発明の最も重要な技術のひとつである。すなわち、こ
の技術によって、最終仕上げ焼鈍における急激な2次再
結晶が可能となり、上記諸々の技術と相俟って、極めて
方位集積のよい2次再結晶組織を得ることが可能とな
り、製品の磁束密度の向上と鉄損の低減効果が得られ
る。換言すると、鋼中のBiまたはPbの含有量として3分
の2以下に低減できないことは、良好な2次再結晶粒の
成長をも阻害することを意味し、結局、優れた方位集積
の2次再結晶組織を得ることができず、製品の磁束密度
の低下をもたらす。
Biおよび/またはPbの含有量を3分の2以下に低減する
ためには、最終仕上げ焼鈍の高温域においてフォルステ
ライト被膜の形成を抑制することが必要である。その具
体的な手段として、現在明らかになっているもののひと
つは、こうした機能を有する物質を焼鈍分離剤へ添加す
る技術である。この被膜形成抑制型の添加物としては、
最終仕上げ焼鈍中において徐々に分解し酸素を放出する
ようなものであればよく、Cr2O3 、SnO2、V2O5、MoO3、
MnO2、CuO2などが有利に適合する。さらに、MgO 中に含
有されるFeやSi分も、最終仕上げ焼鈍過程において酸素
を徐々に分解、放出するので、0.02重量%以上含有させ
れば有効に作用する。
上げ焼鈍の900 ℃から被膜形成が活発化する1050℃の間
の焼鈍雰囲気として、被膜形成抑制作用のあるN2 ガス
の比率を漸次増加していくことが、高温で活発化する被
膜形成反応を有利に抑制できるので有効に作用する。
に、Al2O3 や塩化物を配合し、通常最終仕上げ焼鈍後に
形成されるフォルステライト被膜の形成を抑制し、最終
的に酸化物被膜の存在しない膜なしの鋼板を製造する技
術が公知である。この技術は当然被膜の形成が抑制され
るため、この発明に適用可能である。
終了した鋼板に、その後、張力被膜を形成させることも
可能で、この目的のための張力被膜としては、セラミッ
クス被膜、ガラス質被膜、この両者の混合物、金属めっ
きなどあらゆる公知の被膜が適合する。さらに、最終仕
上げ焼鈍後に、鋼板表面に複数の溝を形成させる、磁区
細分化処理を施すことができる。
ーティングを塗布焼き付け、さらに平坦化焼鈍を施し製
品とする。また、平坦化焼鈍後の鋼板には、鉄損の低減
を図るため、磁区細分化処理としてプラズマジェットや
レーザー照射を線状に施したり、突起ロールによる線状
の凹みを設けたりする処理を施すこともできる。
組成の溶鋼を、連続鋳造で鋳込み厚さ250mm のスラブと
なし、次いで1180℃の温度に3時間保持した後、さらに
厚みを230mm に減厚し、誘導加熱炉に装入し30分で1430
℃まで昇温し10分間均熱した後、熱間圧延を開始した。
熱間圧延は粗圧延で40mm厚とし、仕上げ圧延で2.2mm の
厚さ(仕上げ圧延の圧下率:94.5%)にしたが、熱間圧
延の時間としては135 秒間であった。このとき、熱間圧
延終了温度は1010〜1025℃であり、熱間圧延終了後55〜
65℃/s の速度でジェット水噴流を供給することにより
急冷し、550 〜580 ℃の温度で巻取った。
板焼鈍を施し、次いでミスト水で35℃/s の速度で急冷
した。このとき、焼鈍雰囲気は露点50℃の50%N2 およ
びH 2 ガスとし、鋼板表層から0.012 %のCを脱炭し
た。その後、各コイルは酸洗し、ゼンジマー圧延機で各
圧延パス出側温度が190 〜230 ℃、2パス以上220 ℃以
上の温間圧延により0.22mmの最終板厚(圧下率90%)ま
で圧延し、脱脂後、850℃、2分間の脱炭焼鈍を施し
た。
5%のTiO2と5%のSnO2を添加した焼鈍分離剤を水スラ
リーとして塗布し、乾燥後コイル状に巻取った。なお、
焼鈍分離剤の水和水量は2.2 %であった。その後、最終
仕上げ焼鈍を施したが、その条件は、N2 単独の雰囲気
で850 ℃まで昇温したのち850 ℃の温度で保持し、さら
に1150℃までは25%N2 と75%H2 の混合雰囲気、以後
H2 単独雰囲気で1200℃まで昇温し、その後5時間保持
する最終仕上げ焼鈍を施した。最終焼鈍後は未反応分離
剤を除去し、さらに50%のコロイダルシリカを含有する
リン酸マグネシウムを主成分とする絶縁コーティングを
塗布し800 ℃で焼き付け、さらに鋼板表面にプラズマジ
ェットを圧延方向に5mm間隔で線状に照射し製品とし
た。各製品より圧延方向に沿って100 ×400mm のサイズ
のSST試験片を切り出し、1.7 Tの磁束密度における
鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測定した。これ
らの値のBiの含有量依存性について、図2にまとめて示
す。
Bi含有量を有する鋼A,F,GおよびHを用いて製造し
た方向性電磁鋼板は、高磁束密度に併せて低鉄損の磁気
特性が得られている。
拌を行いながら、各4本ずつ、鋼GはG−1、G−2、
G−3、G−4のスラブに、鋼HはH−1、H−2、H
−3、H−4のスラブに、それぞれ連続鋳造で鋳込ん
だ。鋳込み後のスラブは誘導加熱炉に装入し、N2 ガス
中にて1時間で1400℃まで昇温し、その後粗圧延により
G−1、G−2、G−4、H−1、H−2、H−4のス
ラブは45mmの厚みとし、G−3およびH−3のスラブは
20mmの厚みとした。次に、終了温度を980 〜1000℃の熱
間仕上げ圧延によって、2.7mm (鋼GおよびHともに記
号1、2、4の仕上げ圧延圧下率:94%、同記号3の仕
上げ圧延圧下率:86.5%)の熱延コイルとした。この
際、熱間圧延に要した時間は、粗圧延開始から仕上げ圧
延終了までの時間として、G−1、G−3、G−4、H
−1、H−3、H−4は180 秒間を要し、G−2、H−
2は280 秒間を要した。熱間圧延終了後は、ジェット水
冷によって45〜50℃/s 速度で冷却し600 ℃の温度で巻
取った。
00℃で30秒間の熱延板焼鈍を施し、酸洗してから、冷間
圧延によってG−1、G−2、G−3、H−1、H−
2、H−3のコイルは1.70mmの中間板厚とし、G−4お
よびH−4のコイルは0.90mmの中間板厚とした。その
後、これらのコイルは中間焼鈍として、1120℃まで10℃
/s の平均昇温速度で昇温し、その温度で40秒間の熱処
理後、ミスト水を噴射し40秒の時間で室温まで冷却し
た。中間焼鈍後、コイルを酸洗し、ゼンジマー圧延機を
用いた、最高板温度で250 ℃の温間圧延にて、0.20mmの
厚み(鋼GおよびHともに記号1、2、3の最終圧延圧
下率:88%、同記号4の最終圧延圧下率:78%)に圧延
した。
で2分間の1次再結晶焼鈍を兼ねる脱炭焼鈍を、500 〜
850 ℃間の昇温速度を25℃/s として、施した。さら
に、これらのコイルはすべて2分割し、一方は、MgO に
2%のTiO2を添加した焼鈍分離剤を静電塗布してから巻
取り、最終仕上げ焼鈍を施した。最終仕上げ焼鈍直前の
焼鈍分離剤の水和水量は0.01%であった。残る他方のコ
イルは、MgO に3%のTiO2および6%のMoO3を添加した
焼鈍分離剤を水スラリーとして塗布、乾燥してから巻取
り、最終仕上げ焼鈍を施した。最終仕上げ焼鈍直前の焼
鈍分離剤の水和水量は1.2 %であった。
おいて30℃/h の昇温速度で850 ℃まで昇温し、さらに
20時間保持した後、25%N2 と75%H2 の混合雰囲気で
1100℃まで12℃/h の昇温速度で昇温し、以後H2 単独
雰囲気で1200℃まで昇温して5時間保持し冷却した。冷
却後は未反応の焼鈍分離剤を除去し、50%のコロイダル
シリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする絶
縁コーティングを塗布し800 ℃で焼き付け、その後、磁
区細分化処理として、プラズマジェットを圧延方向への
間隔:6mmで圧延方向と直角に線状に照射し製品とし
た。
沿って長さ500mm 、幅150mm のサイズの試験片を切り出
し、1.7 Tの磁束密度における鉄損の値W17/50 および
磁束密度B8 を測定した。また、製品の鋼中のBiの含有
量も分析した。これらの値を表3にまとめて示す。
の鋼スラブを、各鋼1本ずつ鋳込んだ。これらスラブ
を、1180℃の温度に3時間保持した後、さらに厚みを23
0mm に減厚し、誘導加熱炉に装入し30分で1430℃まで昇
温し10分間均熱した後、熱間圧延を開始した。熱間圧延
は、粗圧延で45mmとし、仕上げ圧延で2.4mm の厚さ(仕
上げ圧延の圧下率94.7%)にした。熱間圧延の時間は、
120 秒間であった。このとき、熱間圧延終了温度は920
〜985 ℃であり、該熱間圧延終了後、55〜65℃/s の速
度でジェット水噴流を供給することにより急冷し、570
〜600 ℃の温度で巻取った。
板焼鈍を施してから、ミスト水で40℃/s の速度で急冷
した。このとき、焼鈍雰囲気は露点50℃の50%N2 およ
びH 2 ガスとし、鋼板表層から0.007 %のCを脱炭し
た。その後、各コイルは酸洗し、ゼンジマー圧延機で各
圧延パス出側温度が190 〜230 ℃の温間圧延により、0.
26mmの最終板厚(圧下率89%)に圧延し、脱脂後、深さ
25μm および幅100 μmで圧延方向から75°傾けた線状
の溝を、圧延方向の間隔4mmで繰り返し設けた。その
後、840 ℃、2分間の脱炭焼鈍を施した。
るMgO に5%のTiO2と2%のSr(OH) 2 /7H2O を添加し
た、水スラリー状の焼鈍分離剤を塗布、乾燥したのちコ
イル状に巻取り、最終仕上げ焼鈍を施した。なお、最終
仕上げ焼鈍直前の焼鈍分離剤の水和水の含有量は3.2 %
であった。最終仕上げ焼鈍は、N2 単独の雰囲気で850
℃まで昇温し、その後850 ℃の温度で保持し、1010℃ま
では15%N2 と85%H 2 の混合雰囲気にて、以後1100℃
までは、N2 の割合を35%まで漸次増加して、35%N2
と65%のH2 の混合雰囲気とし、その後H2 単独雰囲気
で1200℃まで昇温してから5時間保持して、行った。こ
の最終焼鈍後は、未反応の焼鈍分離剤を除去し、さらに
60%のコロイダルシリカを含有するリン酸マグネシウム
を主成分とする絶縁コーティングを塗布して800 ℃で焼
き付け、平坦化処理を行い製品とした。
ってエプスタインサイズの試験片を切り出し、800 ℃で
3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7 Tの磁束密度におけ
る鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測定した。こ
れらの値を表4に示す。
分を有する鋼を用いて製造した方向性電磁鋼板は、高磁
束密度に併せて低鉄損の磁気特性が得られている。
した。この時、鋼記号Nは厚み50mmのスラブに6本鋳込
み、鋼記号Oは厚み35mm、60mm、80mm、145mm、160mm
の厚みにそれぞれ6本ずつ鋳込んだ。これらのスラブは
電気加熱式の加熱炉に装入し1350℃に加熱後、仕上げ圧
延機での熱間圧延により2.0mm の熱延コイル(仕上げ圧
延圧下率:鋼Nのコイルは96.0%、鋼Oのコイルは順に
94.3、96.7、97.5、98.6、98.8%)とした。
速度を変更して熱間圧延時間を、それぞれ22、43、52、
126 、215 、365 秒間に変化させ、鋼記号Oのコイル6
本は全て120 〜135 秒間で熱間圧延した。熱間圧延終了
温度は、全て950 〜980 ℃とし、熱間圧延終了時から45
〜50℃/s の速度で急冷し、580 ℃の温度でコイル状に
巻取った。
によって1.90mm厚まで冷間圧延した。次いで、中間焼鈍
として、500 ℃まで18℃/s の速度で昇温し、その後10
90℃まで12℃/s の速度で昇温し、さらに60秒間保持し
た後、ジェット水を噴射して30秒間で冷却する熱処理を
行った。さらに、各コイルは、ゼンジマー圧延機で0.29
mmの最終板厚(最終冷延圧下率:85%)に圧延した後、
脱脂した。
に当たり、500 〜820 ℃の昇温速度を22℃/s とした。
その後、MgO に7%のTiO2と2%の酸化錫を含有する水
スラリー状の焼鈍分離剤をコイル表面に塗布、乾燥し、
最終仕上げ焼鈍を施した。なお、最終仕上げ焼鈍直前の
焼鈍分離剤の含有する水和水量は0.56%であった。
し、昇温時950 ℃までN2 単独の雰囲気、その後1180℃
までは35%N2 と65%H2 の混合雰囲気、以後H2 単独
雰囲気で5時間保持して、行った。その後、未反応の焼
鈍分離剤を除去した。これらのコイルはさらに60%のコ
ロイダルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分
とする絶縁コーティングを塗布し、800 ℃で焼き付けて
製品とした。
沿ってエプスタインサイズの試験片を切り出し800 ℃で
3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7 Tの磁束密度におけ
る鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を測定した。ま
た、製品の鋼中に残留するBiまたはPbの含有量を測定し
た。これらの測定結果を、鋼記号Nを出発素材とした製
品については表5に、鋼記号Nを出発素材とした製品に
ついては表6に、それぞれ示す。
に従う製品においては、高磁束密度と低鉄損が共に得ら
れていることがわかる。
各1本づつを、電磁攪拌しながら、240mm の厚みのスラ
ブに鋳込んだ。これらのスラブをガス炉により1220℃に
加熱後、粗圧延により45mmの厚みとし、さらに粗圧延か
ら仕上げ圧延終了までの時間180 秒間、かつ熱間圧延終
了温度950 〜980 ℃の条件下で熱間圧延を行って、2.6m
m の厚み(仕上げ圧延圧下率:94.2%)の熱間圧延コイ
ルとした。
板焼鈍を施し、ミスト水を噴射し30℃/s の急冷を行っ
て常温まで冷却して酸洗し、その後4スタンドからなる
タンデム圧延機で板厚0.34mm(圧下率:87%)に圧延し
た。その後、脱脂処理を行い850 ℃で2分間の脱炭焼鈍
を、500 〜850 ℃の昇温速度を10℃/s として施した。
その後、鋼記号Rの鋼板を2分割し、一方の鋼板をさら
に、3%のNH3 を含有する72%N2 と25%H2 の雰囲気
中で窒化処理した。この処理にて、鋼板は178PPMのN含
有量まで窒化された。
%のTiO2を含有する焼鈍分離剤を、水スラリー状でコイ
ル表面に塗布、乾燥し、コイル状に巻取り最終仕上げ焼
鈍を施した。この際、焼鈍分離剤に供したMgO には、以
下のような異なる種類を使用した。
用に使用したMgO は、FeとSiの含有量が0.015 %、0.01
2 %と低いもので、塗布、乾燥後の焼鈍分離剤中の水和
水の含有量は1.8 %であった。他方の分割コイルの焼鈍
分離剤用に使用したMgO は、FeとCaの含有量が0.36%、
0.24%と高いもので、塗布、乾燥後の焼鈍分離剤中の水
和水の含有量は1.7 %であった。
h の昇温速度で850 ℃まで昇温し、その後850 ℃で25時
間保持し、その後1100℃までは25%N2 と75%H2 の混
合雰囲気、以後H2 単独雰囲気で1180℃まで昇温後5時
間保持して行った。その後、未反応の焼鈍分離剤を除去
した。さらに、これらのコイルには、50%のコロイダル
シリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする絶
縁コーティングを塗布して800 ℃で焼き付け、製品とし
た。
沿って幅30mm長さ280mm のエプスタイン試験片を採取
し、800 ℃で3時間の歪取焼鈍を施した後、1.7 Tの磁
束密度における鉄損の値W17/50 および磁束密度B8 を
測定した。また、各製品の鋼中のBiまたはPbを分析し
た。これらの測定結果を、表7に示す。
いては、優れた高磁束密度と低鉄損値が得られているこ
とがわかる。
溶製し、厚み250mm のスラブに各鋼1本ずつ鋳込んだ。
これらのスラブは燃焼ガス炉に装入して1200℃に加熱し
た後、さらに誘導加熱式の加熱炉に装入して1420℃に加
熱し、次いで40mmの厚みまで粗圧延し、さらに仕上げ圧
延で2.0mm の厚み(仕上げ圧延圧下率:95%)とし、急
冷後に550 ℃の温度で巻取った。この際、粗圧延開始か
ら仕上げ圧延終了までの時間は、210 秒間であった。
度で1000℃まで昇温して50秒間保持し、30℃/s の速度
で水冷したのち、酸洗した。その後、タンデム圧延機で
1.4mm の厚みに圧延し、1050℃で40秒間の中間焼鈍を施
し、ミスト水を噴射して急冷した後、酸洗した。さら
に、ゼンジマー圧延機で最高温度230 ℃の温間圧延によ
り、0.17mmの最終板厚(最終圧延圧下率:88%)に圧延
した。
で100 秒間の脱炭焼鈍を施し、一方の鋼板は、膜無し用
の焼鈍分離剤をスラリー状に塗布、乾燥してから巻取
り、他方の鋼板は、膜無し用の焼鈍分離剤を静電塗装で
塗布して巻取った。なお、膜無し用焼鈍分離剤として
は、2%のPbCl2 を配合したMgO を用いたが、最終仕上
げ焼鈍直前の焼鈍分離剤の含有する水和水の量は、水ス
ラリー塗布の場合が2.4 %、静電塗装の場合が0.02%で
あった。
温速度で800 ℃まで昇温し、その後、1100℃までは25%
N2 と75%H2 の混合雰囲気、以後H2 単独雰囲気で11
50℃まで昇温後5時間保持して行った。その後、未反応
の焼鈍分離剤を除去したところ、いずれの鋼板も表面に
は酸化膜がなく金属光沢を呈していた。
し、さらに60%のコロイダルシリカを含有するリン酸マ
グネシウムを主成分とする絶縁コーティングを塗布して
800℃で焼き付け、その後磁区細分化処理として、プラ
ズマジェットを、圧延方向への間隔:7mmで圧延方向と
直角方向に線状に照射して製品とした。
って長さ500mm および幅150mm のサイズの試験片を切り
出し、1.7 Tの磁束密度における鉄損の値W17/50 およ
び磁束密度B8 を測定した。また、製品の鋼中のBiの含
有量を分析した。これらの値を、表8にまとめて示す。
よれば、高磁束密度でかつ低鉄損の優れた特性の方向性
電磁鋼板が得られる。
おける被膜生成率と焼鈍分離剤中のCr2O3 の含有量との
関係を示す図である。
有量が磁気特性に及ぼす影響および製品中への残留量を
示した図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 C:0.005 〜0.120 重量%、Si:1.5 〜
7.0 重量%およびMn:0.03〜3.50重量%を含み、さらに
インヒビター形成成分として、Al、S、Se、Sb、Sn、C
u、Cr、Ni、Ge、BおよびNのうちから選択した1種も
しくは2種以上を単独または複合で含有する鋼スラブ
に、熱間圧延を施したのち、1回もしくは2回以上の冷
間圧延にて所定の板厚とし、その後1次再結晶焼鈍を施
し、鋼板表面に焼鈍分離剤を塗布してから、最終仕上げ
焼鈍を施す一連の工程に従って方向性電磁鋼板を製造す
るに当たり、 鋼スラブに、BiおよびPbの一方または両方を合計で0.00
05〜0.100 重量%含有させ、残部がFeおよび不可避的不
純物の組成とすること、 熱間圧延は、50〜260 秒間にて、仕上げ圧延の圧下率が
88〜98%の下に行うこと、 最終冷間圧延の圧下率を80〜95%とすること、 焼鈍分離剤が含有する水和水を0.03%以上とすること、
そして 焼鈍分離剤に被膜形成抑制型の添加物を添加する手法、
焼鈍分離剤中に含有されるFe並びにSi分を0.02重量%以
上含有させる手法および最終仕上げ焼鈍の900℃から105
0℃の間の焼鈍雰囲気の温度に応じて雰囲気におけるN2
比率を高温側に増加する手法のうち、いずれか少なく
とも1つの手法によって、最終仕上げ焼鈍において、鋼
中に存在するBiおよび/またはPbを、最終仕上げ焼鈍前
の3分の2以下の含有量に低減することからなることを
特徴とする鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板
の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1において、鋼スラブ中に、イン
ヒビター形成成分として、Al、S、Se、Sb、Sn、Cu、C
r、Ni、Ge、BおよびNのうちから選択した1種もしく
は2種以上を単独または複合で添加し、Al、S、Seにお
いては単独あるいは複合で0.010 〜0.045 重量%、Sbに
おいては0.0010〜0.080 重量%、Sn,Cu、Cr、Ni、Geに
おいては単独あるいは複合で0.0010〜1.30重量%、Bに
おいては5〜50PPM 、Nにおいては30〜100PPM添加する
ことを特徴とする鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電
磁鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2において、1次再結晶
焼鈍後かつ2次再結晶開始までの間に、鋼中に上限550P
PMの範囲でNを含有させる窒化処理を施すことを特徴と
する鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造
方法。 - 【請求項4】 請求項1、2または3において、最終冷
間圧延後かつ最終仕上げ焼鈍前、または最終仕上げ焼鈍
後に、鋼板表面に複数の溝を形成させることを特徴とす
る鉄損の極めて低い高磁束密度方向性電磁鋼板の製造方
法。 - 【請求項5】 請求項1、2、3または4において、被
膜形成抑制型の焼鈍分離剤を使用してフォルステライト
被膜の形成を抑制した場合は、最終仕上げ焼鈍後に張力
被膜を形成することを特徴とする鉄損の極めて低い高磁
束密度方向性電磁鋼板の製造方法。
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