JPH0740534Y2 - ボビンキャリッジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は紡績工場において粗糸ボビン等を搬送する為
に用いるボビンキャリッジに関するものである。

従来の技術 従来のボビンキャリッジは、隣り合うキャリッジバーの
対向側端部にリンクの両端部を夫々上下方向の枢ピンを
介して左右回動自在に連結してある。また上記両枢ピン
間のピッチはキャリッジバーの下側に取付けてある複数
のボビンハンガーの取付ピッチより小さくなっている。

考案が解決しようとする課題 従来のボビンキャリッジでは、キャリッジバーどうしを
上下方向の枢ピンを介して左右回動自在に連結してある
ので、搬送レールが水平面上で左右にカーブしている場
合にはボビンキャリッジがキャリッジバーの連結部で左
右に曲折させて湾曲搬送できるが、搬送レールが上下方
向へ湾曲している場合にはボビンキャリッジを搬送でき
ない問題点があった。また両キャリッジバーの連結部間
のピッチがボビンハンガーの取付ピッチより小さいの
で、水平な搬送レールであっても急カーブの場合には両
端部の粗糸ボビンどうしが接触して粗糸をいためたり粗
糸垂れを生じ、その為に搬送レールのレイアウトが大幅
に制限される問題点があった。本考案の課題は上記問題
点を解決することにある。

課題を解決するための手段 本考案は上記課題を解決する為に、搬送レールに移動自
在に支持され、下側に複数のボビンハンガーを所定のピ
ッチで取付けてある複数本のキャリッジバーを一列状に
連結して成るボビン搬送用のボビンキャリッジにおい
て、隣り合うキャリッジバーの対向側端部にリンクの両
端部を夫々ユニバーサルジョイントを介して連結し、更
に上記ユニバーサルジョイント間のピッチを上記ボビン
ハンガーの取付ピッチより大きくして成ることを特徴と
している。

作用 ボビンキャリッジを搬送レールに沿って搬送する場合、
搬送レールが左右、上下に湾曲していると、各キャリッ
ジバーを連結しているユニバーサルジョイントが左右、
上下自在に回動して各キャリッジバーは搬送レールの湾
曲に沿う方向へ変向し、その湾曲している部分をスムー
ズに搬送できる。又、搬送レールが左右方向へ大きく湾
曲していると、先行するキャリッジバーは後行のキャリ
ッジバーに対して大きく変向するが、両連結部のピッチ
がボビンハンガーの取付ピッチより大きくしてあるの
で、上記キャリッジバーの変向によって両端部の粗糸ボ
ビン間の距離が大きくなり、両粗糸ボビンどうしは接触
しない。

実施例 第１図において、各キャリッジバー５の下側には周知の
ように粗糸ボビン１を吊り下げるボビンハンガー３が所
定のピッチＰで複数個（例えば６個）取着されている。
キャリッジバー５の両端近くの上面には支持杆6,6が植
設され、その支持杆6,6の上部に回動自在に取付けた左
右一対の支持ローラ９と前後一対の案内ローラ10が夫々
回動自在に軸支され、支持ローラ９が第２図に示す搬送
レール12の支持面12aを、案内ローラ10が案内面12bを転
動するようにしてある。隣り合うキャリッジバー5,5の
対向側端部には第３図に拡大断面にして示すように上端
部を外面が球面の球状頭部21に形成された接続ボルト22
が取着され、その球状頭部21に内面を球面としたジョイ
ント24の球状孔25が三次元回動自在に嵌合され、このジ
ョイント24と接続ボルト22によってユニバーサルジョイ
ント27を構成している。ジョイント24にはねじ孔26が設
けられ、このねじ孔26にコネクティングロッド28が位置
調節自在にねじ込まれ、ナット29により固定されてユニ
バーサルジョイント27,27のジョイント24,24が互いに連
結されている。ボビンキャリッジ31は所要数のキャリッ
ジバー５が上記のように連結されることによって構成さ
れる。接続ボルト22,22間の中心距離Ａは対応するキャ
リッジバー5,5の最端部のボビンハンガー3,3間のピッチ
Ｐより大きくなっている。上記ボビンキャリッジ31は搬
送レール12に案内されて図示しない粗紡機の上方位置や
精紡機のクリール位置へ適宜な移送手段によって搬送さ
れる。なお移送手段としては特公昭63-29016号公報に示
されているようにキャリッジバー５の両外側をはさんで
回転する一対の送りローラをボビンキャリッジ31の長さ
より短い間隔に配設したものや、特開昭62-263332号公
報等に示されているように搬送レール12に沿って移動す
る搬機（バッテリーカー）を配設したものが広く知られ
ている。

以上のように構成されるボビンキャリッジ31は第４図及
び第５図に示すように搬送レール12がカーブしながら上
下に傾斜していても、ジョイント24の三次元回動により
連結部分は何ら支障なく移動でき、又ジョイント24,24
間のピッチＡを粗糸ボビン１の吊り下げピッチＰより大
きくしてあるので、キャリッジバー5,5が大きく変向し
ても、粗糸ボビン１が互いに接触したりすることはな
く、スムーズな搬送を行なうことができる。

考案の効果 以上のように本考案は、各キャリッジバーをユニバーサ
ルジョイントを介して連結してあるので、搬送レールが
左右、上下に湾曲していてもキャリッジバーを搬送レー
ルの湾曲に追従して自在に変向でき、その結果ボビンキ
ャリッジを同じ階層での高さの異なる搬送位置へはもち
ろんのこと異なる階層への搬送位置へも自由に搬送で
き、搬送レールのレイアウト設計の自由度を大きくでき
る。またキャリッジバー相互の連結部間のピッチをボビ
ンハンガーの取付ピッチより大きくしたので、搬送レー
ルが左右に大きく湾曲しているときでも、ボビンハンガ
ーに吊下した両端部の粗糸ボビンどうしが接触するのを
なくして粗糸の損傷や粗糸垂れを防止でき、粗糸ボビン
の搬送をスムーズに行なえる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はボビンキャリッジのキャリッジバーの連結部を
示す側面図、第２図は搬送レールの断面を示す断面図、
第３図はユニバーサルジョイントを示す断面図、第４図
は作動状態を示す平面図、第５図は作動状態を示す側面
図である。 １……粗糸ボビン、３……ボビンハンガー、５……キャ
リッジバー、12……搬送レール、27……ユニバーサルジ
ョイント、28……リンク、31……ボビンキャリッジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】搬送レールに移動自在に支持され、下側に
   複数のボビンハンガーを所定のピッチで取付けてある複
   数本のキャリッジバーを一列状に連結して成るボビン搬
   送用のボビンキャリッジにおいて、隣り合うキャリッジ
   バーの対向側端部にリンクの両端部を夫々ユニバーサル
   ジョイントを介して連結し、更に上記ユニバーサルジョ
   イント間のピッチを上記ボビンハンガーの取付ピッチよ
   り大きくして成ることを特徴とするボビンキャリッジ。