JPH0740544A

JPH0740544A - インクジェット用インクカートリッジおよびインクジェット記録装置

Info

Publication number: JPH0740544A
Application number: JP19137993A
Authority: JP
Inventors: Hironori Tajima; 裕基但馬; Toshio Kashino; 俊雄樫野; Takeshi Okazaki; 猛史岡崎
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1993-08-02
Filing date: 1993-08-02
Publication date: 1995-02-10

Abstract

(57)【要約】【構成】負圧発生部材収容部および底部でそれと連通
したインク収容部から成るインクジェット用インクカー
トリッジにおける負圧発生部材収容部の大気連通口を、
その延長線上で負圧発生部材収容部内に環状突起として
突出させ、その突起と同心円状に１つ以上の環状突起
を、（１）突起同士が互いに接しないように、（２）外
側の突起ほど長くなるように、しかも（３）最も外側の
突起の長さが最も内側の突起の長さの２倍以上となるよ
うに形成する。【効果】大気連通口からのインク漏れの起こりにく
い、信頼性の高いインクカートリッジを得ることができ
る

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置、特にインク供給が安定して行なわれ、かつインク漏
れ防止などの信頼性の高いインクカートリッジを搭載し
たインクジェット記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のインクジェット用インクカートリ
ッジにおいて、吸収体（負圧発生部材）収容部とそれに
隣接したインク収容部を持ち、底部の開口部で連通させ
てインクを供給するようなインクカートリッジでは、吸
収体収容部内の形状としてインク吐出口面に対向する壁
面が平面であって、その壁面の厚さ方向に大気連通口が
あけられている。しかも、その吸収体収容部内に挿入さ
れる吸収体が大気連通口が設けられた面に密着している
という形態となっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに大気連通口が設けられている壁面が平面で、吸収体
がその面に密着する形で挿入されていると、大気連通口
のある面が下方となって温度や振動が加わった時に、そ
の大気連通口からインク漏れが発生するという問題があ
り、それがインクカートリッジの信頼性低下の一因とな
っていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、（ａ）インク
ジェット記録ヘッドと連結するための開口部を持ち、該
開口部のあるインク吐出口面に対向する内壁面に大気連
通口を有する、負圧発生部材を収容した負圧発生部材収
容部、および（ｂ）該負圧発生部材収容部に隣接し、底
部で該負圧発生部材と連通部を通じて連通する、インク
を収容するインク収容部から成るインクジェット用イン
クカートリッジにおいて、大気連通口がその延長線上で
該負圧発生部材収容部内に環状突起として突出し、該突
起と同心円状に１つ以上の環状突起が（１）突起同士が
互いに接しないように、（２）外側の突起ほど長くなる
ように、しかも（３）最も外側の突起の長さが最も内側
の突起の長さの２倍以上となるように形成されているこ
とを特徴とするインクジェット用インクカートリッジを
提供する。

【０００５】インクカートリッジの負圧部材収容部を上
記のような構造とすることにより、挿入される吸収体と
大気連通口の設けられた面との間に隙間ができ、両者が
接することがなくなって、その隙間に従来であれば漏れ
につながり得るインクが溜って、大気連通口からのイン
ク漏れが防止される。

【０００６】さらに、例え環状突起の内側にインクが入
り込んでしまっても、環状突起同士は離れているため、
最も内側にある大気連通口の突起に至るまでにそのイン
クはトラップされて、インク漏れ防止の信頼性が高くな
る。

【０００７】

【実施例】図５に本発明のインクジェットカートリッジ
を搭載したインクジェット記録装置の一例の部分図を示
す。図中、４０１はワイピング部材としてのブレードで
あり、その一端はブレード保持部材によって保持されて
固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード４
０１は記録ヘッドによる記録領域に隣接した位置に配設
され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。３００はキャップであり、ブ
レード４０１に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行なう構成を備える。さらに
４０３はブレード４０１に隣接して設けられる吸収体で
あり、ブレード４０１と同様、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。上記ブレード４０１、キ
ャップ３００、吸収体４０３によって吐出回復部５００
が構成され、ブレード４０１および吸収体４０３によっ
てインク吐出口面に付着した水分、塵埃などの除去が行
なわれる。

【０００８】Ｃは吐出エネルギー発生手段を有し、吐出
口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行な
うインクジェットヘッドカートリッジ、２はカートリッ
ジＣを搭載してその移動を行なうためのキャリッジであ
る。キャリッジ２はガイド軸１１と摺動可能に係合し、
キャリッジ２の一部はモータによって駆動されるベルト
５２と接続している。これによりキャリッジ２はガイド
軸１１に沿った移動が可能となり、カートリッジＣによ
る記録領域およびその隣接した領域の移動が可能とな
る。

【０００９】１５、１６はモータ駆動の送りローラであ
る。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向
する位置へ記録媒体が供給され、記録が進行するにつれ
てローラ１７、１８を配した排紙部へと送られる。

【００１０】上記構成において、カートリッジＣが記録
終了時でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部５０
０のキャップ３００はカートリッジＣの移動経路から退
避しているが、ブレード４０１は移動形路中に突出して
いる。この結果、カートリッジＣの吐出面がワイピング
される。なお、キャップ３００がカートリッジＣの吐出
面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ３０
０はカートリッジの移動経路中に突出するように移動す
る。カートリッジＣがホームポジションから記録開始位
置へ移動する場合、キャップ３００およびブレード４０
１は上述したワイピング時と同一の位置にある。この結
果、この移動においてもカートリッジＣの吐出口面はワ
イピングされる。

【００１１】上記の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりではなく、記録
ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の時
間間隔で行なわれ、この移動に伴って上記ワイピングが
行なわれる。

【００１２】（実施例１）図４ａに本発明のインクカー
トリッジを有するインクジェットヘッドカートリッジの
１実施態様を示す。この場合、インクジェットヘッドカ
ートリッジはインクカートリッジ２００とヘッドユニッ
ト１００とを一体に有しており、またヘッドユニット１
００はインクカートリッジ２００に対し装着できるよう
になっている。ヘッドユニット１００のインク吐出部１
０１を駆動するための信号などを受容するとともにイン
ク残量検知信号の出力を行なうための配線コネクタ１０
２は、ヘッドユニット１００およびインクカートリッジ
２００に並ぶ位置に設けてある。従って、このカートリ
ッジを後述のキャリッジに装填した際に取る姿勢におい
て、その高さＨを低くすることができるとともに、カー
トリッジの厚みを薄形化することができる。これによ
り、カートリッジを並べて配置する時にキャリッジを小
さく構成することが可能である。

【００１３】ヘッドカートリッジのキャリッジへの装着
にあたっては、吐出部１０１を下側にした状態でインク
タンクユニット２００に設けたつまみ２０１を把持して
キャリッジ上に配置することができる。そして、その装
着時にはキャリッジ側に設けたピンがヘッドユニット１
００のピン係合部１０３に係合し、ヘッドユニット１０
０の位置決めがなされる。

【００１４】図４ｂは図４ａのカートリッジのインクカ
ートリッジ２００の構成の１例を示す透視図である。イ
ンクタンク容器２０２は、負圧発生部材収容部２０３と
インク収容部２０４とから成り、２０４には吸収体（前
記負圧発生部材）２０５が挿入されている。負圧発生部
材収容部２０３とインク収容部２０４との間には、イン
ク連通部２０６が設けられている。インク収容部２０４
には電極ピン２０７が一対設置されており、インク残量
検知に用いられる。

【００１５】図１は、本発明の特徴を最も良く表す図で
あり、図１ａはインクタンク部の断面図であり、１ｂは
１ａのタンクのＸ−Ｘ断面図である。図１ｂ中のＡは大
気連通口であり、負圧発生部材収容部内にあるのが通例
である。

【００１６】図２には図１ａのＢの部分の詳細図を示し
た。本発明のインクカートリッジにおいては、この図の
ように負圧発生部材内に突き出した大気連通口の長さを
ａとした場合、その外側の環状突起の長さは２ａ以上と
することにより、負圧吸収部材（吸収体）と大気連通口
の突起との間に隙間が形成されて、インク漏れが生じに
くくなっている。さらに、外側の環状突起は大気連通口
の突起とは接しないように設けてあることから、負圧発
生部材からインクの漏れがあっても、そのインクは両突
起の間のスペースに保持されて大気連通口からの漏れ防
止の信頼性が高くなっている。ただしこの場合、両環状
突起間の隔たりはその間に溜るインクが毛細管現象によ
って、大気連通口から漏れ出さない程度に大きいことが
好ましい。

【００１７】（実施例２）本実施例では、実施例１にお
ける負圧発生部材収容部内の大気連通口部分を２重構造
の代わりに図３に示すように３重構造とし、外側の突起
になるほど高さを高くして、しかも最も内側の突起の長
さをａとした場合、最外環の環状突起の長さを２ａ以上
（例えば３ａ）とする。これにより、大気連通口からの
インク漏れ防止の信頼性がさらに高くなる。

【００１８】以上の実施例の他に、さらに４重以上の多
重構造とするなどの本発明の範囲内での改善を施してイ
ンク漏れ防止の信頼性を向上させることも可能である。

【００１９】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行なうインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録
装置において、優れた効果をもたらすものである。

【００２０】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式は所謂オンデマンド型、コンティニュアンス型のいず
れにも適用可能である。

【００２１】この記録方式を簡単に説明すると、液体
（インク）が保持されている液路に対応して配置されて
いる電気熱変換体に、記録情報に対応して液体（イン
ク）に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるような急
速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、熱エネルギーを発生せしめ、
記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。このよう
に液体（インク）から電気熱変換体に付与する駆動信号
に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオンデマ
ンド型の記録法には有効である。この気泡の成長、収縮
により吐出孔を介して液体（インク）を吐出させて、少
なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形
状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるの
で、特に応答性に優れた液体（インク）の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第４４６３３５９号明細書、同４３４５２
６２号明細書に記載されているようなものをが適してい
る。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第４３１３１２４号明細書に記載されている条件
を採用すると、さらに優れた記録を行なうことができ
る。

【００２２】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成（直線状液流路または直角液流
路）の他に、米国特許第４５５８３３３号明細書、米国
特許第４４５９６００号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。

【００２３】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭５９年第１２３６７０号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭５９年第１３８４６１号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。

【００２４】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段などを付加するこ
とは、本発明の記録装置を一層安定にすることができる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいは
これとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の予備吐出モードを行な
う手段を付加することも安定した記録を行なうために有
効である。

【００２５】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色などの主流色のみを記録するモードだけではなく、記
録ヘッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わ
せて構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複
色カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一
つを備えた装置にも本発明は極めて有効である。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明により大気
連通口からのインク漏れの起こりにくい、信頼性の高い
インクカートリッジを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクカートリッジのインクタンク部
の図であり、ａは横断面図、ｂはスポンジを除いた状態
のａのタンク部のＸ−Ｘ断面図である。

【図２】図１ａのＢ部（大気連通口突起部）の詳細図で
ある。

【図３】本発明のインクカートリッジの大気連通口突起
部が３重構造となったものの図である。

【図４】本発明のインクカートリッジを搭載するインク
ジェットヘッドカートリッジの図であり、ａは斜視図、
ｂはａの透視図である。

【図５】本発明のインクカートリッジを搭載するインク
ジェット記録装置の１例の斜視図である。

【符号の説明】

２キャリッジ１１ガイド軸１５、１６送りローラ１７、１８ローラ５２ベルト１００ヘッドユニット１０１インク吐出部１０２配線コネクタ１０３ピン係合部２００インクタンクユニット２０２インクタンク容器２０３負圧発生部材収容部２０４インク収容部２０５吸収体２０６インク連通部２０７電極ピン３００キャップ４０１ブレード４０３吸収体５００ヘッド回復部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】（ａ）インクジェット記録ヘッドと連結
するための開口部を持ち、該開口部のあるインク吐出口
面に対向する内壁面に大気連通口を有する、負圧発生部
材を収容した負圧発生部材収容部、および（ｂ）該負圧
発生部材収容部に隣接し、底部で該負圧発生部材と連通
部を通じて連通する、インクを収容するインク収容部か
ら成るインクジェット用インクカートリッジにおいて、
大気連通口がその延長線上で該負圧発生部材収容部内に
環状突起として突出し、該突起と同心円状に１つ以上の
環状突起が（１）突起同士が互いに接しないように、
（２）外側の突起ほど長くなるように、しかも（３）最
も外側の突起の長さが最も内側の突起の長さの２倍以上
となるように形成されていることを特徴とするインクジ
ェット用インクカートリッジ。
【請求項２】請求項１記載のインクカートリッジを搭
載したインクジェット記録装置。