JPS636109Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばICなどの多数の電子部品を
収納する管状のマガジンを１対のガイドコラムの
間に積み上げて順次に自重降下させる構造のスト
ツク手段の下方に併設して、降下してくる多数の
マガジンを順次に受け取り、１個ずつ搬出する分
離装置に関するものである。

この種の分離装置は、従来一般に、最下層のマ
ガジンに爪状の部材を掛けて支承し、順次に１個
ずつ重力落下させる構造であつた。このため、 (a) 支承用の爪状部材に適合するマガジンでなけ
ればハンドリングできず、汎用性に欠ける。

(b) 重力落下による衝撃のため、収納してある部
品が損傷を蒙る虞れが有る。

という不具合があつた。

本考案は上述の事情に鑑みて為され、各種形状
寸法のマガジンに順応でき、しかも該マガジンに
衝撃を与える虞れ無く順次に１個ずつ搬出し得る
マガジン分離装置を提供しようとするものであ
る。

上記の目的を達成するため、本考案の分離装置
は、最下層から２段目のマガジンを挾持あるいは
放出する水平方向に摺動自在に支承した一対のス
ライドブロツクを設け、昇降機構によつて上下動
するプレートに昇降ガイドと円錐状カムを取着
し、前記した一対のスライドブロツクの間に前記
の円錐状カムを昇降させてそれぞれのスライドブ
ロツクを互いに水平方向に接近・離間せしめるよ
うになしたことを特徴とする。

次に、本考案の１実施例を第１図及び第２図に
ついて説明する。

第１図は本考案のマガジン分離装置の１実施例
の正両図で、サイドプレート１を備えたガイドコ
ラム２によつて支承されている多数のマガジン３
を端面方向から見ている。上記多数のマガジン３
について、説明の便宜上、下層のものから順に３
ａ，３ｂ，３ｃ…と符号をつけて区別する。第２
図は上記実施例の側面図で、上記のマガジン３
ａ，３ｂ…を側方から見ている。

本考案は最下層から２番目のマガジンを挾持す
る手段と、上記の挾持手段が放出したマガジンを
支承して下降する上下動部材とを備える。

本実施例は、水平なガイドロツド４によつて１
対のスライドブロツク５を水平方向に摺動自在に
支承し、この１対のスライドブロツク５にそれぞ
れチヤツクバー６を固着し、最下層から２番目の
マガジン３ｂの側面を挾持し得るように構成す
る。

ただし、最下層のマガジン３ａが搬出されると
挾持していた最下層より２段目のマガジン３ｂは
最下層のマガジンとなる。本考案において最下層
から２番目のマガジンを挾持するとは、挾持する
時点において最下層から２段目のマガジンを挾持
する意であり、次回の作動サイクルに移る過程に
おいては最下層のマガジンを挾持している状態を
経由する。

上記の１対のチヤツクバー６が開いてマガジン
３ｂを放出したとき、この放出されたマガジンを
支承して下降するように上下に駆動される部材と
して、本実施例は昇降ガイド７を設ける。

上記の昇降ガイド７はプレート８に固着され、
エアシリンダ９により上下に駆動される。実線で
示した７は下降状態の昇降プレート、鎖線で示し
た７′は上昇状態の昇降プレートである。１０は
上記の昇降プレート７からマガジンを受け取る役
目を有するセツトプレートである。

前記のプレート８に、円錐状カム１１を固着す
る。この円錐状カム１１は前記の上下動部材であ
る昇降プレート７と一緒に上下動する。

一方、前記一対のスライドブロツク５に、カム
フオロワとして作用するベアリング１２を取り付
ける。前記の円錐状カム１１が上昇すると１対の
ベアリング１２を支承した１対のスライドブロツ
ク５は離間動せしめられる。仮想線で示した５′
は相互に離間した状態のスライドブロツクであ
る。１３は上記１対のスライドブロツク５を相互
に接近せしめる方向に付勢しているテンシヨンス
プリングであつて、１対のチヤツクバー６に対し
てマガジンを挾持する方向に付勢している。

以上のように構成したマガジンの分離装置は次
記のように作動する。

第１図の状態においては、円錐状カム１１が下
降してカムフオロワであるベアリング１２から離
間している。このため、１対のスライドブロツク
５、及びこれに固着された１対のチヤツクバー６
はテンシヨンスプリング１３の作用で相互に接近
し、マガジン３ｂを挾持している。この第１図に
示している時点において、最下層のマガジン３ａ
は、チヤツクバー６の挾持から放された状態であ
つて、この図に示したようにチヤツクバーが最下
層のマガジン３ａを放出するに至る過程を遡つて
説明する。

エアシリンダ９が伸長してプレート８を押し上
げると、昇降ガイド７が最下層のマガジン３ａに
直近の位置まで上昇して、該マガジン３ａの放出
に備えて待機する。上記の作動に伴つて円錐カム
１１が上昇してベアリング１２に当接し、１対の
スライドブロツク５を離間させる。これに伴つて
１対のチヤツクバー６が開き、それまで挾持して
いたマガジン５ａを放す。

このようにして、最下層のマガジン３ａは昇降
ガイド７′（上昇した状態）によつて受け取られ、
エアシリンダ９の収縮に伴つて下降し、セツトプ
レート１０に対して静粛に受け渡しされる。

上に述べた昇降ガイド７の下降と同時に円錐状
カム１１も下降し、押し拡げていたチヤツクバー
６を閉じさせる。これにより、チヤツクバー６は
最下層から２段目のマガジン３ｂを挾持する。

以下、上記の作動を繰り返して、多数のマガジ
ン３ｃ，３ｄ…を順次に下の方から１個ずつ受け
取つて円滑に搬出する。このため、マガジンに衝
撃を与える虞れが無い。また、上述の作用から明
らかなように、マガジンの形状が変化しても、そ
の横幅Ｗがチヤツクバー６の作動ストローク範囲
内であれば順応し得る。

以上詳述したように本考案のマガジンの分離装
置は、最下層から２段目のマガジンを挾着あるい
は放出する水平方向に摺動自在に支承した一対の
スライドブロツクを設け、昇降機構によつて上下
動するプレートに昇降ガイドと円錐状カムを取着
し、前記した一対のスライドブロツクの間に前記
の円錐状カムを昇降させて、それぞれのスライド
ブロツクを水平方向に接近・離間させて、IC等
の多数の電子部品を収納する管状のマガジンを挾
持あるいは解放するようにしたので、その挾持に
当りスライドブロツクを水平方向に摺動して行う
ので、マガジンの挾着は面接触で行うことがで
き、しかもスライドブロツクは円錐状カムの昇降
によつて水平方向に摺動してそれぞれのスライド
ブロツクが互いに接近・離間させることによつて
挾持・解放を行うもので、その水平方向の摺動は
極めて滑らかに作動され、その挾持にはマガジン
に対して衝撃を与えるものでない。

しかも、前記の構成による本考案に係る装置
は、各種寸法形状のマガジンに順応でき構造が簡
単であるという実用的な効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のマガジン分離装置の１実施例
の正面図、第２図は同側面図である。 １……サイドプレート、２……ガイドコラム、
３ａ，３ｂ〜３ｆ……マガジン、４……ガイドロ
ツド、５，５′……スライドブロツク、６……チ
ヤツクバー、７……昇降ガイド、８……プレー
ト、９……エアシリンダ、１０……セツトプレー
ト、１１……円錐状カム、１２……ベアリング、
１３……テンシヨンスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一対のガイドコラムの間に積み重ねられた多数
   のマガジンを順次下降させ、最下層のマガジンか
   ら順次搬出するマガジンの分離装置において、最
   下層から２段目のマガジンを挾持あるいは放出す
   る水平方向に摺動自在に支承した一対のスライド
   ブロツクを設け、昇降機構によつて上下動するプ
   レートに昇降ガイドと円錐状カムを取着し、前記
   した一対のスライドブロツクの間に前記の円錐状
   カムを昇降させてそれぞれのスライドブロツクを
   互いに水平方向に接近・離間せしめるようになし
   たことを特徴とするマガジンの分離装置。