JPH0740301U - ワイヤハーネス固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 補器類取付用のスタッドボルト付のブラケッ
トをワイヤハーネスの固定用として利用するものにおい
て、補器類取付け前でも極めて簡単な操作でワイヤハー
ネスを完全に固定できるようにする。 【構成】 バンド部２と該バンド部がワイヤハーネス１
２を抱持固縛した状態に係止するロック部３とを上方部
に有し、その下方に連続して段部４と挿込脚部５とをも
ち、挿込脚部５の下部両側に係合爪部６をもったワイヤ
ハーネス固定具１を合成樹脂にて一体に形成し、補器の
取付部１１を取付ける取付面７ａと側面７ｂと車体パネ
ル１０への固着面７ｃとからなる補器類取付用のスタッ
ドボルト８付ブラケット７の取付面７ａと車体パネル１
０との隙間に、挿込脚部５を挿し込むことにより、段部
４と係合爪部６が取付面７ａの上縁と側面７ｂの下縁に
係合してワイヤハーネス固定具１がブラケット７の裏側
に固定されるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両において車体に沿って引き回されるワイヤハーネスを固定する ためのワイヤハーネス固定構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

車体パネルに沿って引き回されるワイヤハーネスを固定する手段として、車体 パネルに取付けられる補器類を利用し、車体パネルとそれに取付けられる補器類 との間にワイヤハーネス取付用のブラケットを挟み付けて固定するようにしたも のは従来より公知である（実開昭５６−１１８１４７号公報参照）。又、補器類 取付用のスタッドボルトにワイヤハーネス取付用のブラケットを挿入し補器類の 取付部と重ねてナットにて共締めしてワイヤハーネスを固定するようにしたもの も従来よりある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のように補器類を利用してワイヤハーネスを固定するものにおいて、従来 のものは補器類を車体パネルに取付けることによってワイヤハーネスも同時に固 定される構造となっているので、補器類の取付け前にはワイヤハーネスを固定す ることができない、という課題を有している。又、補器類取付用のスタッドボル トに共締めにてワイヤハーネスを固定する従来の構造のものは、共締め作業がな かなか厄介で作業性が悪いばかりか、補器類の取付部，ワイヤハーネス取付用ブ ラケット等が樹脂製である場合は樹脂板同士の重ね合わせによるナットのゆるみ を防止するために樹脂製ブラケットに金属製のワッシャをインサート成形する等 何らかのナットのゆるみ防止手段を講じなければならず、部品費が高くなるとい う課題を有している。

【０００４】 本考案は上記のような従来の課題を解決することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、取付面とその両側の側面とその先端の左右の固着面とからなるほぼ ハット型断面をなし該取付面にスタッドボルトを前方へ突出させて固着し左右の 固着面を車体パネルに接合して取付けられた補器類取付用のスタッドボルト付ブ ラケットをワイヤハース固定用として利用するものにおいて、ワイヤハーネス固 縛部を上方部に有し、その下方部に上記スタッドボルト付ブラケットの取付面と 車体パネルとの隙間に挿し込まれる挿込脚部が段部にて適当な段差をもって連続 し、該挿込脚部の下部両側には係合爪部が側方に突出した構造のワイヤハーネス 固定具を合成樹脂にて一体に形成し、該挿込脚部をスタッドボルト付ブラケット の取付面と車体パネルとの隙間に挿し込むことにより、上記段部と係合爪部とが スタッドボルト付ブラケットの取付面の上縁と左右側面の下縁とにそれぞれ係合 して、ワイヤハーネスをワイヤハーネス固縛部に固縛保持したワイヤハーネス固 定具がスタッドボルト付ブラケットの取付面の裏面側に固定されるようにしたこ とを特徴とするものである。

【０００６】

【作用】

上記のように、車体パネルに固着された補器類取付用のスタッドボルト付ブラ ケットの取付面の裏面側の車体パネルとの隙間部に挿込脚部を挿し込むだけでワ イヤハーネスを固縛保持したワイヤハーネス固定具が完全に固定されるので、補 器類の取付け前か後かに関係なくワイヤハーネスの固定が可能となり、作業性の 大幅な向上をはかることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００８】 図において、１はワイヤハーネスの固定具で、該固定具１は合成樹脂の一体成 形にて構成される。この固定具１は、上端部にワイヤハーネスを抱持固縛して、 後述する補器類（例えばヒータユニットのように比較的重量の重い部品）を車体 に取付けるためのスタッドボルト付のブラケット７に挿し込み固定されるもので ある。

【０００９】 上記スタッド付のブラケット７は、従来より公知のように、取付面７ａとその 両側の側面７ｂ，７ｂと車体パネル１０への固着面７ｃ，７ｃとからなるほぼハ ット型断面をなし、取付面７ａにスタッドボルト８を前方へ突出させた状態で溶 接固着した構成となっており、該スタッドボルト付ブラケット７は左右の固着面 ７ｃ，７ｃを車体パネル１０に接合して溶接等にて固着され、例えばヒータユニ ット等の補器の取付部１１の取付穴をスタッドボルト８に挿し込みナット９にて 締付固定して補器を車体に取付けるようになっている。従ってスタッドボルト付 ブラケット７の取付面７ａと車体パネル１０との間には側面７ｂ，７ｂの高さに 相当する隙間が形成されているのが普通である。

【００１０】 本考案では、上記ブラケット７の取付面７ａと車体パネル１０との間に形成さ れた隙間にワイヤハーネスの固定具１を挿し込み該ブラケット７に係合固定する ようにしたものである。

【００１１】 即ち、上記固定具１は、上方部にワイヤハーネスを抱持固縛するバンド部２と そのバンド部２を係合固定するロック部３とからなるワイヤハーネス固縛部が形 成され、その下方に上記ブラケット７の取付面７ａの裏面側の隙間に挿し込まれ る挿込脚部５が上方部に対し段部４にて適当な段差をもって形成され、該挿込脚 部５の下端部両側にはブラケット７の側面７ｂ，７ｂの下縁に係合する係合爪部 ６，６が両側に突出形成され、上記挿込脚部５の上端の段部４から下端の係合爪 部６までの長さ寸法がブラケット６の上下方向（挿込脚部の挿し込み方向）の長 さ寸法にほぼ合致し、挿込脚部５の幅寸法はブラケット７の左右側面７ｂ，７ｂ の内側面間の幅寸法にほぼ合致するよう構成される。尚、挿込脚部５の前面側に は、ブラケット７の取付面７ａの裏面側に突出し該取付面７ａに溶接固着された スタッドボルトの頭部８ａを逃げるための上下方向の逃げ溝５ａが形成されてい る。

【００１２】 上記において、固定具１のバンド部２にてワイヤハーネス１２を巻き付けロッ ク部３に係合させることで図示のようにワイヤハーネス１２を抱持固縛し、挿込 脚部５をブラケット７の取付面７ａ裏面側の隙間に挿し込む。すると両側に突出 している係合爪部６，６はブラケット７の側面７ｂ，７ｂの内側面に押されて内 側に弾性変形し該内側面を下方へ摺動し、該係合爪部６，６がブラケット７の下 縁部を過ぎるやいなや弾性復元してブラケット７の側面７ｂ，７ｂの下縁に係合 し、そのとき段部４がブラケット７の取付面７ａの上縁に当接係合して、固定具 １はブラケット７に固定される。

【００１３】 上記のようにして、ブラケット７の取付面７ａに補器が取付けられているかい ないかにかかわりなく、単に固定具１の挿込脚部５を挿し込むだけの簡単な操作 にてワイヤハーネス１２をブラケット７に完全に固定することができ、又該固定 具１はブラケット７の取付面７ａの裏側に固定されるので、ワイヤハーネス１２ を固定具１にてブラケット７に固定した後に補器を取付ける場合、該固定具１が 補器取付けの邪魔になるようなことは全くない。

【００１４】 尚、上記固定具１において、図示実施例ではバンド部２とロック部３とでワイ ヤハーネス固縛部を構成した例を示しているが、該ワイヤハーネス固縛部の具体 的構造は図示実施例に限らず従来より公知の任意の構造を採用できる。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、補器取付用のスタッドボルト付のブラケットを 利用してワイヤハーネスを固定するものにおいて、補器の取付け前であっても取 付け後であっても、上記ブラケットの補器取付面の裏側に合成樹脂製の固定具の 挿込脚部を挿し込むことによりワイヤハーネスを完全に固定することができ、ワ イヤハーネス固定作業の大幅な簡易化をはかることができると共に、補器の取付 作業性も改善されるもので、上記固定具の構成が簡単で安価なることと相俟って 実用上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示すもので、（Ａ）は正面
図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ断面図、（Ｃ）は斜視図で
ある。

【図２】図１に示す固定具と補器取付用のブラケットと
補器の取付部との分解斜視図である。

【符号の説明】

１ 固定具 ２ バンド部 ３ ロック部 ４ 段部 ５ 挿込脚部 ６ 係合爪部 ７ ブラケット ７ａ 取付面 ７ｂ 側面 ７ｃ 固着面 ８ スタッドボルト ９ ナット １０ 車体パネル １１ 補器の取付部 １２ ワイヤハーネス

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 取付面とその両側の左右側面とその先端
   の左右の固着面とからなるほぼハット型断面をなし上記
   取付面にスタッドボルトを前面に突出させて固着し左右
   の固着面を車体パネルに接合して固着され補器類の取付
   部を該スタッドボルトに貫通させて上記取付面に接合し
   ナットにて締付固定して補器類を取付けるようにした補
   器類取付用のスタッドボルト付ブラケットをワイヤハー
   ネス固定用として利用するものにおいて、ワイヤハーネ
   スを固縛保持するワイヤハーネス固縛部を上方部に有
   し、その下方部に上記スタッドボルト付ブラケットの取
   付面と車体パネルとの隙間に挿し込まれる挿込脚部が段
   部にて適当な段差をもって連続し、該挿込脚部の下部両
   側には係合爪部が側方に突出した構造のワイヤハーネス
   固定具を合成樹脂にて一体に形成し、上記スタッドボル
   ト付ブラケットの取付面と車体パネルとの隙間に該ワイ
   ヤハーネス固定具の挿込脚部を挿し込むことにより、上
   記段部と係合爪部とがスタッドボルト付ブラケットの取
   付面の上縁と左右の側面の下縁とにそれぞれ係合して、
   ワイヤハーネスをワイヤハーネス固縛部に固縛保持した
   ワイヤハーネス固定具がスタッドボルト付ブラケットの
   取付面の裏面側に固定されるようにしたことを特徴とす
   るワイヤハーネス固定構造。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のワイヤハーネス固定具
   の挿込脚部には、スタッドボルト付ブラケットの取付面
   の裏面側に突出しているスタッドボルト頭部の溶接固着
   部を逃げるための上下方向の逃げ溝が形成されているこ
   とを特徴とするワイヤハーネス固定構造。