JPH097814A - 酸化物磁性材料及びその製造方法 - Google Patents
酸化物磁性材料及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH097814A JPH097814A JP7173989A JP17398995A JPH097814A JP H097814 A JPH097814 A JP H097814A JP 7173989 A JP7173989 A JP 7173989A JP 17398995 A JP17398995 A JP 17398995A JP H097814 A JPH097814 A JP H097814A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oxide
- magnetic material
- sio
- less
- oxide magnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Dispersion Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Compounds Of Iron (AREA)
- Magnetic Ceramics (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 30MHz以上で、磁気損失が小さく、低温
焼結が可能な酸化物磁性材料及びその製造方法を提供す
ること。 【構成】 Ni,Cu,Zn,Feの酸化物を主成分と
するスピネル型フェライトであって、その組成比をa
[Ni(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但し
a+b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、
20≦c≦40)とし、更に、副成分として1.0wt
%以下(0を含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0
を含まず)のBi2O3を含有させる。
焼結が可能な酸化物磁性材料及びその製造方法を提供す
ること。 【構成】 Ni,Cu,Zn,Feの酸化物を主成分と
するスピネル型フェライトであって、その組成比をa
[Ni(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但し
a+b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、
20≦c≦40)とし、更に、副成分として1.0wt
%以下(0を含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0
を含まず)のBi2O3を含有させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物磁性材料に関
し、特に、高周波帯域で使用されるスピネル型フェライ
ト磁性材料に関するものである。
し、特に、高周波帯域で使用されるスピネル型フェライ
ト磁性材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器技術の進歩により電子機
器内で扱われる信号の周波数帯域が高周波側に広がり、
その帯域は10MHz〜数GHzにまで及んでいる。加
えて、近年の電子機器の小型化の要求に伴い、磁性材料
に対してQ(損失係数tanδの逆数)の向上が要求さ
れている。
器内で扱われる信号の周波数帯域が高周波側に広がり、
その帯域は10MHz〜数GHzにまで及んでいる。加
えて、近年の電子機器の小型化の要求に伴い、磁性材料
に対してQ(損失係数tanδの逆数)の向上が要求さ
れている。
【0003】従来、この様な高周波帯域で使用されるイ
ンダクタンス素子用の軟磁性材料には、金属材料に比べ
比抵抗が高く、高周波帯域でも使用可能なMn−Zn系
フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Zn系フ
ェライトで代表されるようなスピネル型フェライト焼結
体が使用されてきた。
ンダクタンス素子用の軟磁性材料には、金属材料に比べ
比抵抗が高く、高周波帯域でも使用可能なMn−Zn系
フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mg−Zn系フ
ェライトで代表されるようなスピネル型フェライト焼結
体が使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような高周波帯域
で使用される磁性材料として、昭55−136172に
開示されているものがある。しかしながら、ここで示さ
れている組成範囲の材料は、透磁率(μ)が高く、通
常、10MHz以下の周波数に適応したものであり、そ
れ以上の周波数帯域においては損失が極めて大きく、1
0MHz以上で用いる高周波用磁性材料として使用が不
可能であるという欠点を有していた。
で使用される磁性材料として、昭55−136172に
開示されているものがある。しかしながら、ここで示さ
れている組成範囲の材料は、透磁率(μ)が高く、通
常、10MHz以下の周波数に適応したものであり、そ
れ以上の周波数帯域においては損失が極めて大きく、1
0MHz以上で用いる高周波用磁性材料として使用が不
可能であるという欠点を有していた。
【0005】ところで、このような酸化物磁性材料は、
酸化鉄、酸化ニッケル、酸化第二銅、酸化亜鉛に所定の
添加物を加え、ボールミル等で混合し、仮焼し、この仮
焼粉末を粉砕し、造粒し、950℃程度で焼結して得ら
れる。
酸化鉄、酸化ニッケル、酸化第二銅、酸化亜鉛に所定の
添加物を加え、ボールミル等で混合し、仮焼し、この仮
焼粉末を粉砕し、造粒し、950℃程度で焼結して得ら
れる。
【0006】しかし、焼結温度が950℃と高いため、
製造コストが高いという問題があった。
製造コストが高いという問題があった。
【0007】そこで、本発明の課題は、低温焼結可能で
30MHz以上の高周波帯域で磁気損失が小さい高周波
用酸化物磁性材料を提供することにある。
30MHz以上の高周波帯域で磁気損失が小さい高周波
用酸化物磁性材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、種々検討を
重ねた結果、Ni,Cu,Zn,Feの酸化物を主成分
として含有するスピネル型フェライト焼結体において、
主成分の組成がmol比で、a[Ni(1-x)・Cux]O
・bZnO・cFe2O3(但し、a+b+c=100、
0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦c≦40)で表
され、更に、副成分として、1.0wt%以下(0含ま
ず)のSiO2、3.0wt%以下(0含まず)のBi2
O3を含有させることにより、30MHz以上の周波数
帯域に適用可能なスピネル型フェライト材料を工業的に
有用に製造できることを見い出した。
重ねた結果、Ni,Cu,Zn,Feの酸化物を主成分
として含有するスピネル型フェライト焼結体において、
主成分の組成がmol比で、a[Ni(1-x)・Cux]O
・bZnO・cFe2O3(但し、a+b+c=100、
0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦c≦40)で表
され、更に、副成分として、1.0wt%以下(0含ま
ず)のSiO2、3.0wt%以下(0含まず)のBi2
O3を含有させることにより、30MHz以上の周波数
帯域に適用可能なスピネル型フェライト材料を工業的に
有用に製造できることを見い出した。
【0009】即ち、本発明は、主成分の組成比がa[N
i(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但しa+
b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20
≦c≦40)で表され、更に、副成分として1.0wt
%以下(0含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0含
まず)のBi2O3を含有することを特徴とする酸化物磁
性材料である。
i(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但しa+
b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20
≦c≦40)で表され、更に、副成分として1.0wt
%以下(0含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0含
まず)のBi2O3を含有することを特徴とする酸化物磁
性材料である。
【0010】又、本発明は、主成分の組成がa[Ni
(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但しa+b
+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦
c≦40)で表され、副成分として、1.0wt%以下
(0を含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0を含ま
ず)のBi2O3を含有する焼結体からなる酸化物磁性材
料の製造方法において、所定重量の酸化鉄(Fe2O3)
、酸化ニッケル(NiO)、酸化第二銅(CuO)、
及び酸化亜鉛(ZnO)の原料に、所定重量の二酸化ケ
イ素(SiO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)を添加
し、これらを混合し、仮焼し、解砕、成形した後、84
0℃以上950℃未満で焼結することを特徴とする酸化
物磁性材料の製造方法である。
(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但しa+b
+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦
c≦40)で表され、副成分として、1.0wt%以下
(0を含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0を含ま
ず)のBi2O3を含有する焼結体からなる酸化物磁性材
料の製造方法において、所定重量の酸化鉄(Fe2O3)
、酸化ニッケル(NiO)、酸化第二銅(CuO)、
及び酸化亜鉛(ZnO)の原料に、所定重量の二酸化ケ
イ素(SiO2)、酸化ビスマス(Bi2O3)を添加
し、これらを混合し、仮焼し、解砕、成形した後、84
0℃以上950℃未満で焼結することを特徴とする酸化
物磁性材料の製造方法である。
【0011】本発明の酸化物磁性材料の主成分組成をa
[Ni(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但
し、a+b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦
8、20≦c≦30)とした理由は、以下に示す通りで
ある。
[Ni(1-x)・Cux]O・bZnO・cFe2O3(但
し、a+b+c=100、0.1≦x≦0.8、0≦b≦
8、20≦c≦30)とした理由は、以下に示す通りで
ある。
【0012】xがこの範囲外では、μの温度特性が著し
く劣化し、磁性材料としての信頼性が悪くなるからであ
る。
く劣化し、磁性材料としての信頼性が悪くなるからであ
る。
【0013】b,cがこの範囲外では、μが適当な値を
得られず、目的とする周波数帯域(30MHz以上)で
有用なものでなくなるからである。
得られず、目的とする周波数帯域(30MHz以上)で
有用なものでなくなるからである。
【0014】又、主成分に対して、1.0wt%以下
(0含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0含まず)
のBi2O3を含むこととしたのは、SiO2,及びBi2
O3のどちらかが0でも、特性向上と低温焼結化に対し
て、あまり効果が得られず、又、SiO2,Bi2O3を
標記範囲を越えて添加しても、それ以上の改善はみられ
なくなるからである。
(0含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0含まず)
のBi2O3を含むこととしたのは、SiO2,及びBi2
O3のどちらかが0でも、特性向上と低温焼結化に対し
て、あまり効果が得られず、又、SiO2,Bi2O3を
標記範囲を越えて添加しても、それ以上の改善はみられ
なくなるからである。
【0015】又、焼結温度を840℃以上950℃未満
としたのは、840℃未満であると、焼結密度が上がら
ず、所定の磁気特性が得られないからである。
としたのは、840℃未満であると、焼結密度が上がら
ず、所定の磁気特性が得られないからである。
【0016】
【作用】主成分に対して、SiO2,Bi2O3の両副成
分を含有させることにより、材料の焼結性が向上し、低
温焼結でも充分に密度飽和に到達することが可能となる
ため、結晶粒成長を抑制することができ、渦電流損失や
残留損失を低減させることができると考えられ、高い周
波数帯域においても、インダクタンス素子として使用し
た時のQを向上させることが可能となる。
分を含有させることにより、材料の焼結性が向上し、低
温焼結でも充分に密度飽和に到達することが可能となる
ため、結晶粒成長を抑制することができ、渦電流損失や
残留損失を低減させることができると考えられ、高い周
波数帯域においても、インダクタンス素子として使用し
た時のQを向上させることが可能となる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】(実施例1)酸化鉄(α−Fe2O3)、酸
化ニッケル(NiO)、酸化第二銅(CuO)、酸化亜
鉛(ZnO)を出発原料として、主成分の化学組成比が
60[Ni(1-x)・Cux]O・5ZnO・35Fe2O
3(但し、x=0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.
5,0.6,0.7,0.8,0.9)となるように調整
し、更に、副成分として、主成分に対して0.5wt%
のSiO2と、2.0wt%のBi2O3を添加し、ボール
ミルにて20時間湿式混合した。ここで、原料粉末は、
平均粒度が全て0.5μm以下のものを使用した。
化ニッケル(NiO)、酸化第二銅(CuO)、酸化亜
鉛(ZnO)を出発原料として、主成分の化学組成比が
60[Ni(1-x)・Cux]O・5ZnO・35Fe2O
3(但し、x=0,0.1,0.2,0.3,0.4,0.
5,0.6,0.7,0.8,0.9)となるように調整
し、更に、副成分として、主成分に対して0.5wt%
のSiO2と、2.0wt%のBi2O3を添加し、ボール
ミルにて20時間湿式混合した。ここで、原料粉末は、
平均粒度が全て0.5μm以下のものを使用した。
【0019】次に、これらの原料混合粉末を大気中80
0℃で2時間仮焼した後、ボールミルにて3時間湿式粉
砕し、成形用粉末とした。
0℃で2時間仮焼した後、ボールミルにて3時間湿式粉
砕し、成形用粉末とした。
【0020】次に、これらの成形用粉末を外径10m
m、内径2mmの金型を用いて、高さ10mmの成形体
となるように圧縮成形した。更に、これらの成形体を大
気中、徐熱、炉冷にて、850℃で4時間保持して焼結
した。これら焼結体は、外径約8.5mm、内径約1.7
mm、高さ約7.5mmであった。
m、内径2mmの金型を用いて、高さ10mmの成形体
となるように圧縮成形した。更に、これらの成形体を大
気中、徐熱、炉冷にて、850℃で4時間保持して焼結
した。これら焼結体は、外径約8.5mm、内径約1.7
mm、高さ約7.5mmであった。
【0021】次に、これらの焼結体の30MHzにおけ
るμと、μの温度変化率(△μT)を測定した。なお、
△μTは、20℃におけるμ値を基準とした場合の0℃
〜80℃におけるμの変化率を表し、△μT=(μ80−
μ0)/(μ20×80)×100(%/℃)より求め
た。ここで、μ0,μ20,μ80は、それぞれ0℃,20
℃,80℃におけるμの値を表す。その結果を図1に示
す。
るμと、μの温度変化率(△μT)を測定した。なお、
△μTは、20℃におけるμ値を基準とした場合の0℃
〜80℃におけるμの変化率を表し、△μT=(μ80−
μ0)/(μ20×80)×100(%/℃)より求め
た。ここで、μ0,μ20,μ80は、それぞれ0℃,20
℃,80℃におけるμの値を表す。その結果を図1に示
す。
【0022】図1に示すように、x=0.1〜0.8の範
囲を越えると、△μTが著しく大きくなることがわか
る。従って、コイルとして用いた時の安定性が低下す
る。
囲を越えると、△μTが著しく大きくなることがわか
る。従って、コイルとして用いた時の安定性が低下す
る。
【0023】(実施例2)実施例1と同様にして、主成
分の化学組成比がa(Ni0.7・Cu0.3)O・bZnO・
25Fe2O3(但し、a+b=75,b=0,1,2,
3,4,5,6,7,8,9,10)、更に、副成分が
0.5wt%SiO2、2wt%Bi2O3となるように、
成形用粉末を作製し、成形体を得た。次に、これらの成
形体を大気中、徐熱・炉冷にて、850℃で4時間保持
して焼結した。
分の化学組成比がa(Ni0.7・Cu0.3)O・bZnO・
25Fe2O3(但し、a+b=75,b=0,1,2,
3,4,5,6,7,8,9,10)、更に、副成分が
0.5wt%SiO2、2wt%Bi2O3となるように、
成形用粉末を作製し、成形体を得た。次に、これらの成
形体を大気中、徐熱・炉冷にて、850℃で4時間保持
して焼結した。
【0024】次に、これら焼結体に巻数10ターンの巻
線をし、焼結体の30MHzにおけるμ、及び巻線した
コイルのQが最大となる周波数(fQmax)を測定し
た。その結果を図2に示す。
線をし、焼結体の30MHzにおけるμ、及び巻線した
コイルのQが最大となる周波数(fQmax)を測定し
た。その結果を図2に示す。
【0025】図2に示すように、bの増加に伴って、材
料のμが向上するに従い、fQmaxが低周波側に変移し
ていくことがわかる。b=8を越えると、fQmaxが3
0MHzを下回ることがわかる。
料のμが向上するに従い、fQmaxが低周波側に変移し
ていくことがわかる。b=8を越えると、fQmaxが3
0MHzを下回ることがわかる。
【0026】(実施例3)実施例1と同様にして、主成
分の化学組成比がa(Ni0.7・Cu0.3)O・5ZnO・
cFe2O3(但し、a+c=95,c=19,20,2
1,22,24,26,28,30,34,36,4
0,41,42)、更に、副成分が0.5wt%Si
O2、2wt%Bi2O3となるように、成形用粉末を作
製し、成形体を得た。次に、これらの成形体を大気中、
徐熱・炉冷にて850℃で4時間保持して焼結した。
分の化学組成比がa(Ni0.7・Cu0.3)O・5ZnO・
cFe2O3(但し、a+c=95,c=19,20,2
1,22,24,26,28,30,34,36,4
0,41,42)、更に、副成分が0.5wt%Si
O2、2wt%Bi2O3となるように、成形用粉末を作
製し、成形体を得た。次に、これらの成形体を大気中、
徐熱・炉冷にて850℃で4時間保持して焼結した。
【0027】次に、これら焼結体に巻数10ターンの巻
線をし、焼結体の30MHzにおけるμ、及び巻線した
コイルのfQmaxを測定した。その結果を図3に示す。
線をし、焼結体の30MHzにおけるμ、及び巻線した
コイルのfQmaxを測定した。その結果を図3に示す。
【0028】図3に示すように、cの増加に伴って、材
料のμが向上するに従い、fQmaxが低周波側に変移し
ていくことがわかる。c=40越えると、fQmaxが3
0MHzを下回ることがわかる。
料のμが向上するに従い、fQmaxが低周波側に変移し
ていくことがわかる。c=40越えると、fQmaxが3
0MHzを下回ることがわかる。
【0029】又、c=20を下回る範囲では、材料のμ
が5未満となり、コイル等に使用した時のインダクタン
スを充分に得ることが困難となる。
が5未満となり、コイル等に使用した時のインダクタン
スを充分に得ることが困難となる。
【0030】(実施例4)実施例1と同様にして、主成
分の化学組成比が、70(Ni0.7・Cu0.3)O・5Zn
O・25Fe2O3である主成分に対し、0,0.1,0.
3,0.5,1,2wt%のSiO2、0,0.1,0.
3,0.5,1,2,3,4wt%のBi2O3を、それ
ぞれ単独で含有する成形用粉末、0.5wt%SiO2、
2wt%Bi2O3を同時に含有する成形用粉末、1wt
%SiO2、3wt%Bi2O3を同時に含有する成形用
粉末、及び添加物を含有しない成形用粉末を作製し、成
形体を得た。
分の化学組成比が、70(Ni0.7・Cu0.3)O・5Zn
O・25Fe2O3である主成分に対し、0,0.1,0.
3,0.5,1,2wt%のSiO2、0,0.1,0.
3,0.5,1,2,3,4wt%のBi2O3を、それ
ぞれ単独で含有する成形用粉末、0.5wt%SiO2、
2wt%Bi2O3を同時に含有する成形用粉末、1wt
%SiO2、3wt%Bi2O3を同時に含有する成形用
粉末、及び添加物を含有しない成形用粉末を作製し、成
形体を得た。
【0031】次に、これらの成形体を800℃〜950
℃の範囲で4時間焼結した後、焼結体の密度、焼結体の
周波数30MHzでのμ、及びこの焼結体を用いた時の
コイルのQmaxを測定した。
℃の範囲で4時間焼結した後、焼結体の密度、焼結体の
周波数30MHzでのμ、及びこの焼結体を用いた時の
コイルのQmaxを測定した。
【0032】図4に、主成分の組成比が70(Ni0.7・
Cu0.3)O・5ZnO・25Fe2O3で表される主原料
に、SiO2、及びBi2O3を、それぞれ単独で添加し
た場合の添加量と焼結密度飽和到達温度の関係を示し
た。図4(曲線1,2参照)より、SiO2,Bi2O3
を、それぞれ単独で添加した場合の密度飽和到達温度
は、1wt%SiO2,3wt%Bi2O3で、それぞれ
約880℃付近まで低下するが、それ以上添加しても、
密度飽和到達温度に著しい変化は表れなくなる。
Cu0.3)O・5ZnO・25Fe2O3で表される主原料
に、SiO2、及びBi2O3を、それぞれ単独で添加し
た場合の添加量と焼結密度飽和到達温度の関係を示し
た。図4(曲線1,2参照)より、SiO2,Bi2O3
を、それぞれ単独で添加した場合の密度飽和到達温度
は、1wt%SiO2,3wt%Bi2O3で、それぞれ
約880℃付近まで低下するが、それ以上添加しても、
密度飽和到達温度に著しい変化は表れなくなる。
【0033】又、表1に、1wt%SiO2,3wt%
Bi2O3,0.5wt%SiO2+2wt%Bi2O3、及
び1wt%SiO2+3wt%Bi2O3を添加した成形
体、及びSiO2,Bi2O3を添加しない成形体の密度
飽和到達温度、μ、Qmaxを示した。
Bi2O3,0.5wt%SiO2+2wt%Bi2O3、及
び1wt%SiO2+3wt%Bi2O3を添加した成形
体、及びSiO2,Bi2O3を添加しない成形体の密度
飽和到達温度、μ、Qmaxを示した。
【0034】
【0035】表1から明かに、SiO2,Bi2O3を同
時に含有することにより、焼結体の密度飽和温度を著し
く低下させることができ、コイルのQを向上させること
が可能となることがわかる。
時に含有することにより、焼結体の密度飽和温度を著し
く低下させることができ、コイルのQを向上させること
が可能となることがわかる。
【0036】なお、本実施例では、NiO,CuO,Z
nO,α−Fe2O3,SiO2,Bi2O3を原料として
使用した酸化物磁性材料のみについて述べているが、必
ずしも、原料として用いるものは、これら酸化物に限定
されるものではなく、最終組成が本発明に一致し、焼結
体がスピネル型フェライトを形成するものであれば、他
の原料を用いたものも本発明の範囲にある。
nO,α−Fe2O3,SiO2,Bi2O3を原料として
使用した酸化物磁性材料のみについて述べているが、必
ずしも、原料として用いるものは、これら酸化物に限定
されるものではなく、最終組成が本発明に一致し、焼結
体がスピネル型フェライトを形成するものであれば、他
の原料を用いたものも本発明の範囲にある。
【0037】又、粉末の予備焼成、及び成形体の焼結を
大気中で行っているが、焼結における生成物がスピネル
型フェライトであれば、成形用粉末の製法が、予備焼成
なし、共沈法、水熱合成法、噴霧焙焼法を適用しても、
焼成雰囲気が、大気中に比べて酸化性であっても、還元
性であっても、本発明の範囲にある。
大気中で行っているが、焼結における生成物がスピネル
型フェライトであれば、成形用粉末の製法が、予備焼成
なし、共沈法、水熱合成法、噴霧焙焼法を適用しても、
焼成雰囲気が、大気中に比べて酸化性であっても、還元
性であっても、本発明の範囲にある。
【0038】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明によれば、
30MHz以上で、磁気損失が小さく、低温焼結が可能
な酸化物磁性材料及びその製造方法を提供できた。
30MHz以上で、磁気損失が小さく、低温焼結が可能
な酸化物磁性材料及びその製造方法を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるCuの組成値xに対する本発
明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前後に
おけるμ、および△μTの関係を示す図。図1(a)は
xとμの関係を示す図。図1(b)はxと△μTの関係
を示す図。
明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前後に
おけるμ、および△μTの関係を示す図。図1(a)は
xとμの関係を示す図。図1(b)はxと△μTの関係
を示す図。
【図2】実施例2におけるZnOの組成値bに対する本
発明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前後
におけるμ、及び10ターンの巻線を施したコイルのQ
maxとなる周波数fQmaxの関係を示す図。図2(a)は
bとμの関係を示す図。図2(b)はbとfQmaxの関
係を示す図。
発明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前後
におけるμ、及び10ターンの巻線を施したコイルのQ
maxとなる周波数fQmaxの関係を示す図。図2(a)は
bとμの関係を示す図。図2(b)はbとfQmaxの関
係を示す図。
【図3】実施例3におけるFe2O3の組成値cに対する
本発明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前
後におけるμ、及び10ターンの巻線を施したコイルの
Qmaxとなる周波数fQmaxの関係を示す図。図3(a)
はcとμの関係を示す図。図3(b)はcとfQmaxの
関係を示す図。
本発明の酸化物磁性材料を用いたコイルの30MHz前
後におけるμ、及び10ターンの巻線を施したコイルの
Qmaxとなる周波数fQmaxの関係を示す図。図3(a)
はcとμの関係を示す図。図3(b)はcとfQmaxの
関係を示す図。
【図4】実施例4におけるSiO2、及びBi2O3添加
量と焼結体の密度飽和到達温度の関係を示す図。
量と焼結体の密度飽和到達温度の関係を示す図。
1 SiO2の添加量を変えた場合 2 Bi2O3の添加量を変えた場合
Claims (2)
- 【請求項1】 主成分の組成比がa[Ni(1-x)・C
ux]O・bZnO・cFe2O3(但しa+b+c=1
00、0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦c≦4
0)で表され、更に、副成分として1.0wt%以下
(0含まず)のSiO2、3.0wt%以下(0含まず)
のBi2O3を含有することを特徴とする酸化物磁性材
料。 - 【請求項2】 主成分の組成がa[Ni(1-x)・Cux]
O・bZnO・cFe2O3(但しa+b+c=100、
0.1≦x≦0.8、0≦b≦8、20≦c≦40)で表
され、副成分として、1.0wt%以下(0を含まず)
のSiO2、3.0wt%以下(0を含まず)のBi2O3
を含有する焼結体からなる酸化物磁性材料の製造方法に
おいて、所定重量の酸化鉄(Fe2O3) 、酸化ニッケ
ル(NiO)、酸化第二銅(CuO)、及び酸化亜鉛
(ZnO)の原料に二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ビ
スマス(Bi2O3)を添加し、これらを混合し、仮焼
し、成形した後、大気中にて840℃以上950℃未満
で焼結することを特徴とする酸化物磁性材料の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7173989A JPH097814A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 酸化物磁性材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7173989A JPH097814A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 酸化物磁性材料及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH097814A true JPH097814A (ja) | 1997-01-10 |
Family
ID=15970717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7173989A Pending JPH097814A (ja) | 1995-06-16 | 1995-06-16 | 酸化物磁性材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH097814A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100628585B1 (ko) * | 1998-12-28 | 2006-09-27 | 티디케이가부시기가이샤 | 자성물질, 이 자성물질을 이용한 인덕턴스소자 및이것들의 제조방법 |
JP2010215453A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Fdk Corp | NiCuZnフェライト |
JP2010215454A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Fdk Corp | NiCuZnフェライト |
-
1995
- 1995-06-16 JP JP7173989A patent/JPH097814A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100628585B1 (ko) * | 1998-12-28 | 2006-09-27 | 티디케이가부시기가이샤 | 자성물질, 이 자성물질을 이용한 인덕턴스소자 및이것들의 제조방법 |
JP2010215453A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Fdk Corp | NiCuZnフェライト |
JP2010215454A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Fdk Corp | NiCuZnフェライト |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6147638B2 (ja) | フェライト組成物および電子部品 | |
KR20160118973A (ko) | 페라이트 조성물 및 전자 부품 | |
KR101886489B1 (ko) | 페라이트 조성물 및 전자 부품 | |
JPH09306716A (ja) | フェライト焼結体およびその製造方法 | |
JP3492802B2 (ja) | 低損失フェライト材料 | |
JP6142950B1 (ja) | フェライト組成物および電子部品 | |
JPH097814A (ja) | 酸化物磁性材料及びその製造方法 | |
JPH11307336A (ja) | 軟磁性フェライトの製造方法 | |
JP3590454B2 (ja) | 高周波用酸化物磁芯材料 | |
JP5387422B2 (ja) | フェライト組成物及び電子部品 | |
JP2816946B2 (ja) | 高周波用酸化物磁性材料 | |
JP2005108977A (ja) | Mn−Zn系フェライト、トランス用磁心およびトランス | |
JP5105660B2 (ja) | フェライト材料及びこれを用いたフェライトコア | |
JP2858091B2 (ja) | 高周波用酸化物磁性材料 | |
JP2006206355A (ja) | アンテナコイル、トランスポンダ | |
JP2802839B2 (ja) | 酸化物軟質磁性材料 | |
JPH0737711A (ja) | 酸化物磁性材料及びそれを用いたインダクタ | |
JP2005194134A (ja) | フェライトコアおよびその製造方法 | |
JP4701591B2 (ja) | フェライト組成物及び電子部品 | |
JP3467329B2 (ja) | 焼結磁心の製造方法および焼結磁心 | |
JP2718275B2 (ja) | 酸化物磁性材料 | |
JP2939035B2 (ja) | 酸化物軟質磁性材料 | |
JP3692057B2 (ja) | フェライト材料 | |
JPH0536515A (ja) | 磁性体材料およびその製造方法 | |
WO2023182133A1 (ja) | MnZn系フェライト |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040408 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040420 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040824 |