JPH0740755Y2

JPH0740755Y2 - 歩行型作業機の変速装置

Info

Publication number: JPH0740755Y2
Application number: JP1987131888U
Authority: JP
Inventors: 伸一竹田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1987-08-28
Filing date: 1987-08-28
Publication date: 1995-09-20
Anticipated expiration: 2002-08-28
Also published as: JPS6436753U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、エンジンの出力軸と走行用ミッションケース
の入力軸の一端部との間に、低速走行用ベルト式伝動装
置と高速走行用ベルト式伝動装置とを介装し、前記入力
軸の他端部を動力取出軸に形成し、前記エンジンの出力
を前記低速走行用ベルト式伝動装置を介して車軸に伝達
する低速走行状態と前記エンジンの出力を前記高速走行
用ベルト式伝動装置を介して前記車軸に伝達する高速走
行状態とに切換える変速手段を設けてある歩行型作業機
の変速装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の歩行型作業機の変速装置では、前記の変速手段
が、前記低速用及び高速用のベルト式伝動装置として夫
々ベルトテンション式クラッチを設け、それら２つのベ
ルトテンション式クラッチを択一的に入り作動させるこ
とで、入力軸の回転速度を変更して低速走行状態と高速
走行状態とに切換えるように構成されていた（文献を示
すことができない）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記従来構造によるときは、変速手段による変
速で入力軸の回転速度が変わるため、その走行変速によ
って自ずと動力取出軸の回転速度も不要に変わるといっ
た欠点があった。

本考案の目的は、前記従来欠点を解消する点にある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による歩行型作業機の変速装置の特徴構成は、前
記入力軸を、相対回転自在に嵌合する内軸と筒状の外軸
から形成し、この入力軸の内軸の一端部に前記高速走行
用ベルト式伝動装置の入力プーリを、外軸の一端部に前
記低速走行用ベルト式伝動装置の入力プーリを夫々装着
し、前記内軸の他端部を前記動力取出軸に形成し、前記
変速手段を、外軸他端部に装着したギヤ部と、内軸他端
部に装着したギヤ部と、前記内軸に外嵌して前記両ギヤ
部の内の１つを前記車軸に対して択一的に連動させるシ
フトギヤとから構成した点にあり、その作用・効果は次
の通りである。

〔作用〕

入力軸を、低速走行用ベルト式伝動装置を介してエンジ
ンの出力軸に連動する外軸と高速走行用ベルト式伝動装
置を介して出力軸に連動する内軸とから構成し、車軸を
それら内軸と外軸とに択一的に連動させるシフトギヤを
設けてあるから、車軸への出力を外軸にシフトギヤを介
して連動させることにより低速走行状態を、かつ、車軸
への出力軸を内軸にシフトギヤを介して連動させること
により高速走行状態を夫々現出できる。しかも、低速走
行での作業時に動力取出軸で作業装置を駆動するのが一
般的である点に着目して、入力軸の内軸と外軸とのう
ち、低速走行に用いない側の内軸をもって動力取出軸を
構成してあるから、変速にかかわらず動力取出軸の回転
速度を一定にできるのみならず、動力取出軸で作業装置
を駆動しての低速走行作業時に入力軸にかかる走行負荷
と作業負荷とのうち、走行負荷は外軸に、かつ、作業負
荷は内軸に夫々分担させて、内軸および外軸にかかる負
荷を軽減できる。

〔考案の効果〕その結果、本考案によれば、入力軸をもって動力取出軸
を構成する構造簡単な動力取出構成を採用しながらも、
その動力取出軸を変速にかかわらず定速回転でき、しか
も、入力軸の耐久性に勝れた歩行型作業機の変速装置を
提供できるようになった。

また、エンジンから高・低２段のベルト伝動装置を介し
て走行速度を変速するものであるから、例えば、エンジ
ンの出力軸からベルト伝動装置を介して走行ミッション
ケースの入力軸に伝動して、ミッションケース内に設け
たギヤ変速装置を介して走行速度を変速する場合に比し
て、変速ギヤ配設用のスペースの不要化がはかれミッシ
ョンケースのコンパクト化がはれる。

〔実施例〕

次に本考案の実施例を示す。

歩行型作業機の一例である歩行型管理機は、第１図・第
２図に示すように、上部に左右横向き姿勢の入力軸
（１）を、かつ、下部に車輪（Ａ）やロータリを装着す
るための車輪（２）を夫々支承した上下向き姿勢の走行
用ミッションケース（３）を設け、この走行用ミッショ
ンケース（３）の前面に連設のフレーム（４）にエンジ
ン（５）を、その出力軸（5A）が左右横向き姿勢となる
配置で搭載し、前記走行用ミッションケース（３）に操
縦ハンドル（６）を連設し、前記エンジン（５）の出力
軸（5A）と走行用ミッションケース（３）の入力軸
（１）の一端部との間に、高速走行用ベルト式伝動装置
（7A）と低速走行用ベルト式伝動装置（7B）とを介装
し、変速手段（８）を設けて構成されている。

前記入力軸（１）は、第１図に示すように、相対回転自
在に嵌合する内軸（1A）と筒状の外軸（1B）とからな
り、この入力軸（１）の内軸（1A）の一端部に前記高速
走行用ベルト式伝動装置（7A）の入力プーリ（7a）が、
外軸（1B）の一端部に前記低速走行用ベルト式伝動装置
（7B）の入力プーリ（7b）が夫々装着されている。か
つ、前記内軸（1A）の他端部は、走行用ミッションケー
ス（３）から突出する動力取出軸（９）に形成されてい
る。

前記変速手段（８）は、前記入力軸（１）の近くに前記
車軸（２）に連動する連動軸（10）を設け、この連動軸
（10）に２つの受動ギヤ（10a），（10b）を一体回転状
態に取付け、前記入力軸（１）の内軸（1A）に内歯（11
a）と外歯（11b）を備えたシフトギヤ（11）を、この内
軸（1A）と前記連動軸（10）とを連動させるように内軸
（1A）に形成のギヤ部（1a）と一方の受動ギヤ（10a）
とにともに噛合う高速変速位置（P_H）と、前記外軸（1
B）と連動軸（10）とを連動させるように外軸（1B）に
形成のギヤ部（1b）と他方の受動ギヤ（10b）とにとも
に噛合う低速変速位置（P_L）と、入力軸（１）と連動軸
（10）との連動を断つように両ギヤ部（1a），（1b）の
いずれにも噛合わない中立位置（P_N）とに摺動操作自在
に遊嵌させて構成されている。

つまり、変速手段（８）は、シフトギヤ（11）を低速変
速位置（P_L）に位置させることにより、シフトギヤ（1
1）の内歯（11a）が外軸（1B）のギヤ部（1b）に、外歯
（11b）が連動軸（10）の受動ギヤ（10b）に咬合して、
エンジン（５）の出力を低速走行用ベルト式伝動装置
（7B）、外軸（1B）を介して車軸（２）に伝達する低速
走行状態を現出し、シフトギヤ（11）を高速変速位置
（P_H）に位置させることにより、シフトギヤ（11）の内
歯（11a）が内軸（1A）のギヤ部（1a）に、外歯（11b）
が連動軸（10）の受動ギヤ（10a）に咬合して、エンジ
ン（５）の出力を高速走行用ベルト式伝動装置（7A）、
内軸（1a）を介して車軸（２）に伝達する変速走行状態
を現出し、シフトギヤ（11）を中立位置（P_N）に位置さ
せることにより中立状態を現出するものである。

上記の構成によれば、内軸（1A）と外軸（1B）は、エン
ジン（５）の出力軸（5A）から高速走行用ベルト式伝動
装置（7A）と低速走行用ベルト式伝動装置（7B）とを介
して常時回転駆動されているため、変速手段（８）によ
る変速にかかわらず、内軸（1A）が高速で定速回転して
いるため、動力取出軸（９）は定速回転することにな
る。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る歩行型作業機の変速装置の実施例を
示し、第１図は要部の縦断背面図、第２図は側面図であ
る。（１）……入力軸、（1A）……内軸、（1B）……外軸、
（1a），（1b）……ギヤ部、（２）……車軸、（３）…
…走行用ミッションケース、（５）……エンジン、（5
A）……出力軸、（7A）……高速走行用ベルト式伝動装
置、（7B）……低速走行用ベルト式伝動装置、（7a），
（7b）……入力プーリ、（８）……変速手段、（９）…
…動力取出軸、（11）……シフトギヤ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】エンジン（５）の出力軸（5A）と走行用ミ
ッションケース（３）の入力軸（１）の一端部との間
に、低速走行用ベルト式伝動装置（7B）と高速走行用ベ
ルト式伝動装置（7A）とを介装し、前記入力軸（１）の
他端部を動力取出軸（９）に形成し、前記エンジン
（５）の出力を前記低速走行用ベルト式伝動装置（7B）
を介して車軸（２）に伝達する低速走行状態と前記エン
ジン（５）の出力を前記高速走行用ベルト式伝動装置
（7A）を介して前記車軸（２）に伝達する高速走行状態
とに切換える変速手段（８）を設けてある歩行型作業機
の変速装置であって、前記入力軸（１）を、相対回転自
在に嵌合する内軸（1A）と筒状の外軸（1B）との二重軸
で形成し、この入力軸（１）の内軸（1A）の一端部に前
記高速走行用ベルト式伝動装置（7A）の入力プーリ（7
a）を装着し、前記外軸（1B）の一端部に前記低速走行
用ベルト式伝動装置（7B）の入力プーリ（7b）を装着
し、前記内軸（1A）の他端部を前記動力取出軸（９）に
形成し、前記変速手段（８）を、外軸（1B）他端部に装
着したギヤ部（1b）と、内軸（1A）他端部に装着したギ
ヤ部（1a）と、前記内軸（1A）に外嵌して前記両ギヤ部
（1b），（1a）の内の１つを前記車軸（２）に対して択
一的に連動させるシフトギヤ（11）とから構成してある
歩行型作業機の変速装置。