JPH0740704A - タイヤ騒音の少ない空気入りタイヤ - Google Patents

タイヤ騒音の少ない空気入りタイヤ

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JPH0740704A
JPH0740704A JP5185097A JP18509793A JPH0740704A JP H0740704 A JPH0740704 A JP H0740704A JP 5185097 A JP5185097 A JP 5185097A JP 18509793 A JP18509793 A JP 18509793A JP H0740704 A JPH0740704 A JP H0740704A
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tire
belt
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noise
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朗裕 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロードノイズの低下を他のタイヤ性能を劣化
することなしに達成する。 【構成】 タイヤのカーカスを、ベルト層の有効幅端に
対応する位置からビードベースラインへ下ろした垂線の
長さおよび該有効幅端に対応する位置と有効幅の30%の
間隔でトレッドの幅方向中央側へ離間した位置からビー
ドベースラインへ下ろした垂線の長さの少なくともいず
れか一方が、カーカスの最大径位置からビードベースラ
インへ下ろした垂線の長さの70〜95%となる形状にす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイヤ騒音、中でも
ロードノイズと呼ばれる車内で発生する騒音の少ない空
気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の騒音は、自動車が凹凸の多い路
面上を走行するとき、凹凸部からのタイヤトレッドへの
入力によりタイヤが振動し、この振動が車のサスペンシ
ョンおよび車体を伝わって、車内のパネル等が共振する
ことで発生する。
【0003】ロードノイズを低減する手法としては、ト
レッドゴムの弾性率を小さくしたり、ベルト層上にキャ
ップやレイヤー等の補強材を追加してベルト剛性を高め
ることが、知られている。
【0004】しかしながら、前者の手法は、トレッドの
耐磨耗性や操縦安定性に悪影響を及ぼす不利があり、ま
た後者の手法は、タイヤ重量増による燃費の悪化をまね
く上、タイヤの製造コストが増加する不利もある。すな
わち、従来は、ロードノイズの低下と他のタイヤ性能の
維持とを両立することが難しく、この点が大きな課題と
なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
ロードノイズの低下を他のタイヤ性能を劣化することな
しに達成し得るタイヤ構造について提案することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、ロードノイ
ズの原因となる路面凹凸によるタイヤへの入力を低減す
る手法、特に、トレッド弾性率の低下や補強材の追加等
とは異なる手法について究明したところ、ベルト端にお
けるタイヤ周方向の剛性を高めるのが有効であることが
判明した。すなわち、路面凹凸によるタイヤへの入力
は、トレッド、そしてカーカスを伝わり、比較的剛性の
低いベルト端から車軸およびサスペンションへ到るた
め、ベルト端におけるタイヤ周方向の剛性を高めること
によって、車体側への振動の伝達を遮断することが有効
である。また、ベルト端におけるタイヤ周方向の剛性を
高めるには、カーカス形状を規制することが、他のタイ
ヤ性能を犠牲にすることがなく、有利であることも判明
した。
【0007】この発明は、上記の知見に由来するもので
ある。すなわち、この発明は、1対のビードコア間にわ
たりトロイド状をなして延びるカーカスおよび該カーカ
スのタイヤ径方向外側に配置したベルト層をそなえる空
気入りタイヤであって、規定内圧の5%の内圧を充填し
た状態において、カーカスは、ベルト層の有効幅端に対
応する位置からビードベースラインへ下ろした垂線の長
さおよび該有効幅端に対応する位置と有効幅の30%の間
隔でトレッドの幅方向中央側へ離間した位置からビード
ベースラインへ下ろした垂線の長さの少なくともいずれ
か一方が、カーカスの最大径位置からビードベースライ
ンへ下ろした垂線の長さの70〜95%になることを特徴と
するタイヤ騒音の少ない空気入りタイヤである。ここ
で、ビードベースラインとは、タイヤのビードベースを
通りタイヤの回転軸と平行の仮想線を意味する。
【0008】さて、図1に、この発明に従うタイヤの構
造を図解した。図は、規定内圧の5%の内圧を充填した
状態のタイヤの断面をその右半分について示し、図にお
いて、1は1対のビードコア2間に跨がって配置したカ
ーカスで、さらに、該カーカス1のクラウン部のタイヤ
径方向外側に、2層のベルト層3a,3b およびトレッド4
を順に配置して成る。
【0009】そして、カーカス1は、ベルト層の有効幅
端、図示例でベルト層3bの幅端に対応するベルト端位置
PからビードベースラインLへ下ろした垂線の長さm、
およびベルト端位置Pとベルト層3bの幅の30%の間隔で
トレッドの幅方向中央側へ離間した中間位置Rからビー
ドベースラインLへ下ろした垂線の長さnのいずれか一
方または両方が、カーカス1の最大径位置Qからビード
ベースラインLへ下ろした垂線の長さHの70〜95%にな
る、形状に規制することが肝要である。すなわち、カー
カス1上のベルト端位置Pおよび/または位置Rと同最
大径位置Qとのタイヤ径方向における相対位置を限定す
ることによって、カーカスの形状を変更し、規定内圧充
填時に、カーカス1のベルト端に対応する付近にかかる
圧力を他の部分より高めて、該領域に発生する張力を高
め、よってベルト端におけるタイヤ周方向の剛性を高め
るのである。
【0010】
【作用】次に、この発明を導くに到った実験結果につい
て、詳しく説明する。まず、ベルト端におけるタイヤ周
方向の剛性を高める手法に関し、ベルト構造によって曲
げ剛性を高める方法と、ベルトの張力を高める方法とを
比較検討した。なお、ベルト構造による方法は、ベルト
層間ゴムゲージの増加による断面2次モーメントの増加
やベルトコード径の拡大等が考えられる。
【0011】そこで、図2(a) に示す、スチールコード
を5本/5mmで打ち込んだゴム数値を引き布から成る試
験片を作成し、該試験片を同図(b) に示すように、所定
間隔で配置した2本の軸の周面上に載置し、試験片の軸
間中心位置に力Fを加えたときの、撓み量δを測定し、
F/δを等価曲げ剛性として評価する試験を行った。試
験は、試験片のゴム厚み、コード径および張力をそれぞ
れ±10%変化させて行った。
【0012】その結果を図3に示すように、曲げ剛性を
高める手法としては、構造剛性によるよりもベルト張力
を高める方が有効であり、その効率は構造剛性のおよそ
10倍であった。
【0013】ここで、ベルト端での周方向張力が、車内
に発生する騒音に与える影響について調べた結果を図4
に示す。同図に示すように、張力の上昇にともなって騒
音は減少することがわかる。なお、人間が音圧レベル差
を認識し得る最小値は0.5 db程度であり、音圧レベルを
0.5 db以上低下させるには、張力を10%以上は上昇させ
る必要がある。
【0014】次いで、ベルト端での張力を高める方法に
ついて検討したところ、カーカスとベルト層との張力分
担率を変化させること、具体的にはベルト下カーカスの
形状を変化させるのが有効であることが判明した。特
に、実験結果から、ベルト端からトレッドの幅方向中央
側へベルト層有効幅の30%の範囲におけるカーカス形状
を規制することが有効であることが判明した。
【0015】そこで、図1に示した、カーカスの最大径
位置Qからの垂線の長さHに対するベルト端位置Pから
の垂線の長さmおよび中間位置Rからの垂線の長さn
と、張力との関係について調べた結果を、図5に示す。
同図に示すように、張力を一般のタイヤ(97%近辺)よ
りも10%以上上昇させるには、長さmまたはnを長さH
の95%以下にする必要があることが判明した。なお、下
限はタイヤの基本性能を阻害しない範囲、具体的には70
%以上とする必要がある。
【0016】従って、この発明においては、長さmまた
はnのいずれか一方または両方が長さHの70〜95%にな
る、カーカス形状に規制するものとした。すなわち、規
定内圧の5%の内圧を充填した状態でのカーカス形状を
上記のように規制すると、規定内圧を充填しカーカスが
自然平衡形状に従おうとする際に、ベルト端位置Pから
中間位置Rまでの領域に、その他の領域よりも高い圧力
が加わり、結果として、ベルト端付近の周方向張力は高
くなるのである。
【0017】なお、カーカスの形状を規定内圧の5%の
内圧を充填した状態、すなわちカーカスのコードに加わ
る張力が小さくてもタイヤが自立姿勢を保てる状態にお
いて規制したのは、この状態をベースにしてタイヤおよ
び加硫モールドの設計がなされており、カーカス形状の
規制が容易であることによる。
【0018】この発明のタイヤは、上記の規制に従うも
のであればカーカス形状およびその他の構成は図1に示
したものに限定されず、例えば図6〜12に示すように、
種々の変更が可能である。
【0019】
【実施例】図1、6および9に示した構造に従う、サイ
ズ195 /65R14の空気入りラジアルタイヤを表1の仕様
の下に試作し、内圧:2.0kgf/cm2 で実車に装着して速
度:50km/h にてテストコースを直進走行したときの車
内騒音を、ドライバーの耳元で測定した。また、比較と
して、図13に示す構造のタイヤについても同様に試作
し、同様に評価した。これらの評価結果を、表1に併記
する。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】この発明によれば、ロードノイズに代表
される車内騒音を、他のタイヤ性能を損なうことなし
に、低下することができ、高性能かつ低騒音のタイヤを
提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図であ
る。
【図2】曲げ剛性に関する実験の要領を示す模式図であ
る。
【図3】曲げ剛性の制御項目別の変化を示すグラフであ
る。
【図4】騒音と張力との関係を示すグラフである。
【図5】張力とカーカス形状との関係を示すグラフであ
る。
【図6】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図であ
る。
【図7】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図であ
る。
【図8】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図であ
る。
【図9】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図であ
る。
【図10】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図で
ある。
【図11】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図で
ある。
【図12】この発明に従うタイヤの構造を示す断面図で
ある。
【図13】比較タイヤの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 カーカス 2 ビードコア 3a, 3b ベルト層 4 トレッド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1対のビードコア間にわたりトロイド状を
    なして延びるカーカスおよび該カーカスのタイヤ径方向
    外側に配置したベルト層をそなえる空気入りタイヤであ
    って、規定内圧の5%の内圧を充填した状態において、
    カーカスは、ベルト層の有効幅端に対応する位置からビ
    ードベースラインへ下ろした垂線の長さおよび該有効幅
    端に対応する位置と有効幅の30%の間隔でトレッドの幅
    方向中央側へ離間した位置からビードベースラインへ下
    ろした垂線の長さの少なくともいずれか一方が、カーカ
    スの最大径位置からビードベースラインへ下ろした垂線
    の長さの70〜95%になることを特徴とするタイヤ騒音の
    少ない空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002200904A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd ラジアルタイヤ
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