JPH0742234A - 圧縮ブレースの端部取合い構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】圧縮ブレースの端部取合いを単純化することを
目的としている。 【構成】圧縮ブレース１は、Ｈ形鋼２のフランジ端面２
ｂ間にそれぞれ補強プレート３を架け渡し、その補強プ
レート３とフランジ端面２ｂとを溶接することで箱形断
面形状に形成される。その圧縮ブレース１の端部取合い
構造は、柱梁架構部材の柱梁接合部４に対して、Ｈ形鋼
からなる接合部材５の一端部がガセットプレート６を介
して取り付けられる。その接合部材５の他端面に、上記
圧縮ブレース１を構成するＨ形鋼２の端面２ａを同軸に
当接させ、その当接する圧縮ブレース１のＨ形鋼２の端
部と接合部材５の端部間に添え板７を当接して高力ボル
トによるボルト接合を実施することで添え板継ぎを行
い、接合部材５と圧縮ブレース１を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉄骨鉄筋構造物や鉄骨
構造物における、柱梁架構の補強のために配設される圧
縮ブレースの端部取合い構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、圧縮ブレース材としては、一般
に、曲げ発生等を防止するために剪断抵抗等が大きいボ
ックス材（箱形断面材）が使用されている。そして、そ
のボックス材からなる圧縮ブレースの端部取合い構造
は、図４に示すように、柱梁架構部材の柱梁接合部４に
ガセットプレート６が断面十字形状に取り付けられ、ま
た、その十字形状に取付けられたガセットプレート６の
先端部に対して、接合部材を構成する，断面十字形に組
み立てられた割り込みプレート１０の一端面が同軸に当
接し、両部材６，１０が添え板継ぎによってボルト接合
されると共に、上記割り込みプレート１０の他端部に対
して、上記圧縮ブレース１の一端部が同軸に取り付けら
れて、端部取合い構造が構成されている。

【０００３】その割り込みプレート１０と圧縮ブレース
１との取合いは、図５に示すように、圧縮ブレース１の
開口端部に形成された４つの切欠き１ａに、それぞれ割
り込みプレート１０の他端部が挿入され、その挿入部分
を溶接することによって接合されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような圧縮ブレース１の端部取合い構造では、圧縮ブレ
ース１の開口端部に割り込みプレート１０用の切り込み
を形成する必要があり、圧縮ブレース１端部の接合が複
雑になるという問題がある。本発明は、上記のような問
題点に着目してなされたもので、圧縮ブレースの端部取
合いを単純化することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の圧縮ブレースの端部取合い構造は、Ｈ形鋼
の対向するフランジ端部間にそれぞれ補強プレートを架
け渡した状態で固着してなる圧縮ブレースと、一端面を
その圧縮ブレースの端面へ同軸に対向させ他端部を柱梁
架構部材に固定されたＨ形鋼からなる接合部材とが、そ
の圧縮ブレースのＨ形鋼と接合部材との端部間を添え板
継ぎで接合することで、取合わされていることを特徴と
している。

【０００６】

【作用】Ｈ形鋼に補強プレートを固着することで箱形断
面形状に形成され、耐力的に従来のボックス材と同程度
の断面性能を有する圧縮ブレースが構成される。なお、
従来のボックス材も、例えば，２つの溝形鋼を対向させ
て溶着することで構成されている。

【０００７】そして、柱梁架構側の接合部材の端部と、
圧縮ブレースにおけるＨ形鋼の端部とを、直接，若しく
はフィラーを介して当接し、添え板継ぎによってボルト
接合やリベット接合する。このように、本願発明では、
圧縮ブレースの端部に割り込みプレート用の切り込みを
形成する必要がなく、接合部材の端部に対して、添え板
継ぎだけで接合される。

【０００８】また、前記従来の接合部材である断面十字
形の割り込みプレートは、図５のように平板状のプレー
トの両面中央部に、そのプレートから第２のプレートを
それぞれ突設させた状態で溶接して組み立てる必要があ
るが、本願発明の接合部材は、既成のＨ形鋼を流用する
ので、特別に接合部材の組み立て作業を必要としない。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例の圧縮ブレース１は、図２に示すように、Ｈ形
鋼２のフランジ端面２ｂ間にそれぞれ補強プレート３を
架け渡し、その補強プレート３とフランジ端面２ｂとを
溶接することで箱形断面形状に形成されている。このと
き、上記Ｈ形鋼２の材軸方向両端部には、それぞれ上記
補強プレート３を固着しないように設計して、該Ｈ形鋼
２の材軸端部をそれぞれ露出させておく。

【００１０】その圧縮ブレース１の端部取合い構造は、
図１に示すように、柱梁架構部材の柱梁接合部４に対し
て、Ｈ形鋼からなる接合部材５の一端部がガセットプレ
ート６を介して取り付けられている。そして、その接合
部材５の他端面に、上記圧縮ブレース１を構成するＨ形
鋼２の端面２ａを同軸に当接させ、その当接する圧縮ブ
レース１のＨ形鋼２の端部と接合部材５の端部とにおけ
る、ウェブ部及びフランジ部間にそれぞれ添え板７を当
接して高力ボルトによるボルト接合を実施することで、
添え板継ぎを行い、接合部材５と圧縮ブレース１を接合
する。

【００１１】このように、添え板継ぎのボルト締めだけ
で圧縮ブレース１と接合部材５とが接合される。なお、
このとき、図３に示すように、上記接合部分の対向する
各フランジ端面２ｂ間に、後付け補強プレート８を架け
渡して固着することで、該接合部分を箱形断面形状とし
て断面性能を向上させるとよい。

【００１２】また、上記実施例では、Ｈ形鋼２のフラン
ジ端面２ｂ間に補強プレート３を架け渡して固着してい
るが、フランジ端部の対向する面間に補強プレート３を
架け渡して固着することで、箱形断面形状の圧縮ブレー
ス１を形成してもよい。また、上記圧縮ブレース１の上
端部は、図示しない梁の下面に、上記と同様な取合いに
て取付けられる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の圧縮
ブレースの端部取合い構造にあっては、従来よりも圧縮
ブレース端部の接合が単純化するという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る実施例の圧縮ブレースの端部取合
い構造を示す側面図である。

【図２】本発明に係る実施例の圧縮ブレースを示す図１
におけるＡ−Ａ断面図である。

【図３】本発明に係る実施例の圧縮ブレースの端部取合
い構造の接合部分を示す平面図である。

【図４】従来の圧縮ブレースの端部取合い構造を示す側
面図である。

【図５】図４におけるＢ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１ 圧縮ブレース ２ Ｈ形鋼 ３ 補強プレート ４ 柱梁接合部 ５ 接合部材 ６ ガセットプレート ７ 添え板 ８ 後付け補強プレート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷口 俊恭 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｈ形鋼の対向するフランジ端部間にそれ
   ぞれ補強プレートを架け渡した状態で固着してなる圧縮
   ブレースと、一端面をその圧縮ブレースの端面へ同軸に
   対向させ他端部を柱梁架構部材に固定されたＨ形鋼から
   なる接合部材とが、その圧縮ブレースのＨ形鋼と接合部
   材との端部間を添え板継ぎで接合することで、取合わさ
   れることを特徴とする圧縮ブレースの端部取合い構造。