JPH0742191B2 - 化合物半導体単結晶の製造方法及び装置 - Google Patents

化合物半導体単結晶の製造方法及び装置

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JPH0742191B2
JPH0742191B2 JP61108092A JP10809286A JPH0742191B2 JP H0742191 B2 JPH0742191 B2 JP H0742191B2 JP 61108092 A JP61108092 A JP 61108092A JP 10809286 A JP10809286 A JP 10809286A JP H0742191 B2 JPH0742191 B2 JP H0742191B2
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semiconductor single
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は化合物半導体単結晶の製造に関する。更に詳し
くいえば、結晶成長の長手方向並びに垂直断面内で特性
の揃った、低転位密度の化合物半導体単結晶の製造方法
及びそのための装置に関するものである。
従来の技術 CaAs、InPなどのIII−V族化合物半導体を中心とする化
合物半導体の材料研究並びにデバイスの実用化研究等は
めざましい進展を遂げている。これは、半導体デバイス
における最近の傾向として、高速動作化・高周波化が要
求されるようになってきており、これを実現するために
は電子の移動度が大きく、また飽和ドリフト速度の大き
な半導体が必要であり、これが化合物半導体によって実
現し得るからである。
更に、III−V族化合物半導体においては、良好な半導
体特性を維持したまま、比較的自由に混晶を得ることが
できる。例えば、2種の異る化合物半導体から三元混晶
等を作製でき、これは元の2種の化合物半導体の中間的
な物性(禁制帯巾など)を有するものとなる。このよう
な混晶によれば従来の単体半導体や二元化合物半導体に
よっては実現し得ない興味ある物性の半導体デバイスが
実現でき、例えば発光・受光デバイス、ヘテロ接合デバ
イス、超格子デバイス等を実現し得るものとして期待さ
れている。
上記のような各種化合物半導体デバイスを実現するため
の本質的な要件の一つは、その出発材料となる単結晶あ
るいは混晶を低転位かつ高純度で作製することである。
化合物半導体の単結晶あるいは混晶の作製において特に
注意を要する点は、このものが高い解離平衡蒸気圧を有
する元素(例えばV族のAs、P等)を成分として含んで
いることであり、そのために厳密な組成の制御が必要と
なり、更に高温における臨界剪断応力が小さく熱歪で転
位が形成され易いなどの微妙な技術上の各種問題を解決
する必要があった。
そこで、特に蒸気圧制御の点で有利な各種方法が提案さ
れており、水平・垂直ブリッジマン法、液体封止チョク
ラルスキー法(LEC法)、フローティングゾーン法(FZ
法)、温度勾配法(GF法)、帯溶融法(ゾーンメルティ
ング法)などが知られている。これらの方法はより一層
優れた特性を有し、かつ高信頼性の各種半導体デバイス
を実現するために、あるいは更に結晶作製コストを低下
させ、歩留りを向上する目的で種々の研究がなされ、様
々な改善策が提案されている。
例えば、上記水平ブリッジマン法の中でも最も一般的な
三温度法につき添付第5図を参照しつつ説明すると、図
から明らかな如くこの方法では温度分布に3つのプラト
ー部分を有している。各温度はT1>T2>T3なる関係が満
足されるように一定値に維持される。これらの温度は例
えば石英製の反応管21の外周部に設けらた複数のヒータ
(図示せず)によって制御される。反応管21は、例えば
気体の拡散を防止するためのキャピラリー22を備えた隔
壁23で2分されており、左側の成長室内には石英ボート
24が封入されている。一方、右側の隔室には単結晶形成
原料(A・B)のうち高解離圧成分(例えばB)の固体
が収容されていて、蒸気圧を制御することにより結晶成
長用原料融液の解離、ひいては得られる結晶のストイキ
オメトリーを制御できるようになっている。石英ボート
24には原料融液(AB)Lが収納されていて、ボート24を
低温(T2)側に移動させることにより単結晶(AB)C
成長する。実際の三温度水平ブリッジマン法では棚付き
ボートと呼ばれる石英ボートが使用され、このボート中
の固−液界面はT1からT2への変移部分のほぼ中央におけ
る融点(m.p.)部分に位置することになる。
ところで、上記の如く、単結晶の製造法を経済的かつ歩
留りの良好なものとするためには、大部分が低転位密度
を有する結晶を短期間で作製することが重要である。そ
こで、従来から温度勾配法(GF法)の利用が提案されて
きた。しかしながら、温度勾配を急にすると、熱歪によ
る転位が発生し易くなると共に、ボート壁による成長界
面での面内温度勾配に対する影響が大きくなり、これに
よっても転位密度が大きくなる。従って、単位時間当り
の凝固熱の発生量をできるだけ少なくして、転位密度を
低減するために成長速度を極端に遅くする方法が採用さ
れている。
このような従来の水平ブリッジマン法は、GF法などで問
題となるのは、ボートと反応管底部壁および/または側
壁とが接していることにある。即ち、ボートは化合物半
導体の融点近傍にあるが、このボートを収容する反応管
の少なくとも一端はボート位置と比較して低温度帯域に
ある。そのため、反応管と接しているボート底部および
側部の放熱が他の部分と比較して大きく、成長結晶ある
いは固液−界面部の垂直方向における温度分布が一様で
なくなり、転位発生の大きな要因となっている。
そこで、例えば特開昭58-95697号公報発明では、この欠
点を解決する目的でボートと石英製反応管との間に断熱
材を配置し、熱伝導率を小さくすることによって、最適
の結晶の界面形状を実現する方法を開示している。
発明が解決しようとする問題点 以上述べてきたように、高い電子移動度と飽和ドリフト
速度を有する化合物半導体の特性を十分に生かし、しか
も高い信頼性と優れた特性の各種デバイスを実用化する
ためには、高純度かつ低転位密度の化合物半導体単結晶
を作製する必要がある。従来から、このような目的で様
々な単結晶製造法が提案されてきたが、更に一層低転位
密度の製品を経済的に得るためには改善すべき各種の難
点が残されている。
例えば、既に述べたように水平ブリッジマン法、GF法な
どで問題となっている点は低温領域とも接している反応
管のために、これと接しているボート底部あるいは更に
側部での放熱が局部的に促進され、結果として成長単結
晶の垂直方向における温度分布が乱され、熱歪による転
位を発生することである。この問題を解決するために上
記特開昭58-95697号公報発明のような方法が提案された
が、この方法(あるいは装置)は炉内の大きな温度勾配
中での改良であり、従って炉内の小さな温度勾配領域を
有効利用することができず、また半円型断面を有するボ
ートに対して効果が期待できないという問題を有してい
る。
このような情況の下で上記水平ブリッジマン法、温度勾
配法等の固有の問題を解決して、炉内の狭い空間を有効
利用すると共に、半円型断面のボートに対しても有利に
使用できる単結晶の製法、そのための装置を開発するこ
とは、より一層低転位密度の均一な特性の製品を生産性
良く得る上で極めて有効であり、本発明の目的もこの点
にある。
即ち、本発明は低転位密度の化合物半導体結晶を製産性
良く作製し得る方法を提供することを目的とするもので
あり、またこのような方法を実施するのに有用な単結晶
の製造装置を提供することも本発明の目的である。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、化合物半導体単結晶の製造、特に水平ブ
リッジマン、温度勾配法、帯溶融法等における従来の上
記の如き問題点に鑑み、該問題点を克服すべく種々検討
・研究した結果、上記のような反応管との接触に基くボ
ート底部での放熱促進等の問題が、反応管を炉中心方向
に持ち上げ、結晶成長界面部の面積を小さくすることが
有利であり、これによって低転位密度の単結晶を量産性
良く作製できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、まず本発明の化合物半導体単結晶の製造方法は、
所定の温度分布が設定された横型炉内で、単結晶成長用
原料融液を収納する横型ボートを封入した反応管を横方
向に移動させることにより化合物半導体単結晶を作製す
る方法であって、上記反応管を炉中心軸に対して垂直方
向に押上げた状態で水平に支持することにより、結晶成
長界面部の面積を小さくしたことを特徴とするものであ
る。
本発明の方法において、上記結晶成長界面の面積は、該
界面と水平線とのなす角(θ)が55〜90°の範囲内の値
をとるように、炉内での反応管の位置を調整することに
より小さくする。これは、一般的にはボートの中心と炉
の中心軸とが近接する方向に反応管を水平移動させるこ
とにより実現される。この条件は本発明の方法において
臨界的であり、特に下限は重要であり、低転位密度の単
結晶を得るためには必須となる。
この本発明の単結晶の作製方法は、同様に本発明の目的
とする以下のような構成の装置を用いることにより有利
に実現できる。即ち、複数のヒータを備え、内部に所定
の温度分布を設定する横型炉と、その内部に配置され、
所定の方向に炉内を移動できる反応管と、該反応管内に
封入され、化合物半導体単結晶成長用原料融液を収納す
る横型ボートと、上記反応管を上記炉内の所定の位置に
水平に配置するための支持手段とで構成されることを特
徴とするものである。
本発明の装置において、単結晶成長界面の面積を小さく
するためには、即ち水平方向に対する該界面の傾きθ
を、従来と比較して大きくするためには、原料融液を収
容するボートを封入する反応管を、支持手段によって炉
心とボート中心とが近接するように持ち上げた状態で支
持する。この支持手段としては、例えば板状体あるいは
筐体などの架台、複数の棒材を炉と反応器との間に配設
する、あるいはこれらの組合せなど各種の態様を考える
ことができ、これらはSiO2、SiC、BN、PBN、アルミナ、
グラファイトあるいはこれらの複合材料等、耐熱性断熱
材で構成することが好ましい。
更に、上記架台等の支持手段において、その10%以上が
空気で満たされるような形状とすることが好ましい。こ
のような構成は、例えば反応管の外側部形状に対応する
上部面と、炉内壁に対応する下部面とを有する架台にそ
の長さ方向に沿った溝を設ける、あるいは該架台に、そ
の長手方向に沿った開口部を設ける、上面、側面および
底面のみを板状壁部で構成し内部を空胴状にした構成と
する、板状体に櫛状の突起部を設けるなど様々な態様が
可能である。また、棒状断熱材を用いる場合には配列状
態によって間隙の容積が調節できる。更に棒状部材と上
記各種形状で、かつ寸法(断面の)小さな架台とを組合
せて支持手段とすることも可能であり、同様な他のすべ
ての態様が本発明の範囲にはいるものと理解すべきであ
る。
この支持手段の設定に当たっては、予め各種の位置に支
持した反応管を用いて単結晶の合成実験を行って、単結
晶成長界面の傾斜角と位置との関係を調べておくことが
有利である。
また、本発明で用いる支持手段は、その高さを調節し得
るものとして実現することも可能であり、例えば上・下
の、わずかに幅の異る相互に嵌合し得る2つのU字型の
部材を、例えばジャッキ等で接続し、これによって高さ
を自由に変え得るように工夫することもできる。この調
節は勿論適当な手段、例えば回転し得るロッドなどによ
り炉外で操作できるものとすることが可能である。
本発明の単結晶成長装置において、特に支持機構を詳細
に述べたが、その他の構成は従来の水平ブリッジマン
法、温度勾配法あるいは帯溶融法等において通常知られ
ているものと同様であり、何等特別なものではない。従
って、例えば反応管は隔壁によって2つあるいはそれ以
上のチャンバーに分割されており、その一つ(成長室)
にボートが収容され、残りのチャンバー(蒸気圧制御用
元素収納室)には夫々高蒸気圧元素を収納し、該成長室
と各元素収納室とを夫々独立にキャピラリーなどの連通
手段で連絡した構成をとることができる。また、原料融
液収納ボートの一端には棚部を設け、そこに種結晶を配
置する機構とすることもできる。これら構成部材の材質
についても特に制限はなく、従来公知の材料で構成でき
る。
更に、各チャンバーに温度検知手段、これと連動するヒ
ータ制御手段等を設け炉内の温度を常に最適な分布状態
に維持するための構成を包含する。
本発明の技術思想は上記の水平ブリッジマン法、温度勾
配法、帯溶融法をはじめとする、横型炉内で原料を収納
するボートを封入した反応管を横方向に移動することに
より各種の化合物半導体単結晶の合成を行う型のすべて
の方法並びに装置に利用し得る。
作用 興味ある各種特性、特にSi、Ge等の単体半導体にはみら
れない特異な性質のために今後の進展が期待される化合
物半導体デバイスを作製する際には目的とする化合物半
導体の単結晶を合成する必要がある。ここで、単結晶純
度、完全性は最終製品としてのデバイスの性能を決定付
ける重要なファクターであり、従って高純度、低転位密
度の単結晶を合成すべく広範な研究がなされてきてお
り、今後も更に改善を図る必要がある。
従来の、特に所定の温度分布が設定された横型炉内で原
料融液を収納するボートを封入した反応管を所定の速度
で横方向に移動させることにより単結晶の成長を行う単
結晶合成方法(例えば水平ブリッジマン法、温度勾配
法、帯溶融法など)およびそのための装置において問題
となっていたことは、低温部とも接している反応管の底
部とボートとが接していることに基き、単結晶成長界面
の面積が大きなものとなり、また反応管と接している部
分での放熱速度が他の部分と比較して高いために、温度
分布が理想的なものからずれてしまい、該部分での転位
密度が著しく高く、得られる単結晶インゴットからのウ
エハ収率が大巾に低下してしまうことにあった。
そのために、反応管とボートとの間に断熱材等の保温材
を配置する方法が提案されたが、上記問題の本質的な解
決策とはならなかった。即ち、この解決策は大きな温度
勾配の下で単結晶成長を行う炉内では有効であるが、炉
内の小さな温度勾配領域を有効利用するためには不十分
であり、しかも半円形のボートに対しては効果がない。
これは、この方法が反応管内でボートを支持手段により
支持しているので、反応管自体を大型化する必要性があ
ること、あるいはもともと狭い反応管内の空間を支持体
を装入することによって更に制限していることによるも
のと思われる。
この点、本発明によれば反応管自体の構成、炉の構成を
変えることなく、反応管の支持手段によって、反応管を
炉内空間の最適の位置に配置しているので、炉内の小さ
な温度勾配領域を有効に利用することが可能となり、従
って反応管内の空間を単結晶成長のために十分有効に利
用することができ、大きな寸法(大きな断面積)の単結
晶インゴットを得ることができる。
更に、本発明の方法並びに装置に従えば、既に述べたよ
うに原料融液のボート壁面部の熱伝導が小さくなるため
に、加熱部からの熱は少なくなるが、高温部から低温部
への熱伝導量も少なくなるので、従来法におけるように
ボート底部で低温となり固−液界面の傾斜角θが水平方
向に対して10〜50°と大きくなることはなく、また該界
面部が屈曲することもなく、55〜90°と大きく改善さ
れ、単結晶成長界面を小さく維持できる。即ち、結晶成
長界面の鉛直方向の温度勾配を小さくすることが可能と
なるので、熱応力を緩和できることになる。この事実
は、本発明によれば、熱応力による転位の発生を最小限
に抑えることが可能であることを示すものである。
以上説明したような理由から、固−液界面即ち単結晶成
長界面の水平方向に対する傾斜角θは臨界的であり、熱
歪による転位密度の低い高品位の単結晶を得るためには
上記範囲内とすることが有利である。即ち、上記下限に
満たない傾斜角θの下で単結晶成長を行った場合には従
来法でみられたように、熱応力の高い部分で高い転位密
度を有することになり、この場合には高転位密度部分を
切除した後ウエハにスクライブする必要があり、場合に
よっては必要なウエハ面積を確保できないような情況に
もなりかねず、歩留り、経済性の点で著しく不利なもの
となる。
また、本発明によれば従来の方法とは異り、ボートを反
応管外部で支持しており、従来の方法におけるように原
料融液の汚染の問題を懸念する必要はなく、更に支持体
の材質につき厳選する必要がない。従って、本発明の支
持体の材質は広範なかつ安価な材料から選ぶことができ
るという利点をも有している。
実施例 以下実施例により本発明の方法並びに装置を更に具体的
に説明すると共に、その奏する効果を立証するが、本発
明の範囲は以下の例により何等制限されない。
実施例1 本発明の単結晶製造装置の好ましい一態様を添付第1図
に模式的な横断面図で示した。図から明らかな如く、本
例における反応管の支持手段、即ち架台1は反応管2の
側壁の輪郭に相当する上部面と、炉3の内壁輪郭に対応
する底部面とを有する筒状体であって、上部面から筒状
体内部に下方に櫛状に伸びた複数の突起4を有するもの
である。この架台は、図のように、原料融液5を収納す
る石英製ボート6を封入している石英製反応管2を炉3
内で支持し、反応管2を上方に持ち上げ、ボートを炉中
心方向に押上げた状態で支持し、それによって単結晶成
長界面の傾斜角θが所定の範囲内の値となるように調節
できるようになっている。
第1図に示した実施例の縦断面の一部を添付第2図に示
した。第2図に示すように本実施例によれば、所定の傾
斜角θを有する小さな成長界面々積が実現でき、成長結
晶部7等での等温度線8は、その界面部におけるものと
ほぼ平行となり均一な垂直断面内での温度分布が実現で
きることがわかる。尚、参照番号9は種結晶を示す。
実施例2および3 添付第3図および第4図には他の異る2種の本発明の装
置において有用な架台の好ましい態様を示した。まず、
第3図の例では第1図のものと同様な反応管2の外側部
形状に対応する表面部と炉3の壁の形状に対応する底部
面とを有する板状体(あるいは筒体)10と、その上に適
当な配列で挿入された複数(ここでは10本)の棒状部材
11とで構成された架台1が使用されている。この例では
棒材11の配列様式と、筒体の内部空間によって空隙率を
所定の値となるように調節している。
更に、第4図の例では、架台1は、上部面に櫛状に複数
の突出部12を有し、その先端部が全体として反応管外側
部の形状に対応する輪郭とされた板状体(あるいは中空
体)で構成される。
尚、この第4図の例においてボート6は平底型のもので
あり、台13を介して反応管内に収納されている。
これらいずれの態様も第1図のものと同様な作用を持
ち、また同様な効果を与える。既に述べたように、これ
らはその高さを調節できる構成とすることが可能である
ことは勿論である。
本発明の装置による単結晶の成長は以下の実施例4〜7
に示すように実施する。
実施例4 本例では上記実施例1に示した構成のSiO2製架台を用い
て、水平ブリッジマン法によりGaAs単結晶を作製した。
ここで反応管としては石英反応管を、またボートとして
半径rB=30mm、長さlB=1000mmの石英ボートを用いた。
ボート内に原料のGaAs多結晶9,000g、Siを300mg投入
し、350時間かけて単結晶を成長させたところ、7,900g
がGaAs単結晶として回収できた。この単結晶は固化率g
=0.4の位置でキャリヤ濃度6×1017cm-3および転位密
度(EPD)1,800cm-2であり、大型の低転位密度GaAs単結
晶であることがわかった。
かくして得た結晶を、成長界面観察のために{211}面
で切断した特性X線(MoKα1)によってボールマン法
(異常透過現象)を利用して、上記結晶の界面傾斜角θ
を測定したところ55〜60°であった。
実施例5 実施例4と同様に、石英で被覆したPBNの架台を用い
て、rB=45mm、lB=500mmのボートにGaAs多結晶を8,000
g、Crを4,000mg投入し、3温度帯水平ブリッジマン法に
より250時間かけて単結晶の成長を行った。かくして5,8
00gのGaAs単結晶を得た。このものはg=0.1での比抵抗
が1.7×108Ω・cmで、またEPDが3,900cm-2である大口径
の半絶縁性GaAs単結晶であった。
実施例6 添付第3図に示したようなSiO2製の台と棒部材とからな
る架台を用いてrB=30mm、lB=600mmのボートにBaAs多
結晶4,500g、Zn4,500mgを投入し、水平ブリッジマン法
により200時間かけて、3,500gのGaAs単結晶を得た。こ
のものはg=0.1でのキャリヤ濃度1.5×1019cm-3、EPD
=0.cm-2のp型の無転位単結晶であった。
実施例7 添付第3図に示した態様のSiC製架台上に石英製板13と
石英ボートとを封入した石英製反応管を載置した。ボー
トは幅50mm、高さ30mm、長さ450mmでり、これにGaAs多
結晶3,800g、Si470mg、InSb5.1gを投入し、185時間かけ
て温度勾配法で成長を行い、3,000gの単結晶を得た。
かくして得た単結晶からg=0.1の位置の(100)ウエハ
を切出し、このものがその1辺45mmの正方形領域におい
てキャリヤ濃度1.4×1018cm-3、In濃度2×1018cm-3、S
b濃度4×1017cm-3、EPD500cm-2の低転位密度n型単結
晶であることを確認した。また、実施例4と同様の方法
で単結晶成長界面の傾斜角θを測定したところ58〜65°
であった。
発明の効果 以上詳しく説明したように、本発明の方法並びに装置に
よれば、炉壁と反応管との間に支持手段を設置して、ボ
ートを炉中心により近接して配置することにより、単結
晶成長界面の水平線に対する傾斜角θを従来法よりも大
きくし、小さな成長界面々積の下で成長操作を行うこと
が可能となった。その結果、生成単結晶インゴットの横
断面内で熱歪などによる転位密度の分布のない、また低
転位密度の高品質の単結晶を高い歩留りで得ることが可
能となった。
更に、本発明では耐熱性断熱材の支持手段を反応管外部
に設けているので、この支持手段による単結晶の汚染の
心配は全くなく、しかも反応管内の限られた狭い空間を
単結晶成長のために有効に利用できるので、反応管およ
び/または炉を大型化することなしに大型の単結晶イン
ゴットを得ることができる。また、従来の如く支持手段
の材質が著しく制限されることはなく、安価な広範な材
料から適当なのものを選ぶことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
添付第1図および第2図は、夫々本発明の装置の模式的
な横断図(第1図)および縦断面の一部(第2図)を示
す図であり、 第3図および第4図は夫々本発明の装置の第1図とは異
る態様を示す模式的な断面図であり、 第5図は、従来の三温度帯水平ブリッジマン法を説明す
るための概略的な縦断面図であり、炉内の温度分布をも
合わせて図示した。 (主な参照番号) 1……架台、2、21……反応管、3……炉、4……突
起、5……原料融液、6、24……ボート、7……成長結
晶、8……等温度線、9……種結晶、10……架台、11…
…棒部材、12……突出部、13……台、22……キャピラリ
ー、23……隔壁

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の温度分布が設定された横型炉内で、
    単結晶成長用原料融液を収納する横型ボートを封入して
    いる反応管を、横方向に移動させることにより化合物半
    導体単結晶を製造する方法であって、 上記反応管を、上記横型ボートの中心軸と上記横型炉の
    中心軸とが近接するよう、中心軸に対して対して垂直に
    押し上げた状態で水平に支持し、上記ボートに収納され
    た原料融液と成長単結晶との界面々積を小さくした状態
    で単結晶の成長を行うことを特徴とする化合物半導体単
    結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】上記融液−結晶界面の水平線に対する傾斜
    角θが55〜90°の範囲内の値であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】複数のヒータを備え、内部に所定の温度分
    布を設定し得る横型炉と、該炉内部に設置され、横方向
    に該炉内を移動できる反応管と、該反応管内に封入さ
    れ、化合物半導体単結晶成長用原料融液を収容する横型
    ボートと、上記反応管を上記炉内の所定の水平位置に支
    持するための支持手段とを具備することを特徴とする化
    合物半導体単結晶の製造装置。
  4. 【請求項4】上記支持体全体積の少なくとも10%が空間
    で構成されていることを特徴とする特許請求の範囲第3
    項記載の化合物半導体単結晶の製造装置。
  5. 【請求項5】上記支持体がSiO2、SiC、BN、PBN、アルミ
    ナ、グラファイトおよびこれらの複合材料からなる群か
    ら選ばれる1種の材料で形成されたものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の化合
    物半導体単結晶の製造装置。
  6. 【請求項6】上記支持体が夫々反応管側壁および炉内壁
    に対する形状の上部面および底部面を備え、表面または
    その内部に櫛状の突起部を有する中空筐体または板状体
    であることを特徴とする特許請求の範囲第3〜5項のい
    ずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の製造装置。
  7. 【請求項7】上記支持体が複数の棒状部材をその長手方
    向に配列し相互に接合したものであることを特徴とする
    特許請求の範囲第3〜5項のいずれか1項に記載の化合
    物半導体単結晶の製造装置。
  8. 【請求項8】上記支持体が板状体または筐体と棒状部材
    とを組合せた構造を有することを特徴とする特許請求の
    範囲第3〜5項のいずれか1項に記載の化合物半導体単
    結晶の製造装置。
  9. 【請求項9】上記支持体が、その高さ調節手段を備えて
    いるものであることを特徴とする特許請求の範囲第1〜
    8項のいずれか1項に記載の化合物半導体単結晶の製造
    装置。
  10. 【請求項10】上記支持体が、上・下に2分された寸法
    のわずかに異る2つのU字形部材とジャッキとを組合せ
    たものであることを特徴とする特許請求の範囲第9項記
    載の化合物半導体単結晶の製造装置。
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