JPH0737711A - 酸化物磁性材料及びそれを用いたインダクタ - Google Patents

酸化物磁性材料及びそれを用いたインダクタ

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JPH0737711A
JPH0737711A JP5178742A JP17874293A JPH0737711A JP H0737711 A JPH0737711 A JP H0737711A JP 5178742 A JP5178742 A JP 5178742A JP 17874293 A JP17874293 A JP 17874293A JP H0737711 A JPH0737711 A JP H0737711A
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JP
Japan
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inductor
magnetic core
ferrite
oxide
magnetic material
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JP5178742A
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Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インダクタの磁芯用フェライト材料を改善す
ることにより,インダクタのQを改善し,高性能なイン
ダクタ及びその磁芯に用いられる酸化物磁性材料を提供
すること。 【構成】 磁芯用酸化物磁性材料は,Ni,Cu,Z
n,Co,Feの酸化物を主成分として含有するスピネ
ル型フェライト焼結体において,一般式 a(Ni
(1-x) ・Cux )O・bZnO・dCoO・cFe2
3 ,(但し,a+b+c+d=100, 0.1≦x
≦0.8,0≦b≦35,32.0≦c≦48.5,0
≦d≦3.5)で示される組成比を有する。この酸化物
磁性材料からなる磁芯に,絶縁被覆導線を巻回して樹脂
でモールドしてインダクタを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,インダクタに使用され
るスピネル型フェライト磁芯材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,この種の軟磁性材料には,金属に
比べ電気抵抗が高くなり,周波数特性が高周波化できる
ことから,スピネル型フェライトが使用されてきた。ス
ピネル型フェライトの中でも,Mn−Zn系フェライト
は,高い磁束密度と高い透磁率が得られることから,最
も使用されてきた。しかしながら,この材料は,直流比
抵抗ρODで約1×103 Ω・cmと電気抵抗があまり大
きくなく,また適用周波数帯も500kHz程度が上限
である。
【0003】現在,これらインダクタの使用される領域
では,高周波化,小型化,軽量化が急速に進行してい
る。そのため,インダクタンス素子は表面実装化が進展
している。したがって,この種の材料は,できるだけ省
力化も図られ,例えば,絶縁処理を施すよりも,絶縁性
の高い材料が,巻線時等の絶縁被膜の破損によるインダ
クタンスのバラツキが皆無となるので有用となる。そこ
で,Ni系フェライトの組成を特定範囲に制御すること
により,高周波化への適用及び,材料の高抵抗化が可能
となり,この種のフェライト材料が,いわゆるチップイ
ンダクタとして工業化されてきている。このチップイン
ダクタのひとつに,フェライト磁芯材料に電気導体を巻
線した後,樹脂等をモールドして構成されるモールド型
インダクタがある。
【0004】本発明者は,以前にこのモールド型インダ
クタ用磁芯材料として,主成分の組成比がa(Ni
(1-x) ・Cux )O・bZnO・cFe2 3 ,0.1
x≦0.8,a+b+c=100,0≦b≦35,32
≦c≦48.5で,Tcが100℃以上を有するNi−
Cu−Zn系フェライト材料が有用であることを特願平
4−243653に提案している。ここで,x=0.1
〜0.8としたのは,フェライト材料のμの温度変化が
0.1〜0.8の範囲で負を示し,b=0〜35とした
のは,μはbの増加とともに明らかに向上し,35で極
大を示し,それ以上ではμの減少に加えTcの減少をと
もない,ZnO置換による正の効果が期待できなくな
り,c=32〜48.5としたのは,48.5以下でμ
の温度係数が負を示し,32以下では損失係数tanδ
が明らかに大きくなるためである。また,フェライト材
料のTcを100℃以上としたのは,μの著しい減少は
Tcより約20℃低い温度からTcの間で生ずるので,
インダクタの使用上限温度が80℃以上を可能とした場
合,材料のTcとしては100℃以上が必要となるため
である。このことにより,樹脂モールド型インダクタの
インダクタンスの温度変化を著しく低減できることを発
見している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前述し
たNi−Cu−Zn系フェライト磁芯の材料特性とし
て,損失係数tanδの逆数であるQ(Qの値が大きい
程損失が小さく,高性能となる)が100前後を有して
いるにもかかわらず,インダクタを構成した場合,巻
線,電極付け,モールド等によりインダクタのQは1/
3程度に低下してしまう。したがって,これらインダク
タの構成によっても,インダクタのQが高い値を示す材
料であることが,工業上非常に有益となる。
【0006】そこで,本発明の技術的課題は,インダク
タの磁芯用フェライト材料を改善することにより,イン
ダクタのQを改善し,高性能なインダクタ及びその磁芯
に用いられる酸化物磁性材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は,種々検討を
重ねた結果,前述した組成を使用したインダクタのQを
改善する方法として,フェライト材料の組成比を,次の
一般式で示されるようにすることが,極めて有効である
ことがわかった。
【0008】本発明によれば,Ni,Cu,Zn,C
o,Feの酸化物を主成分として含有するスピネル型フ
ェライト焼結体において,一般式 a(Ni(1-x) ・C
x )O・bZnO・dCoO・cFe2 3 ,但し,
a+b+c+d=100,0.1≦x≦0.8,0≦b
≦35,32.0≦c≦48.5,0≦d≦3.5,で
示される組成比を有することを特徴とする磁芯用酸化物
磁性材料が得られる。
【0009】本発明によれば,前記磁性材料からなる磁
芯に,絶縁被覆導線を巻回して樹脂でモールドしたこと
を特徴とするインダクタが得られる。
【0010】ここで,本発明において,インダクタのQ
が向上する原因は,CoOの添加により,フェライト磁
芯材料のQが著しく改善されるためであり,最大で約3
倍に向上している。また,本発明において,CoO添加
による効果は,フェライト磁芯材料に発生する壁の固着
化に起因し,緩和現象の分布を狭くするためであると考
える。本発明において,組成比におけるa,b,cは前
述した理由によるものである。また,本発明において,
dを0.02〜3.00の範囲としたのは,インダクタ
のQの著しい向上が0〜3.5の範囲で認められるから
であり,dが0以上でQの向上は明らかに見られ,3.
5以上では高価なCoOを使用しても,Q向上が見られ
なくなり,工業上の有益性がなくなるからである。
【0011】尚,本発明においては,中でもQが著しく
向上する領域は0.02≦d≦3.00の範囲である。
【0012】
【実施例】以下,本発明の実施例について述べる。
【0013】化学組成比が(22.5−d)(Ni0.7
・Cu0.3 )O・dCoO・30ZnO・47.5Fe
2 3 とし,ここでd=0,0.1,0.2,0.3,
0.4,0.5,1.0,2.0,3.0,4.0とな
るように,酸化鉄(α−Fe2 3 )と酸化ニッケル
(NiO),酸化第2鉛(CuO)及び酸化亜鉛(Zn
O),三二酸化コバルト(Co2 3 )を原料とし,ボ
ールミルにて20時間湿式混合した。次に,これら原料
混合粉末を大気中800℃で2時間仮焼した後,ボール
ミルにて3時間湿式粉砕し,成形用粉末とした。
【0014】次に,これら成形用粉末にPVAを1wt
%湿式混合した後,成形圧2トン/cm2 で直径20m
m,高さ10mmになるように金型を使用し,圧縮成形
した。次にこれら成形体を,大気中,徐熱,炉冷にて,
1000℃で4時間焼結した。
【0015】次に,この焼結体を加工し,直径1mm,
長さ3mmの棒状フェライト磁芯を作製した。
【0016】次に,これらフェライト棒に直径30μm
の絶縁被覆銅線を30〜150回巻線した後,約160
℃でエポキシ樹脂を射出成形し,外径が1.5×1.5
×3.5mmの直方体状のモールド型インダクタを作製
した。次に,これらインダクタの特性を,インピーダン
スアナライザーを使用して測定したところ,インダクタ
ンスは30〜100μHの間にあった。これら素子にお
いて,Qが最大を示した値をQmax とし,Qが極大を示
す周波数をfQp として,フェライトの組成との関係で
示すと,図1の様になる。図1で示す通りQの著しい向
上はdが0以上で認められ,dが3.5以上ではQ向上
の効果は認められなくなる。したがって,0<d≦3.
5の範囲が有用となる。中でも0.02≦d≦3.00
の範囲でQが著しく向上している。ちなみに,本発明の
実施例で示したインダクタは,約1〜9MHzの範囲の
周波数帯で有用となることが,fQp の値で判断でき
る。
【0017】尚,これらフェライト焼結体の直流電気抵
抗をブリッジを用いて測定したところ,2×108 Ω・
cm〜5×1010Ω・cmの範囲にあった。
【0018】また,これら焼結体の100kHzにおけ
る透磁率の−20℃〜80℃における温度変化を測定し
たところ−0.4〜−0.1%/℃の範囲にあった。
【0019】また,これら焼結体をX線回折法により結
晶構造を解析したところ,スピネル型フェライトである
ことが確認できた。
【0020】尚,上記した本発明の実施例では,Ni
O,CuO,α−Fe2 3 ,ZnO,Co2 3 を原
料として使用したフェライト焼結体についてのみ述べて
いるが,必ずしもこれら酸化物に限定されるものでな
く,焼結体がスピネル型フェライトを構成するものであ
れば,本発明の範囲にあることは,当業者であれば容易
に理解できる。また,Ni,Cu,Zn,Fe,Coを
主成分として含有しているスピネル型フェライトであれ
ば,他の元素を含有していたとしても,本発明の範囲に
含まれる。また,粉末の予備焼成及び成形体の焼結を大
気中で行なっているが,焼結における生成物がスピネル
型フェライトであれば,成形用粉末の製法が,予備焼成
なし,共沈法,水熱合成法,噴霧焙焼法等を適用して
も,焼結雰囲気が大気中に比べ,酸化性であっても,還
元性であっても,本発明の範囲にある。更に,成形体の
成形法についても特に上記実施例に限定されるものでな
い。
【0021】
【発明の効果】以上,説明したように本発明において
は,Ni,Cu,Zn,Co,Feの酸化物を主成分と
して含有するスピネル型フェライト焼結体において,組
成比をa(Ni(1-x) ・Cux )O・bZnO・dCo
O・cFe2 3 ,a+b+c+d=100,0.1≦
x≦0.8,0≦b≦35,32.0≦c≦48.5,
0≦d≦3.5とすることにより,インダクタのQ向上
を実現できるフェライト磁芯材料を,工業的に有用に製
造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるモールド型インダクタ
のQの最大値Qmax と,Qが極大を示した周波数fQp
と組成の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 17/04 F 7319−5E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni,Cu,Zn,Co,Feの酸化物
    を主成分として含有するスピネル型フェライト焼結体に
    おいて,一般式 a(Ni(1-x) ・Cux )O・bZnO・dCoO・cFe2 3 , 但し,a+b+c+d=100, 0.1≦x≦0.
    8,0≦b≦35,32.0≦c≦48.5,0≦d≦
    3.5, で示される組成比を有することを特徴とする磁芯用酸化
    物磁性材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸化物磁性材料からなる
    磁芯に,絶縁被覆導線を巻回して樹脂でモールドしたこ
    とを特徴とするインダクタ。
JP5178742A 1993-07-20 1993-07-20 酸化物磁性材料及びそれを用いたインダクタ Pending JPH0737711A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6071430A (en) * 1996-04-05 2000-06-06 Thomson-Csf Low-loss ferrite working between 1 MHZ and 100 MHZ and method of manufacture
US6166422A (en) * 1998-05-13 2000-12-26 Lsi Logic Corporation Inductor with cobalt/nickel core for integrated circuit structure with high inductance and high Q-factor
US6803130B1 (en) 1999-10-27 2004-10-12 Murata Manufacturing Co. Ltd. Composite magnetic material and inductor element
WO2005104298A1 (ja) * 2004-04-27 2005-11-03 Sony Corporation アンテナモジュール用磁芯部材、アンテナモジュールおよびこれを備えた携帯情報端末
US7399523B2 (en) 2003-05-07 2008-07-15 Meiji University Legal Person Spinel ferrimagnetic particles and magnetic recording medium

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030122