JPH0742379B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0742379B2
JPH0742379B2 JP33873391A JP33873391A JPH0742379B2 JP H0742379 B2 JPH0742379 B2 JP H0742379B2 JP 33873391 A JP33873391 A JP 33873391A JP 33873391 A JP33873391 A JP 33873391A JP H0742379 B2 JPH0742379 B2 JP H0742379B2
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copolymer
graft
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和正 釜田
和雄 上田
潔一 北井
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性、耐衝撃性及び成
形加工性良好な熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、とりわけ塩化ビニル系樹
脂(以下PVCと略記する。)は汎用樹脂として広く使
用されているが、その機械的性質は必ずしも満足し得る
ものではない。即ちPVCは衝撃強度、特にノッチ付き
の衝撃強度に劣り、かかる衝撃強度を改良する目的で種
々の改質剤が提案されている。
【0003】これら提案の内最も有効な方法として共役
ジエン弾性体にメタクリル酸アルキルエステル及び芳香
族ビニル化合物をグラフト重合したいわゆるMBS樹
脂、共役ジエン弾性体にビニルシアン化合物及び芳香族
ビニル化合物をグラフト重合したABS樹脂をPVCと
ブレンドする方法が知られている。しかしながらこれら
MBS樹脂、ABS樹脂は弾性体成分の主鎖に多くの二
重結合を含むため、屋外で長時間使用された場合、チョ
ーキング現象、衝撃強度の低下等を引き起こし易く屋外
用途には適さない。
【0004】また飽和のアクリル酸アルキルエステルを
共役ジエンに一部代替した弾性体を用いる方法も提案さ
れている。この場合には高い衝撃強度改良効果を示す
が、耐候性はMBS樹脂やABS樹脂程でないにしても
やはり悪いという欠点を有している。
【0005】さらに弾性体として飽和のポリアクリル酸
アルキルエステルを用い、メタクリル酸アルキルエステ
ル、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合物等をグ
ラフト重合した共重合体をPVCとブレンドした耐候性
良好な樹脂組成物も、種々提案されている。
【0006】しかしながらこれらの共重合体はよく混練
りのきく条件ではMBS樹脂程ではないにしても、かな
りの衝撃強度改良効果を示すが、多量の滑剤を用いた場
合、あるいは比較的低温加工された場合等の混練のきか
ない条件では殆んど衝撃強度改良効果を示さない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはアクリル
酸アルキルエステルを主成分とするアクリル系弾性体に
樹脂形成単量体をグラフト重合させたグラフト共重合体
をPVC中に均一に分散させることが衝撃強度発現性に
大きく寄与することに着目した。その結果従来よく知ら
れている上記アクリル系弾性体を一成分とするグラフト
共重合体をPVCとブレンドした樹脂組成物はゲル化が
遅く剪断応力の低い成形条件では極めて分散状態が悪い
ことが判明した。
【0008】本発明者らは上記グラフト共重合体をPV
C中によく分散させるためにゲル化を促進させることに
ついて鋭意検討した結果驚くべきことに従来よく知られ
ている上記のようなグラフト共重合体と、不飽和酸単量
体を必須構成成分とする特定の共重合体とを特定の範囲
で配合した耐衝撃性改質剤はPVCにブレンドし成形し
た場合、成形時の剪断応力が低く混練されにくい条件で
もゲル化が非常に早く、良好な分散状態になり高い衝撃
強度を与え、しかもよく練りのかかる条件ではさらに高
い衝撃強度を与えることはいうまでもないことであるな
ど、高範囲の成形条件でPVCに高い耐衝撃性を付与
し、且つ加工性、表面光沢をも改良し、さらに耐候性に
優れるものであることを見出し本発明に到達した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は熱可塑性樹脂1
00重量部と多官能性架橋剤を0.1〜5重量%含有す
る、アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリ
ル系弾性体にメタクリル酸アルキルエステル、芳香族ビ
ニル化合物及びビニルシアン化合物からなる単量体群か
ら選ばれた少なくとも一種の単量体95〜100重量%
と多官能性架橋剤0〜5重量%からなる単量体又は単量
体混合物を1段又は多段でグラフト重合して得られるグ
ラフト共重合体(A)100重量部に、不飽和酸単量体
3〜30重量%及びこれと共重合可能なビニル単量体9
7〜70重量%を共重合して得られる共重合体(B)
0.1〜20重量部を配合してなる耐候性良好な耐衝撃
性改質剤3〜50重量部とからなる耐候性、耐衝撃性、
及び成形加工性良好な熱可塑性樹脂組成物にある。
【0010】本発明におけるグラフト共重合体(A)の
構成成分であるアクリル系弾性体の成分として用いられ
るアクリル酸アルキルエステルとしてはアルキル基の炭
素数が2〜10個のものであり、その具体例としてはア
クリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、
アクリル酸n−オクチル及びアクリル酸2−エチルヘキ
シル等が挙げられる。またアクリル系弾性体には弾性を
失わない範囲で他の共重合可能なビニル単量体を共重合
することができる。
【0011】アクリル系弾性体はグラフト交叉結合を容
易にならしめる多官能性架橋剤を含有していることが必
要であり、その使用量はアクリル系弾性体に対し0.1
〜5重量%である。0.1重量%未満では充分なグラフ
ト交叉結合が得られず、また5重量%を超える量では弾
性的性質を損なうことになり共に好ましくない。多官能
性架橋剤の具体例としてはジビニルベンゼン、アクリル
酸又はメタクリル酸と多価アルコールのエステルである
ジアクリル酸エステル又はジメタクリル酸エステルある
いはアリル基を有するもの、例えばシアヌル酸トリアリ
ル、イソシアヌル酸トリアリル、アクリル酸アリル、メ
タクリル酸アリル、イタコン酸ジアリル及びフタル酸ジ
アリル等が挙げられる。グラフト交叉性という点ではア
リル基含有架橋剤が特に好ましい。
【0012】アクリル系弾性体は通常の乳化重合法で製
造することが好ましい。
【0013】乳化剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸
エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキ
ルリン酸エステル塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩等
のアニオン性界面活性剤、またポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等
のノニオン性界面活性剤、さらにアルキルアミン塩等の
カチオン性界面活性剤を使用することができる。これら
の界面活性剤は単独で又は併用して使用することができ
る。また乳化剤の種類により、重合系のpHがアルカリ
側となる時は、アクリル酸アルキルエステルの加水分解
を防止するため、適当なpH調節剤を使用することもで
きる。
【0014】重合開始剤としては、通常の過硫酸塩など
の無機開始剤、又は有機過酸化物、アゾ化合物等を単独
で用いるか、あるいは、上記化合物と亜硫酸塩、亜硫酸
水素塩、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウムホルムア
ルデヒドスルホキシレート等とを組み合わせ、レドック
ス系開始剤として用いることもできる。開始剤として好
ましい過硫酸塩は過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム等であり、有機過酸化物としては、
t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等であ
る。
【0015】重合体の分子量を調節するために連鎖移動
剤を使用してもよく、炭素数5〜20のアルキルメルカ
プタン等が使用可能である。
【0016】重合は重合開始剤の分解温度以上の温度に
て、通常の乳化重合条件下で行うことができる。重合は
単量体又は単量体の混合物の全量を一度に、あるいは全
量又は一部を連続的に添加しながら行うことができる。
ただし重合の安定性、重合反応熱の除去等の点からは全
量又は一部を添加しながら重合を行うことが好ましい。
【0017】本発明におけるグラフト共重合体(A)は
上記アクリル系弾性体100重量部の存在下に25〜1
25重量部の単量体又は単量体混合物をグラフト重合さ
せることにより得るのが好ましい。グラフト重合させる
単量体あるいは単量体混合物の量が25重量部未満であ
ればPVCとブレンドした場合の樹脂組成物の成形加工
性はきわめて劣り、衝撃強度も低くなる傾向になるので
好ましくない。また125重量部を超える場合にはPV
Cとブレンドした際に耐衝撃性改良効果は小さい。
【0018】グラフトさせる単量体としては、メタクリ
ル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物及びビニル
シアン化合物からなる単量体群から選ばれた少なくとも
一種の単量体を用いることができ、各々単独にあるいは
混合して1段又は多段でグラフト重合させることができ
る。
【0019】メタクリル酸アルキルエステルとしては、
アルキル基の炭素数が1〜4個のものが好ましく、例え
ばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル及びメタクリル
酸ターシャリブチル等が挙げられる。PVCとの相溶性
を考えるとメタクリル酸メチルが好ましい。
【0020】また芳香族ビニル化合物としては、特にス
チレンの他、α−置換スチレン、核置換スチレン及びそ
の誘導体、例えばα−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニルトルエン等が挙げられる。
【0021】さらにビニルシアン化合物としては、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
【0022】グラフト重合はアクリル系弾性体の製造に
引き続いて、又は改めて別の反応器中で通常の乳化重合
条件下に、必要に応じ開始剤、重合度調節剤、多官能性
架橋剤等を添加して行うことができる。開始剤、連鎖移
動剤、多官能性架橋剤はアクリル系弾性体のところで述
べたものを使用することができる。なおグラフト重合さ
せる際には前述したグラフトさせる単量体群から選ばれ
た少なくとも一種の単量体95〜100重量%と多官能
性架橋剤0〜5重量%からなる単量体又は単量体混合物
を1段又は多段でグラフト重合して得る。またこのグラ
フト重合は各段でそれぞれの単量体の全量を一度に連続
的ないしは非連続的に添加して重合を進行させることが
できる。
【0023】また本発明における共重合体(B)は不飽
和酸単量体3〜30重量%とこれと共重合可能なビニル
単量体97〜70重量%を共重合して得られるものであ
り、その製造法としては乳化重合法が好ましいものであ
る。
【0024】不飽和酸単量体としてはアクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、桂皮酸、無水マレ
イン酸、ブテントリカルボン酸等の酸基含有単量体であ
る。共重合体(B)中の不飽和酸単量体の量が3重量%
未満ではグラフト共重合体(A)とブレンドして耐衝撃
性改質剤としてもその耐衝撃性改良効果が少なく好まし
くない。また30重量%を超えると乳化重合して得る場
合のラテックスが安定でなく、また前述のグラフト共重
合体(A)のラテックスとブレンドした際もラテックス
安定性を悪化させたり、加工性を悪化させたりするので
好ましくない。
【0025】不飽和酸単量体と共重合可能なビニル単量
体としてはアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸
アルキルエステル、芳香族ビニル化合物等が挙げられ、
これらは前述したものを単独で、又は混合して用いるこ
とができる。
【0026】なお共重合体(B)を乳化重合法にて製造
するに際してはグラフト共重合体(A)の製造の際に使
用できる乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤等の同様のも
のを使用することが可能であり、グラフト共重合体
(A)の製造と同様の方法で共重合することができる。
【0027】本発明の耐衝撃性改質剤は上述の如き得ら
れるグラフト共重合体(A)と共重合体(B)のブレン
ド物であり、その配合割合はグラフト共重合体(A)1
00重量部に対し共重合体(B)が0.1〜20重量部
である。共重合体(B)の配合量が0.1重量部未満で
は耐衝撃性改良効果が少なく、また20重量部を超える
量では双方の共重合体をラテックスブレンドした場合の
共重合体混合物が良粉として得られないので好ましくな
い。
【0028】本発明を実施するに際してはグラフト共重
合体(A)と共重合体(B)のブレンドは夫々のラテッ
クスを固形分換算で上述した配合割合にて行い、このブ
レンドラテックスを通常塩析、あるいは酸析凝固し、濾
過水洗し粉末状で回収するか、あるいは噴霧乾燥、凍結
乾燥を行い粉末状にて回収すればよい。さらに特開昭5
7−187322号公報に記載される方法で回収するこ
ともできる。
【0029】本発明の耐衝撃性改質剤は種々の熱可塑性
樹脂と配合することにより、熱可塑性樹脂に高い衝撃
性、良好な加工性を付与し、且つ成形品の耐候性も良好
なものとするものである。
【0030】本発明の耐衝撃性改質剤を熱可塑性樹脂に
配合する割合は熱可塑性樹脂100重量部に対し、3〜
50重量部である。3重量部未満の配合割合では耐衝撃
性改良効果が少なく、また50重量部を超える場合には
熱可塑性樹脂が本来有する機械的性質が損われてしまう
ので共に好ましくない。ここで熱可塑性樹脂とはPV
C、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリ
ロニトリル−スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−ス
チレン系樹脂等が挙げられる。PVCとしてはポリ塩化
ビニルの他、塩化ビニル70重量%以上からなる塩化ビ
ニル系共重合体が使用できる。塩化ビニルに共重合する
モノマーとしてはエチレン、プロピレン、臭化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステル等が用いられる。
【0031】本発明の耐衝撃性改質剤と熱可塑性樹脂と
の配合は好ましくは粉末状で、例えばリボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー等により行い、公知の混練機、
例えばミキシングロール、バンバリーミキサー、押出機
及び射出成形機等によって成形加工される。なお配合に
際しては公知の安定剤、可塑剤、滑剤及び着色剤等を必
要に応じて添加してもよい。
【0032】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお実施例中「部」及び「%」は夫々「重量部」、
「重量%」を意味するものである。
【0033】実施例1 (1)グラフト共重合体(A)の製造 反応容器に窒素置換したイオン交換水180部を入れ、
ホウ酸0.3部、無水炭酸ナトリウム0.03部、オレ
イン酸カリ1.5部、過硫酸カリ0.15部を溶解し、
70℃に保ち攪拌を行いながら、アクリル酸n−ブチル
99.5部、メタクリル酸アリル0.5部からなる混合
物を4時間にわたり滴下した。滴下終了後、同温度に保
ちながら、2時間保持し、重合を完結させた。重合率は
99.2%、系のpHは7.2であった。
【0034】得られたアクリル系弾性体ラテックス10
0部(固形分として)、イオン交換水100部、ナトリ
ウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.2部、オレ
イン酸カリ0.3部を反応容器に仕込み、70℃に保ち
攪拌を行いながら、メタクリル酸メチル50部、スチレ
ン10部、アクリロニトリル5部、メタクリル酸アリル
0.25部、クメンヒドロパーオキシド0.2部の混合
物を2時間にわたり滴下した。滴下終了後、2時間同温
度に保ち重合を完結させ、グラフト共重合体(A)ラテ
ックスを得た。グラフト共重合における重合率は各単量
体共99%以上であり、得られたグラフト共重合体の平
均粒子径は0.23μであった。
【0035】(2)共重合体(B)の製造 反応容器に窒素置換したイオン交換水200部を入れ、
半硬化牛脂脂肪酸石けん3部、過硫酸カリ0.6部を溶
解し、アクリル酸エチル45部、メタクリル酸メチル4
5部、メタクリル酸10部からなる混合物を温度を70
℃に保ちながら4時間にわたり滴下し、3時間保持を行
い重合して共重合体(B)ラテックスを得た。重合率は
99.9%以上であった。
【0036】(3)ラテックスブレンド及びポリマー回
収 グラフト共重合体(A)ラテックス100部(固形分と
して)を攪拌機を備えた反応釜に入れ、共重合体(B)
ラテックス2部(固形分として)を攪拌しながら10秒
間で添加し5分間攪拌を行った。
【0037】得られたラテックス混合物を硫酸水溶液に
加え、酸析凝固したのち、洗浄脱水し、乾燥を行い、粉
末状でポリマー回収を行った(実施例1−1))。
【0038】なお共重合体(B)の添加量を種々変更し
たものを表1に併せて示す。
【0039】(4)塩化ビニル樹脂との配合組成物の製
造 平均重合度1100の塩化ビニル樹脂100部に三塩基
性硫酸鉛1.0部、二塩基性ステアリン酸0.3部、ス
テアリン酸鉛2.4部、ステアリン酸0.3部、ポリエ
チレンワックス0.3部、上記(3)で得られたそれぞ
れの改質剤13部を加え、ヘンシェルミキサー中で11
5℃まで昇温させて均一な混合物を得た。この塩化ビニ
ル樹脂組成物を30mm単軸押出機で以下の条件で角棒
成形を行なった。
【0040】シリンダー1 150℃ シリンダー2 165℃ シリンダー3 180℃ ダイス 200℃ スクリュー CR=3.0,30mmφフルフライトス
クリュー 成形品の衝撃強度は2mm深さのUノッチを付けた試片
を用いる以外はASTM D−256に従い測定した。
【0041】これらの測定結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】以上の結果から共重合体(B)を特定量ブ
レンドすることで耐衝撃性改良効果が向上することがわ
かる。
【0044】実施例2 共重合体(B)としてアクリル酸n−ブチル50部、メ
タクリル酸メチル35部、アクリル酸15部からなる混
合物を実施例1の(2)と同様の方法で重合して共重合
体(B)ラテックスを得た。
【0045】この共重合体(B)ラテックス3部(固形
分として)を実施例1の(1)で得られたグラフト共重
合体(A)ラテックス100部(固形分として)にブレ
ンドし、実施例1の(3)と(4)と同様に操作して得
られた塩化ビニル樹脂組成物の耐衝撃性を同じ評価法に
より測定した結果を表2に示す。なお共重合体(B)と
して組成及び添加量を変更したものの評価結果を表2に
併せて示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2中の略号は次の通りであり、以後の場
合も同じである。
【0048】 BA:アクリル酸n−ブチル MAA:メタクリル酸 MMA:メタクリル酸メチル IA:イタコン酸 AA:アクリル酸 St:スチレン EA:アクリル酸エチル CA:クロトン酸 MA:アクリル酸メチル 以上の結果から共重合体(B)ラテックス中の不飽和酸
の少ないものは耐衝撃性改良効果が少なく、また多いも
のはブレンド後のラテックス安定性が悪化することがわ
かる。
【0049】実施例3 実施例1の(a)と同様に操作し、ただしアクリル酸ア
ルキルエステルとしてアクリル酸n−ブチルの代りにア
クリル酸2−エチルヘキシルを用いてアクリル系弾性体
ラテックスを得た。このアクリル系弾性体100部(固
形分として)に表3に示すようにグラフト重合させる単
量体混合物の量を3種類変更して、3種のグラフト共重
合体を得た。ただし追加乳化剤としてオレイン酸カリを
グラフト重合させる単量体混合物に対し、0.75%用
いた。また重合開始剤としてナトリウムホルムアルデヒ
ドスルホキシレート、ターシャリーブチルヒドロパーオ
キサイドをグラフト重合させる単量体混合物に対し各々
0.3%、0.35%用いた。グラフト重合させた単量
体混合物中の各単量体の比率はメタクリル酸メチル75
%、スチレン15%、アクリロニトリル10%である。
【0050】得られたこれらのグラフト共重合体(A)
ラテックス100部(固形分として)に実施例1の
(2)で得られた共重合体(B)ラテックスをそれぞれ
2部(固形分として)ブレンドし、実施例1の(3)と
同様に操作してポリマーを得た。このポリマーを実施例
1の(4)と同様に操作し、塩化ビニル樹脂組成物を得
た。
【0051】これらの塩化ビニル樹脂組成物の耐衝撃性
を実施例1の(4)と同じ評価法により測定した結果を
表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】実施例4 実施例1の(1)において、アクリル酸アルキルエステ
ルとしてアクリル酸n−オクチルを用い、多官能性架橋
剤としてイソシアヌル酸トリアリル0.5部を用い、実
施例1の(1)と同様に操作してアクリル系弾性体を得
た。このアクリル系弾性体100部(固形分)にメタク
リル酸メチル59.6部、シアヌル酸トリアリル0.4
部からなる混合物を実施例1の(1)と同様に操作して
グラフト共重合体(A)ラテックスを得た。
【0054】このグラフト共重合体(A)ラテックス1
00部(固形分として)に実施例1の(2)で得られた
共重合体(B)ラテックス3部(固形分として)をブレ
ンドし実施例1の(3)と同様にしてポリマーを回収
し、実施例1の(4)と同様に操作し、塩化ビニル樹脂
組成物を得た。この塩化ビニル樹脂組成物の耐衝撃性を
実施例1の(4)と同じ評価法により測定した結果を表
4に示す。なおアクリル系弾性体中及びグラフト層中の
多官能性架橋剤量を変更したものの結果を表4に併せて
示す。
【0055】
【表4】
【0056】表4中の略号は次の通りである。
【0057】OA:アクリル酸n−オクチル TAIC:イソシアヌル酸トリアリル MMA:メチクリル酸メチル 以上の結果からアクリル系弾性体中の多官能性架橋剤量
は多過ぎても少な過ぎても耐衝撃性改良効果は低下する
ことがわかる。
【0058】実施例5 市販のPVC改質剤であるメタクリル酸メチル−ブタジ
エン−スチレン樹脂(MBS樹脂)及び塩素化ポリエチ
レン(ClPE)及び実施例1の(1)〜(3)で得ら
れた改質剤を実施例1の(4)と同様に操作して塩化ビ
ニル樹脂組成物を得た。これらの耐候性を表5に示す。
耐候性はウェザオメーター(東洋理化製WE−II型)に
より加速暴露処理した後の、アイゾット衝撃強度及び着
色程度で示す。
【0059】
【表5】
【0060】なお表中の着色程度の表示は次の通りであ
る。 ○:殆んど着色せず良好である。 △:やや着色してあまり好ましくない。 ×:着色して不良である。
【0061】表5の結果から本発明に係る改質剤は市販
のMBS樹脂、ClPEに比較して耐候性(初期インパ
クト保持率、帯色性)が非常に良好であることがわか
る。
【0062】実施例6 実施例1の(1)〜(3)で得られた改質剤30部、ポ
リカーボネート樹脂70部、酸化防止剤0.2部、ステ
アリン酸カルシウム0.1部をヘンシェルミキサーにて
混合し、シリンダー温度240℃にセットされた30m
mφ押出機でペレット化した。乾燥後、射出成形機によ
り試験片を作製し、実施例1の(4)と同じ評価法によ
り衝撃強度を測定した結果を表6に示す。なお、共重合
体(B)の添加量を種々変更したものの結果を表6に併
せて示す。
【0063】
【表6】
【0064】以上の様に、本発明に係る改質剤は、ポリ
カーボネート樹脂に対し、良好な耐衝撃性改良効果を示
す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33:06) (C08L 51/00 25:08)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部と、多官能性
    架橋剤を0.1〜5重量%含有する、アクリル酸アルキ
    ルエステルを主成分とするアクリル系弾性体にメタクリ
    ル酸アルキルエステル、芳香族ビニル化合物及びビニル
    シアン化合物からなる単量体群から選ばれた少なくとも
    一種の単量体95〜100重量%と多官能性架橋剤0〜
    5重量%からなる単量体又は単量体混合物を1段又は多
    段でグラフト重合して得られるグラフト共重合体(A)
    100重量部に、不飽和酸単量体3〜30重量%及びこ
    れと共重合可能なビニル単量体97〜70重量%を共重
    合して得られる共重合体(B)0.1〜20重量部を配
    合してなる耐候性良好な耐衝撃性改質剤3〜50重量部
    とからなる耐候性、耐衝撃性及び成形加工性良好な熱可
    塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の耐衝撃性改質剤に混合す
    る樹脂が塩化ビニル系樹脂及びポリカーボネート樹脂か
    ら選ばれた少なくとも一種の熱可塑性樹脂である熱可塑
    性樹脂組成物。
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