JP2018031151A - 鉄骨構造体の異形断面ブレース材とその構成方法 - Google Patents

鉄骨構造体の異形断面ブレース材とその構成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 既設の鉄骨構造体におけるブレース主材の耐力を大きくできて現地工事を改善することができる異形断面ブレース材を提供すること。【解決手段】 鉄骨構造体に備えられた仕口部のガセットプレートの間に固定されてブレース構造を形成する異形断面ブレース材であって、ブレース主材の長手方向中央部分に固定され、ブレース主材の外面から突出し、所定長さを有する固定用板材と、ブレース主材の軸方向と直交する断面においてブレース主材よりも大形で、ブレース主材を囲うように固定用板材に固定される補強部材と、を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄骨構造体におけるブレース構造に用いる異形断面ブレース材とその構成方法に関する。
従来、鉄骨構造体においては、強度を確保するために柱材と梁材との間に鉄骨ブレース材が設けられたブレース構造を採用する場合がある。例えば、V字型(逆V字型)ブレース構造は、通常、梁材の中間部分の仕口部に設けられたガセットプレートと、柱材と梁材との連結部分に設けられた仕口部のガセットプレートとの間に斜めにブレース主材が設けられる。このブレース主材により、鉄骨構造体の1つの面では、三角形を主体として構成された構造となっている。1つの面のブレース主材は、鉄骨構造体に作用する水平力を一方のブレース主材が引張力、他方のブレース主材が圧縮力を負担するようになっている。ブレース主材の許容耐力は、圧縮側の座屈を考慮した耐力で設計される。一方、仕口部はブレース主材が座屈しても引っ張り材としての材料の能力が潜在していることから引張耐力で設計される。
このようなブレース構造の鉄骨構造体として、例えば、タワー式の機械式駐車設備における駐車塔がある。以下、鉄骨構造体として、駐車塔を例に説明する。図3は、タワー式の機械式駐車設備(以下、単に「駐車設備」という)100の正面視の全体図であり、図4は駐車設備100の側面視の全体図である。これらの図面では、屋根材104と外装材105を取り除いた状態で示している。図示するように、鉄骨構造体である駐車塔101の内部に駐車装置130が備えられ、上面には屋根材104が設けられ、外面は外装材105で覆われる。駐車塔101は、鉛直方向に延びる柱材102と、柱材102を水平方向に連結する梁材103と、梁材103の中間部分に設けられた仕口部111から柱材102と梁材103との連結部分に設けられた仕口部111に向けて斜めに設けられたブレース主材107と、を有している。駐車塔101の場合、4面の全てにブレース主材107が設けられている。図5に示すように、ブレース主材107は、端部の中心部に差し込んで固定されたブレースプレート108が、仕口部111のガセットプレート106にボルト110で固定されている。
なお、駐車塔のブレース材に関する先行技術として、例えば、本出願人が先に出願したブレース材の連結部分に関するものがある(例えば、特許文献1参照)。この出願では、ブレース材を固定するガセットプレートとの連結部分にダンパー構造体を設けている。
特開2010−37871号公報
ところで、上記駐車設備では、経年使用した既設の駐車塔101を利用し、内部の駐車装置130の入替えや、屋根材104、外装材105をリフォームする改修工事を行う場合がある。しかも、近年、自動車の車種増加に対応するために駐車装置を入替える場合もあり、屋根材や外壁材のリフォームを含めた改修工事は増加傾向にある。このような改修工事は、他の鉄骨構造体においても同様に生じる場合がある。
しかし、このような改修工事を行う場合、駐車装置130の重量増加や、屋根材104や外装材105をカバー工法で改修する場合の重量増加などにより、駐車塔(鉄骨構造体)101が負担する重量が増加する。そして、この重量増加によって、ブレース主材107の断面二次モーメントに対する荷重が変化して圧縮耐力が不足することがある。
この対策として、例えば、図6(A)に示す第1の改造例のように、ブレース主材107を断面積が大きいブレース主材112に交換することで圧縮耐力を大きくし、これと同時に大きくなるブレース主材の引張耐力に見合うように、そのブレース主材112を取り付けるブレースプレート108の仕口部における強度を大きくするために補強溶接113を行う方法がある。また、図6(B)に示す第2の改造例のように、ブレース主材107を断面積が大きいブレース主材120に交換することで圧縮耐力を大きくし、そのブレース主材120の引張耐力に応じたブレースプレート121と、そのブレースプレート121を固定する大きなガセットプレート122を取り付けた新しい梁材123に交換する方法が考えられる。
しかし、これらの方法では、ブレース主材107を交換する工事やブレースプレート108の仕口部における補強溶接113の工事、又はブレース主材120及びブレースプレート121の交換とガセットプレート122及び梁材123の交換工事を現地で行う必要がある。このため、現地において駐車塔(鉄骨構造体)101に対する工事に多くの時間と労力及び費用を要する。このようなことから、既設の機械式駐車設備などの鉄骨構造体における改修工事などにおいて、現地工事の改善ができる方法が切望されている。
なお、上記特許文献1は、ガセットプレートと梁との間の耐震化に関するものであり、改修工事におけるブレース材の耐力を大きくすることについては何ら記載されていない。
そこで、本発明は、既設の鉄骨構造体におけるブレース主材の耐力を大きくできて現地工事を改善することができる異形断面ブレース材とその構成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る異形断面ブレース材は、鉄骨構造体に備えられた仕口部のガセットプレートの間に固定されてブレース構造を形成する異形断面ブレース材であって、ブレース主材の長手方向中央部分に固定され、該ブレース主材の外面から突出し、所定長さを有する固定用板材と、前記ブレース主材の軸方向と直交する断面において該ブレース主材よりも大形で、該ブレース主材を囲うように前記固定用板材に固定される補強部材と、を備えている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「ブレース主材」は、鉄骨構造体に備えられる円筒材、角筒材などの鋼管や各種形状の形鋼の部材を含む。
この構成により、ガセットプレートの間に固定されるブレース主材を利用し、そのブレース主材の長手方向中央部分に外面から突出するように固定用板材を設け、その固定用板材にブレース主材を囲うようにブレース主材よりも大形の補強部材を固定することで、ブレース主材の圧縮耐力を大きくすることができる。しかも、ブレース主材の長手方向中央部分における圧縮耐力は大きくなるがブレース主材の端部における引張耐力は同じであるため、ガセットプレートに対する現地工事などを必要としない。したがって、改修工事などにおいては、現地工事の時間と労力及び費用を低減して、現地工事を改善することができる。
また、前記固定用板材は、前記ブレース主材に対し、上方向と下方向とに対向位置で突出するように固定され、前記補強部材は、前記ブレース主材の上方と下方とで前記固定用板材に固定されていてもよい。このように構成すれば、鉄骨構造体の外装材を外すことなく、鉄骨構造体の内方からブレース主材に対して固定用板材と補強部材とを固定して異形断面ブレース材を形成することができる。これにより、現地工事の場合には時間と労力及び費用を大幅に低減して、現地工事の改善を図ることができる。
また、前記固定用板材及び前記補強部材の所定長さを、前記ブレース主材の軸方向長さの1/2以上としてもよい。このように構成すれば、既設のブレース主材の長手方向中央部分に必要な長さの固定用板材と補強部材とを設けてブレース主材の圧縮耐力を大きくすることができる。
また、前記ブレース主材は、円形断面で形成されており、前記補強部材は、前記ブレース主材の直径よりも大径で前記ブレース主材を囲う半円形の断面で形成されていてもよい。このように構成すれば、既存のブレース主材の直径に対して大径の補強部材を半割にして用いることで圧縮耐力を大きくしたブレース主材を構成することができる。
一方、本発明に係る異形断面ブレース材の構成方法は、鉄骨構造体に備えられた仕口部のガセットプレートの間に固定されてブレース構造を形成する異形断面ブレース材の構成方法であって、ブレース主材の長手方向中央部分に、該ブレース主材の外面から突出し、所定長さを有する固定用板材を設け、前記固定用板材に、前記ブレース主材の軸方向と直交する断面において該ブレース主材よりも大形の補強部材を、該ブレース主材を囲うように固定する。
この構成により、ガセットプレートの間に固定されるブレース主材を利用し、そのブレース主材の長手方向中央部分に、ブレース主材の外面から突出するように固定用板材を設け、その固定用板材にブレース主材を囲うようにブレース主材よりも大形の補強部材を固定する。これにより、ブレース主材としての圧縮耐力を大きくすることができる。よって、ガセットプレートに対する工事などを要することなく、既存のブレース主材を使用してブレース主材の圧縮耐力を大きくすることができ、現地工事を改善することができる。
また、前記ブレース主材に対し、上方向と下方向とに突出するように前記固定用板材を固定し、前記ブレース主材の上方と下方とで前記固定用板材に前記補強部材を固定するようにしてもよい。このように構成すれば、現地工事の場合には、鉄骨構造体から外装材などを外すことなく、内方からブレース主材に対して固定用板材と補強部材とを固定して異形断面ブレース材を構成することができる。
本発明によれば、鉄骨構造体におけるブレース主材の圧縮耐力を大きくすることが可能となる。特に、機械式駐車設備において、駐車装置の入替えや屋根材、外装材の改修にカバー工法を採用する場合、既設のブレース主材の圧縮耐力が不足するようになっても、既設の仕口部を変更することなくブレース主材の圧縮耐力を大きくすることが可能になる。よって、現地工事の時間、労力及び費用を低減して改善することが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る異形断面ブレース材を示す正面図である。 図2は、図1に示すII−II矢視の拡大断面図である。 図3は、鉄骨構造体の一例である駐車塔を有する駐車設備の一例を示す正面図である。 図4は、図3に示す駐車設備の側面図である。 図5は、図3、図4に示す駐車設備のブレース主材の連結部を示す部分拡大図である。 図6は、図5に示すブレース主材の従来の改造例を示す図面であり、(A)は第1の改造例を示す部分拡大図であり、(B)は第2の改造例を示す部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、鉄骨構造体として上記図3,4に示す駐車設備100の駐車塔101を例に説明する。図3,4及び部分拡大図である図5と同一の構成には、同一符号を付して説明する。また、円筒材のブレース主材107を例に説明する。なお、この明細書及び特許請求の範囲の書類中における上下左右方向の概念は、図1に示す異形断面ブレース材1に向かった状態における上下左右方向の概念と一致するものとする。
(異形断面ブレース材の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る異形断面ブレース材1を示す正面図であり、図2は、図1に示すII−II矢視の拡大断面図である。図1では、駐車塔101に固定されていない状態の異形断面ブレース材1を図示している。図2では、隙間などを誇張して図示している。
図示するように、異形断面ブレース材1は、駐車塔101に備えられた2つの仕口部111のガセットプレート106(図3,4)に連結されるブレースプレート108と、このブレースプレート108を両端部に備えたブレース主材107と、を有している。ブレースプレート108は、円筒材のブレース主材107の端部の中心部に差し込んで固定されている。ブレースプレート108は、上述した図5と同じであり、ボルト穴109の数、位置などは同じである。上記ブレース主材107とブレースプレート108とは、駐車塔101の柱材102と梁材103とに備えられたガセットプレート106に固定される長さとボルト穴109の位置になっている。
そして、ブレース主材107の長手方向中央部分に、軸方向に延びる固定用板材10が固定され、この固定用板材10に所定長さLの補強部材11が固定されている。固定用板材10は、所定長さLの補強部材11を固定できる長さで形成され、ブレース主材107の長手方向中央部分に、対向位置で外面から突出するように固定されている。
上記補強部材11としては、上記ブレース主材107の軸方向と直交する断面においてブレース主材107よりも大形で、ブレース主材107を囲うように上記固定用板材10に固定できる部材が用いられる。固定用板材10は、補強部材11の所定長さLとほぼ同じ長さとなっている。この実施形態の補強部材11は、ブレース主材107が円形断面の円筒材であるため、ブレース主材107の直径よりも大径の円筒材を半割にした半円形断面の部材が用いられている。
これら固定用板材10及び補強部材11の所定長さLとしては、ブレース主材107の軸方向長さに対して1/2以上の長さとすることで、座屈が生じるブレース主材107の長手方向中央部分を補強できる。この実施形態の補強部材11は、固定用板材10に溶接で固定されており、固定用板材10よりも少し短い長さとなっている。
このように、円筒材のブレース主材107の対向する位置で外面から突出するように固定用板材10が設けられ、これらの固定用板材10に直径が大径の補強部材11をブレース主材107を囲うように固定することで、圧縮耐力を大きくした異形断面ブレース材1を構成することができる。ブレース主材107及び補強部材11に円筒材を用いることで、異形断面ブレース材1に作用するあらゆる方向の荷重に対して安定した耐力を発揮することができる。
また、上記ブレース主材107は、円形断面以外であったとしても、駐車塔101に備えられた仕口部111のガセットプレート106に連結されたブレース主材107はそのまま利用し、そのブレース主材107に対し、長手方向中央部分に、外面から突出して所定長さの固定用板材10を固定する。そして、ブレース主材107を囲うように、ブレース主材107よりも大形の補強部材11を、固定用板材10に溶接などで固定することで、圧縮耐力を大きくした異形断面ブレース材1を構成することができる。
このように、ガセットプレート106の間に固定されたブレース主材107はそのまま利用し、そのブレース主材107の長手方向中央部分に固定用板材10と補強部材11とを固定して、圧縮耐力を大きくした異形断面ブレース材1を構成する。これにより、現地工事の時間、労力及び費用を低減して、現地工事の改善をすることができる。しかも、駐車塔(鉄骨構造体)101のブレース材として異形断面ブレース材1を採用することで、上記図6(A)、(B)のような改造に比べて、座屈耐力の向上ならびに仕口部111の板厚・ボルト本数の低減が可能となる。
また、作業性等の理由により、工場にて、同等の寸法のブレース主材107に固定用板材10と補強部材11とを取り付けた異形断面ブレース材1を新規製作し、現地に搬入して既設のブレース主材107と交換することもできる。このようにしても、ガセットプレート106や梁材102の交換が不要なので、コストや期間を削減することができる。さらに、現地にて、既設のブレース主材107をガセットプレート106から一旦取り外し、そのブレース主材107に固定用板材10と補強部材11とを取り付けて異形断面ブレース材1とすることもできる。この場合でも、ガセットプレート106や梁材102の交換が不要なので、コストや期間を削減することができる。
(異形断面ブレース材の構成方法)
一方、上記固定用板材10は、ブレース主材107に対して上方向と下方向とに突出するように固定することができる。そして、上記補強部材11は、上記ブレース主材107を囲んでブレース主材107の上方と下方とで固定用板材10に固定することができる。例えば、上述した図3,4に二点鎖線で示すように、ガセットプレート106の間に固定されたブレース主材107はそのままの状態で、駐車塔101の内方からブレース主材107の長手方向中央部分の外面から上方向と下方向とに対向して突出するように固定用板材10を溶接などで固定する。そして、その固定用板材10に、駐車塔101の内方から補強部材11を固定する。
このようにすれば、駐車塔101の外装材105を外すことなく、駐車塔101の内方からブレース主材107の長手方向中央部分に固定用板材10と補強部材11とを固定して圧縮耐力の大きい異形断面ブレース材1を構成することができる。
したがって、駐車塔101の外装材105を外す工事や、既存のブレース主材107の撤去やガセットプレート106に対する工事などを要することなく、あるいは、ブレース主材107の交換を要する箇所を最低限に抑えて、既存のブレース主材107を利用して圧縮耐力の大きい異形断面ブレース材1を構成することができる。このことは、駐車塔101の外装材105を取り外す場合、梁材103には外装材105を固縛するための胴縁材(間柱材)が取り付けられているため、外装材105を落下させない措置も必要になって、現地工事が大掛かりになるが、この現地工事を不要にできる。
なお、上記図3,4では、駐車塔101の上部から中間部におけるブレース主材107に固定用板材10と補強部材11とを設けて異形断面ブレース材1とする例を示しているが、異形断面ブレース材1とする箇所は、重量増などにより検討した結果、既設のブレース主材107では耐力が不足することになる箇所に適宜採用すればよい。すなわち、異形断面ブレース材1を採用する箇所は、既設のブレース主材107の耐力不足に応じて、下部のみ、上部と下部に分散、全体、など、その鉄骨構造体に応じて適切な箇所に採用すればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では主に現地加工の例を説明したが、上記したように異形断面ブレース材1を工場で新規製作する場合には、工場で製作した異形断面ブレース材1を現地に搬送し、現地にて既設のブレース主材107と交換すればよい。さらに、現地にて既設のブレース主材107を取り外して異形断面ブレース材1とした場合には、その異形断面ブレース材1を元の位置に取り付ければよい。
(総括)
以上のように、上記異形断面ブレース材1によれば、駐車塔(鉄骨構造体)101におけるブレース主材107及びブレースプレート108を変更することなく、仕口部111におけるガセットプレート106は既設のまま流用して、圧縮耐力を大きくした異形断面ブレース材1を構成することが可能となる。
したがって、上記異形断面ブレース材1を採用することにより、従来のブレース主材107及び仕口部111におけるブレース構造の構成は現有のまま利用できる。このため、駐車装置130の入替えや、屋根材104、外装材105のカバー工法によるリフォームを行う場合でも、現地での補強溶接作業(図6(A)に示す例)や、新設梁材の交換作業など(図6(B)に示す案)は不要になり、現地工事の時間と労力及び費用を大幅に低減して現地工事の改善を図ることが可能になる。
なお、上記した実施形態では、ブレース主材107として円筒形断面のパイプ材を例に説明したが、ブレース主材107としては、H形鋼や、他の形鋼を用いたものでもよい。この場合も、ブレース主材107の長手方向中央部分に固定用板材10と補強部材11とを設けることで、ブレース主材107の長手方向中央部分における圧縮耐力を大きくでき、ブレース主材107は上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態では、固定用板材10をブレース主材107に対して上方向と下方向とに突出するように(ブレース主材107の軸線に関して対称に)固定する例を示したが、対向する水平位置や、ブレース主材107の軸線周りに任意角度で傾けて固定することもでき、固定用部材10の固定形態も上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態では、鉄骨構造体としてタワー式の機械式駐車設備100の駐車塔101を例に説明したが、ブレース材を有する鉄骨構造体であれば同様に適用でき、異形断面ブレース材1を備えさせる鉄骨構造体は、機械式駐車設備100の駐車塔101に限定されるものではない。
さらに、上記した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
1 異形断面ブレース材
10 固定用板材
11 補強部材
100 機械式駐車設備
101 駐車塔(鉄骨構造体)
102 柱材
103 梁材
106 ガセットプレート
107 ブレース主材
108 ブレースプレート
111 仕口部

Claims (6)

  1. 鉄骨構造体に備えられた仕口部のガセットプレートの間に固定されてブレース構造を形成する異形断面ブレース材であって、
    ブレース主材の長手方向中央部分に固定され、該ブレース主材の外面から突出し、所定長さを有する固定用板材と、
    前記ブレース主材の軸方向と直交する断面において該ブレース主材よりも大形で、該ブレース主材を囲うように前記固定用板材に固定される補強部材と、
    を備えている、ことを特徴とする異形断面ブレース材。
  2. 前記固定用板材は、前記ブレース主材に対し、上方向と下方向とに対向位置で突出するように固定され、
    前記補強部材は、前記ブレース主材の上方と下方とで前記固定用板材に固定されている、
    請求項1に記載の異形断面ブレース材。
  3. 前記固定用板材及び前記補強部材の所定長さを、前記ブレース主材の軸方向長さの1/2以上とした、
    請求項1又は2に記載の異形断面ブレース材。
  4. 前記ブレース主材は、円形断面で形成されており、
    前記補強部材は、前記ブレース主材の直径よりも大径で前記ブレース主材を囲う半円形の断面で形成されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の異形断面ブレース材。
  5. 鉄骨構造体に備えられた仕口部のガセットプレートの間に固定されてブレース構造を形成する異形断面ブレース材の構成方法であって、
    ブレース主材の長手方向中央部分に、該ブレース主材の外面から突出し、所定長さを有する固定用板材を設け、
    前記固定用板材に、前記ブレース主材の軸方向と直交する断面において該ブレース主材よりも大形の補強部材を、該ブレース主材を囲うように固定する、
    ことを特徴とする異形断面ブレース材の構成方法。
  6. 前記ブレース主材に対し、上方向と下方向とに突出するように前記固定用板材を固定し、
    前記ブレース主材の上方と下方とで前記固定用板材に前記補強部材を固定する、
    請求項5に記載の異形断面ブレース材の構成方法。
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