JPH0737565B2 - 射出成形用熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

射出成形用熱可塑性樹脂組成物

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JPH0737565B2
JPH0737565B2 JP61265113A JP26511386A JPH0737565B2 JP H0737565 B2 JPH0737565 B2 JP H0737565B2 JP 61265113 A JP61265113 A JP 61265113A JP 26511386 A JP26511386 A JP 26511386A JP H0737565 B2 JPH0737565 B2 JP H0737565B2
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康治 笠井
和郎 吉田
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な射出成形用熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、ポリアミ
ド、ポリフエニレンエーテル及びゴム状のブロツク共重
合体を実質的な構成成分とし、かつこれら3成分が特定
の分散形態でブレンド系を構成して成る、耐熱変形性、
耐衝撃性、耐油性、剛性、成形流動性などのバランスに
優れた射出成形用熱可塑性樹脂組成物に関するものであ
る。
従来の技術 従来、ポリアミド樹脂は機械的強度、耐油性、耐摩耗
性、耐熱性などに優れ、最も代表的なエンジニアリング
プラスチツクの1つとして、多量に利用されている。し
かしながら、このポリアミド樹脂は寸法安定性、吸湿
性、高荷重下での耐熱変形性、乾燥時の耐衝撃性などの
性質が他のプラスチツクに比べて低いという欠点を有し
ている。
これに対し、ポリフエニレンエーテル樹脂は寸法安定
性、電気的特性、高荷重下での耐熱変形性、耐水性など
に優れた樹脂であり、工業的にはポリスチレン系樹脂と
ブレンドされた形で幅広く利用されているが、このポリ
フエニレンエーテル樹脂は耐油性及び成形流動性に劣る
という大きな欠点を有している。
このため、前記の両樹脂のそれぞれの長所を生かし、両
者の欠点を相補うことを目的として、両樹脂をブレンド
することが試みられ、これまで種々の組成物が提案され
ている。例えば両樹脂を単純にブレンドしたもの、特に
溶融混合したブレンド樹脂が開示されている(特公昭45
−997号公報、特公昭59−41663号公報)。しかしなが
ら、ポリフエニレンエーテルとポリアミドとは本来相溶
しにくく、このような単純にブレンドしたものでは、機
械的強度に優れた成形品を得ることができない。
ままた、ポリフエニレンエーテル及びポリアミドと共
に、相溶性改良剤としてスチレン系化合物とα,β−不
飽和ジカルボン酸無水物との共重合体を配合し、さらに
耐衝撃性改良剤としてゴム状物質を添加した組成物も知
られている(特公昭59−33614号公報)。しかしなが
ら、この組成物においては、相溶性の改良により、機械
的性質や耐油性は向上するものの、両樹脂の相溶性改良
剤を介しての結合状態(おそらくグラフト反応によると
思われる)が過度になつて、両樹脂間の分散が著しく微
細化する結果、成形流動性が著しく低下するのを免れな
い上、高荷重下における耐熱変形性が十分に向上しない
などの欠点がある。
さらに、ポリアミド及びポリフエニレンエーテルに、他
の成分として分子内に(a)炭素−炭素二重結合又は三
重結合及び(b)カルボキシル基や酸無水物基などの官
能基を有する化合物を添加し、溶融混練して得られた編
成重合体や(特公昭60−11966号公報)、ゴム状物質を
添加して成る組成物(特開昭56−49753号公報)が提案
されている。しかしながら、これらにおいても、十分な
衝撃強度が得られない上に、成形流動性が劣るという欠
点を有している。
発明が解決しようとする問題点 このように、ポリアミドとポリフエニレンエーテルを成
分とする従来の組成物は、物性上何らかの欠点を有し、
耐衝撃性、耐熱変形性、剛性、成形流動性がいずれも優
れ、バランスのとれた物性をもつ射出成形用熱可塑性樹
脂組成物はこれまで見い出されていなかつた。
本発明の目的は、このような事情のもとで、ポリアミド
とポリフエニレンエーテルとのブレンド系において、耐
熱変形性、耐衝撃性、耐油性、剛性、成形流動性などの
バランスに優れた射出成形用熱可塑性樹脂組成物を提供
することにある。
問題点を解決するための手段 本発明者らは、前記のバランスのとれた物性を有する射
出成形用熱可塑性樹脂組成物を開発するために鋭意研究
を重ねた結果、ポリアミド、ポリフエニレンエーテル及
び補強剤としての特定構造を有するゴム状物質を所定の
割合で含有し、かつこれら3成分の分散形態を特定の状
態に調整した組成物によりその目的を達成しうることを
見い出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至つ
た。
すなわち、本発明は、 (A) ポリアミド、 (B) ポリフエニレンエーテル、及び (C) ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブ
ロツクと共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロ
ツクから構成され、該ビニル芳香族化合物単位の含有量
が25〜85重量%であるブロツク共重合体 を含有し、これら3成分の合計量に基づく含有量が
(A)成分25〜70重量%、(B)成分25〜70重量%及び
(C)成分2〜25重量%の範囲内にあり、(D)成分の
含有量が(A)、(B)、(C)3成分の合計量100重
量部当り0.05〜0.5重量部であり、かつ(A)成分が連
続相を形成し、この連続相中に(B)成分が平均粒子径
0.5〜10μmの分散相として存在し、さらに実質上すべ
ての(C)成分が分散相中にミクロ分散した状態で存在
していることを特徴とする温度290℃、剪断速度100sec
-1の条件下で測定した溶融粘度が3600ポイズ以下の射出
成形用熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
本発明組成物において(A)成分として用いられるポリ
アミドは、ポリマー主鎖に 結合を有するものであつて、加熱溶融できるものであれ
ば、いずれも使用可能である。
その代表的なものとしては、4−ナイロン、6−ナイロ
ン、6,6−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、
テレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンとか
ら得られるポリアミド、アジピン酸とメタキシリレンジ
アミンとから得られるポリアミド、アジピン酸とアゼラ
イン酸及び2,2−ビス(p−アミノシクロヘキシル)−
プロパンとから得られるポリアミド、テレフタル酸と4,
4′−ジアミノジシクロヘキシルメタンとから得られる
ポリアミド及びこれらの中の2種以上の組合せから成る
コポリアミドなどが挙げられる。これらの中で特に6−
ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン及びナイロ
ン6と6,6との共重合体が好適である。
本発明組成物において(B)成分として用いられるポリ
フエニレンエーテルは、一般式 (式中のR1及びR2の少なくとも一方は直鎖状又は第一級
若しくは第二級分枝鎖状の炭素数1〜4のアルキル基、
アリール基、ハロゲン原子又は水素原子であつて、これ
らは同一であつてよいし、たがいに異なっていてもよい
がR1及びR2は同時に水素原子になることはない) で示される繰り返し単位から成る単独重合体、前記一般
式(I)で示される繰り返し単位と一般式 (式中のR3、R4、R5及びR6は、それぞれ直鎖状又は第一
級若しくは第二級分枝鎖状の炭素数1〜4のアルキル
基、アリール基、ハロゲン原子、水素原子などであつ
て、これらは同一であつてもよいし、たがいに異なつて
いてもよいが、R3及びR4は同時に水素原子になることは
ない) で示される繰り返し単位とから成る共重合体、これらの
単独重合体や共重合体にスチレンをグラフト重合させた
グラフト共重合体などである。
ポリフエニレンエーテルの単独重合体の代表例として
は、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フエニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フエニレ
ン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フエニレ
ン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−
4,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロ
ピル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−メチル
−6−n−ブチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ
(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フエニレン)
エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロ−1,4−フエ
ニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシ
エチル−1,4−フエニレン)エーテル、ポリ(2−メチ
ル−6−クロロエチル−1,4−フエニレン)エーテルな
どのホモポリマーが挙げられる。
ポリフエニレンエーテル重合体は、o−クレゾール又は
一般式 (式中のR3、R4、R5及びR6は前記と同じ意味をもつ) で表わされる2,3,6−トリメチルフエノールなどのアル
キル置換フエーノルと共重合して得られるポリフエニレ
ンエーテル構造を主体とするポリフエニレンエーテル共
重合体を包含する。
本発明組成物において(C)成分として用いられるブロ
ツク共重合体は、該組成物中において、分散相として存
在するポリフエニレンエーテル相の中にその実質上すべ
てがミクロ分散していることが必要であり、それには、
ポリアミドよりもむしろポリフエニレンエーテルに親和
性の強いゴム状物質であることが必要である。したがつ
て、本発明組成物に用いることのできるブロツク共重合
体は、ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロ
ツクと共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロツ
クとをそれぞれ少なくとも1個を有し、かつビニル芳香
族化合物単位の含有量が25〜85重量%であるものであ
る。該ビニル芳香族化合物単位の含有率の好ましい範囲
は30〜70重量%、さらに好ましい範囲は35〜60重量%で
ある。この含有率が25重量%未満では、いかなる混合条
件においても、該ブロツク共重合体は実質的に分散相と
して存在するポリフエニレンエーテル相中にミクロ分散
した状態で存在しえないし、一方85重量%を超えるとゴ
ム状物質としての補強効果が大幅に低下し、十分な衝撃
強度が得られない。ビニル芳香族化合物単位の含有率が
25〜30重量%の範囲にある場合には、ブロツク共重合体
はポリフエニレンエーテル相中にミクロ分散した状態で
存在することはできるが、分散粒子径が肥大化しやす
く、耐衝撃性が低下する傾向にある。また該含有率が30
重量%より多くかつ35重量%以下の範囲では、ブロツク
共重合体がポリフエニレンエーテル相中に存在するとと
もに、ポリフエニレンエーテル分散粒子径が小さくな
り、耐衝撃性が向上し、さらに35重量%より多くかつ60
重量%以下の範囲では、ブロツク共重合体がポリフエニ
レンエーテル中に極めて均一に分散するとともに、ポリ
フエニレンエーテル分散粒子もポリアミド相中に均一に
ミクロ分散し、物性バランスの最も優れた組成物が得ら
れる。一方、該含有率が70〜85重量%の範囲にある場合
には、分散相はミクロ分散するが、ブロツク共重合体の
ゴム状物質としての補強効果が耐熱変形性が若干低下す
るのを免れない。
前記ブロツク共重合体を構成するビニル芳香族化合物単
位としては、例えばスチレン単位、α−メチルスチレン
単位、ビニルトルエン単位などが挙げられ、これらの単
位は1種含まれていてもよいし、2種以上含まれていて
もよいが、特にスチレン単位が好ましい。また、共役ジ
エン化合物単位としては、例えばブタジエン単位、イソ
プレン単位、1,3−ペンタジエン単位などが挙げられ、
これらの単位は1種含まれていてもよいし、2種以上含
まれていてもよいが、特にブタジエン単位が好適であ
る。
該ブロツク共重合体の分子構造については特に制限はな
く、例えば直鎖状、分枝状、放射状、あるいはこれらの
任意の組合せのいずれであつてもよい。さらに、ビニル
芳香族化合物単位の含有率の平均値を結果的に前記範囲
内にしうるならば、ビニル芳香族化合物単位の含有率が
異なる2種以上のブロツク共重合体を使用することもで
きる。ただし、この場合、それぞれのブロツク共重合体
のビニル芳香族化合物単位の含有率は20〜90重量%の範
囲内にあることが必要である。また、該ブロツク共重合
体は、その特性を失わない限り、有機化合物や無機化合
物によつて適宜変性されていてもよい。
本発明組成物におけるポリアミド、ポリフエニレンエー
テル及びブロツク共重合体の配合割合については、この
3成分の合計量に基づき、ポリアミドが25〜27重量%、
好ましくは30〜60重量%、ポリフエニレンエーテルが25
〜70重量%、好ましくは30〜60重量%、ブロツク共集合
体が2〜25重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲にな
るように選ぶ必要がある。
さらに、各成分の分散形態については、ポリアミドが連
続相を形成し、ポリフエニレンエーテルが該連続相中に
分散して平均粒子径0.5〜2.1μmの分散相を形成すると
ともに、ブロツク共重合体の実質上すべてが分散相のポ
リフエニレンエーテル中にミクロ分散していることが必
要である。
また、前記3成分の合計量に対し、ポリアミドが25重量
%未満又はポリフエニレンエーテルが70重量%を超える
場合は、いかなる混合条件においても、ポリアミドが連
続相を、ポリフエニレンエーテルが分散相を形成するこ
とができず、一方、ポリアミドが70重量%を超えるか又
はポリフエニレンエーテルが25重量%未満では、該組成
物の高荷重下における耐熱変形性が劣るので好ましくな
い。さらに、ブロツク共重合体は耐衝撃性向上のために
必要であり、その含有量が2重量%未満では耐衝撃性の
改良効果がなく、一方25重量%を超えると機械的強度が
低下する。
また、各成分の分散形態を前記のようにするのは、ポリ
アミドが分散相を形成するか、又はポリアミドとポリフ
エニレンエーテルの両方が連続相を形成する場合には、
該組成物の耐油性、耐熱性及び剛性が低下し、ポリフエ
ニレンエーテルの分散相が平均粒子径0.5μm未満では
耐衝撃性及び成形流動性が低下するし、また、過酷な成
形条件下においても、より均一な分散相をより安定した
状態で形成させるには、2.1μm以下にすることが必要
であり、さらにブロツク共重合体が独立してポリアミド
相に多量存在すると熱変形温度及び剛性が著しく低下す
るなどの理由による。
次に、本発明組成物の一般的な製造方法について説明す
るが、もちろん前記の各条件が満足されておれば、他の
製造方法を用いることもできる。
すなわち、本発明組成物は、ポリアミド、ポリフエニレ
ンエーテル及びブロツク共重合体を、これらの合計量に
対し、それぞれ25〜70重量%、25〜70重量%及び2〜25
重量%の割合で溶融混練することにより得られるが、こ
の際ポリフエニレンエーテルの分散粒子径調節剤とし
て、マレイン酸化合物を用いることが必要である。この
マレイン酸化合物としては、例えばマレイン酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸の半アルキルエステル、マレイン
酸アミド、マレイン酸イミドなどが挙げられるが、これ
らの中でマレイン酸及び無水マレイン酸が好ましい。
この分散粒子径調節剤の添加量は、前記(A)、
(B)、(C)3成分の合計量100重量部に対し、0.05
〜0.5重量部の範囲で選ばれる。この添加量が0.05重量
部よりも少ないとポリフェニレンエーテルの平均分散粒
子径を2.1μm以下にすることが困難になるし、また0.5
重量部よりも多くしても特に物性上の差異を生じること
がない。
さらに、ブロック共重合体を分散相のポリフエニレンエ
ーテル中に容易にかつ均一に分散させるために、分散形
態調節剤として、前記のマレイン酸化合物とともに、特
定のアミン系化合物を併用してもよい。このアミン系化
合物は、分子中に少なくとも1個の窒素原子と硫黄原子
とを有する化合物であり、このようなものとしては、例
えばフエノチアジンや、炭素数1〜30のアルキル基、ア
ルケニル基、アリール基、アミド基、アシル基などの置
換基を有するフエノチアジン誘導体などが挙げられる。
これらのアミン系化合物を添加する場合、その量は前記
3成分の合計量に対して、0.05〜2重量%、好ましくは
0.1〜1重量%の範囲で選ぶことが望ましい。この添加
量が0.05重量%未満では添加効果が実質的に発揮され
ず、また2重量%を超えると、その量の割には効果が向
上しない。
溶融混練する温度及び時間は、使用するポリアミドの種
類や、ポリアミドとポリフエニレンエーテルとの組成比
によつて異なるが、通常、240〜350℃、好ましくは260
〜320℃の範囲の温度が、また0.2〜10分、好ましくは0.
5〜5分程度の混練時間が用いられる。溶融混練装置と
しては、押出機、ニーダー、ロールなどを用いることが
できるが、特に好適なのは押出機である。
本発明組成物には、所望に応じ他のポリマー、可塑剤、
難燃剤、あるいはガラス繊維、カーボン繊維、カーボン
ブラツク、シリカ、クレーなどの充てん剤などを、本発
明の目的を損わない範囲内で添加することができる。前
記他のポリマーとしては、ポリフエニレンエーテル相に
実質的に相溶するポリマーであることが望ましく、例え
ばポリスチレンやゴム変性ポリスチレンなどが挙げられ
る。
なお、本発明における分散形態及び分散粒子径は電子顕
微鏡写真法により求めることができ、また該分散粒子径
は次のようにして算出することができる。
すなわち、成形品より切り取つた超薄切片の透過型電子
顕微鏡写真(写真倍率4000倍)を調整し、分散粒子径d
i、粒子数niを求め、分散相の平均径を次式により算出
する。
この場合、粒子形状が球形とみなせない場合には、その
短径と長径を測定し、両者の和の1/2を粒子径とした。
また、平均粒子径の算出には最低2000個の粒子の径を測
定する。
発明の効果 本発明の射出成形用熱可塑性樹脂組成物は、主要構成成
分として、ポリアミド、ポリフエニレンエーテル及びブ
ロツク共重合体を含有するものであつて、これら3成分
が特定の分散形態を有するため、従来のものに比べて、
耐熱変形性、耐衝撃性、耐油性、剛性、成形流動性など
にバランスのとれた物性を示す。
これは、ブロツク共重合体が連続相のポリアミド中に単
独で分散することなく、分散相のポリフエニレンエーテ
ル相中にミクロ分散した構造をもつことによつて、優れ
た耐熱性、剛性、成形流動性、耐油性を有するようにな
り、さらに、該ブロツク共重合体がミクロ分散したポリ
フエニレンエーテル相がポリアミド相中に微分散した構
造をもつことによつて、前記特性を損うことなく耐衝撃
性が向上するためと考えられる。
実施例 次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によつてなんら限定されるものではな
い。
なお、ブロツク共重合体は市販品が利用できる場合はそ
れを用い、使用したグレード名を各表の下部に注記す
る。また、市販品が利用できない場合は、次に示す方法
で重合し、それを用いた。
ブロツク共重合体の重合法 ブチルリチウム触媒を用いてシクロヘキサン中でスチレ
ン12.5重量部を重合させたのち、ブタジエン75重量部を
重合し、さらにスチレン12.5重量部を添加して重合し、
スチレン単位25重量%を含有するブロツク共重合体の20
重量%溶液を得た。このブロック共重合体のMI(G条
件)は6.0であった。また、スチレン単位の含有量が異
なるブロツク共重合体も、MIがほぼ前記のものと同じに
なるように合成した。
実施例1、比較例1〜3 固有年度が0.62(25℃、クロロホルム中)であるポリ
(2,6−ジメチルフエニレン−1,4−エーテル)50重量
部、6,6−ナイロン〔旭化成工業(株)製、レオナ1300
S〕40重量部、ブロツク共重合体(その構造、結合スチ
レン量がそれぞれ第1表に示すものを使用)10重量部、
無水マレイン酸0.5重量部を30mmφの2軸押出機に供給
し、300℃、5回/sec(ただし、比較例3は2回/sec)
のスクリュー回転数で押出混練し、ペレツト化した。次
いで射出成形機で試験片を作成し、下記試験法に従つ
て、その特性を評価した。結果を第1表に示す。
加熱変形温度:JIS K 7207加重18.6Kg/cm2 アイゾット衝撃強さノッチ付:JIS K 7110 1/4″厚さ 曲げ弾性率:ASTM−D 790 流れ:290℃でのダンベル試験片成形時のシヨートシヨツ
ト成形圧力 耐油性:1,1,1−トリクロルエタンの蒸気に5分間暴露後
の成形品外観の状態 溶融粘度:温度290℃、剪断速度1000sec-1で測定 第1表から分かるように、実施例1で得られた組成物
は、耐熱変形温度、耐衝撃性、剛性、耐油性に優れる。
これに対して、ブロツク共重合体として、ポリスチレブ
ロツク部分をもたないものを用いて得られた比較例1及
び2の組成物においては、ブロツク共重合体の大部分が
ポリフエニレンエーテル中に分散せずに、ポリアミド相
に分散しており、耐熱変形温度、剛性、流動性が劣る。
また、比較例3では、スクリュー回転数2回/secで押出
しを行い、他は実施例1と同様に行つたところ、得られ
た組成物中のPPEの平均粒子径が10μmを超え、耐衝撃
強度が著しく低下した。
実施例2〜4、比較例4、5 ブロツクSBRの結合スチレン量を変えて実施例1と同様
の操作を行い、ペレツトを作成し、その特性を評価し
た。結果を第2表に示す。
第2表から、実施例2〜4の組成物は、耐熱変形温度、
耐衝撃性、剛性、流動性のバランスに優れていることが
分かる。
これに対し、本発明の範囲外である結合スチレン量が20
重量%であるブロツク共重合体を使用して得られた比較
例4の組成物は、ブロツク共重合体がポリフエニレンエ
ール中に分散せず、耐衝撃性、耐熱変形温度、剛性、流
動性が劣り、また、ポリスチレンのブロツク部分をもつ
が結合スチレン量が90重量%のブロツク共重合体を用い
て得られた比較例5の組成物は耐衝撃性に劣ることが分
かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQS LQV

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリアミド、 (B)ポリフェニレンエーテル、 (C)ビニル芳香族化合物単位を主体とする重合体ブロ
    ックと共役ジエン化合物単位を主体とする重合体ブロッ
    クから構成され、該ビニル芳香族化合物単位の含有率が
    25〜85重量%であるブロック共重合体及び (D)マレイン酸化合物 を含有し、(A)、(B)、(C)3成分の合計量に基
    づく含有量が(A)成分25〜70重量%、(B)成分25〜
    70重量%及び(C)成分2〜25重量%の範囲内にあり、
    (D)成分の含有量が(A)、(B)、(C)3成分の
    合計量100重量部当り0.05〜0.5重量部であり、かつ
    (A)成分が連続相を形成し、この連続相中に(B)成
    分が平均粒子径0.5〜2.1μmの分散相として存在し、さ
    らに実質上すべての(C)成分が分散相中にミクロ分散
    した状態で存在していることを特徴とする溶融粘度3600
    ポイズ以下の射出成形用熱可塑性樹脂組成物。
JP61265113A 1985-12-26 1986-11-07 射出成形用熱可塑性樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0737565B2 (ja)

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