JPH0739599U - 車両用リクライニングシート装置 - Google Patents

車両用リクライニングシート装置

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JPH0739599U
JPH0739599U JP7485993U JP7485993U JPH0739599U JP H0739599 U JPH0739599 U JP H0739599U JP 7485993 U JP7485993 U JP 7485993U JP 7485993 U JP7485993 U JP 7485993U JP H0739599 U JPH0739599 U JP H0739599U
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casing
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resistance
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正光 小島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートバックの前方への回動復帰をスムーズ
にして搭乗者への衝撃を和らげることができ、しかもシ
ートバックの後方への回動をほとんど抵抗なしに行わせ
ることができる車両用リクライニングシート装置を提供
することにある。 【構成】 車両用リクライニングシート装置1は、シー
トクッション2と、前後方向の所定の角度範囲で傾動可
能にシートクッション2にヒンジ機構3を介して連結さ
れて、後傾状態にある際には、前方への弾性的戻り力が
与えられるシートバック4と、弾性的戻り力によるシー
トバック4の回動に対して抵抗力を与える抵抗力付与手
段5とを具備し、抵抗力付与手段5は、ケーシング11
と、ケーシング11に対して相対的に回転自在になるよ
うに装着されて、ケーシング11との間に微小間隙12
からなる粘性体収容室13を形成する相対回転部材14
と、相対回転部材14の相対回転に対して粘性剪断抵抗
を及ぼすべく、粘性体収容室13に封入された高粘性体
15とを具備している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はシートクッションと、前後方向の所定の角度範囲で傾動可能にシート クッションにヒンジ機構を介して連結されたシートバックとを具備した車両用リ クライニングシート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等では、シートクッションとシートバックとをヒンジ機構で連結して、 シートバックを前後方向の所定の角度範囲で傾動可能にし、所望の傾動角度でシ ートバックを固定できるようにしている。そして固定解除に際しては、ヒンジ機 構に配されたリターンばねの作用により自動的にシートバックを前方に回動復帰 させるようにしている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで上述の自動復帰機構によれば、シートバックに搭乗者の体重をかけて いない際に後傾位置にあるシートバックの固定解除を行うと、リターンばねの作 用によりシートバックが前方に急激に回動復帰されて搭乗者の背中に強く当たる ことがあり、搭乗者に不快感を与え、好ましいものではない。
【0004】 本考案は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、 シートバックの前方への回動復帰をスムーズにして搭乗者への衝撃を和らげるこ とができ、しかもシートバックの後方への回動をほとんど抵抗なしに行わせるこ とができる車両用リクライニングシート装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本考案によれば前記目的は、シートクッションと、前後方向の所定の角度範囲 で傾動可能にシートクッションにヒンジ機構を介して連結されており、後傾状態 にある際には、前方への弾性的戻り力が与えられるシートバックと、弾性的戻り 力によるシートバックの回動に対して抵抗力を与える抵抗力付与手段とを具備し た車両用リクライニングシート装置であって、抵抗力付与手段は、ケーシングと 、このケーシングに対して相対的に回転自在になるように装着されており、ケー シングとの間に微小間隙からなる粘性体収容室を形成する相対回転部材と、この 相対回転部材の相対回転に対して粘性剪断抵抗を及ぼすべく、粘性体収容室に封 入された高粘性体とを具備する車両用リクライニングシート装置によって達成さ れる。
【0006】 本考案の一つの好ましい例ではケーシングは、一対の対向して配された半割環 状部材からなり、一対の半割環状部材の対向面には、同心状に複数の環状溝が形 成されており、相対回転部材の側面には、一対の半割環状部材との間に微小間隙 を形成して環状溝に配される同心状の複数の環状突起が形成されている。微小間 隙としては、狭ければ狭いほど好ましいのであるが、高粘性体の粘度及び部材の 成形若しくは加工精度との関連で0.5mm〜0.7mm程度を好ましい例とし て挙げることができる。また、好ましい例では、ケーシングがシートバックのフ レームに取り付けられ、相対回転部材がヒンジ機構の固定軸に取り付けられるが 、これに限定されず、相対回転部材をシ−トバックのフレームに、ケ−シングを ヒンジ機構の固定軸に取り付けてもよい。なお、ケーシング及び相対回転部材を 例えばアルミ等の金属で形成してもよいが、軽量、安価なものとするため、一体 成形可能な合成樹脂で形成するとよい。
【0007】 粘性体収容室に封入する高粘性体としては、劣化が少なく、温度安定性のある シリコンオイルが好ましいが、その他のものであってもよく、その動粘度が、十 分な粘性剪断抵抗を発生すべく、50万cSt(センチストークス)を遥かに越 えるものが好ましい。
【0008】
【作用】
本考案の車両用リクライニングシート装置では、シートバックが固定解除され て弾性的戻り力により後傾状態から前方へ回動されようとすると、ケーシングと 相対回転部材との間に相対的な回転が生じる。この相対的な回転において粘性体 収容室に封入された高粘性体には粘性剪断力が生じ、これにより高粘性体は当該 相対的な回転に対して粘性剪断抵抗を及ぼし、而してシートバックの前方への急 激な回動復帰が阻止される。
【0009】 次に本考案を、図に示す好ましい具体例に基づいて更に詳細に説明する。なお 、本考案はこれら具体例に何等限定されないのである。
【0010】
【具体例】
図1から図3において本例の車両用リクライニングシート装置1は、シートク ッション2と、前後方向、すなわA方向の所定の角度範囲で傾動可能にシートク ッション2にヒンジ機構3を介して連結されており、後傾状態にある際には、前 方への弾性的戻り力が与えられるシートバック4と、弾性的戻り力によるシート バック4の回動に対して抵抗力を与える抵抗力付与手段5とを具備し、抵抗力付 与手段5は、ケーシング11と、ケーシング11に対して相対的に回転自在にな るように装着されており、ケーシング11との間に微小間隙12からなる環状の 粘性体収容室13を形成する相対回転部材14と、相対回転部材14の相対回転 に対して粘性剪断抵抗を及ぼすべく、粘性体収容室13に封入された高粘性体1 5とを具備している。
【0011】 シートクッション2は、自動車のフロアパネル21に公知の前後位置調節機構 を介して取り付けられている。ヘッドレスト22を具備するシートバック4を、 シートクッション2に連結するヒンジ機構3は、本例ではシートクッション2に 固定された固定軸23を具備しており、固定軸23を中心としてシートバック4 をA方向の所定の角度範囲で傾動可能としている。シートクッション2とシート バック4との間には、所望の傾動角度でシートバック4を固定できる図示しない 公知の固定装置(ロック機構)と、シートバック4が後傾状態にある際、これに 前方への弾性的戻り力を与える図示しない公知のぜんまいばねとが設けられてお り、シートバック4が所望の後傾状態にある際に固定装置が解除作動されると、 ぜんまいばねはシートバック4に前方への弾性的戻り力を与え、而してシートバ ック4は回動復帰されるようになっている。
【0012】 ケーシング11は、一対の対向して配された合成樹脂製の半割環状部材31及 び32からなり、リベット33により互いに固着されている。一対の半割環状部 材31及び32の対向面34及び35には、同心状に複数の環状溝36が形成さ れており、一対の半割環状部材31及び32の外縁の対向面34及び35には、 シールリング37が装着された環状溝38が形成されている。
【0013】 合成樹脂製の相対回転部材14は、筒部41と筒部41に一体な環状板部42 とを具備して形成されており、環状板部42の両側面43及び44には、一対の 半割環状部材31及び32との間に微小間隙12を形成して環状溝36に配され る同心状の複数の環状突起45が形成されており、筒部41は一対の半割環状部 材31及び32の内周面46にA方向に回転自在に嵌装されている。一対の半割 環状部材31及び32のそれぞれの内周面46に形成された環状段部47及び4 8と、筒部41の外周面49との間にはシールリング50及び51が装着されて いる。
【0014】 筒部41は中央に通るブリッジ部を61を一体的に具備しており、ブリッジ部 61により形成される筒部41の内部の半円筒状空間62及び63に、固定軸2 3の二股端部64が嵌着されており、半割環状部材31の外縁にリベット33に より固着された連結金具65がシートバック4の内部のフレーム(図示せず)に ねじ66を介して取り付けられており、こうして本例では、ケーシング11がシ ートバック4のフレームに取り付けられ、相対回転部材14がヒンジ機構の固定 軸23に取り付けられている。
【0015】 以上の車両用リクライニングシート装置1では、シートバック4が固定解除さ れて弾性的戻り力により後傾状態から前方へ回動されようとすると、ケーシング 11と相対回転部材14との間に相対的なA方向の回転が生じる。この相対的な 回転において粘性体収容室13に封入された高粘性体15には粘性剪断力が生じ 、これにより高粘性体15は当該相対的な回転に対して粘性剪断抵抗を及ぼし、 而してシートバック4の前方への急激な回動復帰が阻止される。そして本車両用 リクライニングシート装置1では、高粘性体15に粘性剪断力を生じさせて粘性 剪断抵抗でシートバック4の前方への急激な回動復帰を阻止するものであるため 、シートバック4の前方への回動復帰が高速な領域、すなわちシートバック4が 大きく後傾され弾性的戻り力が大きな領域では比較的大きな粘性剪断抵抗がシー トバック4の前方への回動に付与される一方、シートバック4の前方への回動復 帰が低速な領域、すなわちシートバック4が小さく後傾され弾性的戻り力が小さ い領域では比較的小さな粘性剪断抵抗がシートバック4の前方への回動に付与さ れる結果、スムーズなシートバック4の復帰回動動作を得ることができる上に、 シートバック4を後方に回動させる場合にも、思わぬ急速、急激な回動を阻止し 得るため、安全性に優れたものとし得る。
【0016】 なお前記例では、一枚の相対回転部材14で構成したが、本考案はこれに限定 されず、例えば、これを複数枚用いて構成してもよく、この場合、各相対回転部 材14の間にケ−シングの一部を延設し、そこに微小間隙を設けて粘性体収容室 とするとよい。また、前記例では、環状板部42がケ−シング11により取り囲 まれるように構成されているが、これに代えて、ケ−シングを一枚の環状板で形 成し、このケ−ジングと環状板部42とを対向させて、その間に粘性体収容室を 形成し、環状板部42の一方の側面が外部に露出するようにして構成してもよい 。
【0017】
【考案の効果】
以上のように本考案によれば、シートバックの前方への回動復帰をスムーズに して搭乗者への衝撃を和らげることができ、しかもシートバックの後方への回動 をほとんど抵抗なしに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の好ましい一具体例に適用された抵抗力
付与手段の一例の図2に示すII−II線断面図であ
る。
【図2】図1に示す抵抗力付与手段の一例の側面図であ
る。
【図3】本考案の好ましい一具体例の全体説明図であ
る。
【符号の説明】
1 車両用リクライニングシート装置 2 シートクッション 3 ヒンジ機構 4 シートバック 5 抵抗力付与手段 11 ケーシング 12 微小間隙 13 粘性体収容室 15 高粘性体

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションと、前後方向の所定の
    角度範囲で傾動可能にシートクッションにヒンジ機構を
    介して連結されており、後傾状態にある際には、前方へ
    の弾性的戻り力が与えられるシートバックと、弾性的戻
    り力によるシートバックの回動に対して抵抗力を与える
    抵抗力付与手段とを具備した車両用リクライニングシー
    ト装置であって、抵抗力付与手段は、ケーシングと、こ
    のケーシングに対して相対的に回転自在になるように装
    着されており、ケーシングとの間に微小間隙からなる粘
    性体収容室を形成する相対回転部材と、この相対回転部
    材の相対回転に対して粘性剪断抵抗を及ぼすべく、粘性
    体収容室に封入された高粘性体とを具備する車両用リク
    ライニングシート装置。
  2. 【請求項2】 ケーシングは、一対の対向して配された
    半割環状部材からなり、一対の半割環状部材の対向面に
    は、同心状に複数の環状溝が形成されており、相対回転
    部材の側面には、一対の半割環状部材との間に微小間隙
    を形成して環状溝に配される同心状の複数の環状突起が
    形成されている請求項1に記載の車両用リクライニング
    シート装置。
  3. 【請求項3】 ケーシングは、シートバックのフレーム
    に取り付けられており、相対回転部材は、ヒンジ機構の
    固定軸に取り付けられている請求項1又は2に記載の車
    両用リクライニングシート装置。
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