JPH074085Y2 - 棒材供給機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、旋盤等の加工機に細長い棒材を供給するとと
もに加工時に回転する棒材を支承する棒材供給機に関す
る。

〔従来の技術〕

旋盤等の加工機に細長い棒材を供給するとともにこの棒
材を回転させる場合、棒材がその回転運動等により振動
を起こすこととなる。そこで、供給棒材の振動を抑制す
る振れ止め装置を設け、回転支承時の供給棒材の振動を
吸収、防止することにより加工精度を向上させ安定な加
工を行わせていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述した従来の装置においては、加工が
進んで棒材の終端付近に達すると、棒材を加工機側に押
し出すフィードパイプが振り止め装置内を通過する時に
は振れ止め装置をその外径分だけ広げなければならず、
振れ止め装置により供給棒材を押さえることができない
ので、供給棒材はフリーの状態になり、供給棒材を回転
させると供給棒材が振動し安定した加工ができないとい
う問題があった。

本考案は、フィードパイプが振れ止め装置内にある場合
でも、供給棒材の振動を抑制し、棒材を安定に回転支承
して高精度な加工をおこなわせることができる棒材供給
機を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本考案は、旋盤等の加工機に細長い棒材を供給
するとともに加工時に回転する棒材を支承する棒材供給
機において、棒材回転時の供給棒材の振動を防止する振
れ止め装置を加工機側の少なくとも２か所に設け、フィ
ードパイプが振れ止め装置内を通過する場合でも、他の
振れ止め装置により、供給棒材の振動を抑制して、棒材
を安定に回転支承し、安定した加工を行わせるように構
成する。

〔作用〕

本考案は、供給棒材終端側を挟持するフィードパイプが
供給棒材の振動を抑制する振れ止め装置内を通過するこ
とにより、供給棒材を押さえることができない場合で
も、少なくとも１つの他の振れ止め装置により、供給棒
材の回転時の振動を吸収抑制して、棒材を安定に支承
し、安定した加工を行わせることできる。

〔実施例〕

以下、本考案に係る棒材供給機の実施例を第１図乃至第
４図を参照して説明する。

第１図に本考案の棒材供給機の正面図を示す。

棒材供給機Ｍはメインフレーム１と、棒材を加工機に送
り込むための棒材供給部３と、棒材の振動を吸収するた
めの公知の一対のベルトで棒材を支える３組のベルト式
振れ止め装置4A,4B,4Cと、さらにメインフレームの最前
部に設けられ棒材の振動を吸収するための互いに軸方向
に接近して配設された２組の３点式ローラ振れ止め装置
5A,5Bよりなっている。

棒材供給部３は送り出し用モータFMと、送り出しモータ
FMにより駆動される送り出し用チェーンCHと、送り出し
チェーンCHに取り付けられ棒材を加工機側に送り込むた
めのフィードパイプｆよりなっている。なお、フィード
パイプｆはその先端に供給棒材を把持して、加工機側に
送り込むフィンガーチャック７を有している。

第２図および第３図に３点式ローラ振れ止め装置の側面
図と正面断面図を示す。

３点式ローラ振れ止め装置5A,5Bは、供給棒材を挟持す
る振れ止め装置本体フレーム８と、フレーム８の側部と
下部に設けられ振れ止め装置の振動を吸収して供給棒材
の振動を防止する振動吸収部９と、振れ止め装置を駆動
する駆動部10よりなっている。

振れ止め装置本体フレーム８内には３組のローラ部11,1
1,11が設けられ、各ローラ部11は軸Ｃを中心に回動する
アーム部12と、軸Ｃと同軸に設けられ第１歯車部15に噛
合する歯車部13と、アーム部12の先端部に設けられ回転
自在に供給棒材を挟持するローラ14よりなっている。

振動吸収部９は振れ止め装置本体フレーム８の両側面に
１個づつおよび下面に２個の計４個の防振ゴムで構成さ
れている。

駆動部10は中心軸SCを中心に回動する前記第１歯車部15
と、第１歯車部15から突設される駆動アーム部16と、こ
の駆動アーム部16にピン19aを介して枢着された作動杆1
9と支点軸17に支持耳Ｅに揺動可能に設けられ駆動アー
ム部16を駆動するシリンダ18よりなっている。

次に、３点式振れ止め装置5Aおよび5Bの動作について説
明する。

シリンダ18が作動して作動杆19が伸長すると、駆動アー
ム部16が図上（第２図）時計方向に回動し、それに連動
して第１歯車部15が時計方向に回動し、さらにそれに応
動して、３組のローラ部11,11,11の歯車部13,13,13が反
時計方向に回動することにより、３組のローラ部が作動
し３個のローラ間の間隔が狭まって供給棒材を挟持す
る。

供給棒材が振動を起こした場合には、振れ止め装置本体
フレーム８の周囲に設けられ振動吸収部９により、振動
を吸収する。

また、シリンダ18が作動解除されて作動杵19が縮退する
と、シリンダ18はピン19aの移動により支点軸17を支点
として時計方向に揺動するとともに駆動アーム部16が図
上反時計方向に回動し、第１歯車部15がそれに応動し
て、ローラ部の歯車部13が時計方向に回動することによ
り、３組のアーム部12が作動し３個のローラ間の間隔が
広がって、供給棒材がローラから挟持解除され、供給棒
材をフィードパイプにより加工機側に送り出すことが可
能となる。

以下、本考案の棒材供給機の動作について説明する。

供給棒材はフィードパイプにより把持され、棒材供給部
により加工機側へ送り出される。次に、所定供給位置に
達すると棒材供給部は供給を停止し、フィードパイプは
棒材を挟持したまま棒材支持部により回転支承され、加
工機により加工される。

加工が進んで棒材が短くなると、フィードパイプｆは一
番手前のベルト式振れ止め装置4Cに入り、ベルト式振れ
止め装置4Cは開放状態となる。同様にフィードパイプは
順次ベルト式振れ止め装置4B,4Aに入り、ついには、す
べてのベルト式振れ止め装置4A,4B,4Cは開放状態にな
る。

さらに加工が進んで供給棒材終端に近づくと、フィード
パイプｆは手前の３点式振れ止め装置5B内に入るように
なる。

以後の動作については第４図の２連３点式振れ止め装置
動作タイミングチャートを参照して説明する。

まず、フィードパイプｆ先端のフィンガーチャック７が
振れ止め装置5Bの手前所定位置（P₁）に到達するまで
は、両振れ止め装置5A,5Bは同一タイミングで同時に開
閉して供給棒材を挟持し、棒材を前進させて供給すると
きのみ両振れ止め装置5A,5Bは同時に開放状態となる。
フィンガーチャック７が位置（P₁）に至ると、振れ止め
装置Ｂは開放してその状態が維持され、供給棒材は振れ
止め装置5Aの開閉のみにより支持されている。

さらに、棒材供給が進んで、フィンガーチャック７先端
が振れ止め装置5Aの手前の（P₂）位置に達すると、今度
は振れ止め装置5Bの開閉動作が開始してフィードパイプ
を挟持し、振れ止め装置5Aは開放状態になる。

そして、フィンガーチャック７が振れ止め装置5A内を通
過して位置（P₃）に至ると、振れ止め装置5Aのみにより
フィードパイプは支持され、振れ止め装置5Bは開放状態
となる。

以上のようにして、フィードパイプがどの位置にある場
合でも、少なくともひとつの振れ止め装置により供給棒
材もしくはフィードパイプが挟持されるため、回転支承
時の振動を吸収防止することができる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように構成したので、フィードパイプが
棒材供給機のいずれの位置にある場合でも少なくとも１
つの振れ止め装置により、供給棒材もしくはフィードパ
イプを挟持することができるので、棒材を回転支承する
時の不要な振動を防止し、高精度な加工を行わせること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の棒材供給機の正面図、第２図は本考案
の３点式振れ止め装置の側面図、第３図は本考案の３点
式振れ止め装置の正面断面図、第４図は２連３点式振れ
止め装置の動作フローチャートである。 １……メインフレーム、２……棒材支持部、３……棒材
供給部、4A,4B,4C……ベルト式振れ止め装置、5A,5B…
…３点式振れ止め装置、８……振れ止め装置本体、９…
…振動吸収部、10……駆動部、11……ローラ部、12……
アーム部、13……歯車部、14……ローラ、15……第１歯
車部、16……駆動アーム部、17……支点軸、18……シリ
ンダ、19……作動杵、CH……送り出し用チェーン、FM…
…送り出し用モータ、ｆ……フィードパイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】旋盤等の加工機に細長い棒材を供給すると
   ともに加工時に回転する棒材を支承する棒材供給機にお
   いて、 回転している棒材を支承する時の供給棒材の振動を防止
   する振れ止め装置を棒材供給機の加工機側の少なくとも
   ２か所に設け、いずれかの振れ止め装置内を供給棒材を
   把持したフィードパイプが通過する場合に他の振れ止め
   装置により供給棒材またはフィードパイプを挟持し、振
   動を吸収防止することを特徴とする棒材供給機。