JPH0739874Y2 - マガジン搬入装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ストッカー内のマガジンをコンベア上に搬入
する装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

積み重ね状態のマガジンなどの搬入に、進退可能なプッ
シャー機構が利用される。プッシャーは、一番下のマガ
ジンを受け取り、マガジンとともに前進して、マガジン
をコンベアなどの上方位置へ移動せ、コンベアの上に乗
せる。

〔従来技術の問題点〕

このような搬入過程で、プッシャーがストッカー内のマ
ガジンを１つだけ受け取るとき、それより上のマガジン
が衝撃をともなって落下したり、また、取り出し状態の
マガジンをコンベアの上に乗せるとき、マガジンに衝撃
が発生する。

〔考案の概要〕

したがって、本考案の目的は、マガジンの搬入過程で、
衝撃を防止することである。

そこで、本考案は、マガジンの下方やコンベアの下方位
置にリフターを配置し、このリフターで積み重ね状態の
マガジンを保持したり、またプッシャーの上のマガジン
をリフターで支えることによって防止できる。

ところが、上記解決手段によると、２つのリフターの駆
動のために、昇降駆動手段として、２つのシリンダーが
必要となる。シリンダーが２個用いられると、その支持
機構が複雑になり、小型部品の加工装置などの場合に組
み込みが困難となり、また２つのシリンダーの間で特別
な同期制御が必要となる。

ここに本考案の他の目的は、２つのリフターを一体化
し、その駆動手段を構造的に簡略化するとともに、同期
制御を省略できるようにすることである。

そこで、本考案は、ストッカーとコンベアの下方位置で
それぞれ第１リフターおよび第２リフターを昇降自在に
設け、これらを所定の高さに設定して一体化するととも
に、１つの昇降用の駆動手段によってプッシャーの進退
運動と同期して昇降させるようにしている。

ストッカーの内部で積み重ね状態のマガジンは、プッシ
ャーの進退運動によって、下方から取り出され、コンベ
アの上方位置まで移送される。この過程で、駆動手段
は、第１リフターおよび第２リフターを同時に上昇させ
る。この上昇過程で、第１リフターは、ストッカー内の
マガジンを支え、また第２リフターは、プッシャーによ
って運ばれてきたマガジンを受け取る。このあとで、プ
ッシャーが後退した後、駆動手段は、第１リフターおよ
び第２リフターを下降させることによって、ストッカー
内のマガジンをプッシャーの上に置き、また第２リフタ
ーの上のマガジンをコンベアの上に乗せる。このため、
ストッカー内の積み重ね状態のマガジンは、第１リフタ
ーによって、自然落下によらないで、プッシャーの上に
乗る。また、プッシャーの上のマガジンは、第２リフタ
ーの下降とともに、コンベアの上に衝撃のない状態で乗
り移る。

したがって、この搬入過程で、マガジンの衝撃や落下が
防止できる。また、第１リフターおよび第２リフターが
１つの駆動手段によって駆動されるため、駆動部分の構
造が簡略化でき、また両者の間の特別な同期制御も不要
となる。

〔実施例〕

第１図および第２図は、本考案のマガジン搬入装置１の
構成を示している。

このマガジン搬入装置１は、マガジン２の搬入のため
に、ストッカー３、コンベア４、プッシャー５、第１リ
フター６、第２リフター７および駆動手段８によって組
み立てられている。

マガジン２は、例えば電子部品などを収納するために、
例えば長方形であり、その短辺の部分で垂直な枠状のス
トッカー３によって積み重ね状態で保持されている。こ
のストッカー３の下方部分は開放しており、積み重ね状
態の最下方のマガジン２は、進退自在のプッシャー５の
受け取り段部51の上で支えられている。なお、この受け
取り段部51の深さは、上面の受け面52から１つのマガジ
ン２の厚みと対応している。そして、このプッシャー５
は、スライダー10の上に取り付けられ、水平方向の案内
ベース11に沿って、進退自在であり、機枠16に取り付け
られたシリンダー12によってストッカー３の下方から、
コンベア４の上方位置でストッパ９までのストロークで
前進または後退できるようになっている。

一方、コンベア４は２本のコンベアベルト13からなり、
コンベアフレーム14の方向すなわちマガジン２の長手方
向に所定の速度で移動可能な状態で取り付けられてい
る。このコンベアベルト13の上面つまり搬送面は、プッ
シャー５の設置位置よりも下方に設定されている。

そして、第１リフター６は、ストッカー３の下方位置
で、フォーク状のプッシャー５と干渉しないよう、それ
よりも上方に移動できるように配置されており、また第
２リフター７は、コンベア４の下方にあって、コンベア
ベルト13の搬送面よりも低い位置から、プッシャー５の
受け取り段部51よりも高い位置まで上昇可能で、しかも
コンベア４に干渉しない状態で設けられている。これら
の第１リフタ６ーおよび第２リフター７は、ともにホル
ダー15によって一体化しており、機枠16に取り付けられ
た駆動手段８として１つのシリンダー17によって、昇降
自在に支持されている。

このマガジン搬入装置１は、次のように動作する。

第１図および第２図に示すように、プッシャー５が後退
位置にあるとき、ストッカー３の内部の積み重ね状態の
マガジン２は、受け取り段部51の上に乗って支えられて
いる。

この状態で、シリンダー12がプッシャー５をコンベア４
の上方位置まで移動させると、第３図のように、積み重
ね状態のマガジン２のうち、一番下のマガジン２のみが
受け取り段部51の段部に押されて、プッシャー５ととも
に移動する。このとき、ストッカー３の内部の積み重ね
状態のマガジン２は、プッシャー５の上面、つまり受け
面52で支えられている。

次に、駆動手段８としてのシリンダー17は、第１リフタ
６ーおよび第２リフター７を上昇させることによって、
プッシャー５の受け面52の上の積み重ね状態のマガジン
２を少し上昇させる。また、第２リフター７は、コンベ
ア４のコンベアベルト13の間から上昇し、受け取り段部
51の上のマガジン２を持ち上げる。このとき、第４図に
示すように、ストッカー３の内部のマガジン２は、第１
リフタ６ーによって支えられており、また１つのマガジ
ン２は、コンベア４の上で第２リフター７によって支持
されている。次に、シリンダー12は、プッシャー５を後
退させる。このあと、駆動手段８としてのシリンダー17
がこれらの第１リフタ６ーおよび第２リフター７を元の
位置まで下降させる。この下降過程で、ストッカー３の
内部の積み重ね状態のマガジン２は、プッシャー５の受
け取り段部51の上に乗り移り、そこで支えられる。この
とき、積み重ね状態のマガジン２は、自然落下でなく、
第１リフター６の下降速度で、受け取り段部51の上に乗
り移るため、自然落下に伴う衝撃などを受けない状態
で、受け取り段部51の上に乗り移る。また、第２リフタ
ー７の上のマガジン２は、第２リフター７の下降途中
で、コンベア４の２つのコンベアベルト13の上に衝撃の
ない状態で乗り移る。

〔考案の効果〕

本考案では、プッシャーが積み重ね状態のマガジンのう
ちから下方のマガジンを受け取って、コンベアの上方ま
で移動させ、その後、後退する過程で、第１リフターお
よび第２リフターがともにストッカーの内部のマガジン
およびコンベアの上のマガジンを支えているため、これ
らのマガジンが衝撃を伴って自然落下せず、プッシャー
の上やコンベアの上に乗せられるため、衝撃のない状態
で搬入が可能となり、またこれらの２つの第１リフター
および第２リフターの昇降動作が１つの駆動手段によっ
て行われるため、その駆動部分の構成が簡略化でき、ま
た２つのシリンダー駆動のための同期制御なども必要と
されず、駆動制御系も簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のマガジン搬入装置の平面図、第２図は
同装置の側面図、第３図および第４図は動作状態の説明
図である。 １……マガジン搬入装置、２……マガジン、３……スト
ッカー、４……コンベア、５……プッシャー、６……第
１リフター、７……第２リフター、８……駆動手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】積み重ね状態のマガジン（２）を下方から
   取り出し可能に収納するストッカー（３）と、このスト
   ッカー（３）の下方にあってマガジン（２）を搬送する
   コンベア（４）と、ストッカー（３）内の最下方のマガ
   ジン（２）を受け取ってコンベア（４）の上方位置まで
   移送する進退自在のプッシャー（５）と、ストッカー
   （３）の下方でプッシャー（５）と干渉しない位置でプ
   ッシャー（５）の受け取り位置よりも高い位置まで上昇
   してストッカー（３）内の積み重ね状態のマガジン
   （２）を保持する第１リフター（６）と、コンベアと干
   渉しない下方の位置から搬送位置よりも高い位置まで上
   昇可能でプッシャー（５）の上のマガジン（２）を受け
   取ってコンベア（４）上に移す第２リフター（７）と、
   上記の第１リフター（６）および第２リフター（７）を
   同時に昇降させる駆動手段（８）とからなることを特徴
   とするマガジン搬入装置（１）。